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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 F02D
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F02D
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 F02D
管理番号 1363413
審判番号 不服2019-6142  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-05-13 
確定日 2020-07-07 
事件の表示 特願2015-134869「内燃機関の制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年1月19日出願公開、特開2017-15039、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年7月6日の出願であって、平成30年10月30日付け(発送日:同年11月6日)で拒絶理由が通知され、平成30年12月25日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成31年3月14日付け(発送日:同年3月19日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対して、令和元年5月13日に拒絶査定不服審判が請求され、その請求と同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定の概要は、次のとおりである。

この出願については、平成30年10月30日付け拒絶理由通知書に記載した理由1、2、4によって、拒絶をすべきものです。

備考
●理由1(特許法第29条第1項第3号)について

・請求項1、3
・引用文献等1

●理由2(特許法第29条第2項)について

・請求項2
・引用文献等1、2

・請求項3、7
・引用文献等1?3

・請求項5、6
・引用文献等1?4

●理由4(特許法第36条第4項第1号)について
・請求項1?7
・図3及び図5のフローチャートの記載と発明の詳細な説明の記載とが整合していないため、請求項1ないし7に係る発明を当業者が容易に実施することができない。

<引用文献等一覧>
1.特開2006-52682号公報
2.特開2006-300033号公報
3.特開2014-196665号公報
4.特開2012-225166号公報

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は、以下のように、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反するものではない。

1 特許請求の範囲の補正について
審判請求時の補正によって請求項1に「圧縮比が上記停止許可圧縮比から上記停止時目標圧縮比へと低下しているときに、内燃機関の回転速度が低下する」という事項(以下「補正事項1」という。)が追加された。
補正事項1は、本件補正前の請求項1に係る発明の「内燃機関の停止処理」という発明特定事項を具体化したものであるから、補正事項1に係る補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、補正事項1は、出願当初の明細書の段落【0036】の「また、本実施例では、実圧縮比εrが内燃機関1の停止処理の開始(時間t2)と回転停止(時間t3)との間である程度低下しているから、内燃機関1の回転速度低下中における共振帯域での振動を最小限にすることができる。」という記載、段落【0037】の「さらに、本実施例では、実圧縮比εrの停止時目標圧縮比εtarへの到達と、内燃機関1の回転停止と、が実質的に同じになるようにしたことから、内燃機関1の回転停止時の揺り返しを最小限にすることができる。」という記載、及び図2の記載に基づくものであり、補正事項1は、出願当初の明細書等に記載された事項であるといえるから、補正事項1を追加する補正は、新規事項を追加するものではない。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1ないし7に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

2 明細書の補正について
明細書の段落【0005】についての補正は、明細書の記載を特許請求の範囲の記載と整合させるものである。この補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項を追加するものではない。

3 図面の補正について
図3及び図5についての補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。この補正は、明細書の段落【0029】及び【0043】の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。

第4 本願発明
本願の請求項1ないし7に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和元年5月13日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定された、以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
圧縮比を変更する可変圧縮比機構を備え、内燃機関の停止時に所定の停止時目標圧縮比に制御する内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の停止要求に従って上記可変圧縮比機構の上記停止時目標圧縮比へ向けた作動を開始し、圧縮比が、上記停止時目標圧縮比よりも高い所定の停止許可圧縮比に到達したときに内燃機関の停止処理を開始し、圧縮比が上記停止許可圧縮比から上記停止時目標圧縮比へと低下しているときに、内燃機関の回転速度が低下する、内燃機関の制御装置。
【請求項2】
上記停止時目標圧縮比は、制御可能な圧縮比の中の最も低い圧縮比であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
上記停止時目標圧縮比が可変的に設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
上記停止許可圧縮比は、上記可変圧縮比機構を駆動するアクチュエータへの供給電圧に応じて設定され、上記供給電圧が低いほど上記停止時目標圧縮比に近い値となることを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
上記停止許可圧縮比は、油温に応じて設定され、上記油温が低いほど上記停止時目標圧縮比に近い値となることを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
上記停止許可圧縮比は、上記可変圧縮比機構の作動時の圧縮比変化の応答性に応じて求められ、上記応答性が低いほど上記停止時目標圧縮比に近い値となることを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
上記停止は、所定のアイドル停止要求があると判定されたときの自動停止であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。」

