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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録(定型) A63F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録(定型) A63F
管理番号 1357357
審判番号 不服2018-13194  
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-10-03 
確定日 2019-12-23 
事件の表示 特願2014-215890「情報処理システム,情報処理装置,情報処理プログラム,情報処理方法,および,記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月14日出願公開,特開2015-223501,請求項の数(17)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成26年5月29日(以下,「原出願日」という。)に出願された特願2014-110879号の一部を新たな特許出願として平成26年10月23日に出願された特許出願であって,平成30年4月25日付けで拒絶理由が通知され,同年6月21日に意見書及び手続補正書が提出され,同年7月5日付けで拒絶査定(以下,「原査定」という。)がされ,これに対して,同年10月3日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され,その後,当審において,令和1年7月23日付けで拒絶理由が通知され,同年9月17日に意見書及び手続補正書(以下,当該手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。

第2 本願発明
本願請求項1ないし17に係る発明(以下,それぞれを「本願発明1」ないし「本願発明17」という。)は,本件補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載された事項により特定される,以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
記憶媒体と,当該記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置とを含む情報処理システムであって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶し,
前記情報処理装置は,
前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報を前記記憶媒体に書き込むキャラクタ書込手段と,
前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて所定の処理を実行する第1処理実行手段とを備え,
前記第1処理実行手段は,前記所定の処理として,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する,情報処理システム。
【請求項2】
前記オブジェクト情報は,前記記憶媒体の製造時に予め記憶手段に記憶される,請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記キャラクタ書込手段は,前記キャラクタ画像情報として,前記ユーザのアバターの画像を特定する情報を前記記憶媒体に書き込む,請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記アバターの画像を特定する情報は,当該アバターを構成する各部位の画像を特定する情報である,請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記記憶媒体は,前記オブジェクト情報として,前記オブジェクトの識別情報を記憶する,請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1処理実行手段は,前記所定のアプリケーションプログラムを実行することによって,前記所定の処理に加えて,前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報を用いて前記仮想空間に前記オブジェクトを登場させる登場処理を実行する,請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は,前記所定のアプリケーションプログラムとは異なる他のアプリケーションプログラムを実行することによって,前記記憶媒体から読み出した前記キャラクタ画像情報を用いて仮想空間に前記キャラクタを登場させる第2処理実行手段をさらに備える,請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
記憶媒体と,当該記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置とを含む情報処理システムであって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報と,ユーザに関するユーザ情報であって,前記オブジェクトを操作するユーザに対応するキャラクタを示すユーザ情報とを記憶し,
前記情報処理装置は,前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記ユーザ情報とを用いて,前記オブジェクトとそれに対応する前記キャラクタとを関連付けて表示装置に表示させる表示制御手段を備える,情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理装置は,前記所定のアプリケーションプログラムとは異なる他のアプリケーションプログラムを実行することによって,前記記憶媒体から読み出した前記ユーザ情報によって特定されるキャラクタを仮想空間に登場させる処理実行手段をさらに備える,請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
記憶媒体と,当該記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置とを含む情報処理システムであって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタである第1キャラクタの概観を立体的または平面的に表す外観を有し,
前記第1キャラクタに関するキャラクタ情報を記憶し,
前記情報処理装置は,
前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成された第2キャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報を前記記憶媒体に書き込むキャラクタ書込手段と,
前記記憶媒体から読み出した前記キャラクタ情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて所定の処理を実行する第1処理実行手段とを備え,
前記第1処理実行手段は,前記所定の処理として,前記第1キャラクタの少なくとも一部と前記第2キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する,情報処理システム。
【請求項11】
記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置であって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶しており,
前記情報処理装置は,
前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報であって,前記情報処理装置において実行可能なアプリケーションプログラムにおける所定の処理において用いられるキャラクタ画像情報を取得する取得手段と,
取得された前記キャラクタ画像情報を前記記憶媒体に書き込むキャラクタ書込手段とを備え,
前記所定の処理は,前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理である,情報処理装置。
【請求項12】
記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置であって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報と,ユーザに関するユーザ情報であって,前記オブジェクトを操作するユーザに対応するキャラクタを示すユーザ情報とを記憶しており,
前記情報処理装置は,
前記記憶媒体から前記オブジェクト情報と前記ユーザ情報とを読み出す読出手段と,
前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記ユーザ情報とを用いて,前記オブジェクトとそれに対応する前記キャラクタとを関連付けて表示装置に表示させる表示制御手段とを備える,情報処理装置。
【請求項13】
記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置のコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶しており,
前記情報処理プログラムは,
前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報であって,前記情報処理装置において実行可能なアプリケーションプログラムにおける所定の処理において用いられるキャラクタ画像情報を取得する取得手段と,
取得された前記キャラクタ画像情報を前記記憶媒体に書き込むキャラクタ書込手段として前記コンピュータを機能させ,
前記所定の処理は,前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理である,情報処理プログラム。
【請求項14】
記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置のコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報と,ユーザに関するユーザ情報であって,前記オブジェクトを操作するユーザに対応するキャラクタを示すユーザ情報とを記憶しており,
前記情報処理プログラムは,
前記記憶媒体から前記オブジェクト情報と前記ユーザ情報とを読み出す読出手段と,
前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記ユーザ情報とを用いて,前記オブジェクトとそれに対応する前記キャラクタとを関連付けて表示装置に表示させる表示制御手段として前記コンピュータを機能させる,情報処理プログラム。
【請求項15】
記憶媒体と,当該記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置とを含む情報処理システムにおいて実行される情報処理方法であって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶し,
前記情報処理装置は,
前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報を前記記憶媒体に書き込み,
前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて所定の処理を実行し,
前記所定の処理は,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理である,情報処理方法。
【請求項16】
記憶媒体と,当該記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置とを含む情報処理システムにおいて実行される情報処理方法であって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報と,ユーザに関するユーザ情報であって,前記オブジェクトを操作するユーザに対応するキャラクタを示すユーザ情報とを記憶し,
前記情報処理装置は,前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記ユーザ情報とを用いて,前記オブジェクトとそれに対応する前記キャラクタとを関連付けて表示装置に表示させる,情報処理方法。
【請求項17】
情報処理装置と近距離無線通信を行う記憶媒体であって,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶するオブジェクト情報記憶手段と,
前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報を記憶するためのキャラクタ画像情報記憶手段とを備え,
前記オブジェクト情報および前記キャラクタ画像情報は,前記情報処理装置において,
前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理に用いられる,記憶媒体。」

