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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する C12N
管理番号 1368443
審判番号 訂正2020-390068  
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-01-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2020-08-06 
確定日 2020-10-30 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6652922号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6652922号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔21-28〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6652922号は、平成26年8月28日を国際出願日(パリ条約による優先権主張 2013年8月28日 米国)として出願され、その請求項1?33に係る発明について令和2年1月28日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和2年8月6日に本件の訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨および訂正の内容
本件審判の請求の趣旨は、特許第6652922号の明細書および特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項21?28について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
そして、本件審判の請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、概ね、以下の訂正事項1?6のとおりである。

1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項21における以下の化学式:

を、以下の化学式:

に訂正する。
具体的には、訂正前の化学式中の「OMOE」との記載を、「-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」で表される化学構造に訂正する(請求項21の記載を直接的又は間接的に引用する請求項24?28も同様に訂正する。)。

2 訂正事項2
明細書の段落【0176】(【化2】)、【0323】(【化16】)、および【0382】(【化19】)に記載されている化学式を、前記訂正事項1に示した訂正後の化学式に訂正する。

3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項22における以下の化学式:

を、以下の化学式:

に訂正する。
具体的には、訂正前の化学式中の「OMOE」との記載を、「-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」で表される化学構造に訂正する(請求項22の記載を直接的又は間接的に引用する請求項24?28も同様に訂正する。)。

4 訂正事項4
明細書の段落【0179】(【化3】)、【0332】(【化17】)、および【0382】(【化20】)に記載されている化学式を、前記訂正事項3に示した訂正後の化学式に訂正する。

5 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項23における以下の化学式:

を、以下の化学式:

に訂正する。
具体的には、訂正前の化学式中の「OMOE」との記載を、「-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」で表される化学構造に訂正する(請求項23の記載を直接的又は間接的に引用する請求項24?28も同様に訂正する。)。

6 訂正事項6
明細書の段落【0182】(【化4】)、【0341】(【化18】)、および【0382】(【化21】)に記載されている化学式を、前記訂正事項5に示した訂正後の化学式に訂正する。

第3 当審の判断
1 訂正の目的について
(1)訂正事項1について
本件訂正前の請求項21には、当該請求項に記載された化学式(【化1】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、その化学構造は、本件訂正前の明細書の段落【0323】における化学式(【化16】)で示される「ISIS546254」の化学構造と同一である。
ここで、本件特許の明細書の段落【0320】には、前記ISIS546254について、「(5’から3’へと)TGCAAGTCTCTTGGCAAACAの配列(配列番号570として本明細書に組み込まれる)を有する5-10-5MOEギャップマー」として特徴づけられ、当該配列中で、「ヌクレオシド1?5及び16?20の各々は2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」であると記載されている。
また、明細書の段落【0321】には、前記ISIS546254について、「Tes Ges mCes Aes Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aes Aes Aes mCes Ae」の化学表記法によって説明されること、当該化学表記法による式中の5’末端側から1?5番目(TGCAA)及び16?20番目(AAACA)の計10箇所の各ヌクレオシドに対して付されている記号「e」は、「e=2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」の記載のとおり、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」を示すことが記載されており、記号「e」が意味するところは明細書の段落【0320】における前記した記載事項とも整合する。
そして、本件訂正前の明細書の段落【0323】における化学式(【化16】)で示される前記ISIS546254の化学構造は、明細書の段落【0320】に記載の前記配列「TGCAAGTCTCTTGGCAAACA」で示されるものと、ヌクレオシドの種類は一致しており矛盾はなく、また、明細書の段落【0321】に記載の前記化学表記法「Tes Ges mCes Aes Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aes Aes Aes mCes Ae」で示されるものとも、ヌクレオシドの種類やヌクレオシド間の結合種別、5箇所存在するシトシンのメチル修飾について、いずれも一致しており矛盾はない。
以上によれば、本件訂正前の請求項21における化学式(【化1】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドとは、その化学構造中の5’末端側から1?5番目及び16?20番目の10箇所のヌクレオシドがいずれも「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」である、すなわち各ヌクレオシドにおけるフラノース環の2’位の酸素原子(O)がメトキシエチル基(-CH_(2)CH_(2)OCH_(3))で修飾された化学構造「2’-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」を有しているものと理解できる。

この一方で、本件訂正前の請求項21における化学式(【化1】)をみると、修飾されたオリゴヌクレオチドにおける化学構造中の、5’末端側から1?5番目及び16?20番目の10箇所のヌクレオシドにおける各フラノース環の2’位には、「OMOE」が結合している。ここで、明細書の段落【0286】において、「本明細書で使用する場合、「MOE」または「2’-MOE」または「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」または「2’-O-メトキシエチル」は各々、糖環の2’位で-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。」と記載されているとおり、「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」の化学構造は「MOE」とも明細書中では表記されるとの定義はなされているものの、「OMOE」の定義や説明は明細書中に存在しない。そして、「MOE」は「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」を意味するという前記の定義に照らして、「OMOE」の記載は「2’-O-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」という化学構造を意味するというように解したとしても、その場合には、ヌクレオシドのフラノース環の2’位の酸素原子がメトキシエチル基ではなく、「-O-CH_(2)CH_(2)OCH_(3)」という基で修飾されていることになり、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」であるという前記の理解とは整合しないことになる。

したがって、本件訂正前の明細書の記載からみて、本件訂正前の請求項21に記載の化学式(【化1】)における「OMOE」が何を表しているのか明確でない。

(2)訂正事項2について
本件訂正前の明細書の段落【0176】には、当該段落に記載された化学式(【化2】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、また、本件訂正前の明細書の段落【0323】には、当該段落に記載された化学式(【化16】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、そして、本件訂正前の明細書の段落【0382】には、当該段落に記載された化学式(【化19】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されている。それらの化学構造はいずれも、本件訂正前の請求項21に記載された化学式(【化1】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドの化学構造と同一である。
そして、上記(1)に記載したのと同様の理由により、本件訂正前の明細書の記載からみて、本件訂正前の明細書の段落【0176】に記載の化学式(【化2】)、本件訂正前の明細書の段落【0323】に記載の化学式(【化16】)、及び、本件訂正前の明細書の段落【0382】に記載の化学式(【化19】)における「OMOE」が何を表しているのか明確でない。

(3)訂正事項3について
本件訂正前の請求項22には、当該請求項に記載された化学式(【化2】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、その化学構造は、本件訂正前の明細書の段落【0332】における化学式(【化17】)で示される「ISIS546343」の化学構造と同一である。
ここで、本件特許の明細書の段落【0329】には、前記ISIS546343について、「(5’から3’へと)CCCCCTTCTTTATAGCCAGCの配列( 配列番号705として本明細書に組み込まれる)を有する5-10-5MOEギャップマー」として特徴づけられ、当該配列中で、「ヌクレオシド1?5及び16?20の各々は2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」であると記載されている。
また、明細書の段落【0330】には、前記ISIS546343について、「mCes mCes mCes mCes mCes Tds Tds mCds Tds Tds Tds Ads Tds Ads Gds mCes mCes Aes Ges mCe」の化学表記法によって説明されること、当該化学表記法による式中の5’末端側から1?5番目(CCCCC)及び16?20番目(CCAGC)の計10箇所の各ヌクレオシドに対して付されている記号「e」は、「e=2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」の記載のとおり、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」を示すことが記載されており、記号「e」が意味するところは明細書の段落【0329】における前記した記載事項とも整合する。
そして、本件訂正前の明細書の段落【0332】における化学式(【化17】)で示される前記ISIS546343の化学構造は、明細書の段落【0329】に記載の前記配列「CCCCCTTCTTTATAGCCAGC」で示されるものと、ヌクレオシドの種類は一致しており矛盾はなく、また、明細書の段落【0330】に記載の前記化学表記法「mCes mCes mCes mCes mCes Tds Tds mCds Tds Tds Tds Ads Tds Ads Gds mCes mCes Aes Ges mCe」で示されるものとも、ヌクレオシドの種類やヌクレオシド間の結合種別、9箇所存在するシトシンのメチル修飾について、いずれも一致しており矛盾はない。
以上によれば、本件訂正前の請求項22における化学式(【化2】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドとは、その化学構造中の5’末端側から1?5番目及び16?20番目の10箇所のヌクレオシドがいずれも「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」である、すなわち各ヌクレオシドにおけるフラノース環の2’位の酸素原子がメトキシエチル基で修飾された化学構造「2’-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」を有しているものと理解できる。

この一方で、本件訂正前の請求項22における化学式(【化2】)をみると、修飾されたオリゴヌクレオチドにおける化学構造中の、5’末端側から1?5番目及び16?20番目の10箇所のヌクレオシドにおける各フラノース環の2’位には、「OMOE」が結合している。ここで、上記(1)でも記載したとおり、明細書の段落【0286】において、「本明細書で使用する場合、「MOE」または「2’-MOE」または「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」または「2’-O-メトキシエチル」は各々、糖環の2’位で-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。」と記載されているとおり、「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」の化学構造は「MOE」とも明細書中では表記されるとの定義はなされているものの、「OMOE」の定義や説明は明細書中に存在しない。そして、「MOE」は「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」を意味するという前記の定義に照らして、「OMOE」の記載は「2’-O-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」という化学構造を意味するというように解したとしても、その場合には、ヌクレオシドのフラノース環の2’位の酸素原子がメトキシエチル基ではなく、「-O-CH_(2)CH_(2)OCH_(3)」という基で修飾されていることになり、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」であるという前記の理解とは整合しないことになる。

したがって、本件訂正前の明細書の記載からみて、本件訂正前の請求項22に記載の化学式(【化2】)における「OMOE」が何を表しているのか明確でない。

(4)訂正事項4について
本件訂正前の明細書の段落【0179】には、当該段落に記載された化学式(【化3】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、また、本件訂正前の明細書の段落【0332】には、当該段落に記載された化学式(【化17】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、そして、本件訂正前の明細書の段落【0382】には、当該段落に記載された化学式(【化20】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されている。それらの化学構造はいずれも、本件訂正前の請求項22に記載された化学式(【化2】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドの化学構造と同一である。
そして、上記(3)に記載したのと同様の理由により、本件訂正前の明細書の記載からみて、本件訂正前の明細書の段落【0179】に記載の化学式(【化3】)、本件訂正前の明細書の段落【0332】に記載の化学式(【化17】)、及び、本件訂正前の明細書の段落【0382】に記載の化学式(【化20】)における「OMOE」が何を表しているのか明確でない。

(5)訂正事項5について
本件訂正前の請求項23には、当該請求項に記載された化学式(【化3】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、その化学構造は、本件訂正前の明細書の段落【0341】における化学式(【化18】)で示される「ISIS548048」の化学構造と同一である。
ここで、本件特許の明細書の段落【0338】には、前記ISIS548048について、「核酸塩基配列(5’から3’へと)CGATATCATGATTCCC(配列番号1666として本明細書に組み込まれる)を有し、16個の2’-デオキシヌクレオシド、2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド及びcEt修飾したヌクレオシドの組み合わせからなる修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチド」として特徴づけられると記載されている。
また、明細書の段落【0339】には、前記ISIS548048について、「mCes Ges Aks Tds Ads Tds mCds Ads Tds Gds Ads Tds Tds mCks mCks mCe」の化学表記法によって説明されること、当該化学表記法による式中の5’末端側から1及び2番目(CG)及び16番目(C)の計3箇所の各ヌクレオシドに対して付されている記号「e」は、「e=2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」の記載のとおり、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」を示すことが記載されている。
そして、本件訂正前の明細書の段落【0341】における化学式(【化18】)で示される前記ISIS548048の化学構造は、明細書の段落【0338】に記載の前記配列「CGATATCATGATTCCC」で示されるものと、ヌクレオシドの種類は一致しており矛盾はなく、また、明細書の段落【0339】に記載の前記化学表記法「mCes Ges Aks Tds Ads Tds mCds Ads Tds Gds Ads Tds Tds mCks mCks mCe」で示されるものとも、ヌクレオシドの種類やヌクレオシド間の結合種別、5箇所存在するシトシンのメチル修飾について、いずれも一致しており矛盾はない。
以上によれば、本件訂正前の請求項23における化学式(【化3】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドとは、その化学構造中の5’末端側から1番目、2番目及び16番目の3箇所のヌクレオシドがいずれも「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」である、すなわち各ヌクレオシドにおけるフラノース環の2’位の酸素原子がメトキシエチル基で修飾された化学構造「2’-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」を有しているものと理解できる。

この一方で、本件訂正前の請求項23における化学式(【化3】)をみると、修飾されたオリゴヌクレオチドにおける化学構造中の、5’末端側から1番目、2番目及び16番目の3箇所のヌクレオシドにおける各フラノース環の2’位には、「OMOE」が結合している。ここで、上記(1)でも記載したとおり、明細書の段落【0286】において、「本明細書で使用する場合、「MOE」または「2’-MOE」または「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」または「2’-O-メトキシエチル」は各々、糖環の2’位で-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。」と記載されているとおり、「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」の化学構造は「MOE」とも明細書中では表記されるとの定義はなされているものの、「OMOE」の定義や説明は明細書中に存在しない。そして、「MOE」は「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」を意味するという前記の定義に照らして、「OMOE」の記載は「2’-O-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」という化学構造を意味するというように解したとしても、その場合には、ヌクレオシドのフラノース環の2’位の酸素原子がメトキシエチル基ではなく、「-O-CH_(2)CH_(2)OCH_(3)」という基で修飾されていることになり、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」であるという前記の理解とは整合しないことになる。

