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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C03C
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C03C
管理番号 1361473
異議申立番号 異議2019-700634  
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-08-09 
確定日 2020-03-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6472657号発明「ガラス、プレス成形用ガラス素材、光学素子ブランク、および光学素子」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6472657号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?14〕について訂正することを認める。 特許第6472657号の請求項1?14に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6472657号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?14に係る特許についての出願は、平成26年12月26日に出願され、平成31年2月1日にその特許権の設定登録がされ、平成31年2月20日に特許掲載公報が発行されたものであり、その後、請求項1?14に係る特許に対して、令和1年8月9日付けで特許異議申立人宮園祐爾による特許異議の申立てがされ、令和1年10月24日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である令和1年12月27日付けで意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、本件訂正請求に対して特許異議申立人に意見を求めたところ、意見書の提出はされなかったものである。

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。なお、訂正箇所に下線を付した。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1における「Nb_(2)O_(5)含有量が1.0質量%未満、であり、」との記載を、「Nb_(2)O_(5)含有量が1.0質量%未満、P_(2)O_(5)含有量が1質量%以下、ZrO_(2)含有量が6?12質量%、Ta_(2)O_(5)含有量が1.5質量%以下、であり、」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1における「かつアッベ数νdが47」との記載を、「かつアッベ数νdが48」に訂正する。

なお、訂正前の請求項1?14について、請求項2?14が、訂正事項1及び2によって訂正される請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項1?14に対して請求されたものである。

2 訂正要件の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1におけるガラス組成から把握される「P_(2)O_(5)含有量」の数値範囲を「1質量%以下」、「ZrO_(2)含有量」の数値範囲を「6?12質量%」、「Ta_(2)O_(5)含有量」の数値範囲を「1.5質量%以下」にそれぞれ減縮するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、願書に添付した明細書の段落【0020】に「P_(2)O_(5)の含有量の好ましい上限は1%、より好ましい上限は0.8%、更に好ましい上限は0.5%である。また、同様の観点から、P_(2)O_(5)の含有量の好ましい下限は0.1%であり、0%であってもよい。」、段落【0029】に「ZrO_(2)含有量の下限は、好ましくは6%、より好ましくは7%である。ガラスの安定性、熔解性および耐失透性を向上するうえで、ZrO_(2)含有量の上限は、好ましくは12%、より好ましくは11%である。」、段落【0033】に「Ta_(2)O_(5)は、上述のガラスにおける任意成分であり、その含有量は0%であってもよい。高価な成分であり、耐失透性を低下させる傾向もあるため、その導入を制限することが好ましい。以上の観点から、Ta_(2)O_(5)含有量の上限は、好ましくは1.5%である。」と記載されていることから、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載された事項の範囲内においてなされたものである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項1における「アッベ数νd」の下限値を「47」から「48」にして、その数値範囲を減縮するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、願書に添付した明細書の段落【0051】には、「そのアッベ数νdは47以上、好ましくは47.5以上、より好ましくは48以上である。」と記載されているから、訂正事項2は、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載された事項の範囲内においてなされたものである。

3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?14〕について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて

1 本件発明
(1)本件訂正請求により訂正された請求項1?14に係る発明(以下、「本件発明1?14」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?14に記載された次の事項により特定されるとおりのものであると認める。