第3 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
(1) 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2014-57776号公報)には,図面とともに以下の事項が記載されている。なお,下線は,認定に用いた記載箇所を強調するために付加した(以下,第3において同様。)

ア 「【0034】
そして,本実施形態では,ゲームをプレイするために,RFタグ5を内蔵したフィギア2を使用する。フィギア2は,実在/架空を問わず,人,ロボット,動物,植物,道具,乗り物,移動体などを立体的に造形した造形物である。サイズは,等身大からミニチュアまでを適宜選択可能であるが,本実施形態ではゲーム装置1500に載せられる程度の持ち運びが容易なミニチュアサイズとする。また,造形の範囲は全身・全体に限らない。また,特徴的な部位が立体化されたカード状やメダル状のレリーフであっても良い。
【0035】
本実施形態のフィギア2は,ゲームに登場するキャラクタの意匠を模して立体造形されたキャラクタフィギア3(3a,3b,…)と,カプセルやケース,箱などをモチーフとして立体造形された収容器フィギア4(4a,4b,…)とがある。収容器フィギア4は,ゲーム内においてプレーヤキャラクタ以外のキャラクタを捕らえておくための捕獲器,収容しておくケース,としての役割を担う。」

イ 「【0037】
図2は,キャラクタフィギア3及び収容器フィギア4のRFタグ5が記憶するデータの構成例を示す図である。
キャラクタフィギア3に内蔵されるRFタグ5は,タグID10と,用途ID12と,タグステータス14と,ゲーム種別情報16と,キャラクタID18と,キャラクタの初期ステータスデータ20と,最新ステータスデータ22と,最新アクセス装置識別情報24と,最新アクセス日時26とを記憶する。なお,本実施形態では,キャラクタフィギア3において,タグID10,用途ID12,ゲーム種別情報16,キャラクタID18,初期ステータスデータ20は書き換えできないデータとして説明するが,書き換え可能であってもよい。
【0038】
タグID10は,当該RFタグ5に固有の識別情報である。
用途ID12は,当該フィギアがキャラクタフィギア3であることを示す情報を格納している。
タグステータス14は,RFタグ5の状態を記述する情報である。例えば,出荷状態を示す情報,読み込み中を示す情報,書き込み中を示す情報など適宜設定することができる。
【0039】
ゲーム種別情報16は,当該キャラクタフィギア3の利用が想定されているゲームの情報が格納される。ゲーム種別情報16には,例えば,ゲームタイトル,バージョン番号,シリーズ番号,ロット番号を適宜含めることができる。
キャラクタID18は,当該キャラクタフィギアが表すキャラクタの種類を示すキャラクタ識別情報である。」

ウ 「【0050】
[ゲームの概要]
次に,本実施形態におけるゲームの概要を説明する。
図3は,本実施形態におけるゲームの概要を説明するための図である。
プレーヤは,ゲームをプレイするにあたり事前にプレーヤキャラクタとしたいキャラクタのキャラクタフィギア3(図3の例では3a)と,少なくとも一つの「空(カラ:未使用,未収容状態)」の収容器フィギア4(図3の例では4a)を用意する。
【0051】
ゲーム装置1500でゲームが開始されると,先ずプレーヤキャラクタの設定を行う必要がある。例えば図3(1)のゲーム画面W2に示すように,プレーヤが望むキャラクタのキャラクタフィギア3をタグリーダライタ1543の読取りエリアに近づけるように促す通知70が表示される。プレーヤがこの表示に従ってキャラクタフィギア3をタグリーダライタ1543にかざすと,当該キャラクタフィギア3との間でデータ通信が確立され,RFタグ5に記憶されている各種データが読み出され,ゲーム装置1500にて記憶され,読み出したキャラクタID18と初期ステータスデータ20とに基づいてプレーヤキャラクタ6が設定される。
【0052】
図3(2)のゲーム画面W4は,本実施形態のゲームのプレイ中の画面例を示している。本実施形態のゲームは,部分的或いは全面的にアクションゲームのパートを有する。プレーヤキャラクタ6は,ゲーム空間内で遭遇した敵キャラクタ7と交戦し,これを倒すと経験値やアイテムを取得できる。最終ボスキャラクタを倒すとゲームクリアとなり,途中でプレーヤキャラクタ6のHP(ヒットポイント)が「0」になるとゲームオーバとなる。」

エ 「【0066】
[機能ブロックの説明]
次に,本実施形態を実現するための機能構成について説明する。
図8は,本実施形態におけるゲーム装置1500の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。ゲーム装置1500は,操作入力部100と,処理部200と,RFタグ通信部340と,音出力部350と,画像表示部360と,通信部370と,記憶部500とを備える。」

