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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K |
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管理番号 | 1364835 |
審判番号 | 不服2019-1786 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-02-07 |
確定日 | 2020-08-06 |
事件の表示 | 特願2015-549211「ノイズ吸収シート」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 5月28日国際公開、WO2015/076387〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)11月21日(優先権主張平成25年11月25日 日本国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成29年 7月20日付け:拒絶理由通知 平成29年 9月25日 :意見書、手続補正書の提出 平成30年 3月 6日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知 平成30年 5月14日 :意見書、手続補正書の提出 平成30年11月14日付け:平成30年5月14日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定 平成31年 2月 7日 :審判請求書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年9月25日付け手続補正の請求項1に記載された、以下の通りのものと認める。 「【請求項1】 少なくとも2種の層が積層されたノイズ吸収シートであって、磁性材料を含有する磁性体層と、構成繊維に金属が付着しているノイズ吸収布帛の層とが積層されており、該ノイズ吸収布帛の少なくとも片面の表面抵抗率の常用対数値が0?6の範囲にあり、該ノイズ吸収布帛が7.0μm以下の繊維径を有する繊維を含み、該磁性体層の厚さが20?100μmであり、かつ、該磁性体層は、金属磁性粉体55?90wt%とバインダー10?45wt%とを含む、ことを特徴とするノイズ吸収シート。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1 ・引用文献等 1-2 ・請求項 2-7 ・引用文献等 1-2 ・請求項 8-10 ・引用文献等 1-3 <引用文献等一覧> 引用文献1.特開2011-146696号公報 引用文献2.特開2011-3583号公報 引用文献3.特開2013-236064号公報 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1の記載 原査定で引用された引用文献1には、以下の事項が記載されている。下線は、当審で付与した。 「【0001】 本発明は、布帛の少なくとも一方の面に、金属が金属加工されたノイズ吸収布帛に関する。」 「【0014】 以上のように、従来のノイズ吸収物品は、使い勝手、ノイズ吸収能等に問題を有するものであった。 従って、本発明は、電磁波が反射されにくく且つノイズ吸収能に優れるノイズ吸収布帛を提供することを課題とする。 本発明はまた、広帯域にわたってノイズ吸収能を有するノイズ吸収布帛を提供することを課題とする。 さらに、本発明は、柔らかく、柔軟性に富み且つ薄く、電子部品、筐体等の入り組んだ部分に、曲げる、折る等により組み込むことができるノイズ吸収布帛を提供することを課題とする。 さらに、本発明は、高価な軟磁性体を用いることなく、簡易に且つ安定して生産でき、安価且つ高性能であるノイズ吸収布帛を提供することを課題とする。」 「【0024】 以下、本発明のノイズ吸収布帛について具体的に説明する。 本発明のノイズ吸収布帛は、布帛の少なくとも一方の面に、金属が金属加工されている。 図1は、本発明のノイズ吸収布帛の断面を模式的に示す図である。図1のノイズ吸収布帛1は、布帛2と、金属加工された金属3とを含む。 図2は、本発明のノイズ吸収布帛の一態様の断面を拡大した模式図である。図2のノイズ吸収布帛1は、布帛2と、金属加工された金属3とを含み、金属加工された金属3は、布帛2を構成する繊維4の上に形成されている。 なお、図2では、便宜上、繊維の断面を全て真円で表現している。 【0025】 本発明のノイズ吸収布帛は、金属加工された面の表面抵抗率(Ω/□)の常用対数値が、0?4の範囲内にある。表面抵抗率の常用対数値とは、表面抵抗率をX(Ω/□)とした場合の、log_(10)Xの値を意味する。上記表面抵抗率の常用対数値が0未満であると、導電度が大きすぎ、電磁波が、上記ノイズ吸収布帛の表面、より正確には、金属加工された面のところで大部分が反射され、ノイズ吸収能が劣る。