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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1362217
審判番号 不服2019-11212  
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-08-26 
確定日 2020-05-14 
事件の表示 特願2017-205636「ゲームプログラム、コンピュータの制御方法、およびコンピュータ」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月15日出願公開、特開2018- 23845〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年8月6日を出願日(以下,「原出願日」という。)とする特願2014-160575号の一部を平成27年6月17日に新たな特許出願とした特願2015-122250号の一部を平成29年10月24日に新たな特許出願としたものであって、平成30年9月25日付けで拒絶の理由が通知され、平成31年2月6日付けで意見書が提出されるとともに、手続補正がなされ、令和1年5月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月26日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。


第2 令和1年8月26日付けの手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)後の本願の発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものとなった。
「第1ゲームおよび第2ゲームを含むゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、
プレイヤによって入力された前記第1ゲームのモードの指示情報に応じて、第1モードの前記第1ゲームの実行または第2モードの前記第1ゲームの実行のいずれかを選択する選択機能と、
前記第1モードが選択された場合、前記第1モードの前記第1ゲームを開始させる第1開始処理機能と、
前記第1モードの前記第1ゲームが開始されたとき、前記プレイヤによって入力された指示情報に応じて、所定の進捗量だけ前記第1ゲームを進捗させる第1進捗処理機能と、
前記第2モードが選択された場合、前記第2モードの前記第1ゲームを開始させる第2開始処理機能と、
前記第2モードの前記第1ゲームが開始されたとき、前記プレイヤによって入力された指示情報に応じて、前記所定の進捗量よりも大きい量だけ前記第1ゲームを進捗させる第2進捗処理機能と、
前記第2モードの前記第1ゲームが開始されたとき、前記第2モードの前記第1ゲームを終了する前に、前記第2ゲームに含まれるゲーム処理を開始するゲーム処理機能と、
前記第2ゲームの結果を、前記第2モードの前記第1ゲームに反映する結果反映機能とを実現させるゲームプログラム。」


第3 原査定における拒絶の理由
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(1)請求項 1,2,18,19
引用文献等 1,2
(2)請求項 3-6
引用文献等 1-5
(3)請求項 7-14
引用文献等 1-6
(4)請求項 15-17
引用文献等 1-7
<引用文献等一覧>
1.特開2001-129243号公報
2.特開2003-103053号公報
3.特開2004-113279号公報
4.特開2000-107448号公報
5.特開2014-18310号公報
6.滝沢修,"アイディアファクトリー、PS2「ゲームになったよ!ドクロちゃん」ミニゲームの体験版を公開",[online],2005年10月26日,株式会社ImpressWatch,GAMEWatch,[2014年10月8日検索],インターネット<URL:http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051026/dokuro.htm>
7.特開2005-342065号公報


第4 引用文献
1 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の原出願日前の平成13年5月15日に、頒布された特開2001-129243号公報には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)
(1)「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像表示ゲームシステムに関し、特に例えばモンスター等のキャラクタを対戦,捕獲,育成,交換するビデオゲーム機や携帯ゲーム機において、キャラクタに属性データを付加し、属性データによってゲーム展開が様々に異なる画像表示ゲームシステムに関する。」