オ 「【0068】
本実施形態では,RFタグ通信部340も操作入力部として機能する。
RFタグ通信部340は,可搬性の記憶媒体から電波を利用して非接触にデータの読み出しやデータの書き込みができる。本実施形態では,可搬性の記憶媒体としてRFID(Radio Frequency IDentification)を利用するので,フィギア2に内蔵されるRFタグ5の使用に応じたタグリーダライタ装置により実現される。図1のタグリーダライタ1543がこれに該当する。
【0069】
処理部200は,例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや,ASIC,ICメモリなどの電子部品によって実現される。処理部200は,各機能部との間でデータの入出力制御を行い,所定のプログラムやデータ,操作入力部100からの操作入力信号等に基づいて各種の演算処理を実行してゲーム装置1500の動作を制御する。図1では制御基板1550がこれに該当する。そして,処理部200は,ゲーム演算部210と,RFタグ通信制御部240と,音生成部250と,画像生成部260と,通信制御部270とを備える。
【0070】
ゲーム演算部210は,本実施形態のゲームを実行するために必要な各種制御を実行する。例えば,本実施形態のゲームは3DCGにより表現されるので,(1)仮想3次元空間に各種オブジェクトを配置してゲーム空間を設定する処理,(2)ゲーム空間にプレーヤキャラクタや敵キャラクタ等のキャラクタオブジェクトを配置し,操作入力や所謂AI制御によりそれらの動作を制御する処理,(3)プレーヤキャラクタの様子を撮影する仮想カメラの制御処理,(4)攻撃のヒット判定やその判定に応じたダメージの反映,プレーヤキャラクタへの経験値やアイテムの付与などのゲーム進行制御処理,(5)経過時間等のカウント処理やフラグ処理,などを実行することができる。」

カ 「【0089】
画像生成部260は,例えば,GPU(Graphics Processing Unit),デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ,ビデオ信号IC,ビデオコーデックなどのプログラム,フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ,テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現される。
本実施形態の画像生成部260は,1描画サイクル(1描画フレームの時間に相当。例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し,生成したゲーム画面の画像信号を逐次画像表示部360へ出力する。本実施形態では,ゲーム画面の主体となるゲーム空間画像は,仮想カメラで撮影された3DCGなのでレンダリング処理を含む。そして,レンダリングされたゲーム空間画像に,例えばマップ表示や,キャラクタ毎のHP(ヒットポイント)表示や,ステータス表示などの情報表示体を合成し,ゲーム画面を完成させる。
【0090】
画像表示部360は,画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば,フラットパネルディスプレイ,ブラウン管(CRT),プロジェクター,ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では,図1のタッチパネル1506がこれに該当する。
【0091】
通信制御部270は,データ通信のための通信接続及びデータ通信に係るデータ処理を実行し,通信部370を介して外部装置とのデータ通信を実現する。そして,これに関連する通信部370は,通信回線1と接続して通信を実現する。例えば,無線通信機,モデム,TA(ターミナルアダプタ),有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され,図1の無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0092】
記憶部500は,処理部200にゲーム装置1500を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また,処理部200の作業領域として用いられ,処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は,例えばRAMやROMなどのICメモリ,ハードディスク等の磁気ディスク,CD-ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。更には,記憶部500の一部を,通信回線1を介してデータ通信可能にアクセスできる外部ストレージによって実現しても良い。
【0093】
図9は,記憶部500に記憶されているプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態の記憶部500は,システムプログラム501と,ゲームプログラム502とを記憶している。
システムプログラム501は,ゲーム装置1500のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。RFタグ通信制御部240を実現するためのミドルウェアはシステムプログラム501に含まれるものとする。
ゲームプログラム502は,処理部200にゲーム演算部210としての機能を実現させるためのプログラムである。本実施形態では,メモリカード1540(図1参照)に予め記憶されているものとするが,ゲーム開始前に所定のサーバからダウンロードする構成であっても良い。」

キ 「【0110】
図14に示すように,処理部200は,先ずプレーヤキャラクタの設定手続きに係る処理を行う(ステップS6)。
例えば,ゲーム画面にプレーヤの希望するキャラクタフィギアを近距離無線器(タグリーダライタ1543)の受信エリア内に近づけるように促す通知70を表示させる(図3参照)。プレーヤは,事前に用意した好みのキャラクタフィギア3をタグリーダライタ1543にかざす。キャラクタフィギア3のRFタグ5との通信が確立できれば,処理部200は記憶部500にプレイデータ580の記憶領域を確保し,当該キャラクタフィギア3に記憶されていたキャラクタの各種設定データをプレーヤキャラクタステータスデータ582として格納する(図9参照)。この際,最新ステータスデータ22が初期ステータスデータ20と異なっている場合には,前者をプレーヤキャラクタ6のステータスデータとする。つまり,セーブデータとして読み出す。また,タグID10を,読み出し元タグID583として格納する。
尚,特に断らない限り,キャラクタフィギア3や収容器フィギア4のRFタグ5からのデータの読取りやデータの書き込みが完了したならば,その旨を通知する通知音の報音や通知表示を適宜行うものとする。
【0111】
次に,処理部200は初期化処理を行いゲーム開始の準備をする(ステップS8)。
例えば,ゲーム空間初期設定データ506を参照して仮想3次元空間内に背景オブジェクト等を配置してゲーム空間を構成し,ゲーム空間内にプレーヤキャラクタ6や敵キャラクタ7などのオブジェクトを初期位置に配置し,プレーヤキャラクタ6の様子を撮影する仮想カメラを初期位置に配置する。そして,仮想カメラでゲーム空間内の様子を撮影したゲーム空間画像のレンダリングを開始し,更にレンダリング結果に適宜情報表示を合成してゲーム画面の生成及び表示制御を開始する。
【0112】
次いで,処理部200はゲーム進行処理を実行する(ステップS10)。すなわち,プレーヤによる操作入力に応じてプレーヤキャラクタ6を動作制御し,また敵キャラクタ7の出現や自動制御を行う。プレーヤキャラクタ6と敵キャラクタ7とが遭遇したならば両者の戦闘処理を行い,攻撃の判定結果に応じてダメージ反映処理をする。」

