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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1352194
審判番号 不服2018-9777  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-07-17 
確定日 2019-06-06 
事件の表示 特願2017-168921「アクセス制御装置,アクセス制御方法,およびアクセス制御プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月22日出願公開,特開2019- 46186〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,平成29年9月1日の出願であって,
平成29年10月31日付けで審査請求がなされ,平成29年11月13日付けで審査官により拒絶理由が通知され,これに対して平成30年1月19日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされたが,平成30年4月10日付けで審査官により拒絶査定がなされ(謄本送達;平成30年4月17日),これに対して平成30年7月17日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,平成30年9月19日付けで審査官により特許法第164条第3項の規定に基づく報告がなされ,平成30年10月18日付けで上申書の提出があったものである。

第2.平成30年7月17日付けの手続補正の却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成30年7月17日付け手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容
平成30年7月17日付けの手続補正(以下,「本件手続補正」という)により,平成30年1月19日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲,
「 【請求項1】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得部と,
前記取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部と,
を備えたことを特徴とするアクセス制御装置。
【請求項2】
前記アクセス制御部は,
前記アクセス権限として,前記事業者が前記メタデータを参照する権限,及び,当該事業者が当該メタデータに対応する実体データを利用する権限を管理する,
ことを特徴とする請求項1に記載のアクセス制御装置。
【請求項3】
前記アクセス制御部は,
前記事業者が属する業界に基づいて,当該事業者が登録したメタデータに対するアクセス権限を管理する,
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアクセス制御装置。
【請求項4】
前記アクセス制御部は,
前記メタデータを登録した事業者から,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限に関する設定を受け付け,受け付けた設定に基づいて,前記アクセス権限を管理する,
ことを特徴とする請求項1?3のいずれか一つに記載のアクセス制御装置。
【請求項5】
前記メタデータに対応する実体データの利用状況に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータに対するアクセス権限の設定に関する提案を行う提案部,
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載のアクセス制御装置。
【請求項6】
前記提案部は,
前記メタデータに対応する実体データの利用頻度,当該実体データを利用する事業者の数,当該実体データを利用する事業者が属する業界,又は,当該実体データのカテゴリの少なくとも一つに基づいて,当該メタデータに対するアクセス権限の設定に関する提案を行う,
ことを特徴とする請求項5に記載のアクセス制御装置。
【請求項7】
前記提案部は,
前記メタデータに対応する実体データの利用状況に基づいて,新規にメタデータを登録する新規事業者に対して,新規事業者が登録を要するメタデータに関する情報を提案する,
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のアクセス制御装置。
【請求項8】
前記提案部は,
前記新規事業者に対して,登録を要するメタデータの量,メタデータに対応する実体データのカテゴリ,又は,新規に登録するメタデータに対する他の事業者からのアクセス権限に関する設定の少なくともいずれか一つを提案する,
ことを特徴とする請求項7に記載のアクセス制御装置。
【請求項9】
前記提案部は,
既存の事業者のアクセス権限の設定に基づいて,新規事業者に対して,新規に登録されるメタデータのアクセス権限の設定を提案する,
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のアクセス制御装置。
【請求項10】
コンピュータが実行するアクセス制御方法であって,
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得工程と,
前記取得工程によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御工程と,
を含んだことを特徴とするアクセス制御方法。
【請求項11】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得手順と,
前記取得手順によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御手順と,
をコンピュータに実行させることを特徴とするアクセス制御プログラム。
【請求項12】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得部と,
前記取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限とを対応付けて管理するアクセス制御部と,
前記メタデータに対応する実体データと当該実体データを利用した事業者との関係性に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限の設定に関する提案を行う提案部と,
を備えたことを特徴とするアクセス制御装置。
【請求項13】
前記提案部は,
前記メタデータに対応する実体データの利用状況のうち他の事業者の利用に対して当該
実体データの重みを示す貢献度又は当該実体データの利用状況に基づき算出される当該実体データを提供する提供者に対する報酬に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限の設定に関する提案を行う,
ことを特徴とする請求項12に記載のアクセス制御装置。
【請求項14】
コンピュータが実行するアクセス制御方法であって,
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得工程と,
前記取得工程によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限とを対応付けて管理するアクセス制御工程と,
前記メタデータに対応する実体データと当該実体データを利用した事業者との関係性に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限の設定に関する提案を行う提案工程と,
を含んだことを特徴とするアクセス制御方法。
【請求項15】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得手順と,
前記取得手順によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限とを対応付けて管理するアクセス制御手順と,
前記メタデータに対応する実体データと当該実体データを利用した事業者との関係性に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限の設定に関する提案を行う提案手順と,
をコンピュータに実行させることを特徴とするアクセス制御プログラム。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正前の請求項」という)は,
「 【請求項1】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得部と,
前記取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する個々の前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部と,
を備えたことを特徴とするアクセス制御装置。
【請求項2】
前記メタデータに対応する実体データの利用状況に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータに対するアクセス権限の設定に関する提案を行う提案部,
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のアクセス制御装置。
【請求項3】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得部と,
前記取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部と,
前記メタデータに対応する実体データの利用状況に関する情報のうち他の事業者からの利用に基づき算出又は学習される情報に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータに対するアクセス権限の設定に関する提案を行う提案部と,
を備えたことを特徴とするアクセス制御装置。
【請求項4】
前記提案部は,
前記メタデータに対応する実体データの利用頻度,当該実体データを利用する事業者の数,当該実体データを利用する事業者が属する業界,又は,当該実体データのカテゴリの少なくとも一つに基づいて,当該メタデータに対するアクセス権限の設定に関する提案を行う,
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のアクセス制御装置。
【請求項5】
前記提案部は,
前記メタデータに対応する実体データの利用状況に基づいて,新規にメタデータを登録する新規事業者に対して,新規事業者が登録を要するメタデータに関する情報を提案する,
ことを特徴とする請求項2?4のいずれか一つに記載のアクセス制御装置。
【請求項6】
前記提案部は,
前記新規事業者に対して,登録を要するメタデータの量,メタデータに対応する実体データのカテゴリ,又は,新規に登録するメタデータに対する他の事業者からのアクセス権限に関する設定の少なくともいずれか一つを提案する,
ことを特徴とする請求項5に記載のアクセス制御装置。
【請求項7】
前記提案部は,
既存の事業者のアクセス権限の設定に基づいて,新規事業者に対して,新規に登録されるメタデータのアクセス権限の設定を提案する,
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のアクセス制御装置。
【請求項8】
前記アクセス制御部は,
前記アクセス権限として,前記事業者が前記メタデータを参照する権限,及び,当該事業者が当該メタデータに対応する実体データを利用する権限を管理する,
ことを特徴とする請求項1?7のいずれか一つに記載のアクセス制御装置。
【請求項9】
前記アクセス制御部は,
前記事業者が属する業界に基づいて,当該事業者が登録したメタデータに対するアクセス権限を管理する,
ことを特徴とする請求項1?8のいずれか一つに記載のアクセス制御装置。
【請求項10】
前記アクセス制御部は,
前記メタデータを登録した事業者から,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限に関する設定を受け付け,受け付けた設定に基づいて,前記アクセス権限を管理する,
ことを特徴とする請求項1?9のいずれか一つに記載のアクセス制御装置。
【請求項11】
コンピュータが実行するアクセス制御方法であって,
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得工程と,
前記取得工程によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する個々の前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御工程と,
を含んだことを特徴とするアクセス制御方法。
【請求項12】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得手順と,
前記取得手順によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する個々の前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御手順と,
をコンピュータに実行させることを特徴とするアクセス制御プログラム。
【請求項13】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得部と,
前記取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限とを対応付けて管理するアクセス制御部と,
前記メタデータに対応する個々の実体データと当該実体データを利用した事業者との関係性に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限の設定に関する提案を行う提案部と,
を備えたことを特徴とするアクセス制御装置。
【請求項14】
前記提案部は,
前記メタデータに対応する実体データの利用状況のうち他の事業者の利用に対して当該実体データの重みを示す貢献度又は当該実体データの利用状況に基づき算出される当該実体データを提供する提供者に対する報酬に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限の設定に関する提案を行う,
ことを特徴とする請求項13に記載のアクセス制御装置。
【請求項15】
コンピュータが実行するアクセス制御方法であって,
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得工程と,
前記取得工程によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限とを対応付けて管理するアクセス制御工程と,
前記メタデータに対応する個々の実体データと当該実体データを利用した事業者との関係性に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限の設定に関する提案を行う提案工程と,
を含んだことを特徴とするアクセス制御方法。
【請求項16】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得手順と,
前記取得手順によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限とを対応付けて管理するアクセス制御手順と,
前記メタデータに対応する個々の実体データと当該実体データを利用した事業者との関係性に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータへの他の事業者からのアクセス権限の設定に関する提案を行う提案手順と,
をコンピュータに実行させることを特徴とするアクセス制御プログラム。
【請求項17】
コンピュータが実行するアクセス制御方法であって,
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得工程と,
前記取得工程によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御工程と,
前記メタデータに対応する実体データの利用状況に関する情報のうち他の事業者からの利用に基づき算出又は学習される情報に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータに対するアクセス権限の設定に関する提案を行う提案工程と,
を含んだことを特徴とするアクセス制御方法。
【請求項18】
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得手順と,
前記取得手順によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御手順と,
前記メタデータに対応する実体データの利用状況に関する情報のうち他の事業者からの利用に基づき算出又は学習される情報に基づいて,当該メタデータを登録した事業者に対して,当該メタデータに対するアクセス権限の設定に関する提案を行う提案手順と,
をコンピュータに実行させることを特徴とするアクセス制御プログラム。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正後の請求項」という)に補正された。