(2)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】先行技術は、飽きることが少なく、比較的長く楽しむことができ、友達とのモンスターの交換を通じて友達との会話や親交を深めるのに役立つが、モンスターを交換するだけで、それに付加した面白味がないとやがて飽きられることになる。
【0004】それゆえに、この発明の主たる目的は、モンスターにウイルスが感染するという概念を取り入れて、より一層の変化に富み、興趣を一層高めることができ、友達とモンスターを交換する意欲をかき立てられるような、画像表示ゲームシステムを提供することである。」
(3)「【0007】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の画像表示装置の一例の携帯ゲーム機の外観図である。図2はそのブロック図である。図1において、この実施例の画像表示ゲームシステムは、情報記憶媒体の一例のゲームカートリッジ10とゲームカートリッジを着脱自在な画像表示ゲーム装置の一例の携帯ゲーム機20とから構成され、このゲームカートリッジ10を装着した携帯ゲーム機20が少なくとも2台準備される。
【0008】ゲームカートリッジ(又はROMカートリッジ;以下、「カートリッジ」と略称する)10Aは、図2に示すように、プログラム記憶手段の一例の不揮発性メモリ(以下「ROM」という)11,一時記憶手段の一例の書込み読出し可能メモリ(以下「RAM」という)12,コネクタ13,時計回路(タイマ)14,メモリバンク切換制御回路15及び通信手段(回路)の一例の赤外線送受信器16を基板(図示せず)に実装し、その基板をケース又はハウジング(図示せず)に内蔵して構成される。これらのROM11,RAM12,時計回路14,メモリバンク切換制御回路15及び赤外線送受信器16は、データバス及びアドレスバスを介してコネクタ13の各端子に接続され、携帯ゲーム機20のコネクタ24に接続される。なお、既発売のカートリッジ10は、図2の左横に示すように、ROM11,RAM12及びコネクタ13から構成される。
【0009】不揮発性メモリ(以下「ROM」という)11は、ゲームプログラムを固定的に記憶したものであり、例えばROM,フラッシュメモリ,EE-PROM等が用いられる。」(4)「【0010】より具体的には、プログラム領域111は、ゲーム内容に応じたプログラムとして、メインプログラム,スイッチ処理プログラム,オブジャクト(又はキャラクタ)制御プログラム,画像処理プログラム及び音声処理プログラム等を記憶する領域である。例えば、ゲーム内容に応じたプログラムとしては、ゲーム内容がモンスターの捕獲及び育成ゲームであれば、捕獲プログラム,育成プログラム等を記憶するとともに、各モンスターのドット(画像)データを記憶するものであって、他の携帯ゲーム機20’とのデータ交換のためのプログラムや、既発売のカートリッジ10Bとの互換性を確保するためのプログラムを記憶している。…
【0012】書込み読出し可能メモリ(一時記憶手段;以下「RAM」という)12は、ゲームの進行に関連して取得した複数のキャラクタ別に複数種類の属性データを記憶する領域を含む。RAM12の記憶領域は、図4に示すように、獲得(又は取得)したモンスターを記憶する取得モンスターデータ領域12A,手持ちモンスター記憶領域12B,対戦データ記憶領域12C,テーブル領域12D及びその他の記憶領域12Eを含む。取得モンスターデータ記憶領域12Aは、架空のモンスター(ポケモン)等のキャラクタ毎に、エリア120?128及び12a?12dを含む。エリア120は、モンスターコード(又はモンスター番号)を記憶するエリアである。エリア121は、各モンスターコード毎にモンスターの強さを示すヒットポイント(HP)を記憶する。エリア122は経験値を記憶する。エリア123はレベルを記憶する。エリア124はモンスターの状態を記憶する。エリア125は使用できる技(持ち技)データを記憶する。エリア126は、各モンスター毎の捕獲者である親の識別データ(プレイヤの名前又はIDデータ)を記憶する。エリア127は、攻撃力,防禦力,特殊攻撃力,特殊防禦力,素早さ等の能力値を記憶する。エリア128はその他のデータを記憶するための空きエリアである。エリア12aはモンスターの性別を記憶する。エリア12bは、モンスターが敵と対戦するときに使用可能な武器等の持物アイテムを記憶する。エリア12cは、モンスターがウイルスに感染している状態の有無及び/又は感染しているウイルスの種類のデータ(ウイルスデータ)を記憶する。エリア12dはその他のデータを記憶する空きエリアである。ここで、エリア120?128は、新たに販売されるカートリッジ10A及び既に販売しているカートリッジ10Bに共通して割り当てられる記憶エリアであり、この部分のデータについては互換性を有している。エリア12a?12dは、新たに販売されるカートリッジ10Aにのみ割り当てられる固有のエリアである。