ク 「【図3】



ケ 図3には,タッチパネル1506に,キャラクタフィギア3と同じ意匠のプレーヤキャラクタ6が表示されることが図示されている。

コ 上記オで摘記した段落【0070】と上記キで摘記した段落【0111】の「ゲーム空間」という用語は同じものを示すものと認められるので,そうすると,引用文献1には,ゲーム演算部210が,仮想3次元空間に各種オブジェクトを配置してゲーム空間を設定する処理,ゲーム空間にプレーヤキャラクタ6や敵キャラクタ7等のキャラクタオブジェクトを配置し,操作入力や所謂AI制御によりそれらの動作を制御する処理,などを実行することができることが開示されているものと認められる。

サ 上記アないしキの記載を総合すると,引用文献1には,キャラクタフィギア3とゲーム装置1500とを含む情報処理システムが開示されているものと認められる。

(2) 上記(1)の事項から,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「RFタグ5を内蔵するキャラクタフィギア3と,
操作入力部100と,処理部200と,RFタグ通信部340と,画像表示部360と,記憶部500とを備えるゲーム装置1500とを含み,
RFタグ5は,キャラクタフィギア3が表すキャラクタの種類を示すキャラクタ識別情報であるキャラクタID18を記憶し,
キャラクタフィギア3は,ゲームに登場するプレーヤキャラクタ6の意匠を模して立体造形され,
プレーヤキャラクタ6は,プレーヤによる操作入力に応じて動作制御され,ゲーム空間内で遭遇した敵キャラクタ7と交戦し,これを倒すと経験値やアイテムを取得でき,
処理部200は,ゲーム演算部210と,画像生成部260と,を備え,
記憶部500は,ゲームプログラム502と,ゲーム空間初期設定データ506と,を記憶し,
ゲームプログラム502は,処理部200にゲーム演算部210としての機能を実現させるためのプログラムであり,
ゲーム演算部210は,ゲーム空間初期設定データ506を参照して仮想3次元空間に各種オブジェクトを配置してゲーム空間を設定する処理,ゲーム空間にプレーヤキャラクタ6や敵キャラクタ7等のキャラクタオブジェクトを配置し,操作入力や所謂AI制御によりそれらの動作を制御する処理,などを実行することができる,情報処理システムにおいて,
RFタグ通信部340に該当するタグリーダライタ1543に,キャクタフィギア3をかざすと,当該キャラクタフィギア3との間でデータ通信を確立し,RFタグ5に記憶されている各種データを読み出し,ゲーム装置1500にて記憶し,読み出したキャラクタID18に基づいてプレーヤキャラクタ6を設定し,
画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示するものである画像表示部360に該当するタッチパネル1506に,プレーヤキャラクタ6を表示する,情報処理システム。」

2 引用文献2について
(1) 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2001-190843号公報)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

ア 「【0023】実施の形態1.図3は,本発明の実施の形態1における汎用キャラクタのデータを示す。ここで,汎用キャラクタとは,コンピュータ・ゲームのユーザであるプレイヤから入力されたデータを基に作成されるキャラクタであって,異なる個別のコンピュータ・ゲームに共通して汎用的に用いることができるキャラクタである。汎用キャラクタのデータはプレイヤが任意に指定するデータを用いて設定し記録しておくことができる(汎用キャラクタ・データ記録手段)。汎用キャラクタのデータとしては,好適にはプレイヤ個人の名前,誕生日,性別等のデータがあり,これらのデータを指定することによりプレイヤの個人的なデータに汎用キャラクタのデータを近づけることができる。汎用キャラクタのデータは記録媒体部20にセットされたメモリ・カード等の記録媒体(汎用キャラクタ・データ記録領域)に記録しておくことができる。図3において,符号50は,左欄が汎用キャラクタのデータとして設定される汎用データ項目であり,右欄がその汎用データ項目の値である。符号51は汎用データ項目が「名前」であり(汎用キャラクタ名領域),その汎用データ項目の値が「しかくのすけ」,52は汎用データ項目が「誕生日」であり,その汎用データ項目の値が「1989年8月26日」,53は汎用データ項目が「性別」であり,その汎用データ項目の値が「男」,54は汎用データ項目が「身長」であり,その汎用データ項目の値が「165cm」,55は汎用データ項目が「体型」であり,その汎用データ項目の値が「やや太目」,56は汎用データ項目が「顔」であり,その汎用データ項目の値が「ドット絵」,57は汎用データ項目が「トレード・マーク」であり,その汎用データ項目の値が「ドット絵」,58は汎用データ項目が「血液型」であり,その汎用データ項目の値が「B型RH+」,59は汎用データ項目が「好きな言葉」であり,その汎用データ項目の値が「愛」である。顔56の値「ドット絵」は,プレイヤの顔画像データを入力して保存しておき(顔画像データ領域),この顔画像データを基にモンタージュ写真風に作成することができる。トレード・マーク57の値「ドット絵」は元となるパターンの絵を予め用意しておき,これらのパターンの絵から作成することができる。汎用データ項目50としてさらに他のデータ項目,例えば汎用キャラクタを他の汎用キャラクタと識別するための汎用キャラクタ識別子等を設定することもできる(汎用キャラクタ識別子領域)。逆に汎用データ項目50は上述のすべてのデータ項目を有していなくても良い。プレイヤ個人が作成された汎用キャラクタに興趣性,愛着等を持つことができ,かつ他の汎用キャラクタと識別し得る最小のデータ項目,例えば汎用キャラクタ識別子,名前51および顔56のデータ項目があるだけでもよい。プレイヤから入力させた上述の汎用キャラクタのデータを一括して保存しておくことにより,後述の個別のコンピュータ・ゲームでキャラクタを作成する際に汎用キャラクタのデータを再度入力させずに済ませることができる。さらに汎用キャラクタのデータを一括して保存しておくことができるため,重複した保存領域は不要となる。
【0024】上述の汎用キャラクタのデータに基づき,個別のコンピュータ・ゲームに固有に用いられる個別キャラクタのデータを作成することができる(個別キャラクタ・データ作成手段)。個別キャラクタのデータの作成は,プレイヤに対して例えばアンケート形式による所定の質問を行ない,その回答を入力させることにより作成することができる。質問に対する回答から個別キャラクタのデータを得る方法としては,例えばルール・ベース形式を用いた推論方法を使用することができる。この場合ルールは例えば「もし<質問i>に対する回答が<回答j>であるならば,個別キャラクタのデータは<データk>である」というように設定することができる。ルール・ベース形式を用いずに通常のプログラミング形式を用いることもできる。」