2.補正の適否
(1)新規事項
本件手続補正は,補正前の請求項1に記載の,
「実体データを所有する事業者から登録されるメタデータ」,
を,
「実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータ」,
と補正し,同じく,補正前の請求項1に記載の,
「メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限」,
を,
「メタデータに対応する個々の前記実体データへのアクセス制限」,
と補正して,補正後の請求項1とし(以下,これを「補正事項1」という),
補正前の請求項5に記載の内容を,補正後の請求項2とし(以下,これを「補正事項2」という),
補正前の請求項1の記載内容に,補正前の請求項5の記載内容を,当該補正前の請求項5に記載の,
「メタデータに対応する実体データの利用状況に基づいて」,
を,本願明細書の段落【0070】?段落【0079】の記載内容に基づいて,
「メタデータに対応する実体データの利用状況に関する情報のうち他の事業者からの利用に基づき算出又は学習される情報に基づいて」,
と限定事項を加えて補正して組合せ,補正後の請求項3とし(以下,これを「補正事項3」という),
補正前の請求項6?補正前の請求項9を,補正後の請求項4?補正後の請求項7とすると共に,各請求項の引用する請求項の項番を整理し(以下,これを「補正事項4」という),
補正前の請求項2?補正前の請求項4を,補正後の請求項8?補正後の請求項10とすると共に,各請求項の引用する請求項の項番を整理し(以下,これを「補正事項5」という),
補正前の請求項10,及び,補正前の請求項11に記載の,
「実体データを所有する事業者から登録されるメタデータ」,
を,
「実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータ」,
と補正し,同じく,補正前の請求項10,及び,補正前の請求項11に記載の,
「メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限」,
を,
「メタデータに対応する個々の前記実体データへのアクセス制限」,
と補正して,補正後の請求項11,及び,補正後の請求項12とし(以下,これを「補正事項6」という),
補正前の請求項12,補正前の請求項14,及び,補正前の請求項15に記載の,
「実体データを所有する事業者から登録されるメタデータ」,
及び,
「メタデータに対応する実体データ」,
を,それぞれ,
「実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータ」,
及び,
「メタデータに対応する個々の実体データ」,
と補正して,補正後の請求項13,補正後の請求項15,及び,補正後の請求項16とし(以下,これを「補正事項7」という),
補正前の請求項13を,補正後の請求項14とすると共に,当該請求項の引用する請求項の項番を整理し(以下,これを「補正事項8」という),
補正事項3で検討した,補正後の請求項3と同等の構成を有し,発明のカテゴリが,方法の発明である,新たな,補正後の請求項17を加え(以下,これを「補正事項9」という),
同じく,補正事項3で検討した,補正後の請求項3と同等の構成を有し,発明のカテゴリが,プログラムの発明である,新たな,補正後の請求項18加えたものである(以下,これを「補正事項10」という)。
そして,本件手続補正は,上記において検討したとおり,願書に最初に添付した,明細書,図面の記載の範囲内でなされたものであるから,特許法17条の2第3項の規程を満たすものである。

