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審決分類 審判 判定 判示事項別分類コード:なし 属さない(申立て成立) A44C
管理番号 1346805
判定請求番号 判定2018-600015  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 判定 
判定請求日 2018-04-12 
確定日 2018-11-30 
事件の表示 上記当事者間の特許第5424435号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 (イ)号図面及びその説明書に示す「身飾品」は、特許第5424435号発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1 請求の趣旨
本件判定請求の趣旨は、イ号物件説明書に示す身飾品(以下、「イ号物件」という。)は、特許第5424435号(以下、「本件特許」という。)の請求項1に係る発明(以下、「本件特許発明」という。)の技術的範囲に属さない、との判定を求めるものと認める(当審注:判定請求書の請求の趣旨の欄には、「イ号物件説明書に示す構成は、特許第5424435号の技術範囲に属さない、との判定を求める。」と記載されているところ、「第5424435号」は、請求の理由における本件特許発明の説明等の記載からみて、特許第5424435号の請求項1に係る発明」の趣旨であると判断し、請求人に確認の上、上記のとおり認定した。)。

第2 手続の経緯
本件特許発明に係る出願は、平成25年9月13日に出願されたものであって、同年12月6日に特許権の設定登録がされたものである。
その後、平成30年4月12日に本件判定が請求され、同年7月13日付けで被請求人に判定請求書副本を送付し、同年8月6日に答弁書が提出され、 同年8月23日付けで請求人及び被請求人に対して審尋を送付し、同年9月13日に被請求人から、同年9月19日に請求人から、それぞれ回答書が提出されたものである。

第3 本件特許発明
1 本件特許発明
本件特許発明は、本件特許明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであり、これを符号を付して構成要件に分説すると、次のとおりである。

「A 使用者の所定の箇所あるいは前記使用者が装着する所定の部材に吊り下げて使用される身飾品であって、
B-1 装飾体を保持する保持手段と、
B-2 前記所定の箇所あるいは前記所定の部材に吊り下げられるフレームと、
B-3 前記フレームに固定され、円状あるいは円弧状の第1の曲部を備えた第1の係合部と、
前記保持手段に固定され、円状あるいは円弧状の第2の曲部を備え、前記第1の曲部と前記第2の曲部との内周部同士を第1の接合位置で接合させて揺動可能に前記第1の係合部と係合する第2の係合部と、
B-4 前記フレームが前記吊り下げられて使用されている状態の重力方向において前記第1の係合部と略同じ位置で、前記第1の係合部と所定の距離を隔てて前記フレームに固定され、円状あるいは円弧状の第3の曲部を備えた第3の係合部と、
前記重力方向において前記第2の係合部と略同じ位置で、前記第2の係合部と所定の距離を隔てて前記保持手段に固定され、円状あるいは円弧状の第4の曲部を備え、前記第3の曲部と前記第4の曲部との内周部同士を第2の接合位置で接合させて揺動可能に前記第3の係合部と係合する第4の係合部と
を有し、
C 前記吊り下げられて使用され、且つ前記装飾体および前記保持手段に外力が加えられていない状態で、
前記装飾体の正面が重力方向に対して約5°?約45°の角度だけ上方に向けた姿勢になり、
且つ前記装飾体と前記保持手段との全体の重心に対して前記重力方向における上方位置に、前記第1の接合位置と前記第2の接合位置とが位置するように、
前記第2の係合部および前記第4の係合部が前記保持手段に固定されている
D 身飾品。」(以下、分説した構成要件を「構成要件A」等という。)

なお、分説について、第1の係合部と第2の係合部は、それぞれが備える第1の曲部と第2の曲部が第1の接合位置で接合することによって、揺動可能になるものであって、揺動という作用を奏する上で、相互の関連が強いものであるから同じ構成要件に分説し、構成要件B-3とした。同様に、第3の係合部と第4の係合部についても、同じ構成要件に分説し、構成要件B-4とした。

2 本件特許明細書等の記載
本件特許明細書等の発明の詳細な説明には、本件特許発明が解決しようとする課題及び実施形態について、次の記載がある。

「【0003】
ところで、装飾体を揺動可能に支持したペンダント等において、装飾効果をさらに高めたいという要請がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装飾体を揺動させる身飾品において、その装飾効果を高めることができる身飾品を提供することにある。」

「【0011】
以下、本発明の身飾品の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の実施形態のペンダントトップ1の揺動していない状態での側面図、図2は図1に示すペンダントトップ1を説明するための図、図3は図1に示すペンダントトップ1の正面図、図4は図1に示すペンダントトップ1の背面図、図5(A)はダイヤモンド7を装着していない状態の座台部5の正面図、図5(B)は座台部5の底面図である。
なお、図1?図4は、フレーム10を使用者の首等に紐状部材(図示せず)によって吊り下げて使用している状態(使用状態)を示している。このとき、開口部10aの係合位置10a1に紐状部材が係合する。」