第5 引用文献の記載及び引用発明等

1 引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2006-52682号公報(以下「引用文献1」という。)には、「内燃機関の圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法」に関して、図面(特に図1、11及び12を参照。)とともに以下の事項が記載されている(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。以下同様。)。

ア 「【0001】
本発明は、機関運転状態に応じて機関圧縮比を変更可能な内燃機関の圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法に関し、特に、機関始動性の向上に関する。」

イ 「【0017】
図2は、本発明の第1実施例に係る目標圧縮比tεの設定制御の流れを示すフローチャートである。このルーチンは、上記のエンジン制御部20により記憶され、所定期間毎(例えば10ms毎)に繰り返し実行される。
【0018】
ステップ(図では「S」と記す)1では、上記の回転数センサ24により検出されるエンジン回転数rNe1を読み込む。ステップ2では、アクセル開度センサ25により検出されるアクセル開度rAPO1を読み込む。ステップ3では、水温センサ26により検出されるエンジン水温rTw1を読み込む。ステップ4では、エンジンを停止するか否か、つまりエンジン停止信号に相当するイグニッション信号がONからOFFへ切り換えられたかを判定する(図9参照)。
【0019】
エンジンを停止しない状態、つまり通常のエンジン運転状態では、ステップ4からステップ7へ進み、機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比tε0を算出する。典型的には、エンジン回転数rNe1とアクセル開度rAPO1とに基づいて、図5に示す圧縮比設定マップを参照して、基本目標圧縮比tε0を算出する。同図に示すように、主として負荷に応じて圧縮比を大きく変化させており、負荷が高いほど圧縮比を低くしてノッキングの発生を抑制し、負荷が低いほど圧縮比を高くして燃費の向上を図るようにしている。
【0020】
ステップ8では、この基本目標圧縮比tε0に基づいて目標圧縮比tεを設定する。例えば、簡易的にtε0をそのままtεにセットし、あるいはtε0に対してエンジン水温rTw1等を考慮してtεを設定する。
【0021】
エンジン停止信号を受けた機関停止時(具体的には、イグニッション信号がONからOFFに切り替わった場合)には、ステップ4からステップ5へ進み、次回の機関始動に適した所定の始動用圧縮比#tεSTを読み込む。
【0022】
図6に示すように、クランクシャフトを回転駆動するために必要なフリクショントルクと機関圧縮比とはほぼ比例関係にあり、圧縮比が高くなるほどフリクショントルクが高くなり、逆に、圧縮比が低くなるほどフリクショントルクが低くなる。従って、図7に示すように、バッテリ23の蓄電量や電圧等の蓄電状態が同等であれば、圧縮比が高くなるほど、スタータ21によるクランキング回転数が低くなり、圧縮比が低くなるほど、クランキング回転数(クランキングにより実現できるエンジン回転数の上限)は高くなる。つまり、圧縮比が低いほど、クランキングによるエンジン回転数の上昇が容易かつ迅速化される。但し、図8に示すように、燃焼・初爆が可能な圧縮比の下限値である始動可能回転数NeS(図7参照)よりエンジン回転数が高い領域においては、圧縮比が高くなるほど、混合気の着火性が向上するために、初爆までに要する時間が短くなる傾向にある。これらのことを勘案して、始動用圧縮比#tεSTが予め設定され、エンジン制御部20内のメモリに記憶されている。具体的には、始動用圧縮比#tεSTは、図9に示すように、少なくともアイドル状態での目標圧縮比tεIDよりも十分に低い値に設定されているが、始動可能回転数NeSを達成できる範囲内で、可能な限り高い値に設定されている。
【0023】