したがって、本件訂正前の明細書の記載からみて、本件訂正前の請求項23に記載の化学式(【化3】)における「OMOE」が何を表しているのか明確でない。

(6)訂正事項6について
本件訂正前の明細書の段落【0182】には、当該段落に記載された化学式(【化4】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、また、本件訂正前の明細書の段落【0341】には、当該段落に記載された化学式(【化18】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されており、そして、本件訂正前の明細書の段落【0382】には、当該段落に記載された化学式(【化21】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドが記載されている。それらの化学構造はいずれも、本件訂正前の請求項23に記載された化学式(【化3】)で示される修飾されたオリゴヌクレオチドの化学構造と同一である。
そして、上記(5)に記載したのと同様の理由により、本件訂正前の明細書の記載からみて、本件訂正前の明細書の段落【0182】に記載の化学式(【化4】)、本件訂正前の明細書の段落【0341】に記載の化学式(【化18】)、及び、本件訂正前の明細書の段落【0382】に記載の化学式(【化21】)における「OMOE」が何を表しているのか明確でない。

(7)訂正の目的について
前記(1)?(6)の検討結果からみて、本件訂正前の請求項21に記載の化学式(【化1】)、本件訂正前の請求項22に記載の化学式(【化2】)、本件訂正前の請求項23に記載の化学式(【化3】)、本件訂正前の明細書の段落【0176】に記載の化学式(【化2】)、本件訂正前の明細書の段落【0323】に記載の化学式(【化16】)、本件訂正前の明細書の段落【0179】に記載の化学式(【化3】)、本件訂正前の明細書の段落【0332】に記載の化学式(【化17】)、本件訂正前の明細書の段落【0182】に記載の化学式(【化4】)、本件訂正前の明細書の段落【0341】に記載の化学式(【化18】)、及び、本件訂正前の明細書の段落【0382】に記載の化学式(【化19】?【化21】)における「OMOE」が何を表しているのかが明確でない。
そして、本件訂正前のこれらの化学式における「OMOE」の記載を全て、「2’-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」を表すものへと訂正することは、本件訂正前の明細書の段落【0320】、【0321】、【0329】、【0330】、【0338】、及び、【0339】における記載のとおりに、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」であることを明確化するものであるといえる。
また、本件特許の明細書に、上記のように明確化することを妨げる記載や、矛盾する記載は存在しない。
以上からみて、訂正事項1?6はいずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

2 願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記1(7)で検討したとおり、本件訂正前の請求項21に記載の化学式(【化1】)、本件訂正前の請求項22に記載の化学式(【化2】)、本件訂正前の請求項23に記載の化学式(【化3】)、本件訂正前の明細書の段落【0176】に記載の化学式(【化2】)、本件訂正前の明細書の段落【0323】に記載の化学式(【化16】)、本件訂正前の明細書の段落【0179】に記載の化学式(【化3】)、本件訂正前の明細書の段落【0332】に記載の化学式(【化17】)、本件訂正前の明細書の段落【0182】に記載の化学式(【化4】)、本件訂正前の明細書の段落【0341】に記載の化学式(【化18】)、及び、本件訂正前の明細書の段落【0382】に記載の化学式(【化19】?【化21】)における「OMOE」の記載を全て、「2’-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」を表すものへと訂正し、明細書の段落【0320】、【0321】、【0329】、【0330】、【0338】、及び、【0339】における記載のとおりに、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」であることを明確化する訂正事項1?6はいずれも、「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
前記1(7)で検討したとおり、本件訂正前の請求項21に記載の化学式(【化1】)、本件訂正前の請求項22に記載の化学式(【化2】)、本件訂正前の請求項23に記載の化学式(【化3】)、本件訂正前の明細書の段落【0176】に記載の化学式(【化2】)、本件訂正前の明細書の段落【0323】に記載の化学式(【化16】)、本件訂正前の明細書の段落【0179】に記載の化学式(【化3】)、本件訂正前の明細書の段落【0332】に記載の化学式(【化17】)、本件訂正前の明細書の段落【0182】に記載の化学式(【化4】)、本件訂正前の明細書の段落【0341】に記載の化学式(【化18】)、及び、本件訂正前の明細書の段落【0382】に記載の化学式(【化19】?【化21】)における「OMOE」の記載を全て、「2’-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)」を表すものへと訂正し、明細書の段落【0320】、【0321】、【0329】、【0330】、【0338】、及び、【0339】における記載のとおりに、「2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド」であることを明確化する訂正事項1?6はいずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