【0013】手持ちモンスターデータ記憶領域12Bは、記憶領域12Aに記憶されているモンスターのうち、プレイヤによって選択されかつ主人公キャラクタが旅に連れていくことのできる6匹のモンスターのコード又は番号を記憶する領域である。対戦データ記憶領域12Cは、通信ケーブル40を使用して対戦した友達(トレーナ)の名前と、その友達が対戦に使用したモンスターの各種データ(モンスターコード,HP,レベル等)を記憶する。対戦データ記憶領域12Cは、対戦キャラクタデータ(モンスターの名前)を記憶するエリアと、対戦モンスター別の上記エリア120?12dに対応するデータを記憶するエリアとを含む。テーブル領域12Dは、赤外線送受信器16を使用して識別コードを通信又は交換したときにその識別コードに基づいて付与されるアイテムを決定するためのテーブルデータや、歩数計50との通信によって歩数データが与えられたときに歩数に応じて付与するアイテムを決定するためのテーブルデータを記憶する。」
(4)「【0021】図8はこの発明の一実施例のゲーム内容を説明するためのゲームマップの一例を示す。次に、図8を参照して、この実施例のゲーム内容の概要を説明する。例えば、ゲーム内容が架空のモンスターを捕獲(収集)し育成し、捕獲・育成したモンスターを友達のモンスターと対戦させるゲームの場合は、主人公キャラクタがモンスターを捕獲・収集するために旅に出る設定である。そして、主人公キャラクタが道路を通って池,森,田畑等のモンスター生息場所に入りモンスターに遭遇すると、遭遇したモンスターと先に捕獲し育成しているモンスターとを対戦させ、対戦に勝つと遭遇したモンスターを捕獲でき、プレイヤが持っていない新しいモンスターを追加することができる。これを繰り返すことにより、プログラム的に設定されている一定数(最大数)のモンスターを捕獲して、図鑑を完成させる。この場合、主人公キャラクタが旅に連れて行くことのできるモンスターは、一定数(例えば6匹)に定められ、これを手持ちモンスターと呼ぶ。
【0022】すなわち、プレイヤがスタートスイッチ22cを押圧すると、ゲームがスタートし、タイトル画面が表示された後、図8に示す或るステージの全体マップ上のゲーム開始時の画面(図8の一部)が表示される。プレイヤは、方向スイッチ22aを操作してプレイヤキャラクタ(又はプレイヤオブジェクト)をマップ上で移動させながら、モンスターの潜んでいると思われる場所へ行きモンスターを捕獲する。モンスターの潜んでいる場所は、モンスターの種類が水中に住んでいるものであれば池や海等であり、モンスターの種類が草食性であれば草原や畑や森の中等である。

【0024】プレイヤがモンスターを捕獲すると、捕獲モンスター番号が記憶領域12Aの空きエリアにおける書き込まれると同時に、当該モンスターの現在有しているヒットポイント(HP),経験値,レベル,状態,持ち技,能力等がエリア120?128にそれぞれ書き込まれる。また、プレイヤの使用しているカートリッジがモンスター別に性別,持物,ウイルス等の属性も有するものであれば、そのデータがエリア12a?12cに書き込まれる。ここで、ウイルスに感染しているモンスターは稀少価値を有するものであって、トレーニングによってHP,経験値,レベル,能力値等の上昇する速度がウイルス感染していないモンスターに比べて高く設定されている。従って、プレイヤは、自分の捕獲したモンスターを早く成長させ又は育成するために、ウイルスに感染したモンスターを探し求め、先に捕獲しているモンスターを感染済モンスターと一緒に手持ちモンスターとした場合(又は同じ飼育箱に入れた場合でもよい)、他のモンスターもウイルスに感染させて、成長を促進させるようとする。このように、成長又はレベルアップを促進させるウイルスの感染という魔法を利用して、モンスターの成長を促進すれば、同じレベルの成長に要するトレーニング時間を短縮できる利点がある。」
(5)「【0031】図9を参照して、全体フローの動作の概略を説明する。まず、ステップ(図示ではSの記号で示す)1において、スタートスイッチ22cの操作に応じて、CPU23はROM11に記憶されているプログラムの処理を行う。以下の説明では、CPU23がプログラム処理を行う場合、処理手段であるCPU23を主語として記載することを省略する。始めに、ゲーム開始処理が行われる。ゲーム開始処理は、モード選択画面を表示し、モードコマンドの選択に応じて処理するものである。モード選択画面としては、ゲームは始めからスタートするゲームスタートモード、前回のプレイの続きからゲームを始めるコンティニューモード、友達との識別データ(又はIDデータ)を通信してゲームの進行に役立つアイテム(援助アイテム)をプレゼントする不思議な贈り物モード、及び歩数計とのデータ通信を行うモード等がある。ゲームスタートモードが選択された場合は、内蔵RAM25をクリアした後、ゲームを開始する。コンティニューモードが選択された場合は、内蔵RAM25をクリアした後、カートリッジ10AのRAM12に記憶されているこれまでのゲーム進行状態に関するバックアップデータが読み出され、RAM25に書き込まれる。従って、RAM25には、ゲーム開始時にRAM12に記憶されているバクアップデータと同一のデータを記憶し、以後のゲームの進行に併せて最新のゲーム進行状態のデータが記憶されることになる。不思議な贈り物モードが選択された場合は、ステップ8及びそのサブルーチンの図14の処理が行われるが、後述する。歩数計とのデータ通信モードが選択された場合は、図16に示す処理が行われるが、後述する。