再び図2を参照して、ステップ6では、ステップ5で算出した始動用圧縮比#tεSTに基づいて、目標圧縮比tεを設定する。この第1実施例では、簡易的に、基準の始動用圧縮比#tεSTをそのまま目標圧縮比tεに設定している。
【0024】
図3は、図2と同じくエンジン制御部20により記憶及び実行される制御の流れを示すフローチャートである。ステップ11では、周知のようにエンジン回転数rNe1等に基づいて、クランキング後の初爆を確認する。初爆確認後の機関運転中では、ステップ11からステップ12へ進み、上記の目標圧縮比tεに対応した指令信号をモータ22へ出力して、可変圧縮比機構を目標圧縮比tεへ向けて駆動制御する。従って、機関停止信号を受けた場合には、図9に示すように、機関圧縮比が始動用圧縮比#tεSTへ向けて速やかに低下していくこととなる。
【0025】
一方、機関始動開始から初爆確認までの間、すなわち、少なくもとスタータ21によりクランクシャフト7を強制的に回転駆動しているクランキング中には、モータ22への指令信号の出力を禁止して、モータ22の作動を禁止する。つまり、初爆の確認がなされるまで、あるいはクランキングが完了するまで、機関圧縮比の変更を禁止する。従って、図4に示すように、初爆確認前のクランキング中には、機関圧縮比が機関停止直前に設定された始動用圧縮比#tεSTのまま保持され、この始動用圧縮比#tεSTは十分に低い値であるため、クランキングに要するフリクショントルクが軽減され、クランキング中にエンジン回転数を速やかに上昇することができる。従って、初爆に至るまでの時間を著しく短縮することができる。仮に初爆確認前に機関圧縮比を変更すると、圧縮比の変更に必要な負荷の分、バッテリ23の蓄電量及び電圧が低下するために、可及的にスタータ21によるクランキング期間が長くなり、始動性の低下を招くおそれがある。本実施例では、初爆確認前には機関圧縮比の変更を禁止しているために、このような始動性の低下、つまり初爆前の圧縮比の変更により逆に始動性が低下するような事態を招くことは一切ない。
【0026】
本実施例のように機関停止時に圧縮比を始動用圧縮比#tεSTに戻していない比較例では、図4の破線で示すように、機関停止状態からの機関始動直後、つまりクランキング開始直後の状況では、機関圧縮比がかなり高い値、典型的には前回の機関停止時におけるアイドル状態での圧縮比tεIDに保持されている。従って、仮にクランキングの開始と同時に始動用圧縮比#tεSTへ向けて圧縮比を低下させても、やはりクランキング中に高いフリクショントルクが作用するので、初爆までに要するクランキング期間が本実施例に比して矢印Y1に相当する分だけ長くなり、かつ、クランキング中に圧縮比を変更するための負荷の分、上述したように機関始動性が低下することとなってしまう。
【0027】
図11は、本発明の第2実施例に係る目標圧縮比の設定制御の流れを示すフローチャートであり、第1実施例の図2に対応している。この第2実施例は、基本的には図1?9に示す第1実施例と同様であるが、ステップ5で、予め設定された始動用圧縮比の基準値#tεSTを読み込んだ後、ステップ5Aへ進み、バッテリ21の蓄電状態に対応するバッテリ電圧に基づいて、図10に示す制御テーブルを参照して、始動用圧縮比#tεSTに対する補正率tεVBを算出する。同図に示すように、バッテリ電圧が高くなるほど補正率tεVBを高くし、バッテリ電圧が低くなるほど補正率tεVBを低くする。
【0028】
そして、ステップ6では、始動用圧縮比#tεSTに補正率tεVBを乗じた値#tεST×tεVBを目標圧縮比tεとして設定する。つまり、バッテリ蓄電状態に基づいて始動用圧縮比#tεSTを補正し、補正後の始動用圧縮比#tεST×tεVBを機関停止状態での目標圧縮比tεとして設定している。これにより、バッテリ23の蓄電状態(劣化状態を含む)に応じた形で始動用圧縮比がより適正化され、初爆に至るまでの期間をより適切に短縮化することができる。具体的には、バッテリ電圧が高くバッテリの残量が大きいほど、図9の破線に示すように始動用圧縮比#tεSTを増加側へ補正し、逆に、バッテリ電圧が低くバッテリの残量が少ないほど、始動用圧縮比#tεSTを低下側へ補正する。」