第3 むすび
以上からみて、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
プレカリクレイン(PKK)発現の調節
【技術分野】
【0001】
(配列表)
本出願は、電子フォーマットにおける配列表とともに出願している。当該配列表は、2014年8月15日作成のBIOL0172WOWEQ_ST25.txtという表題のファイルとして提供され、これはおよそ632KBの大きさである。当該配列表の電子フォーマットにおける情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(分野)
動物におけるヒト血漿プレカリクレイン(PKK)のmRNA及びタンパク質の発現を低下させるための化合物、組成物、及び方法が提供される。このような組成物及び方法は、炎症性容態及び血栓塞栓性容態を治療、予防、または寛解させるのに有用である。
【背景技術】
【0003】
血漿プレカリクレイン(PKK)は、血漿カリクレイン(PK)の前駆体であり、KLKB1遺伝子によってコードされる。PKKは、血液凝固、線維素溶解、キニン生成、及び炎症の表面依存性活性化に関与する糖タンパク質である。PKKは、内部Arg-Ileペプチド結合の切断による第XIIa因子によって、PKへと変換される。PKは、キニノーゲンからキニンを遊離し、また、プラスミノーゲンからプラスミンを生成する。PKは、炎症、血圧制御、凝固、及び疼痛におけるある役割を担っているいくつかのタンパク質からなるキニン-カリクレイン経路の一員である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で提供されるのは、PKKのmRNA及びタンパク質の発現を調節するための化合物、組成物、及び方法である。ある実施形態において、PKKのmRNA及びタンパク質の発現を調節するのに有用な化合物は、アンチセンス化合物である。ある実施形態において、当該アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0005】
ある実施形態において、調節は細胞または組織において生じることができる。ある実施形態において、当該細胞または組織は動物である。ある実施形態において、当該動物はヒトである。ある実施形態において、PKKmのRNAレベルは低下する。ある実施形態において、PKKタンパク質レベルは低下する。このような低下は、時間依存的な様式でまたは用量依存的な様式で生じることができる。
【0006】
また提供されるのは、PKKと関連した疾患、障害、及び容態を予防、治療、及び寛解させるのに有用な化合物、組成物、及び方法である。ある実施形態において、このようなPKKと関連する疾患、障害、及び容態は炎症性疾患である。ある実施形態において、当該炎症性疾患は急性または慢性炎症性疾患であり得る。ある実施形態において、このような炎症性疾患には、遺伝性血管浮腫(HAE)、浮腫、血管浮腫、腫脹、眼瞼血管浮腫、眼浮腫、黄斑浮腫、及び脳浮腫が含まれ得る。ある実施形態において、このようなPKKと関連する疾患、障害、及び容態は、血栓塞栓性疾患である。ある実施形態において、このような血栓塞栓性疾患には、血栓症、血栓塞栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、脳卒中、及び梗塞が含まれ得る。
【0007】
このような疾患、障害、及び容態は共通して、1つ以上の危険因子、原因、または転帰を有することができる。
【0008】
炎症性疾患の発症についてのある危険因子及び原因には、炎症性疾患及び環境因子に対する遺伝的な素因を含む。ある実施形態において、対象は、突然変異した補体1エステラーゼ阻害薬(C1-INH)遺伝子または突然変異した第XII遺伝子を有する。ある実施形態において、当該対象は、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)またはアンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を摂取してきたかまたは摂取中である。ある実施形態において、当該対象は、血管浮腫に至るアレルギー反応をこれまで有している。ある実施形態において、当該対象は、I型HAEを罹患している。ある実施形態において、当該対象は、II型HAEを有している。ある実施形態において、当該対象は、III型HAEを有している。
【0009】
炎症性疾患の発症と関連したある転帰には、四肢(すなわち、手、足、腕、脚)、腸(腹部)、顔、生殖器、喉頭(すなわち、発声器)を含む種々の身体部分における浮腫/腫脹、血管透過性、血管漏出、全身性炎症、腹部痛、腹部膨満、嘔吐、下痢、痒い皮膚、呼吸器(喘息)反応、鼻炎、アナフィラキシー、気管支収縮、低血圧、昏睡、及び死亡が含まれる。
【0010】
血栓塞栓性疾患の発症についてのある危険因子及び原因には、血栓塞栓性疾患に対する遺伝的な素因、不動、手術(特に、整形外科手術)、悪性病変、妊娠、高齢、経口避妊薬の使用、心房細動、以前の血栓塞栓性容態、慢性炎症性疾患、及び遺伝性もしくは後天性の血栓形成促進性凝固障害が含まれる。血栓塞栓性容態の発症と関連したある転帰には、罹患した血管を流れる血流の低下、組織の死滅、及び死亡が含まれる。
【0011】
ある実施形態において、治療方法には、治療を必要とする個体へPKKアンチセンス化合物を投与することを含む。ある実施形態において、治療方法には、治療を必要とする個体へPKKアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例11に説明する血液試料由来の高分子量キニノーゲン(HMWK)のウェスタンブロットによる定量化である。
【図2】図2は、実施例14に説明する血液試料由来のHMWKのウェスタンブロットによる定量化である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的であるに過ぎず、かつ、主張する通り、本発明を制限するものではないことは理解されるべきである。本明細書で、別段の具体的な記載がない限り、単数形の使用は複数形を含む。本明細書で使用する場合、「または」の使用は、別段の記載がない限り、「及び/または」を意味する。さらに、「を含むこと」という用語の使用は、「を含む」及び「を含んだ」などの他の形態と同様に、限定的ではない。また、「要素」もしくは「構成要素」などの用語は、別段の具体的な記載がない限り、1単位を含む要素及び構成要素と1つを超えるサブユニットを含む要素及び構成要素との両方を包含する。
【0014】
本明細書で使用する節の見出しは、組織化目的のためにのみあり、説明する対象事項を制限するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、文献、書籍、及び専門書を含むがこれらに限定せず、本出願において引用する文書全部または文書の部分は、本明細書で論議する文書の部分について及び当該文書の全体において参照により本明細書により明確に組み込まれる。
【0015】
(定義)
別段の具体的な定義が提供されていない限り、本明細書で説明する分析化学、合成有機化学、ならびに医化学及び医薬化学に関連して利用する命名法ならびに手段及び技術は、当該技術分野で周知のものであり、かつ当該技術分野において普遍的に使用されている。標準的な技術は、化学合成及び化学分析に使用され得る。許可される場合、特許、出願、出願公開ならびに他の公開物、米国国立生物工学情報センター(NCBI)などのデータベースを通じて得ることのできるGENBANK受託番号及び関連配列情報、ならびに本明細書での開示において至る所で言及される他のデータはすべて、本明細書で論議する文書の部分についての、及び当該文書の部分の全体における参照により組み込まれる。
【0016】
別段の記載がない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0017】
「2’-O-メトキシエチル」(2’-MOE及び2’-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)及びMOEともいう)は、フラノース環の2’位のO-メトキシエチル修飾を指す。2’-O-メトキシエチル修飾した糖は、修飾された糖である。
【0018】
「2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド」(「2’-MOEヌクレオシド」ともいう)は、2’-MOE修飾された糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0019】
「2’-置換ヌクレオシド」は、HもしくOH以外のフラノース環の2’位において置換基を含むヌクレオシドを意味する。ある実施形態において、2’置換ヌクレオシドには、二環式糖修飾を有するヌクレオシドを含む。
【0020】
「2’-デオキシヌクレオシド」は、ヌクレオシドの糖部分の2’位において水素を含むヌクレオシドを意味する。
【0021】
「3’標的部位」は、特定のアンチセンス化合物の3’末端ヌクレオチドと相補的な標的核酸のヌクレオチドを指す。
【0022】
「5’標的部位」は、特定のアンチセンス化合物の5’末端ヌクレオチドと相補的な標的核酸のヌクレオチドを指す。
【0023】
「5-メチルシトシン」は、5位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは、修飾された核酸塩基である。
【0024】
「約」は、値の±7%以内を意味する。例えば、「化合物はPKKの少なくとも約70%阻害に影響した」と記載する場合、当該PKKレベルは63%及び77%の範囲内で阻害されることが含意される。
【0025】
「併用して投与される」は、2つの医薬の両方の薬理学的効果が患者において同時に顕著であるいずれかの様式における当該2つの医薬の併用投与を指す。併用投与は、両方の医薬が単一の医薬組成物において、同じ剤形で、または同じ投与経路によって投与されることを必要としない。両方の医薬の効果は、同時に顕著になる必要はない。当該効果は、ある時間に重複している必要があるに過ぎず、同一の広がりを持つ必要はない。
【0026】
「投与すること」は、医薬を動物へ提供することを意味し、医学専門家による投与及び自己投与を含むが、これらに限定しない。
【0027】
「寛解」は、容態または疾患の重症度の少なくとも1つの指標の減弱、遅延、停止、または逆転を指す。指標の重症度は、当業者に公知の主観的尺度または客観的尺度によって判断してもよい。
【0028】
「動物」は、ヒトまたは、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ならびにサル及びチンパンジーを含むがこれらに限定しない非ヒト霊長類を含むがそれらに限定しない非ヒト動物を指す。
【0029】
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物の標的核酸に対する当該アンチセンス化合物のハイブリッド形成に起因し得るいずれかの検出可能なまたは測定可能な活性を意味する。ある実施形態において、アンチセンス活性とは、標的核酸またはこのような標的核酸によってコードされるタンパク質の量または発現の低下である。「アンチセンス化合物」は、水素結合を通じて標的核酸へのハイブリッド形成を受けることのできるオリゴマー化合物を意味する。アンチセンス化合物の例としては、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、ssRNA、及び占有率ベースの化合物など、一本鎖及び二本鎖の化合物が挙げられる。
【0030】
「アンチセンス化合物」は、水素結合を通じて標的核酸へのハイブリッド形成を受けることのできるオリゴマー化合物を意味する。アンチセンス化合物の例としては、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、ssRNA、及び占有率ベースの化合物など、一本鎖及び二本鎖の化合物が挙げられる。
【0031】
「アンチセンス阻害」は、標的核酸レベルと比較して標的核酸と相補的なアンチセンス化合物の存在下での、または当該アンチセンス化合物の非存在下での、標的核酸レベルの低下を意味する。「アンチセンス機序」とは、化合物と標的核酸とのハイブリッド形成を包含する当該機序全部であり、この中で、ハイブリッド形成の結果または効果は、例えば転写またはスプライシングを包含する細胞機械の付随した失速による標的分解または標的占有のいずれかである。
【0032】
「アンチセンス機序」とは、化合物と標的核酸とのハイブリッド形成を包含する当該機序全部であり、この中で、ハイブリッド形成の結果または効果は、例えば転写またはスプライシングを包含する細胞機械の付随した失速による標的分解または標的占有のいずれかである。
【0033】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸の対応するセグメントへのハイブリッド形成を許容する核酸塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。「塩基相補性」とは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸塩基と標的核酸における対応する核酸塩基との精確な塩基対形成(すなわち、ハイブリッド形成)のための能力を指し、対応する核酸塩基間のワトソン・クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン水素結合によって仲介される。
【0034】
「塩基相補性」とは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸塩基と標的核酸における対応する核酸塩基との精確な塩基対形成(すなわち、ハイブリッド形成)のための能力を指し、対応する核酸塩基間のワトソン・クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン水素結合によって仲介される。
【0035】
「二環式糖」は、2つの原子の架橋によって修飾されるフラノース環を意味する。二環式糖は、修飾された糖である。
【0036】
「二環式ヌクレオシド」(二環式核酸またはBNAともいう)は、糖環の2つの炭素原子を結合する架橋を含む糖部分を有し、それにより二環式環系を形成するヌクレオシドを意味する。ある実施形態において、当該架橋は、糖環の4’-炭素及び2’-炭素を結合する。
【0037】
「キャップ構造」または「末端キャップ部分」は、アンチセンス化合物のいずれかの末端に組み込まれた化学修飾を意味する。
【0038】
「cEt」または「拘束されたエチル」は、4’-炭素及び2’-炭素を結合する架橋を含む糖部分を有する二環式ヌクレオシドを意味し、この中で、当該架橋は式:4’-CH(CH_(3))-O-2’を有する。
【0039】
「cEt修飾されたヌクレオシド」(「拘束されたエチルヌクレオシド」ともいう)は、4’-CH(CH_(3))-O-2’架橋を含む二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0040】
「化学的に別個の領域」は、ある方法で同じアンチセンス化合物の別の領域とは化学的に異なるアンチセンス化合物の領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオシドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾を有さないヌクレオシドを有する領域とは化学的に別個である。
【0041】
「キメラアンチセンス化合物」は、少なくとも2つの化学的に別個の領域を有するアンチセンス化合物を意味し、各位置は複数のサブユニットを有する。
【0042】
「併用投与」は、個体への2つ以上の医薬剤の投与を意味する。当該2つ以上の医薬剤は、単一の医薬組成物中にあってもよく、または個別の医薬組成物中にあってもよい。当該2つ以上の医薬剤の各々は、同じまたは異なる投与経路を通じて投与してもよい。併用投与は、並行投与または連続投与を包含する。
【0043】
「相補性」は、第一の核酸と第二の核酸の核酸塩基間の対形成のための能力を意味する。
【0044】
「を含む(comprise)」、「を含む(comprises)」、及び「を含んでいる」は、記載した工程もしくは要素または工程もしくは要素の群の包含を含意するが、その他の工程もしくは要素または工程もしくは要素の群を排除するものではないことは理解される。
【0045】
「連続する核酸塩基」は、互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0046】
「を設計している」または「へ設計された」は、選択した核酸分子と特異的にハイブリッド形成するオリゴマー化合物を作製する過程を指す。
【0047】
「希釈剤」は、薬理学的活性を欠失するが医薬として必要または所望である、組成物中の成分を意味する。例えば、注射する薬剤において、当該希釈剤は液体、例えば、塩類溶液であってもよい。
【0048】
「用量」は、単回投与でまたは指定した時間において提供される、医薬剤の指定した量を意味する。ある実施形態において、用量は、1、2、またはそれより多数回のボーラス、錠剤、または注射で投与してもよい。例えば、皮下投与が所望であるある実施形態において、所望の用量は単回注射によって容易には収容されない容積を必要とし、それゆえ、2回以上の注射を使用して、所望の用量を達成してもよい。ある実施形態において、当該医薬剤は、延長した時間にわたってまたは持続的に注入によって投与される。用量は、1時間、1日、1週間、または1か月間当たりの医薬剤の量として記載してもよい。
【0049】
「下流」は、核酸の3’末端またはC末端へ向かう相対的な方向を指す。
【0050】
活性を調節する脈絡または容態を治療もしくは予防する脈絡での「有効量」は、このような調節、治療、または予防を必要とする対象への、当該効果の調節に有効な、または当該容態の治療もしくは予防もしくは改善に有効な当該量の医薬剤の、単回用量におけるまたは一連の一部としてのいずれかの投与を意味する。当該有効量は、治療されることになっている個体の健康及び身体条件、治療されることになっている個体の分類学上の群、組成物の製剤、個体の医学的容態の評価、及び他の関連因子に応じて、個体間で変えてもよい。
【0051】
「効能」は、所望の効果を生じることができる能力を意味する。
【0052】
「発現」には、遺伝子のコードした情報が細胞中に存在しかつ作動する構造へと変換される機能全部を含む。このような構造には、転写及び翻訳の産物を含むが、これに限定しない。
【0053】
「完全に相補的な」または「100%相補的な」は、第一の核酸の各核酸塩基が第二の核酸中の相補的な核酸塩基を有することを意味する。ある実施形態において、第一の核酸はアンチセンス化合物であり、かつ標的核酸は第二の核酸である。
【0054】
「ギャップマー」は、1つ以上のヌクレオシドを有する外部領域間に、RNアーゼH切断を支持する複数のヌクレオシドを有する内部領域が位置取られたキメラアンチセンス化合物を意味し、この中で、内部領域を含むヌクレオシドは、外部領域を含むヌクレオシドまたは複数のヌクレオシドとは化学的に別個である。当該内部領域は「ギャップ」と呼ばれることがあり、かつ当該外部領域は「ウィング」と呼ばれることがある。
【0055】
「ハイブリッド形成」は、相補的な核酸分子のアニーリングを意味する。ある実施形態において、相補的な核酸分子には、アンチセンス化合物及び標的核酸が含まれるが、これらに限定しない。ある実施形態において、相補的な核酸分子には、アンチセンスオリゴヌクレオチド及び核酸標的が含まれるが、これに限定しない。
【0056】
「炎症性疾患を有する動物を識別すること」は、炎症性疾患と診断されたまたは炎症性疾患を発症しやすい動物を識別することを意味する。炎症性疾患を発症しやすい個体には、環境因子を含む炎症性疾患を発症するための1つ以上の危険因子を有する個体、1つ以上の炎症性疾患に対して個人歴もしくは家族歴、または遺伝的なかかりやすさを有する個体を含む。このような識別は、個体の病歴及び、遺伝子検査などの標準的な臨床試験もしくは判定を評価することを含むいずれかの方法によって達成され得る。
【0057】
「PKK関連疾患を有する動物を識別すること」は、PKK関連疾患と診断された、またはPKK関連疾患を発症しやすい動物を識別することを意味する。PKK関連疾患を発症しやすい個体には、1つ以上のPKK関連疾患に関する個人歴もしくは家族歴、または遺伝的なかかりやすさを有することを含む、PKK関連疾患を発症させるための1つ以上の危険因子を有する個体を含む。このような識別は、個体の病歴及び、遺伝子検査などの標準的な臨床試験もしくは判定を評価することを含むいずれかの方法によって達成され得る。
【0058】
「血栓塞栓性疾患を有する動物を識別すること」は、血栓塞栓性疾患と診断されたまたは血栓塞栓性疾患を発症しやすい動物を識別することを意味する。血栓塞栓性疾患を発症しやすい個体には、1つ以上の血栓塞栓性疾患、不動、手術(特に整形外科手術)、悪性病変、妊娠、高齢、経口避妊薬の使用、心房細動、以前の血栓塞栓性容態、慢性炎症性疾患、及び遺伝性もしくは後天性の血栓形成促進性凝固障害の個人歴もしくは家族歴、または遺伝的なかかりやすさを有することを含む、血栓塞栓性疾患を発症させることについての1つ以上の危険因子を有する個体を含む。このような識別は、個体の病歴及び、遺伝子検査などの標準的な臨床試験もしくは判定を評価することを含むいずれかの方法によって達成され得る。
【0059】
「直接隣接する」は、直接的に隣接する要素間に何ら介在する要素がないことを意味する。「個体」は、治療または療法のために選択されたヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0060】
「個体」は、治療または療法のために選択されたヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0061】
「PKKを阻害すること」は、PKKのmRNA及び/またはタンパク質のレベルまたは発現を低下させることを意味する。ある実施形態において、PKKのmRNA及び/またはタンパク質のレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドなどのPKKアンチセンス化合物の非存在下でPKKのmRNA及び/またはタンパク質のレベルの発現と比較して、PKKを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを含むPKKを標的とするアンチセンス化合物の存在下で阻害される。
【0062】
「発現または活性を阻害すること」は、当該発現または活性の低下または遮断を指し、発現または活性の全体的な排除を必ずしも示してはいない。
【0063】
「ヌクレオシド間結合」は、ヌクレオシド間の化学的な結合を指す。
【0064】
「連結されたヌクレオシド」は、ヌクレオシド間結合によって互いに連結された隣接するヌクレオシドを意味する。
【0065】
「ロックされた核酸」または「LNA」または「LNAヌクレオシド」は、当該ヌクレオシド糖単位の4’位と2’位の間で2つの炭素原子を結合する架橋を有し、それにより二環式糖を形成する核酸単量体を意味する。このような二環式糖の例としては、以下に図示するようなA)α-L-メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)LNA、(B)β-D-メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)LNA、(C)エチレンオキシ(4’-(CH_(2))_(2)-O-2’)LNA、(D)アミノオキシ(4’-CH_(2)-O-N(R)-2’)LNA及び(E)オキシアミノ(4’-CH_(2)-N(R)-O-2’)LNAを含むが、これらに限定しない。
【0066】
【化1】

