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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1353470
審判番号 不服2018-5460  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-20 
確定日 2019-07-11 
事件の表示 特願2015-121488号「ぱちんこ遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年1月12日出願公開、特開2017-6170号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯の概要
本願は、平成27年6月16日の出願であって、平成29年7月12日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月13日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年1月31日付け(発送日:同年2月6日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年4月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、同年12月25日付けで拒絶の理由(以下「当審による拒絶理由」という。)が通知され、平成31年2月28日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成31年2月28日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「A 遊技球が入球可能な入球口である始動口と、
B 所定の入球口に取り付けられた、開放状態及び閉鎖状態に変位可能な可変部材であって、開放状態に変位したときには閉鎖状態に変位したときと比較して所定の入球口に遊技球が入球容易又は入球可能であると共に、閉鎖状態に変位したときには開放状態に変位したときと比較して所定の入球口に遊技球が入球困難又は入球不能に構成されている可変部材と、
C 閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口と、
D 遊技球が入球し得る特定領域と、
E 識別情報を表示可能な識別情報表示部と
を備え、
F 始動口への入球に基づき、乱数を取得する乱数取得手段と、
G 乱数取得手段が取得した乱数に基づき、識別情報表示部にて識別情報を変動表示させた後で停止表示するよう制御する識別情報表示制御手段と、
H 識別情報が特定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、可変入賞口への特定個数の入球があるか又は特定期間が経過するまで可変入賞口を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を一回実行する小当り特別遊技を実行可能とし、識別情報が所定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、可変入賞口への特定個数の入球があるか又は所定期間が経過するまで可変入賞口を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を複数回実行する大当り特別遊技を実行可能な第1特別遊技制御手段と、
I 前記小当り特別遊技が実行され且つ前記特定領域への入球があった場合には、前記大当り特別遊技を実行する第2特別遊技制御手段と、
J 通常遊技状態と通常遊技状態よりも可変部材が開放状態となり易い特定遊技状態とを有し、所定条件を充足した場合には特定遊技状態となるよう制御する遊技状態制御手段と
を備え、
K 前記第2特別遊技制御手段は、前記小当り特別遊技の実行中に、前記特定領域への入球があった場合、当該停止表示された前記小当り特別遊技に係る識別情報の停止表示態様に応じた大当り特別遊技を実行可能とするよう構成され、
L 特定遊技状態において識別情報が特定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、当該停止表示された際には特定遊技状態が維持されていても、当該小当り特別遊技の実行中に前記特定領域への入球がなかった場合には、当該小当り特別遊技の実行終了後の次変動に係る識別情報の変動表示が開始されるまでには遊技状態が通常遊技状態となり得るよう構成され、
M 特定遊技状態において識別情報が所定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、大当り特別遊技の実行終了後の遊技状態が停止表示態様に応じた遊技状態となるよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機。」(記号A?Mは、分説するため当審で付した。)

3 拒絶の理由
当審による拒絶理由は、概略、次のとおりのものである。
本件出願の平成30年4月20日付け手続補正で補正された請求項1に係る発明は、その出願前日本国内において頒布された下記の引用文献1?2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


引用文献1:特開2012-55488号公報
引用文献2:特開2015-92955号公報

4 刊行物に記載された発明
(1)引用文献1について
当審による拒絶理由において引用された、本願の出願前に頒布された引用文献1である特開2012-55488号公報には、図面とともに次の事項が記載されていると認められる(下線は当審で付した。以下同じ。)。
ア 記載事項
(ア)「【0001】
ぱちんこ遊技機に関する。
・・・
発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に上記の特別図柄は、停止表示された後の遊技状態や遊技性を表すものとなる。一方この特別図柄とは別に、遊技者を楽しませるための様々な演出が設けられている。このため遊技者に演出に傾注させるべく、特別図柄は、例えば時短や確変の有無、大当りや小当りとなったか否か等、その遊技状態や遊技性が判別困難となるよう図柄の形態が複雑化されるなど様々な工夫が通常なされている。
【0008】
しかしながら、停止表示された特別図柄によって、停止表示後の遊技状態や遊技性を予測することが可能であることには変わりない。このため、仮に特別図柄を判別することによって、特別図柄が停止表示された後の遊技状態や遊技性を遊技者が予測し、それに応じて遊技を進めることにより特別図柄を判別できない人よりも有利に遊技を進めることが可能となると、遊技の公正性が減殺されることになる。また、このような状況を放置しておくと、特別図柄への関心が高まる一方、遊技者の関心を引くために設けられた様々な演出への関心が低下し、遊技の興趣が失われるおそれがある。
【0009】
さらに、上記のように大入賞口の内部に特定領域が設けられている遊技機では、特定領域に入球するまで特別遊技が実行されるか否かが分からないことにより、遊技者を高揚させている。しかしながら、特別図柄が停止表示されてから大入賞口が拡開する遊技機では、停止表示された特別図柄が特別遊技の実行終了後に時短に移行するものか否かに応じて、大入賞口が拡開された場合であってもあえてその大入賞口に入球させないよう遊技者が打ち分けることも可能となる。大入賞口が拡開された場合は遊技者はその大入賞口を狙うことを前提に出玉設計がなされることが通常であり、このような打ち分けがなされるとその出玉設計が無実化し、ホールの経営に影響を及ぼす可能性も生じる。
【0010】
本発明は、本発明者の上記課題認識に基づきなされたものであり、その目的は、遊技者が停止表示された後の遊技状態や遊技性を特別図柄から予測することを困難とすることにある。」

