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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B23K
審判 全部申し立て 2項進歩性  B23K
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  B23K
審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:857  B23K
管理番号 1349690
異議申立番号 異議2018-700327  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-18 
確定日 2019-02-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6214729号発明「スカーフィング装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6214729号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、6-7、9-10〕、2、〔3-4〕、5、8について訂正することを認める。 特許第6214729号の請求項3-5、8に係る特許を維持する。 特許第6214729号の請求項1-2、6-7、9-10に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6214729号の請求項1-10に係る特許についての出願は、平成28年6月28日(パリ条約による優先権主張 2015年(平成27年)6月30日 大韓民国(KR))に出願され、平成29年9月29日にその特許権の設定登録がされ、同年10月18日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対して1件の特許異議の申立てがあり、次のとおりに手続が行われた。
平成30年 4月18日 :特許異議申立人新日鐵住金株式会社(以下「特許異議申立人」という)による請求項1-10に係る特許に対する特許異議の申立て
同 年 7月10日付け:取消理由通知書
同 年10月10日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
同 年10月19日 :特許権者と合議体との面接
同 年10月30日付け:取消理由通知書(決定の予告)
平成31年 1月21日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
なお、上記平成30年10月10日にされた訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
また、上記平成30年10月10日及び平成31年1月21日の訂正請求による訂正が、両者とも実質的に一部の請求項の削除のみであったため、特許法第120条の5第5項ただし書に規定する特別の事情にあたると合議体は判断し、特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えていない。

2.訂正の適否
(1)訂正の内容
平成31年1月21日の訂正請求による訂正事項(以下「本件訂正」という)は、以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す)。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1、2、6、7、9、10を削除する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3について、請求項2との引用関係を解消し、以下の事項により特定されるとおりに訂正する。
「【請求項3】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記装置ボディに結合される側面部材と、
前記側面部材の中央部に形成される側面中央ホールと、
前記側面部材の両端部に位置し、前記側面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる側面エッジホールと、
を含み、
前記側面エッジホールは、前記側面部材の中央部から両端部方向に行くにつれてホールの大きさが大きくなる形状に形成されたことを特徴とする、スカーフィング装置。」
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5について、請求項2との引用関係を解消し、以下の事項により特定されるとおりに訂正する。
「【請求項5】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記装置ボディに結合される側面部材と、
前記側面部材の中央部に形成される側面中央ホールと、
前記側面部材の両端部に位置し、前記側面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる側面エッジホールと、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記側面部材の両端部に結合される補助ノズル部材をさらに含む、スカーフィング装置。」
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項8について、請求項1との引用関係を解消し、以下の事項により特定されるとおりに訂正する。
「【請求項8】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合される上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に形成される上下面中央ホールと、
前記上下面部材の両端部に位置し、外側に行くにつれてホールの大きさが大きくなる形状に形成され、前記上下面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる上下面エッジホールと、
を含む、スカーフィング装置。」
訂正前の請求項1-10は、請求項2-10が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項1-10について請求されている。
また、特許権者は、訂正後の請求項2、8に係る訂正について、当該訂正が認められるときに請求項1とは別の訂正単位として扱われることを求めており、さらに、訂正後の請求項3、5に係る訂正について、当該訂正が認められるときに請求項2とは別の訂正単位として扱われることを求めている。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1、2、6、7、9、10を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ 訂正事項2について
訂正事項2に係る請求項3についての訂正は、特許請求の範囲の請求項3について請求項2との引用関係を解消するものであるから、引用関係の解消を目的としており、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

ウ 訂正事項3について
訂正事項3に係る請求項5についての訂正は、特許請求の範囲の請求項5について請求項2との引用関係を解消するものであるから、引用関係の解消を目的としており、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

エ 訂正事項4について
訂正事項4に係る請求項8についての訂正は、特許請求の範囲の請求項8について請求項1との引用関係を解消するものであるから、引用関係の解消を目的としており、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)小括
上記のとおり、訂正事項1ないし4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、訂正後の請求項〔1、6-7、9-10〕、2、〔3-4〕、5、8について訂正を認める。

3.取消理由の概要
訂正前の請求項1-10に係る特許に対して、当審が特許権者に通知した平成30年7月10日付け取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)請求項1、2、6、7、9、10に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2、8、9号証に記載された従来周知の事項から、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、請求項1、2、6、7、9、10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消すべきものである。
(2)請求項10に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではなく、発明が明確でもないから、請求項10に係る特許は、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない出願についてされたものであり、取り消すべきものである。