「【0017】
図2に示すように、第2のリング31と第4のリング33は、上述した使用状態で、且つ座台部5およびダイヤモンド7に外力が加えられていない状態で、テーブル面7aが重力方向に対して約5°?約45°の角度αだけ上方に向けた姿勢になるように、座台部5に固定されている。
上記所定の角度αの範囲は、女性の胸上の傾斜角、並びに正面に位置する看者の目線の角度を基に最適なものとして決定されている。例えば、角度αは15°である。
ここで、本発明の「装飾体の正面」とは、装飾体の看者に見せようとする側を示しており、特に平面である必要はない。
【0018】
ペンダントトップ1を装着したときに、女性の胸の膨らみにより、フレーム10が上向きに傾斜した姿勢になる。本実施形態では、上述したようにテーブル面7aに角度αを持たせたことで、正面にいる他人の目の位置から見たときに、目線とダイヤモンド7のテーブル面7aとを略直交させることができ、美感を高めることができる。
また、フレーム10の姿勢とダイヤモンド7のテーブル面7aの姿勢とを一致させることができ、ダイヤモンド7をより美しく見せることができる。
【0019】
また、図2に示すように、第1のリング21と第3のリング23は、上記使用状態の揺動していない状態で、第1の接合位置51と第2の接合位置53とが、座台部5とダイヤモンド7との全体の重心72に対して重力方向における上方位置になるように座台部5に固定されている。
これにより、テーブル面7aを使用者の正面側に向けた姿勢に安定して保持できる。
【0020】
また、図2に示すように、上述した使用状態で、且つ、座台部5およびダイヤモンド7に外力が加えられていない状態で、第1の接合位置51と第2の接合位置53とを結ぶ線に対して直交する面方向において、座台部5とダイヤモンド7との全体の重心に対して重力方向に第1の接合位置51および第2の接合位置53がある。
また、例えば、テーブル面7aが重力方向に平行になるように外力を加えた状態で、重心72は、第1の接合位置51および第2の接合位置53に対して、ダイヤモンド7の背面側に位置する。
これは、例えば、図3?図5に示す第1の継手61と第2の継手63とを角度αに応じた角度だけ捩じることで実現されている。
これにより、前述したようにテーブル面7aを角度αだけ傾けることができると共に、座台部5を、第1の接触位置(第2の接触位置)を中心に、小さな振幅で短い周期で振動させることができ、ダイヤモンド7の美感をさらに高めることができる。
また、揺動する座台部5およびダイヤモンド7と、フレーム10との間の距離を十分にとることが可能になる。
なお、上述したように第1の継手61と第2の継手63を捩じる方法以外の方法で、重心72が第1の接合位置51および第2の接合位置53に対して、ダイヤモンド7の背面側に位置するようにしてもよい。
例えば、第1の継手61の第2のリング31側の部分が座台部5側の部分に対してダイヤモンド7の正面側に位置するように第1の継手61が曲げられてもよい。この場合には、第2の継手63の第4のリング33側の部分が座台部5側の部分に対してダイヤモンド7の正面側に位置するように第2の継手63が曲げられる。
ただし、上述したように第1の継手61と第2の継手63とを捩じることで、その他の方法に比べて、製造が容易である。また、捩じる方向の外力は通常の使用では生じないため、第1の接合位置51および第2の接合位置53と重心72との位置関係がずれにくくすることができる。また、高い強度を持たせることも可能になる。」

第4 イ号物件
1 請求人による特定
請求人は、判定請求書及びイ号物件説明書において、イ号物件の構成を以下のとおり特定し、分説することができると主張している(なお、判定請求書に用いられる「A」、「B○1(○の中にアラビア数字の1)」等は、「a’」、「b’-1」等のように表記する。)。

「a’ 使用者の所定の箇所あるいは前記使用者が装着する所定の部材に吊り下げて使用されるか又は吊り下げずに使用される身飾品であって、
b’-1 装飾体を保持する容器状の保持手段と、
b’-2 前記所定の箇所あるいは前記所定の部材に吊り下げられることが可能であって、保持手段の両側及び上側に配置されているフレームと、
b’-3 保持手段の両側から水平方向に突設され、かつ上側に屈曲した後更に水平方向に延設され、当該延長端部は下方にピボット状の支軸が形成されているアーム部と
を有し、
c’ 前記吊り下げられて使用され、かつ前記装飾体および前記保持手段に外力が加えられていない状態にて装飾体の正面が重力方向に対し0°の角度を呈し、かつ前記装飾体と前記保持手段との全体の重心に対して、前記重力方向における側方の位置にて、ピボット状の支軸が両側のフレームの凹部における下側面に当接している
d’ 身飾品。」