(2)目的要件
ア.当審の判断
補正事項2に関して,補正後の請求項2に記載の内容は,補正前の請求項5に記載の内容と同じものであるが,補正前の請求項5は,補正前の請求項4を引用するものであるのに対して,補正後の請求項2は,補正後の請求項1を引用するものである。
したがって,補正後の請求項2に係る発明は,補正前の請求項5に係る発明から,補正前の請求項4に記載の構成を取り除いたものといえる。
よって,補正後の請求項2は,補正前の請求項5を限定的に減縮したものではない。
そして,補正事項2が,請求項の削除,誤記の訂正,及び,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)のいずれに該当しないことも,明らかである。
補正事項3に関して,補正前の請求項5は,補正前の請求項4を引用し,補正前の請求項4は,補正前の請求項1?補正前の請求項3の何れか1項を引用し,補正前の請求項3は,補正前の請求項1又は補正前の請求項2を引用し,補正前の請求項2は,補正前の請求項1を引用するものであるから,補正前の請求項5に係る発明は,少なくとも,補正前の請求項1,及び,補正前の請求項4に係る発明の構成を内包するものである。
しかしながら,補正後の請求項3に係る発明は,補正前の請求項1に記載の構成,及び,補正前の請求項5に記載の構成のみとなっており,補正前の請求項4に記載の構成を含んでいない。
したがって,補正後の請求項3は,補正前の請求項5を独立請求項としたものではない。
また,上記のとおり,補正前の請求項5は,補正前の請求項4を引用するものであって,補正前の請求項1を直接引用するものではなく,補正前の請求項5に係る発明は,補正前の請求項4に係る発明の構成を,限定するものであって,補正前の請求項1に係る発明を限定するものではないので,補正前の請求項4に係る発明の構成を欠く,補正後の請求項3に係る発明は,補正前の請求項1に係る発明を,限定的に減縮したものとも言えない。
そして,補正後の請求項3は,本件手続補正によって,新たに加わった独立請求項であるから,補正事項3は,請求項の削除,誤記の訂正,及び,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)のいずれに該当しないことも,明らかである。
加えて,補正後の請求項数は,補正前の請求項数から,3項増えており,それぞれ,独立請求項である,補正後の請求項3,補正後の請求項17,及び,補正後の請求項18は,上記補正事項3,補正事項9,及び,補正事項10に示したとおり,本件手続補正により増項したものである。
以上に検討したとおりであるから,本件手続補正は,請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れにも該当しない。

イ.目的要件むすび
よって,本件手続補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(3)独立特許要件
本件手続補正は,上記(2)において検討したとおり,特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであるが,仮に,本件手続補正が,適法になされたものであるとして,本件手続補正が,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定を満たすものであるか否か,即ち,補正後の請求項に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か,以下に検討する。

ア.補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下,これを「本件補正発明」という)は,上記「1.補正の内容」において,補正後の請求項1として引用した,次に記載のとおりのものである。

「事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得部と,
前記取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する個々の前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部と,
を備えたことを特徴とするアクセス制御装置。」

イ.引用文献に記載の事項
(ア)原審における平成29年11月13日付けの拒絶理由(以下,これを「原審拒絶理由」という)に引用された,本願の出願前に既に公知である,特開2014-211803号公報(平成26年11月13日公開,以下,これを「引用文献1」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

