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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 F16J 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 F16J 審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 F16J |
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管理番号 | 1363152 |
異議申立番号 | 異議2019-700062 |
総通号数 | 247 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-01-29 |
確定日 | 2020-04-06 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6367177号発明「シリンダヘッドガスケット及びシリンダヘッドガスケット用ステンレス鋼板」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6367177号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?3〕、4について訂正することを認める。 特許第6367177号の請求項1ないし4に係る特許を取り消す。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6367177号の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成27年12月28日に出願され、平成30年7月13日にその特許権の設定登録がされ、同年8月1日に特許掲載公報が発行された。その特許について2件の特許異議の申立てがあり、その経緯は次のとおりである。 平成31年1月29日:特許異議申立人目黒茂による請求項1?4に係る 特許に対する特許異議の申立て 同年1月31日 :特許異議申立人高橋芳枝(高橋の高は正しくは異 字体)による請求項1?4に係る特許に対する特 許異議の申立て 同年4月26日付け :取消理由通知書 令和1年7月12日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年8月21日付け :訂正請求があった旨の通知書 同年9月19日 :異議申立人高橋芳枝による意見書の提出 同年9月24日 :異議申立人目黒茂による意見書の提出 同年11月20日付け:取消理由通知書(決定の予告) 第2 訂正の適否 特許権者が令和1年7月12日に提出した訂正請求書による訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであるところ、本件訂正請求に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合すると認められる。 したがって、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、請求項〔1?3〕及び4について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記「第2」で説示のとおり、本件訂正請求に係る本件訂正が認められるので、本件訂正請求により訂正された請求項1?4に係る発明は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定されるとおりのものである。 第4 取消理由の概要 訂正後の請求項1?4に係る特許に対して、令和1年11月20日付けで特許権者に対して通知した取消理由(決定の予告)の概要は次のとおりである。 訂正後の請求項1?4に係る発明は、引用文献1に記載された発明、引用文献3及び4に記載の技術的事項並びに引用文献7?11に記載の周知の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正後の請求項1?4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 また、本件特許明細書は、訂正後の請求項1?4に係る発明について当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとはいえないから、訂正後の請求項1?4に係る特許は、特許法第36条第4項第1号の要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 したがって、訂正後の請求項1?4に係る特許は、特許法第113条第2号及び第4号に該当し、取り消されるべきものである。 引用文献 引用文献1:特開2000-109957号公報 引用文献2:特開平7-278758号公報 引用文献3:実願平3-48693号(実開平5-86070号)のCD-ROM 引用文献4:実願平4-74026号(実開平6-32836号)のCD-ROM 引用文献5:特開2003-105502号公報 引用文献6:特開2000-256802号公報 引用文献7:特開2000-129401号公報 引用文献8:特開2001-271140号公報 引用文献9:特開平5-271878号公報 引用文献10:特開平7-243530号公報 引用文献11:特開平6-228641号公報 引用文献1?11は、それぞれ、異議申立人 高橋芳枝が提出した甲第1号証?甲第6号証及び甲第10号証?甲第14号証であり、また、引用文献1?4及び7?11は、それぞれ、異議申立人 目黒茂が提出した甲第1号証、甲第2号証、甲第9号証、甲第10号証、甲第4号証、甲第3号証及び甲第5号証?甲第7号証である。 第5 当審の判断 上記取消理由(決定の予告)において、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは応答がなかった。 そして、上記の取消理由(決定の予告)は妥当なものと認められるので、本件請求項1?4に係る特許は、この取消理由(決定の予告)によって取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シリンダヘッドとシリンダブロックの接合面の間に挟まれてシリンダヘッドとシリンダブロックの接合部をシールするシール部にはビードが形成されたシリンダヘッドガスケットであり、 金属製の基板と、該基板の両面又は片面に設けられるゴム層と、からなる複合部材を有し、 該基板は、Cの含有量が0?0.15質量%、Siの含有量が0?0.5質量%、Mnの含有量が0?2.0質量%、Crの含有量が11.5?13.0質量%、Nの含有量が0?0.5質量%、Pの含有量が0?0.040質量%、Sの含有量が0?0.030質量、Niの含有量が0?0.6質量%であり、残部Fe及び不可避不純物からなるステンレス鋼からなり、 該基板を形成するステンレス鋼の0.2%耐力が1300?1500MPaであること、 を特徴とするシリンダヘッドガスケット。 【請求項2】 前記シリンダヘッドガスケットのシール部の構造が、一つの前記複合部材で構成されている一層構造であることを特徴とする請求項1記載のシリンダヘッドガスケット。 【請求項3】 前記シリンダヘッドガスケットのシール部の構造が、一つの金属薄板と、該金属薄板の両面側に配置されている2つの前記複合部材と、で構成されている三層構造であることを特徴とする請求項1記載のシリンダヘッドガスケット。 【請求項4】 シリンダヘッドとシリンダブロックの接合面の間に挟まれてシリンダヘッドとシリンダブロックの接合部をシールするシール部にはビードが形成されたシリンダヘッドガスケット用ステンレス鋼板であって、 Cの含有量が0?0.15質量%、Siの含有量が0?0.5質量%、Mnの含有量が0?2.0質量%、Crの含有量が11.5?13.0質量%、Nの含有量が0?0.5質量%、Pの含有量が0?0.040質量%、Sの含有量が0?0.030質量、Niの含有量が0?0.6質量%であり、残部Fe及び不可避不純物からなるステンレス鋼からなり、 0.2%耐力が1300?1500MPaであること、 を特徴とするシリンダヘッドガスケット用ステンレス鋼板。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2020-02-25 |
出願番号 | 特願2015-256259(P2015-256259) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
ZAA
(F16J)
P 1 651・ 536- ZAA (F16J) P 1 651・ 851- ZAA (F16J) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 長谷井 雅昭 |
特許庁審判長 |
平田 信勝 |
特許庁審判官 |
尾崎 和寛 井上 信 |
登録日 | 2018-07-13 |
登録番号 | 特許第6367177号(P6367177) |
権利者 | ニチアス株式会社 |
発明の名称 | シリンダヘッドガスケット及びシリンダヘッドガスケット用ステンレス鋼板 |
代理人 | 阪田 泰之 |
代理人 | 特許業務法人あしたば国際特許事務所 |
代理人 | 渋谷 健 |
代理人 | 赤塚 賢次 |
代理人 | 渋谷 健 |
代理人 | 阪田 泰之 |
代理人 | 特許業務法人あしたば国際特許事務所 |
代理人 | 赤塚 賢次 |