2 被請求人による特定
被請求人は、判定請求答弁書において、イ号物件及び特許第5960336号に関する説明書に基づいて、イ号物件の構成を以下のとおり特定し、分説することができると主張している(なお、判定請求答弁書に用いられる「a)」、「b-1)」等は、「a’’」、「b’’-1」等のように表記する。)。

「a’’ 使用者の所定の箇所あるいは前記使用者が装着する所定の部材に吊り下げて使用される身飾品(10)であって、
b’’-1 装飾体(1)を保持する保持手段(2)と、
b’’-2 前記所定の箇所あるいは前記所定の部材に吊り下げられるフレーム(3)と、
b’’-3 前記フレーム(3)に固定され、円弧状の第1の曲部(3a)を備えた第1の係合部と、
b’’-4 前記保持手段(2)に固定され、ピボット状の第2の支軸部(4a)を備え、前記第1の曲部(3a)と前記第2の支軸部(4a)を第1の接合位置で接合させて揺動可能に前記第1の係合部と係合する第2の係合部と、
b’’-5 前記フレーム(3)が前記吊り下げられて使用されている状態の重力方向において前記第1の係合部と略同じ位置で、前記第1の係合部と所定の距離を隔てて前記フレーム(3)に固定され、円弧状の第3の曲部(3b)を備えた第3の係合部と、
b’’-6 前記重力方向において前記第2の係合部と略同じ位置で、前記第2の係合部と所定の距離を隔てて前記保持手段に固定され、ピボット状の第4の支軸部(4b)を備え、前記第3の曲部(3b)と前記第4の支軸部(4b)とを第2の接合位置で接合させて揺動可能に前記第3の係合部と係合する第4の係合部と
を有し、
c’’ 前記吊り下げられて使用され、且つ前記装飾体(1)および前記保持手段(2)に外力が加えられていない状態で、
前記装飾体(1)の正面が重力方向に対して0°の角度の姿勢になり、
d’’ 且つ前記装飾体(1)と前記保持手段(2)との全体の重心に対して前記重力方向における上方位置に、前記第1の接合位置と前記第2の接合位置とが位置するように、
前記第2の係合部および前記第4の係合部が前記保持手段(2)に固定されている
身飾品。」

3 当審による認定
(1)審尋の内容
平成30年8月23日付けで請求人及び被請求人に送付した審尋の内容は次のとおりである。

「1.請求人に対して

(1)イ号物件説明書第1図ないし第3図の記載では、「アーム部4」の「ピボット状の支軸」が当接する「フレーム3の凹部における下側面」の構成が不明であり、この「凹部における下側面」が、本件特許発明の「第1の係合部」及び「第3の係合部」との対比の関係で、「円状あるいは円弧状」の「曲部を備え」たものであるか否かが不明であるため、イ号物件の構成が特定できない。
請求人がイ号物件の販売に当たり実施許諾を得たと主張する特許第5960336号(以下「別件特許」という。)について、被請求人は、別件特許の特許公報(甲第3号証)に掲載された図4における符号21が示す部分(揺動アーム部15のピボット状の支軸16が係合する装身具用枠体12の軸受凹部21の部分)は円弧状の湾曲面が形成されていると認められる旨主張しているが(判定請求答弁書「答弁の理由」第7ページ第2行ないし第9行、並びに「イ号物件及び特許第5960336号に関する説明書」第2ページ第2行ないし第6行及び第13行ないし第14行参照)、請求人が判定を求めるイ号物件の構成においても同様に、「凹部における下側面」が円弧状の曲部を備えたものであるか否かが不明である。
請求人は、イ号物件の「フレーム3」の側断面斜視図の提出等により、上記の点についてイ号物件の構成を明確にされたい。