「【請求項1】
酸化物基準のガラス組成において、
B_(2)O_(3)、SiO_(2)およびP_(2)O_(5)の合計含有量に対するSiO_(2)含有量の質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.050?0.250、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)およびLu_(2)O_(3)の合計含有量に対するGd_(2)O_(3)の質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]が0.360未満、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するB_(2)O_(3)、SiO_(2)およびP_(2)O_(5)の合計含有量の質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.405以上0.460未満、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するTa_(2)O_(5)の質量比[Ta_(2)O_(5)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.030未満、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するNb_(2)O_(5)、TiO_(2)、WO_(3)、およびBi_(2)O_(3)の合計含有量の質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.013未満、
Gd_(2)O_(3)含有量が8.0質量%超、
La_(2)O_(3)含有量が38?48質量%、
Nb_(2)O_(5)含有量が1.0質量%未満、
P_(2)O_(5)含有量が1質量%以下、
ZrO_(2)含有量が6?12質量%、
Ta_(2)O_(5)含有量が1.5質量%以下、
であり、
屈折率ndが1.78?1.80の範囲であり、かつアッベ数νdが48?50の範囲であるガラス。
【請求項2】
質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.420以上0.460未満である請求項1に記載のガラス。
【請求項3】
質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.405以上0.455以下である請求項1に記載のガラス。
【請求項4】
屈折率ndが1.780?1.795の範囲である請求項1?3のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項5】
質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.060?0.200の範囲である請求項1?4のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項6】
質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.072?0.250の範囲である請求項1?4のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項7】
質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.080?0.250の範囲である請求項1?4のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項8】
Gd_(2)O_(3)含有量が10.84質量%以上である請求項1?7のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項9】
質量比[Gd_(2)O_(3/)(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]が0.330以下である請求項1?8のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項10】
質量比[Ta_(2)O_(5)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.020以下である請求項1?9のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項11】
質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.012以下である請求項1?10のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項12】
請求項1?11のいずれか1項に記載のガラスからなるプレス成形用ガラス素材。
【請求項13】
請求項1?11のいずれか1項に記載のガラスからなる光学素子ブランク。
【請求項14】
請求項1?11のいずれか1項に記載のガラスからなる光学素子。」

2 取消理由の概要
令和1年10月24日付けの取消理由の要旨は、次のとおりである。

(1)特許法第36条第6項第1号に関する取消理由
ア 課題解決手段が不足している点に関して
発明の詳細な説明の段落【0005】?【0009】の記載からみて、本件特許に係る発明の課題(以下、「本件課題」という。)は、熱的安定性に優れる高屈折率低分散光学ガラスを提供することにより解決されるものといえる。
そして、発明の詳細な説明の実施例(No.1?5、7?32)には、
B_(2)O_(3)含有量が23.42?28.31質量%、
SiO_(2)含有量が2.14?5.39質量%、
P_(2)O_(5)含有量が0.00?0.87質量%、
La_(2)O_(3)含有量が39.47?46.71質量%、
Gd_(2)O_(3)含有量が8.64?18.19質量%、
Y_(2)O_(3)含有量が0.00?9.29質量%、
Yb_(2)O_(3)含有量が0.00?2.41質量%、
ZrO_(2)含有量が6.18?9.44質量%、
Ta_(2)O_(5)含有量が0.00質量%、
Nb_(2)O_(5)含有量が0.00?0.85質量%、
TiO_(2)含有量が0.00質量%、
WO_(3)含有量が0.00質量%、
Bi_(2)O_(3)含有量が0.00質量%であって、
質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.072?0.185、
質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]が0.145?0.294、
質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.409?0.460、
質量比[Ta_(2)O_(5)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.000、
質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.000?0.012である数値範囲内のガラス組成のガラスが記載されていると共に、当該ガラスの屈折率が1.78388?1.79823、及び、アッベ数が48.61?49.62となること、並びに、発明の詳細な説明の段落【0070】に記載の評価方法で高い熱的安定性を確認できたことが具体的に記載されているから、上記実施例(No.1?5、7?32)に記載された各成分の含有量の数値範囲のガラスであれば、当業者が上記課題を解決できると認識できる。
これに対して、訂正前の請求項1に係る発明のガラス組成から把握されるP_(2)O_(5)含有量の数値範囲、ZrO_(2)含有量の数値範囲、及び、Ta_(2)O_(5)含有量の数値範囲は、発明の詳細な説明の実施例(No.1?5、7?32)に記載された上記数値範囲から大きく外れる数値を含むため、熱的安定性に関する物性要件を特定することなく、熱的安定性に優れることを当業者が認識できない。
よって、訂正前の請求項1に係る発明及びこれを引用する請求項2?14に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明であるといえない。

