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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 B23K
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B23K
管理番号 1348293
審判番号 不服2018-1239  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-30 
確定日 2019-02-05 
事件の表示 特願2013-203389「レーザー加工装置及びレーザー加工方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年4月13日出願公開、特開2015-66580、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年9月30日の出願であって、平成29年6月21日付けの拒絶理由の通知に対し、同年8月8日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、同年10月31日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成30年1月30日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、同年12月7日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、これに対し、同年12月14日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成29年10月31日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1?2に係る発明は、以下の本願の出願前に頒布された引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、及び、本願請求項1?9に係る発明は、本願の出願前に頒布された引用文献1に記載された発明及び引用文献2?5に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2002-28798号公報
2.特開平10-166173号公報
3.特開2006-239743号公報
4.特開平11-188887号公報
5.特開平8-318386号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



請求項1には、「前記ワークに対するレーザー光の走査方向における加工端部に予め設けられて、・・・遮光プレート」と記載されているが、「レーザー光の走査方向」とは、具体的にレーザー加工装置におけるどの方向を指しているのか明確でないので、請求項1に係る発明の技術的範囲が明確でない。
請求項1を引用する請求項2?9についても同様である。

第4 本願発明
本願請求項1?9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明9」という。)は、平成30年12月14日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1?9は以下のとおりの発明である(下線は請求人が付与)。

「【請求項1】
レーザー発振器が発振したレーザー光を、ワークの表面に集光して照射する出射光学部と、
前記ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向にレーザー光を走査させるべく前記出射光学部を駆動するスキャン手段と、
前記走査方向における前記ワークの加工端部に予め設けられて、該加工端部において前記出射光学部が集光して照射したレーザー光の一部を遮光し、該加工端部に対する加工能力を低下させる遮光プレートと、
を備えるレーザー加工装置。
【請求項2】
前記遮光プレートは、前記ワークと前記出射光学部との間に位置するように設けられている、
請求項1に記載のレーザー加工装置。
【請求項3】
少なくとも、前記出射光学部が照射するレーザー光の光軸方向に沿って、前記遮光プレートを移動させるプレート駆動手段、
を備える請求項1又は2に記載のレーザー加工装置。
【請求項4】
前記プレート駆動手段は、前記出射光学部が照射するレーザー光の光軸方向に対して垂直な方向に、前記遮光プレートを移動させる、
請求項3に記載のレーザー加工装置。
【請求項5】
前記プレート駆動手段は、前記出射光学部が照射するレーザー光の光軸方向に対して垂直な軸線回りに、前記遮光プレートを回動させる、
請求項3又は4に記載のレーザー加工装置。
【請求項6】
前記遮光プレートは、上面と側面との成す角度が鋭角である、
請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザー加工装置。
【請求項7】
前記遮光プレートは、位置によりレーザー光に対して異なる透過率を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のレーザー加工装置。
【請求項8】
前記出射光学部を駆動する駆動部、
を備える請求項1から7のいずれか一項に記載のレーザー加工装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のレーザー加工装置を用いてワークを加工するレーザー加工方法であって、
前記ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向に、レーザー光を走査させることと、
前記走査方向における前記ワークの加工端部付近においてレーザーパワーを減じ、該加工端部付近における溝の深さを徐々に浅くすることと、
を含むレーザー加工方法。」

第5 当審拒絶理由について
1.特許法第36条第6項第2号について
(1)当審では、請求項1の「レーザー光の走査方向」とは、具体的にレーザー加工装置におけるどの方向を指しているのか明確でないので、請求項1に係る発明の技術的範囲が明確でないとの拒絶の理由を通知しているが、平成30年12月14日にされた手続補正において、「ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。
請求項1を引用する請求項2-9についても同様である。

第6 原査定についての判断
1.引用文献、引用発明等
(1)引用文献1について
ア 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願日前に頒布された引用文献1には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は理解の便のため当審にて付与。)。

(ア)段落【0002】?【0003】
「【従来の技術】・・・ガルバノミラーでレーザビームを単方向もしくは双方向に掃引して加工を行う場合、掃引の両端部ではガルバノミラーの方向転換のため掃引速度が遅くなり、かつレーザビームは連続で照射されているためレーザビームが過剰に照射され、フィルム配線板においてオーバーエッチングや熱変形、更にはマスクを貫通して加工テーブルを傷つけるなどの現象が見られ、問題となっていた。・・・」