(2)請求人は、イ号物件説明書第2.において、イ号物件を「前記吊り下げられて使用され、かつ前記装飾体1及び前記保持手段2に外力が加えられていない状態にて・・・前記装飾体1と前記保持手段2との全体の重心に対して、前記重力方向における側方の位置にて、ピボット状の支軸が両側のフレーム3の凹部における下側面に当接している」ものと特定している。
しかし、この「重力方向における側方の位置」とは、重力方向における上方位置や下方位置ではなく略同じ位置であるという意味であるのか否か不明確であり、更に、イ号物件説明書第1図ないし第3図の記載では、「前記装飾体1と前記保持手段2との全体の重心」がどこであるのか不明であるため、イ号物件が特定できない。
被請求人は、「イ号物件における第1の係合部?第4の係合部の位置関係を考慮すると、また、別件特許明細書の段落【0017】の記載等を参酌すると」、イ号物件の構成において「前記装飾体と前記保持手段との全体の重心に対して前記重力方向における上方位置に、前記第1の接合位置と前記第2の接合位置とが位置する」と主張しているが(判定請求答弁書「答弁の理由」第7ページ第16行ないし第19行、並びに「イ号物件及び特許第5960336号に関する説明書」第2ページ第23行ないし第27行参照)、請求人が判定を求めるイ号物件の構成において、「ピボット状の支軸が両側のフレーム3の凹部における下側面に当接」する位置が「前記装飾体1と前記保持手段2との全体の重心に対して、前記重力方向における」上方位置であるか否か、イ号物件説明書第1図ないし第3図の記載では不明である。
請求人は、イ号物件の特定において、「ピボット状の支軸が両側のフレーム3の凹部における下側面に当接している」箇所が、当該「全体の重心」に対して、重力方向における(ア)上方位置であるのか、(イ)略同じ位置であるのか、又は(ウ)下方位置であるのか明確にされたい。上記(イ)又は(ウ)の場合には、当該「全体の重心」となる位置を示した上で、その根拠を説明されたい。

2.被請求人に対して

上記1.(1)及び(2)に記載したとおり、被請求人は判定請求答弁書において、別件特許の特許明細書及び図面の記載を参酌してイ号物件の構成を特定しているが、上記1.(1)及び(2)において不明であると指摘したイ号物件の構成について、別件特許の特許明細書及び図面に記載された構成と同様の構成を有するといえる根拠があれば説明されたい。
なお、別件特許の請求項1の記載では当該構成についての限定はなく、別件特許の実施許諾を得て販売する商品が必ずしも当該構成を有するものであるとはいえない。 」

(2)請求人の回答書の概要
前記(1)の審尋に対して、平成30年9月19日付けで請求人から提出された回答書の概要は次のとおりである。

「一.凹部における下側面について
1.凹部における下側面は、判定請求書のイ号物件説明書第1図において、正面方向から背面方向に向かう方向にて円弧状の曲部、即ち下側に凹んだ円弧状の曲面を備えております。」(回答書に添付された「回答の内容」第1ページ第2行?第5行)

「二.支軸の凹部における下側面における当接位置と装飾体1及び保持手段2とによる重心との上下関係
1.判定請求書のイ号物件説明書において、ピボット状の支軸が凹部における下側面に当接している位置は、装飾体1と保持手段2とによる全体の重心の位置に対し上側に配置されております。
1.上記1の配置関係は、判定請求書のイ号物件説明書の第2図、第3図の状態を考慮したうえで、第1図を参照することによって、直感的に察知し得るところです。」(回答書に添付された「回答の内容」第1ページ第17行?第24行)

(3)被請求人の回答書の概要
前記(1)の審尋に対して、平成30年9月13日付けで被請求人から提出された回答書の概要は次のとおりである。

「[2]イ号物件のフレーム3の凹部における下側面の形状について(上記1.(1)の点について):
・・・(中略)・・・
先ず、○1(注:被請求人の回答書に用いられる「○1(○の中にアラビア数字の1)」は、「○1」と表記する。以下「○2(○の中にアラビア数字の2」等についても同様に表記する。)請求人が提出した判定請求書の「請求の理由」における「第1.請求の利益」の欄には、請求人株式会社ピースは、特許第5960336号(別件特許)の特許権者であり、当該特許に係る発明について、請求人株式会社トップジュエリーに対し実施の許諾を行っており、請求人株式会社トップジュエリーは、実施許諾を得たうえで、イ号物件を代表的商品として販売している旨が説明されています(「請求の理由」の第1頁第9行目?第16行目を参照)。
・・・・(中略)・・・
○4また、請求人の判定請求書に添付された「イ号物件説明書」の第1図には、フレーム3の断面形状が示されており、この第1図の断面形状は、別件特許公報の図3に示されている装身具用枠体12の断面形状と酷似しています。
○5その上、判定請求書の「請求の理由」の第5頁第26行目?第29行目には、「イ号物件は、フレームの凹部における下側面にアーム部のピボット状の支軸が当接することによって、身飾品をフレームの揺動自在に取り付け、装飾体のスムーズかつ均一な動きを可能とする身飾品を得ることを基本的技術思想としている(甲3の段落【0013】の発明の効果の頁)。」と記載されており、イ号物件が、別件特許の明細書に記載されている装身具11と同様の効果が得られる旨が説明されています。
従いまして、イ号物件のフレーム3の凹部における下側面の形状を認定する場合、上述した○1?○5の事項を勘案すると、フレーム3の凹部における下側面の形状は、別件特許の特許明細書及び図面に記載された構成と同様に形成されていると判断することが相当であると認められます。」(回答書第3ページ第12行?第4ページ第26行)

