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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1350129
審判番号 不服2017-17544  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-28 
確定日 2019-03-22 
事件の表示 特願2014-525892「パッシベーション層形成用組成物,パッシベーション層付半導体基板,パッシベーション層付半導体基板の製造方法,太陽電池素子,太陽電池素子の製造方法及び太陽電池」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 1月23日国際公開,WO2014/014108〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2013年7月19日を国際出願日とする出願(優先権主張:2012年7月19日,2012年9月28日,2013年1月25日,2013年2月28日,日本国)であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年12月21日付け 拒絶理由通知
平成29年 4月24日 意見書提出・手続補正
平成29年 8月28日付け 拒絶査定(以下,「原査定」という。)
平成29年11月28日 審判請求・手続補正
平成30年10月 9日付け 拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知」という。)
なお,請求人からは何らの応答もない。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし9に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明9」という。)は,平成29年11月28日付け手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定される次のとおりのものと認められる。(下線は当審で付加した。)
「 【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物と,下記一般式(II)で表される化合物と,樹脂と,を含有し,下記一般式(II)で表される化合物はnが1?3である化合物を含み,太陽電池素子の受光面と逆の面に設けられるパッシベーション層を熱処理により形成するためのパッシベーション層形成用組成物。
M(OR^(1))_(m) (I)
[式中,MはNb,Ta,V,Y及びHfからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含み,R1はそれぞれ独立して炭素数1?8のアルキル基又は炭素数6?14のアリール基を表し,mは1?5の整数を表す。]
【化1】

[式中,R^(2)はそれぞれ独立して炭素数1?8のアルキル基を表す。nは0?3の整数を表す。X^(2)及びX^(3)はそれぞれ独立して酸素原子又はメチレン基を表す。R^(3),R^(4)及びR^(5)はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1?8のアルキル基を表す。]
【請求項2】
更に,液状媒体を含有する請求項1に記載のパッシベーション層形成用組成物。
【請求項3】
前記液状媒体及び前記樹脂の総含有率が5質量%以上98質量%以下である請求項2に記載のパッシベーション層形成用組成物。
【請求項4】
前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の総含有率が0.1質量%以上80質量%以下である請求項1?請求項3のいずれか1項に記載のパッシベーション層形成用組成物。
【請求項5】
半導体基板と,前記半導体基板上の全面又は一部に設けられる請求項1?請求項4のいずれか1項に記載のパッシベーション層形成用組成物の熱処理物であるパッシベーション層と,を有するパッシベーション層付半導体基板。
【請求項6】
半導体基板上の全面又は一部に,請求項1?請求項4のいずれか1項に記載のパッシベーション層形成用組成物を付与して組成物層を形成する工程と,前記組成物層を熱処理してパッシベーション層を形成する工程と,を有するパッシベーション層付半導体基板の製造方法。
【請求項7】
p型層及びn型層がpn接合されてなる半導体基板と,前記半導体基板上の全面又は一部に設けられる請求項1?請求項4のいずれか1項に記載のパッシベーション層形成用組成物の熱処理物であるパッシベーション層と,前記p型層及び前記n型層の少なくとも一方の層上に設けられる電極と,を有する太陽電池素子。
【請求項8】
p型層及びn型層がpn接合されてなる半導体基板の全面又は一部に請求項1?請求項4のいずれか1項に記載のパッシベーション層形成用組成物を付与して組成物層を形成する工程と,前記組成物層を熱処理して,パッシベーション層を形成する工程と,前記p型層及び前記n型層の少なくとも一方の層上に,電極を形成する工程と,を有する太陽電池素子の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の太陽電池素子と,
前記太陽電池素子の電極上に設けられる配線材料と,
を有する太陽電池。」

第3 当審拒絶理由通知の概要
当審拒絶理由通知の理由は,概略,次のとおりのものである。
この出願は,請求項1ないし9の記載が,以下の点で,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
請求項1の「下記一般式(II)で表される化合物はnが1?3である」こと,「nは0?3の整数を表す。」ことは,nの範囲が対応しておらず不明確である。
よって,本願発明1は明確でない。
さらに,上記不明確な請求項1を引用する本願発明2?9も明確でない。

第4 判断
本願発明1ないし9に対して,当審拒絶理由通知をし,期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,請求人からは何らの応答もない。
そして,上記の拒絶理由は妥当なものと認められる。

第5 むすび
以上のとおりであるから,本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-01-17 
結審通知日 2019-01-22 
審決日 2019-02-06 
出願番号 特願2014-525892(P2014-525892)
審決分類 P 1 8・ 537- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長谷川 直也  
特許庁審判長 恩田 春香
特許庁審判官 加藤 浩一
河合 俊英
発明の名称 パッシベーション層形成用組成物、パッシベーション層付半導体基板、パッシベーション層付半導体基板の製造方法、太陽電池素子、太陽電池素子の製造方法及び太陽電池  
代理人 特許業務法人太陽国際特許事務所  

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