(イ)「【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技性を有する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技の遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その当否抽選の結果が「大当り」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出されることで遊技者は大きな利益を獲得できる。
【0030】
一方、第1の抽選または第2の抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。大入賞口へ入球した遊技球が大入賞口内の特定領域に入球すると、「小当り」から「大当り」へと昇格し、特別遊技が実行されるため、小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。第1の抽選と第2の抽選とでは、第2の抽選の方が小当りの発生確率が高確率に設定される。
【0031】
特別遊技が終了すると、所定の確率でいわゆる変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)と呼ばれる特定遊技に移行する。時短は、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くすることで一定時間あたりの図柄変動および当否抽選の回数を増加させる。また、時短中には第2始動入賞口への一定時間あたりの入球容易性が高められるため、その第2始動入賞口への入球により賞球が得られる頻繁が増し、遊技者は持ち玉の減少を抑制しながら効率よく大当りを狙うことができる。時短は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(「終期回数」ともいう)に達するまで継続する。」

(ウ)「【0035】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
【0036】
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動入賞口62と第2始動入賞口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動入賞口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動入賞口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
【0037】
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。
・・・
【0041】
一方、第2大入賞口92は、小当り遊技に対応する大入賞口として設けられ、小当りの発生により開放される。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92の羽根を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の小当り態様にて停止したときに「小当り」として開放状態となる。遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60の周囲にはセンター飾り64が設けられ、第2大入賞口92は、そのセンター飾り64の右側に取り付けられている。開放された第2大入賞口92に入球した遊技球は、センター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内側の空間へ流入する。入賞検出装置79は、その通路31に設けられている。第2大入賞口92は、小当り遊技中にこれが開放された際に発射強度をほぼ最大にするいわゆる右打ちがなされると、遊技球が極めて高い確率で入球するようになる。
【0042】
センター飾り64における第2大入賞口92の内側の空間には、特定領域(Vゾーン)が設けられており、第2大入賞口92に入球した遊技球は、その特定領域またはそれ以外の非特定領域を通過する。本実施例では、センター飾り64の内部中央の左方に特定領域が設けられ、右方に非特定領域が設けられており、第2大入賞口92が開放された状態で遊技球が入球すると、その遊技球が約1/10の確率で特定領域を通過するように構成さ
れている。本実施例では、センター飾り64の内部通路の形状により特定領域への入球確率が約1/10となるよう設定されているが、変形例においては、例えば第2大入賞口92の内部に入球した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける可動役物を設置し、その可動役物を駆動することにより遊技球を約1/10の確率にて特定領域に導くようにしてもよい。また、本実施例では約1/10の確率としたが、特定領域への入球確率をそれよりも高確率または低確率に設定してもよい。特定領域通過検出装置93は、遊技球がこの特定領域を通過したか否かを検出するセンサであり、通過時にその通過を示す特定領域通過情報を生成する。遊技球が特定領域を通過すると、大当りとなって特別遊技が開始される。大当りの際は、第1大入賞口を用いて特別遊技を消化することができる。」

(エ)「【0051】
第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192または第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動が停止される。
・・・
【0056】
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。具体的には、普通電動役物65の1回の開放時間は、通常状態においては約0.1秒と短時間であるが、後述する時短中においては普通電動役物65の1回の開放時間が約6秒と通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。なお、普通電動役物65の開放時間がこれに限られないことは勿論である。」

(オ)「【0060】
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0061】
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特図調整手段152、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
・・・
【0065】
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のための乱数の値を第1当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のための乱数の値を第2当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得された値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。なお、以下の説明において第1当否抽選値と第2当否抽選値とを区別しない場合には、単に「当否抽選値」ともいう。
・・・
【0068】
普図抽選手段136は、また、普通図柄195の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持し、遊技状態に応じて普通図柄195の変動時間を選択する。普図抽選手段136は、通常状態における普通図柄195の変動表示において200秒から400秒の間で比較的長い変動時間をランダムに選択する。一方、入球容易状態(特定遊技中)は通常時短状態においては1秒と通常状態よりも相当短い変動時間を選択する。時間決定テーブルには、このような遊技状態と普通図柄195の変動時間との対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の変動時間を時間決定テーブルを参照して決定する。
・・・
【0071】
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
・・・
【0077】
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選結果が大当りであった場合に、特別遊技作動条件が成立したとして第1大入賞口91を長期間開放させることにより通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91の開閉動作を伴う単位遊技を複数回含む。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が所定の上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が所定回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。本実施例では、特別遊技として15回の単位遊技を含む15R特別遊技が実行される。特別遊技制御手段120は、15R特別遊技として単位遊技を15回繰り返し、1回の単位遊技において第1大入賞口91を約30秒間開放させる。特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)は、長期開放遊技と短期開放遊技とを区別するために予め定めた開放基準時間(本実施例では2秒)以上となっている。
【0078】
小当り遊技制御手段121は、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となって小当り作動条件が成立したときに短期開放遊技として小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、小当り遊技として単位遊技を1回だけ実行し、例えば、その単位遊技において第2大入賞口92を0.5秒、0.5秒の2回にわたって開放する。小当り遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間:本実施例では0.5×2=1秒)は上記開放基準時間未満となる。本実施例の特別遊技制御手段120は、第2の抽選の結果として小当りが発生し、その小当り遊技において第2大入賞口92に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合にも、特別遊技作動条件が成立したとして特別遊技を実行する。
【0079】
特定遊技実行手段122は、確変状態および時短状態(入球容易状態)における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、確変状態を次の大当りが発生するまで継続する。特定遊技実行手段122は、時短状態を決定された終期回数に到達するまで継続するが、その終期回数に到達するまでに当否抽選が大当りとなれば一旦時短状態を終了する。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。また、入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、普通電動役物ソレノイド76を含む第2始動入賞口63の拡開機構(「入球変動機構」として機能する)の開放延長が実施される。なお、本実施例に係るぱちんこ遊技機10では、確変へ移行する機能が設けられていなくてもよい。時短に移行させてから第2大入賞口92を拡開させて特定領域に入球させるという遊技形態では、時短は単に入球容易性を高めるだけでなく次回の特別遊技の実行を早期に獲得させることに繋がるため、確変に移行させることなく遊技者を高揚させることが可能だからである。
【0080】
特定遊技実行手段122は、第2始動入賞口63への入球を契機として、第2始動入賞口63への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態である時短へ移行させるか否かを決定する。したがって特定遊技実行手段122は、入球容易状態決定手段として機能する。
・・・
【0087】
また本実施例のパターン記憶手段130は、図柄大当りもしくは小当り発展大当りに伴う特別遊技中に演出表示装置60に表示させるべき演出(以下、「デモ演出」とも呼ぶ。)のデータをさらに保持する。演出表示制御手段134は、演出決定手段132により選択されたデモ演出を、特別遊技の実行中、演出表示装置60に表示させる。」