「[3]イ号物件の装飾体と保持手段との全体の重心の位置について(上記1.(2)の点について):
・・・(中略)・・・
装飾体となる宝石は、通常、上下方向及び左右方向に対称的にカットされることが多く、この場合、装飾体(宝石)とその保持手段との全体の重心は、上下方向に関して、装飾体(宝石)における上下方向の中心線上又はその近傍に位置します。
ここで、判定請求書に添付された「イ号物件説明書」の第1図に対し、装飾体1における上下方向の中心位置を示す直線Gを一点鎖線で追加した参考図を以下に示します。この参考図を参照すると、イ号物件の場合、装飾体1と保持手段2との全体の重心は、上下方向に関し、装飾体1における上下方向の中心線G上の位置に、又はその中心線Gよりも僅かに上側の位置にあると判断することが相当であると認められます。そしてこの場合、イ号物件では、ピボット状の支軸が両側のフレーム3の凹部における下側面に当接する位置が、装飾体1と保持手段2との全体の重心に対して重力方向における上方位置にあることは明らかです。」(回答書第5ページ第1行?第22行)

(4)当審におけるイ号物件の認定
前記「1」及び「2」に記載した請求人及び被請求人がそれぞれ特定したイ号物件の内容、前記(2)及び(3)に記載した請求人及び被請求人から提出された回答書の記載内容等、当事者の主張を踏まえると、イ号物件について、次の事項を把握することができる。
なお、イ号物件を特定するために用いるイ号物件の部材名及びその符号については、判定請求書に添付されたイ号物件説明書の第1図?第3図、及び請求人から提出された平成30年9月19日付け回答書の別紙における添付図面に、当審が部材名、符号等を追記した(別紙)を参照されたい。

ア 判定請求書に添付されたイ号物件説明書の第1図をみると、フレーム(3)の最上部に環状の部位が形成されており、装飾体(1)は、使用者の所定の箇所あるいは使用者が装着する所定の部材に吊り下げて使用されるものであることがみてとれる。一方で、吊り下げずに使用されるものであるかは不明である。
イ イ号物件説明書の第2図、第3図をみると、装飾体(1)を保持する保持手段(2)は容器状であることがみてとれる。
ウ イ号物件説明書の第1図をみると、所定の箇所又は部材に吊り下げられるフレーム(3)は、保持手段(2)の両側及び上側に配置されていることがみてとれる。
エ イ号物件説明書の第1図?第3図をみると、保持手段(2)の両側には、重力方向における略同じ位置で、所定の距離を隔てて固定された第2のアーム部(42)、第4のアーム部(44)が設けられているといえ、また、該第2のアーム部(42)、第4のアーム部(44)は、それぞれピボット状の第2の支軸部(42p)、第4の支軸部(44p)を備えているといえる。なお、保持手段(2)に固定される支軸部(42p,44p)、アーム部(42,44)はそれぞれ2つであるが、被請求人のイ号物件の特定にならい、第2の支軸部、第4の支軸部という用語を用い、それに合わせて第2のアーム部、第4のアーム部とした。
オ イ号物件説明書の第1図をみると、フレーム(3)の両側には、重力方向における略同じ位置で、所定の距離を隔てて設けられた前記第2の支軸部(42p)と当接する部位及び前記第4の支軸部(44p)と当接する部位がみてとれる。そして、当該当接する部位は、被請求人が判定請求答弁書及び平成30年9月13日付け回答書で主張し、請求人も平成30年9月19日付け回答書で認めるように、円弧状の曲部を備えているといえる。そうするとイ号物件は、フレーム(3)の両側に、重力方向における略同じ位置で、所定の距離を隔てて設けられた円弧状の第1の曲部(31)、第3の曲部(33)を備えているといえる。なお、フレーム(3)に設けられる円弧状の曲部(31,33)は2つであるが、被請求人のイ号物件の特定にならい、第1の曲部、第3の曲部という用語を用いた。
カ イ号物件説明書の第1図及び前記エ、オの記載によると、前記第1の曲部(31)と前記第2の支軸部(42p)は第1の当接位置で当接され、前記第3の曲部(33)と前記第4の支軸部(44p)は第2の当接位置で当接されているといえる。
キ イ号物件説明書の第1図?第3図をみると、身飾品が吊り下げられて使用され、かつ装飾体(1)および保持手段(2)に外力が加えられていない状態で、装飾体(1)の正面は重力方向に対して0°の角度を呈しているといえる。
ク 前記第1の当接位置と前記第2の当接位置とは、被請求人が判定請求答弁書及び平成30年9月13日付け回答書で主張し、請求人も平成30年9月19日付け回答書で認めるように、装飾体(1)と保持手段(2)との全体の重心に対して重力方向における上方位置に位置しているといえる。