イ 「【0030】図9は,上述された汎用キャラクタのデータと個別キャラクタのデータとが共に記録されている状態を示す。図9で図3ないし図8と同じ符号を付した箇所は同じ内容を示すため,説明は省略する。図9において,符号108は汎用データ項目として「アンケートに関する項目」と,その汎用データ項目の値として「使用されたアンケートの種類」等を設定したものである。上述のように,汎用キャラクタのデータを記録する領域と個別のコンピュータ・ゲームに対する個別キャラクタのデータを記録する領域とは別個であるが,これらの領域は記録媒体部20にセットされたメモリ・カード等の記録媒体に記録しておくことができる(汎用キャラクタ・データ記録領域,個別キャラクタ・データ記録領域)。メモリ・カード等の記録媒体中には,汎用キャラクタのデータのみを記録しておくことができるだけでなく,個別キャラクタのデータのみを記録しておくこともできる。さらに,汎用キャラクタのデータと1以上の個別キャラクタのデータとを記録しておくこともできる。プレイヤは例えば,ゲーム装置として家庭用のゲーム器を用いて個別キャラクタのデータをメモリ・カード等の記録媒体上に作成し,このメモリ・カード等の記録媒体を他の家庭用のゲーム器の記録媒体部20にセットすることにより,他の家庭用のゲーム器上で当該個別キャラクタのデータを使用することができる。本発明のゲーム装置は家庭用のゲーム器だけではなく,業務用のゲーム器であってもよい。したがってプレイヤは家庭用のゲーム器を用いて個別キャラクタのデータが作成されたメモリ・カード等の記録媒体を,業務用のゲーム器の記録媒体部20にセットすることにより,業務用のゲーム器上で当該個別キャラクタのデータを使用することができる。逆に,プレイヤは業務用のゲーム器を用いて個別キャラクタのデータが作成されたメモリ・カード等の記録媒体を,家庭用のゲーム器の記録媒体部20にセットすることにより,家庭用のゲーム器上で当該個別キャラクタのデータを使用することができる。」

(2) 上記(1)の事項から,引用文献2には,
「コンピュータ・ゲームのユーザであるプレイヤから入力されたデータを基に作成され,異なる個別のコンピュータ・ゲームに共通して汎用的に用いることができ,好適にはプレイヤ個人の名前,誕生日,性別等のデータがあり,これらのデータを指定することによりプレイヤの個人的なデータに近付けることができる汎用キャラクタのデータと,汎用キャラクタのデータに基づいて作成することができる,個別のコンピュータ・ゲームに固有に用いられる個別キャラクタのデータとを,記録媒体部20にセットされたメモリ・カード等の記録媒体に記録しておくことができる」
という技術的事項が記載されているものと認められる。

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と,引用発明とを対比すると,以下のことがいえる。
ア 引用発明の「キャラクタフィギア3」は,RFタグ5を内蔵し,当該RFタグ5には,キャラクタID18が,記憶されているので,引用発明の「キャラクタフィギア3」は,本願発明1の「記憶媒体」に相当する。

イ 引用発明の「ゲーム装置1500」は,RFタグ通信部340を備えており,RFタグ通信部340に該当するタグリーダライタ1543に,キャクタフィギア3をかざすと,当該キャラクタフィギア3との間でデータ通信を確立するので,本願発明1の「情報処理装置」と,引用発明の「ゲーム装置1500」は,「当該記録媒体と近距離無線通信を行う」点で共通する。

ウ 引用発明の「情報処理システム」は,本願発明1の「情報処理システム」に相当する。

エ 引用発明においては,ゲームプログラム502が,処理部200にゲーム演算部210としての機能を実現させ,ゲーム演算部210は,ゲーム空間初期設定データ506を参照して仮想3次元空間に各種オブジェクトを配置してゲーム空間を設定する処理,ゲーム空間にプレーヤキャラクタや敵キャラクタ等のキャラクタオブジェクトを配置し,操作入力や所謂AI制御によりそれらの動作を制御する処理,などを実行することができることから,引用発明の「ゲームプログラム502」及び「ゲーム空間」は,それぞれ,本願発明1の「所定のアプリケーションプログラム」及び「仮想空間」に相当する。
また,本願発明1の「プレイヤキャラクタ」と,引用発明の「プレーヤキャラクタ6」とは,「前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場」する点で共通する。