イ 物性要件が明細書中の開示より広すぎる点に関して
発明の詳細な説明の実施例(No.1?5、7?32)には、上記アで検討したとおり、訂正前の請求項1に係る発明に対応するガラス組成のガラスが記載されていると共に、1.78388?1.79823の屈折率nd、48.61?49.62のアッベ数νdの物性となることが具体的に記載されているから、当該数値範囲の屈折率及びアッベ数のガラスは、発明の詳細な説明に記載されたガラスであると当業者は認識できる。
これに対して、訂正前の請求項1に係る発明は、「屈折率ndが1.78?1.80の範囲であり、かつアッベ数νdが47?50の範囲である」との物性要件を特定しているところ、訂正前の請求項1に係る発明のアッベ数の数値範囲は、上記実施例(No.1?5、7?32)に記載されたアッベ数の数値範囲から大きく外れる数値を含んでおり、訂正前の請求項1に係る発明の屈折率の数値範囲(1.78?1.80)を満足したまま、上記実施例のガラスのアッベ数を、訂正前の請求項1に係る発明の下限値である47とすることは、アッベ数を小さく(大きく)すると、屈折率が大きく(小さく)なるという傾向があるとの光学ガラスの技術常識(特開平6-316433号公報の段落【0005】参照)を踏まえると、困難であるといえるから、訂正前の請求項1に係る発明のアッベ数の数値範囲のうち、上記実施例(No.1?5、7?32)に記載されたアッベ数の範囲から大きく外れた数値範囲のガラスは、発明の詳細な説明に記載された発明であると当業者が認識できるものであるということができない。
よって、訂正前の請求項1に係る発明及びこれを引用する請求項2?14に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明であるといえない。

ウ 小活
以上のとおりであるから、訂正前の請求項1?14に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

3 取消理由の検討
(1)特許法第36条第6項第1号に関する取消理由について
ア 課題解決手段が不足している点に関して
発明の詳細な説明には、ネットワーク形成成分であるB_(2)O_(3)、SiO_(2)及びP_(2)O_(5)に関して、熱的安定性の向上するために、質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]の下限を0.050以上とすること(段落【0022】)、及び、質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]の下限を0.405以上とすること(段落【0030】)が記載され、さらに、上記ネットワーク形成成分のうち、B_(2)O_(3)、SiO_(2)は、ガラスの熱的安定性を改善する成分であること(段落【0018】、【0019】)、P_(2)O_(5)は、任意成分であって、1質量%以下とすること(段落【0020】)が記載されていることからして、ネットワーク形成成分に関しては、質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]及び質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]を特定すると共に、ネットワーク形成成分のうち、P_(2)O_(5)含有量を1質量%以下とすることで、ガラスの熱的安定性が向上するものと当業者が認識できる。
また、発明の詳細な説明には、希土類酸化物に関して、La_(2)O_(3)は、ガラスの熱的安定性が低下しにくい成分であって、熱的安定性や耐失透性の観点から、La_(2)O_(3)含有量を38質量%以上48質量%以とすること(段落【0024】)、Gd_(2)O_(3)は、La_(2)O_(3)と共存させることにより、熱的安定性向上に寄与する成分であって、Gd_(2)O_(3)含有量を8.0質量%超とすること(段落【0025】)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)は、任意成分であって、ガラスの熱的安定性を維持する成分であること(段落【0027】?【0028】)が記載され、さらに、熱的安定性の向上の観点から、質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]を0.360未満とすること(段落【0026】)が記載されていることからして、希土類酸化物に関しては、La_(2)O_(3)含有量を38質量%以上48質量%以下、Gd_(2)O_(3)含有量を8.0質量%未満、及び、質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]を0.360未満とすることで、ガラスの熱的安定性が向上するものと当業者が認識できる。
さらに、発明の詳細な説明には、ZrO_(2)は、ガラスの熱的安定性の改善に有効な成分であって、ZrO_(2)含有量を6質量%以上とし、また、耐失透性の観点からZrO_(2)含有量を12質量%以下とすること(段落【0029】)、及び、Ta_(2)O_(3)は、耐失透性を低下させる成分であって、Ta_(2)O_(3)含有量は1.5質量%以下とすること(段落【0033】)が記載されていることからして、ZrO_(2)及びTa_(2)O_(5)に関しては、これらの含有量を特定することで、ガラスの熱的安定性が向上するものと当業者が認識できる。
そして、ガラス成分の上記質量比及び含有量は、ガラスの熱的安定性が確認されている実施例(No.1?5、7?32)の記載から当業者が認識できる範囲のものといえる。
したがって、本件発明1は、「質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.050?0.250」、「質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]が0.360未満」、「質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.405以上0.460未満」、「Gd_(2)O_(3)含有量が8.0質量%超」、「La_(2)O_(3)含有量が38?48質量%」であることに加えて、「P_(2)O_(5)含有量が1質量%以下」、「ZrO_(2)含有量が6?12質量%」、「Ta_(2)O_(5)含有量が1.5質量%以下」であることが特定されていることによって、熱的安定性に関する物性要件の特定がなくとも、本件課題を解決できると当業者が認識できる範囲のものであるといえる。

