ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する G08G 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G08G 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する G08G |
---|---|
管理番号 | 1353412 |
審判番号 | 訂正2019-390015 |
総通号数 | 237 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-09-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2019-02-01 |
確定日 | 2019-06-27 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6391894号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6391894号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項7について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6391894号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし7に係る発明についての出願は、2016年(平成28年)5月16日を国際出願日とする出願であって、平成30年8月31日に特許権の設定登録がされ、平成31年2月1日に本件訂正審判請求がされた。 その後、当審において、平成31年3月22日付けで訂正拒絶理由を通知し、同年4月24日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 審判請求書及び訂正特許請求の範囲の補正ならびにその適否 当審が平成31年3月22日付けで請求人に通知した訂正拒絶理由の要旨は、訂正事項1の訂正は特許法第126条第1項ただし書に掲げるいずれの事項を目的とするものでもない、というものである。この訂正拒絶理由に対し、請求人は、平成31年4月24日に、意見書及び審判請求書を補正(以下、「本件補正」という。)する手続補正書を提出した。 本件補正の内容は、平成31年2月1日付け審判請求書の「5.請求の趣旨」に「特許第6391894号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項6及び請求項7について訂正することを認める、との審決を求める。」を「特許第6391894号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項7について訂正することを認める、との審決を求める。」とし、また、同審判請求書の「6.請求の理由」の「(2)訂正事項」から「ア 訂正事項1」を削除し、「イ 訂正事項2」を「訂正事項」とし、「(3)訂正の理由」から「(ア)訂正事項1」を削除し、「(イ)訂正事項2」を「訂正事項」とするものである。 したがって、本件補正は、補正前の訂正事項1を削除するものであるから、審判請求書の要旨を変更するものではない。 よって、本件補正は、特許法第131条の2第1項本文の規定に適合するから、これを認める。 これにより、上記の訂正拒絶理由は解消した。 第3 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第6391894号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項7について訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである。(審決注:下線部分が訂正箇所である。) 訂正事項 特許請求の範囲の請求項7に「情報提供システム」と記載されているのを、「情報提供方法」に訂正する。 第4 当審の判断 1.訂正の目的について 本件特許の請求項7に係る発明は、同項に記載の以下の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項7】 受信部が、複数の車両のそれぞれに搭載された車載機器から要求された情報を示す要求情報および各車両の内外の状況を示す状況情報を受信するステップと、 制御部が、前記受信部によって受信された前記要求情報が示す各情報の種別と前記状況情報が示す各車両の内外の状況とに情報送信の優先度を設定し、前記優先度に基づいて各車載機器に情報を送信する送信スケジュールを決定するステップと、 送信部が、前記制御部によって決定された送信スケジュールで各車載機器に情報を送信するステップとを備え、 前記制御部が、前記優先度が高い順に情報の送信に割り当てる通信帯域を拡張することを特徴とする情報提供システム。」 ここで、設定登録時の請求項7をみると、発明特定事項として、3つのステップを備えることが記載されているところ、設定登録時の請求項1の記載をみると、発明特定事項として「受信部」、「制御部」及び「送信部」を備えた「情報提供システム」であることが記載されている。 そして、設定登録時の請求項1と請求項7の記載とを併せみると、請求項1に係る発明の発明特定事項である「受信部」、「制御部」及び「送信部」はそれぞれ請求項7に係る発明の発明特定事項である1番目の「ステップ」、2番目の「ステップ」及び3番目の「ステップ」に対応し、請求項1の「前記制御部は、前記優先度が高い順に情報の送信に割り当てる通信帯域を拡張すること」は請求項7の「前記制御部が、前記優先度が高い順に情報の送信に割り当てる通信帯域を拡張すること」に対応しているから、請求項7に係る発明が、実質的に、請求項1に係る「物の発明」に対応した「方法の発明」であることは客観的にみて明らかである。 