(カ)「【0091】
図5は、通常状態において第1特別図柄192または第2特別図柄193の停止図柄を決定するときに参照される図柄判定テーブルを模式的に示す図である。当否抽選の結果が大当りの場合、「1」?「9」の数字で表される特別図柄のいずれかが選択されよう、図柄判定テーブルには、これらの特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。各特別図柄には、確変を伴うか否か、時短を伴うか否かが定められている。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、図柄抽選値がいずれの範囲に含まれるかに応じて特別図柄「1」?「9」のうちいずれかを選択する。特別図柄「1」?「3」が選択された場合には確変を伴なう大当りとなる。一方、特別図柄「4」?「9」が選択された場合には確変を伴わない大当りとなる。図柄抽選値の範囲は各特別図柄にほぼ均等に割り当てられる結果、大当りのうち約33%の確率で確変を伴う当りとなる。
・・・
【0093】
当否抽選の結果が小当りの場合、「a」?「f」の小文字のアルファベットで表される特別図柄のいずれかが選択されるよう、図柄判定テーブルにはこれらの特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。図5に示すように、特別図柄「a」、「b」、「c」のいずれかが選択された場合には、特別遊技終了後に時短が伴う小当り発展大当りの契機となる。なお、特別図柄「a」、「b」、「c」のいずれかが選択された場合においても、特定領域に入球しなければ結果的に時短とはならないが、以下、特別図柄「a」、「b」、「c」の各々を便宜上「時短を伴う小当り」また、「時短付き小当り」を示す図柄として説明する。時短を伴う小当りの場合においても、時短を伴う大当りと同様に、50回の終期回数が設定される。一方、特別図柄「d」、「e」、「f」のいずれかが選択され、特定領域に入球した場合には通常状態となる。通常状態において小当りとなったときの時短への移行確率は、通常状態において大当りとなったときの時短への移行確率と同様に約44%と比較的低い設定とされている。なお、当否抽選の結果が外れの場合は、必ず「-」の記号で表される特別図柄が選択されるよう、すべての図柄抽選値が「-」の特別図柄に対応付けられている。このように、「1」?「9」、「a」?「f」、「-」の特別図柄は、いずれも当否抽選の結果が大当り、小当り、外れのいずれであるか、および図柄抽選が時短へ移行させるものか否かを示す結果表示態様として利用される。なお、例えば小当り時に選択可能な特別図柄が「a」?「f」に限られないことは勿論であり、これよりも多数種類の特別図柄が選択可能であってもよい。小当り時に選択可能な特別図柄を多数設けることにより、小当り時の特別図柄を遊技者に把握させにくくすることができる。
・・・
【0095】
図6に示すように、時短中に大当りとなった場合、特別図柄「1」?「5」が選択された場合には時短が伴い、特別図柄「6」?「9」が選択された場合には通常状態となる。この場合も、時短を伴う大当りの場合、特別図柄「1」?「5」のどの特別図柄が選択された場合においても50回の単一種類の終期回数が設定される。本実施例では、時短中に大当りとなったときの時短への移行確率は約66%とされており、通常状態において大当りとなった場合に比べ高い確率に設定されている。また、時短中に小当りとなったときの時短への移行確率は、時短中に大当りとなったときの時短への移行確率と同様に約66%とされており、通常状態において小当りとなった場合に比べ高い確率に設定されている。
・・・
【0097】
なお、本実施例においては、大当りが全て単位遊技(ラウンド)を15回含む15R大当りとなるよう設定されているが、例えば単位遊技を2回含む2R大当りや、5R、10Rを含めるなど、ラウンド数の異なる複数種の大当りを設け、各大当りを異なる特別図柄に対応づけてもよい。そして、決定された特別図柄に応じていずれかの大当りを設定するようにしてもよい。例えば、確変を伴う大当りのうち、いずれかの特別図柄に対して2R大当りを設定するようにしてもよい。」