(イ)段落【0006】
「追加マスクの設置方法として、フィルム配線板のマスク上に密着させて設置し、掃引の両端部を遮蔽する方法がある。しかしながら、例えばフィルム配線板の樹脂層除去加工において、シート状の被加工物を連続的に加工する場合や、1枚のシート内に一部分のみの加工範囲が複数点在する場合では、1枚もしくは1個所の加工毎に掃引の両端部のレーザビームを遮る追加マスクを脱着する作業が必要であり、効率よく樹脂の除去加工ができないという問題があった。
また、上記TABの加工の場合でも、追加マスクをTABのマスク上に密着させて設置すると1列の加工毎に追加マスクの脱着作業が必要であり、連続加工できず、その上、加工時間も長くなるなど、効率よく樹脂の除去加工ができないという問題があった。」

(ウ)段落【0007】
「【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は上記したような従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、フィルム配線板を傷つけることなくレーザビームの掃引の両端部を遮蔽する機構を設けたレーザ加工装置を提供することである。また、他の目的は、配線板用フィルムまたは配線板の樹脂層除去加工の高効率なレーザ加工方法を提供することである。」

(エ)段落【0008】
「【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも駆動ミラーで単方向または双方向に掃引され、かつ光学レンズで集光されたCO_(2)レーザビームを被加工物に照射するCO_(2)レーザ加工装置において、照射される掃引レーザビームの両端部を遮り、間隙部を通過させることができる遮蔽板と、前記遮蔽板の間隙部の間隔が可変となる機構を備え、かつ前記遮蔽板を駆動ミラーと被加工物の間で被加工物に接触しない位置に配置したことを特徴とするレーザ加工装置である。また、本発明の好ましい態様としてのレーザ加工装置は、遮蔽板のレーザ照射側の表面であって、レーザが照射されることがある表面が、Au、Cu、Ni及びAlから選ばれる金属またはアルマイトで構成されているレーザ加工装置であり、また、照射されるレーザビームの軸と遮蔽板のレーザ照射側の面とがなす角度が、20°?88°の範囲であるレーザ加工装置である。更に、本発明は、前記のレーザ加工装置を使用して、樹脂フィルムまたは少なくとも1層の樹脂層を有する積層フィルムから選ばれる配線板材料をレーザ加工する工程を含むことを特徴とするフィルム配線板の製造方法である。」

(オ)【0009】
「【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のレーザ加工装置に使用されるレーザ発振装置は、公知のCO_(2)レーザ発振装置でよく、レーザ発振の平均出力は400W以上であればよいが、好ましくは600W以上、5KW以下である。・・・」

(カ)段落【0011】。
「CO_(2)レーザ発振器から発振されたレーザビーム1を、一定速度で移動する配線板材料中の樹脂を除去して加工したい一定面積の部分に照射するためには、配線板材料4の移動方向(Y方向とする)とは直交する方向(X方向とする)の単方向または双方向にレーザビームを掃引する必要がある。このために使用される駆動ミラー装置3は、高速度で掃引できるものでなければならない。・・・」

(キ)段落【0018】
「駆動ミラー装置2で掃引されたレーザビームの掃引の両端を遮蔽する遮蔽板6は、その形状は特に限定されるものではないが、少なくとも単方向又は双方向に掃引されたレーザビームの掃引の両端部が被加工物である配線板材料4に照射されないよう、かつレーザビームの掃引の両端部以外のレーザビームは遮蔽板で遮られることなく通過するものでなければならない。すなわち、被加工物である配線板材料4の加工領域には、レーザビームの掃引の両端部以外のレーザビームが照射されるようにし、非加工領域のレーザビームの掃引の両端部は照射されないようする。加工領域または照射領域が変化する場合に対応できるように、遮蔽板の間隙部は調整可能な機構とされる。例えば、図1に示すように、一対の板からなる遮蔽板であれば、一対の板の間隔が遮蔽板の間隙部となり、この板を相互に接近させたり、離したりする手段を備える。この場合、板の形状は矩形状のような単純な形状であることもできる。遮蔽板の間隙部の間隔が容易に変更できるような手段としては、スライド機構があり、かつこの間隔が正確に設定できるような、例えばマイクロメータなどの位置を示す目盛りを備えたものが好ましい。また、遮蔽板の構造は上記のようなものに限定されず、3つ以上の板からなる構造であってもよく、円状の間隙を作るような構造であってもよいが、単純な構造が有利であることは当然である。」