導電度が小さく、電磁波の反射が大きい場合には、電磁波同士の干渉が起こり、ノイズ吸収性が阻害される。」 「【0040】 本発明のノイズ吸収布帛において、布帛が、7μm以下の繊維径を有する繊維(以下、「極細繊維」と称する場合がある)の層を含むことが好ましい。極細繊維の層を含むことにより、単位体積当りの繊維の本数が増え、繊維の比表面積が大きくなることにより、その結果、金属層の比表面積も大きくなり、ノイズ吸収能がより高くなる。また、極細繊維の層を含むことにより、本発明のノイズ吸収布帛が薄くなるので、軽いこと、薄いこと、短いこと、小さいことを目指す電子機器に好適となる。また、本発明のノイズ吸収布帛が薄くなることにより、シートをしなやかに曲げることができ、同じく、電子機器への装着が簡易になり、よりノイズ吸収能を発揮しやすい。本発明に用いられる布帛は、7μm以下の繊維径を有する繊維の層を含むことが好ましく、そして4μm以下の繊維径を有する繊維の層を含むことがより好ましい。」 「【0047】 本発明において、「金属加工」は、金属を付着させることを意味し、具体的には、布帛上及び/又は布帛内、場合によっては、布帛を構成する繊維内に金属を付着させることができる任意の処理を意味し、例えば、物理的な金属蒸着法(蒸着:EB蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング:高周波法、マグネトロン法、対抗ターゲット型マグネトロン法等)、化学的なメッキ法(無電解メッキ、電解メッキ等)等が挙げられる。物理的な金属蒸着法は、金属の微細な粒子が、布帛上に、布帛の表面から吸着され、金属の付着状況を、蒸着条件によりコントロールすることができるので、本発明のノイズ吸収布帛において、表面と内部との導電度の勾配を形成しやすくなる。また、個々の繊維は、その表面に曲率を有することから、粒子の発生源が単一の方向である物理的な金属蒸着法を採用すると、個々の繊維上に、金属の厚さに適度な斑を生じさせやすくなるので好ましい。 【0048】 図5は、金属蒸着方法による、繊維上の金属の粒子の積層状態の一態様を示す模式図である。図5において、向かって上方から物理的な蒸着が行われた場合には、金属の粒子6が、均一化されずに繊維4の上に形成される。この場合、金属加工された金属の、厚みの厚い部分と、厚みの薄い部分とでは、電磁波の捕捉性が異なり、また、電気抵抗の観点から観察すると斑を有することから、捕捉された電磁波が、電流となり、上記部分を流れる際に電気抵抗により熱エネルギーに変わり、ノイズ吸収能が高くなると予測される。」 「【0064】 ただし、本明細書では、磁性体によるノイズ吸収能を否定するものではなく、当然ながら、表面抵抗率が所定の範囲内にあれば、磁性体のノイズ吸収能と組み合わせて、より高いノイズ吸収能を発揮させることができる。例えば、磁性によるノイズが発生する部分では、磁性を有する金属を金属加工することで、本発明のノイズ吸収布帛をより高性能化することができる。また、本発明のノイズ吸収布帛が、軟磁性体を含む磁性シートを含むこともできる。」 ・段落【0001】、【0047】、【0048】によれば、ノイズ吸収布帛は布帛の少なくとも一方の面に金属が金属加工されたものであり、金属加工は布帛上に金属を付着させる処理であり、金属が繊維の上に形成される処理であるから、ノイズ吸収布帛は、一方の面に、金属加工(金属を繊維上に付着させる処理)がなされた布帛である。 ・段落【0040】によれば、布帛は、7μm以下の繊維径を有する繊維の層を含む。 ・段落【0064】によれば、ノイズ吸収布帛は、軟磁性体を含む磁性シートを含む。 ・段落【0025】によれば、ノイズ吸収布帛は、金属加工された面の表面抵抗率(Ω/□)の常用対数値が、0?4の範囲内にある。 したがって、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「一方の面に、金属加工(金属を繊維上に付着させる処理)がなされ、7μm以下の繊維径を有する繊維の層を含む布帛と、 軟磁性体を含む磁性シートとを含む、 金属加工された面の表面抵抗率(Ω/□)の常用対数値が、0?4の範囲内にある、 ノイズ吸収布帛。」 2 引用文献2の記載 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、以下の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は、軟磁性金属粉末と樹脂とを含む複合シートに関する。 【背景技術】 【0002】 軟磁性金属粉末及び樹脂を含むシートである「複合シート」は、電磁波吸収シート又はノイズ抑制シートとも称され、主に、パソコンや携帯電話などの情報通信機器内の回路基板上から発生する電磁ノイズを吸収することによる、回路の誤作動防止や機器外部への放射電磁波の抑制といった効果を奏する。」 「【0016】 軟磁性金属粉末の含有量は、前記複合シート100重量部に対して50?99重量部である。