A.「【0026】
また,サービス基盤事業者装置(サーバ)300は,入出力装置310,記憶装置320,制御装置330を有する。」

B.「【0028】
データ送信部3102は,データ提供事業者装置100(提供元店舗など)から提供されたデータをデータ享受事業者装置200(開示先店舗など)に送信する。送信するデータは,データ提供事業者装置100(提供元店舗など)のデータをそのまま送信しても,また所望の分析を行った上で送信してもよい。
【0029】
記憶装置320は,データを記憶するデータ記憶部3201,各マスタを記憶するマスタ記憶部3202,を含む記憶手段を有する。
【0030】
データ記憶部3201は,例えば,一式のOLAPキューブからなり,データ提供事業者装置100から提供される全てのデータを集約してデータウェアハウス(DWH)を構築する。
【0031】
マスタ記憶部3202は,開示店舗数マスタ,開示業務マスタ,開示地域マスタ,開示可否条件マスタ,店舗マスタ,開示マスタ(詳細情報),開示マスタ(統計情報)を記憶する。開示マスタは,後述する開示マスタ情報(含開示ID)を記憶する。
【0032】
開示マスタ情報は,開示元店舗ID,開示先店舗ID,開示業種ID,開示地域ID,開示ID(開示ステータス),などを含んでいる。
【0033】
開示元はデータ提供者(開示元店舗ID)を示し,開示先は,データ享受者(開示先店舗ID)を示す。開示ID(開示ステータス)は,「開示可能」を示す「1」,「開示不可能」を示す「2」を含んでいる。
データ記憶部3201,マスタ記憶部3202の各情報の詳細内容は後述する。
【0034】
制御装置330は,開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段),を有する。開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)は,開示マスタの開示ステータス(開示ID)を元に,開示元(データ提供事業者装置の店舗など)のデータを開示先(データ享受事業者装置の店舗など)に対して,開示するか,開示しないかを制御する。」

C.「【0039】
OLAPキューブ3201は,データウェアハウスを構築する。マスタ記憶部3202は,開示店舗数マスタDB32021,開示業種マスタDB32022,開示地域マスタDB32023,開示可否条件マスタDB32024,店舗マスタDB32025,開示マスタDB(詳細情報)32026,開示マスタDB(統計情報)32027,などを有する。
【0040】
開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330は,開示ID(1or0)/開示ステータス設定部3301,OLAPキューブ検索部3302,店舗IDリスト(図13のIDリスト(1)?(4),開示可能店舗IDリスト)作成部3303,を有する。
【0041】
開示ID/開示ステータス設定部3301は,開示元のデータを開示先に開示するか否かを示す開示ステータス/開示ID(0又は1)を設定する。」

D.「【0043】
OLAPキューブ検索部3302は,例えば,サーバが開示先からデータ統計処理の要求や詳細データ要求を受け,当該要求に対する処理を行うとき,店舗IDリストや開示ステータスリストを元に,OLAPキューブデータを検索する。これらの詳細については後述する。
【0044】
図3はOLAPキューブデータ(データウェアハウス)を示すテーブルである。
同図において,OLAPキューブデータテーブルT3は,データオーナ店舗ID(データ開示元を示すID1,2,3,・・・)T31,時間帯(0時,1時,2時,・・・)T32,場所(五反田1-1-1,五反田1-1-3,五反田1-1-2,・・・)T33,客数(12,32,14,・・・)T34,売上金額(¥29,000,¥48,000,¥30,000,・・・)T35,の各情報を有する。
【0045】
図4は開示店舗数マスタを示すテーブルである。
同図において,開示店舗数マスタテーブルT4は,開示店舗数ID(1,2,3,4,・・・)T41,店舗数(すべて,1?10社,11社?20社,21社?50社,・・・)T42,の各情報を有する。
【0046】
図5は開示業種マスタを示すテーブルである。
同図において,開示業種マスタテーブルT5は,開示業種ID(1,2,3,4)T51,業種(全分類,大分類,中分類,小分類)T52,の各情報を有する。
【0047】
図6は開示地域マスタを示すテーブルである。
同図において,開示地域マスタテーブルT6は,開示地域ID(1,2,3,4)T61,地域(全国,都道府県,市区町村,地域)T62,の各情報を有する。
【0048】
図7は開示可否条件マスタを示すテーブルである。
同図において,開示可否条件マスタテーブルT7は,開示ID(0,1)T71,開示ステータス/開示可否条件(開示しない,開示する)T72,の各情報を有する。」

E.「【0051】
図10は開示マスタ(統計情報/統計データ)を示すテーブルである。同図において,開示マスタ(統計情報/統計データ)テーブルT10は,開示元店舗ID(1,1,・・・)T11(図9の開示元店舗ID),開示店舗数ID(1,2,・・・)T12(図5の開示店舗数マスタの開示店舗数IDに対応),開示ID(0,0,・・・)T13(図7の開示IDに対応),の各情報を有する。
【0052】
図11は,図7の開示可否条件マスタの開示IDに対応する開示可否条件,つまり開示ステータスの設定処理を示すフローチャートである。
【0053】
同図において,ステップS110にて開示ステータス設定処理を開始すると,ステップS111にて,「店舗ID」T81を「店舗マスタ」から取得し,ステップS112にて,「店舗ID」で「開示元店舗ID」「開示先店舗ID」を表し,ステップS113にて,「開示業種ID」T93を「開示業種マスタ」から取得する。
【0054】
次に,ステップS114にて,「開示地域ID」T61を「開示地域マスタ」から取得し,ステップS115にて,「開示元店舗ID」T91,「開示先店舗ID」T92,「開示業種ID」T93,「開示地域ID」T94の全ての組み合わせに対して,「開示可否条件マスタ」を参照して「非開示(0)」か「開示(1)」をセットする。そして,ステップS116にて,終了する。
【0055】
図12は,図10の開示マスタ(統計情報))の設定処理を示すフローチャートである。
同図において,ステップS120にて開示マスタ(統計情報)設定処理を開始すると,
ステップS121にて,「店舗ID」T81を「店舗マスタ」から取得し,ステップS122にて,「開示元店舗ID」T91を「開示店舗数マスタ」から取得する。
【0056】
ステップS123にて,「店舗ID」T81と「開示店舗数ID」T41のすべての組合せに対して,「開示可否条件マスタ」を参照して「非開示(0)」か「開示(1)」をセットする。そして,ステップS124にて,終了する。
【0057】
図13は詳細データ要求に対する処理例を示すフローチャートである。
同図において,ステップS130にて,詳細情報(詳細データ)要求に対する処理を開始すると,ステップS131にて,「店舗マスタ」,「開示マスタ(詳細情報)」,「開示業種マスタ」,「開示地域マスタ」,からデータ利用者に開示可能な店舗リストIDのリスト(IDリスト(1))及び開示不可能な店舗IDのリスト(IDリスト(2))を作成する。」

