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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 B62D |
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管理番号 | 1367832 |
審判番号 | 不服2019-11195 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-08-26 |
確定日 | 2020-11-04 |
事件の表示 | 特願2016-529975号「冗長的機械制御を用いた直観的ドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリング」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 5月14日国際公開,WO2015/070251,平成28年11月24日国内公表,特表2016-536198号〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,2014年(平成26年)11月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年11月11日,米国(US))を国際出願日とする特許出願であって,平成28年7月11日に翻訳文が提出され,平成29年11月7日に手続補正書が提出され,平成30年9月21日付けで拒絶理由を通知し,平成31年4月22日付けで拒絶査定(以下,「原査定」という。)がなされ,これに対して,令和1年8月26日に本件拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され,同年9月3日付けの手続補正指令書に対して,同年10月9日に手続補正書(方式)及び上申書が提出され,同年10月15日に手続補正書(方式)が提出され,同年11月28日に前置報告がなされ,令和2年5月15日に上申書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし6に係る発明は,令和1年8月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものと認められるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,以下のとおりである(なお,請求項4に係る発明のみ補正され,請求項1?3,5,6に係る発明は補正されていない。)。 「【請求項1】 車両上のドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステムであって, 調整可能な方向を有するロードホイールと, 機械的リンクを介して前記ロードホイールに結合された,該ロードホイールの方向を調整することによって前記車両を操縦するロードホイールアクチュエータと, 前記車両を操縦するためのドライバー入力を受け取るドライバー入力機構と, 前記ロードホイールに対する前記ドライバー入力機構の結合及び分離を,前記機械的リンクを介して機械的に行う係合-解放機構と,を備え, 前記ドライバー入力機構は,前記係合-解放機構によって前記機械的リンクを介して前記ロードホイールに機械的に結合されている時に,前記ドライバー入力に基づいて前記機械的リンクを介して前記ロードホイールの方向を調整し, 前記ドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステムは, 電子ステアリング制御システムと, 前記ドライバー入力機構から前記ドライバー入力を受け取って該ドライバー入力を前記電子ステアリング制御システムに送信するステアリングセンサと,をさらに備え, 前記電子ステアリング制御システムは,前記係合-解放機構によって前記ドライバー入力機構が前記ロードホイールから機械的に分離している時に前記ドライバー入力に基づいて前記ロードホイールの方向を調整するように前記ロードホイールアクチュエータを制御する, ことを特徴とするドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステム。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は,以下のとおりである。 1.(新規性)この出願の下記の請求項1?4に係る発明は,本願の優先権主張の日前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。 2.(進歩性)この出願の下記の請求項1?6に係る発明は,本願の優先権主張の日前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ●理由1について ・請求項 1?4 ・引用文献等 1 ●理由2について ・請求項 1?4 ・引用文献等 1 ・請求項 5,6 ・引用文献等 1?3 <引用文献等一覧> 1.