【0032】ステップ2において、プレイヤオブジェクト(又はキャラクタ)の処理が行われる。この処理は、方向スイッチ22aの操作に応じてプレイヤオブジェクトを移動させるとともに、動作スイッチ22cに応じてプレイヤオブジェクトの表示状態を変化させる処理である。ステップ3において、他のオブジェクトの処理が行われる。この処理は、プレイヤオブジェクトの移動に関連して、プログラム設定に従って敵オブジェクトを出現させたり、味方オブジェクトを表示させる処理である。ステップ4において、背景画像の処理が行われる。この処理は、プレイヤオブジェクトの移動又は動作に関連して、背景画像を変化させる処理である。
【0033】続くステップ5において、通常ゲーム処理が行われる。通常ゲーム処理は、例えば後述の図10に示すサブルーチンに沿って行われる。ステップ6において、ウイルス消去(又は除去)処理が行われる。このウイルス消去処理は、図10のステップ13に示すウイルス感染処理(その詳細は、図11に示すウイルス感染処理サブルーチンの処理)によってウイルスに感染したモンスターがウイルスに感染した時点から所定時間経過した後、ウイルス感染状態を消去して、感染前の状態に戻す処理であり、後述の図12に示すサブルーチンに沿って行われる。
【0034】続くステップ7において、対戦ゲーム処理が行われる。対戦ゲーム処理は、ケーブルを介して友達のゲーム機20と図5のように接続した状態で通信対戦を行うモードの処理であって、例えば後述の図13に示すサブルーチンのフローチャートに沿って行われる。ステップ8において、不思議な贈り物処理が行われる。この贈り物ゲーム処理は、図6のようにゲーム機20同士を赤外線送受信器16を介して識別データを交換することによってゲームの進行に役立つ援助アイテムを付与する場合の処理であって、例えば後述の図14に示すサブルーチンに沿って行われる。ステップ9において、歩数計との通信処理が行われる。この通信処理は、図7のように歩数計機能付きゲーム機50から赤外線送受信器51,16を介して歩数データをゲーム機20に通信するモードの処理であり、例えば後述の図16に示すサブルーチンに沿って行われる。以下には、図10?図14,図16のサブルーチンの動作を説明する。」
(6)「【0035】図10を参照して、通常ゲーム処理を説明する。主人公キャラクタがマップ内を移動しているとき、ステップ11において、モンスター(図示では、ポケットモンスターの略称である「ポケモン」と表記する)に会ったか否かが判断される。図18に示すように、主人公キャラクタがモンスターに出会うと、そのことが判断されて、ステップ12において対戦処理が行われる。対戦処理は、主人公キャラクタの手足となって旅の進行を助けるモンスター(捕獲・育成したもの)が移動経路に潜んでいる野性のモンスターと対戦し、野性モンスターを倒すことにより主人公の所有しているモンスターの経験値を上昇させるか、又は野性モンスターを捕獲するための処理である。その後、ステップ13においてウイルス感染処理が行われるが、この処理は図11を参照して後述する。
【0036】一方、ステップ11においてモンスターに会わなかったことが判断されると、ステップ14へ進む。ステップ14において、一般の人物(トレーナと呼ばれるモンスターを捕獲・育成しているライバル)に会ったか否かが判断される。主人公キャラクタが図18に示すようにマップ上を移動しているとき、一般の人物に会ったことが判断されると、そのことが判断されて、ステップ15へ進む。ステップ15において、主人公と同行しかつ主人公の分身として対戦する6匹のモンスターの各種データが読み出され、対戦の準備が行われる。具体的には、記憶領域12Bに記憶されている第1?第6のモンスターの番号に対応する記憶領域12Aのモンスター番号であって、エリア120?12dに記憶しているデータが読み出される。続くステップ16において、相手トレーナとの対戦処理が行われる。この場合の処理は、主人公(プレイヤ)キャラクタが相手トレーナと対戦するものであり、相手トレーナの画像と主人公キャラクタが表示されて、対戦場面に突入したことが表示される(図19に示す対戦画面参照)。その後、主人公と相手トレーナに代わって対戦するモンスターが6匹の中から1匹ずつ選び出されて、対戦場所で対峙するように表示される(図20に示す対戦画面参照)。このとき、主人公と相手トレーナのそれぞれのモンスターの名称,ヒットポイント,ライフ等のデータが併せて表示され、これと同時に攻撃側の動作と防禦側の動作がメッセージとして表示され、このメッセージが攻守を代えて表示される。この対戦動作において、主人公キャラクタの旅に同行させることのできる6匹のうち、対戦しているモンスターの能力を確認して相手トレーナの繰り出すモンスターとの相性を知りたい場合は、画面切換えのためのスイッチを操作すると、当該モンスターの能力(ステータス)が表示される(図21に示す画面参照)。対戦を継続して、主人公のモンスターが相手トレーナのモンスターを倒すことに成功すると、主人公モンスター(審決注:「主人公のモンスター」の誤記と認める。)の経験値をレベルアップさせる処理が行われる。その後、ステップ13へ進み、ウイルス感染処理が行われる。」