【0067】
本明細書で使用する場合、LNA化合物には、糖の4’位と2’位の間に少なくとも1つの架橋を有する化合物が含まれるが、これに限定せず、この中で、架橋の各々は独立して、-[C(R_(1))(R_(2))]_(n)-、-C(R_(1))=C(R_(2))-、-C(R_(1))=N-、-C(=NR_(1))-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(R_(1))_(2)-、-S(=O)_(x)-及び-N(R_(1))-から独立して選択される2?4個の連結基を含み、式中xは0、1、または2であり、nは1、2、3、または4であり、R_(1)及びR_(2)は独立してH、保護基、ヒドロキシ、C_(1)-C_(12)アルキル、置換C_(1)-C_(12)アルキル、C_(2)-C_(12)アルケニル、置換C_(2)-C_(12)アルケニル、C_(2)-C_(12)アルキニル、置換C_(2)-C_(12)アルキニル、C_(5)-C_(20)アリール、置換C_(5)-C_(20)アリール、複素環式ラジカル、置換複素環式ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C_(5)-C_(7)脂環式ラジカル、置換C_(5)-C_(7)脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ_(1)、NJ_(1)J_(2)、SJ_(1)、N_(3)、COOJ_(1)、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)_(2)-J_(1))、またはスルホキシル(S(=O)-J_(1))であり、かつ各J_(1)及びJ_(2)は独立して、H、C_(1)-C_(12)アルキル、置換C_(1)-C_(12)アルキル、C_(2)-C_(12)アルケニル、置換C_(2)-C_(12)アルケニル、C_(2)-C_(12)アルキニル、置換C_(2)-C_(12)アルキニル、C_(5)-C_(20)アリール、置換C_(5)-C_(20)アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環式ラジカル、置換複素環式ラジカル、C_(1)-C_(12)アミノアルキル、置換C_(1)-C_(12)アミノアルキルまたは保護基である。
【0068】
LNAの定義内に包含される4’-2’架橋基の例としては、式-[C(R_(1))(R_(2))]_(n)-、-[C(R_(1))(R_(2))]_(n)-O-、-C(R_(1)R_(2))-N(R_(1))-O-または-C(R_(1)R_(2))-O-N(R_(1))-のうちの1つを含むが、これに限定しない。さらに、LNAの定義内に包含される他の架橋基は、4’-CH_(2)-2’、4’-(CH_(2))_(2)-2’、4’-(CH_(2))_(3)-2’、4’-CH_(2)-O-2’、4’-(CH_(2))_(2)-O-2’、4’-CH_(2)-O-N(R_(1))-2’及び4’-CH_(2)-N(R_(1))-O-2’-架橋であり、式中、各R_(1)及びR_(2)は独立してH、保護基またはC_(1)-C_(12)アルキルである。
【0069】
また、本発明によるLNAの定義内に含まれるのは、リボシル糖環の2’-ヒドロキシ基が当該糖環の4’炭素原子へ結合し、それによりメチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)架橋を形成し、当該二環式糖部分を形成する、LNAである。当該架橋はまた、2’酸素原子及び4’炭素原子を結合するメチレン(-CH_(2)-)基であることができ、これについては、用語メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)LNAを使用する。さらに、この位置におけるエチレン架橋基を有する二環式糖部分の場合、用語エチレンオキシ(4’-CH_(2)CH_(2)-O-2’)LNAを使用する。メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)LNAの異性体であるα-L-メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)も、本明細書で使用する場合、LNAの定義内に包含される。
【0070】
「ミスマッチ」または「非相補的核酸塩基」は、第一の核酸の核酸塩基が第二のまたは標的核酸の対応する核酸塩基と対形成することができない場合を指す。
【0071】
「修飾されたヌクレオシド間結合」は、天然のヌクレオシド間結合(すなわち、ホスホジエステルヌクレオシド間結合)からの置換またはいずれかの変化を指す。
【0072】
「修飾された核酸塩基」は、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン(5-メチルウラシルとしても公知)、またはウラシル以外のいずれかの核酸塩基を意味する。「修飾されていない核酸塩基」は、プリン塩基であるアデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基であるチミジン(T)、シトシン(C)、及びウラシル(U)を意味する。
【0073】
「修飾されたヌクレオシド」は、独立して、修飾された糖部分及び/または修飾された核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。
【0074】
「修飾されたヌクレオチド」は、修飾された糖部分、修飾されたヌクレオシド間結合、及び/または修飾された核酸塩基を有するヌクレオチドを意味する。
【0075】
「修飾されたオリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合、修飾された糖、及び/または修飾された核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0076】
「修飾された糖」は、天然の糖部分からの置換及び/またはいずれかの変化を意味する。
【0077】
「単量体」は、オリゴマーの単一の単位を意味する。単量体には、天然であろうと修飾されていようと、ヌクレオシド及びヌクレオチドを含むが、これらに限定しない。
【0078】
「モチーフ」は、アンチセンス化合物における修飾されていない及び修飾されたヌクレオシドのパターンを意味する。
【0079】
「天然糖部分」は、DNA(2’-H)またはRNA(2’-OH)において見出される糖部分を意味する。
【0080】
「天然ヌクレオシド間結合」は、3’と5’のホスホジエステル結合を意味する。
【0081】
「非相補的核酸塩基」は、互いに水素結合を形成しない、またはその他の点ではハイブリッド形成を支持する一対の核酸塩基を指す。
【0082】
「核酸」は、単量体ヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸には、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、二本鎖核酸、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)が含まれるが、これらに限定しない。
【0083】
「核酸塩基」は、別の核酸の塩基と対形成することのできる複素環式部分を意味する。
【0084】
「核酸塩基相補性」は、別の核酸塩基と塩基対形成することのできる核酸塩基を指す。例えば、DNAにおいて、アデニン(A)はチミン(T)と相補的である。例えば、RNAにおいて、アデニン(A)はウラシル(U)と相補的である。ある実施形態において、相補的な核酸塩基は、その標的核酸の核酸塩基と塩基対形成することのできるアンチセンス化合物の核酸塩基を指す。例えば、アンチセンス化合物のある位置にある核酸塩基が、標的核酸のある位置における核酸塩基と水素結合することができる場合、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間の水素結合の位置は、当該核酸塩基対で相補的であるとみなされる。
【0085】
「核酸塩基配列」は、いずれかの糖、結合、及び/または核酸塩基修飾とは独立した連続した核酸塩基の順序を意味する。
【0086】
「ヌクレオシド」は、糖へ結合した核酸塩基を意味する。
【0087】
「ヌクレオシド模倣薬」には、糖または糖及び塩基を置き換えるのに使用する構造が含まれ、必ずしも、例えば、モルフォリノ、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ビシクロ、またはトリシクロ糖模倣薬、例えば、非フラノース糖単位を有するヌクレオシド模倣薬などのオリゴマー化合物の1つ以上の位置での連結は含まれない。ヌクレオチド模倣薬には、例えば、ペプチド核酸またはモルフォリノ(-N(H)-C(=O)-O-または他の非ホスホジエステル結合によって結合するモルフォリノ)などのオリゴマー化合物の1つ以上の位置でヌクレオシド及び連結を置き換えるのに使用する構造を含む。糖代用薬は、わずかにより広めの用語であるヌクレオシド模倣薬と重複するが、糖単位(フラノース環)のみの置換を示すよう企図されてはいない。本明細書で提供するテトラヒドロピラニル環は、フラノース糖基がテトラヒドロピラニル環系と置換された糖代用薬の一例を説明する。「模倣薬」は、糖、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合と置換される基を指す。概して、模倣薬は、糖または糖-ヌクレオシド間結合の組み合わせの代わりに使用され、核酸塩基は、選択した表的とのハイブリッド形成のために維持される。
【0088】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分へ共有結合したリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。
【0089】
「オフターゲットの効果」は、企図する標的核酸以外の遺伝子のRNAまたはタンパク質発現の調節と関連した望ましくないまたは有害な生物学的効果を指す。
【0090】
「オリゴマー化合物」または「オリゴマー」は、核酸分子の少なくとも一領域とハイブリッド形成することのできる連結した単量体サブユニットの重合体を意味する。
【0091】
「オリゴヌクレオチド」は、互いに独立して、各々が修飾されることのできるまたは非修飾であることのできる結合したヌクレオシドの重合体を意味する。
【0092】
「非経口投与」は、注射(例えば、ボーラス注射)または注入を通じての投与を意味する。非経口投与には、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、または頭蓋内投与、例えば、髄腔内投与もしくは脳室内投与が含まれる。
【0093】
「ペプチド」は、アミド結合によって少なくとも2つのアミノ酸を結合させることによって形成される分子を意味する。本明細書で使用する場合、制限なしで、ペプチドはポリペプチド及びタンパク質を指す。
【0094】
「医薬剤」は、個体へ投与する場合に治療上の利益を提供する物質を意味する。例えば、ある実施形態において、PKKを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬剤である。
【0095】
「医薬組成物」は、対象へ投与するのに適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、アンチセンスオリゴヌクレオチド及び滅菌済み水溶液を含み得る。
【0096】
「医薬として許容し得る誘導体」は、本明細書で説明する化合物の医薬として許容し得る塩、共役体、プロドラッグまたは異性体を包含する。
【0097】
「医薬として許容し得る塩」は、アンチセンス化合物の生理学的にかつ医薬として許容し得る塩、すなわち、親オリゴヌクレオチドの所望の生物活性を保有しかつ望ましくない毒性効果を与えない塩を意味する。
【0098】
「ホスホロチオアート結合」は、ホスホジエステル結合が非架橋性酸素原子のうちの1つを硫黄原子と置換することによって修飾されるヌクレオシド間の結合を意味する。ホスホロチオアート結合とは、修飾されたヌクレオシド間結合である。
【0099】
「PKK」は、ヒト血漿プレカリクレインを含む哺乳類動物血漿プレカリクレインを意味する。血漿プレカリクレイン(PKK)は、血漿カリクレイン(PK)の前駆体であり、KLKB1遺伝子によってコードされる。
【0100】
「PKK関連疾患」は、いずれかのPKK核酸またはその発現産物と関連したいずれかの疾患を意味する。このような疾患には、炎症性疾患または血栓塞栓性疾患が含まれ得る。このような疾患には遺伝性血管浮腫(HAE)が含まれ得る。
【0101】
「PKKmRNA」は、PKKをコードするDNA配列のいずれかの伝令RNA発現産物を意味する。
【0102】
「PKK核酸」は、PKKをコードするいずれかの核酸を意味する。例えば、ある実施形態において、PKK核酸には、PKKをコードするDNA配列、(イントロン及びエキソンを含むゲノムDNAを含む)PKKをコードするDNAから転写されたRNA配列、及びPKKをコードするmRNA配列が含まれる。「PKKmRNA」は、PKKタンパク質をコードするmRNAを意味する。
【0103】
「PKKタンパク質」は、PKK核酸のポリペプチド発現産物を意味する。
【0104】
「部分」は、規定した数の核酸の連続した(すなわち、結合した)核酸塩基を意味する。ある実施形態において、部分とは、標的核酸の連続した核酸塩基の規定した数である。ある実施形態において、部分とは、アンチセンス化合物の連続した核酸塩基の規定した数である。
【0105】
「予防する」または「予防すること」は、疾患、障害、または容態の開始または発症を数分間から数日間、数週間ないし数か月間の期間、または無限に遅延または未然に防ぐことを指す。
【0106】
「プロドラッグ」は、内在性酵素または他の化学物質及び/もしくは条件の作用によって身体またはその細胞内で活性形態(すなわち、薬剤)へと変換される不活性形態で調製された治療薬を意味する。
【0107】
「予防有効量」は、予防的(prophylactic)または予防的(preventative)な利点を動物へ提供する医薬剤の量を指す。
【0108】
「領域」は、少なくとも1つの識別可能な構造、機能、または特徴を有する標的核酸の一部として定義される。
【0109】
「リボヌクレオチド」は、ヌクレオチドの糖部分の2’位にヒドロキシを有するヌクレオチドを意味する。リボヌクレオチドは、種々の置換基のうちのいずれかで修飾してもよい。
【0110】
「塩」は、アンチセンス化合物の生理学的にかつ医薬として許容し得る塩、すなわち、親オリゴヌクレオチドの所望の生物活性を保有しかつ望ましくない毒性効果を与えない塩を意味する。
【0111】
「セグメント」は、標的核酸内の領域のより小さなまたは副部分として定義される。
【0112】
「副作用」は、所望の効果以外の治療に起因し得る生理学的応答を意味する。ある実施形態において、副作用には、注射部位反応、肝機能検査異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系以上、及びミオパチーが含まれるがこれらに限定されない。
【0113】
「一本鎖オリゴヌクレオチド」は、相補鎖とハイブリッド形成しないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0114】
「部位」は本明細書で使用する場合、標的核酸内の独特な核酸塩基位置として定義される。
【0115】
「特異的にハイブリッド形成可能な」または「特異的にハイブリッド形成する」は、特異的結合が所望である条件下で、すなわち、インビボでのアッセイ及び治療的処置の場合の生理学的条件下で、非標的核酸に最低限しかまたは全く効果を呈しない一方で、所望の効果を誘導するためにアンチセンスオリゴヌクレオチドと標的核酸の間の十分な程度の相補性を有するアンチセンス化合物を指す。
【0116】
「厳密なハイブリッド形成条件」または「厳密な条件」は、オリゴマー化合物がその標的配列とハイブリッド形成するが、最少数の他の配列とハイブリッド形成する条件を指す。
【0117】
「対象」は、治療または療法のために選択したヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0118】
「標的」は、調節が望まれるタンパク質を指す。
【0119】
「標的遺伝子」は、標的をコードする遺伝子を指す。
【0120】
「標的とする」または「標的とされる」は、標的核酸と特異的にハイブリッド形成しかつ所望の効果を誘導するアンチセンス化合物の設計及び選択の過程を意味する。
【0121】
「標的核酸」、「標的RNA」、及び「標的RNA転写産物」及び「核酸標的」はすべて、アンチセンス化合物によって標的とすることのできる核酸を意味する。
【0122】
「標的領域」は、1つ以上のアンチセンス化合物が標的とされる標的核酸の一部を意味する。
【0123】
「標的セグメント」は、アンチセンス化合物が標的とする標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。「5’標的部位」は、標的セグメントの5’末端ヌクレオチドを指す。「3’標的部位」は、標的セグメントの3’末端ヌクレオチドを指す。
【0124】
「治療有効量」は、個体へ治療上の利点を提供する医薬剤の量を意味する。
【0125】
「治療する」または「治療すること」または「治療」は、疾患または容態の改善をもたらすための組成物を投与することを指す。
【0126】
「修飾されていない核酸塩基」は、プリン塩基であるアデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0127】
「修飾されていないヌクレオチド」は、天然の核酸塩基、糖部分、及びヌクレオシド間結合から構成されたヌクレオチドを意味する。ある実施形態において、修飾されていないヌクレオチドとは、RNAヌクレオチド(すなわち、β-D-リボヌクレオシド)またはDNAヌクレオチド(すなわち、β-D-デオキシリボヌクレオシド)である。
【0128】
「上流」は、核酸の5’末端またはN末端へ向かう相対的な方向を指す。
【0129】
「ウィングセグメント」は、標的核酸に対する高い阻害活性、高い結合親和性、またはインビボでのヌクレアーゼによる分解に対する抵抗性などのオリゴヌクレオチド特性に対して与えるよう修飾された複数のヌクレオシドを意味する。
【0130】
(ある実施形態)
ある実施形態は、血漿プレカリクレイン(PKK)のmRNA及びタンパク質の発現を阻害するための化合物、組成物、及び方法を提供する。ある実施形態は、PKKのmRNAレベル及びタンパク質レベルを低下させるための化合物、組成物、及び方法を提供する。
【0131】
ある実施形態は、血漿プレカリクレイン(PKK)核酸を標的とするアンチセンス化合物を提供する。ある実施形態において、PKK核酸とは、GENBANK受託番号NM_000892.3(配列番号1として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号DC412984.1(配列番号2として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号CN265612.1(配列番号3として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号AK297672.1(配列番号4として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号DC413312.1(配列番号5として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号AV688858.2(配列番号6として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号CD652077.1(配列番号7として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号BC143911.1(配列番号8として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号CB162532.1(配列番号9として本明細書に組み込まれている)、核酸塩基111693001から核酸塩基111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19(配列番号10として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号NM_008455.2(配列番号11として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号BB598673.1(配列番号12として本明細書に組み込まれている)、核酸塩基6114001から核酸塩基6144000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_039460.7(配列番号13として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号NM_012725.2(配列番号14として本明細書に組み込まれている)、核酸塩基10952001から核酸塩基10982000まで切り詰められたGENBANK受託番号NW_047473.1(配列番号15として本明細書に組み込まれている)、GENBANK受託番号XM_002804276.1(配列番号17として本明細書に組み込まれている)、及び核酸塩基2358000から核酸塩基2391000まで切り詰められたGENBANK受託番号NW_001118167.1(配列番号18として本明細書に組み込まれている)に示される配列である。