4.当審の判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア 訂正後の請求項1-10に係る発明
上記訂正請求により訂正された訂正後の請求項1-10に係る発明(以下「本件発明1」等という)は、その特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記装置ボディに結合される側面部材と、
前記側面部材の中央部に形成される側面中央ホールと、
前記側面部材の両端部に位置し、前記側面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる側面エッジホールと、
を含み、
前記側面エッジホールは、前記側面部材の中央部から両端部方向に行くにつれてホールの大きさが大きくなる形状に形成されたことを特徴とする、スカーフィング装置。
【請求項4】
前記側面エッジホールは、台形状に形成され、前記台形状において傾斜部分は、前記スラブに隣接するように位置することを特徴とする、請求項3に記載のスカーフィング装置。
【請求項5】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記装置ボディに結合される側面部材と、
前記側面部材の中央部に形成される側面中央ホールと、
前記側面部材の両端部に位置し、前記側面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる側面エッジホールと、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記側面部材の両端部に結合される補助ノズル部材をさらに含む、スカーフィング装置。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合される上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に形成される上下面中央ホールと、
前記上下面部材の両端部に位置し、外側に行くにつれてホールの大きさが大きくなる形状に形成され、前記上下面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる上下面エッジホールと、
を含む、スカーフィング装置。
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
(削除)」

イ 引用文献の記載
取消理由通知において引用した甲第1号証(特開平9-210320号公報)及び甲第2号証(社団法人日本鉄鋼協会編、「第3版 鉄鋼便覧 第III巻(1) 圧延基礎・鋼板」、丸善株式会社、昭和55年5月15日発行、p.171-172)には、以下の事項が記載されている。(なお、下線部は理解の便のため当審で付与した)

(ア)甲第1号証
a 「【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例について、図1?図2により詳細に説明する。なお、図1は前記した幅広の鋼材の溶削を示す正面図であり、この鋼材の周囲をトーチでクローズし溶削を行うときの配置を示した正面図である。図2は鋼材に対応し、並列に設置した上面トーチにおける1ユニットであるトーチの側面図である。
【0011】図において、1は鋼材、2は上面トーチの1ユニット、3は下面トーチの1ユニット、4及び5は、鋼材の左右側面を溶削するための側面トーチの1ユニットである。7は図2に示す、トーチヘッド6に接する鋼材上面に位置するマニホールドで、8はマニホールド7を、水平方向に貫通するように設けられた溶削酸素のシリンダである。7′、8′は、鋼材1を挟み、鋼材下面に位置するマニホールド及びシリンダであり、逆方向に配置されているが、前記の上面のものと同じ構造である。
【0012】9は鋼材面部を溶削するためシリンダ8に設けた中央の溶削酸素の部屋であり、10はロッド10′に支持された基準側の仕切り板で、基準側の幅は約200mm程度にシリンダ内にセットされており、これにより図面左方の角隅部に向けた溶削酸素の部屋11を形成する。
【0013】12は右方からエア等の圧力で、あらかじめシリンダ8内の所定の位置にセットされるピストン、13は該ピストン12を先端に固定しかつ右方から溶削酸素が供給される通路となる中空状の中空ロッド、14は中空ロッド13の先端部側に刻設された複数個の酸素供給用の孔、15は鋼材一端へ向けた溶削酸素の通過する追従側の部屋である。
【0014】11′、13′は基準側及び面部に溶削酸素を供給する供給孔、16はその位置を基準側の幅に合わせて中空ロッド13に固定された隔壁、17は溶削酸素のシリンダ8と平行に設けられた燃料ガスのシリンダであり、18はこの燃料ガスのピストン、19はピストンロッドで、前記溶削酸素のピストン12と同様にエア等の圧力で可動される。20は燃料ガスの供給孔、また、21、22は鋼材両側面のトーチを、それぞれ上下に、エア等の圧力で移動させるためのアームである。
【0015】次に図2において、26は溶削装置を構成する下部ブロック、27は上部ブロックであり、28は鋼材1と接するシューである。29は上下部ブロック間にてスリット状に開口した溶削酸素口であり、実線で示す経路で、マニホールド7の溶削酸素のシリンダ8を介し、溶削酸素が供給される。30は下部ブロック26から燃料ガスが噴出される溶削酸素口と平行に複数個の孔で並べられた下部燃料ガスの噴出孔であり、実線で示す経路でマニホールド7の溶削酸素のシリンダと並んだ燃料ガスのシリンダを介し、供給される。
【0016】31、32、33は、それぞれ複数個の孔よりなる、上部燃料ガス孔、予熱用酸素孔及び付加ガス用の燃料ガス孔で、マニホールド7のシリンダ、トーチヘッド6、上部ブロック27を介してそれぞれ燃料ガスと酸素及び燃料ガスが、実線で示す経路で供給される。いずれも、前記下部燃料ガスと同様のシリンダ構造を用いるが、図面が輻湊するため図示及び説明は省略する。
【0017】次に本発明の作動について説明する。鋼材の溶削時には、あらかじめ鋼材の幅寸法に基づき、まず基準側を鋼材の一端に合わせてから、ホットスカーフ機の制御機構を用いて、シリンダ内の各ピストンを動かし、図1のピストン位置に、それぞれのピストンをセットする。引続き、上面、下面及び左右側面のトーチを同時に鋼材に圧着し、クローズの状態を保ち、供給孔11′、14及び13′を介して基準側、追従側及び面部の各部屋に溶削酸素を供給して溶削を行う。
【0018】溶削酸素は、シリンダ8の基準側の部屋11と、追従側の部屋15からは高い圧力、例えば3.2kgf/cm^(2) で、中央の平面部からは通常の圧力、例えば2.8kgf/cm^(2) で供給され、これらの圧力差で溶削効果に差が現われ面部とこれより低温の角隅部の溶削深さは、ほぼ同じ程度に溶削される。」