ウ 「【0029】
図12は、上記第1,第2実施例に対する改良を示す第3実施例を示しており、図2,10のステップ6の後の処理内容を示すフローチャートの一部である。エンジン停止信号を受けて、ステップ6において目標圧縮比を設定した後、ステップ21へ進み、実圧縮比rεを読み込む。この実圧縮比rεは、例えば制御軸12の回転位置を検出する制御軸センサ27(図1参照)により検出される。ステップ22では、この実圧縮比rεが目標圧縮比tεに達したかあるいは十分に近づいたかを判定する。この目標圧縮比tεは、第1実施例では始動用圧縮比#tεSTであり、第2実施例では補正後の値#tεST×tεVBである。実圧縮比rεが目標圧縮比tεに実質的に追いつくと、ステップ23へ進み、エンジン制御部(ECM)20への通電停止を許可する。言い換えると、実圧縮比rεが目標圧縮比tεに至るまで、エンジン制御部20の停止を禁止している。従って、エンジン停止状態での圧縮比をより確実に所望の目標圧縮比tε(第1実施例では#tεST、第2実施例では#tεST×tεVB)に近づけることができ、上述した所期の効果を安定して得ることができる。」

エ 「【0039】
(5)本発明によれば、機関停止直前に圧縮比が機関始動に適した始動用圧縮比に予め設定されているため、機関始動要求を受けてスタータによりクランクシャフトを強制的に回転駆動しているクランキング中または初爆を確認するまでの間、機関圧縮比の変更を禁止することにより、初爆を確認する前に圧縮比が変更されることがなく、始動性を確実に向上することができる。」

オ 上記アないしエの記載及び図1ないし4、11及び12の図示内容からみて、引用文献1記載の内燃機関の圧縮比制御装置は、エンジン停止信号を受けた機関停止時に、機関停止直前に圧縮比が機関始動に適した始動用圧縮比に設定するものであることが分かる。

カ 上記イ及びウの記載及び図1ないし4、11及び12の図示内容からみて、引用文献1記載の内燃機関の圧縮比制御装置は、ステップ22で、この実圧縮比rεが目標圧縮比tεに達したかあるいは十分に近づいたかを判定するものであるといえる。

上記アないしカの記載及び図面の図示内容を総合し、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。

〔引用発明1〕
「機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構を備え、内燃機関の停止時に所定の目標圧縮比tεに制御する内燃機関の圧縮比制御装置であって、
エンジン停止信号に従って上記可変圧縮比機構の上記目標圧縮比へ向けた駆動制御を開始し、実圧縮比rεが、上記目標圧縮比に十分に近づいたときにエンジン制御部(ECM)20への通電停止を許可する、内燃機関の制御装置。」

2 引用文献2
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2006-300033号公報(以下「引用文献2」という。)には、「可変圧縮比内燃機関」に関して、図面(特に図5を参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「【請求項1】
内燃機関の圧縮比を変更可能な圧縮比変更機構と、
前記内燃機関の停止前に、前記内燃機関の始動開始時に圧縮行程または膨張行程となるべき気筒に対して燃料を供給するとともに、前記内燃機関の始動時に、前記燃料が供給された気筒に着火し燃焼させる始動時着火手段と、
を備えた可変圧縮比内燃機関において、
前記内燃機関の停止中の少なくとも一部の期間においては、前記圧縮比変更機構によって、圧縮比が所定の停止時圧縮比とされることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
【請求項2】
前記停止時圧縮比は、前記内燃機関の停止中における、前記内燃機関の始動開始時に圧縮行程または膨張行程となるべき気筒の筒内圧と、前記内燃機関におけるクランクケースの内圧とが同等となる圧縮比であることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
【請求項3】
前記停止時圧縮比は、前記圧縮比変更機構によって変更可能な最低の圧縮比であることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
【請求項4】
前記内燃機関の停止前の所定期間において、前記圧縮比変更機構によって、圧縮比が前記停止時圧縮比より高い所定の停止前圧縮比とされることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関。」

イ 「【0067】
本実施例における圧縮比の制御について図5に示す。本実施例においては、時点t1においてECU35によって内燃機関1の停止指令が出た際には、それまで継続していた、内燃機関1の運転状態に応じた圧縮比に変更する制御は停止される。従って、時点t1以降は、時点t1における内燃機関1の運転状態に対応した圧縮比が維持される。次に、時点t2においてクランク軸26が停止した直後に、内燃機関1の圧縮比を、始動時密閉気筒2aの筒内圧とクランクケース4の内圧とが同等になる圧縮比まで低減する。具体的には、筒内圧センサ22の出力と、内圧センサ23の出力とをECU35に読み込み、両者から得られる圧力の値が等しくなるまで圧縮比を低減するべくモータ12に通電する。」