特開2001ー26277号公報 2.特開2013-23166号公報 3.米国特許第8532915号明細書 第4 引用文献 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面と共に以下の事項が記載されている(下線部は当審が付した。)。 ・「【請求項1】車両の操向のための操作手段と, 操向輪を転舵させるための舵取り機構と, 操作手段と舵取り機構とを機械的に連結/分離可能なクラッチ機構と, 操作手段の操作に基づいて舵取り機構を駆動するための駆動力を発生する操舵アクチュエータと, 車両直進時においては,上記クラッチ機構を連結状態として上記操作手段と舵取り機構とを機械的に連結させるクラッチ制御手段とを含むことを特徴とする車両用操舵装置。 【請求項2】車両の操向のための操作手段と, 操向輪を転舵させるための舵取り機構と, 操作手段と舵取り機構とを機械的に連結/分離可能なクラッチ機構と, 操作手段の操作に基づいて舵取り機構を駆動するための駆動力を発生する操舵アクチュエータと, 操作手段の操作位相と舵取り機構による操向輪の転舵位相との位相差に応じて,この位相差を打ち消すためのトルクを操作手段に与えるとともに,操作手段と舵取り機構とを両者の位相差の変動を許容した状態で機械的に連結する位相補償連結手段と, 電気的故障発生時に,上記操舵アクチュエータの駆動を停止するとともに,上記位相補償連結手段の働きによって上記位相差が許容値にまで減少するように定められた所定のタイミングで,上記クラッチ機構を連結状態として上記操作手段と舵取り機構とを機械的に連結させるクラッチ制御手段とを含むことを特徴とする車両用操舵装置。」 ・「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は,ステアリングホイールなどの操作手段と,操向輪を転舵させるための舵取り機構とが機械的に切り離された車両用操舵装置に関する。」 ・「【0009】この発明の第1の具体的な目的は,舵取り機構の動作の最適化が可能であるとともに,操舵フィーリングが良好で,かつ電力消費も抑制できる車両用操舵装置を提供することである。また,この発明の第2の具体的な目的は,故障発生時において,操作手段と舵取り機構との位相差を補償して,良好な機械的連結を図ることができ,これにより故障発生後においても良好な操舵フィーリングを達成できる車両用操舵装置を提供することである。」 ・「【0011】 【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は,車両の操向のための操作手段(20)と,操向輪を転舵させるための舵取り機構(10)と,操作手段と舵取り機構とを機械的に連結/分離可能なクラッチ機構(70)と,操作手段の操作に基づいて舵取り機構を駆動するための駆動力を発生する操舵アクチュエータ(40)と,車両直進時においては,上記クラッチ機構を連結状態として上記操作手段と舵取り機構とを機械的に連結させるクラッチ制御手段(50)とを含むことを特徴とする車両用操舵装置である。なお,括弧内の数字は,後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下,この項において同じ。 【0012】上記の構成によれば,操作手段と舵取り機構とは,クラッチ機構を介して機械的に連結/分離可能となっている。操作手段の操作に基づいて舵取り機構を駆動するための操舵アクチュエータが設けられていて,クラッチ機構において操作手段と舵取り機構とを分離した状態では,操作手段の操作に応じて操舵アクチュエータが最適な舵取り動作を実現できる。その一方で,車両が直進走行している状態においては,クラッチ機構は,操作手段と舵取り機構とを機械的に連結するので,この状態では,操舵アクチュエータは,駆動力の発生を停止するか,または発生する駆動力を弱くすることができる。 【0013】これにより,直進走行状態においては,操舵アクチュエータからの駆動力に起因する振動が生じたりすることがないので,良好な操舵フィーリングが得られ,また,無駄な電力消費を回避できる。そして,直進走行状態以外のときには,クラッチ機構により,操作手段と舵取り機構とを機械的に切り離して,舵取り機構を操舵アクチュエータによって駆動するようにすれば,コーナリング時などにおいて,操向輪を最適な転舵状態とすることができる。 【0014】なお,直進走行状態とは,たとえば,操作手段の操舵角および/または舵取り機構の舵角(操向輪の転舵角)が舵角中点付近の所定範囲内に一定時間以上ある状態をいう。したがって,直進走行状態を検出するための直進走行状態検出手段は,たとえば,操作手段の操舵角を検出する操舵角センサ(34)および/または舵取り機構の舵角を検出する舵角センサ(15)と,これらのセンサの出力が舵角中点付近を示す状態の継続時間を計時するタイマ手段(S2)とで構成することができる。したがって,上記クラッチ制御手段は,たとえば,上記のような直進走行状態検出手段が直進走行状態を検出しているときには,クラッチ機構を連結状態とし(S3),直進走行状態が検出されていないときには,クラッチ機構を分離状態とする(S4)ものであればよい。 