(7)「【0038】次に、ステップ13のウイルス感染処理、すなわち図11に示すウイルス感染処理サプルーチンを説明する。この実施例では、モンスターが対戦中にウイルスに感染する確率は、1/20000に設定され、1匹が感染したときはそのウイルスに感染しているモンスターの序列の前後に並べられている他のモンスターが1/3の確率で感染する。感染している期間(感染状態継続期間又は感染持続時間)は、ウイルスの種類によって異なるように設定されている。そして、この実施例では、ウイルスに感染することがプレイヤにとって悪いことではなく、モンスターの成長又は進化を促進する等の有利な条件又は環境として利用される。…
【0040】一方、前述のステップ22において、対戦相手のモンスターがウイルスに感染していることが判断されると、ステップ23以後の動作ステップへ進み、予め定める確率で自分の手持ちのモンスターをウイルスに感染させるための処理が以下のように行われる。すなわち、ステップ23において、CPU23がプログラムに基づいて乱数データ(R1)を発生する。ここで、乱数データR1は、0?19999の整数であり、ランダムに発生される。従って、ウイルス感染させることの可能なモンスターが出現した場合、2万回対戦して1回の割合でウイルスに感染することが可能となる。ステップ24において、乱数データR1が0(ゼロ)か否かが判断され、R1=0でなければウイルス感染しなかったものとして、ウイルス感染処理(図10のステップ13、図11全体の処理)を終了して、ステップ9へ戻る。

【0044】以上のように、ウイルス感染したモンスターは、進化の速度又はレベルアップの速度が早くなり、ゲームを有利に進行させることができる。そのためには、通常ゲーム処理において、モンスターのレベルをアップすべき条件になったときの1回当たりに加算されるレベルアップ値がウイルス感染の有無によって異なるように設定される。感染したウイルスの種類によっては、ゲームの進行に有利な能力を付与する他の例として、相手からの攻撃に対するダメージの量を小さくする(又は防禦力をアップさせる)か、攻撃力をアップする等が考えられる。」
(8)上記(3)【0012】のRAMに記憶されている「複数のキャラクタ」とは、獲得(又は取得)したモンスターの情報が記憶されていることから、「複数のモンスター」であることは明らかである。
(9)上記(6)より、「主人公のモンスター」とは、「主人公キャラクタに代わって対戦するモンスター」と認める。
また、通常のゲーム処理には、主人公キャラクタがマップ上を移動しているとき、一般の人物(トレーナと呼ばれるモンスターを捕獲・育成しているライバル)に会うと、主人公キャラクタが旅に連れていくことのできる6匹のモンスターのうちの主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターと相手トレーナのモンスターとが対戦する対戦処理である相手トレーナとの対戦処理が含まれると認められる。
そして、上記(5)及び(6)より、ゲームの全体フローには、ステップ5としての通常ゲーム処理が含まれ、通常ゲーム処理には、ステップ16としての相手トレーナとの対戦処理が含まれるものである。
さらに、上記(4)のトレーニングがゲームに含まれるステップの一つであることは明らかである。
してみると、引用文献1記載のゲームは、相手トレーナとの対戦処理、及びトレーニングを含むゲーム、であると認められる。
(10)上記(4)及び(7)より、ウイルスに感染しているモンスターは、進化の速度又はレベルアップの速度がウイルス感染していないモンスターに比べて早く設定されていると認められる。

上記記載事項(1)乃至(10)から、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。(以下、「引用発明1」という。)
「画像表示ゲームシステムを構成するゲームカートリッジとゲームカートリッジを着脱自在な携帯ゲーム機のゲームカートリッジの基板に実装されるROMに固定的に記憶されたゲームプログラムであって、
ゲームカートリッジの基板には、RAMも実装され、
RAMは、ゲームの進行に関連して取得した複数のモンスター別に複数種類の属性データを記憶する領域であって、獲得(又は取得)したモンスターを記憶する取得モンスターデータ領域12A,手持ちモンスター記憶領域12Bを含み、取得モンスターデータ領域12Aのエリア12cには、モンスターがウイルスに感染している状態の有無及び/又は感染しているウイルスの種類のデータ(ウイルスデータ)が記憶され、手持ちモンスターデータ記憶領域12Bには、記憶領域12Aに記憶されているモンスターのうち、プレイヤによって選択されかつ主人公キャラクタが旅に連れていくことのできる6匹のモンスターのコード又は番号が記憶され、
ゲームは、相手トレーナとの対戦処理、及びトレーニングを含み、
プレイヤがスタートスイッチを押圧すると、ゲームがスタートし、
相手トレーナとの対戦処理は、主人公キャラクタがマップ上を移動しているとき、一般の人物(トレーナと呼ばれるモンスターを捕獲・育成しているライバル)に会うと、主人公キャラクタが旅に連れていくことのできる6匹のモンスターのうちの主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターと相手トレーナのモンスターとが対戦する対戦処理であり、主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターが相手トレーナのモンスターを倒すことに成功すると、主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターの経験値をレベルアップさせる処理が行われ、
