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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B02C
管理番号 1366795
審判番号 不服2019-14329  
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-10-28 
確定日 2020-10-28 
事件の表示 特願2016- 39855「打撃部材を有する破砕機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 9月 7日出願公開、特開2017-154083、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年 3月 2日を出願日とする出願であって、平成30年 8月 8日付けで拒絶理由が通知され、同年10月 1日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成31年 2月12日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年 4月 8日付けで意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和 1年 7月25日付け(発送日:同年 7月30日)で、平成31年 4月 8日付け手続補正が却下されると共に拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、同年10月28日付けで本件拒絶査定不服審判の請求がされるとともに手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願請求項1?4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明4」という。)は、令和 1年10月28日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
被破砕物の投入部及び排出部を備えた破砕室と、該破砕室内に配設した、周面に複数の打撃部材を揺動自在に備えた横軸ローターと、該横軸ローターの周面と対向する破砕室の周壁の所定角度の範囲に配設したクラッシュプレートと、被破砕物が打撃部材とクラッシュプレートとの間で破砕された後に放出される排出部より破砕室側の被破砕物の飛翔空間に配設したスクリーンとからなる打撃部材を有する破砕機において、前記スクリーンを、格子状スクリーンで構成するとともに、飛翔空間を飛翔する被破砕物が直接衝突する位置に、かつ、スクリーンの一端側を支持する揺動軸を、前記破砕室の周壁の接平面と排出部を挟んで対向する破砕室の壁側に設けることで、スクリーン面と、クラッシュプレートの終端位置における破砕室の周壁の接平面とがなす角度を、スクリーンが横軸ローターから離れた揺動位置の90°から、スクリーンが横軸ローターに接近した揺動位置の120°の範囲で調節できるように可動に配設するようにしたことを特徴とする打撃部材を有する破砕機。
【請求項2】
前記スクリーンの格子目の目開きを、前記破砕室の周壁の接平面側を小さく、その反対側を大きく形成したことを特徴とする請求項1に記載の打撃部材を有する破砕機。
【請求項3】
前記破砕室の周壁のクラッシュプレートの始端位置に、打撃部材との間で被破砕物を初期破砕する、表面に破砕室の周壁の円周方向のスリットを備えたアンビルを配設するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の打撃部材を有する破砕機。
【請求項4】
前記打撃部材を、該打撃部材に形成した楕円状の孔に、横軸ローターの回転軸と平行に配設した円形断面を有する支持軸を貫通させて、支持するようにしたスイングハンマーによって構成したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の打撃部材を有する破砕機。」

第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、平成30年10月 1日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?2に係る発明は、引用文献8に記載された発明に基づいて、または引用文献8に記載された発明及び引用文献2に記載される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、同請求項3に係る発明は、引用文献8に記載された発明及び引用文献2、5に記載される事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、同請求項4に係る発明は、引用文献8に記載された発明及び引用文献6、7に記載される事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献2:米国特許第4146184号明細書
引用文献5:特開2002-248623号公報
引用文献6:実願昭47-136378号(実開昭49-91879号)のマイクロフィルム
引用文献7:実願昭63-78099号(実開平2-1245号)のマイクロフィルム
引用文献8:特開昭59-73061号公報

第4 原査定についての当審の判断
1 引用文献8の記載及び引用文献8に記載された発明
(ア)引用文献8には、以下(8a)?(8d)の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。)。
(8a)「1.材料導入口を有し、内部で水平に支持されたハンマー・ローターが回転する筐体と、ハンマー・ローターの上方に位置してローターの回転方向に接線状に延びているバッフル筒と、バッフル筒をその軸線と交差する方向に掩う材料放出口としての放出格子とから成る特に廃物を破砕するためのハンマー・クラッシャーにおいて、放出格子(14,21,26)が位置調整自在に支持され、駆動装置(15,22,32)と連動することを特徴とするハンマー・クラッシャー。」(特許請求の範囲)