イ 認定事項
(キ)引用文献1の【0078】には、「特別遊技制御手段120は、・・・小当り遊技において第2大入賞口92に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合にも、特別遊技作動条件が成立したとして特別遊技を実行する。」と記載され、また、同【0087】には、「・・・小当り発展大当りに伴う特別遊技・・・」と記載されていることから、引用文献1には、【0078】に記載された「小当り遊技」に基づいて実行される「特別遊技」のことを、【0087】に記載された「小当り発展大当りに伴う特別遊」と称しているものといえる。
したがって、引用文献1には、小当り遊技において第2大入賞口92に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合には、特別遊技作動条件が成立したとして小当り発展大当りに伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段120について記載されているものと認められる。

(ク)引用文献1の【0093】には、「なお、特別図柄「a」、「b」、「c」のいずれかが選択された場合においても、特定領域に入球しなければ結果的に時短とはならない」と記載されている。
そして、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄を決定するときに参照される図柄判定テーブルを模式的に示す図である【図5】、及び、時短中に第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄を決定するときに参照される図柄判定テーブルを模式的に示す図である【図6】のいずれの「図柄判定テーブル」も、「当否抽選の結果が小当りの場合、「a」?「f」の小文字のアルファベットで表される特別図柄のいずれかが選択されるよう」「特別図柄と図柄抽選値との対応関係」を定めるものである(【0093】)。
【図5】

【図6】

そうすると、上記【0093】における「特別図柄「a」、「b」、「c」のいずれかが選択された場合」には、時短中において選択される場合と、通常状態において選択される場合があることになる。
したがって、引用文献1には、「時短中に「a」?「c」のいずれの特別図柄が選択された場合においても、特定領域に入球しなければ結果的に時短とはならない」ことが記載されていると認められる。

ウ 引用発明
上記アの記載事項、及び、上記イの認定事項、及び、図面の図示内容を総合勘案すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(a?mは、本願発明のA?Mに対応させて付与した。)。

「a 遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに遊技球が入球しやすくなるような位置に設けられる第1始動口62、遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに遊技球が入球しやすくなるような位置に設けられる第2始動口63(【0035】?【0036】)と、
b 第2始動口63に具備され、普通電動役物ソレノイド76により開閉され、拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる普通電動役物65(【0037】)と、
c 開閉する羽根を具備する第2大入賞口92(【0041】)と、
d 第2大入賞口92の内側の空間に設けられている特定領域(Vゾーン)(【0042】)と、
e 第1特別図柄192の変動を表示させる第1特別図柄表示装置70と第2特別図柄193の変動を表示させる第2特別図柄表示装置71と(【0071】)
を備え、
f 第1始動口62への入球を契機に第1の抽選のための乱数の値を第1当否抽選値として取得する第1抽選値取得手段112と、第2始動口63への入球を契機に第2の抽選のための乱数の値を第2当否抽選値として取得する第2抽選値取得手段115と(【0065】)、
g 第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがって第1特別図柄192を第1特別図柄表示装置70に変動表示させる第1特図制御手段148と、第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがって第2特別図柄193を第2特別図柄表示装置71に変動表示させる第2特図制御手段150と(【0051】、【0071】)、
h 当否抽選の結果、小文字のアルファベットで表される特別図柄である「a」?「f」のいずれかの特別図柄が選択される小当りの場合、大入賞口の短時間開放を伴う単位遊技を1回行う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段121(【0093】、【0030】、【0078】)、
当否抽選の結果、「1」?「9」のいずれかの特別図柄が選択される大当りの場合、第1大入賞口91の開閉動作を伴う単位遊技を複数回行う特別遊技を実行する特別遊技制御手段120(【0091】、【0077】)と、
i 小当り遊技において第2大入賞口92に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合には、特別遊技作動条件が成立したとして小当り発展大当りに伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段120(認定事項(キ))と、
j 第2始動入賞口63への入球を契機として、普通電動役物65の開放延長を実施することによって、第2始動入賞口63への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高めた入球容易状態である、時短状態へ移行させるか否かを決定し、時短状態における通常遊技を制御する特定遊技実行手段122(【0079】?【0080】、【0056】)と、
k 決定された特別図柄に応じて、15R、10R、5R、2R大当りのうちのいずれかの大当りが設定され(【0097】)、
l 時短中に「a」?「c」のいずれかの特別図柄が選択された場合においても、特定領域に入球しなければ結果的に時短とはならず(認定事項(ク))、
m 時短中に大当りとなった場合、特別図柄「1」?「5」が選択されていた場合には時短が伴い、特別図柄「6」?「9」が選択されていた場合には通常状態となる(【0095】)
ぱちんこ遊技機。」