【0015】請求項2記載の発明は,車両の操向のための操作手段(20)と,操向輪を転舵させるための舵取り機構(10)と,操作手段と舵取り機構とを機械的に連結/分離可能なクラッチ機構(70)と,操作手段の操作に基づいて舵取り機構を駆動するための駆動力を発生する操舵アクチュエータ(40)と,操作手段の操作位相と舵取り機構による操向輪の転舵位相との位相差に応じて,この位相差を打ち消すためのトルクを操作手段に与えるとともに,操作手段と舵取り機構とを両者の位相差の変動を許容した状態で機械的に連結する位相補償連結手段(85)と,電気的故障発生時に,上記操舵アクチュエータの駆動を停止するとともに,上記位相補償連結手段の働きによって上記位相差が許容値にまで減少するように定められた所定のタイミングで,上記クラッチ機構を連結状態として上記操作手段と舵取り機構とを機械的に連結させるクラッチ制御手段(50)とを含むことを特徴とする車両用操舵装置である。 【0016】この構成によれば,通常時には,クラッチ機構を分離状態として舵取り機構を電気的に制御し,操作手段と舵取り機構とを電気的に結合させて,適切な操向制御が行われる。そして,電気的故障が発生すると,位相補償連結手段の働きにより,操作手段と舵取り機構との位相差が補償された後に,クラッチ機構が連結され,操作手段と舵取り機構とが機械的に連結される。これにより,故障発生後には,操作手段と舵取り機構とが,位相差が少ないか,または,位相差のない状態で機械的に連結されることになるから,故障発生後の操舵に支障を来すことがない。つまり,位相差の補償をも達成した機械的フェールセーフ機能を達成でき,故障発生後も良好な操舵フィーリングを確保できる。」 ・「【0020】 【発明の実施の形態】以下では,この発明の実施の形態を,添付図面を参照して詳細に説明する。図1は,この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を示す図解図である。この車両用操舵装置は,舵取り用の一対の操向輪(通常は前輪)Wに舵取り動作を行わせるための舵取り機構10と,この舵取り機構10に対してクラッチ70を介して機械的に連結/分離が可能なステアリングホイール20と,このステアリングホイール20に反力を付与する反力アクチュエータ30とを有している。 【0021】舵取り機構10は,車体の左右方向に延びて配設された操舵軸11と,この操舵軸11の両端部にタイロッド12,12を介して結合され,操向輪W,Wを支持するナックルアーム13,13とを有している。操舵軸11は,ハウジング14に支承されて軸方向に摺動可能にされており,その途中部には,操舵アクチュエータとしての操舵モータ40が同軸的に組み込まれている。操舵モータ40が駆動されると,操舵モータ40の回転がボールねじ等からなる運動変換機構によって操舵軸11の摺動に変換され,この操舵軸11の摺動により操向輪W,Wの操舵が達成される。 【0022】操舵軸11の一部には,ラックギア11aが形成されており,このラックギア11aには,クラッチ70の一方側に結合されたシャフト71の先端のピニオンギア73が噛合している。クラッチ70の他方側に結合されたシャフト72は,ステアリングホイール20に結合されている。したがって,クラッチ70が連結状態であれば,ステアリングホイール20に加えられた操舵トルクは,操舵軸11に機械的に伝達され,これにより,操向輪Wの転舵が達成される。 【0023】反力アクチュエータ30は,クラッチ70とステアリングホイール20とを結合する上記のシャフト72を回転軸とする電動モータ(たとえば,三相ブラシレスモータ)で構成されており,そのケーシングが車体の適所に固定されている。シャフト72の一端には,ステアリングホイール20が同軸的に固定されている。一方,シャフト72の途中部には,歯車75が固定されており,この歯車75には別の歯車76が噛合している。この歯車76の回転軸は,所定の弾性を有する捩ればね32によって車体の適所に連結されている。捩ればね32は,ステアリングホイール20の回転操作の停止時に,その弾性により,歯車75,76を介して,シャフト72を回転させ,ステアリングホイール20を所定の中立位置に復帰させるためのものである。これにより,操向輪W,Wの直進方向への復帰動作に伴って,ステアリングホイール20を中立位置に復帰させることができる。 【0024】反力アクチュエータ30および操舵モータ40は,マイクロプロセッサ等を含む舵取り制御部50によって制御されるようになっている。具体的に説明すると,反力アクチュエータ30には,ステアリングホイール20から入力される操作トルクを検出するためのトルクセンサ33と,ステアリングホイール20の操作位置を検出するためのロータリエンコーダ34(操舵角センサ)とが付設されており,これらの各検出信号は舵取り制御部50に入力されるようになっている。 【0025】舵取り制御部50は,トルクセンサ33およびロータリエンコーダ34の検出信号に基づいて制御信号を作成し,その作成した制御信号を駆動回路35に与える。