イ 物性要件が明細書中の開示より広すぎる点に関して
本件発明1では、「屈折率ndが1.78?1.80の範囲であり、かつアッベ数νdが48?50の範囲である」との物性要件に特定された。
そして、本件発明1に「質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.013未満」であることが特定されているように、本件発明1において、Nb_(2)O_(5)、TiO_(2)、WO_(3)、Bi_(2)O_(3)は置換可能な成分といえるし、また、Nb_(2)O_(5)、TiO_(2)、WO_(3)、Bi_(2)O_(3)は、屈折率を高めつつアッベ数を下げる成分であって、TiO_(2)はNb_(2)O_(5)より屈折率を高めつつアッベ数を下げる成分であることは、当該技術分野における技術常識(例えば、甲第3号証(山根正之他編、ガラス工学ハンドブック、初版第1刷、株式会社朝倉書店、1999年7月5日、第527頁)の図9.2参照)である。
そうしてみると、発明の詳細な説明の実施例(No.1?5、7?32)のガラスのうち、例えば、屈折率ndが1.79161、アッベ数νdが48.63であるガラス(No.20)を基本として、ガラス製造において通常行われる試行錯誤の範囲内で、Nb_(2)O_(3)(0.85質量%)の一部をTiO_(2)に置き換えることによって、本件発明1の屈折率ndが1.78?1.80の範囲を満たしつつ、アッベ数を48に近い値のガラスが得られることは、当業者であれば認識できるものであるし、この点は、乙第1号証(実験成績証明書)によっても確認できる。
したがって、本件発明1の上記物性要件は、発明の詳細な説明の記載及び技術常識から当業者が認識できる範囲のものといえる。

ウ 小括
以上で検討したとおり、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明であるといえる。
また、本件発明1を引用する本件発明2?14についても同様の理由により、発明の詳細な説明に記載された発明であるといえる。
よって、特許法第36条第6項第1号に関する取消理由に理由はない。

4 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の検討
(1)特許法第29条第2項に関する申立理由
ア 申立理由の概要
特許異議申立人は、訂正前の請求項1?14に係る発明は、甲第1号証(特開昭59-195553号公報)に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものであるとの申立理由を主張している。

イ 甲第1号証に記載された発明
甲第1号証には、
「本発明にかかる光学ガラスの実施組成例とその光学恒数を表-1に示す。
表-1
・・・

(単位:重量%)
・・・」(第3頁右上欄?第4頁左上欄)
と記載されており、特許異議申立人が主張する上記表-1のNo.14の光学ガラスに注目して整理すると、甲第1号証には、
「B_(2)O_(3)含有量が28.0重量%、SiO_(2)含有量が2.0重量%、La_(2)O_(3)含有量が46.5重量%、Y_(2)O_(3)含有量が4.0重量%、ZrO_(2)含有量が7.0重量%、Gd_(2)O_(3)含有量が9.5重量%、WO_(3)含有量が3.0重量%のガラス組成を有し、屈折率ndが1.7902、アッベ数νdが47.8である光学ガラス。」
の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