前記ア?クから、当審は、イ号物件を次のような構成a?dを有するものと認定した。

「a 使用者の所定の箇所あるいは前記使用者が装着する所定の部材に吊り下げて使用される身飾品であって、
b-1 装飾体(1)を保持する容器状の保持手段(2)と、
b-2 前記所定の箇所あるいは前記所定の部材に吊り下げられ、保持手段(2)の両側及び上側に配置されているフレーム(3)と、
b-3 前記フレーム(3)に設けられた円弧状の第1の曲部(31)と、
前記保持手段(2)に固定され、ピボット状の第2の支軸部(42p)を備え、前記第1の曲部(31)と前記第2の支軸部(42p)を第1の当接位置で揺動可能に当接させる第2のアーム部(42)と、
b-4 前記フレーム(3)が前記吊り下げられて使用されている状態の重力方向において前記第1の曲部(31)と略同じ位置で、前記第1の曲部(31)と所定の距離を隔てて前記フレーム(3)に設けられた円弧状の第3の曲部(33)と、
前記重力方向において前記第2のアーム部(42)と略同じ位置で、前記第2のアーム部(42)と所定の距離を隔てて前記保持手段(2)に固定され、ピボット状の第4の支軸部(44p)を備え、前記第3の曲部(33)と前記第4の支軸部(44p)を第2の当接位置で揺動可能に当接させる第4のアーム部(44)と
を有し、
c 前記吊り下げられて使用され、かつ前記装飾体(1)および前記保持手段(2)に外力が加えられていない状態で、
前記装飾体(1)の正面が重力方向に対して0°の角度を呈し、
かつ前記装飾体(1)と前記保持手段(2)との全体の重心に対して前記重力方向における上方位置に、前記第1の当接位置と前記第2の当接位置とが位置するように、
前記第2のアーム部(42)および前記第4のアーム部(44)が前記保持手段(2)に固定されている
d 身飾品。」

第5 判断
1 構成要件の充足性について
(1)構成要件Aについて
イ号物件の構成aは、使用者の所定の箇所あるいは前記使用者が装着する所定の部材に吊り下げて使用されるものであるから、本件特許発明の構成要件Aを充足する。

(2)構成要件B-1ないしB-4について
イ号物件の構成b-1は、装飾体(1)を保持可能な保持手段(2)であるから、本件特許発明の構成要件B-1を充足する。
イ号物件の構成b-2は、使用者の所定の箇所あるいは使用者が装着する所定の部材に吊り下げられるフレーム(3)であるから、本件特許発明の構成要件B-2を充足する。
本件特許発明の構成要件B-3は、第1の係合部が備えた第1の曲部と第2の係合部が備えた第2の曲部との内周部同士を接合させているのに対し、イ号物件においては、第1の曲部(31)と第2のアーム部(42)が備えたピボット状の第2の支軸部(42p)とを当接させるものであるから、イ号物件における構成b-3は、本件特許発明における構成要件B-3を充足しない。
本件特許発明の構成要件B-4は、第3の係合部が備えた第3の曲部と第4の係合部が備えた第4の曲部との内周部同士を接合させているのに対し、イ号物件においては、第3の曲部(33)と第4のアーム部(44)が備えたピボット状の第4の支軸部(44p)とを当接させるものであるから、イ号物件における構成b-4は、本件特許発明における構成要件B-4を充足しない。

(3)構成要件Cについて
本件特許発明の構成要件Cは、身飾品が吊り下げられて使用され、且つ装飾体および保持手段に外力が加えられていない状態で、装飾体の正面が重力方向に対して約5°?約45°の角度だけ上方に向けた姿勢になるように、第2の係合部および第4の係合部が保持手段に固定されているのに対し、イ号物件においては、装飾体(1)の正面が重力方向に対して0°の角度を呈するように、第2のアーム部(42)および第4のアーム部(44)が保持手段(2)に固定されるものであるから、イ号物件における構成cは、本件特許発明における構成要件Cを充足しない。