これにより,駆動回路35から反力アクチュエータ30に制御信号に応じた電流が供給され,その結果,反力アクチュエータ30からステアリングホイール20に,ステアリングホイール20の操作方向と逆方向の適当な反力が付与される。したがって,ステアリングホイール20の回転操作の際には,反力アクチュエータ30が発生する反力に抗する操作トルクを加える必要がある。 【0026】一方,操舵モータ40に関連して,操舵モータ40の回転位置を検出するためのロータリエンコーダ41が配置されており,このロータリエンコーダ41の検出信号が舵取り制御部50に入力されるようになっている。また,操舵軸11に関連して,この操舵軸11の軸方向位置(実転舵位置)を検出するための転舵位置センサ15(舵角センサ)が設けられている。この転舵位置センサ15の検出信号も舵取り制御部50に入力されるようになっている。舵取り制御部50には,さらに,車速を検出するための車速センサ60の検出信号が入力されるようになっている。この車速センサ60は,たとえば,車輪の回転速度を検出する車輪速センサによって構成することができる。 【0027】舵取り制御部50は,上記各センサ類からの入力信号に基づいて電圧指令値を設定し,この設定した電圧指令値に応じた制御信号を駆動回路42に与える。これにより,駆動回路42から操舵モータ40に制御信号に応じた電流が供給され,その結果,ステアリングホイール20の操作方向に応じた方向に操舵軸11を摺動させるためのトルクが操舵モータ40から出力される。 【0028】一方,舵取り制御部50は,クラッチ70を駆動するための駆動回路77を制御する。この制御内容は,図2のフローチャートに示されている。すなわち,舵取り制御部50は,ロータリエンコーダ34および転舵位置センサ15の出力に基づいて,操舵角および実転舵角(操向輪Wの実際の転舵角)が中点付近の所定範囲(たとえば,±15度以内の範囲。ただし,+は右方向操舵角を表し,-は左方向操舵角を表すものとする。)にあるかどうかを判断し(ステップS1),さらに,この状態が一定時間(たとえば,約3秒)継続したかどうかを判断する(ステップS2)。 【0029】操舵角が中点付近にある状態(ステップS1のYES)が上記一定時間以上継続した場合(ステップS2のYES)には,車両は直進走行状態にあるものとみなし,クラッチ70を連結状態とすべく,駆動回路77を制御する(ステップS3)。同時に,反力アクチュエータ30および操舵モータ40の駆動を停止する。 【0030】操舵角が中点付近にないか(ステップS1のNO),また,操舵角が中点付近にある状態が上記一定時間以上継続しない場合(ステップS2のNO)には,クラッチ70は分離状態に制御される(ステップS4)。クラッチ70が分離状態のときには,反力アクチュエータ30は,トルクセンサ33およびロータリエンコーダ34の各出力信号に応じてトルクを発生するように駆動制御され,操舵モータ40は,上述の各センサ類からの入力信号に応じて駆動制御される。 【0031】ただし,極低速走行時には,直進走行状態であってもクラッチ70を分離状態として,ステアリングホイール20の回転角に対する操向輪Wの転舵角の比(ステアリングギア比)を大きくすることが好ましいから,たとえば,車速が20Km/h未満のときには,上記ステップS1,S2の判断をせずに,クラッチ70を分離状態に制御するようにしてもよい。 【0032】このようにこの実施形態においては,車両が直進走行状態のときには,ステアリングホイール20と,舵取り機構10とを機械的に連結するようにして,操舵モータ40の駆動を停止しているので,外乱などに起因する振動が生じたりすることがなく,また,無駄な電力消費も回避できる。なお,操舵角が中点付近にあるかどうかについては,たとえば,トルクセンサ33によって検出される操舵トルクが所定のしきい値未満の小さな値であり,かつ,ロータリエンコーダ34によって検出される操舵角が所定のしきい値未満の小さな値であることに基づいて検出することもできる。」 ・「【0033】図3は,この発明の第2の実施形態に係る車両用操舵装置の構成を示す図解図である。この図3において,上述の図1に示された各部に対応する部分には,図1の場合と同一の参照符号を付して示す。この実施形態では,クラッチ70のシャフト71,72の各途中部にそれぞれ歯車81,75が固定されており,これらの歯車81,75に,歯車82,76がそれぞれ噛合している。そして,歯車82,76の回転軸同士が,位相補償連結手段としてのばね85で連結されている。このばね85は,舵取り機構10の位相θ3とステアリングホイール20の位相θ1との位相差Δθ(=θ3-θ1)の変動を許容しつつ,ステアリングホイール20と舵取り機構10とを機械的に連結している。そして,このばね85は,位相差Δθに応じたトルクT=(θ3-θ1)K(ただし,Kはばね定数)をステアリングホイール20側に与え,これにより,位相差Δθを零にしようとする働きがある。 【0034】たとえば,舵取り制御部50は,ステアリングホイール20の操作量と舵取り機構10による操向輪Wの転舵量との比(ステアリングギア比)を,たとえば,1以上2以下の範囲で車速に応じて可変設定する。