オ 引用発明の「プレーヤキャラクタ6」は,プレーヤによる操作入力に応じて動作制御されるので,本願発明1の「プレイヤキャラクタ」と,引用発明の「プレーヤキャラクタ6」とは,「ユーザにより操作される」点でも共通する。

カ 引用発明の「キャラクタフィギア3」は,ゲームに登場するプレーヤキャラクタ6の意匠を模して立体造形されるものであるので,上記エ及びオで検討した事項も踏まえると,本願発明の「記憶媒体」と,引用発明の「キャラクタフィギア3」とは,「前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的」「に表す外観を有」する点で共通する。

キ 引用発明の「キャラクタID18」は,キャラクタフィギア3に内蔵されているRFタグ5に記憶され,キャラクタフィギアが表すキャラクタの種類を示すキャラクタ識別情報であり,本願発明1において,「オブジェクト」が「プレイヤキャラクタ」であることを踏まえると,引用発明の「キャラクタID18」は,「前記オブジェクトに関するオブジェクト情報」に相当する。
そうすると,本願発明1の「記憶媒体」と,引用発明の「キャラクタフィギア3」とは,「前記オブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶」する点でも共通する。

ク 引用発明においては,ゲーム装置1500に画像生成部260が備えられている。
また,引用発明においては,読み出したキャラクタID18に基づいてプレーヤキャラクタ6を設定し,画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示するものである画像表示部360に該当するタッチパネル1506に,プレーヤキャラクタ6を表示しており,画像生成部260は,キャラクタID18を用いて,画像表示部360に該当するタッチパネル1506に,プレーヤキャラクタ6を表示しているといえる。
そうすると,本願発明1の「第1処理実行手段」と,引用発明の「画像生成部260」とは,「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報」「を用いて所定の処理を実行」し,「前記所定の処理として,前記オブジェクトの少なくとも一部」を「表示装置に表示させる処理を実行する」「実行手段」である点で共通する。
また,本願発明1の「情報処理装置」と,引用発明の「ゲーム装置1500」とは,「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報」「を用いて所定の処理を実行する」「実行手段」「を備え」る点で共通する。

ケ 上記アないしクから,本願発明1と引用発明とは,以下の点で一致する。

[一致点]
「記憶媒体と,当該記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置とを含む情報処理システムであって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶し,
前記情報処理装置は,
前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報を用いて所定の処理を実行する実行手段とを備え,
前記実行手段は,前記所定の処理として,前記オブジェクトの少なくとも一部を表示装置に表示させる処理を実行する,情報処理システム。」

コ そして,両者の発明は,以下の点で相違する。

[相違点1]
本願発明1の「情報処理装置」が,「前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報を前記記憶媒体に書き込むキャラクタ書込手段」を備えるのに対して,引用発明の「ゲーム装置1500」は,そのような書込手段を備えない点。

[相違点2]
本願発明1の「第1処理実行手段」は,「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて所定の処理を実行」し,「前記所定の処理として,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する」実行手段であるのに対して,引用発明の「画像生成部260」は,そのような処理を実行する実行手段であるとは特定されていない点。

(2) 判断
引用文献2には,上記第3の2(2)で認定したとおりの技術的事項が記載されており,引用文献2に記載された技術的事項の「汎用キャラクタ」は,そのデータをプレイヤが任意に指定するデータを用いて設定し記録しておくことができ,汎用キャラクタのデータとしては,好適にはプレイヤ個人の名前,誕生日,性別等のデータがあり,これらのデータを指定することによりプレイヤの個人的なデータに汎用キャラクタのデータを近づけることができるものであるが,「汎用キャラクタ」は,あくまでも個別のコンピュータ・ゲームに個別に用いられる個別キャラクタを作成する基になるものである。
そうすると,引用文献2に記載された技術的事項の「汎用キャラクタ」は,本願発明1の「ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタ」に相当するものであって,「プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタ」に相当するものではない。
したがって,引用文献2に,「プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタ」が開示されていない以上,そのキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報を記憶媒体に書き込むキャラクタ書込手段も開示されていないし,プレイヤキャラクタであるオブジェクトの少なくとも一部と,プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示することも開示されておらず,引用文献2は,本願発明1の上記相違点1及び2に係る発明特定事項を開示するものではない。
したがって,引用発明に対して,引用文献2に記載された技術的事項を適用しても,本願発明1の上記相違点1及び2に係る発明特定事項をなすことはできない。
また,このように,プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報を記憶媒体に書き込み,前記記憶媒体から読み出した,プレイヤキャラクタであるオブジェクトに関するオブジェクト情報と,ユーザに対応するキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報とを用いて,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行するが,本願の原出願日において周知であったことを示す証拠もない。
さらに,このような表示の処理を実行することで,各プレイヤが,自身の操作するプレイヤキャラクタを容易に認識することができるという,顕著な効果を奏するので,引用発明において,記憶媒体から読み出した,前記記憶媒体の外観が表すオブジェクトに関するオブジェクト情報と,ユーザに対応するキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報とを用いて,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行することが,設計事項であるともいえない。
したがって,本願発明1の上記相違点1及び2に係る発明特手事項は,当業者といえども容易に想到できるものではない。