ウ 上記ア(特に【請求項1】)の記載から、引用文献2には、内燃機関の停止中の少なくとも一部の期間において、圧縮比変更機構によって、圧縮比が所定の停止時圧縮比とされる可変圧縮比内燃機関が記載されている。

エ 上記ア(特に【請求項3】)の記載から、停止時圧縮比は、圧縮比変更機構によって変更可能な最低の圧縮比であることも記載されている。

オ 上記イの記載及び図5の図示内容から、引用文献2に記載された可変圧縮比内燃機関は、クランク軸26が停止した直後に内燃機関1の圧縮比を低減することが分かる。

上記イ及びオの記載及び図面(特に図5)の図示内容から、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2記載事項1」という。)が記載されている。

〔引用文献2記載事項1〕
「内燃機関の圧縮比を変更可能な圧縮比変更機構を備え、クランク軸26が停止した直後に、内燃機関の圧縮比を、始動時密閉気筒2aの筒内圧とクランクケース4の内圧とが同等になる圧縮比まで低減すること。」

また、上記ア及びエの記載事項(特に【請求項3】)から、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2記載事項2」という。)が記載されている。

〔引用文献2記載事項2〕
「停止時圧縮比は、圧縮比変更機構によって変更可能な最低の圧縮比であること。」

3 引用文献3
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2014-196665号公報(以下「引用文献3」という。)には、「内燃機関の制御装置」に関して、図面(特に図7を参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0020】
図2及び図3は、制御装置31が起動されたことを契機として、制御装置31が所定時間ごとに繰り返し実行する、内燃機関1の停止時における圧縮比可変機構23の制御内容の一例を示す。なお、制御装置31は、フラッシュROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリに格納された制御プログラムに従って、圧縮比可変機構23を制御する(以下同様)。
【0021】
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様。)では、制御装置31が、イグニッションスイッチ35の出力信号がONからOFFに変化したか、又は、所定の停止条件が成立しているか否かを介して、内燃機関1の停止要求があるか否かを判定する。そして、制御装置31は、内燃機関1の停止要求があると判定すれば処理をステップ2へと進める一方(Yes)、内燃機関1の停止要求がないと判定すれば処理をステップ11へと進める(No)。なお、内燃機関1の停止要求があった場合には、制御装置31は、図示しない燃料噴射装置、パワートランジスタ43などを電子制御して、内燃機関1を徐々に停止させる。
【0022】
ステップ2では、制御装置31が、内燃機関1の停止要求はアイドリングストップによるものであるか否か、要するに、所定の停止条件が成立したことを起因とするものであるか否かを判定する。そして、制御装置31は、停止要求はアイドリングストップによるものであると判定すれば処理をステップ3へと進める一方(Yes)、停止要求はアイドリングストップによるものでない(イグニッションスイッチ35によるもの)と判定すれば処理をステップ7へと進める(No)。
【0023】
ステップ3では、制御装置31が、水温センサ37から水温TWを読み込む。
ステップ4では、制御装置31が、油温センサ33から油温TLを読み込む。
ステップ5では、制御装置31が、外気温センサ32から外気温TOを読み込む。
【0024】
ステップ6では、制御装置31が、水温センサ37、油温センサ33及び外気温センサ32から夫々読み込んだ水温TW、油温TL及び外気温TOに基づいて、内燃機関1のホットリスタートに適した目標圧縮比を設定する。即ち、内燃機関1の始動に適した圧縮比は、内燃機関1の温度(機関温度)に応じて変化するため、制御装置31は、例えば、水温、油温及び外気温に適合した目標圧縮比が設定されたマップ又はテーブルを参照し、水温TW、油温TL及び外気温TOに応じた目標圧縮比を設定する。なお、目標圧縮比は、ある程度の精度を有していれば足りる場合には、水温TW、油温TL及び外気温TOのうち、少なくとも水温TWに応じて設定することもできる(以下同様)。」