【0132】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号30?2226の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0133】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号570の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0134】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号705の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0135】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号1666の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0136】
ある実施形態は、20個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号570の核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0137】
ある実施形態は、20個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号705の核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0138】
ある実施形態は、16個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号1666の核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0139】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号62、72、103、213、312、334?339、344、345、346、348、349、351、369、373、381、382、383、385、387?391、399、411、412、414、416、444、446?449、452、453、454、459、460、462?472、473、476、477、479、480、481、484、489?495、497、500、504、506、522、526、535、558、559、560、564、566、568?571、573、576、577、578、587、595、597?604、607、608、610、613、615、618、619、622、623、624、633、635、636、638、639、640、642、643、645、652、655?658、660、661、670、674?679、684、685、698、704、705、707、708、713、716、717、728、734、736、767、768、776、797、798、800、802、810、815、876、880、882、883、886、891、901?905、908?911、922、923、924、931、942、950?957、972、974、978、979、980、987?991、1005、1017?1021、1025、1026、1029、1030、1032、1034、1035、1037、1040、1041、1045、1046、1051、1054、1059、1060、1061、1064、1065、1066、1075、1076、1087、1089、1111、1114、1116、1117、1125、1133、1153、1169、1177、1181、1182、1187、1196、1200、1214、1222、1267、1276、1277、1285、1286、1289、1290、1291、1303、1367、1389、1393、1398?1401、1406、1407、1408、1411、1419?1422、1426、1430、1431、1432、1434?1437、1439、1440、1443、1444、1451、1452、1471、1516、1527、1535、1537、1538、1539、1540、1541、1563、1564、1567、1568、1616、1617、1623、1629、1664、1665、1666、1679、1687、1734、1804、1876、1886、1915、2008、2018、2100、2101、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、PKKの少なくとも80%mRNA阻害を達成する。
【0140】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号62、72、103、213、334?339、344、346、348、349、351、381、382、383、385、389、390、391、446、448、452、453、454、466?473、476、481、484、491、492、494、495、497、504、526、558、559、566、568?571、576、578、587、595、597、598、600?604、607、610、613、618、619、624、635、638、639、645、652、656、657、658、660、674、675、676、684、698、704、705、707、713、716、768、876、880、901?905、908?911、922、923、924、931、942、951、954?957、972、974、978、979、987、988、990、1005、1019、1020、1021、1025、1032、1037、1040、1041、1045、1054、1059、1060、1061、1064、1065、1066、1075、1111、1116、1117、1125、1133、1153、1169、1177、1200、1222、1267、1285、1290、1291、1303、1367、1398、1399、1401、1406、1408、1411、1419、1420、1421、1426、1430、1431、1432、1434?1437、1440、1443、1444、1451、1537?1540、1563、1616、1679、1687、1804、2008、2101、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、PKKの少なくとも85%mRNA阻害を達成する。
【0141】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、346、351、382、390、391、446、448、452、453、468、469、470、471、472、476、481、491、495、504、558、566、568、570、571、578、587、597、598、600、604、613、635、638、645、656、658、660、674、675、684、704、705、880、901?905、909、922、931、951、954、956、990、1005、1020、1032、1037、1040、1041、1045、1054、1075、1111、1125、1133、1153、1200、1267、1291、1303、1398、1399、1401、1406、1420、1426、1430、1431、1434、1435、1436、1440、1443、1451、1537?1540、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、PKKの少なくとも90%mRNA阻害を達成する。
【0142】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、391、448、468、469、568、570、598、635、658、674、684、705、901、903、904、922、990、1267、1291、1420、1430、1431、1434、1435、1436、1537、1538、及び1540の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、PKKの少なくとも95%mRNA阻害を達成する。
【0143】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、338、346、349、382、383、390、448、452、453、454、495、526、559、570、587、598、635、660、705、901、903、904、908、923、931、955、974、988、990、1020、1039、1040、1111、1117、1267、1291、1349、1352、1367、1389、1393、1399、1401、1408、1411、1426、1499、1516、1535、1544、1548、1563、1564、1568、1569、1598、1616、1617、1623、1624、1643、1661、1665、1666、1673、1679、1695、1720、1804、1817、1876、1881、1886、1940、1947、2008、2018、2019、2031、2044、2100、2101、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、0.4以下のIC_(50)(μM)を達成する。
【0144】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、346、349、382、453、454、495、526、570、587、598、635、660、901、903、904、931、955、990、1020、1111、1267、1349、1352、1367、1389、1399、1408、1411、1426、1516、1535、1544、1548、1563、1564、1568、1569、1598、1616、1617、1623、1643、1661、1665、1666、1673、1695、1804、1876、1881、2019、2044、2100、2101、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、0.3以下のIC_(50)(μM)を達成する。
【0145】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、346、382、453、495、526、570、587、598、635、901、904、931、955、1020、1111、1349、1352、1389、1426、1516、1535、1544、1548、1564、1569、1598、1616、1617、1665、1666、1804、1876、1881、2019、2044、2101、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、0.2以下のIC_(50)(μM)を達成する。
【0146】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、495、587、598、635、1349、1352、1389、1516、1544、1548、1569、1598、1617、1665、1666、1804、1881、及び2019の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、0.2未満のIC_(50)(μM)を達成する。
【0147】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基27427?27466の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0148】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基33183?33242の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0149】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基30570?30610の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0150】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基27427?27520の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0151】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基33085?33247の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0152】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基30475?30639の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0153】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基27362?27524の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0154】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基33101?33240の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0155】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基30463?30638の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0156】
ある実施形態は、12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつPKK核酸のエキソン9、エキソン12、またはエキソン14の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0157】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号10と少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である。
【0158】
ある実施形態において、化合物は、一本鎖の修飾されたオリゴヌクレオチドからなる。
【0159】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾されたヌクレオシド間結合である。
【0160】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。
【0161】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である。
【0162】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾された核酸塩基を含む。
【0163】
ある実施形態において、修飾された核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
【0164】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾された糖を含む。
【0165】
ある実施形態において、修飾された糖は、2’修飾された糖、BNA、またはTHPである。
【0166】
ある実施形態において、修飾された糖は、2’-O-メトキシエチル、2’-O-メチル、拘束されたエチル、LNA、または3’-フルオロ-HNAのうちのいずれかである。
【0167】
ある実施形態において、化合物は、少なくとも1つの2’-O-メトキシエチルヌクレオシド、2’-O-メチルヌクレオシド、拘束されたエチルヌクレオシド、LNAヌクレオシド、または3’-フルオロ-HNAヌクレオシドを含む。
【0168】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、
10個の連結したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、
5個の連結したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、及び
5個の連結したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント
を含み、この中で、ギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置取られ、かつこの中で各ウィングセグメントの各ヌクレオシドは修飾された糖を含む。
【0169】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、20個の連結したヌクレオシドからなる。
【0170】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、19個の連結したヌクレオシドからなる。
【0171】
ある実施形態において、修飾されたオリゴヌクレオチドは、18個の連結したヌクレオシドからなる。
【0172】
ある実施形態は、以下の式、すなわち、Tes Ges mCes Aes Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aes Aes Aes mCes Aeによる修飾されたオリゴヌクレオチドからなる化合物を提供し、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である。
【0173】
ある実施形態は、以下の式、すなわち、mCes mCes mCes mCes mCes Tds Tds mCds Tds Tds Tds Ads Tds Ads Gds mCes mCes Aes Ges mCeによる修飾されたオリゴヌクレオチドからなる化合物を提供し、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である。
【0174】
ある実施形態は、以下の式、すなわち、mCes Ges Aks Tds Ads Tds mCds Ads Tds Gds Ads Tds Tds mCks mCks mCeによる修飾されたオリゴヌクレオチドからなる化合物を提供し、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド
k=cEt修飾されたヌクレオシド、
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である。
【0175】
ある実施形態は、以下の式
【0176】
【化2】