(4)構成要件Dについて
イ号物件の構成dは、身飾品であるから、本件特許発明の構成要件Dを充足する。

(5)構成要件の充足についてのまとめ
以上のとおりであるから、イ号物件は、本件特許発明の構成要件B-3、B-4及びCを充足しない。

2 均等論について
均等論適用の可否については、最高裁判決(最高裁平成10年2月24日第三小法廷判決、最高裁平成6年(オ)1083号)において、次の5つの要件が判示されている。

「特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存在する場合であっても、
(第一要件)その部分が特許発明の本質的部分ではなく、
(第二要件)その部分を対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであって、
(第三要件)このように置き換えることに、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が、対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであり、
(第四要件)対象製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれからその出願時に容易に推考できたものではなく、かつ、
(第五要件)対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないときは、
その対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当である。」

以下、事案に鑑み、上記5つの要件のうち、第一要件及び第二要件について検討する。

(1)第一要件について
本件特許明細書等の記載からみて、本件特許発明が解決しようとする課題は、段落【0004】に記載された「装飾体を揺動させる身飾品において、その装飾効果を高めることができる身飾品を提供すること」であると認められ、また当該課題は、段落【0011】、【0017】、【0018】、【0020】等を参酌すると、フレーム10が使用者の首等に紐状部材によって吊り下げられて使用されている状態で、且つ座台部5およびダイヤモンド7に外力が加えられていない状態で、テーブル面7aが重力方向に対して約5°?約45°の角度αだけ上方に向けた姿勢になるように、第2のリング31と第4のリング33が座台部5に固定されていることによって解決されるものであって、テーブル面7aに角度αをもたせたことで、正面にいる他人の目の位置から見たときに、目線とダイヤモンド7のテーブル面7aとを略直交させることができ、美感を高めることができ(段落【0018】)、また、座台部5を、第1の接触位置(第2の接触位置)を中心に、小さな振幅で短い周期で振動させることができ、ダイヤモンド7の美感をさらに高めることができる(段落【0020】)ものと認められる。
そして、上記1(3)において検討したように、本件特許発明の構成要件Cは、イ号物件の構成cと異なる部分であるところ、本件特許発明の「装飾体を揺動させる身飾品において、その装飾効果を高める」との課題は、構成要件Cの「前記吊り下げられて使用され、且つ前記装飾体および前記保持手段に外力が加えられていない状態で、前記装飾体の正面が重力方向に対して約5°?約45°の角度だけ上方に向けた姿勢になり、・・・するように、前記第2の係合部および前記第4の係合部が前記保持手段に固定されている」という事項により解決されるものである。してみると、構成要件Cは、本件特許発明特有の課題解決のための本質的部分ということができる。
また、被請求人は判定請求答弁書において、イ号物件が本件特許発明の構成要件Cの点で相違しているとした上で、第一要件に関し、「このような本件特許発明の課題解決手段及び効果を参酌すると、本件特許発明において、装飾体を前後方向に揺動させるために必要となる本質的部分は、・・・(中略)・・・(すなわち、「第2の係合部が、第1の曲部と第1の接合位置で接合させて揺動可能に第1の係合部と係合する」の部分」)、・・・(中略)・・・(すなわち、「第4の係合部が、重力方向において第2の係合部と略同じ位置で、第2の係合部と所定の距離を隔てて前記保持手段に固定され、また、第3の曲部と第2の接合位置で接合させて揺動可能に第3の係合部と係合する」の部分」)、及び、構成要件D)であると認められます。一方、相違部分である・・・(中略)・・・「第2の係合部が円状あるいは円弧状の第2の曲部を備える」の部分、・・・(中略)・・・「第4の係合部が円状あるいは円弧状の第4の曲部を備える」の部分、及び、構成要件C)については、装飾体を前後方向に揺動させることに直接関係するものではなく、本件特許発明の本質的部分に当たらないと解釈するのが相当です。このため、イ号物件は、均等論の(イ)の要件(第1要件)を満たしていると認められます。」(判定請求答弁書に添付された答弁の理由の第8ページ第12行?第25行)と主張しているが、本件特許明細書等の記載をみても、装飾体を前後方向に揺動させるために必要な構成が本件特許発明の本質的部分であるとする前記被請求人の主張を裏付ける記載は見当たらず、むしろ装飾体が揺動することは前提であって、揺動する装飾体に対して、さらに装飾効果を高めるための構成要件Cが本件特許発明の本質的部分であるといえる。
そうすると、イ号物件が充足していない構成要件Cは、本件特許発明特有の課題解決のための本質的部分であるから、第一要件を満たさない。