ウ 申立理由の検討
(ア)本件発明1について
本件発明1と甲1発明を対比すると、甲1発明の「Gd_(2)O_(3)含有量が9.5重量%」、「La_(2)O_(3)含有量が46.5重量%」、「ZrO_(2)含有量が7.0重量%」、「屈折率ndが1.7902」は、それぞれ、本件発明1の「Gd_(2)O_(3)含有量が8.0質量%超」、「La_(2)O_(3)含有量が38?48質量%」、「ZrO_(2)含有量が6?12質量%」、「屈折率ndが1.78?1.80の範囲」に相当する。
また、甲1発明のガラス組成は、B_(2)O_(3)、SiO_(2)、La_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、ZrO_(2)、Gd_(2)O_(3)、WO_(3)以外の成分を含有していないことから、本件発明1の「Nb_(2)O_(5)含有量が1.0質量%未満」、「P_(2)O_(5)含有量が1質量%以下」、「Ta_(2)O_(5)含有量が1.5質量%以下」を満足する。
さらに、甲1発明のガラス組成は、各成分の含有量から、本件発明1の各質量比を算出すると、質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]は「0.067」、質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]は「0.158」、質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]は「0.448」、質量比[Ta_(2)O_(5)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]は「0.000」となることから、本件発明1の「質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.050?0.250」、「質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]が0.360未満」、「質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.405以上0.460未満」、「質量比[Ta_(2)O_(5)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.030未満」を満足する。
したがって、本件発明1は、甲1発明と、
「酸化物基準のガラス組成において、
B_(2)O_(3)、SiO_(2)およびP_(2)O_(5)の合計含有量に対するSiO_(2)含有量の質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.050?0.250、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)およびLu_(2)O_(3)の合計含有量に対するGd_(2)O_(3)の質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]が0.360未満、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するB_(2)O_(3)、SiO_(2)およびP_(2)O_(5)の合計含有量の質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.405以上0.460未満、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するTa_(2)O_(5)の質量比[Ta_(2)O_(5)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.030未満、
Gd_(2)O_(3)含有量が8.0質量%超、
La_(2)O_(3)含有量が38?48質量%、
Nb_(2)O_(5)含有量が1.0質量%未満、
P_(2)O_(5)含有量が1質量%以下、
ZrO_(2)含有量が6?12質量%、
Ta_(2)O_(5)含有量が1.5質量%以下、
であり、
屈折率ndが1.78?1.80の範囲であるガラス」の点で一致し、以下の点で相違している。
(相違点1)
本件発明1では、「La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するNb_(2)O_(5)、TiO_(2)、WO_(3)、およびBi_(2)O_(3)の合計含有量の質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.013未満」であることが特定されているのに対して、甲1発明では、質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]は特定されておらず、甲1発明のガラス組成の各成分含有量から当該質量比を算出した値は「0.045」である点。
(相違点2)
本件発明1では、アッベ数νdが「48?50の範囲」であるのに対して、甲1発明では、「47.8」である点。
まず、相違点1について検討するに、ガラス組成の質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]を0.013未満に特定する技術思想は、甲第1号証に記載も示唆もされていないし、このような技術思想が本件特許に係る出願時の技術常識であるともいえないから、甲1発明のガラス組成において、質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]を0.013未満にすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。
したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

上記相違点1に関して、特許異議申立人は、甲第1号証の「ZrO_(2)は、ガラスの屈折率を高め、液相温度を下げ、化学的耐久性を向上させる効果を有するが、その量が10%を超えると、逆に、失透傾向が増大したり、未溶融物を生じたりして、均質なガラスを得難くなる。」(第2頁左下欄第8?12行)との記載、及び、「WO_(3)は、ガラスの失透に対する安定性を向上させる効果を有するが、その量が10%を超えると着色が増大する。」(第3頁左上欄第5?7行)との記載を根拠にして、ZrO_(2)とWO_(3)の効果が同様であるため、甲1発明のWO_(3)をZrO_(2)に置換して、ZrO_(2)含有量を10.0質量%、WO_(3)含有量を0.0質量%とすることは、通常行われる試行錯誤の範囲内であって、このような組成変更をしたガラス組成は、本件発明1の「質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.013未満」を満たすから、相違点1を解消することは当業者が容易になし得ることである旨を主張している(特許異議申立書第11?14頁(4-3-1)参照)。
しかしながら、甲第1号証の上記記載によれば、ZrO_(2)は、その量が10%を超えるとガラスの失透傾向が増大することからして、ガラスの失透に対する安定性を向上させる効果を有しているとはいえず、WO_(3)と置換可能な等価な成分であるといえないため、甲1発明のWO_(3)をZrO_(2)に置換する動機付けがない。
よって、特許異議申立人の上記主張は採用できない。