イ 「【0037】
ステップ16では、制御装置31が、圧縮比可変機構23の通常制御、即ち、内燃機関1の停止時及び始動時以外の圧縮比可変機構23の制御を行う。そして、制御装置31は、圧縮比可変機構23の制御を行った後、処理を終了させる。
【0038】
かかる制御によれば、アイドリングストップによる停止要求があった場合、短時間で内燃機関1が再始動される蓋然性が高いため、内燃機関1のホットリスタートに適した圧縮比として、内燃機関1の水温TW、油温TL及び外気温TOに応じた目標圧縮比が設定される。また、イグニッションスイッチ35による停止要求があった場合、内燃機関1の再始動時の温度が不明であるため、内燃機関1のコールドリスタートに適した圧縮比として、機関始動時に要求される圧縮比の範囲内から所定規則によって選定された圧縮比が設定される。そして、内燃機関1が停止するまでに、電源電圧VBから把握される充電状態に応じた駆動ゲインを用いて圧縮比可変機構23が駆動され、圧縮比が目標圧縮比まで変更される。」

上記ア、イ及び図面(特に図2及び図3)の記載から、引用文献3には、次の事項(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。

〔引用文献3記載事項〕
「内燃機関1の停止時における圧縮比可変機構23の制御において、アイドリングストップによる停止要求があった場合、内燃機関1の水温TW、油温TL及び外気温TOに応じた目標圧縮比が設定され、イグニッションスイッチ35による停止要求があった場合、内燃機関1のコールドリスタートに適した圧縮比として、機関始動時に要求される圧縮比の範囲内から所定規則によって選定された圧縮比が設定され、内燃機関1が停止するまでに、圧縮比可変機構23が駆動され、圧縮比が目標圧縮比まで変更されること。」

4 引用文献4
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2012-225166号公報(以下「引用文献4」という。)には、「可変圧縮比エンジンの始動制御装置」に関して、図面(特に図8を参照。)とともに次の事項が記載されている。

ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】
機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比装置を備える可変圧縮比エンジンの始動制御装置において、
エンジンのクランキング開始後の最初の燃焼を含む第1の期間における目標圧縮比を所定の第1圧縮比に設定する第1圧縮比設定手段と、
上記第1の期間よりも前の、クランキング開始時を含む第2の期間における目標圧縮比を、エンジンの状態に基づいて、第1圧縮比から所定量低下させた第2圧縮比に設定する第2圧縮比設定手段と、
を有することを特徴とする可変圧縮比エンジンの始動制御装置。
【請求項2】
エンジンの状態に基づいて圧縮比を高める速度の上限値を推定する手段を備え、
上記圧縮比を高める速度の上限値が高いほど、上記所定量を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比エンジンの始動制御装置。
【請求項3】
エンジンの冷却水温度を検出する手段を備え、
上記冷却水温度が高いほど、上記所定量を大きく設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の可変圧縮比エンジンの始動制御装置。
【請求項4】
エンジンの潤滑油温度を検出する手段を備え、
上記潤滑油温度が高いほど、上記所定量を大きく設定することを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載の可変圧縮比エンジンの始動制御装置。
【請求項5】
外気温度を検出する手段を備え、
上記外気温度が高いほど、上記所定量を大きく設定することを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の可変圧縮比エンジンの始動制御装置。
【請求項6】
バッテリ電圧を検出する手段を備え、
上記バッテリ電圧が高いほど、上記所定量を大きく設定することを特徴とする請求項1?5のいずれかに記載の可変圧縮比エンジンの始動制御装置。
【請求項7】
エンジンの停止要求があった場合に、次回始動時の目標圧縮比に相当する第2圧縮比を推定し、推定した次回始動時の第2圧縮比に向けて圧縮比を駆動制御することを特徴とする請求項1?6のいずれかに記載の可変圧縮比エンジンの始動制御装置。
【請求項8】
実圧縮比を検出する手段を備え、
目標圧縮比を第1圧縮比として運転している上記第1の期間において、上記実圧縮比が第1圧縮比より所定値以上低い場合に、燃料噴射量を増加することを特徴とする請求項1?7のいずれかに記載の可変圧縮比エンジンの始動制御装置。」