(イ)原審における平成30年4月10日付けの拒絶査定(以下,これを「原審拒絶査定」という)において,周知技術を示すために引用された,本願の出願前に既に公知である,特開2010-079444号公報(平成22年4月8日公開,以下,これを「引用文献2」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

F.「【0012】
図2のファイルディレクトリのメタデータ管理テーブル200は,項目番号であるID201と,ファイルディレクトリのパス情報であるURI202,各々のURIにつけられたメタデータ群203で構成される。
メタデータ群203は,メタデータID204で管理された複数のメタデータで構成される。
ここで,以降の記述を含めて,本実施例では,メタデータはメタデータの分類205とメタデータの内容206を「:」で区切り,「{}」でまとめた形式とする。また,IDが00001の列に見られるように,一つのURIに対し,同じメタデータの分類に対し,複数のメタデータの内容も登録できるものとする。ただし,メタデータ形式や仕様は,他の既存のものでも良い。」

G.「



(ウ)本願の出願前に既に公知である,特開2008-022298号公報(平成20年1月31日公開,以下,これを「周知文献」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

H.「【0067】
予め,コンテンツ事業者は,コンテンツ事業者端末2を介して,コンテンツ,メタデータ(例えば,コンテンツメタデータ)をコンテンツデータ記憶部19及びコンテンツメタデータ記憶部18を備えるコンテンツサーバ11へ登録する。」

ウ.引用文献1に記載の発明
(ア)上記Aの「サービス基盤事業者装置(サーバ)300は,入出力装置310,記憶装置320,制御装置330を有する」という記載,上記Bの「記憶装置320は,データを記憶するデータ記憶部3201,各マスタを記憶するマスタ記憶部3202,を含む記憶手段を有する」という記載,同じく,上記Bの「データ記憶部3201は,例えば,一式のOLAPキューブからなり,データ提供事業者装置100から提供される全てのデータを集約してデータウェアハウス(DWH)を構築する」という記載,同じく,上記Bの「マスタ記憶部3202は,開示店舗数マスタ,開示業務マスタ,開示地域マスタ,開示可否条件マスタ,店舗マスタ,開示マスタ(詳細情報),開示マスタ(統計情報)を記憶する。開示マスタは,後述する開示マスタ情報(含開示ID)を記憶する」という記載,同じく,上記Bの「開示マスタ情報は,開示元店舗ID,開示先店舗ID,開示業種ID,開示地域ID,開示ID(開示ステータス),などを含んでいる」という記載,及び,上記Cの「マスタ記憶部3202は,開示店舗数マスタDB32021,開示業種マスタDB32022,開示地域マスタDB32023,開示可否条件マスタDB32024,店舗マスタDB32025,開示マスタDB(詳細情報)32026,開示マスタDB(統計情報)32027,などを有する」という記載から,引用文献1には,
“一式のOLAPキューブからなり,データ提供事業者装置100から提供される全てのデータを集約してデータウェアハウス(DWH)を構築するデータ記憶部3201と,開示店舗数マスタDB32021,開示業種マスタDB32022,開示地域マスタDB32023,開示可否条件マスタDB32024,店舗マスタDB32025,開示マスタDB(詳細情報)32026,開示マスタDB(統計情報)32027,などを有するマスタ記憶部3202を含む記憶手段を有する記憶装置320と,制御装置330を有する,サービス基盤事業者装置(サーバ)300”が記載されているものと読み取れる。

(イ)上記Bの「制御装置330は,開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段),を有する。開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)は,開示マスタの開示ステータス(開示ID)を元に,開示元(データ提供事業者装置の店舗など)のデータを開示先(データ享受事業者装置の店舗など)に対して,開示するか,開示しないかを制御する」という記載,上記Cの「開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330は,開示ID(1or0)/開示ステータス設定部3301,OLAPキューブ検索部3302,店舗IDリスト(図13のIDリスト(1)?(4),開示可能店舗IDリスト)作成部3303,を有する」という記載,及び,同じく,上記Cの「開示ID/開示ステータス設定部3301は,開示元のデータを開示先に開示するか否かを示す開示ステータス/開示ID(0又は1)を設定する」という記載から,引用文献1においては,
“開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330は,開示元のデータを開示先に開示するか否かを示す開示ステータス/開示ID(0又は1)を設定する開示ID/開示ステータス設定部3301を有し,開示元(データ提供事業者装置の店舗など)のデータを開示先(データ享受事業者装置の店舗など)に対して,開示するか,開示しないかを制御する”ものであることが読み取れる。