(3) 小括
以上のとおりであるから,本願発明1は,当業者であっても,引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2ないし7について
本願発明2ないし7は,本願発明1を直接又は間接に引用し,本願発明1をさらに限定するものである。
したがって,本願発明1と同様の理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

3 本願発明8について
(1) 対比
本願発明8と引用発明とを対比すると,以下のことがいえる。
ア 上記1(1)アないし同キと同じことがえいる。

イ 引用発明においては,ゲーム装置1500に画像生成部260が備えられている。
また,引用発明においては,読み出したキャラクタID18に基づいてプレーヤキャラクタ6を設定し,画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示するものである画像表示部360に該当するタッチパネル1506に,プレーヤキャラクタ6を表示しており,画像生成部260は,キャラクタID18を用いて,画像表示部360に該当するタッチパネル1506に,プレーヤキャラクタ6を表示しているといえる。
そうすると,本願発明8の「表示制御手段」と,引用発明の「画像生成部260」とは,「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報」「を用いて,前記オブジェクト」を「表示装置に表示させる」点で共通する。
また,本願発明1の「情報処理装置」と,引用発明の「ゲーム装置1500」とは,「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報」「を用いて,前記オブジェクト」を「表示装置に表示させる表示制御手段を備え」る点で共通する。

ウ 上記ア及びイから,本願発明8と引用発明とは,以下の点で一致する。

[一致点]
「記憶媒体と,当該記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置とを含む情報処理システムであって,
前記記憶媒体は,
前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場し,ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタであるオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し,
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶し,
前記情報処理装置は,前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報を用いて,前記オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御手段を備える,情報処理システム。」

エ そして,両者の発明は,以下の点で相違する。

[相違点3]
本願発明8の「記憶媒体」は,オブジェクトに関するオブジェクト情報だけでなく,「ユーザに関するユーザ情報であって,前記オブジェクトを操作するユーザに対応するキャラクタを示すユーザ情報」を記憶するのに対して,引用発明の「キャラクタフィギア3」は,そのような情報を記憶していない点。

[相違点4]
本願発明8の「表示制御手段」は,前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記ユーザ情報とを用いて,前記オブジェクトとそれに対応する前記キャラクタとを関連付けて表示装置に表示させるのに対して,引用発明の「画像生成部260」は,そのような表示をさせることは特定されていない点。

(2) 判断・小括
上記相違点3及び4は,それぞれ,上記1(1)コで挙げた相違点1及び2と実質的に同一の内容であり,相違点1及び2が当業者といえでも容易に想到できるものでないことは,上記1(2)で検討したとおりである。
以上のとおりであるから,本願発明8は,当業者であっても,引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

4 本願発明9について
本願発明9は,本願発明8を引用し,本願発明8をさらに限定するものである。
したがって,本願発明8と同様の理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

5 本願発明10について
本願発明10は,本願発明1に対して,「オブジェクト」を「第1キャラクタ」に,「ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタ」を「ユーザの指示に基づき作成された第2キャラクタ」に,「前記キャラクタの少なくとも一部」を「前記第2キャラクタの少なくとも一部」に,それぞれ言い換えただけであり,本願発明1と実質的に同一の発明である。
したがって,本願発明1と同様の理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

6 本願発明11,13及び15について
本願発明11,13及び15は,本願発明1と発明のカテゴリーが相違するだけで,実質的に同一の発明である。
したがって,本願発明1と同様の理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

7 本願発明12,14,16及び17について
本願発明12,14,16及び17は,本願発明8と発明のカテゴリーが相違するだけで,実質的に同一の発明である。
したがって,本願発明8と同様の理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

第5 原査定に対する判断
請求項1,請求項9(本件補正後の請求項8に対応),請求項12ないし19(本件補正後の請求項10ないし17にそれぞれ対応)に対する原査定の拒絶の理由の概要は,引用文献1に記載された発明に対して,引用文献2に記載された技術的事項を適用することで,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかし,上記第4の1,同3,同5ないし7で検討したとおり,引用文献1に記載された発明に基づいて,請求項1,9,12ないし19に係る発明をなすことは,当業者であっても容易ではない。
また,請求項2ないし8は,請求項1を直接又は間接に引用し,請求項10及び11は,請求項9を直接又は間接に引用するものであるから,請求項1,9に係る発明が,容易に発明をすることができたものでない以上,請求項2ないし8,10及び11に係る発明も,やはり,容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由通知について
1 当審拒絶理由の概要
当審においては,平成30年10月3日にされた手続補正で補正された特許請求の範囲に対して,以下の拒絶理由を通知した。

(1) 特許法第36条第6項第1号について
ア 請求項1の
「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報との少なくともいずれかを用いて所定の処理を実行する第1処理実行手段とを備え,前記第1処理実行手段は,前記所定の処理として,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する」
という記載は,「オブジェクト情報」と「キャラクタ画像情報」のいずれか一方のみを用いて,オブジェクトの少なくとも一部とキャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する態様を包含し,そのような態様は,明細書の記載と対応しないので,請求項1に係る発明は,明細書の発明の詳細な説明に記載されていない。
イ 請求項10の
「前記記憶媒体から読み出した前記キャラクタ情報と前記キャラクタ画像情報との少なくともいずれかを用いて所定の処理を実行する第1処理実行手段とを備え,前記第1処理実行手段は,前記所定の処理として,前記第1キャラクタの少なくとも一部と前記第2キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する」
という記載についても,上記アと同様のことがいえ,請求項10に係る発明は,明細書の発明の詳細な説明に記載されていない。
ウ 請求項15の
「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報との少なくともいずれかを用いて所定の処理を実行し,前記所定の処理は,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理である」
の記載についても,上記アと同様のことがいえ,請求項15に係る発明は,明細書の発明の詳細な説明に記載されていない。
エ 請求項11及び13の
「前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報であって,前記情報処理装置において実行可能なアプリケーションプログラムにおける所定の処理において用いられるキャラクタ画像情報を取得する取得手段と,・・・前記所定の処理は,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理である」
という記載は,「キャラクタ画像情報」のみを用いて,「オブジェクトの少なくとも一部」と「キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる」態様を包含し,そのような態様は,明細書の記載と対応しないので,請求項11及び13に係る発明は,明細書の発明の詳細な説明に記載されていない。