(2)引用文献2について
当審による拒絶理由において引用された、本願の出願前に頒布された引用文献2である特開2015-92955号公報には、図面とともに次の事項が記載されていると認められる(下線は当審で付した。以下同じ。)。
ア 記載事項
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞装置内に設けられた特定領域を遊技球が通過すると特別遊技が実行される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、始動口への入賞により当否判定を行って図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過すると図柄を停止表示し、小当り図柄で停止表示されると、特定入球口を開口して小当り遊技を開始するタイプの遊技機がある(例えば、特許文献1参照。)。このタイプの遊技機では、役物装置の内部に特定領域が設けられており、開放中の特定入球口に遊技球が入賞して役物装置内で特定領域を通過すれば、特典として大当り遊技が開始されるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-35833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の先行技術(特許文献1)による遊技の手法は、先ず、始動口への入賞により小当り図柄が停止すると、盤面中央の役物装置内で遊技球が特定領域を通過するか否かの小当り遊技を行い、大当りとなった場合は盤面下部の大入賞口で大当たり遊技を行うというものである。
【0005】
しかし、先行技術の手法では、大当たり遊技が終了すると、また始動口への入賞により小当り図柄を停止させ、盤面中央の役物装置内で遊技球が特定領域を通過するか否かの小当り遊技から再開するだけであり、遊技が単調になりやすいという問題がある。
【0006】
また、遊技球が特定領域を通過する際の確率(通過率)は、役物装置内の構造(3穴クルーン等)に依存して常に一定である。この場合、例えば最初の大当たり遊技の終了後に小当り遊技に進みやすくなる有利な状態に移行させたとしても、特定領域の通過率は最初と同じであるため、次回の大当たり遊技が開始されるまでの時間を短縮することはできず、有利な状態での遊技が間延びしてしまうという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、遊技の単調化を防止することができる技術を提供するものである。」

(イ)「【0326】
〔第1特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図22は、第1特別図柄停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の抽選結果が第1特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
【0327】
第1特別図柄停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄1」、「小当り図柄2」、「小当り図柄3」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する当り時には、「小当り図柄1」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄2」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄3」が選択される割合は100分の34(=34%)である。したがって、第1特別図柄での当選時には33%の割合で「小当り図柄1」が選択され、残りの33%の割合で「小当り図柄2」が選択され、残りの34%の割合で「小当り図柄3」が選択されることになる。
【0328】
なお、小当り中に可動役物装置28内の特定領域を遊技球が通過した場合、この当選図柄の種類に応じて大当り種別ステータスや大当り時の実行ラウンド数が設定されることとなる。具体的には、「小当り図柄1」に対応して大当り種別ステータスが「01H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「3ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。同様に、「小当り図柄2」に対応して大当り種別ステータスが「02H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「7ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定され、「小当り図柄3」に対応して大当り種別ステータスが「03H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「16ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。」

イ 引用文献2に記載された技術事項
上記アの(ア)?(イ)の記載事項、及び、図面の図示内容を総合勘案すると、引用文献2には、次の技術事項(以下「引用文献2に記載された技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「小当り中に可動役物装置28内の特定領域を遊技球が通過した場合、当選図柄の種類(「小当り図柄1」?「小当り図柄3」)を決定し、決定した当選図柄の種類に応じて大当り種別ステータスや大当り時の実行ラウンド数を設定する主制御CPU72を備え、
入賞装置内に設けられた特定領域を遊技球が通過すると特別遊技が実行される遊技機。」

5 対比
本願発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a)
引用発明における「遊技球が入球」することは、本願発明における「遊技球が入球可能な」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成aの「第1始動口62」と「第2始動口63」は、本願発明における構成Aの「始動口」に相当する。

(b)
引用発明における「第2始動口63に具備され」ることは、本願発明における「所定の入球口に取り付けられ」ることに相当する。
そして、引用発明における「普通電動役物ソレノイド76により開閉され」ることは、本願発明における「開放状態及び閉鎖状態に変位可能な可変部材であ」ることに相当する。
また、引用発明における「拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる」ことは、裏を返すと、閉じた場合、第2始動口63への入球が出来なくなることであるから、本願発明における「開放状態に変位したときには閉鎖状態に変位したときと比較して所定の入球口に遊技球が入球容易又は入球可能であると共に、閉鎖状態に変位したときには開放状態に変位したときと比較して所定の入球口に遊技球が入球困難又は入球不能に構成されている」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成bの「普通電動役物65」は、本願発明における構成Bの「可変部材」に相当する。

(c)
引用発明における構成cの「開閉する羽根を具備する第2大入賞口92」は、本願発明における構成Cの「閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口」に相当する。

(d)
引用発明における構成dの「第2大入賞口92の内側の空間に設けられている特定領域(Vゾーン)」は、本願発明における構成Dの「遊技球が入球し得る特定領域」に相当する。

(e)
引用発明における「第1特別図柄192の変動を表示させる」ことと「第2特別図柄193の変動を表示させる」ことは、本願発明における「識別情報を表示可能な」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成eの「第1特別図柄表示装置70」と「第2特別図柄表示装置71」は、本願発明における構成Eの「識別情報表示部」に相当する。

(f)
引用発明における「第1始動口62への入球を契機に」すること、及び、「第2始動口63への入球を契機に」することは、本願発明における「始動口への入球に基づ」くことに相当する。
そして、引用発明における「第1の抽選のための乱数の値を第1当否抽選値として取得する」ことと「第2の抽選のための乱数の値を第2当否抽選値として取得する」ことは、本願発明における「乱数を取得する」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成fの「第1抽選値取得手段112」と「第2抽選値取得手段115」は、本願発明における構成Fの「乱数取得手段」に相当する。