(ウ)上記Dの「OLAPキューブ検索部3302は,例えば,サーバが開示先からデータ統計処理の要求や詳細データ要求を受け,当該要求に対する処理を行うとき,店舗IDリストや開示ステータスリストを元に,OLAPキューブデータを検索する」という記載,同じく,上記Dの「OLAPキューブデータテーブルT3は,データオーナ店舗ID(データ開示元を示すID1,2,3,・・・)T31,時間帯(0時,1時,2時,・・・)T32,場所(五反田1-1-1,五反田1-1-3,五反田1-1-2,・・・)T33,客数(12,32,14,・・・)T34,売上金額(¥29,000,¥48,000,¥30,000,・・・)T35,の各情報を有する」という記載,同じく,上記Dの「開示店舗数マスタテーブルT4は,開示店舗数ID(1,2,3,4,・・・)T41,店舗数(すべて,1?10社,11社?20社,21社?50社,・・・)T42,の各情報を有する」という記載,同じく,上記Dの「開示業種マスタテーブルT5は,開示業種ID(1,2,3,4)T51,業種(全分類,大分類,中分類,小分類)T52,の各情報を有する」という記載,及び,同じく上記Dの「開示地域マスタテーブルT6は,開示地域ID(1,2,3,4)T61,地域(全国,都道府県,市区町村,地域)T62,の各情報を有する」という記載から,引用文献1においては,
“データ開示元を示すIDに対して,時間帯,客数,及び,売上金額についての実データが,開示店舗数IDに対して,店舗数という実データが,開示業種IDに対して,業種(全分類,大分類,中分類,小分類)という実データが,開示地域IDに対して,地域(全国,都道府県,市区町村,地域)という実データが,それぞれ,対応付けられている”ことが読み取れる。

(エ)上記Eの「ステップS111にて,「店舗ID」T81を「店舗マスタ」から取得し,ステップS112にて,「店舗ID」で「開示元店舗ID」「開示先店舗ID」を表し,ステップS113にて,「開示業種ID」T93を「開示業種マスタ」から取得する」という記載,及び,同じく,上記Eの「ステップS114にて,「開示地域ID」T61を「開示地域マスタ」から取得し」という記載から,引用文献1においては,
“「店舗マスタ」から,「開示元店舗ID」,及び,「開示先店舗ID」を,「開示業種マスタ」から,「開示業種ID」を,「開示地域マスタ」から,「開示地域ID」を,それぞれ,取得する”ものであることが読み取れる。

(オ)上記Eの「ステップS115にて,「開示元店舗ID」T91,「開示先店舗ID」T92,「開示業種ID」T93,「開示地域ID」T94の全ての組み合わせに対して,「開示可否条件マスタ」を参照して「非開示(0)」か「開示(1)」をセットする」という記載から,引用文献1においては,
“「開示店元店舗ID」,「開示先店舗ID」,「開示業種ID」,「開示地域ID」の全ての組合せに対して,「開示可否条件マスタ」を参照して,開示の可否を設定する”ものであることが読み取れる。

(カ)以上,上記(ア)?(オ)において検討した事項により,上記(ウ)において検討した,「データ開示元を示すID」と,上記(エ)において検討した,「開示元店舗ID」とは同じものであるから,引用文献1には,次の発明(以下,これを「引用発明」という)が記載されているものと認める。

「一式のOLAPキューブからなり,データ提供事業者装置100から提供される全てのデータを集約してデータウェアハウス(DWH)を構築するデータ記憶部3201と,「開示店舗数マスタDB32021」,「開示業種マスタDB32022」,「開示地域マスタDB32023」,「開示可否条件マスタDB32024」,「店舗マスタDB32025」,「開示マスタDB(詳細情報)32026」,「開示マスタDB(統計情報)32027」,などを有するマスタ記憶部3202を含む記憶手段を有する記憶装置320と,開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330を有する,サービス基盤事業者装置(サーバ)300であって,
前記開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330は,開示元のデータを開示先に開示するか否かを示す開示ステータス/開示ID(0又は1)を設定する開示ID/開示ステータス設定部3301を有し,開示元(データ提供事業者装置の店舗など)のデータを開示先(データ享受事業者装置の店舗など)に対して,開示するか,開示しないかを制御し,
「開示元店舗ID」に対して,時間帯,客数,及び,売上金額についての実データが,「開示店舗数ID」に対して,店舗数という実データが,「開示業種ID」に対して,業種(全分類,大分類,中分類,小分類)という実データが,「開示地域ID」に対して,地域(全国,都道府県,市区町村,地域)という実データが,それぞれ,対応付けられ,
前記開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330は,前記「店舗マスタDB32025」から,前記「開示元店舗ID」,及び,「開示先店舗ID」を,前記「開示業種マスタDB32022」から,前記「開示業種ID」を,前記「開示地域マスタDB32023」から,前記「開示地域ID」を,それぞれ,取得し,
前記「開示元店舗ID」,前記「開示先店舗ID」,前記「開示業種ID」,前記「開示地域ID」の全ての組合せに対して,前記「開示可否条件マスタDB32024」を参照して,開示の可否を設定する,サービス基盤事業者装置(サーバ)300。」

エ.本件補正発明と引用発明との対比
(ア)引用発明において,「サービス基盤事業者(サーバ)300」が有する,「開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330」は,「データ提供事業者装置100」から提供される「データ」の開示の可否を制御するものであるから,
引用発明における「開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330」が,
本件補正発明における「アクセス制御装置」に相当する。