(2) 特許法第36条第6項第2項について
ア 請求項1の
「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報との少なくともいずれかを用いて所定の処理を実行する第1処理実行手段」
という記載を,「所定の処理」を実行するために,「キャラクタ画像情報」のみを用いる場合があると解すると,請求項1の
「前記第1処理実行手段は,前記所定の処理として,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する」
という記載と整合しないので,請求項1に係る発明は明確でない。
イ 請求項1を直接又は間接に引用する請求項6の
「前記所定の処理として,前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報を用いて前記仮想空間に前記オブジェクトを登場させる登場処理を実行する」
という記載は,「所定の処理」を実行するためには,「オブジェクト情報」を用いると認められるので,
請求項1の記載を,「所定の処理」を実行するために,「キャラクタ画像情報」のみを用いると解釈すると,請求項1の記載と整合していないこととなるため,請求項6に係る発明は明確でない。
ウ 請求項10の
「前記記憶媒体から読み出した前記キャラクタ情報と前記キャラクタ画像情報との少なくともいずれかを用いて所定の処理を実行する第1処理実行手段」
と,
「前記第1処理実行手段は,前記所定の処理として,前記第1キャラクタの少なくとも一部と前記第2キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する」
という記載についても,上記アと同様のことがいえるので,請求項10に係る発明は明確でない。
エ 請求項15の
「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報との少なくともいずれかを用いて所定の処理を実行し」
と,
「前記所定の処理は,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理である」
の記載についても,上記アと同様のことがいえるので,請求項15に係る発明は明確でない。
オ 請求項11及び13の
「前記プレイヤキャラクタを操作するユーザに対応するキャラクタであり,ユーザの指示に基づき作成されたキャラクタの画像を特定するキャラクタ画像情報であって,前記情報処理装置において実行可能なアプリケーションプログラムにおける所定の処理において用いられるキャラクタ画像情報を取得する取得手段」
という記載を,「所定の処理」において用いられるのは「キャラクタ画像情報」のみであると解すると,請求項11及び13の
「前記所定の処理は,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理である」
という記載と整合しないので,請求項11及び13に係る発明は明確でない。
カ 請求項6には,
「前記第1処理実行手段は,前記所定のアプリケーションプログラムを実行することによって,前記所定の処理として,前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報を用いて前記仮想空間に前記オブジェクトを登場させる登場処理を実行する」の
という記載は,請求項6が引用する請求項1にも,
「前記第1処理実行手段は,前記所定の処理として,前記オブジェクトの少なくとも一部と前記キャラクタの少なくとも一部とを関連付けて表示装置に表示させる処理を実行する」
という記載があることから,請求項1と6の「第1処理実行手段」が実行する「所定の処理」の関係について,「第1処理実行手段」は,請求項1の「所定の処理」に加えて,請求項6の「所定の処理」も実行するとも,「第1処理実行手段」は,請求項1の「所定の処理」に代えて,請求項6の「所定の処理」を実行するとも,多義的に解釈でき,発明の外縁を特定することができないため,請求項6に係る発明は明確でない。

2 本件補正
上記1の拒絶理由に対して,本件補正がなされ,
(1) 請求項1及び15の「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報との少なくともいずれかを用いて」が,「前記記憶媒体から読み出した前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて」と補正された(下線は補正箇所を示す。以下,2の項について同様。)ことで,上記1(1)ア,同ウ,上記1(2)ア,同ウ及び同エの拒絶理由が解消され,
(2) 請求項6の「前記所定の処理として」が,「前記所定の処理に加えて」と補正されたことで,上記1(2)カの拒絶理由が解消され,
(3) 請求項10の「前記記憶媒体から読み出した前記キャラクタ情報と前記キャラクタ画像情報との少なくともいずれかを用いて」が,「前記記憶媒体から読み出した前記キャラクタ情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて」と補正されたことで,上記1(1)イ及び同(2)ウの拒絶理由が解消され,
(4) 請求項11及び13の「所定の処理」について,「前記オブジェクト情報と前記キャラクタ画像情報とを用いて,」という文言が追加されたことで,上記1(1)エ及び同(2)オの拒絶理由が解消され,
上記1の全ての拒絶理由が解消された。

第7 むすび
以上のとおり,本願発明1ないし17は,当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願は拒絶することはできない。 また,当審において通知した拒絶の理由によっても,本願は拒絶することはできない。
そして,ほかに本願を拒絶すべき理由は発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-12-10 
出願番号 特願2014-215890(P2014-215890)
審決分類 P 1 8・ 537- WYF (A63F)
P 1 8・ 121- WYF (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大山 栄成  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 塚本 丈二
藤本 義仁
発明の名称 情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理方法、および、記憶媒体  
代理人 石原 盛規  
代理人 寺本 亮  
代理人 小沢 昌弘  

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