(g)
引用発明における「第1の抽選の結果として決定され」ることと「第2の抽選の結果として決定され」ることは、構成fより、「第1の抽選のための乱数の値」及び「第2の抽選のための乱数の値」に基いて決定されるものであるから、本願発明における「乱数取得手段が取得した乱数に基づ」くことに相当する。
そして、引用発明における「第1特別図柄表示装置70」と「第2特別図柄表示装置71」は、本願発明における「識別情報表示部」に相当する。
また、引用発明における「変動パターンにしたがって第1特別図柄192を」「変動表示させる」ことと「変動パターンにしたがって第2特別図柄193を」「変動表示させる」ことは、本願発明における「識別情報を変動表示させた後で停止表示するよう制御する」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成gの「第1特図制御手段148」と「第2特図制御手段150」は、本願発明における構成Gの「識別情報表示制御手段」に相当する。

(h)
引用発明における「当否抽選の結果、小文字のアルファベットで表される特別図柄である「a」?「f」のいずれかの特別図柄が選択され」「小当り遊技」が実行される「小当りの場合」は、「a」?「f」のいずれかの特別図柄が停止表示されることから、本願発明における「識別情報が特定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合」に相当する。
そして、引用発明における「大入賞口の短時間開放を伴う単位遊技を1回行う小当り遊技が実行され」ることは、本願発明における「可変入賞口への特定個数の入球があるか又は特定期間が経過するまで可変入賞口を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を一回実行する小当り特別遊技を実行可能」なことに相当する。
また、引用発明における「当否抽選の結果、「1」?「9」のいずれかの特別図柄が選択され」「特別遊技」実行される「大当りの場合」は、「1」?「9」のいずれかの特別図柄が停止表示されることから、本願発明における「識別情報が所定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合」に相当する。
さらに、引用発明における「第1大入賞口91の開閉動作を伴う単位遊技を複数回行う特別遊技が実行され」ることは、本願発明における「可変入賞口への特定個数の入球があるか又は所定期間が経過するまで可変入賞口を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を複数回実行する大当り特別遊技を実行可能」なことに相当する。
したがって、引用発明における構成hの「小当り遊技制御手段121」と「特別遊技制御手段120」は、本願発明における構成Hの「第1特別遊技制御手段」に相当する。

(i)
引用発明における「小当り遊技」は、上記(h)より、本願発明における「小当り特別遊技」に相当する。
そして、引用発明における「第2大入賞口92に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合」は、本願発明における「特定領域への入球があった場合」に相当する。
また、引用発明における「特別遊技作動条件が成立したとして小当り発展大当りに伴う特別遊技を実行」することは、上記(h)より、本願発明における「大当り特別遊技を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成iの「特別遊技制御手段120」は、本願発明における「第2特別遊技制御手段」に相当する。

(j)
引用発明における「通常状態」は、本願発明における「通常遊技状態」に相当する。
そして、引用発明における「第2始動入賞口63への入球を契機と」することは、本願発明における「所定条件を充足した場合」ことに相当する。
また、引用発明における「普通電動役物65の開放延長を実施することによって、第2始動入賞口63への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高めた入球容易状態である、時短状態」は、本願発明における「通常遊技状態よりも可変部材が開放状態となり易い特定遊技状態」に相当する。
さらに、引用発明における「時短状態における通常遊技を制御する」ことは、本願発明における「特定遊技状態となるよう制御する」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成jの「特定遊技実行手段122」は、本願発明における「遊技状態制御手段」に相当する。

(l)
引用発明における「時短中」は、上記(j)より、本願発明における「特定遊技状態」に相当する。
そして、引用発明における「「a」?「c」のいずれかの特別図柄が選択された場合」は、上記(h)より「a」?「c」のいずれかの特別図柄が停止表示されることになるから、本願発明における「識別情報が特定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合」に相当する。
また、引用発明における「特定領域に入球しなければ結果的に時短とはなら」ないことは、「小当り遊技において」「特定領域に入球しなければ」、「時短」が終了し、「時短」を伴わない通常状態の遊技が始まることとなる。
したがって、引用発明における「特定領域に入球しなければ結果的に時短とはなら」ないことと、本願発明における「当該停止表示された際には特定遊技状態が維持されていても、当該小当り特別遊技の実行中に特定領域への入球がなかった場合には、当該小当り特別遊技の実行終了後の次変動に係る識別情報の変動表示が開始されるまでには遊技状態が通常遊技状態となり得る」こととは、「当該停止表示された際には特定遊技状態が維持されていても、当該小当り特別遊技の実行中に特定領域への入球がなかった場合には、遊技状態が通常遊技状態となり得る」ことで共通する。

(m)
引用発明における「時短中」は、上記(j)より、本願発明における「特定遊技状態」に相当する。
そして、引用発明における「特別図柄「1」?「5」が選択されて」「大当りとなった場合」「には時短が伴」うことと「特別図柄「6」?「9」が選択されて」「大当りとなった場合」「には通常状態となる」ことは、本願発明における「識別情報が所定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、大当り特別遊技の実行終了後の遊技状態が停止表示態様に応じた遊技状態となる」に相当する。
したがって、引用発明における構成mは、本願発明における構成Mに相当する。

