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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1362609
審判番号 不服2018-7444  
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-31 
確定日 2020-05-19 
事件の表示 特願2016-518729「制御情報送信方法、ユーザ機器、および基地局」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月 2日国際公開、WO2015/042973、平成28年10月13日国内公表、特表2016-532350〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)9月30日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成28年 5月27日 手続補正書の提出
平成29年 5月30日付け 拒絶理由通知書
平成29年 9月 4日 意見書、手続補正書の提出
平成30年 2月 6日付け 拒絶査定
平成30年 5月31日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提 出
令和 元年 6月 5日付け 拒絶理由通知書(当審)
令和 元年 9月10日 意見書、手続補正書の提出


第2 本願発明
本願の請求項1?14に係る発明は、令和元年9月10日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?14に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものと認める。

「 第1のサービングセルに対応するダウンリンク制御チャネルのダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットをユーザ機器によって決定するステップであって、前記第1のサービングセルが、前記ユーザ機器に対応するサービングセルであり、前記DCIフォーマットが、前記第1のサービングセルの複信モードおよび前記第1のサービングセルに対応するハイブリッド自動再送要求-肯定応答(HARQ-ACK)のフィードバックの方法の組み合わせパターンに応じて決定される、ステップと、
決定されたDCIフォーマットに応じて前記ダウンリンク制御チャネルを前記ユーザ機器によって検出するステップとを含む、制御情報送信方法。」


第3 当審における拒絶の理由
令和元年6月5日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、

「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」

というものであり、補正前の請求項1に対して引用例1が引用されている。

引用例1:国際公開第2012/142123号


第4 引用発明について
当審拒絶理由で引用された国際公開第2012/142123号(引用例1)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。)

1.「[0002] The present disclosure relates generally to communication, and more specifically to techniques for transmitting control information in a wireless communication network.
(中略)
[0005] A wireless communication network may support operation on multiple component carriers (CCs). A CC may refer to a range of frequencies used for communication and may be associated with certain characteristics. For example, a CC may be associated with system information defining operation on the CC. A CC may also be referred to as a carrier, a frequency channel, a cell, etc. A base station may send data and downlink control information (DCI) on one or more CCs to a UE. The UE may send data and uplink control information (UCI) on one or more CCs to the base station.
(中略)
[0007] In one design, a base station may determine first and second CCs configured for a UE for carrier aggregation. The first and second CCs may be associated with first and second control messages, respectively, having different definitions. For example, one CC may be configured for frequency division duplex (FDD), and the other CC may be configured for time division duplex (TDD). A control message for the FDD CC may have a different definition than a control message for the TDD CC. The base station may send first control information for the first CC based on the definition of the second control message for the second CC, instead of the definition of the first control message for the first CC.」(1?2ページ)
(当審訳:[0002] 本開示は、一般に通信に関し、より詳細には、ワイヤレス通信ネットワークにおいて制御情報を送信するための技法に関する。
(中略)
[0005] ワイヤレス通信ネットワークは、複数のコンポーネントキャリア(CC:component carrier)上での動作をサポートし得る。CCは、通信のために使用される周波数のレンジを指し得、いくつかの特性に関連し得る。たとえば、CCは、CC上での動作を定義するシステム情報に関連し得る。CCは、キャリア、周波数チャネル、セルなどと呼ばれることもある。基地局は、1つ又は複数のCC上でデータとダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)とをUEに送ることができる。UEは、1つ又は複数のCC上でデータとアップリンク制御情報(UCI:uplink control information)とを基地局に送ることができる。
(中略)
[0007] 1つの設計では、基地局が、キャリアアグリゲーションのためのUEのために構成された第1及び第2のCCを決定し得る。第1及び第2のCCは、それぞれ、異なる定義を有する、第1及び第2の制御メッセージに関連し得る。たとえば、あるCCは周波数分割複信(FDD)のために構成され得、他のCCは時分割複信(TDD)のために構成され得る。FDD CCのための制御メッセージは、TDD CCのための制御メッセージとは異なる定義を有し得る。基地局は、第1のCCのための第1の制御メッセージの定義の代わりに、第2のCCのための第2の制御メッセージの定義に基づいて第1のCCのための第1の制御情報を送り得る。)