50重量部以上の場合には、シート成形の原料である樹脂組成物の電磁波吸収量が向上し、99重量部以下の場合には、樹脂組成物の成形性及びシートの柔軟性に優れる。また、ワニスの基材に対する塗工性の向上という観点から、好ましくは60?90重量部であり、より好ましくは70?90重量部である。ここで、本明細書における「電磁波吸収量」は、後述する実施例で挙げた方法により算出された値を採用する。」 「【0035】 樹脂の含有量は、複合シート100重量部に対して1?50重量部である。1重量部以上の場合、コーティング成膜性に優れ、50重量部以下の場合、複合シートの磁気特性や難燃性に優れる。また、好ましくは5?20重量部である。」 「【0041】 本実施の形態に係る複合シートの厚みは、10?120μmが好ましい。120μm以下の場合には、小型機器内の狭い隙間に用いることができ、10μm以上の場合には、シート強度がより高く、取り扱い性が一層良好となる。また、厚み及び電磁波吸収特性の兼備の観点から、より好ましくは10?100μm、さらに好ましくは20?100μm、さらにより好ましくは30?80μmである。」 上記より、引用文献2には、以下の技術(以下、「引用文献2記載の技術」という。)が記載されている。 「電磁ノイズを吸収する軟磁性金属粉末及び樹脂を含むシートである複合シートにおいて、複合シート100重量部に対して、軟磁性金属粉末の含有量は70?90重量部、樹脂の含有量は5?20重量部であり、複合シートの厚みは30?80μmとする」技術。 3 引用文献3の記載 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、以下の事項が記載されている。 「【0004】 本発明の目的は、高周波ノイズに加えて低周波ノイズの吸収特性の高いノイズ吸収積層体を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者らは、鋭意検討した結果、導電性ポリマー(例えばポリアニリン)単独、又は磁性シート単独では全くノイズ抑制効果が見られない低周波領域(例えば、600MHz?800MHz帯)において、導電性ポリマー層と軟磁性材料を含む層を積層させることにより、MHzからGHzまで幅広い領域のノイズ抑制効果を有する電磁波吸収体とできることを見出した。」 「【0091】 [軟磁性材料含有層] 軟磁性材料含有層は、軟磁性材料及びバインダー材料を含むことが好ましい。 軟磁性材料としては、センダスト(Fe-Si-Al合金)、パーマロイ(Fe-Ni)、Fe-Cu-Si合金、Fe-Si合金、Fe-Si-B合金、Fe-Si-B-Cu-Nb合金、Fe-Ni-Cr-Si合金、Fe-Si-Cr合金、Fe-Si-Al-Ni-Cr合金等が挙げられる。形状は問わないが、粉末状が好ましい。軟磁性材料は、市販のものを入手してもよいし、公知の方法で合成してもよい。 尚、「軟磁性」とは、磁性体の中でも比較的簡単に磁極が消えたり反転したりするもののことである。磁力が飽和するまでは外部磁場に比例して磁気分極が増減し、増加する場合と減少する場合の磁気分極の割合が非常に近いという性質、つまりヒステリシス特性が小さいという性質がある。 【0092】 軟磁性材料の含有率は、軟磁性材料含有層を基準として、例えば60?85質量%、65?80質量%である。含有率が低くなると、十分に優れた電磁波吸収特性が得られ難くなる傾向にある。磁性粉末の含有率が高くなると、他の成分、例えばバインダー成分の含有率が低くなって、柔軟性が損なわれる傾向にある。 【0093】 バインダー材料としては、ゴム材料及び樹脂材料等が挙げられ、ゴム材料が好ましい。 ゴム材料としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等のジエン系ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の非ジエン系ゴムが挙げられる。 バインダー材料の含有率は、軟磁性材料含有層を基準として、例えば45?85質量%である。」 「【0097】 軟磁性材料含有層の厚さは、0.05mm?1.0mmが好ましい。」 上記より、引用文献3には、以下の技術(以下、「引用文献3記載の技術」という。)が記載されている。 「電磁波吸収体を構成する軟磁性材料含有層は、軟磁性材料及びバインダー材料を含み、軟磁性材料としてはセンダスト(Fe-Si-Al合金)等が挙げられ、軟磁性材料の含有率は軟磁性材料含有層を基準として65?80質量%、バインダー材料としては樹脂材料等が挙げられ、バインダー材料の含有率は軟磁性材料含有層を基準として45?85質量%であり、軟磁性材料含有層の厚さは0.05mm?1.0mmとする」技術。 第5 対比 本願発明と引用発明を対比する。 1 引用発明の「ノイズ吸収布帛」は、「布帛と、軟磁性体を含む磁性シートとを含む」ものであるから、布帛と磁性シートとの2種の層が積層したものといえる。