(2)第二要件について
上記(1)で検討したように、本件特許発明は、構成要件Cの「前記吊り下げられて使用され、且つ前記装飾体および前記保持手段に外力が加えられていない状態で、前記装飾体の正面が重力方向に対して約5°?約45°の角度だけ上方に向けた姿勢になり、・・・するように、前記第2の係合部および前記第4の係合部が前記保持手段に固定されている」という事項により、正面にいる他人の目の位置から見たときに、目線とダイヤモンド7のテーブル面7aとを略直交させることができるという作用効果が奏され、「装飾体を揺動させる身飾品において、その装飾効果を高める」という目的を達成するものである。
一方、イ号物件の構成cにおいては、吊り下げられて使用され、且つ装飾体(1)および保持手段(2)に外力が加えられていない状態で、装飾体(1)の正面が重力方向に対して0°の角度を呈するように、第2のアーム部(42)および第4のアーム部(44)を保持手段(2)に固定するものであるから、本件特許発明の前記作用効果を奏するものとはいえず、「装飾体を揺動させる身飾品において、その装飾効果を高める」という目的を達することもできない。
また、被請求人は判定請求答弁書において、第二要件に関し「本件特許発明は、装飾体を小さな振幅で短い周期で前後に揺動させることができ、それによって、高い美観(装飾効果)を得ることができるという効果を奏します。特に本件特許発明は、例えばピボット状の支軸部で装飾体を支えるイ号物件よりも、装飾体が保持手段に安定して保持され、且つ、装飾体の均一な揺動が安定して得られるという優れた作用効果も得られます。一方、イ号物件においても、フレーム(3)が備える円弧状の第1及び第3の曲部(3a,3b)と、保持手段(2)が備えるピボット状の第2及び第4の支軸部(4a、4b)との当接によって、装飾体(1)の前後方向の揺動動作(揺動状態)が実現されており、このことは、請求人も認めているところです(判定請求書の請求の理由の第7頁の「2(1).」の説明を参照)。これによって、イ号物件も、本件特許発明と同様に、装飾体を短い周期で揺動させて従来品よりも高い美観(装飾効果)を得ることが可能となります。従いまして、構成要件B-4)の一部(当審注:前記「第3」、「1」で分説した構成要件B-3の一部)、構成要件B-6)の一部(当審注:前記「第3」、「1」で分説した構成要件B-4の一部)、及び構成要件C)が本件特許発明に対して置き換えられているイ号物品は、本件特許発明の目的を達成することができ、また、本件特許発明と同一の作用効果を奏するものと認められます。このため、イ号物品は、均等論の(ロ)の要件(第2要件)を満たしていると認められます。」(判定請求答弁書に添付された答弁の理由の第9ページ第1行?第17行)と主張しているが、当該主張によれば、イ号物件が従来品よりも高い美観(装飾効果)を得るとしつつ、本件特許発明がイ号物件よりも優れた作用効果を奏することを被請求人も認めている。また、イ号物件が構成要件Cを備えていない以上、少なくとも、正面にいる他人の目の位置から見たときに、目線とダイヤモンド7のテーブル面7aとを略直交させることができるという構成要件Cによって得られる本件特許発明の作用効果を奏するとは認められない。
そうすると、構成要件Cに代えて、イ号物件の構成cを採用することにより、本件特許発明の目的を達成し、同一の作用効果を奏するものであるとはいえないから、イ号物件は、第二要件を満たさない。

(3)均等論についてのまとめ
上記のとおり、イ号物件は、均等の第一要件および第二要件を充足しないから、第三要件ないし第五要件について検討するまでもなく、イ号物件は本件特許発明の均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するとはいえない。

3.まとめ
以上のとおり、イ号物件は、本件特許発明の構成要件B-3、B-4及びCを充足しておらず、また、均等なものともいえないから、本件特許発明の技術的範囲に属するものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、イ号物件は、本件特許発明の技術的範囲に属しない。
よって、結論のとおり判定する。
 
別掲





(別紙)
イ号物件説明書(下線を引いた部材名、符号及び下線を引いた部材名、符号に対応する矢印については、当審で付与した。)






請求人提出の平成30年9月19日付け回答書の別紙(下線を引いた部材名、符号及び下線を引いた部材名、符号に対応する矢印については、当審で付与した。)

 
判定日 2018-11-20 
出願番号 特願2013-190211(P2013-190211)
審決分類 P 1 2・ - ZA (A44C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大谷 謙仁  
特許庁審判長 佐々木 芳枝
特許庁審判官 長馬 望
柿崎 拓
登録日 2013-12-06 
登録番号 特許第5424435号(P5424435)
発明の名称 身飾品  
代理人 小林 均  
代理人 内田 清  
代理人 内田 清  
代理人 赤尾 直人  
代理人 林 司  
代理人 赤尾 直人  

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