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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1367977 |
審判番号 | 不服2019-13628 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-10-11 |
確定日 | 2020-11-11 |
事件の表示 | 特願2018- 57369「表面実装可能な半導体デバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月26日出願公開、特開2018-117149〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続きの経緯 本願は、平成25年5月7日に特許出願した特願2015-513302号(パリ条約による優先権主張2012年5月23日、米国)の一部を平成30年3月26日に新たな特許出願としたものであって、その後の主な手続きの経緯は、以下のとおりである。 平成30年 3月26日 :翻訳文提出書・出願審査請求書の提出 平成31年 3月 7日付け:拒絶理由通知(同年3月12日発送) 同年 4月15日 :意見書 令和元年 7月 5日付け:拒絶査定(同年7月9日送達) 同年10月11日 :審判請求書・手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1ないし3に係る発明は、令和元年10月11日付け手続補正により補正された請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。 「【請求項1】 キャリア基板に実装される一つ又は複数の表面実装可能なデバイスのアレンジメントであって、 前記一つ又は複数の表面実装可能なデバイスの各々が、半導体基板上の少なくとも一つの半導体素子、並びに前記半導体素子上に両方とも形成されている第1の高さを有する一つ又は複数の電気接続パッド、及び第2の高さを有する少なくとも一つのサーマルパッドを有し、前記サーマルパッドの前記第2の高さは、前記電気接続パッドの前記第1の高さよりも高く、前記サーマルパッドは、トレンチ又はギャップによって前記電気接続パッドから分離され、前記トレンチ又はギャップは、電気絶縁材料で充填されており、 前記キャリア基板は、導電層が上に配置された誘電体層によって覆われた金属板又は金属コア層を少なくとも有し、前記導電層及び前記誘電体層は、前記デバイスの前記サーマルパッドの下に存在しない又は除去されており、 前記サーマルパッドは、熱的相互接続層によって前記金属板又は金属コア層に熱的に接続され、前記電気接続パッドは、電気的相互接続層によって前記導電層に電気的に接続され、前記電気的相互接続層は、前記熱的相互接続層と同じ厚さを有する、 アレンジメント。」(なお、下線は、当審で付した。以下同じ。) 第3 原査定の拒絶理由 原査定の拒絶理由の概要は、以下のとおりである。 本願の請求項1ないし8に係る発明は、下記の引用文献に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献: 特開2003-168829号公報 第4 引用文献 1 引用文献に記載の事項 なお、下線は、当審で付した。以下、同じ。 (1)「【請求項1】 少なくとも一面に絶縁層を備える導体板と、絶縁層を介して導体板に積層された導電層と、少なくとも一方の電極が導電層にフェースダウン実装により電気的に接続された発光ダイオードチップとを備え、発光ダイオードと導体板との対向面間には絶縁層よりも熱伝導率の高い熱伝達部材が介装されることを特徴とする発光装置。 【請求項2】 前記発光ダイオードの各電極が電極ごとに各別に設けられた導電層にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。 【請求項3】 …… 【請求項4】 前記熱伝達部材が金属であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の発光装置。」 (2)「【0019】 【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本実施形態の発光装置は、図1に示すように、導体板11を基材とした配線基板1に発光ダイオードチップ2を実装したものである。導体板11としてはアルミニウム板のように熱および電気の良導体である金属板を用いる。導体板11において発光ダイオードチップ2の実装面の一部には絶縁層13を介して導電層12が形成される。導電層12としては金を用いており、導電層12には配線パターンを形成してある。 【0020】 発光ダイオードチップ2はサファイア基板上に窒化ガリウム系の発光層を形成し、p層とn層とに接続された各電極が主表面側に露出するものを用いている(各図において発光ダイオードチップ2をサファイア基板とp層とn層との3層構造で表している)。この発光ダイオードチップ2は、上述した配線基板1にフェースダウン実装される。