(ク)段落【0031】
「【実施例】
実施例1
図示されないレーザビーム発振装置からのレーザビーム1は、駆動ミラー2で掃引され、光学レンズ3で集光され、掃引の両端を遮蔽板6で遮蔽され、配線板材料4に照射される。遮蔽板6で遮蔽され反射したレーザビームは図2の吸収板7で吸収される。その他、加工で発生する煤をフィルム配線板上から除去し排気するアシストガスの吹き付け、吸い込み装置が備えられ、これらは駆動ミラー、光学レンズ、遮蔽板、吸収板等と一体化されて加工ヘッドに組み込まれ、配線板材料4の移動方向と直交する方向に移動可能とされている。そして、レーザ照射時は、加工ヘッドは動かずに加工テーブルのみが動き、加工ヘッドはレーザ照射開始時またはレーザ照射終了時に所定の位置に移動するために主に動くようにされている。」

(ケ)図1
図1から、レーザービーム1は被加工物4の表面に照射すること、レーザービーム1は駆動ミラー2により紙面左右方向に掃引されること、紙面左右方向における加工端部に設けられていることが見て取れる。


イ 上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
(ア)上記記載事項ア(エ)(オ)(カ)(ク)には、レーザ発振器から発振されたレーザビーム1を、被加工物4に集光して照射する光学レンズ3が記載されている。

(イ)上記記載事項ア(ア)(ウ)(エ)(キ)(ク)には、駆動ミラー装置2により掃引されたレーザビーム1の掃引の両端部が被加工物4に照射されないように遮り、間隙部を通過させることができる遮蔽板6を備えることにより、掃引の両端部では方向転換のため掃引速度が遅くなりレーザビーム1が過剰に照射されるという従来の技術の問題を解決することが記載されている。

(ウ)上記記載事項ア(ク)には、「レーザビーム1は、駆動ミラー2で掃引され、光学レンズ3で集光され、掃引の両端を遮蔽板6で遮蔽され、配線板材料4に照射される。」と記載されていることから、遮蔽板6は予め設けられていることが示唆されている。

(エ)上記記載事項ア(カ)(キ)(ク)(ケ)には、レーザービーム1が駆動ミラー装置2により掃引される方向の両端部に遮蔽板6が置かれ、レーザービーム1の掃引の両端部分を遮蔽することが記載されている。

ウ 上記ア及びイから、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「レーザ発振器から発振されたレーザビーム1を、被加工物4に集光して照射する光学レンズ3と、レーザービーム1が駆動ミラー装置2により被加工物4の移動方向とは直交する方向へ掃引される方向の両端部に予め設けられ、駆動ミラー装置2で掃引されたレーザビーム1の掃引の両端部が被加工物に照射されないように遮る遮蔽板6とを備えたレーザー加工装置により、掃引の両端部では方向転換のため掃引速度が遅くなりレーザビームが過剰に照射されるという従来の技術の問題を解決すること」

(2)引用文献2?5について
ア 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願日前に頒布された引用文献引用文献2の段落【0013】及び図1の記載からみて、当該引用文献2には、次の事項が記載されていると認められる。
「エキシマレーザ発振器1が発振したレーザ光を、ワークWの表面に集光して照射する光学系4と、前記光学系4が照射したレーザ光のうち一部を遮蔽するマスク9とを備えるエキシマレーザ加工機」

イ 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願日前に頒布された引用文献引用文献3の段落【0010】-【0011】及び図1-2の記載からみて、当該引用文献3には、次の事項が記載されていると認められる。
「レーザ発振器3が発振したレーザ光L1を、ワークWの表面に集光して照射する光学系7と、前記光学系7が照射したレーザ光L1の一部を遮光するスリット板A?Dとを備えるレーザ加工装置」