(イ)引用発明において,「開示元店舗ID」等の「ID」は,「実データ」に付加されたデータであるから,「メタデータ」と言い得るものであり,当該「ID」も,「サービス基盤事業者装置(サーバ)300」が有する,「データ記憶部3201」に記憶されるものである。
引用発明において,「開示元店舗」は,「データ提供事業者装置100」を有するものであって,即ち,「実データ」を提供する側であり,そして,前記「データ記憶部3201」は,「データ提供事業者装置100から提供される全てのデータを集約してデータウェアハウス(DWH)を構築する」もの,即ち,「データ提供事業者装置100から提供される全てのデータ」が管理される場所であるから,
引用発明における「開示元店舗」,或いは,「データ提供事業者」が,
本件補正発明における「事業者」に相当し,
引用発明における「データ記憶部3201」が,
本件補正発明における「プラットフォーム」に相当し,
引用発明における「ID」と,
本件補正発明における「実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータ」とは,
“実体データが管理されるプラットフォーム上に登録される実体データを特定する情報を含むメタデータ”である点で共通する。

(ウ)引用発明において,「開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330は,前記「店舗マスタDB32025」から,前記「開示元店舗ID」,及び,「開示先店舗ID」を,前記「開示業種マスタDB32022」から,前記「開示業種ID」を,前記「開示地域マスタDB32023」から,前記「開示地域ID」を,それぞれ,取得し」ているので,当該「ID」を取得するための“ID取得手段”に相当する構成を有することは明らかであるから,上記(イ)において検討した事項と併せると,
引用発明における“ID取得手段”と,
本件補正発明におけるにおける「事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得部」とは,
“事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に登録される実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得部”である点で共通する。

(エ)引用発明において,「開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330」は,「「開示元店舗ID」,前記「開示先店舗ID」,前記「開示業種ID」,前記「開示地域ID」の全ての組合せに対して,前記「開示可否条件マスタDB32024」を参照して,開示の可否を設定」し,それによって,「開示先店舗」が,「アクセス」できる「開示元店舗」の「実データ」を「管理」していると言い得るものであって,「管理」のための「開示データ管理手段」に相当する構成を,前記「開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330」が有することは明らかであるから,
引用発明における“「「開示元店舗ID」,前記「開示先店舗ID」,前記「開示業種ID」,前記「開示地域ID」の全ての組合せに対して,前記「開示可否条件マスタDB32024」を参照して,開示の可否を設定」し,「実データ」へのアクセスを管理する管理手段”と,
本件補正発明における「取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する個々の前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部」とは,
“取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部”である点で共通する。

(オ)以上,上記(ア)?(エ)において検討した事項から,本件補正発明と,引用発明との一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に登録される実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得部と,
取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部と,
を備えるアクセス制御装置。

[相違点1]
“プラットフォーム上に登録される・・・・メタデータ”に関して,
本件補正発明においては,「実体データを所有する事業者から登録される」,「メタデータ」であるのに対して,
引用発明においては,「ID」を,「データ提供事業者」が「登録」する点については,言及されていない点。

[相違点2]
“実体データを特定する情報を含むメタデータ”に関して,
本件補正発明においては,「個々の実体データを特定する情報を含むメタデータ」であるのに対して,
引用発明においては,「ID」が,個々の実データのそれぞれに付与されている点については,言及されていない点。

[相違点3]
“メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理する”に関して,
本件補正発明においては,「メタデータに対応する個々の前記実体データへのアクセス制限を管理する」ものであるのに対して,
引用発明においては,“個々の実データへのアクセス制限を管理する”点については,言及されていない点。

オ.相違点についての当審の判断
(ア)[相違点1]について
上記Hに引用した,周知文献の記載内容に,「コンテンツ事業者」(本件補正発明における「事業者」に相当)が,「コンテンツ」(本件補正発明における「実体データ」に相当)と,「コンテンツメタデータ」(本件補正発明における「メタデータ」に相当)を,「コンテンツサーバ11(本件補正発明における「プラットフォーム」に相当)へ登録する」とあるように,「実体データ」と,当該「実体データ」に対応した「メタデータ」とを,「事業者」が,「プラットフォーム」に登録することは,本願の出願前に,当業者には,周知の技術事項であった。
したがって,引用発明においても,「店舗ID」等を,必要に応じて,「データ提供事業者」から取得されるよう構成することは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,[相違点1]は,格別のものではない。

(イ)[相違点2]について
上記Fに引用した,引用文献2の記載内容,及び,上記Gに引用した,引用文献2の【図2】に開示の内容から,引用文献2に記載の発明においては,「実体データ」である「URI」列に記載された,「¥¥server1¥営業部¥X社¥見積書.doc」等のファイルに,それぞれ,「ID00001」等のID番号が付与され,更に,個々のファイルそれぞれに,当該ファイルに関連する「メタデータ」が,それぞれ,付与されている構成が開示されていて,引用発明も,引用文献2に係る発明も,「実体データ」を,「メタデータ」を用いて管理する技術である点で共通するので,
引用発明においても,引用文献2に係る発明に開示の技術を採用して,「実体データ」,それぞれに対して,「メタデータ」を登録するよう構成することは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,[相違点2]は,格別のものではない。

(ウ)[相違点3]について
引用発明において,「実体データ」それぞれに与えられた「メタデータ」に対して,「開示可否条件」を設定し得ることは明らかであるので,上記(イ)において検討した事項を踏まえ,引用発明において,複数の「実体データ」に対応した「メタデータ」に対応付けられた「開示ステータス」に基づいて,当該「実データ」の「開示可否」を設定することに換えて,個々の「実体データ」に対応した「メタデータ」に対応付けられた「開示ステータス」に基づいて,当該「実データ」への「開示可否」を設定すること,即ち,本件補正発明と同等に,“メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する個々の実体データへのアクセス制限を管理する”よう構成することは,当業者が適宜なし得る事項である。