(8b)「ハンマー・クラッシャー1は基板3に取付けた筐体2を含む。筐体2内でハンマー・ローター4が回転方向Rに回転し、ローター4のシャフト5はその両端が図示しない軸受台に取付けた軸受で支持されている。ハンマー・ローター4はシャフト5に順次間隔を保って取付けた複数のローター・ディスク6から成り、ディスク間には、シャフト5から半径方向に距離を保ち、かつシャフトと平行にロータ・ディスク6を貫通する軸8にハンマー7を回転自在に取付けてある。シャフト5は図示しない継手を介して駆動装置と連動する。
筐体2に材料導入口9及び材料放出口10を設ける。材料導入口9はローター軸心Xを含む水平平面H-Hの高さに相当するハンマー・ローター4の下向き回転側に設置されている。材料導入口9の上縁は交換可能なアンビル11の一部であり、材料導入口9の下縁はアンビル12の一部であり、ハンマー・ブロー円Kとの間に所期の破砕度を決定するギャップSを保っている。
材料導入口9と材料放出口10との間で筐体2の材料導入口9と対向する側に位置する領域において、ハンマー・ローター4の上方に位置する筐体2の部分が上下が開口しているバッフル筒13として構成され、このバッフル筒の高さはローターの中心線上でハンマー・ローター4のブロー円にほぼ対応する。バッフル筒13の上方は格子開口部19を有し、かつハンマー・ローター4の回転方向Rに対して接線方向にバッフル筒13の軸線と直交する選別格子または放出格子14で掩われている(第1図)。選別格子または放出格子14は旋回軸14aを中心に旋回自在に支持されている。連接部16,17を介してレバー15aに作用する一方、ハンマー・クラッシャー1の筐体、具体的にはフード18に取付けられている2つの油圧シリンダ15が、必要な密度及び断片サイズに合わせて調節できる種々の所要位置に放出格子14を開放、即ち旋回させる。第1図には放出格子14の2つの位置を示してあり、下方位置Aでは最大射影b_(N)が得られる。本発明では格子の旋回位置を調節できるから、所定の密度及び断片サイズを得るためにハンマーの摩耗に応じた格子旋回位置を選択することができる。位置Aはハンマーの摩耗が進んだ状態で設定される位置であり、ハンマーが鋭利なら射影b_(S)の小さい位置Bで必要なスクラップ密度を達成できる。ハンマーの摩耗状態及び/またはスクラップの所望断片サイズに応じて位置A及びBの中間位置に設定することも可能であることはいうまでもない。
格子を開放旋回させた際に未破砕のスクラップ片が格子の自由端と筐体との間から外部に放出されるのを防止するため、格子の旋回域における筐体上部をアーチ状に形成することにより、第1図の実施例の場合なら位置A及びBの間で格子の端面が筐体に沿って、即ち、筐体壁との間に僅かな間隙だけを保って移動し、スクラップ片の通過を確実に阻止できるようにする。放出格子14の上方に設けたフード18は格子開口部19からエゼクトされた材料を受け止め、下方へ案内し、開口部20から放出する。」(4頁右上欄1行?右下欄19行)

(8c)「

」(7頁)

(イ)前記(ア)(8a)によれば、引用文献8には、材料導入口を有し、内部で水平に支持されたハンマー・ローターが回転する筐体と、ハンマー・ローターの上方に位置してローターの回転方向に接線状に延びているバッフル筒と、バッフル筒をその軸線と交差する方向に掩う材料放出口としての放出格子とから成る特に廃物を破砕するための「ハンマー・クラッシャー」において、放出格子が位置調整自在に支持され、駆動装置と連動する「ハンマー・クラッシャー」が記載されている。
具体的には、前記(ア)(8b)、(8c)によれば、前記「ハンマー・クラッシャー」は、ハンマー・ローターがシャフトに順次間隔を保って取付けた複数のローター・ディスクから成り、ディスク間には、シャフトから半径方向に距離を保ち、かつシャフトと平行にロータ・ディスクを貫通する軸にハンマーを回転自在に取付けてあるものである。
また、前記「ハンマー・クラッシャー」におけるバッフル筒の上方は、格子開口部を有し、かつハンマー・ローターの回転方向に対して接線方向にバッフル筒の軸線と直交する放出格子で掩われているものであり、放出格子は旋回軸を中心に旋回自在に支持されていて、連接部を介してレバーに作用する一方、「ハンマー・クラッシャー」の筐体に取付けられている2つの油圧シリンダが、必要な密度及び断片サイズに合わせて調節できる種々の所要位置に放出格子を開放、即ち旋回させるものである。
更に、前記「ハンマー・クラッシャー」は、格子を開放旋回させた際に未破砕のスクラップ片が格子の自由端と筐体との間から外部に放出されるのを防止するため、格子の旋回域における筐体上部をアーチ状に形成することにより、格子の端面が筐体に沿って、即ち、筐体壁との間に僅かな間隙だけを保って移動し、スクラップ片の通過を確実に阻止できるようにするものであり、放出格子の上方に設けたフードは格子開口部からエゼクトされた材料を受け止め、下方へ案内し、開口部から放出するものである。