ウ 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願日前に頒布された引用文献引用文献4の段落【0006】及び図4の記載からみて、当該引用文献4には、次の事項が記載されていると認められる。
「レーザ発振器11が発振したレーザ光Lを、被加工物Wの表面に集光して照射する投影光学系15と、
前記投影光学系15が照射したレーザ光Lの一部を遮光するレーザマスク14とを備えるレーザ加工装置」

エ 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願日前に頒布された引用文献引用文献5の段落【0043】及び図6の記載からみて、当該引用文献5には、「移動マスク42を用いて溝深さを徐々に浅くしていく技術エネルギービームによる加工装置において、移動マスク42を用いて溝深さを徐々に浅くしていく」という技術的事項が記載されていると認められる。

2 対比・判断
(1)本願発明1について
ア 対比
(ア)本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

A 引用発明の「レーザ発振器から発振されたレーザビーム1」、「被加工物4」、「光学レンズ3」、「遮蔽板6」は、それぞれ、本願発明1の「レーザー発振器が発振したレーザー光」、「ワーク」、「出射光学部」、「遮光プレート」に相当する。

B 引用発明の「遮蔽板6」は、「掃引の両端部では方向転換のため掃引速度が遅くなりレーザビームが過剰に照射されるという従来の技術の問題を解決すること」から、本願発明1の「遮光プレート」が「前記ワークの加工端部に予め設けられて、該加工端部において前記出射光学部が集光して照射したレーザー光の一部を遮光し、該加工端部に対する加工能力を低下させる」構成に相当するものである。

(イ)一致点、相違点
本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「レーザー発振器が発振したレーザー光を、ワークの表面に集光して照射する出射光学部と、
前記ワークの加工端部に予め設けられて、該加工端部において前記出射光学部が集光して照射したレーザー光の一部を遮光し、該加工端部に対する加工能力を低下させる遮光プレートと、
を備えるレーザー加工装置」

(相違点)
(相違点1)本願発明1は「ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向にレーザー光を走査させるべく出射光学部を駆動するスキャン手段」を備えるのに対し、引用発明では被加工物4の移動方向とは直交する方向へレーザービーム1を掃引する駆動ミラー装置2を備えている点。
(相違点2)遮光プレートが、本願発明1は「ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向」「における前記ワークの加工端部に予め設けられ」ているのに対し、引用発明の遮蔽板6が被加工物4の移動方向とは直交する方向へ掃引される方向の両端部に設けられている点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討すると、相違点2に係る本願発明1の「ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向」「における前記ワークの加工端部に予め設けられた」「遮光プレート」という構成は、上記引用文献2?5にも記載されておらず、本願出願日前において周知技術であるともいえない。
特に、走査方向をワークに対する加工予定の外形に沿ったものとしている構成は、上記引用文献2?5にも記載されていない。
したがって、他の相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2?5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2)本願発明2?9について
本願発明1を直接的に又は間接的に引用する本願発明2?9も、本願発明1の「ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向」「における前記ワークの加工端部に予め設けられた」「遮光プレート」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2?5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(3)原査定についての判断
平成30年12月14日付けの補正により、補正後の請求項1は、「ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向」「における前記ワークの加工端部に予め設けられた」「遮光プレート」という技術的事項を有するものとなり、また、請求項1を引用する請求項2?9も同じ技術的事項を有するものとなった。当該「ワークに対する加工予定の外形に沿った走査方向」「における前記ワークの加工端部に予め設けられた」「遮光プレート」は、原査定における引用文献1?5には記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1?9は、当業者であっても、原査定における引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶の理由及び当審で通知した拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-01-21 
出願番号 特願2013-203389(P2013-203389)
審決分類 P 1 8・ 575- WY (B23K)
P 1 8・ 121- WY (B23K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 奥隅 隆  
特許庁審判長 栗田 雅弘
特許庁審判官 西村 泰英
齋藤 健児
発明の名称 レーザー加工装置及びレーザー加工方法  
代理人 伊藤 英輔  
代理人 森 隆一郎  
代理人 棚井 澄雄  
代理人 松沼 泰史  

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