上記(a)?(m)における本願発明と引用発明との対比から、本願発明と引用発明とは、
「A 遊技球が入球可能な入球口である始動口と、
B 所定の入球口に取り付けられた、開放状態及び閉鎖状態に変位可能な可変部材であって、開放状態に変位したときには閉鎖状態に変位したときと比較して所定の入球口に遊技球が入球容易又は入球可能であると共に、閉鎖状態に変位したときには開放状態に変位したときと比較して所定の入球口に遊技球が入球困難又は入球不能に構成されている可変部材と、
C 閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口と、
D 遊技球が入球し得る特定領域と、
E 識別情報を表示可能な識別情報表示部と
を備え、
F 始動口への入球に基づき、乱数を取得する乱数取得手段と、
G 乱数取得手段が取得した乱数に基づき、識別情報表示部にて識別情報を変動表示させた後で停止表示するよう制御する識別情報表示制御手段と、
H 識別情報が特定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、可変入賞口への特定個数の入球があるか又は特定期間が経過するまで可変入賞口を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を一回実行する小当り特別遊技を実行可能とし、識別情報が所定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、可変入賞口への特定個数の入球があるか又は所定期間が経過するまで可変入賞口を遊技者にとって有利な状態とし得る単位遊技を複数回実行する大当り特別遊技を実行可能な第1特別遊技制御手段と、
I 前記小当り特別遊技が実行され且つ前記特定領域への入球があった場合には、前記大当り特別遊技を実行する第2特別遊技制御手段と、
J 通常遊技状態と通常遊技状態よりも可変部材が開放状態となり易い特定遊技状態とを有し、所定条件を充足した場合には特定遊技状態となるよう制御する遊技状態制御手段と
を備え、
L’特定遊技状態において識別情報が特定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、当該停止表示された際には特定遊技状態が維持されていても、当該小当り特別遊技の実行中に前記特定領域への入球がなかった場合には、(当該小当り特別遊技の実行終了後の次変動に係る識別情報の変動表示が開始されるまでには)遊技状態が通常遊技状態となり得るよう構成され、
M 特定遊技状態において識別情報が所定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、大当り特別遊技の実行終了後の遊技状態が停止表示態様に応じた遊技状態となるよう構成されている
ぱちんこ遊技機。」の点で一致し、構成K及びLに関し、次の点で相違する。

[相違点1](構成K)
本願発明は、第2特別遊技制御手段は、小当り特別遊技の実行中に、特定領域への入球があった場合、当該停止表示された小当り特別遊技に係る識別情報の停止表示態様に応じた大当り特別遊技を実行可能とするよう構成されているのに対して、引用発明は、決定された特別図柄に応じて、15R、10R、5R、2R大当りのうちのいずれかの大当りが設定されるが、本願発明の構成Kを備えるか否か不明である点。

[相違点2](構成L)
特定遊技状態において識別情報が特定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、当該停止表示された際には特定遊技状態が維持されていても、当該小当り特別遊技の実行中に前記特定領域への入球がなかった場合に、遊技状態が通常遊技状態となるタイミングに関して、本願発明は、当該小当り特別遊技の実行終了後の次変動に係る識別情報の変動表示が開始されるまでであるのに対して、引用発明は、そのような構成を備えるか否か明らかでない点で一応相違する。

6 当審の判断
上記相違点について検討する。
(1)相違点1(構成K)について
ア 引用発明の構成に基づく判断について
引用発明において、構成hにおける「「1」?「9」のいずれかの特別図柄が選択される大当り」も、構成iにおける「小当り発展大当り」も、構成kにおける「大当り」も、同じ大当りであって、上記「5(h)?(i)、(k)」において対比したように、本件補正発明における構成H?I、Kにおける「大当り特別遊技」に相当する。
そして、引用発明は、大当りとして、15R、10R、5R、2Rというラウンド数の異なる複数種類の大当り(構成k)を有するものである。
そうすると、引用発明における構成iの「小当り発展大当り」にも、ラウンド数の異なる複数種類の大当りが存在するものといえる。
一方、引用発明は、構成hより、「a」?「f」の特別図柄を有する複数種類の「小当り遊技」が存在するものである。
ここで、「小当り遊技」の実行中に遊技球が特定領域を通過した場合に、複数種類の「小当り発展大当り」のうち、いずれを対応させるのかについて検討する。
両者の対応関係を決定する方法として、抽選による方法や、実行されている「小当り遊技」の特別図柄に対応させて「小当り発展大当り」の種類を決定する方法等が考えられることは、技術常識であり、そのうち、どの方法を選択するのかは、当業者が必要に応じて決定し得たことである。
したがって、引用発明において、上記相違点1に係る本願発明の構成を採用することは当業者が容易になし得たものである。

イ 引用文献2の記載事項に基づく判断について
引用文献2に記載された技術事項の「小当り中」、「可動役物装置28内の特定領域を遊技球が通過した場合」は、それぞれ、本願発明における「小当り特別遊技の実行中」、「特定領域への入球があった場合」に相当する。
そして、引用文献2に記載された技術事項の「当選図柄の種類」(「小当り図柄1」?「小当り図柄3」)は、本願発明における「停止表示された前記小当り特別遊技に係る識別情報の停止表示態様」に相当することから、引用文献2に記載された技術事項の「当選図柄の種類に応じて大当り種別ステータスや大当り時の実行ラウンド数が設定される」ことは、本願発明における「停止表示された前記小当り特別遊技に係る識別情報の停止表示態様に応じた大当り特別遊技を実行可能とする」ことに相当する。
そして、引用発明と引用文献2の記載事項とは、小当り遊技において、遊技球が特定領域を通過した場合に大当り遊技を実行する遊技機である点で共通する。
また、引用発明と引用文献2の記載事項とは、遊技の興趣を向上させるという共通の課題を解決するものである(引用文献1の【0009】、引用文献2の【0007】を参照。)。
したがって、引用発明における小当り遊技に、引用文献2の記載事項を適用して、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