【0177】
による化合物を提供する。
【0178】
ある実施形態は、以下の式
【0179】
【化3】

【0180】
による化合物を提供する。
【0181】
ある実施形態は、以下の式
【0182】
【化4】

【0183】
による化合物を提供する。
【0184】
ある実施形態は、いずれかの先行する請求項の化合物またはその塩及び医薬として許容し得る担体または希釈剤のうちの少なくとも1つを含む組成物を提供する。
【0185】
ある実施形態は、いずれかの先行する請求項の化合物または組成物を動物へ投与することを含む方法を提供する。
【0186】
ある実施形態において、動物はヒトである。
【0187】
ある実施形態において、化合物を投与することは、PKKと関連する疾患、障害または容態を予防、治療、または寛解させる。
【0188】
ある実施形態において、PKKと関連する疾患、障害または容態とは、遺伝性血管浮腫(HAE)、浮腫、血管浮腫、腫脹、眼瞼血管浮腫、眼浮腫、黄斑浮腫、脳浮腫、血栓症、塞栓症、血栓塞栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、脳卒中、及び梗塞である。
【0189】
ある実施形態は、炎症性疾患または血栓塞栓症性疾患を治療するための薬剤の製造のためのいずれかの先行する請求項の化合物または組成物の使用を提供する。
【0190】
(アンチセンス化合物)
オリゴマー化合物には、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣薬、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、及びsiRNAが含まれるが、これらに限定しない。オリゴマー化合物は、標的核酸に対して「アンチセンス」であってもよく、水素結合を通じて標的核酸とのハイブリッド形成を受けることができることを意味している。
【0191】
ある実施形態において、アンチセンス化合物は、5’から3’の方向で記載されている場合、標的とされる標的核酸の標的セグメントの逆相補体を含む核酸塩基配列を有する。あるこのような実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’から3’の方向で記載されている場合、標的とされる標的核酸の標的セグメントの逆相補体を含む核酸塩基配列を有する。
【0192】
ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ12?30サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ12?25サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ12?22サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ14?20サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ15?25サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ18?22サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ19?21サブユニットである。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、長さ8?80個、12?50個、13?30個、13?50個、14?30個、14?50個、15?30個、15?50個、16?30個、16?50個、17?30個、17?50個、18?30個、18?50個、19?30個、19?50個、または20?30個の連結したサブユニットである。
【0193】
ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ12サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ13サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ14サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ15サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ16サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ17サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ18サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ19サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ20サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ21サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ22サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ23サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ24サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ25サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ26サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ27サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ28サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ29サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ30サブユニットである。ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80個の、または上記の値のうちのいずれか2つによって定義される範囲の連結したサブユニットである。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、連結したサブユニットはヌクレオシドである。
【0194】
ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、短縮しまたは切り詰められていてもよい。例えば、単一のサブユニットは、5’末端から欠失していてもよく(5’切り詰め)、またはそれに替わるものとして3’末端から欠失していてもよい(3’切り詰め)。PKK核酸を標的とする短縮しまたは切り詰められたアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の5’末端から2つのサブユニットが欠失していてもよく、またはそれに替わるものとして、3’末端から2つのサブユニットが欠失していてもよい。あるいは、欠失したヌクレオシドは、例えば、5’末端から1つのヌクレオシドが欠失しかつ3’末端から1つのヌクレオシドが欠失したアンチセンス化合物において、アンチセンス化合物中に分散していてもよい。
【0195】
単一の追加的なサブユニットが長くなったアンチセンス化合物中に存在する場合、追加的なサブユニットは、アンチセンス化合物の5’末端または3’末端に配置されていてもよい。2つ以上の追加的なサブユニットが存在する場合、付加されたサブユニットは、例えば、2つのサブユニットがアンチセンス化合物の5’末端へ付加された(5’付加)アンチセンス化合物、またはそれに替わるものとして、3’末端へ付加された(3’付加)アンチセンス化合物において、互いに対して隣接していてもよい。あるいは、付加されたサブユニットは、例えば5’末端へ1つのサブユニットが付加されかつ3’末端へ1つのサブユニットが付加されたアンチセンス化合物において、アンチセンス化合物中に分散していてもよい。
【0196】
アンチセンスオリゴヌクレオチドなどのアンチセンス化合物の長さを増減することは可能であり、及び/または活性を除去することなくミスマッチ塩基を導入することは可能である。例えば、Woolfら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7305?7309,1992)において、長さ13?25核酸塩基の一連のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、卵母細胞注入モデルにおける標的RNAの切断を誘導する能力について検査した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの両端近くの8個または11個のミスマッチ塩基を有する長さ25核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含有していないアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも低い程度までであるにもかかわらず、標的mRNAの特異的切断を方向づけることができた。同様に、標的特異的切断は、1個または3個のミスマッチを有するものを含む、13個の核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて達成した。
【0197】
Gautschiら(J.Natl.Cancer Inst.93:463?471,2001年3月)は、bcl-2mRNAに対して100%の相補性を有しかつbcl-xLmRNAに対して3個のミスマッチを有するオリゴヌクレオチドが、インビトロ及びインビボでbcl-2及びbcl-xLの両方の発現を低下させる能力を実証した。さらに、このオリゴヌクレオチドは、インビボで強力な抗腫瘍活性を実証した。
【0198】
Maher及びDolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341?3358,1988)は、ウサギ網状赤血球アッセイにおけるヒトDHFRの翻訳を停止させる能力について、一連の直列の14核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドならびに当該直列アンチセンスオリゴヌクレオチドのうちの2つまたは3つの配列から構成される28核酸塩基及び42核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを検査した。3つの14核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチド単独の各々も、28核酸塩基または42核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも中程度のレベルであるにもかかわらず、翻訳を阻害することができた。
【0199】
(アンチセンス化合物モチーフ)
ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物は、パターンまたはモチーフにおいて配置されたサブユニットを化学的に修飾し、高い阻害活性、標的核酸に対する高い結合親和性、またはインビボでのヌクレアーゼによる分解に対する抵抗性などの特性をアンチセンス化合物へ与えた。
【0200】
キメラアンチセンス化合物は典型的には、ヌクレアーゼ分解に対する高い抵抗性、高い細胞内取り込み、標的核酸に対する高い結合親和性、及び/または高い阻害活性を与えるよう修飾された少なくとも1つの領域を含有する。キメラアンチセンス化合物の第二の領域は任意に、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞内エンドヌクレアーゼRNアーゼHに対する基質として機能し得る。
【0201】
ギャップマーモチーフを有するアンチセンス化合物は、キメラアンチセンス化合物と考えられる。ギャップマーにおいて、RNアーゼH切断を支援する複数のヌクレオチドを有する内部領域が、内部領域のヌクレオシドとは化学的に別個の複数のヌクレオチドを有する外部領域間に位置取られる。ギャップマーモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合、ギャップセグメントは概して、エンドヌクレアーゼ切断のための基質として機能するのに対し、ウィングセグメントは、修飾されたヌクレオシドを含む。ある実施形態において、ギャップマーの領域は、各別個の領域を含む糖部分の種類によって分化する。ギャップマーの領域を分化させるのに使用する糖部分の種類は、いくつかの実施形態において、β-D-リボヌクレオシド、β-D-デオキシリボヌクレオシド、2’-修飾されたヌクレオシド(このような2’-修飾されたヌクレオシドにはとりわけ、2’-MOE及び2’-O-CH_(3)を含み得る)、及び二環式糖修飾したヌクレオシド(このような二環式糖修飾したヌクレオシドには、4’-(CH_(2))_(n)-O-2’架橋(式中n=1またはn=2)及び4’-CH_(2)-O-CH_(2)-2’を有するものを含み得る)を含み得る。ある実施形態において、ウィングには例えば2’-MOEを含むいくつかの修飾された糖部分を含み得る。ある実施形態において、ウィングには、いくつかの修飾された及び修飾されていない糖部分を含み得る。ある実施形態において、ウィングには、2’-MOEヌクレオシド及び2’-デオキシヌクレオシドの種々の組み合わせを含み得る。
【0202】
各別個の領域は、均一な糖部分、バリアント、または交互の糖部分を含み得る。ウィング-ギャップ-ウィングモチーフは頻繁に、「X-Y-Z」と説明され、式中「X」は5’ウィングの長さを表し、「Y」はギャップの長さを表し、かつ「Z」は3’ウィングの長さを表す。「X」及び「Z」は均一なバリアントまたは交互の糖部分を含み得る。ある実施形態において、「X」及び「Y」には1つ以上の2’-デオキシヌクレオシドを含み得る。「Y」は2’-デオキシヌクレオシドを含み得る。本明細書で使用する場合、「X-Y-Z」として説明されるギャップマーは、当該ギャップが5’ウィング及び3’ウィングの各々に直接隣接して位置取られるような立体配置を有する。したがって、5’ウィングとギャップの間、またはギャップと3’ウィングの間には介在性ヌクレオチドは存在しない。本明細書で説明するアンチセンス化合物のうちのいずれかは、ギャップマーモチーフを有することができる。ある実施形態において、「X」及び「Z」は同じであり、他の実施形態において、「X」及び「Z」は異なっている。
【0203】
ある実施形態において、本明細書で提供するギャップマーには、例えば、5-10-5のモチーフを有する20マーが含まれる。
【0204】
(標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列)
ヒト血漿プレカリクレイン(PKK)をコードするヌクレオチド配列には、以下、すなわち、GENBANK受託番号NM_000892.3(配列番号1として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号DC412984.1(配列番号2として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号CN265612.1(配列番号3として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号AK297672.1(配列番号4として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号DC413312.1(配列番号5として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号AV688858.2(配列番号6として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号CD652077.1(配列番号7として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号BC143911.1(配列番号8として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号CB162532.1(配列番号9として本明細書に組み込まれる)、核酸塩基111693001?111730000を切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19(配列番号10として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号NM_008455.2(配列番号11として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号BB598673.1(配列番号12として本明細書に組み込まれる)、核酸塩基6114001?6144000を切り詰められたGENBANK受託番号NT_039460.7(配列番号13として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号NM_012725.2(配列番号14として本明細書に組み込まれる)、核酸塩基10952001?10982000を切り詰められたGENBANK受託番号NW_047473.1(配列番号15として本明細書に組み込まれる)、GENBANK受託番号XM_002804276.1(配列番号17として本明細書に組み込まれる)、及び核酸塩基2358000?2391000を切り詰められたGENBANK受託番号NW_001118167.1(配列番号18として本明細書に組み込まれる)を含むが、これらに限定しない。
【0205】
本明細書に含有される実施例における各配列番号において示す配列が、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基に対するいずれかの修飾とは独立していることは理解される。このようなものとして、配列番号によって規定されるアンチセンス化合物は独立して、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基に対する1つ以上の修飾を含み得る。国際科学情報サービス番号(Isis No)によって説明されるアンチセンス化合物は、核酸塩基配列及びモチーフの組み合わせを示す。
【0206】
ある実施形態において、標的領域とは、標的核酸の構造上規定された領域である。例えば、標的領域は、3’UTR、5’UTR、エキソン、イントロン、エキソン/イントロン接合部、コード領域、翻訳開始領域、翻訳終結領域、または他の規定された核酸領域を包含し得る。PKKについて構造上規定された領域は、NCBIなどの配列データベースから受託番号によって得ることができ、このような情報は、参照により本明細書に組み込まれる。ある実施形態において、標的領域は、標的領域内の1つの標的セグメントの5’標的部位から同じ標的領域内の別の標的セグメントの3’標的部位までの配列を包含し得る。
【0207】
標的化には、所望の効果が生じるようアンチセンス化合物がハイブリッド形成する少なくとも1つの標的セグメントの決定が含まれる。ある実施形態において、所望の効果とは、mRNA標的核酸レベルの低下である。ある実施形態において、所望の効果とは、標的核酸によってコードされるタンパク質レベルの低下、または標的核酸と関連する表現型の変化である。
【0208】
標的領域は、1つ以上の標的セグメントを含有し得る。標的領域内の複数の標的セグメントは重複していてもよい。あるいは、複数の標的セグメントは重複していなくてもよい。ある実施形態において、標的領域内の標的セグメントは、約300ヌクレオチド以下によって分離されている。ある実施形態において、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、または10個のヌクレオチドである、およそそれである、それ以下である、およそそれ以下である、あるいは先の値のうちのいずれか2つによって規定される範囲であるいくつかのヌクレオチドによって分離されている。ある実施形態において、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の5個以下の、または約5個以下のヌクレオチドによって分離されている。ある実施系チアにおいて、標的セグメントは連続的である。本明細書に列挙される5’標的部位または3’標的部位のうちのいずれかである出発核酸を有する範囲によって規定される標的領域が企図されている。
【0209】
適切な標的セグメントは、5’UTR、コード領域、3’UTR、イントロン、エキソン、またはエキソン/イントロン接合部内に認められ得る。開始コドンまたは終止コドンを含有する標的セグメントも適切な標的セグメントである。適切な標的セグメントは、開始コドンまたは終止コドンなどのある構造上規定された領域を特異的に除外し得る。
【0210】
適切な標的セグメントの決定には、標的核酸の配列とゲノム中の他の配列との比較を含み得る。例えば、BLASTアルゴリズムを使用して、異なる核酸間の類似性の領域を識別し得る。この比較は、選択した標的核酸以外の配列(すなわち、非標的配列またはオフターゲット配列)と非特異的な様式でハイブリッド形成し得るアンチセンス化合物配列の選択を防止することができる。
【0211】
活性のある標的領域内でのアンチセンス化合物の活性(例えば、標的核酸レベルの%低下によって定義されるような)において変化があってもよい。ある実施形態において、PKKmRNAレベルの低下は、PKK発現の阻害を示す。PKKタンパク質のレベルの低下はまた、標的mRNA発現の阻害を示す。さらに、表現型の変化は、PKKの発現の阻害を示す。例えば、炎症の低下または予防は、PKK発現の阻害を示すことができる。別の例では、浮腫/腫脹の低下または予防は、PKK発現の阻害を示すことができる。別の例では、血管透過性の低下または予防は、PKK発現の阻害を示すことができる。別の例では、血管漏出の低下または予防は、PKK発現の阻害を示すことができる。ある実施形態において、血管透過性は、エバンスブルーなどの色素の定量化によって測定される。
【0212】
(ハイブリッド形成)
いくつかの実施形態において、ハイブリッド形成は、本明細書で開示するアンチセンス化合物と標的核酸の間で生じる。最も共通したハイブリッド形成機序は、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えば、ワトソン・クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン水素結合)を包含する。
【0213】
ハイブリッド形成は、変動する条件下で生じることができる。厳密な条件は、配列依存的であり、ハイブリッド形成されることになっている核酸分子の性質及び組成によって決定される。
【0214】
配列が標的核酸と特異的にハイブリッド形成可能であるかどうかを判定する方法は当該技術分野で周知である。ある実施形態において、本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、標的核酸と特異的にハイブリッド形成可能である。
【0215】
(相補性)
アンチセンス化合物及び標的核酸は、アンチセンス化合物の十分な数の核酸塩基が標的核酸の対応する核酸塩基と水素結合することができる場合に互いに相補的であり、それにより所望の効果が生じる(例えば、PKK核酸などの標的核酸のアンチセンス阻害)。
【0216】
アンチセンス化合物とPKK核酸の間の非相補的核酸塩基は耐容性があり得、ただし、アンチセンス化合物が標的核酸と特異的にハイブリッド形成できるままであることを条件とする。その上、アンチセンス化合物は、介在性セグメントまたは隣接するセグメントがハイブリッド形成事象(例えば、ループ構造、ミスマッチまたはヘアピン構造)に関与しないように、PKK核酸の1つ以上のセグメントにわたってハイブリッド形成してもよい。