具体的には,たとえば,車速が100km/hのときには,ステアリングギア比を1対1として,ステアリングホイール20の操作量と操向輪Wの転舵量とを等しくし,車速が0km/hのときには,ステアリングギア比を1対2として,ステアリングホイール20の操作量の2倍の操向を行うようにして,0km/hから100km/hの車速においては,1から2までのステアリングギア比を線形または非線形に定める。したがって,ステアリングホイール20の回転角範囲を左右90度ずつの範囲に制限するとすれば,最大で約90度の位相差Δθが生じる可能性がある。 【0035】通常状態では,舵取り制御部50は,クラッチ70を分離状態に制御しているが,電気的故障が発生すると,舵取り制御部50は,操舵モータ40の駆動制御を停止し,クラッチ70を連結状態に制御する。この際,舵取り制御部50は,ばね85の働きにより,位相差Δθが零付近の値になるのに要する所定時間だけ待機し,その後に,クラッチ70を連結状態にする。これにより,位相差Δθが補償された状態で,ステアリングホイール20と舵取り機構10とが,位相差Δθの変動を禁止した状態で,機械的に連結されることになる。 【0036】ドライバがステアリングホイール20に操舵トルクを加えている場合などには,位相差Δθを完全に補償することができない場合がある。そこで,この実施形態では,クラッチ70が連結状態とされたときの位相θ1およびθ3がそれぞれロータリエンコーダ34および転舵位置センサ15によって検出され,この検出結果に基づいて,位相差Δθの大きさと,そのずれの方向とが,表示部90において表示されるようになっている。表示部90は,車両のインスツルメントパネルに設けられることが好ましく,インスツルメントパネルに液晶表示装置などのような可変表示装置が備えられている場合には,これを利用して位相差Δθの表示を行うようにしてもよい。 【0037】なお,図3において二点鎖線で囲って示してあるように,反力アクチュエータ30をシャフト72上に設ける代わりに,ステアリングホイール20側のシャフト72にトルク伝達が可能な歯車76に噛合するように設けられた歯車95に,反力モータ96から,クラッチ97を介して操舵反力が与えられるようになっていてもよい。通常状態では,クラッチ97は,連結状態にあって,反力モータ96は,ばね85が発生するトルクを打ち消しつつ,適切な反力をステアリングホイール20に与える。そして,電機的故障が発生すると,反力モータ96は駆動停止されるとともに,クラッチ97は,分離状態とされる。反力モータ96およびクラッチ97のこれらの動作は,舵取り制御部50が駆動回路98,99を介してそれらを駆動制御することによって実現される。 【0038】この構成によって,ステアリングホイール20と舵取り機構10とが機械的に分離されている状況下において,ばね85から不所望なトルクがステアリングホイール20に与えられることを防止でき,良好な操舵フィーリングを実現できる。むろん,シャフト72上に設けられた反力アクチュエータ30によっても,同様の働きが可能である。」 ・「【0048】以上,この発明の3つの実施形態について説明し,さらにその改良例について説明したが,この発明は,さらに他の形態で実施することも可能である。たとえば,上述の第1の実施形態と第2の実施形態の特徴を組み合わせてもよい。すなわち,図3の構成において,直進走行状態においては,クラッチ70を連結状態としてステアリングホイール20と舵取り機構10とを機械的に連結させ,さらに,電気的故障が発生したときには,ばね85によって位相差を解消または低減した後に,クラッチ70を連結状態とするようにしてもよい。」 図2,図3には,以下の内容が図示されている。 これらの記載事項により,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「通常時には,クラッチ機構を分離状態として舵取り機構を電気的に制御し,操作手段と舵取り機構とを電気的に結合させて,適切な操向制御が行われる車両用操舵装置であって, 舵取り用の一対の操向輪Wと, 舵取り用の一対の操向輪Wに舵取り動作を行わせるための舵取り機構10と,この舵取り機構10に対してクラッチ70を介して機械的に連結/分離が可能なステアリングホイール20と,このステアリングホイール20に反力を付与する反力アクチュエータ30とを有し, 前記舵取り機構10は,車体の左右方向に延びて配設された操舵軸11と,この操舵軸11の両端部にタイロッド12,12を介して結合され,前記操向輪W,Wを支持するナックルアーム13,13とを有しており, 前記操舵軸11は,ハウジング14に支承されて軸方向に摺動可能にされており,その途中部には,操舵アクチュエータとしての操舵モータ40が同軸的に組み込まれており, 前記操舵モータ40が駆動されると,前記操舵モータ40の回転が前記操舵軸11の摺動に変換され,この操舵軸11の摺動により操向輪W,Wの操舵が達成され, 前記クラッチ70が連結状態であれば,前記ステアリングホイール20に加えられた操舵トルクは,前記操舵軸11に機械的に伝達され,これにより,前記操向輪Wの転舵が達成されるものであり, 