(ウ)前記(イ)によれば、引用文献8には、以下の発明が記載されているといえる(以下、「引用発明」という)。
「材料導入口を有し、内部で水平に支持されたハンマー・ローターが回転する筐体と、ハンマー・ローターの上方に位置してローターの回転方向に接線状に延びているバッフル筒と、バッフル筒をその軸線と交差する方向に掩う材料放出口としての放出格子とから成る特に廃物を破砕するためのハンマー・クラッシャーにおいて、放出格子が位置調整自在に支持され、駆動装置と連動するハンマー・クラッシャーであって、
ハンマー・ローターがシャフトに順次間隔を保って取付けた複数のローター・ディスクから成り、ディスク間には、シャフトから半径方向に距離を保ち、かつシャフトと平行にロータ・ディスクを貫通する軸にハンマーを回転自在に取付けてあるものであり、
バッフル筒の上方は、格子開口部を有し、かつハンマー・ローターの回転方向に対して接線方向にバッフル筒の軸線と直交する放出格子で掩われているものであり、放出格子は旋回軸を中心に旋回自在に支持されていて、連接部を介してレバーに作用する一方、ハンマー・クラッシャーの筐体に取付けられている2つの油圧シリンダが、必要な密度及び断片サイズに合わせて調節できる種々の所要位置に放出格子を開放、即ち旋回させるものであり、
格子を開放旋回させた際に未破砕のスクラップ片が格子の自由端と筐体との間から外部に放出されるのを防止するため、格子の旋回域における筐体上部をアーチ状に形成することにより、格子の端面が筐体に沿って、即ち、筐体壁との間に僅かな間隙だけを保って移動し、スクラップ片の通過を確実に阻止できるようにするものであり、
放出格子の上方に設けたフードは格子開口部からエゼクトされた材料を受け止め、下方へ案内し、開口部から放出する、ハンマー・クラッシャー。」

2 対比・判断
(1)本願発明1について
(1-1)対比
(ア)本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「材料導入口」、「開口部」、「筐体」、「ハンマー」、「ハンマー・ローター」、「放出格子」、「ハンマー・クラッシャー」は、それぞれ本願発明1における「被破砕物の投入部」、「排出部」、「被破砕物の投入部及び排出部を備えた破砕室」、「打撃部材」、「破砕室内に配設した、周面に複数の打撃部材を揺動自在に備えた横軸ローター」、「被破砕物が」「破砕された後に放出される排出部より破砕室側の被破砕物の飛翔空間に配設したスクリーン」、「打撃部材を有する破砕機」に相当する。
また、引用発明において、「バッフル筒の上方は、格子開口部を有し、かつハンマー・ローターの回転方向に対して接線方向にバッフル筒の軸線と直交する放出格子で掩われているものであり、放出格子は旋回軸を中心に旋回自在に支持されていて、連接部を介してレバーに作用する一方、ハンマー・クラッシャーの筐体に取付けられている2つの油圧シリンダが、必要な密度及び断片サイズに合わせて調節できる種々の所要位置に放出格子を開放、即ち旋回させる」ことは、本願発明1において、「前記スクリーンを、格子状スクリーンで構成するとともに、飛翔空間を飛翔する被破砕物が直接衝突する位置に、かつ、スクリーンの一端側を支持する揺動軸を」「設けることで、スクリーン面と」、「破砕室の周壁の接平面とがなす角度を、スクリーンが横軸ローターから離れた揺動位置」「から、スクリーンが横軸ローターに接近した揺動位置の」「範囲で調節できるように可動に配設するようにした」ことに相当する。

(イ)すると、本願発明1と引用発明とは、
「被破砕物の投入部及び排出部を備えた破砕室と、該破砕室内に配設した、周面に複数の打撃部材を揺動自在に備えた横軸ローターと、被破砕物が破砕された後に放出される排出部より破砕室側の被破砕物の飛翔空間に配設したスクリーンとからなる打撃部材を有する破砕機において、前記スクリーンを、格子状スクリーンで構成するとともに、飛翔空間を飛翔する被破砕物が直接衝突する位置に、かつ、スクリーンの一端側を支持する揺動軸を設けることで、スクリーン面と、破砕室の周壁の接平面とがなす角度を、スクリーンが横軸ローターから離れた揺動位置から、スクリーンが横軸ローターに接近した揺動位置の範囲で調節できるように可動に配設するようにした、打撃部材を有する破砕機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
・相違点1:本願発明1は、「破砕機」が、「横軸ローターの周面と対向する破砕室の周壁の所定角度の範囲に配設したクラッシュプレート」を有し、「被破砕物」が「打撃部材とクラッシュプレートとの間で破砕」される、との発明特定事項を有するのに対して、引用発明は、「クラッシュプレート」を有するか否かが明らかでない点。