2.「 [0037] For both FDD and TDD, a cell may transmit a Physical Downlink Control Channel (PDCCH), a Physical HARQ Indicator Channel (PHICH), and/or other physical channels in a control region of a downlink subframe. The PDCCH may carry downlink control information (DCI) such as downlink grants, uplink grants, etc. The PHICH may carry ACK/NACK feedback for data transmission sent on the uplink with HARQ. The cell may also transmit a Physical Downlink Shared Channel (PDSCH) and/or other physical channels in a data region of a downlink subframe. The PDSCH may carry data for UEs scheduled for data transmission on the downlink. A UE may transmit either a Physical Uplink Control Channel (PUCCH) in a control region of an uplink subframe or a Physical Uplink Shared Channel (PUSCH) in a data region of the uplink subframe. The PUCCH may carry uplink control information (UCI) such as channel state information (CSI), ACK NACK, scheduling request, etc. The PUSCH may carry data and/or UCI. The various signals and channels in LTE are described in 3 GPP TS 36.211, entitled "Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation," which is publicly available. 」(7ページ)
(当審訳:[0037] FDDとTDDの両方について、セルは、ダウンリンクサブフレームの制御領域において物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、物理HARQインジケータチャネル(PHICH:Physical HARQ Indicator Channel)、及び/又は他の物理チャネルを送信し得る。PDCCHは、ダウンリンク許可、アップリンク許可など、ダウンリンク制御情報(DCI)を搬送し得る。PHICHは、HARQを用いてアップリンク上で送られたデータ送信のためのACK/NACKフィードバックを搬送し得る。セルはまた、ダウンリンクサブフレームのデータ領域中で物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)及び/又は他の物理チャネルを送信し得る。PDSCHは、ダウンリンク上でのデータ送信のためにスケジュールされたUEのためのデータを搬送し得る。UEは、アップリンクサブフレームの制御領域中で物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)を送信するか、又はアップリンクサブフレームのデータ領域中で物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を送信し得る。PUCCHは、チャネル状態情報(CSI)、ACK/NACK、スケジューリング要求など、アップリンク制御情報(UCI)を搬送し得る。PUSCHはデータ及び/又はUCIを搬送し得る。LTEにおける様々な信号及びチャネルは、公開されている「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation」と題され、3GPP TS 36.211に記載されている。)

3.「[0072] In a fourth scheme of supporting search space sharing for FDD and TDD CCs and providing more efficient downlink and/or uplink operations, DCl may be sent using a DCl format for the primary CC carrying UCI on the PUCCH, and not a DCl format of a CC for which the DCl is applicable. 」(19ページ)
(当審訳:[0072] FDD CC及びTDD CCについての探索空間共有をサポートし、より効率的なダウンリンク及び/又はアップリンク動作を提供する第4のスキームでは、DCIは、DCIが適用可能であるCCのDCIフォーマットではなく、PUCCH上でUCIを搬送するプライマリCCについてのDCIフォーマットを使用して送られ得る。)

4.「[0074] The schemes described above may be used to support search space sharing for FDD and TDD CCs, as described above. In general, these schemes may support search space sharing for multiple CCs normally associated with different definitions and/or sizes for a given DCI format, e.g., due to FDD and TDD and/or for other reasons. The same definition and/or size may be used for a given DCI format for multiple CCs, so that a UE can perform a single set of blind decodes for one definition and/or size for the given DCI format for all CCs. This may enable more efficient search space sharing for the multiple CCs without increasing the maximum number of blind decodes by the UE. This may also enable more efficient downlink and/or uplink operations.」(20ページ)
(当審訳:[0074] 上記で説明したスキームは、上記で説明したように、FDD CC及びTDD CCについての探索空間共有をサポートするために使用され得る。概して、これらのスキームは、たとえば、FDD及びTDDにより、及び/又は他の理由で、通常は所与のDCIフォーマットに関する異なる定義及び/又はサイズに関連付けられた、複数のCCについての探索空間共有をサポートし得る。同じ定義及び/又はサイズは、マルチプルなCCについての所与のDCIフォーマットのために使用されることができ、その結果、UEがすべてのCCのための所与のDCIフォーマットに関する1つの定義及び/又はサイズについてブラインド復号の単一のセットを実行できるようになる。これは、UEによるブラインド復号の最大回数を増加させることなしにマルチプルなCCについてのより効率的な探索空間共有を可能にし得る。これはまた、より効率的なダウンリンク及び/又はアップリンク動作を可能にし得る。)