反力アクチュエータ30および操舵モータ40は,マイクロプロセッサ等を含む舵取り制御部50によって制御され,反力アクチュエータ30には,ステアリングホイール20から入力される操作トルクを検出するためのトルクセンサ33と,ステアリングホイール20の操作位置を検出するためのロータリエンコーダ34(操舵角センサ)とが付設されており,これらの各検出信号は舵取り制御部50に入力され, 舵取り制御部50は,トルクセンサ33およびロータリエンコーダ34の検出信号に基づいて制御信号を作成し,その作成した制御信号を駆動回路35に与え,駆動回路35から反力アクチュエータ30に制御信号に応じた電流が供給され,その結果,反力アクチュエータ30からステアリングホイール20に,ステアリングホイール20の操作方向と逆方向の適当な反力が付与され,ステアリングホイール20の回転操作の際には,反力アクチュエータ30が発生する反力に抗する操作トルクを加える必要があり, 操舵モータ40に関連して,操舵モータ40の回転位置を検出するためのロータリエンコーダ41が配置されており,このロータリエンコーダ41の検出信号が舵取り制御部50に入力され,操舵軸11に関連して,この操舵軸11の軸方向位置(実転舵位置)を検出するための転舵位置センサ15(舵角センサ)が設けられ,この転舵位置センサ15の検出信号も舵取り制御部50に入力され,舵取り制御部50には,さらに,車速を検出するための車速センサ60の検出信号が入力され, 舵取り制御部50は,上記各センサ類からの入力信号に基づいて電圧指令値を設定し,この設定した電圧指令値に応じた制御信号を駆動回路42に与え,駆動回路42から操舵モータ40に制御信号に応じた電流が供給され,その結果,ステアリングホイール20の操作方向に応じた方向に操舵軸11を摺動させるためのトルクが操舵モータ40から出力されるものであり, 操舵角が中点付近にある状態(ステップS1のYES)が上記一定時間以上継続した場合(ステップS2のYES)には,車両は直進走行状態にあるものとみなし,クラッチ70を連結状態とすべく,駆動回路77を制御し(ステップS3),同時に,反力アクチュエータ30および操舵モータ40の駆動を停止するものであり, 操舵角が中点付近にないか(ステップS1のNO),また,操舵角が中点付近にある状態が上記一定時間以上継続しない場合(ステップS2のNO)には,クラッチ70は分離状態に制御され(ステップS4),クラッチ70が分離状態のときには,反力アクチュエータ30は,トルクセンサ33およびロータリエンコーダ34の各出力信号に応じてトルクを発生するように駆動制御され,操舵モータ40は,上述の各センサ類からの入力信号に応じて駆動制御されるものであり, 通常状態では,舵取り制御部50は,クラッチ70を分離状態に制御しているが,電気的故障が発生すると,舵取り制御部50は,操舵モータ40の駆動制御を停止し,クラッチ70を連結状態に制御し,この際,舵取り制御部50は,ばね85の働きにより,位相差Δθが零付近の値になるのに要する所定時間だけ待機し,その後に,クラッチ70を連結状態にすることにより,位相差Δθが補償された状態で,ステアリングホイール20と舵取り機構10とが,位相差Δθの変動を禁止した状態で,機械的に連結されることになる, 前記車両用操舵装置。」 第5 対比・判断 1.本願発明と引用発明とを対比すると,後者の「通常時には,クラッチ機構を分離状態として舵取り機構を電気的に制御し,操作手段と舵取り機構とを電気的に結合させて,適切な操向制御が行われる車両用操舵装置」及び「前記車両用操舵装置」は前者の「車両上のドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステム」及び「ドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステム」に相当し,以下同様に,「操向輪W」は「ロードホイール」に,「操舵アクチュエータとしての操舵モータ40」及び「前記操舵モータ40」は「ロードホイールアクチュエータ」に,「操舵軸11」,「タイロッド12」及び「ナックルアーム13」は「機械的リンク」に,「操作手段」及び「ステアリングホイール20」は「ドライバー入力機構」及び「車両を操縦するためのドライバー入力を受け取るドライバー入力機構」に,「連結/分離」は「結合及び分離」に,「クラッチ機構」及び「クラッチ70」は「係合-解放機構」に,「操舵トルク」は「ドライバー入力」に,「舵取り制御部50」及び「駆動回路42」は「電子ステアリング制御システム」に,「ロータリエンコーダ34(操舵角センサ)及び「トルクセンサ33」は「ステアリングセンサ」に,それぞれ相当する。 2.後者の「舵取り用の一対の操向輪W」は前者の「調整可能な方向を有するロードホイール」に相当する。 3.