トレーニングによってHP,経験値,レベル,能力値等の上昇する速度がウイルス感染していないモンスターに比べて高く設定することができ、
ウイルスに感染しているモンスターは、進化の速度又はレベルアップの速度がウイルス感染していないモンスターに比べて早く設定されている、
ゲームプログラム。」

2 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の原出願日前の平成15年4月8日に、頒布された特開2003-103053号公報には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)
(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 プレイヤによって操作されるキャラクタに予め設けられた能力を表すパラメータに基づいてビデオゲームを進行させるためのゲーム進行制御プログラムであって、
主として行われるビデオゲームであるメインゲームの進行に影響を与え得る能力をプレイヤによる操作を受け付けることによってテストするためのビデオゲームであるサブゲームを実行するサブゲーム実行手段と、
前記サブゲームの結果に基づいて前記メインゲームのゲーム状況を変更するゲーム状況変更手段としてビデオゲーム装置を機能させることを特徴とするゲーム進行制御プログラム。」
(2)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレイヤによって操作されるキャラクタに予め設けられた能力を表すパラメータに基づいてビデオゲームを進行させるためのゲーム進行制御プログラム、ゲーム進行制御方法及びビデオゲーム装置に関するものである。」
(3)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ビデオゲームでは、プレイヤの能力に関係無く、予め設定されている能力のパラメータの値によってキャラクタが動作される。そのため、例えば敏捷性の能力の低いプレイヤが敏捷性の能力のパラメータの値の高いキャラクタを選択した場合や、敏捷性の能力の高いプレイヤが敏捷性の能力のパラメータの値の低いキャラクタを選択した場合に、プレイヤの能力とキャラクタの能力とが一致せず、興趣性に欠ける場合がある。
【0005】また、ビデオゲームは、プレイヤ自身の能力がキャラクタに反映されることで実際にビデオゲーム空間内で自身がプレイしているような感覚を味わうことができる。そのため、ビデオゲームに登場する複数のキャラクタのうちプレイヤの能力に近似する能力を有するキャラクタを選択することが可能であるが、このキャラクタが必ずしもプレイヤの能力と一致するとは限らない。
【0006】本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、プレイヤの能力がビデオゲームに反映されるゲーム進行制御プログラム、ゲーム進行制御方法及びビデオゲーム装置を提供することを目的とするものである。」
(4)「【0050】図3は図2に示すビデオゲーム装置の主要機能を示すブロック図である。図3に示すように、ビデオゲーム装置は、機能的には、プログラム実行部80、データ記憶部90、プログラム記憶部100、表示部110及び操作部120を含む。【0051】プログラム実行部80は、例えば中央演算部50で構成され、中央演算部50等がRAM60に記憶されているゲーム進行制御プログラムを実行することによって、サブゲーム実行処理部81、パラメータ設定部82、ゲーム状況変更部83及びメインゲーム実行処理部84として機能する。
【0052】サブゲーム実行処理部81は、主として行われるビデオゲームであるメインゲームの進行に影響を与え得る能力をプレイヤによる操作を受け付けることによってテストするためのビデオゲームであるサブゲームを実行する。能力は技量、運及び人気度等を含み、技量は体力、正確性及び敏捷性等を含む。そのため、サブゲーム実行処理部81は、プレイヤの技量をテストするためのサブゲームを実行し、体力、正確性及び敏捷性をテストするためのサブゲームを実行し、プレイヤの運をテストするためのサブゲームを実行し、プレイヤの人気度をテストするためのサブゲームを実行する。また、サブゲーム実行処理部81は複数種類の能力に対応する複数種類のサブゲームを実行する。
【0053】パラメータ設定部82は、サブゲームの結果に基づいてプレイヤによって操作されるキャラクタのパラメータの値を設定する。
【0054】ゲーム状況変更部83は、パラメータ設定部82によって設定されたパラメータの値に応じてメインゲームのゲーム状況を変更する。また、ゲーム状況変更部83は複数の通信可能に接続されたビデオゲーム装置1をサブゲームの結果に基づいて組分けをする。
【0055】メインゲーム実行処理部84は、メインゲーム(本実施の形態ではスノーボードゲーム)を実行する。」