上記各記載及び当業者における技術常識からみて、

ア.上記4には、「UEがすべてのCCのための所与のDCIフォーマットに関する1つの定義及び/又はサイズについてブラインド復号の単一のセットを実行できるようになる」と記載されていることから、「UEは、ブラインド復号する際に、1つのDCIフォーマットを決定し、」「決定されたDCIフォーマットに応じてDCIの復号を行う」ことは明らかである。

イ.上記1の段落5に記載されているようにDCIはダウンリンク制御情報であり、UCIはアップリンク制御情報であり、上記2に記載されているように物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHはダウンリンク制御情報(DCI)を搬送するチャネルである。
そして、上記アの決定する1つのDCIフォーマットについては、上記3に「DCIは、DCIが適用可能であるCCのDCIフォーマットではなく、PUCCH上でUCIを搬送するプライマリCCについてのDCIフォーマットを使用」と記載されていることから、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのダウンリンク制御情報(DCI)は、DCIが適用可能であるCCのDCIフォーマットではなく、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するプライマリCCについてのDCIフォーマットを使用するといえる。よって、UEは「ブラインド復号する際に、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのダウンリンク制御情報(DCI)が、適用可能であるCCのDCIフォーマットではなく、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するプライマリCCについてのDCIフォーマットを使用することを決定」するといえる。
ここで、上記1の段落5に記載されているように「コンポーネントキャリアCCは、セルと呼ばれることから、UEは「ブラインド復号する際に、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのダウンリンク制御情報(DCI)が適用可能であるセルのDCIフォーマットではなく、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するプライマリセルについてのDCIフォーマットを使用することを決定」するといえる。

また、上記3には「FDD CC及びTDD CC」と記載され、上記1の段落7に「周波数分割複信(FDD)」、「時分割複信(TDD)」と記載されていることから、セルには、「周波数分割複信(FDD)のセルと時分割複信(TDD)セル」があることは明らかである。よって、「プライマリセルには、周波数分割複信(FDD)のセルの場合と時分割複信(TDD)のセルの場合があ」ることは明らかである。

ウ.上記1には、「ワイヤレス通信ネットワークにおいて制御情報を送信するための技法」と記載されていることから、「ワイヤレス通信ネットワークにおいて制御情報を送信する方法」が記載されている。

したがって、上記の摘記した引用例の記載及び当業者における技術常識からみて、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)
「 UEは、ブラインド復号する際に、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのダウンリンク制御情報(DCI)が、適用可能であるセルのDCIフォーマットではなく、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するプライマリセルについてのDCIフォーマットを使用することを決定し、プライマリセルには、周波数分割複信(FDD)のセルの場合と時分割複信(TDD)のセルの場合があり、
UEは、決定されたDCIフォーマットに応じてDCIの復号を行う、
ワイヤレス通信ネットワークにおいて制御情報を送信する方法。」


第5 対比及び判断
本願発明と引用発明とを対比する。

1.引用発明の「UE」は、本願発明の「ユーザ機器」に相当する。また、引用発明の「プライマリセル」はUEとサービング中のセルであることは明らかであり、第1のサービングセルと称することは任意であるから、本願発明の第1のサービングセルと同様に、引用発明の「プライマリセル」は「第1のサービングセルが、ユーザ機器に対応するサービングセルであ」るといえる。そして、引用発明の「物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH」は本願発明の「ダウンリンク制御チャネル」に含まれる。
また、引用発明ではプライマリセルの物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのDCIがワイヤレス通信ネットワークからUEに送信されていることは明らかであるから、引用発明の「プライマリセルの物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのDCI」は本願発明の「第1のサービングセルに対応するダウンリンク制御チャネルのダウンリンク制御情報(DCI)」に相当する。
よって、引用発明の「UEは、ブラインド復号する際に、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのダウンリンク制御情報(DCI)が、適用可能であるセルのDCIフォーマットではなく、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するプライマリセルについてのDCIフォーマットを使用することを決定」することは、本願発明と同様の「第1のサービングセルに対応するダウンリンク制御チャネルのダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットをユーザ機器によって決定するステップ」を行っているといえ、「第1のサービングセルが、ユーザ機器に対応するサービングセルであ」るといえる。