すなわち、発光ダイオードチップ2の一方の電極は主表面に露出しており、他方の電極(サファイア基板寄りの電極)は主表面の一部を除去して設けられているのであって、主表面に露出する電極には半田によるバンプ21aを形成し、サファイア基板寄りの電極には金によるバンプ21bを形成してある。ここに、主表面に露出する電極の面積はサファイア基板寄りの電極よりも十分に大きく形成されており、この電極がバンプ21aを介して導体板11に接続される。また、サファイア基板寄りの電極はバンプ21bを介して導電層12に接続される。この構成によって、発光ダイオードチップ2は導体板11とは半田によるバンプ2aを介して比較的大きい面積で熱的に結合されることになる。半田は熱伝導性が比較的高く、しかもバンプ2aの断面積が比較的大きいから、発光ダイオードチップ2から導体板11に対して効率よく熱を伝達させることが可能になっている。…。なお、バンプ21aには半田を用いているが、熱伝導率の高い材料であれば他の材料を用いてもよい。」 (3)「【0028】(第2の実施の形態)本実施形態は、図4に示すように、発光ダイオードチップ2の各電極にそれぞれ接続される導電層12を形成したものである。すなわち、配線基板1における発光ダイオードチップ2の実装面に絶縁層13を介して電気的に独立した導電層1を形成し、各導電層12に発光ダイオードチップ2の各電極をそれぞれ接続するものである。ただし、発光ダイオードチップ2において導体板11との対向面は酸化シリコンからなる保護膜により覆われており、発光ダイオードチップ2と導体板11との間には熱伝導率の高い材料からなる熱伝達部材16が挟装される。熱伝達部材16としてはたとえば銀板を用いる。 【0029】 発光ダイオードチップ2の各電極は各導電層12に対して導電性ペースト22を介してそれぞれ接続されている。すなわち、発光ダイオードチップ2の電極と各導電層12とを銀ペーストのような導電性ペースト22により接続することによって、導電性ペースト22の硬化に伴う収縮によって、熱伝達部材16を発光ダイオードチップ2と導体板11とに密着させることが可能となる。……なお、導電性ペースト22に代えて第1の実施の形態と同様にバンプを用いることも可能である。このことは以後の実施形態においても同様である。 【0031】 上述の実施形態では熱伝達部材16を導体板11と発光ダイオードチップ2とに接触させているだけであるが、図7に示すように、熱伝達部材16の両面をそれぞれ接着剤17により導体板11と発光ダイオードチップ2とに接着する構成を採用してもよい。なお、導体板11と発光ダイオードチップ2との一方にのみ接着剤17によって熱伝達部材16を接着し、他方には当接させる構成を採用してもよい。接着剤17には熱伝導性に優れる半田や銀ペーストを用いると高い放熱効果が得られるが、アンダーフィル樹脂として用いられている合成樹脂を接着剤17として用いる構成を採用しても接着剤17の厚みを小さくすれば、発光ダイオードチップ2の温度上昇の抑制に比較的良好な効果が得られる。」 (4)「【0044】 上述した各実施形態では、導体板11としてアルミニウム板を用いたが、導体板11の材料としては熱および電気の良導体であればよく、たとえば金を用いることも可能である。また、導電層12には金を用いているが、銀や銅のように導電性に優れた導体であればよい。また、発光ダイオードチップ2としては、サファイア基板上に窒化ガリウム系の発光層を積層したものを用いたが、基板が透光性を有していてフェースダウン実装が可能な発光ダイオードチップ2であればよい。」 (5)図7は、以下のものである。 1 配線基板 2 発光ダイオードチップ 11 導体板 12 導電層 13 絶縁層 16 熱伝達部材 17 接着剤 22 導電性ペースト 2 引用文献に記載された発明 (1)上記1(1)の記載から、引用文献には、 「少なくとも一面に絶縁層を備える導体板と、前記絶縁層を介して導体板に積層された導電層と、前記導電層にフェースダウン実装により電気的に接続された発光ダイオードチップと、を備え、 前記発光ダイオードチップの各電極が電極ごとに各別に設けられた導電層にそれぞれ接続され、 前記発光ダイオードチップと前記導体板との対向面間に金属材が介装されている、発光装置。」(請求項1?2?4)が記載されているものと認められる。 (2)上記1(2)及び(3)の記載からして、以下のことが理解できる。 ア 上記(1)の「導体板」は、アルミニウム板であってもよいこと。 イ 上記(1)の「金属材」は、銀板であってもよいこと。 ウ 上記(1)の「発光ダイオードチップ」は、サファイア基板上に窒化ガリウム系の発光層を積層したものであってもよいこと(つまり、成長基板としてサファイア基板を用いてもよいこと。)。 (3)上記1(4)の記載からして、以下のことが理解できる。 上記(1)の「発光ダイオードチップ」の成長基板は、サファイア基板に限らないこと。 (4) 上記1(3)の記載を踏まえて、図7を見ると、以下のことが理解できる。 ア 上記(1)の「発光ダイオードチップの各電極」は、発光ダイオードチップ上に形成され、導電ペースト又はバンプ(金又は半田)により各別に設けられた導電層にそれぞれ接続されていること。 