イ 「【0028】
図8は機関停止時のタイミングチャートである。機関停止要求を受けると、図4に示すルーチンが実行されて、次回始動時の第2圧縮比推定値CR2’を推定する演算処理が実行され、エンジンのクランクシャフトの回転が停止するまでの間に、機関圧縮比を次回の機関始動時に適した第2圧縮比推定値CR2’に近づける動作が行われる。これによって、次回の機関始動時に、機関圧縮比を第2圧縮比CR2に設定する際に、機関圧縮比の変更幅を小さく抑制し、消費エネルギーの低減や応答性の向上を図ることができる。」

上記ア、イ及び図面(特に図4及び図8)の記載から、引用文献4には、次の事項(以下「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。

〔引用文献4記載事項〕
「機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比装置を備え、エンジンの停止要求があった場合に、次回始動時の目標圧縮比に相当する第2圧縮比を推定し、推定した次回始動時の第2圧縮比に向けて圧縮比を駆動制御し、機関停止要求を受けると、エンジンのクランクシャフトの回転が停止するまでの間に、機関圧縮比を次回の機関始動時に適した第2圧縮比推定値CR2’に近づける動作が行われること。」

第6 対比・判断
1 本願発明1について
本願発明1と引用発明1とを対比すると、その機能、構成及び技術的意義からみて、後者の「機関圧縮比」及び「実圧縮比rε」は前者の「圧縮比」に相当し、以下同様に、「目標圧縮比tε」は「停止時目標圧縮比」に、「圧縮比制御装置」は「制御装置」に、「エンジン停止信号」は「内燃機関の停止要求」に、「駆動制御」は「作動」に、「エンジン制御部(ECM)20への通電停止を許可」することは「内燃機関の停止処理を開始」することに、それぞれ相当する。
また、後者の「目標圧縮比tεに十分に近づいた」と、前者の「停止時目標圧縮比よりも高い所定の停止許可圧縮比に到達した」とは、「停止時目標圧縮比に近づいた」という限りにおいて一致する。

そうすると、本願発明1と引用発明1とは、次の一致点、相違点がある。

〔一致点〕
「圧縮比を変更する可変圧縮比機構を備え、内燃機関の停止時に所定の停止時目標圧縮比に制御する内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の停止要求に従って上記可変圧縮比機構の上記停止時目標圧縮比へ向けた作動を開始し、圧縮比が、上記停止時目標圧縮比に近づいたときに内燃機関の停止処理を開始する、内燃機関の制御装置。」

〔相違点〕
[相違点1]
本願発明1は、圧縮比が、「停止時目標圧縮比よりも高い所定の停止許可圧縮比に到達したときに」内燃機関の停止処理を開始するものであるのに対し、引用発明1は、実圧縮比が、「目標圧縮比に十分に近づいたときに」エンジン制御部(ECM)20への通電停止を許可するものである点。

[相違点2]
本願発明1は「圧縮比が上記停止許可圧縮比から上記停止時目標圧縮比へと低下しているときに、内燃機関の回転速度が低下する」ものであるのに対し、引用発明1は、そのようなものかどうか不明である点。

〔判断〕
相違点について検討する。
(1)新規性要件(特許法第29条第1項第3号)について
引用発明1は、実圧縮比が、「目標圧縮比に十分に近づいたとき」にエンジン制御部(ECM)20への通電停止を許可するものである。
これに関して、引用文献1の段落【0029】に「実圧縮比rεが目標圧縮比tεに実質的に追いつくと、ステップ23へ進み、エンジン制御部(ECM)20への通電停止を許可する。」と記載されているように、引用発明1の「目標圧縮比に十分に近づいたとき」は、目標圧縮比に実質的に追いついたとき、すなわち、目標圧縮比と実質的に一致したときと解されるから、
引用発明1における「目標圧縮比に十分に近づいたとき」は、本願発明1における「停止時目標圧縮比よりも高い所定の停止許可圧縮比に到達したとき」と一致するとはいえない。
また、上記のように「目標圧縮比に十分に近づいたとき」は、「目標圧縮比に実質的に一致したとき」と解されるから、引用発明1は、「圧縮比が上記停止許可圧縮比から上記停止時目標圧縮比へと低下しているときに、内燃機関の回転速度が低下する」という、相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を実質的に備えているということもできない。
したがって、上記相違点1及び2は、実質的な相違点であり、引用文献1に記載されておらず、また、引用文献1の記載から自明ともいえないから、本願発明は、引用文献1に記載された発明ではない。