b 「【0020】また、図1の1のような鋼材では、幅寸法に対して厚さ寸法が小さいので、鋼材の両側面は、全体に冷却されている。しかし、上面及び下面のように熱の不均一が見られないので、トーチ4、5には、平面部より高い圧力の溶削酸素を供給し、溶削すればよい。
【0021】鋼材の幅寸法に変更があったときは、追従側のピストン位置を調整しなければならないが、その場合は、あらかじめホットスカーフ機に設置した制御機構を介して、中空ロッド13を左右に移動してピストン12を適正位置にセットする。また、燃料ガスのピストン等も、同様にして調整する。
【0022】なお、ブルーム材のような厚み方向に厚さのある鋼材に対しては、左右両側面にも、前記のようなシリンダを用いて、熱の不均一に対応するよう溶削酸素の圧力差を設ける構造にする。」

c 「【0024】
【発明の効果】本発明は以上のように、溶削される鋼材の幅寸法の変化に対応し、冷却された角隅部の溶削効果をあげるために、シリンダ内に基準側、面部及び追従側と3つに区分し、溶削酸素の供給圧力に変化を持たせるようにし、また、鋼材幅の変化に即応し、ピストン位置を容易に変えうるようにしてある。したがって、溶削作業の能率アップ及び品質向上に寄与するところが大きい。」

d 引用発明
甲第1号証の摘記事項aないしcに、技術常識を勘案すると、甲第1号証には以下の発明が記載されていると認められる。
「鋼材1の上面を溶削する上面トーチ2、及び、鋼材上面に位置して溶削酸素のシリンダ8が設けられたマニホールド7を含み、所定の圧力で供給される溶削酸素によって鋼材の上面を溶削する構成と、鋼材1の下面を溶削する下面トーチ3、及び、鋼材下面に位置して溶削酸素のシリンダ8′が設けられたマニホールド7′を含み、所定の圧力で供給される溶削酸素によって鋼材の下面を溶削する構成と、
鋼材1の側面を溶削する側面トーチ4、5を含み、所定の圧力で供給される溶削酸素によって鋼材の側面を溶削する構成と、
を含み、
鋼材の上面を溶削する構成、鋼材の下面を溶削する構成、及び、鋼材の側面を溶削する構成において、中央の面部に対して角隅部に高い圧力の溶削酸素を供給して角隅部の溶削効果を上げるように備えられ、
鋼材の上面を溶削する構成、及び、鋼材の下面を溶削する構成は、
水平方向に貫通する溶削酸素のシリンダ8、8′が設けられたマニホールド7、7′と、
中央の部屋に溶削酸素を供給する供給孔13′と、
基準側の部屋及び追従側の部屋に中央の部屋に対して高い圧力の溶削酸素を供給する供給孔11′、14と、
シリンダ8、8′を鋼材面部を溶削するための中央の部屋、中央の部屋と比較して高い圧力の酸素が供給され角隅部と対応する基準側の部屋及び追従側の部屋の3つに区分し、中空ロッド13の先端に固定されたピストン12を動かして位置を変えることで鋼材幅の変化に即応するための構成と、
を含み、
鋼材の側面を溶削する構成は、
側面トーチ4、5と、
溶削酸素が供給される構成と、
を含む溶削装置。」(以下「甲1発明」という)