イ 上記(1)の「金属材」は、接着剤、具体的には、熱伝導性に優れる半田や銀ペーストにより「発光ダイオードチップ」と「導体板」に接着されていること。 ウ 上記(1)の「金属材」は、「発光ダイオードチップの各電極」とはギャップによって電気的に分離していること。 エ 上記(1)の「金属材」が「導体板」と接触する箇所には「絶縁層」及び「導電層」は、存在しないこと。 (5)上記(1)ないし(4)の検討からして、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「少なくとも一面に絶縁層を備えるアルミニウム板と、前記絶縁層を介してアルミニウム板に積層された導電層と、前記導電層にフェースダウン実装により電気的に接続された発光ダイオードチップと、を備え、 前記発光ダイオードチップは、サファイア基板上に窒化ガリウム系の発光層を積層したものであり、 前記発光ダイオードチップの各電極は、バンプ(金又は半田)により各別に設けられた前記導電層にそれぞれ接続され、 前記発光ダイオードチップと前記アルミニウム板との対向面間に銀板が介装され、該銀板は、熱伝導性に優れる半田により接着され、 前記銀板は、前記発光ダイオードチップの各電極とギャップによって電気的に分離され、 前記銀板が前記アルミニウム板と接触する箇所には、前記絶縁層及び前記導電層は存在しない、発光装置。」 第5 当審の判断 1 対比 (1)本願発明と引用発明とを対すると以下のことがいえる。 ア 引用発明の「少なくとも一面に絶縁層を備えるアルミニウム板」は、本願発明の「キャリア基板」に相当する。 イ 引用発明の「『アルミニウム板に積層された導電層』上に『フェースダウン実装』」された『発光ダイオードチップ』」は、本願発明の「表面実装可能なデバイス」に相当する。 ウ(ア)引用発明の「発光ダイオードチップ」は、「サファイア基板上に窒化ガリウム系の発光層を積層したもの」であるから、本願発明の「半導体素子」に相当する。 以下、同様に、 「発光ダイオードチップの各電極」は、「第1の高さを有する一つ又は複数の電気接続パッド」に、 「銀板」は、「第2の高さを有する少なくとも一つのサーマルパッド」に、それぞれ、相当する。 (イ)引用発明の「発光ダイオードチップの各電極」は、「アルミニウム板に積層された導電層」に接続され、一方、「銀板」は、「アルミニウム板」に(直接)接着されているから、「銀板」の突出長、つまり、高さ(厚さ)は、「銀板」の方が高い(厚い)ことは明らかである。 エ 引用発明の「発光装置」は、「『アルミニウム板に積層された導電層』上に「『フェースダウン実装』された『発光ダイオードチップ』」を備えるから、「アレンジメント」の構成を備えているといえる。 オ ここで、上記アないしエを整理すると、本願発明と引用発明とは、 「キャリア基板に実装される一つの表面実装可能なデバイスのアレンジメントであって、 前記一つの表面実装可能なデバイスが、基板上の少なくとも一つの半導体素子、及び前記半導体素子上に両方とも形成されている第1の高さを有する一つ又は複数の電気接続パッドを有し、 第2の高さを有する少なくとも一つのサーマルパッドを有し、 前記サーマルパッドの前記第2の高さは、前記電気接続パッドの前記第1の高さよりも高く、前記サーマルパッドは、ギャップによって前記電気接続パッドから分離されている」点で一致する。 カ 引用発明の「アルミニウム基板」は、その一面に「絶縁層」及び「導電層」を備え、「銀板がアルミニウム板と接触する箇所には、絶縁層及び導電層は存在しない」ことから、 本願発明と引用発明とは、「キャリア基板は、導電層が上に配置された誘電体層によって覆われた金属板を少なくとも有し、前記導電層及び前記誘電体層は、デバイスのサーマルパッドの下に存在しない又は除去されている」点で一致する。 キ 引用発明の「銀板」は、熱伝導性に優れる半田により「発光ダイオードチップ」と「アルミニウム板」との対向面間に介装されているから、本願発明と引用発明とは、「サーマルパッドは、熱的相互接続層によって金属板に熱的に接続されている」点で一致する。 ク 引用発明の「発光ダイオードチップの各電極」は、バンプ(金又は半田)により「各別に設けられた導電層にそれぞれ接続され」ているから、本願発明と引用発明とは、「電気接続パッドは、電気的相互接続層によって導電層に電気的に接続されている」点で一致する。 (2)上記(1)の検討からして、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致する。 <一致点> 「キャリア基板に実装される一つの表面実装可能なデバイスのアレンジメントであって、 前記一つの表面実装可能なデバイスが、基板上の少なくとも一つの半導体素子、及び前記半導体素子上に両方とも形成されている第1の高さを有する一つ又は複数の電気接続パッドを有し、 第2の高さを有する少なくとも一つのサーマルパッドを有し、 前記サーマルパッドの前記第2の高さは、前記電気接続パッドの前記第1の高さよりも高く、前記サーマルパッドは、ギャップによって前記電気接続パッドから分離され、 前記キャリア基板は、導電層が上に配置された誘電体層によって覆われた金属板を少なくとも有し、前記導電層及び前記誘電体層は、前記デバイスの前記サーマルパッドの下に存在しない又は除去されており、 前記サーマルパッドは、熱的相互接続層によって前記金属板に熱的に接続され、前記電気接続パッドは、電気的相互接続層によって前記導電層に電気的に接続され、前記電気的相互接続層と前記熱的相互接続層は、所定厚さを有する、アレンジメント。」 (3)一方、両者は、以下の点で相違する。 <相違点1> 半導体素子の基板に関して、 本願発明は、「半導体基板」であるのに対して、 引用発明は、サファイア基板である点。 <相違点2> 一つの表面実装可能なデバイスに関して、 本願発明は、「第2の高さを有する少なくとも一つのサーマルパッドを有し」、「トレンチ又はギャップは、電気絶縁材料で充填されて」いるのに対して、 引用発明は、発光ダイオードチップ上に(予め)「各電極」及び「銀板」が形成されているのか不明であり、ギャップが「電気絶縁材料」で充填されていない点。 <相違点3> 相互接続層の所定厚さに関して、 本願発明は、「同じ厚さ」であるのに対して、 引用発明は、不明である点。 2 判断 (1)上記<相違点1>について検討する。 ア 引用発明の「発光ダイオード」は、「サファイア基板上に窒化ガリウム系の発光層を積層した」ものであるところ、 引用文献の【0044】に「……発光ダイオードチップ2としては、サファイア基板上に窒化ガリウム系の発光層を積層したものを用いたが、基板が透光性を有していてフェースダウン実装が可能な発光ダイオードチップ2であればよい。」との記載からして、サファイア基板を、他の「窒化ガリウム系の半導体基板」等の成長基板に変更することは、当業者が容易になし得ることである。 イ よって、引用発明において、上記<相違点1>に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易になし得ることである。 (2)上記<相違点2>について検討する。 ア 引用発明において、「発光ダイオードチップ」をアルミニウム板の導電層にフェースダウン実装する前に、「発光ダイオードチップ」側に「各電極」及び「銀板」を予め形成することは、当業者が製造プロセスの容易性などを勘案して容易になし得ることである。 イ また、「銀板」は、各電極とのギャップによって電気的に分離しているものの、各電極とのギャップが極めて小さいことは、当業者にとって明らかであるから、短絡防止のために、絶縁材料を予め充填することは、例えば、引用文献の図9において障壁18が設けられているように、必要に応じて適宜なし得ることである。 ウ よって、引用発明において、上記<相違点2>に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易になし得ることである。 (3)上記<相違点3>について検討する。 ア 引用発明の「バンプ(金又は半田)」及び「熱伝導性に優れる半田」は、それぞれ、本願発明の「電気的相互接続層」及び「熱的相互接続層」に相当するところ、相互接続層の厚みに応じて、電気抵抗及び熱抵抗が変化することは、明らかであり、そのような抵抗値の影響を勘案しつつ、厚さをどの程度とするかは、他の部材の厚さや形状に応じて、適宜決められるものにすぎない。 イ してみると、引用発明において、半田を用いて、それぞれを接続する際に、厚みを「同じ厚さ」とすることに、格別の技術的意義は認められず、何ら困難性は認められない。 ウ よって、引用発明において、上記<相違点3>に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易になし得ることである。 (4)効果 本願発明の奏する効果は、当業者が引用発明の奏する効果から予測し得ることである。 (5)まとめ 以上の検討によれば、本願発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。 3 審判請求書における主張について 請求人は、本願発明は、実装プロセスの容易化及び低コスト化を可能にする旨主張する(第4頁後段)。 しかしながら、本願発明は、「キャリア基板に実装される一つ又は複数の表面実装可能なデバイスのアレンジメント」、つまり、「配列(構造)」という物に関する発明であって、製造方法に関する発明ではない。 つまり、「サーマルパッド・電気絶縁材料」を、実装前に「デバイス」側に設けるか、「キャリア基板」側に設けるかは、「配列(構造)」の構成を異ならせるものではない。 よって、請求人の主張は、上記2の判断を左右するものではない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2020-06-05 |
結審通知日 | 2020-06-09 |
審決日 | 2020-06-26 |
出願番号 | 特願2018-57369(P2018-57369) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小濱 健太 |
特許庁審判長 |
井上 博之 |
特許庁審判官 |
星野 浩一 吉野 三寛 |
発明の名称 | 表面実装可能な半導体デバイス |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 大貫 進介 |
代理人 | 伊東 忠彦 |