(2)相違点2(構成L)について
まず、上記相違点2に係る本願発明の構成について検討する。
本願発明における構成Lの「当該小当り特別遊技の実行終了後の次変動に係る識別情報の変動表示が開始されるまで」とは、小当り特別遊技終了に伴い行われる次の変動表示が開始されるまでを意味するものと解せられる。
一方、引用発明において、「「a」?「c」のいずれかの特別図柄が選択された場合」は、「a」?「c」のいずれかの特別図柄が停止表示されることになり、「結果的に時短とはなら」ないことから、時短は当該変動にて終了し、次変動の遊技が開始されるまでに、遊技状態が時短から通常遊技状態に移行されることは明らかである。
したがって、相違点2は、実質的な相違点ではない。
仮に、そうでないとしても、引用発明において、構成lの「結果的に時短」としないために、時短を当該変動にて終了させ、次変動から通常遊技状態とすることは、当業者における技術常識に過ぎず、当業者が適宜なし得たことである。

(3)請求人の主張について
平成31年2月28日付け意見書において、請求人は、「(3)拒絶理由について
(3-1)引用文献の内容
引用文献1乃至2には、審判官殿のご認定どおりの技術事項について開示されているものといえる。
(3-2)本願発明と引用文献発明との対比
補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、審査基準にいう主引用発明(引用文献1発明)と比較し、
<相違点>「特定遊技状態において識別情報が特定グループに属する停止表示態様にて停止表示された場合、当該停止表示された際には特定遊技状態が維持されていても、当該小当り特別遊技の実行中に前記特定領域への入球がなかった場合には、当該小当り特別遊技の実行終了後の次変動に係る識別情報の変動表示が開始されるまでには遊技状態が通常遊技状態となり得るよう構成され、」との点、
で少なくとも相違する。
(3-2-1)本願発明の特徴
本願発明では、<相違点>となる構成を採用することで、本願当初明細書等における段落0406にも記載されているように、攻略打法により設計値を超えた遊技球を獲得されてしまうという事態を防ぐことができる。
(3-2-2)引用文献に基づく想到困難性
他方、引用文献1においては、<相違点>となる構成に関して何ら開示も示唆もされていない。
より具体的には、引用文献1には、小当り発生時において時短遊技を終了させる制御処理が小当り図柄の停止表示の際に実行される点のみが記載されており(例えば、引用文献1の図10参照)、小当り遊技の実行中や終了時には時短遊技を終了させる制御処理が存在しない(例えば、引用文献1の図18乃至21参照。特に、図21のS177でNoとなった場合に、本願の図91のステップ3810、3812、3806、3808に相当する処理が存在しない)。
そのため、引用文献1に記載されたような構成下では、小当り図柄の停止表示の際に時短遊技が維持されていると、その後の小当り遊技において特定領域に入球しないまま当該小当り遊技が終了し図柄変動遊技に復帰したときに依然として時短遊技が維持されているものとしかなり得ず、即ち、<相違点>にて特定されているようなものとなり得ない。
そして、引用文献1の課題としているところは、本願発明と同様(本願当初明細書等における段落0406にも記載されている事項と同様)でありながら(例えば、引用文献1の段落0100乃至0104参照)、その課題の解決手段としては、<相違点>とは異なるものを採用しているため(例えば、引用文献1の段落0105乃至0110参照)、引用文献1に記載されている事項を当業者が理解したとしても、<相違点>となる構成を採用しようとする発想に到らないといえる。」と主張する。

そこで、請求人の上記主張について検討する。
請求人が主張する、本願発明と引用発明との相違点は、上記「5 対比」における相違点2(構成L)に対応するものである。
そして、相違点2については、前記「5 対比(l)」、及び、上記「(2)相違点2(構成L)について」において検討したように、本願発明における構成Lの「当該小当り特別遊技の実行終了後の次変動に係る識別情報の変動表示が開始されるまで」とは、小当り特別遊技終了に伴い行われる次の変動表示が開始されるまでを意味するものと解されることから、引用発明の構成lは、本願発明の構成Lに実質的に相当するものである。
また、請求人は、上記主張において、「引用文献1には、小当り発生時において時短遊技を終了させる制御処理が小当り図柄の停止表示の際に実行される点のみが記載されており(例えば、引用文献1の図10参照)」と主張するが、引用発明における構成lは、引用文献1の図10に示されている構成に基づくものではないことから、請求人の主張を採用することはできない。
したがって、相違点2は実質的な相違点ではない。
また、相違点2が実質的な相違点であるとしても、引用発明の構成l、及び、技術常識に基づいて当業者が適宜なし得たものである。

(4)小括
本願発明により奏される効果は、引用発明、及び、引用文献2に記載された技術事項から当業者が予測し得る効果の範囲内のものであって、格別なものではない。
よって、本願発明は、引用発明、及び、引用文献2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-04-26 
結審通知日 2019-05-07 
審決日 2019-05-27 
出願番号 特願2015-121488(P2015-121488)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 篠崎 正  
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 長崎 洋一
松川 直樹
発明の名称 ぱちんこ遊技機  
代理人 伊藤 温  

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