後者では,「前記舵取り機構10は,車体の左右方向に延びて配設された操舵軸11と,この操舵軸11の両端部にタイロッド12,12を介して結合され,前記操向輪W,Wを支持するナックルアーム13,13とを有して」いるから,機械的リンクとしての操舵軸11,タイロッド12,ナックルアーム13を介して,操向輪Wは結合されており,後者の「操舵アクチュエータとしての操舵モータ40」は「操舵軸11に」「同軸的に組み込まれており」,「前記操舵モータ40が駆動されると,前記操舵モータ40の回転が前記操舵軸11の摺動に変換され,この操舵軸11の摺動により操向輪W,Wの操舵が達成され」て車両を操縦することは明らかであるから,後者の「操舵アクチュエータとしての操舵モータ40」は前者の「機械的なリンクを介して前記ロードホイールに結合された,該ロードホイールの方向を調整することによって前記車両を操縦するロードホイールアクチュエータ」に相当する。 4.後者では,「前記舵取り機構10は,車体の左右方向に延びて配設された操舵軸11と,この操舵軸11の両端部にタイロッド12,12を介して結合され,前記操向輪W,Wを支持するナックルアーム13,13とを有して」いるとともに「舵取り用の一対の操向輪Wに舵取り動作を行わせるための舵取り機構10と,この舵取り機構10に対してクラッチ70を介して機械的に連結/分離が可能なステアリングホイール20」とあるから,後者の「クラッチ70」は,操向輪Wに対するステアリングホイール20の連結/分離を,操舵軸11,タイロッド12,ナックルアーム13を有する舵取り機構10を介して機械的に行うものであり,前者の「前記ロードホイールに対する前記ドライバー入力機構の結合及び分離を,前記機械的リンクを介して機械的に行う係合-解放機構」に相当する。 5.後者では,「前記クラッチ70が連結状態であれば,前記ステアリングホイール20に加えられた操舵トルクは,前記操舵軸11に機械的に伝達され,これにより,前記操向輪Wの転舵が達成されるものであ」るから,ステアリングホイール20はクラッチ70によって操舵軸11を介して操向輪Wに機械的に結合されている時に,前記ステアリングホイール20に加えられる操舵トルクに基づいて前記操舵軸11を介して前記操向輪Wの方向を調整することは明らかであり,後者の「ステアリングホイール20」は,前者の「前記ドライバー入力機構は,前記係合-解放機構によって前記機械的リンクを介して前記ロードホイールに機械的に結合されている時に,前記ドライバーの入力に基づいて前記機械的リンクを介して前記ロードホイールの方向を調整」することに相当する。 6.後者の「車両用操舵装置」は,「舵取り制御部50」及び「駆動回路42」(前者の「電子ステアリング制御システム」に相当)を備えるものである。 そして,後者では,「ステアリングホイール20から入力される操作トルクを検出するためのトルクセンサ33とステアリングホイール20の操作位置を検出するためのロータリエンコーダ34(操舵角センサ)とが付設されており,これらの各検出信号は舵取り制御部50に入力され」るから,後者の「車両用操舵装置」は,前者の「前記ドライバー入力機構から前記ドライバー入力を受け取って該ドライバー入力を前記電子ステアリング制御システムに送信するステアリングセンサ」と「をさらに備え」る「ドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステム」に相当する。 7.後者では,「車両が直進走行状態にある」場合と「電気的故障が発生」した場合を除いた状態が「車両用操舵装置」の「通常状態」といえ,後者の「通常状態では,舵取り制御部50は,クラッチ70を分離状態に制御」するものであり,「舵取り制御部50は,上記各センサ類からの入力信号に基づいて電圧指令値を設定し,この設定した電圧指令値に応じた制御信号を駆動回路42に与え,駆動回路42から操舵モータ40に制御信号に応じた電流が供給され,その結果,ステアリングホイール20の操作方向に応じた方向に操舵軸11を摺動させるためのトルクが操舵モータ40から出力されるものであ」って,「上記各センサ類からの入力信号」には上述した「ステアリングホイール20から入力される操作トルクを検出するためのトルクセンサ33とステアリングホイール20の操作位置を検出するためのロータリエンコーダ34(操舵角センサ)」からの「各検出信号」が含まれるから,後者の「舵取り制御部50」及び「駆動回路42」の行う制御は,前者の「前記電子ステアリング制御システムは,前記係合-解放機構によって前記ドライバー入力機構が前記ロードホイールから機械的に分離している時に前記ドライバー入力に基づいて前記ロードホイールの方向を調整するように前記ロードホイールアクチュエータを制御する」ことに相当する。 