【0217】
ある実施形態において、本明細書に定義されるアンチセンス化合物またはその特定の部分は、PKK核酸、その標的領域、標的セグメントまたは特定部分と70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%相補的であり、または少なくとも70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%相補的である。アンチセンス化合物と標的核酸との%相補性は、所定の方法を用いて判定することができる。
【0218】
例えば、アンチセンス化合物の20核酸塩基のうちの18が標的領域と相補的でありそれゆえ特異的にハイブリッド形成するであろうアンチセンス化合物は、90%の相補性を表すであろう。この例において、残余の非相補的核酸塩基は、相補的核酸塩基とクラスター形成または散在してもよく、互いにまたは相補的な核酸塩基と連続している必要がない。このようなものとして、標的核酸との完全な相補性の2つの領域によって隣接する4つの非相補的核酸塩基を有する長さ18核酸塩基であるアンチセンス化合物は、標的核酸と77.8%の全体的な相補性を有するであろうし、したがって、本発明の範囲内に収まるであろう。アンチセンス化合物と標的核酸の領域との%相補性は、当該技術分野で公知のBLASTプログラム(塩基性局所整列検索ツール)及びパワーBLASTプログラムを用いて所定のとおり判定することができる(Altschulら,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410、Zhang及びMadden,Genome Res.,1997,7,649 656)。%相同性、配列同一性または相補性は、例えば、Smith及びWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math,1981,2,482 489)を用いる、既定の設定を用いたGapプログラム(ウィスコンシン配列分析パッケージ、Unix用バージョン8、遺伝学コンピュータグループ、ユニバーシティリサーチパーク、ウィスコンシン州マジソン市)によって判定することができる。
【0219】
ある実施形態において、本明細書に提供するアンチセンス化合物またはその特定部分は、標的核酸またはその特定部分と完全に相補的(すなわち、100%相補的)である。例えば、アンチセンス化合物は、血漿プレカリクレイン核酸、またはその標的領域、もしくは標的セグメントもしくは標的配列と完全に相補的であってもよい。本明細書で使用する場合、「完全に相補的」は、アンチセンス化合物の各核酸塩基が標的核酸の対応する核酸塩基と精確な塩基対形成をすることができることを意味する。例えば、20個の核酸塩基アンチセンス化合物は、アンチセンス化合物と完全に相補的な標的核酸の対応する20核酸塩基部分がある限り、400核酸塩基長である標的配列と完全に相補的である。完全に相補的は、第一及び/または第二の核酸の特定部分に関して使用することもできる。例えば、30核酸塩基アンチセンス化合物の20核酸塩基部分は、400核酸塩基長である標的配列に対して「完全に相補的」であることができる。30核酸塩基オリゴヌクレオチドの20核酸塩基部分は、標的配列が対応する20核酸塩基部分を有する場合、標的配列に対して完全に相補的であり、この中で各核酸塩基は、アンチセンス化合物の20核酸塩基部分と相補的である。同時に、30核酸塩基アンチセンス化合物全体は、アンチセンス化合物の残余の10核酸塩基も標的配列と相補的であるかどうかに応じて、標的配列と完全に相補的であってもよくまたは完全に相補的でなくてもよい。
【0220】
非相補的核酸塩基の位置は、アンチセンス化合物の5’末端または3’末端であってもよい。あるいは、非相補的核酸塩基または複数の非相補的核酸塩基は、アンチセンス化合物の内部位置にあってもよい。2つ以上の非相補的核酸塩基が存在する場合、当該核酸塩基は連続していても(すなわち、連結されていても)よく、または非連続的であってもよい。一実施形態において、非相補的核酸塩基は、ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドのウィングセグメントの中に配置される。
【0221】
ある実施形態において、長さ11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20であるまたはそれ以下であるアンチセンス化合物は、標的核酸またはその特定部分に対して4個以下、3個以下、2個以下、または1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0222】
ある実施形態において、長さ11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30であるまたはそれ以下であるアンチセンス化合物は、標的核酸またはその特定部分に対して6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、または1個以下の非相補的核酸塩基(複数可)を含む。
【0223】
提供されるアンチセンス化合物にはまた、標的核酸の一部と相補的なアンチセンス化合物を含む。本明細書で使用する場合、「部分」は、標的核酸の領域またはセグメント内の規定数の連続した(すなわち、連結されている)核酸塩基を指す。「部分」はまた、アンチセンス化合物の規定した数の連続した核酸塩基を指すことができる。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも8核酸塩基部分と相補的である。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも9核酸塩基部分と相補的である。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも10核酸塩基部分と相補的である。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも11核酸塩基部分と相補的である。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも12核酸塩基部分と相補的である。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも13核酸塩基部分と相補的である。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも14核酸塩基部分と相補的である。ある実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも15核酸塩基部分と相補的である。また、標的セグメントの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれより多数の、あるいはこれらの値のうちのいずれか2つによって規定される範囲の核酸塩基部分と相補的であるアンチセンス化合物が企図される。
【0224】
(同一性)
本明細書で提供されるアンチセンス化合物はまた、特定のヌクレオチド配列、配列番号、または特定国際科学情報サービス番号によって表される化合物、あるいはこれらの部分と規定される%同一性を有してもよい。本明細書で使用する場合、アンチセンス化合物は、同じ核酸塩基対形成能を有する場合、本明細書に開示した配列と同一である。例えば、開示したDNA配列におけるチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、ウラシル及びチミジンの両方がアデニンと対形成するので、DNA配列と同一とみなされるであろう。本明細書に説明するアンチセンス化合物の短縮した及び伸長したバージョンならびに本明細書に提供するアンチセンス化合物に対して非同一の塩基を有する化合物も企図される。非同一塩基は、互いに隣接していてもよくまたはアンチセンス化合物中に散在していてもよい。アンチセンス化合物の%同一性は、比較されている配列に対して同一の対形成を有する塩基の数に従って算出される。
【0225】
ある実施形態において、アンチセンス化合物またはその部分は、本明細書に開示するアンチセンス化合物もしくは配列番号、またはこれらの部分のうちの1つ以上と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である。
【0226】
ある実施形態において、アンチセンス化合物の一部は、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。ある実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25核酸塩基部分は、標的核酸の等しい長さ部分と比較される。
【0227】
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドの一部は、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。ある実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25核酸塩基部分は、標的核酸の等しい長さ部分と比較される。
【0228】
(修飾)
ヌクレオシドは、塩基-糖の組み合わせである。ヌクレオシドの核酸塩基(塩基としても公知)部分は通常、複素環式塩基部分である。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分と共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含む当該ヌクレオシドについて、リン酸基は、糖の2’、3’または5’ヒドロキシ部分へ結合することができる。オリゴヌクレオチドは、互いに隣接したヌクレオシドの共有結合を通じて形成され、直鎖状重合体オリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチド構造内では、リン酸基は通常、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成しているものとして言及される。
【0229】
アンチセンス化合物への修飾は、ヌクレオシド間結合、糖部分、または核酸塩基への置換または変化を包含する。修飾されたアンチセンス化合物はしばしば、天然形態よりも好ましく、例えば、高い細胞内取り込み、核酸標的に対する高い親和性、ヌクレアーゼの存在下での高い安定性、または高い阻害活性などの望ましい特性があるからである。
【0230】
化学的に修飾されたヌクレオシドはまた、その標的核酸に対して短縮したまたは切り詰められたアンチセンスオリゴヌクレオチドの結合親和性を高めるよう採用してもよい。結果的に、比較可能な結果はしばしば、このような化学的に修飾されたヌクレオシドを有する短めのアンチセンス化合物を用いて得ることができる。
【0231】
(修飾されたヌクレオシド間結合)
RNA及びDNAの天然ヌクレオシド間結合は、3’から5’のホスホジエステル結合である。1つ以上の修飾された、すなわち、非天然のヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物は、例えば、高い細胞内取り込み、標的核酸に対する高い親和性、及びヌクレアーゼの存在下での高い安定性などの望ましい特性のため、天然ヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物を上回ってしばしば選択される。
【0232】
修飾されたヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドには、リン原子を保有するヌクレオシド間結合、及びリン原子を有さないヌクレオシド間結合がある。ヌクレオシド間結合を含有する代表的なリンには、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホナート、ホスホルアミダート、及びホスホロチオアートが含まれるが、これらに限定しない。リン含有結合及びリン非含有結合の調製の方法は周知である。
【0233】
ある実施形態において、血漿プレカリクレイン核酸を標的とするアンチセンス化合物は、1つ以上の修飾されたヌクレオシド間結合を含む。ある実施形態において、修飾されたヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である。ある実施形態において、アンチセンス化合物の各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。
【0234】
(修飾された糖部分)
アンチセンス化合物は任意に、糖基が修飾された1つ以上のヌクレオシドを含有することができる。このような糖修飾型ヌクレオシドは、高いヌクレアーゼ安定性、高い結合親和性、またはアンチセンス化合物に対するいくつかの他の有益な生物学的特性を与え得る。ある実施形態において、ヌクレオシドは、化学的に修飾されたリボフラノース環部分を含む。化学的に修飾されたリボフラノース環の例としては、置換基の付加(5’及び2’置換基、二環式核酸(BNA)を形成するための非ジェミナルな環原子の架橋、リボシル環酸素原子のS、N(R)、またはC(R_(1))(R_(2))との置換(R、R_(1)及びR_(2)は各々独立して、H、C_(1)-C_(12)アルキルまたは保護基である))ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定しない。化学的に修飾された糖の例としては、2’-F-5’-メチル置換したヌクレオシド(他の開示された5’,2’-ビス置換したヌクレオシドについて2008年8月21日公開のPCT国際出願WO2008/101157を参照されたい)またはリボシル環酸素原子のSとの置換にさらに2’位で置換したもの(2005年6月16日公開の米国特許出願公開US2005-0130923を参照されたい)またはそれに替わるものとしてBNAの5’-置換(LNAが例えば5’-メチル基または5’-ビニル基と置換された2007年11月22日公開のPCT国際出願WO2007/134181を参照されたい)が挙げられる。
【0235】
修飾された糖部分を有するヌクレオシドの例としては、5’-ビニル、5’-メチル(RまたはS)、4’-S、2’-F、2’-OCH_(3)、2’-OCH_(2)CH_(3)、2’-OCH_(2)CH_(2)F及び2’-O(CH_(2))_(2)OCH_(3)置換基を含むヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定しない。2’位の置換基はまた、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-C_(1)-C_(10)アルキル、OCF_(3)、OCH_(2)F、O(CH_(2))_(2)SCH_(3)、O(CH_(2))_(2)-O-N(R_(m))(R_(n))、O-CH_(2)-C(=O)-N(R_(m))(R_(n))、及びO-CH_(2)-C(=O)-N(R_(1))-(CH_(2))_(2)-N(R_(m))(R_(n))から選択することができ、式中、R_(1)、R_(m)及びR_(n)は独立して、Hまたは置換もしくは非置換C_(1)-C_(10)アルキルである。
【0236】
本明細書で使用する場合、「二環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分を含む修飾されたヌクレオシドを指す。二環式ヌクレオシドの例としては、4’リボシル環原子と2’リボシル環原子の間の架橋を含むヌクレオシドが挙げられるが、これに限定しない。ある実施形態において、本明細書で提供されるアンチセンス化合物には、4’から2’の架橋を含む1つ以上の二環式ヌクレオシドを含む。このような4’から2’の架橋した二環式ヌクレオシドの例としては、式4’-(CH_(2))-O-2’(LNA)、4‘-(CH_(2))-S-2’、4’-(CH_(2))_(2)-O-2’(ENA)、4’-CH(CH_(3))-O-2’(拘束されたエチルまたはcEtとも呼ぶ)及び4’-CH(CH_(2)OCH_(3))-O-2’(及びその類似体、2008年7月15日発行の米国特許第7,399,845号を参照されたい)、4’-C(CH_(3))(CH_(3))-O-2’(及びその類似体、2009年1月8日公開のWO/2009/006478として公開のPCT/US2008/068922を参照されたい)、4’-CH_(2)-N(OCH_(3))-2’(及びその類似体、2008年12月11日公開のWO/2008/150729として公開のPCT/US2008/064591を参照されたい)、4’-CH_(2)-O-N(CH_(3))-2’(2004年9月2日公開の米国特許出願公開US2004-0171570を参照されたい)、4’-CH_(2)-N(R)-O-2’(式中RはH、C_(1)-C_(12)アルキル、または保護基である(2008年9月23日発行の米国特許第7,427,672号を参照されたい))、4’-CH_(2)-C-(H)(CH_(3))-2’(Chattopadhyayaら,J.Org.Chem.,2009,74,118?134)、ならびに4’-CH_(2)-C(=CH_(2))-2’(及びその類似体、2008年12月8日公開のWO2008/154401として公開のPCT/US2008/066154を参照されたい)のうちの1つが挙げられるが、これらに限定しない。
【0237】
二環式ヌクレオシドに関連するさらなる報告は、公表された文献においても見出すことができる(例えば、Friedenら,Nucleic Acids Research,2003,21,6365?6372、Singhら,Chem.Commun.,1998,4,455?456、Koshkinら,Tetrahedron,1998,54,3607?3630、Wahlestedtら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633?5638、Kumarら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219?2222、Singhら,J.Org.Chem.,1998,63,10035?10039、Srivastavaら,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(26)8362?8379、Elayadiら,Curr.Opinion Invest.Drugs,2001,2,558?561、Braaschら,Chem.Biol.,2001,8,1?7、及びOrumら,Curr.Opinion Mol. Ther.,2001,3,239?243、米国特許第6,268,490号、第6,525,191号、第6,670,461号、第6,770,748号、第6,794,499号、第7,034,133号、第7,053,207号、第7,399,845号、第7,547,684号、及び第7,696,345号、米国特許公開第US2008-0039618号、第US2009-0012281号、第US2007-0287831号、第US2004-0171570号、米国特許出願第12/129,154号、第60/989,574号、第61/026,995号、第61/026,998号、第61/056,564号、第61/086,231号、第61/097,787号、及び第61/099,844号、PCT国際出願公開WO1994/014226、WO2004/106356、WO2005/021570、WO2007/134181、WO2008/150729、WO2008/154401、及びWO2009/006478を参照されたい)。例えばα-L-リボフラノース及びβ-D-リボフラノースを含む1つ以上の立体化学糖
配置を有する先の二環式ヌクレオシドの各々を調製することができる(WO99/14226として1999年3月25日公開のPCT国際出願PCT/DK98/00393を参照されたい)。
【0238】
ある実施形態において、BNAヌクレオシドの二環式糖部分には、ペントフラノシル糖部分の4’位と2’位の間に少なくとも1つの架橋を有する化合物が含まれるが、これに限定せず、この中で、このような架橋は独立して、[C(R_(a))(R_(b))]_(n)-、-C(R_(a))=C(R_(b))-、-C(R_(a))=N-、-C(=O)-、-C(=NR_(a))-、-C(=S)-、-O-、-Si(R_(a))_(2)-、-S(=O)_(x)-、及びN(R_(a))-から独立して選択される1または2?4個の結合基を含み、
式中、
xは0、1、または2であり、
nは1、2、3、または4であり、
各R_(a)及びR_(b)は独立して、H、保護基、ヒドロキシ、C_(1)-C_(12)アルキル、置換C_(1)-C_(12)アルキル、C_(2)-C_(12)アルケニル、置換C_(2)-C_(12)アルケニル、C_(2)-C_(12)アルキニル、置換C_(2)-C_(12)アルキニル、C_(5)-C_(20)アリール、置換C_(5)-C_(20)アリール、複素環式ラジカル、置換複素環式ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C_(5)-C_(7)脂環式ラジカル、置換C_(5)-C_(7)脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ_(1)、NJ_(1)J_(2)、SJ_(1)、N_(3)、COOJ_(1)、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)_(2)-J_(1))、またはスルホキシル(S(=O)-J_(1))であり、かつ
各J_(1)及びJ_(2)は独立して、H、C_(1)-C_(12)アルキル、置換C_(1)-C_(12)アルキル、C_(2)-C_(12)アルケニル、置換C_(2)-C_(12)アルケニル、C_(2)-C_(12)アルキニル、置換C_(2)-C_(12)アルキニル、C_(5)-C_(20)アリール、置換C_(5)-C_(20)アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環式ラジカル、置換複素環式ラジカル、C_(1)-C_(12)アミノアルキル、置換C_(1)-C_(12)アミノアルキルまたは保護基である。
【0239】
ある実施形態において、二環式糖部分の架橋は、-[C(R_(a))(R_(b))]_(n)-、-[C(R_(a))(R_(b))]_(n)-O-、-C(R_(a)R_(b))-N(R)-O-または-C(R_(a)R_(b))-O-N(R)-である。ある実施形態において、当該架橋は4’-CH_(2)-2’、4’-(CH_(2))_(2)-2’、4’-(CH_(2))_(3)-2’、4’-CH_(2)-O-2’、4’-(CH_(2))_(2)-O-2’、4’-CH_(2)-O-N(R)-2’及び4’-CH_(2)-N(R)-O-2’-であり、式中各Rは独立して、H、保護基またはC_(1)-C_(12)アルキルである。
【0240】
ある実施形態において、二環式ヌクレオシドはさらに、異性体配置によって規定される。例えば、4’-2’メチレン-オキシ架橋を含むヌクレオシドは、α-L配置またはβ-D配置であってもよい。すでに、α-L-メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)BNAは、アンチセンス活性を示したアンチセンスオリゴヌクレオチドへと組み込まれている(Friedenら,Nucleic Acids Research,2003,21,6365?6372)。
【0241】
ある実施形態において、二環式ヌクレオシドには、以下
【0242】
【化5】