また、引用発明ではプライマリセルには、周波数分割複信(FDD)のセルの場合と時分割複信(TDD)のセルの場合があるから、引用発明ではプライマリセルの物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのDCIのフォーマットについては、DCIが適用可能であるセルのDCIフォーマットではなく、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するセルがプライマリセルであること及びプライマリセルが周波数分割複信(FDD)のセルであるか時分割複信(TDD)のセルであるかという複信モードの組み合わせのパターンに応じて、DCIフォーマットが決定されているといえる。ここで、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するセルがどのセルであるかはアップリンク制御情報(UCI)のフィードバックの方法に含まれる。
そして、アップリンク制御情報(UCI)に、ハイブリッド自動再送要求-肯定応答(HARQ-ACK)のフィードバックが含まれることは技術常識であるから、引用発明の「ダウンリンク制御情報(DCI)が、適用可能であるセルのDCIフォーマットではなく、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するプライマリセルについてのDCIフォーマットを使用する」ことと「プライマリセルには、周波数分割複信(FDD)のセルの場合と時分割複信(TDD)のセルの場合があ」ることと、本願発明の「前記DCIフォーマットが、前記第1のサービングセルの複信モードおよび前記第1のサービングセルに対応するハイブリッド自動再送要求-肯定応答(HARQ-ACK)のフィードバックの方法の組み合わせパターンに応じて決定される」とは、「DCIフォーマットが、第1のサービングセルの複信モードおよび第1のサービングセルに対応するアップリンク制御情報(UCI)のフィードバックの方法の組み合わせパターンに応じて決定される」点で共通する。

2.DCIはダウンリンク制御チャネルの信号であるから、引用発明の「UEは、決定されたDCIフォーマットに応じてDCIの復号を行う」ことは、本願発明と同様に、「決定されたDCIフォーマットに応じてダウンリンク制御チャネルをユーザ機器によって検出するステップ」といえる。

3.引用発明の「ワイヤレス通信ネットワークにおいて制御情報を送信する方法」は、本願発明と同様に、「制御情報送信方法」といえる。

以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「 第1のサービングセルに対応するダウンリンク制御チャネルのダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットをユーザ機器によって決定するステップであって、前記第1のサービングセルが、前記ユーザ機器に対応するサービングセルであり、前記DCIフォーマットが、前記第1のサービングセルの複信モードおよび前記第1のサービングセルに対応するアップリンク制御情報(UCI)のフィードバックの方法の組み合わせパターンに応じて決定される、ステップと、
決定されたDCIフォーマットに応じて前記ダウンリンク制御チャネルを前記ユーザ機器によって検出するステップとを含む、制御情報送信方法。」

(相違点)
第1のサービングセルに対応するアップリンク制御情報(UCI)のフィードバック方法について、本願発明では「第1のサービングセルに対応するハイブリッド自動再送要求-肯定応答(HARQ-ACK)のフィードバックの方法」であるのに対して、引用発明においては、「アップリンク制御情報(UCI)を搬送するプライマリセル」であるが、当該発明特定事項を特定していない点

以下、相違点について検討する。

(相違点について)
アップリンク制御情報(UCI)に、ハイブリッド自動再送要求-肯定応答(HARQ-ACK)のフィードバックが含まれることは技術常識であるから、引用発明の「アップリンク制御情報(UCI)を搬送するセル」とは、ハイブリッド自動再送要求-肯定応答(HARQ-ACK)のフィードバックするセル、つまり「第1のサービングセルに対応するハイブリッド自動再送要求-肯定応答(HARQ-ACK)のフィードバックの方法」も含まれていることは当然である。よって、相違点は実質的な差異とは認められない。

仮に、差異があるとしても、当業者が容易に想到し得たものである。


第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
また、仮にそうでなかったとしても、本願発明は、当業者が引用例1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-12-16 
結審通知日 2019-12-23 
審決日 2020-01-07 
出願番号 特願2016-518729(P2016-518729)
審決分類 P 1 8・ 113- WZ (H04W)
P 1 8・ 121- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 廣川 浩羽岡 さやか  
特許庁審判長 中木 努
特許庁審判官 山本 章裕
井上 弘亘
発明の名称 制御情報送信方法、ユーザ機器、および基地局  
代理人 実広 信哉  
代理人 木内 敬二  

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