そうすると,両者は, 「車両上のドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステムであって, 調整可能な方向を有するロードホイールと, 機械的なリンクを介して前記ロードホイールに結合された,該ロードホイールの方向を調整することによって前記車両を操縦するロードホイールアクチュエータと, 前記車両を操縦するためのドライバー入力を受け取るドライバー入力機構と, 前記ロードホイールに対する前記ドライバー入力機構の結合及び分離を,前記機械的リンクを介して機械的に行う係合-解放機構と,を備え, 前記ドライバー入力機構は,前記係合-解放機構によって前記機械的リンクを介して前記ロードホイールに機械的に結合されている時に,前記ドライバーの入力に基づいて前記機械的リンクを介して前記ロードホイールの方向を調整し, 前記ドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステムは, 電子ステアリング制御システムと, 前記ドライバー入力機構から前記ドライバー入力を受け取って該ドライバー入力を前記電子ステアリング制御システムに送信するステアリングセンサと,をさらに備え, 前記電子ステアリング制御システムは,前記係合-解放機構によって前記ドライバー入力機構が前記ロードホイールから機械的に分離している時に前記ドライバー入力に基づいて前記ロードホイールの方向を調整するように前記ロードホイールアクチュエータを制御する, ドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリングシステム。」 の点で一致し,相違点はない。 したがって,本願発明1は,引用文献1に記載された発明(引用発明)である。 第6 請求人の主張について 1.請求人は,令和1年10月9日付けの審判請求書の手続補正書((3)(ii)の項)において,「(カ)このような開示から,引用文献1は,車両が直進状態にあるときのみ(即ち,車両が直線上を走行し,ロードホイールの方向の調整が行われず更にロードホイールの方向の調整の必要ないときのみ),クラッチを介して舵取り機構に連結されるステアリングホイールを開示していることが分かる。 (キ)したがって,引用文献1は,車両が曲がるときのように車両の方向を調整または変更するときに,クラッチを介して舵取り機構に連結されているステアリングホイールを開示も示唆もしていない。 即ち,引用文献1は,本願請求項1の構成要件『前記ドライバー入力機構は,前記係合-解放機構によって前記機械的リンクを介して前記ロードホイールに機械的に結合されている時に,前記ドライバー入力に基づいて前記機械的リンクを介して前記ロードホイールの方向を調整し』を備えていない」旨主張する。 しかしながら,上述したように,引用発明は,車両が直進走行状態にある場合だけでなく,電気的故障が発生した場合にも,クラッチを介して舵取り機構に連結されているステアリングホイールを特定しており,本願請求項1の構成要件「前記ドライバー入力機構は,前記係合-解放機構によって前記機械的リンクを介して前記ロードホイールに機械的に結合されている時に,前記ドライバー入力に基づいて前記機械的リンクを介して前記ロードホイールの方向を調整し」を備えるものであるから,請求人の上記主張は,採用することができない。 2.請求人は,同手続補正書において,「(ク)また,引用文献1は,本願請求項1の構成要件『前記ドライバー入力機構から前記ドライバー入力を受け取って該ドライバー入力を前記電子ステアリング制御システムに送信するステアリングセンサと,をさらに備え,前記電子ステアリング制御システムは,前記係合-解放機構によって前記ドライバー入力機構が前記ロードホイールから機械的に分離している時に前記ドライバー入力に基づいて前記ロードホイールの方向を調整するように前記ロードホイールアクチュエータを制御する』についての開示も示唆も行っていない。」旨主張する。 しかしながら,上記「第5.対比・判断」の「6.」「7.」において述べたように,上記構成要件は,引用発明に特定されているから,請求人の上記主張は,採用することができない。 また,請求人は,令和2年5月15日付けの上申書においても、上記主張1.2.と同様の主張をしているが,これらの主張も同様の理由により採用することができない。 第7 むすび 以上のとおり,本願発明1は,引用文献1に記載された発明(引用発明)であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。 そうすると,本願は,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,拒絶されるべきである。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2020-05-26 |
結審通知日 | 2020-06-01 |
審決日 | 2020-06-16 |
出願番号 | 特願2016-529975(P2016-529975) |
審決分類 |
P
1
8・
113-
Z
(B62D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 飯島 尚郎 |
特許庁審判長 |
氏原 康宏 |
特許庁審判官 |
出口 昌哉 藤井 昇 |
発明の名称 | 冗長的機械制御を用いた直観的ドライブ・バイ・ワイヤ・ステアリング |
代理人 | 須田 洋之 |
代理人 | 倉澤 伊知郎 |
代理人 | 松下 満 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 山本 泰史 |
代理人 | ▲吉▼田 和彦 |