(5)「【0083】ステップS5においてメインゲーム実行処理部84はメインゲーム(ここではスノーボードゲーム)の初期化を行う。ステップS6においてメインゲーム実行処理部84はメインゲームを開始し、メインゲームを実行する。ステップS7においてゲーム状況変更部83は、ステップS3において設定されたパラメータに応じてゲーム状況を変更する。つまり、体力パラメータの値に応じてメインゲームにおけるキャラクタのジャンプする高さが変化し、体力パラメータの値が大きいキャラクタほど高くジャンプすることが可能となる。なお、この体力パラメータの値はキャラクタのジャンプ力だけでなく、他のキャラクタに対する当たりの強さ等にも影響を与える。」

上記記載事項(1)乃至(5)から、引用文献2には次の発明が記載されていると認められる。(以下、「引用発明2」という。)
「プレイヤによって操作されるキャラクタに予め設けられた能力を表すパラメータに基づいてビデオゲームを進行させるためのゲーム進行制御プログラムであって、
主として行われるビデオゲームであるメインゲームの進行に影響を与え得る能力をプレイヤによる操作を受け付けることによってテストするためのビデオゲームであるサブゲームを実行するサブゲーム実行手段と、
前記サブゲームの結果に基づいて前記メインゲームのゲーム状況を変更するゲーム状況変更手段としてビデオゲーム装置を機能させることを特徴とするゲーム進行制御プログラム。」


第4 対比
本願発明と引用発明1とを対比する。
後者の「ゲームプログラム」、「携帯ゲーム機」、「トレーニング」及び「ゲーム」は、それぞれ、前者の「ゲームの進行を処理するゲームプログラム」、「コンピュータ」、「第2ゲーム」及び「ゲーム」に相当する。
後者の「ゲーム」における「トレーニング」は、前者の「第2ゲーム」に相当するから、後者の「『トレーニング』以外の『相手トレーナとの対戦処理』を含む『ゲーム』」は、前者の「第1ゲーム」に相当する。
後者の「主人公キャラクタが旅に連れていくことのできる6匹のモンスター」は、「取得モンスターデータ領域12Aに記憶されているモンスターのうち、プレイヤによって選択され」たものであって、かつ、「モンスター」には「ウイルスに感染して」「いる」(「有」)ものと「ウイルスに感染して」いない(「無」)ものとがあるから、後者の「トレーニング」以外の「相手トレーナとの対戦処理」を含む「ゲーム」において、後者の「ウイルスに感染している」「モンスター」を選択し「主人公キャラクタが旅に連れて行く」「ゲーム」は、前者の「第1モード」の「第1ゲーム」に相当し、後者の「ウイルスに感染して」いない「モンスター」を選択し「主人公キャラクタが旅に連れて行く」「ゲーム」は、前者の「第2モード」の「第1ゲーム」に相当する。
そして、「主人公キャラクタが旅に連れていくことのできる6匹のモンスター」が、「プレイヤによって選択され」たものであって、「ウイルスに感染して」「いる」(「有」)「モンスター」を選択するか、「ウイルスに感染して」いない(「無」)「モンスター」を選択するかは、プレイヤの選択事項であることからすると、後者の「ゲームプログラム」は、前者の「プレイヤによって入力された第1ゲームのモードの指示情報に応じて、第1モードの第1ゲームの実行または第2モードの第1ゲームの実行のいずれかを選択する選択機能」を実現する「ゲームプログラム」を備えるものである。
後者の「ゲーム」は、「プレイヤがスタートスイッチを押圧すると」「スタート」するものであるから、「プレイヤによって入力された指示情報に応じて」「実行」される「ゲーム」といえるとともに、後者の「ゲームプログラム」は、前者の「第1モードが選択された場合、第1モードの第1ゲームを開始させる第1開始処理機能」、及び「第2モードが選択された場合、第2モードの第1ゲームを開始させる第2開始処理機能」を実現する「ゲームプログラム」を備えるものである。
後者の「相手トレーナとの対戦処理」である「主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターと相手トレーナのモンスターとが対戦」することは、プレイヤによる入力指示によって実行されるものであることは明らかな事項であるから、後者の「相手トレーナとの対戦処理」は、「プレイヤによって入力された指示情報に応じて」なされたものといえる。
そして、後者の「主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターが相手トレーナのモンスターを倒すことに成功すると、主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターの経験値をレベルアップさせる処理」は、前者の「第1ゲームを進捗させる進捗処理機能」に相当する。
ここで、後者の「ウイルスに感染しているモンスター」は「進化の速度又はレベルアップの速度がウイルス感染していないモンスターに比べて早く設定されている」ものであるから、後者の「相手トレーナとの対戦処理」を含む「ゲーム」において、「ウイルスに感染しているモンスター」を選択した「ゲーム」の場合は、「相手トレーナのモンスターを倒すことに成功すると」、「主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターの進化の速度又はレベルアップの速度」は、「ウイルスに感染して」いない「モンスター」を選択した「ゲーム」の場合に比べて、「早く設定され」ているものである。