(エ)以上(ア)?(ウ)において検討したとおりであるから,[相違点1]?[相違点3]は,いずれも,格別のものではなく,そして,本件補正発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。
よって,本件補正発明は,引用発明,引用文献2に記載の発明,及び,周知文献に開示の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際,独立して特許を受けることができない。
よって,[相違点3]は,格別のものではない。

カ.独立特許要件むすび
したがって,本件手続補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.補正却下むすび
以上,上記「2.補正の適否」の「(2)目的要件」において検討したとおり,
本件手続補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであり,
上記「2.補正の適否」の「(3)独立特許要件」において検討したとおり,
本件手続補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.本願発明について
平成30年7月17日付けの手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,これを「本願発明」という)は,平成30年1月19日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された,上記「第2.平成30年7月17日付けの手続補正の却下の決定」の「1.補正の内容」において,補正前の請求項1として引用した,次のとおりのものである。

「事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に当該実体データを所有する事業者から登録されるメタデータを取得する取得部と,
前記取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部と,
を備えたことを特徴とするアクセス制御装置。」

第4.引用刊行物に記載の発明
上記「第2.平成30年7月17日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「イ.引用文献に記載の事項」において,引用文献1として引用した,特開2014-211803号公報(平成26年11月13日公開)には,上記「第2.平成30年7月17日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「ウ.引用文献1に記載の発明」において認定したとおりの次の引用発明が記載されている。

「一式のOLAPキューブからなり,データ提供事業者装置100から提供される全てのデータを集約してデータウェアハウス(DWH)を構築するデータ記憶部3201と,「開示店舗数マスタDB32021」,「開示業種マスタDB32022」,「開示地域マスタDB32023」,「開示可否条件マスタDB32024」,「店舗マスタDB32025」,「開示マスタDB(詳細情報)32026」,「開示マスタDB(統計情報)32027」,などを有するマスタ記憶部3202を含む記憶手段を有する記憶装置320と,開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330を有する,サービス基盤事業者装置(サーバ)300であって,
前記開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330は,開示元のデータを開示先に開示するか否かを示す開示ステータス/開示ID(0又は1)を設定する開示ID/開示ステータス設定部3301を有し,開示元(データ提供事業者装置の店舗など)のデータを開示先(データ享受事業者装置の店舗など)に対して,開示するか,開示しないかを制御し,
「開示元店舗ID」に対して,時間帯,客数,及び,売上金額についての実データが,「開示店舗数ID」に対して,店舗数という実データが,「開示業種ID」に対して,業種(全分類,大分類,中分類,小分類)という実データが,「開示地域ID」に対して,地域(全国,都道府県,市区町村,地域)という実データが,それぞれ,対応付けられ,
前記開示マスタ制御装置(開示ステータス制御手段)330は,前記「店舗マスタDB32025」から,前記「開示元店舗ID」,及び,「開示先店舗ID」を,前記「開示業種マスタDB32022」から,前記「開示業種ID」を,前記「開示地域マスタDB32023」から,前記「開示地域ID」を,それぞれ,取得し,
前記「開示元店舗ID」,前記「開示先店舗ID」,前記「開示業種ID」,前記「開示地域ID」の全ての組合せに対して,前記「開示可否条件マスタDB32024」を参照して,開示の可否を設定する,サービス基盤事業者装置(サーバ)300。」

第5.本願発明と引用発明との対比
本願発明は,本件補正発明の「実体データを所有する事業者から登録される個々の実体データを特定する情報を含むメタデータ」から,「個々の実体データを特定する情報を含む」を削除し,同じく,本件補正発明の「メタデータに対応する個々の前記実体データ」から,「個々の」を削除したものであるから,
本願発明と,引用発明との一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
事業者の各々が所有する実体データに対応したメタデータであって,当該実体データが管理されるプラットフォーム上に登録される実体データを特定する情報を含むメタデータを取得する取得部と,
取得部によって取得されたメタデータに関する情報と,当該メタデータに対する各々の事業者のアクセス権限との対応付けに基づいて当該メタデータに対応する前記実体データへのアクセス制限を管理するアクセス制御部と,
を備えるアクセス制御装置。

[相違点]
“プラットフォーム上に登録される・・・・メタデータ”に関して,
本願発明においては,「実体データを所有する事業者から登録される」,「メタデータ」であるのに対して,
引用発明においては,「ID」を,「データ提供事業者」が「登録」する点については,言及されていない点。

第6.相違点についての当審の判断
本願発明と,引用発明との[相違点]は,本件補正発明と,引用発明との[相違点1]と同じものであるから,上記「第2.平成30年7月17日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「オ.相違点についての当審の判断」において検討したとおり,
本願発明と,引用発明との[相違点]は,格別のものではなく,そして,本願発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。

第7.むすび
したがって,本願発明は,本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-04-01 
結審通知日 2019-04-02 
審決日 2019-04-17 
出願番号 特願2017-168921(P2017-168921)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 571- Z (G06F)
P 1 8・ 574- Z (G06F)
P 1 8・ 573- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 桜井 茂行  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 石井 茂和
須田 勝巳
発明の名称 アクセス制御装置、アクセス制御方法、およびアクセス制御プログラム  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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