(2)進歩性要件(特許法第29条第2項)について
上記「第5」の2で述べたとおり、引用文献2には、「内燃機関の圧縮比を変更可能な圧縮比変更機構を備え、クランク軸26が停止した直後に、内燃機関の圧縮比を、始動時密閉気筒2aの筒内圧とクランクケース4の内圧とが同等になる圧縮比まで低減すること。」(引用文献2記載事項1)及び「停止時圧縮比は、圧縮比変更機構によって変更可能な最低の圧縮比であること」(引用文献2記載事項2)が記載されている。
しかしながら、引用文献2記載事項1は、「クランク軸26が停止した直後に」内燃機関の圧縮比を低減するものであるから、「圧縮比が、停止時目標圧縮比よりも高い所定の停止許可圧縮比に到達したときに内燃機関の停止処理を開始する」という上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を開示ないし示唆するものではない。
また、引用文献2記載事項2も、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を開示ないし示唆するものではない。
同様に、引用文献3には、「内燃機関1の停止時における圧縮比可変機構23の制御において、アイドリングストップによる停止要求があった場合、内燃機関1の水温TW、油温TL及び外気温TOに応じた目標圧縮比が設定され、イグニッションスイッチ35による停止要求があった場合、内燃機関1のコールドリスタートに適した圧縮比として、機関始動時に要求される圧縮比の範囲内から所定規則によって選定された圧縮比が設定され、内燃機関1が停止するまでに、圧縮比可変機構23が駆動され、圧縮比が目標圧縮比まで変更されること。」(引用文献3記載事項)が記載されているが、「圧縮比が、停止時目標圧縮比よりも高い所定の停止許可圧縮比に到達したときに内燃機関の停止処理を開始する」という、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を開示ないし示唆するものではない。
同様に、引用文献4には、「機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比装置を備え、エンジンの停止要求があった場合に、次回始動時の目標圧縮比に相当する第2圧縮比を推定し、推定した次回始動時の第2圧縮比に向けて圧縮比を駆動制御し、機関停止要求を受けると、エンジンのクランクシャフトの回転が停止するまでの間に、機関圧縮比を次回の機関始動時に適した第2圧縮比推定値CR2’に近づける動作が行われること。」(引用文献4記載事項)が記載されているが、「圧縮比が、停止時目標圧縮比よりも高い所定の停止許可圧縮比に到達したときに内燃機関の停止処理を開始する」という、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を開示ないし示唆するものではない。
このように、引用文献2ないし4の記載事項は、いずれも、相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を開示ないし示唆するものではない。
したがって、引用発明1において、引用文献2ないし4の記載事項を適用したとしても、本願発明1にはならない。
また、本願発明1の技術的課題は、「アイドル停止による十分な燃費の向上」を得ること(段落【0004】を参照。)であるが、このような課題及び解決手段は、上記いずれの文献にも記載されていない。
したがって、本願発明1は、原査定で引用された引用文献1ないし4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2ないし7について
本願発明2ないし7は、いずれも、本願発明1の発明特定事項を置換することなく引用するものであり、本願発明1の発明特定事項をすべて含むものである。
したがって、本願発明2ないし7は、本願発明1と同様に、引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。

第7 原査定について
1 理由1(特許法第29条第1項第3号)について
上記第6 1(1)に示したとおり、本願発明1は、引用文献1に記載された発明ではないから、原査定の理由1を維持することはできない。

2 理由2(特許法第29条第2項)について
上記第6 2に示したとおり、本願発明2ないし7は、引用文献1ないし4に記載された発明に基いて当業者が容易に発明できたものではないから、原査定の理由2を維持することはできない。

3 理由4(特許法第36条第4項第1号)について
審判請求と同時にされた、図3及び5についての補正により、図3及び図5のフローチャートの記載は、発明の詳細な説明の記載と整合するものとなったから、原査定の理由4を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-06-16 
出願番号 特願2015-134869(P2015-134869)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F02D)
P 1 8・ 536- WY (F02D)
P 1 8・ 113- WY (F02D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 戸田 耕太郎  
特許庁審判長 渡邊 豊英
特許庁審判官 鈴木 充
金澤 俊郎
発明の名称 内燃機関の制御装置  
代理人 富岡 潔  
代理人 小林 博通  

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