してみると、後者の「相手トレーナとの対戦処理」を含む「ゲーム」において、「ウイルスに感染して」いない「モンスター」を選択した「ゲーム」の場合の「モンスターの経験値をレベルアップさせる処理」は、前者の「第1モードの第1ゲームが開始されたとき、プレイヤによって入力された指示情報に応じて、所定の進捗量だけ第1ゲームを進捗させる第1進捗処理機能」に相当し、「ウイルスに感染しているモンスター」を選択した「ゲーム」の場合「モンスターの経験値をレベルアップさせる処理」は、前者の「第2モードの第1ゲームが開始されたとき、プレイヤによって入力された指示情報に応じて、所定の進捗量よりも大きい量だけ第1ゲームを進捗させる第2進捗処理機能」に相当する。
後者の「トレーニング」は、「ゲーム」に含まれる、すなわち、「ゲーム」の一部を構成するものであるから、後者の「トレーニング」が、「ゲーム」の開始されたとき、及び終了する前に含まれることは明らかである。

したがって、本願発明と引用発明1とは、
「第1ゲームおよび第2ゲームを含むゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、
プレイヤによって入力された前記第1ゲームのモードの指示情報に応じて、第1モードの前記第1ゲームの実行または第2モードの前記第1ゲームの実行のいずれかを選択する選択機能と、
前記第1モードが選択された場合、前記第1モードの前記第1ゲームを開始させる第1開始処理機能と、
前記第1モードの前記第1ゲームが開始されたとき、前記プレイヤによって入力された指示情報に応じて、所定の進捗量だけ前記第1ゲームを進捗させる第1進捗処理機能と、
前記第2モードが選択された場合、前記第2モードの前記第1ゲームを開始させる第2開始処理機能と、
前記第2モードの前記第1ゲームが開始されたとき、前記プレイヤによって入力された指示情報に応じて、前記所定の進捗量よりも大きい量だけ前記第1ゲームを進捗させる第2進捗処理機能と、
前記第2モードの前記第1ゲームが開始されたとき、前記第2モードの前記第1ゲームを終了する前に、前記第2ゲームに含まれるゲーム処理を開始するゲーム処理機能と、
を実現させるゲームプログラム。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点]
本願発明が、「第2ゲームの結果を、第2モードの第1ゲームに反映する結果反映機能」を有しているのに対し、引用発明1は、「トレーニング」の結果を「ウイルスに感染している」「モンスター」を選択した「ゲーム」に反映しているのか否か定かでない点。

第5 判断
上記相違点について、以下に検討する。
引用発明1において、主人公キャラクタが旅に連れていくことのできる6匹のモンスターのうちの主人公キャラクタに代わって対戦するモンスターとして、トレーニング後のモンスターを用いれば、当該トレーニングによって上昇したHP,経験値,レベル,能力値等が対戦に反映されることは、明らかな事項である。
してみると、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項は、引用発明1において、当業者が適宜なし得る程度のことである。
また、引用発明2の「メインゲーム」、「サブゲームの結果」及び「メインゲームのゲーム状況を変更する」ことは、それぞれ、本願発明の「第2モードの第1ゲーム」、「第2ゲームの結果」及び「第2モードの第1ゲームに反映する」ことに相当し、引用発明2の「メインゲームのゲーム状況を変更するゲーム状況変更手段」は、本願発明の「第2モードの第1ゲームに反映する結果反映機能」を有しているといえる。
してみると、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項は、引用発明2に示されているといえる。
そうすると、引用発明1の「トレーニング」の結果において、引用発明2を適用し、「トレーニング」の結果を「ウイルスに感染している」「モンスター」を選択した「ゲーム」に反映することは、当業者が容易に想到し得るものである。

そして、本願発明によって奏される効果も、引用発明1及び引用発明2から当業者が予測し得る範囲内のものといえる。

したがって、本願発明は、引用発明1及び引用発明2より、当業者が容易に想到できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-03-16 
結審通知日 2020-03-17 
審決日 2020-03-31 
出願番号 特願2017-205636(P2017-205636)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宇佐田 健二  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 藤本 義仁
河内 悠
発明の名称 ゲームプログラム、コンピュータの制御方法、およびコンピュータ  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 博宣  

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