(イ)甲第2号証
a 「a.ホットスカーファ
(i)ホットスカーファの目的,特徴,原理
(1) 目的 鋼塊の表面にはへげきず,割れきず,表層介在物などの有害な欠陥があり,・・・ホットスカーファを設置してこれに対処している.・・・
(2) 特徴 ホットスカーファの特徴を次に示す.
(イ) 熱間で4面同時に溶削を行なうので,他のきず取方法に比較し高速,高能率,低コストであり,精整手入工程での省力効果が大きい.
・・・
(ハ) 多連ノズルで溶削するので,溶削面が均一で,フィンの発生が少なく,溶削深さのコントロールが容易である.
・・・
・・・全面溶削ではあるがノズル単位に溶削量をコントロールする技術や,熱間スポットスカーファの導入などがはかられつつある.」(171ページ右欄10-38行)

b 「(ii) スカーファの構造 ホットスカーファは一般的には,剪断機の前方に配置されていて,その構成は,スカーファ本体,前後テーブル,燃料および酸素供給装置,スラグ除去用高圧水装置,スケールピット,除塵装置,運転操作および制御室,整備室よりなっている.以下にそれぞれの要点を記す.
(1) スカーファ本体 本体は図5・121に示すように左右一対の支柱と,これを連結する上下クロスメンバより構成され台車の上に組み立てられており圧延ラインに出入りできる.スカーフィングノズルはマニホールドに取り付けられていて,上下の水平ノズルはホリゾンタルスライドシリンダを介して位置決めされ,左右の垂直ノズルはバーチカルスライドシリンダで位置決めされる.ノズルは鋼片に接触しながら鋼片断面に合った寸法に自動的にクロージングされ,同時に酸素および燃料ガス噴出孔の作動幅も決まる.」(172ページ左欄7行-右欄4行)

c 「(3) 燃料および酸素供給装置 瞬間的に多量の燃料および酸素を使用すること,しかも圧力の変動が溶削面の性状に大きく影響することから,ガスの供給設備は十分な容量のものでなければならない.LPGやLNGなどのように燃料を外部からの供給に頼る場合は大型のストレージタンクが必要である.COGや酸素は製鉄所内の発生装置から供給を受けるのが普通であるが途中の配管を小さくするためと,供給量の変動を吸収する目的で分塊工場側に球形ホルダを備えている場合が多い.」(172ページ右欄14-22行)

ウ 特許法第29条第2項について
取消理由の対象となっていた本件発明1、2、6、7、9、10は、本件訂正により削除されたため、当該発明1、2、6、7、9、10に対する取消理由は存在しない。

エ 特許法第36条第6項第1号及び第2号について
取消理由の対象となっていた本件発明10は、本件訂正により削除されたため、当該発明10に対する取消理由は存在しない。

(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
ア 特許法第29条第2項について
(ア)本件発明3について
本件発明3の特定事項である、「前記側面エッジホールは、前記側面部材の中央部から両端部方向に行くにつれてホールの大きさが大きくなる形状に形成されたこと」は、甲第1-6、8、9号証には開示されておらず、それを示唆する記載もない。
特許異議申立人は、甲第7号証(特開平9-94656号公報)には、L型の2つの溶削火口2において、コーナー部の長辺側酸素流出孔3a及び短辺側酸素流出孔4aの孔径を、中央部の長辺側酸素流出孔3b及び短辺側酸素流出孔4bの孔径より大きくした点が記載されていると主張する。
しかし、甲第7号証に記載された酸素流出孔は、中央部からコーナ部にかけて複数設けられており、中央部の孔の孔径よりコーナ部の孔の孔径を大きくしたものであって、コーナー部の孔の径はいずれも同じであるから、本件発明3のように1個の側面エッジホール33の形状を、中央部から両端部方向に行くにつれてホールの大きさが大きくなるような形状にする技術とは異なるものである。
そうすると、上記甲第7号証に記載された技術があっても、本件発明3は、甲第1-9号証に記載された発明から、当業者が容易に想到し得たものとはいえないから、本件発明3が進歩性を有しないという特許異議申立人の主張は成立しない。