(イ)本件発明2?14について
本件発明2?14は、本件発明1を更に限定するものであるから、本件発明1に対する検討と同様に、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえない。

(ウ)小活
以上で検討したとおり、請求項1?14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものでないから、特許異議申立人の主張する申立理由に理由はない。

5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由、及び、特許異議申立書に記載された申立理由によっては、本件請求項1?14に係る特許を取り消すことはできない。
そして、他に本件請求項1?14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物基準のガラス組成において、
B_(2)O_(3)、SiO_(2)およびP_(2)O_(5)の合計含有量に対するSiO_(2)含有量の質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.050?0.250、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)およびLu_(2)O_(3)の合計含有量に対するGd_(2)O_(3)の質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]が0.360未満、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するB_(2)O_(3)、SiO_(2)およびP_(2)O_(5)の合計含有量の質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.405以上0.460未満、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するTa_(2)O_(5)の質量比[Ta_(2)O_(5)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.030未満、
La_(2)O_(3)、Gd_(2)O_(3)、Y_(2)O_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)およびZrO_(2)の合計含有量に対するNb_(2)O_(5)、TiO_(2)、WO_(3)、およびBi_(2)O_(3)の合計含有量の質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.013未満、
Gd_(2)O_(3)含有量が8.0質量%超、
La_(2)O_(3)含有量が38?48質量%、
Nb_(2)O_(5)含有量が1.0質量%未満、
P_(2)O_(5)含有量が1質量%以下、
ZrO_(2)含有量が6?12質量%、
Ta_(2)O_(5)含有量が1.5質量%以下、
であり、
屈折率ndが1.78?1.80の範囲であり、かつアッベ数νdが48?50の範囲であるガラス。
【請求項2】
質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.420以上0.460未満である請求項1に記載のガラス。
【請求項3】
質量比[(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.405以上0.455以下である請求項1に記載のガラス。
【請求項4】
屈折率ndが1.780?1.795の範囲である請求項1?3のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項5】
質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.060?0.200の範囲である請求項1?4のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項6】
質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.072?0.250の範囲である請求項1?4のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項7】
質量比[SiO_(2)/(B_(2)O_(3)+SiO_(2)+P_(2)O_(5))]が0.080?0.250の範囲である請求項1?4のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項8】
Gd_(2)O_(3)含有量が10.84質量%以上である請求項1?7のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項9】
質量比[Gd_(2)O_(3)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3))]が0.330以下である請求項1?8のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項10】
質量比[Ta_(2)O_(5)/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.020以下である請求項1?9のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項11】
質量比[(Nb_(2)O_(5)+TiO_(2)+WO_(3)+Bi_(2)O_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3)+Y_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3)+Lu_(2)O_(3)+ZrO_(2))]が0.012以下である請求項1?10のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項12】
請求項1?11のいずれか1項に記載のガラスからなるプレス成形用ガラス素材。
【請求項13】
請求項1?11のいずれか1項に記載のガラスからなる光学素子ブランク。
【請求項14】
請求項1?11のいずれか1項に記載のガラスからなる光学素子。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-02-26 
出願番号 特願2014-265361(P2014-265361)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (C03C)
P 1 651・ 121- YAA (C03C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田中 永一  
特許庁審判長 菊地 則義
特許庁審判官 金 公彦
宮澤 尚之
登録日 2019-02-01 
登録番号 特許第6472657号(P6472657)
権利者 HOYA株式会社
発明の名称 ガラス、プレス成形用ガラス素材、光学素子ブランク、および光学素子  
代理人 特許業務法人特許事務所サイクス  
代理人 特許業務法人特許事務所サイクス  

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