一方、請求項7の記載の末尾は「情報提供システム」となっているが、発明特定事項として3つのステップを備えることの記載との関係で不合理を生じているために、かかる記載は不明瞭な記載となっている。 そして、訂正事項は、訂正前の請求項7の記載において、末尾の「システム」を「方法」とすることにより、「情報提供システム」の記載の、3つのステップを備えることの記載との関係で生じている不合理を解消し、請求項7の記載全体の意味を明瞭にするものである。 したがって、訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 2.新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項は、上記1.で検討したように、訂正前の請求項7の記載において、末尾の「情報提供システム」を「情報提供方法」とすることであるが、本件特許明細書の段落【0001】には、「この発明は、複数の車両のそれぞれの状況に応じて情報を提供する情報提供システム、サーバおよび情報提供方法に関する。」との記載があり、「情報提供方法」は本件特許明細書に記載した事項であって、新たな技術的事項を導入するものではないから、新規事項の追加に該当しない。 また、訂正事項は、請求項7の末尾の「情報提供システム」を「情報提供方法」とするものであるから、形式的に、「物の発明」から「方法の発明」にカテゴリーを変更するものとなっている。 しかしながら、上記1.で検討したように、設定登録時の請求項7に係る発明が実質的に「方法の発明」であったことは客観的にみて明らかであるから、訂正事項はカテゴリーを変更するものではない。 したがって、訂正事項は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の車両のそれぞれに搭載された車載機器から要求された情報を示す要求情報および各車両の内外の状況を示す状況情報を受信する受信部と、 前記受信部によって受信された前記要求情報が示す各情報の種別と前記状況情報が示す各車両の内外の状況とに情報送信の優先度を設定し、前記優先度に基づいて各車載機器に情報を送信する送信スケジュールを決定する制御部と、 前記制御部によって決定された送信スケジュールで各車載機器に情報を送信する送信部とを備え、 前記制御部は、前記優先度が高い順に情報の送信に割り当てる通信帯域を拡張することを特徴とする情報提供システム。 【請求項2】 前記要求情報は、車載機器で再生される通信コンテンツを示す情報であることを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。 【請求項3】 前記状況情報は、前記車両の現在位置、移動速度および移動方位、車載機器の通信電波状況、車両周辺の交通状況および車両周辺の視界状況を示す情報を含むことを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。 【請求項4】 前記制御部は、送信エラーの発生状況に基づいて、車載機器の通信電波状況を更新することを特徴とする請求項3記載の情報提供システム。 【請求項5】 車載機器への送信対象となる情報を取得する情報取得部を備え、 前記制御部は、車載機器から要求された情報を、前記情報取得部により取得された情報から生成することを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。 【請求項6】 車両への送信対象となる情報を取得する情報取得部と、 複数の車両のそれぞれに搭載された車載機器から要求された情報を示す要求情報および各車両の内外の状況を示す状況情報を受信する受信部と、 前記受信部によって受信された前記要求情報が示す各情報の種別と前記状況情報が示す各車両の内外の状況とに情報送信の優先度を設定し、前記優先度に基づいて各車載機器に情報を送信する送信スケジュールを決定して、前記情報取得部により取得された情報から各車載機器に送信する情報を生成する制御部と、 前記制御部によって生成された情報を、前記送信スケジュールで各車載機器に送信する送信部とを備え、 前記制御部は、前記優先度が高い順に情報の送信に割り当てる通信帯域を拡張することを特徴とする情報提供システム。 【請求項7】 受信部が、複数の車両のそれぞれに搭載された車載機器から要求された情報を示す要求情報および各車両の内外の状況を示す状況情報を受信するステップと、 制御部が、前記受信部によって受信された前記要求情報が示す各情報の種別と前記状況情報が示す各車両の内外の状況とに情報送信の優先度を設定し、前記優先度に基づいて各車載機器に情報を送信する送信スケジュールを決定するステップと、 送信部が、前記制御部によって決定された送信スケジュールで各車載機器に情報を送信するステップとを備え、 前記制御部が、前記優先度が高い順に情報の送信に割り当てる通信帯域を拡張することを特徴とする情報提供方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2019-05-31 |
結審通知日 | 2019-06-05 |
審決日 | 2019-06-19 |
出願番号 | 特願2018-517931(P2018-517931) |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Y
(G08G)
P 1 41・ 841- Y (G08G) P 1 41・ 853- Y (G08G) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 久保田 創 |
特許庁審判長 |
柿崎 拓 |
特許庁審判官 |
佐々木 芳枝 藤井 昇 |
登録日 | 2018-08-31 |
登録番号 | 特許第6391894号(P6391894) |
発明の名称 | 情報提供システム、サーバおよび情報提供方法 |
代理人 | 中島 成 |
代理人 | 中島 成 |
代理人 | 田澤 英昭 |
代理人 | 田澤 英昭 |