(イ)本件発明4について
本件発明4は、本件発明3の発明特定事項をさらに限定したものである。したがって、上記(ア)で説示したのと同様の理由により、本件発明4は、甲第1-9号証に記載された発明から、当業者が容易に想到し得たものとはいえないから、本件発明4が進歩性を有しないという特許異議申立人の主張は成立しない。

(ウ)本件発明5について
本件発明5の特定事項である、「前記側面処理ユニットは、前記側面部材の両端部に結合される補助ノズル部材をさらに含む」点は、甲第1-5、7-9号証には開示されておらず、それを示唆する記載もない。
特許異議申立人は、甲第6号証(実願昭63-141225号(実開平2-62226号)のマイクロフィルム)には、「上部ユニットの両側に設けられ、溶削酸素口とは独立して形成されたコーナー用溶削酸素孔9と、上部ユニット1の前面に列設され、ヘッド3の上面に設けられた供給手段と接続された予熱酸素孔14と、上部ユニット1の前面に列設され、ヘッド上面に設けられた供給手段と接続された燃料ガス孔12とを含む溶削火口。」が記載されていると主張する。
しかし、甲第6号証に記載された溶削火口は、上部ユニット1の両側に設けられた溶削酸素孔9、上部ユニット1の前面に列設された予熱酸素孔14及び燃料ガス孔12を有するものの、本件発明5のように両端部に結合される補助ノズルを有するものではない。
そうすると、上記甲第6号証に記載された技術があっても、本件発明5は、甲第1-9号証に記載された発明から、当業者が容易に想到し得たものとはいえないから、本件発明5が進歩性を有しないという特許異議申立人の主張は成立しない。

(エ)本件発明8について
本件発明8の特定事項である、上下面エッジホールが「外側に行くにつれてホールの大きさが大きくなる形状に形成され」たことは、甲第1-6、8、9号証には開示されておらず、それを示唆する記載もない。
また、上記甲第7号証に記載された酸素流出孔は、中央部からコーナ部にかけて複数設けられており、中央部の孔の孔径よりコーナ部の孔の孔径を大きくしたものであって、コーナー部の孔の径はいずれも同じであるから、本件発明8のように1個の上下面エッジホール23の形状を、外側に行くにつれてホールの大きさが大きくなるような形状にする技術とは異なるものである。
そうすると、上記甲第7号証に記載された技術があっても、本件発明8は、甲第1-9号証に記載された発明から、当業者が容易に想到し得たものとはいえないから、本件発明8が進歩性を有しないという特許異議申立人の主張は成立しない。

イ 特許法第36条第6項第2号について
(ア) 特許異議申立人は、特許異議申立書において、「本件特許発明1は、『前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ』ることを発明特定事項としている(発明特定事項E参照)。しかしながら、後述するように、『セクター』との用語は、本件明細書の記載を参酌しても意味内容は不明確で、また他の発明特定事項と関係を有していなことから、『セクター』の技術的意義は不明確である。」と主張する(112ページ3-8行)。
本件発明1は本件訂正により削除されたが、上記の発明特定事項は、本件発明3、5、8にも記載されているので検討すると、明細書の段落【0100】には、「上記上下面部材21の内部中空を、上記上下面部材21の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ」と記載されており、この記載からみて、「上下面部材21の内部中空の中央部」及び「上下面部材21の両端部」がそれぞれ「セクター」であることは明確に理解されるから、意味内容も技術的意義も明確であるものと認められる。
(イ) 特許異議申立人は、特許異議申立書において、本件発明5について、「補助ノズル部材は側面部材の両端部に結合されるものと特定されているが、当該補助ノズル部材が、何を供給するノズルなのか規定されておらず、技術的意義は不明確である。」と主張する(112ページ16-18行)。
しかし、明細書の段落【0093】-【0095】には、「補助ノズル部材34」が「上記スラブの角M3部分が上記スラブMの中央部分よりもより多くの流量の酸素又はより高い圧力の酸素で供給するため」のものであることが記載されており、当該記載を参酌すれば、当該補助ノズル部材の技術的意義は明確であるものと認められる。
(ウ) 特許異議申立人は、特許異議申立書において、本件発明8について、「前記装置ボディの上部又は下部に結合される上下面部材」の「上下面部材」が前記したものと同じか否か不明である旨主張する(113ページ3-9行参照)。
しかし、明細書及び図面の記載を参酌すれば、特に「前記上下面部材」という表現にしなくとも、前記したものと同じことは自明である。
(エ) また、特許異議申立人は、本件発明9及び10の記載不備を主張していたが、対象となる本件発明9及び10は本件訂正により削除された。
(オ) 以上のことから、本件発明3-5、8は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしており、特許異議申立人の主張を採用することはできない。