よって、引用発明の「ノイズ吸収布帛」は、本願発明の「少なくとも2種の層が積層されたノイズ吸収シート」に相当する。 2 引用発明の「軟磁性体を含む磁性シート」は、本願発明の「磁性材料を含有する磁性体層」に相当する。 3 引用発明の「一方の面に、金属加工(金属を繊維上に付着させる処理)がなされ」る「布帛」は、本願発明の「構成繊維に金属が付着しているノイズ吸収布帛」に相当する。 4 引用発明の「布帛」において「金属加工された面の表面抵抗率(Ω/□)の常用対数値が、0?4の範囲内」にあることは、本願発明の「ノイズ吸収布帛の少なくとも片面の表面抵抗率の常用対数値が0?6の範囲」にあることに含まれる。 5 引用発明の「布帛」が「7μm以下の繊維径を有する繊維の層を含」むことは、本願発明の「該ノイズ吸収布帛が7.0μm以下の繊維径を有する繊維を含」むことに相当する。 6 本願発明は「磁性体層の厚さが20?100μmであり、かつ、該磁性体層は、金属磁性体粉末55?90wt%とバインダー10?45wt%とを含む」のに対し、引用発明の「磁性シート」はその旨特定されていない点で相違する。 7 したがって、本願発明と引用発明は以下の一致点及び相違点を有する。 〈一致点〉 「少なくとも2種の層が積層されたノイズ吸収シートであって、磁性材料を含有する磁性体層と、構成繊維に金属が付着しているノイズ吸収布帛の層とが積層されており、該ノイズ吸収布帛の少なくとも片面の表面抵抗率の常用対数値が0?6の範囲にあり、該ノイズ吸収布帛が7.0μm以下の繊維径を有する繊維を含むノイズ吸収シート。」 〈相違点〉 磁性体層について、本願発明は「磁性体層の厚さが20?100μmであり、かつ、該磁性体層は、金属磁性粉体55?90wt%とバインダー10?45wt%とを含む」のに対し、引用発明はその旨特定されていない点。 第6 判断 1 相違点について 引用文献2記載の技術や引用文献3記載の技術のように、ノイズ吸収用の磁性体層を、厚さが「20?100μm」の範囲内であり、かつ、「金属磁性粉体55?90wt%とバインダー10?45wt%」の範囲内の比率の材料から成る層とすることは、本願出願前周知の技術である。 そして、引用発明の課題は電磁波が反射されにくく且つノイズ吸収能に優れるノイズ吸収布帛を提供することであり(段落【0014】参照)、磁性体によるノイズ吸収能を否定するものではない(段落【0064】参照)から、上記周知の技術を適用しても課題達成に影響を与えるものではなく、その適用を妨げる事情があるものとは認められない。 よって、引用発明に上記周知技術を適用し、本願発明の上記相違点に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことと認められる。 そして、本願発明の奏する効果は、引用発明に周知技術を適用したことにより得られる効果に対して、当業者が想起し得ないものとも認められない。 2 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において、引用文献1?3の記載からは、本願発明のように布帛と磁性体層とを組み合わせた場合に、本願明細書の実施例で具体的に実証されたような、電界ノイズを、相加効果を超えてより高く抑制でき、さらに磁界ノイズも、1.6?3.8倍も高く抑制できるようなノイズ吸収性布帛が得られること、すなわち、電界ノイズと磁界ノイズの両者について相乗効果が奏されることを当業者が予測できたとは到底いえない旨主張している。 しかしながら、引用発明は、金属加工された面の表面抵抗率(Ω/□)の常用対数値が、0?4の範囲内にある布帛と磁性シートとを含むものであるから、引用発明も「電界ノイズと磁界ノイズの両者について相乗効果が奏される」ノイズ吸収布帛であるものと認められ、本願発明が、引用発明に比して当業者が想起し得ない格別な作用効果を奏するものであるとは、認められない。 よって、請求人の意見は採用できない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明ついて検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2020-05-26 |
結審通知日 | 2020-06-02 |
審決日 | 2020-06-16 |
出願番号 | 特願2015-549211(P2015-549211) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H05K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 梅本 章子 |
特許庁審判長 |
酒井 朋広 |
特許庁審判官 |
山田 正文 赤穂 嘉紀 |
発明の名称 | ノイズ吸収シート |
代理人 | 中村 和広 |
代理人 | 齋藤 都子 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 三間 俊介 |
代理人 | 三橋 真二 |