・相違点2:本願発明1は、「破砕機」が、「揺動軸を、破砕室の周壁の接平面と排出部を挟んで対向する破砕室の壁側に設け」る、との発明特定事項を有するのに対して、引用発明1は前記発明特定事項を有しない点。

・相違点3:本願発明1は、「破砕機」が、「スクリーン面と、クラッシュプレートの終端位置における破砕室の周壁の接平面とがなす角度を、スクリーンが横軸ローターから離れた揺動位置の90°から、スクリーンが横軸ローターに接近した揺動位置の120°の範囲で調節」する、との発明特定事項を有するのに対して、引用発明1は、「スクリーン面と」、「破砕室の周壁の接平面とがなす角度」を調節するものであり、また、前記角度が、「スクリーンが横軸ローターから離れた揺動位置の90°から、スクリーンが横軸ローターに接近した揺動位置の120°の範囲」ではない点。

(1-2)判断
(ア)事案に鑑み、前記(1-1)(イ)の相違点2から検討すると、引用発明は、スクリーンを開放旋回させた際に未破砕のスクラップ片がスクリーンの自由端と破砕室との間から外部に放出されるのを防止するため、スクリーンの旋回域における破砕室上部をアーチ状に形成することにより、スクリーンの端面が破砕室に沿って、即ち、破砕室壁との間に僅かな間隙だけを保って移動し、スクラップ片の通過を確実に阻止できるようにするものである。
そして、そのような引用発明は、スクリーンの一端側を支持する揺動軸を、スクリーンの端面が破砕室に沿って、破砕室壁との間に僅かな間隙だけを保って移動するような位置に設けることで、スクラップ片の通過を確実に阻止するものといえるが、引用発明において、「揺動軸を破砕室の周壁の接平面と排出部を挟んで対向する破砕室の壁側に設け」た場合、スクリーンの端面が破砕室に沿って、破砕室壁との間に僅かな間隙だけを保って移動するものとはならず、スクラップ片の通過を確実に阻止するものともならないので、引用発明において、「揺動軸を破砕室の周壁の接平面と排出部を挟んで対向する破砕室の壁側に設け」ることは、そもそも想定されない。
そうすると、引用発明において、「揺動軸を破砕室の周壁の接平面と排出部を挟んで対向する破砕室の壁側に設け」るものとする動機付けは存在しないのであって、このことは、引用文献2の記載事項に左右されるものではない。

(イ)前記(ア)によれば、引用発明において、「破砕機」を、「揺動軸を、破砕室の周壁の接平面と排出部を挟んで対向する破砕室の壁側に設け」る、との前記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を有するものとすることを当業者が容易になし得るものではないから、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本願発明1を、引用文献8に記載された発明に基づいて、または引用文献8に記載された発明及び引用文献2に記載される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本願発明2?4について
(ア)本願発明2?4は、いずれも、本願発明1を引用するものであって、本願発明2?4のいずれかと引用発明とを対比した場合、いずれの場合であっても、少なくとも前記(1)(1-1)(イ)の相違点2の点で相違する。

(イ)そして、引用発明において、「揺動軸を破砕室の周壁の接平面と排出部を挟んで対向する破砕室の壁側に設け」るものとする動機付けは存在しないことは、前記(1)(1-2)(ア)に記載のとおりであり、このことは、引用文献5?7の記載事項に左右されるものでもない。

(ウ)してみれば、前記(1)(1-2)(イ)に記載したのと同様の理由により、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本願発明2が、引用文献8に記載された発明に基づいて、または引用文献8に記載された発明及び引用文献2に記載される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとも、本願発明3が、引用文献8に記載された発明及び引用文献2、5に記載される事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとも、本願発明4が、引用文献8に記載された発明及び引用文献6、7に記載される事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとも、いうことはできない。

3 小括
したがって、本願発明1?4は、引用文献8に記載された発明に基づいて、又は、引用文献8に記載された発明及び引用文献2、5?7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないということはできないので、前記第3の原査定の拒絶の理由は理由がない。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-10-13 
出願番号 特願2016-39855(P2016-39855)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B02C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小久保 勝伊  
特許庁審判長 日比野 隆治
特許庁審判官 馳平 憲一
金 公彦
発明の名称 打撃部材を有する破砕機  
代理人 森 治  

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