ウ 特許法第36条第6項第1号について
特許異議申立人は、特許異議申立書において、「本件特許発明1は、稼働隔離部材について、上下面部材の内部中空を、上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させるものとして特定されている・・・一方、本件明細書の発明の詳細な説明の記載には、・・・『セクター』なるものがどのようなものか、実質的には本件明細書に記載されていない。よって、本件特許発明1は、発明の詳細な説明に記載されていない発明である。」と主張する(115ページ2-10行)。
本件発明1は本件訂正により削除されたが、上記の発明特定事項は、本件発明3、5、8にも記載されているので検討すると、上記イでも説示したとおり、「セクター」の意味内容及び技術的意義は明確であり、明細書の段落【0100】にも「上記上下面部材21の内部中空を、上記上下面部材21の中央部及び両端部に区分されるセクター」と記載されていることから、「セクター」は本件明細書に記載されているものと認められる。
よって、特許異議申立人の上記主張は失当である。

5.むすび
以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明3-5、8に係る特許を取り消すことはできない。さらに、他に本件発明3-5、8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
本件発明1、2、6、7、9、10は、上記のとおり本件訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による本件発明1、2、6、7、9、10に対する特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないことになったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記装置ボディに結合される側面部材と、
前記側面部材の中央部に形成される側面中央ホールと、
前記側面部材の両端部に位置し、前記側面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる側面エッジホールと、
を含み、
前記側面エッジホールは、前記側面部材の中央部から両端部方向に行くにつれてホールの大きさが大きくなる形状に形成されたことを特徴とする、スカーフィング装置。
【請求項4】
前記側面エッジホールは、台形状に形成され、前記台形状において傾斜部分は、前記スラブに隣接するように位置することを特徴とする、請求項3に記載のスカーフィング装置。
【請求項5】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記装置ボディに結合される側面部材と、
前記側面部材の中央部に形成される側面中央ホールと、
前記側面部材の両端部に位置し、前記側面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる側面エッジホールと、
を含み、
前記側面処理ユニットは、
前記側面部材の両端部に結合される補助ノズル部材をさらに含む、スカーフィング装置。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
スラブの進行経路上に提供される装置ボディと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの上下面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる上下面処理ユニットと、
前記装置ボディに結合され、前記スラブの両側面のうち少なくとも一面に酸素を噴射して面スカーフィングするように備えられる側面処理ユニットと、
を含み、
前記上下面処理ユニット及び側面処理ユニットのうち少なくとも1つは、前記スラブの角に集中するように酸素を噴射して前記スラブの角をスカーフィングするように備えられ、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合され、内部に中空が形成された上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に連結される低圧ガスラインと、
前記上下面部材の両端部に連結される高圧ガスラインと、
前記上下面部材の内部中空を、前記上下面部材の中央部及び両端部に区分されるセクターで隔離させ、隔離された間隔を調整するように備えられる稼働隔離部材と、
を含み、
前記上下面処理ユニットは、
前記装置ボディの上部又は下部に結合される上下面部材と、
前記上下面部材の中央部に形成される上下面中央ホールと、
前記上下面部材の両端部に位置し、外側に行くにつれてホールの大きさが大きくなる形状に形成され、前記上下面中央ホールよりも高圧の酸素を噴射するように備えられる上下面エッジホールと、
を含む、スカーフィング装置。
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-01-29 
出願番号 特願2016-127776(P2016-127776)
審決分類 P 1 651・ 851- YAA (B23K)
P 1 651・ 857- YAA (B23K)
P 1 651・ 121- YAA (B23K)
P 1 651・ 537- YAA (B23K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 竹下 和志  
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 篠原 将之
栗田 雅弘
登録日 2017-09-29 
登録番号 特許第6214729号(P6214729)
権利者 ポスコ
発明の名称 スカーフィング装置  
代理人 三縄 隆  
代理人 伊藤 正和  
代理人 原 裕子  
代理人 伊藤 正和  
代理人 三好 秀和  
代理人 松沼 泰史  
代理人 原 裕子  
代理人 三好 秀和  

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