【0243】
に示すような(A)α-L-メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)BNA、(B)β-D-メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’-(CH_(2))_(2)-O-2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’-CH_(2)-O-N(R)-2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’-CH_(2)-N(R)-O-2’)BNA、及び(F)メチル(メチレンオキシ)(4’-CH(CH_(3))-O-2’)BNA、(G)メチレン-チオ(4’-CH_(2)-S-2’)BNA、(H)メチレン-アミノ(4’-CH_(2)-N(R)-2’)BNA、(I)炭素環式メチル(4’-CH_(2)-CH(CH_(3))-2’)BNA、(J)炭素環式プロプレン(4’-(CH_(2))_(3)-2’)BNA及び(K)ビニルBNAが含まれるが、これらに限定されず、
式中、Bxは塩基部分であり、かつRは独立してH、保護基、C_(1)-C_(12)アルキルまたはC_(1)-C_(12)アルコキシである。
【0244】
ある実施形態において、式I
【0245】
【化6】

【0246】
を有する二環式ヌクレオシドが提供され、式中、
Bxは複素環式塩基部分であり、
-Q_(a)-Q_(b)-Q_(c)-は、-CH_(2)-N(R_(c))-CH_(2)-、-C(=O)-N(R_(c))-CH_(2)-、-CH_(2)-O-N(R_(c))-、-CH_(2)-N(R_(c))-O-または-N(R_(c))-O-CH_(2)であり、
R_(c)はC_(1)-C_(12)アルキルまたはアミノ保護基であり、かつ
T_(a)及びT_(b)は各々独立して、H、ヒドロキシ保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合である。
【0247】
ある実施形態において、式II
【0248】
【化7】

【0249】
を有する二環式ヌクレオシドが提供され、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
T_(a)及びT_(b)は各々独立して、H、ヒドロキシ保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
Z_(a)は、C_(1)-C_(6)アルキル、C_(2)-C_(6)アルケニル、C_(2)-C_(6)アルキニル、置換C_(1)-C_(6)アルキル、置換C_(2)-C_(6)アルケニル、置換C_(2)-C_(6)アルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオールまたは置換チオである。
【0250】
一実施形態において、置換基の各々は独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、OJ_(c)、NJ_(c)J_(d)、SJ_(c)、N_(3)、OC(=X)J_(c)、及びNJ_(e)C(=X)NJ_(c)J_(d)から独立して選択される置換基で単置換または多置換されており、式中各J_(c)、J_(d)及びJ_(e)は独立して、H、C_(1)-C_(6)アルキルまたは置換C_(1)-C_(6)アルキルでありかつXはOまたはNJ_(c)である。
【0251】
ある実施形態において、式III
【0252】
【化8】

【0253】
を有する二環式ヌクレオシドが提供され、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
T_(a)及びT_(b)は各々独立して、H、ヒドロキシ保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
Z_(b)は、C_(1)-C_(6)アルキル、C_(2)-C_(6)アルケニル、C_(2)-C_(6)アルキニル、置換C_(1)-C_(6)アルキル、置換C_(2)-C_(6)アルケニル、置換C_(2)-C_(6)アルキニルまたは置換アシル(C(=O)-)である。
【0254】
ある実施形態において、式IV
【0255】
【化9】

【0256】
を有する二環式ヌクレオシドが提供され、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
T_(a)及びT_(b)は各々独立して、H、ヒドロキシ保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
R_(d)は、C_(1)-C_(6)アルキル、置換C_(1)-C_(6)アルキル、C_(2)-C_(6)アルケニル、置換C_(2)-C_(6)アルケニル、C_(2)-C_(6)アルキニルまたは置換C_(2)-C_(6)アルキニルであり、
各q_(a)、q_(b)、q_(c)及びq_(d)は独立して、H、ハロゲン、C_(1)-C_(6)アルキル、置換C_(1)-C_(6)アルキル、C_(2)-C_(6)アルケニル、置換C_(2)-C_(6)アルケニル、C_(2)-C_(6)アルキニルまたは置換C_(2)-C_(6)アルキニル、C_(1)-C_(6)アルコキシ、置換C_(1)-C_(6)アルコキシ、アシル、置換アシル、C_(1)-C_(6)アミノアルキルまたは置換C_(1)-C_(6)アミノアルキルである。
【0257】
ある実施形態において、式V
【0258】
【化10】

【0259】
を有する二環式ヌクレオシドが提供され、式中、
Bxは複素環式塩基部分であり、
T_(a)及びT_(b)は各々独立してH、ヒドロキシ保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
q_(a)、q_(b)、q_(e)及びq_(f)は各々独立して、水素、ハロゲン、C_(1)-C_(12)アルキル、置換C_(1)-C_(12)アルキル、C_(2)-C_(12)アルケニル、置換C_(2)-C_(12)アルケニル、C_(2)-C_(12)アルキニルまたは置換C_(2)-C_(12)アルキニル、C_(1)-C_(12)アルコキシ、置換C_(1)-C_(12)アルコキシ、OJ_(j)、SJ_(j)、SOJ_(j)、SO_(2)J_(j)、NJ_(j)J_(k)、N_(3)、CN、C(=O)OJ_(j)、C(=O)NJ_(j)J_(k)、C(=O)J_(j)、O-C(=O)NJ_(j)J_(k)、N(H)C(=NH)NJ_(j)J_(k)、N(H)C(=O)NJ_(j)J_(k)またはN(H)C(=S)NJ_(j)J_(k)であり、
またはq_(e)及びq_(f)は互いに=C(q_(g))(q_(h))であり、
q_(g)及びq_(h)は各々独立して、H、ハロゲン、C_(1)-C_(12)アルキルまたは置換C_(1)-C_(12)アルキルである。
【0260】
メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)BNA単量体アデニン、シトシン、グアニン、5-メチル-シトシン、チミン及びウラシルの合成及び調製は、そのオリゴマー化及び核酸認識特性とともにすでに説明されている(Koshkinら,Tetrahedron,1998,54,3607?3630)。BNA及びその調製はまた、WO98/39352及びWO99/14226において説明されている。
【0261】
メチレンオキシ(4’-CH_(2)-O-2’)BNA及び2’-チオ-BNAの類似体もすでに調製されている(Kumarら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219?2222)。核酸ポリメラーゼに対する基質としてのオリゴデオキシリボヌクレオチド二本鎖を含むロックされたヌクレオシド類似体の調製も説明されている(Wengelら,WO99/14226)。さらに、新規の立体配座的に(comformationally)制限された高親和性オリゴヌクレオチド類似体である2’-アミノ-BNAの合成は、当該技術分野において既に説明されている(Singhら,J.Org.Chem.,1998,63,10035?10039)。加えて、2’-アミノ-及び2’-メチルアミノ-BNAは調製されており、当該BNAと相補的RNA鎖及びDNA鎖との二本鎖の熱安定性は既に報告されている。
【0262】
ある実施形態において、式VI
【0263】
【化11】

【0264】
を有する二環式ヌクレオシドが提供され、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
T_(a)及びT_(b)は各々独立して、H、ヒドロキシ保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
各q_(i)、q_(j)、q_(k)及びq_(l)は独立して、H、ハロゲン、C_(1)-C_(12)アルキル、置換C_(1)-C_(12)アルキル、C_(2)-C_(12)アルケニル、置換C_(2)-C_(12)アルケニル、C_(2)-C_(12)アルキニル、置換C_(2)-C_(12)アルキニル、C_(1)-C_(12)アルコキシ、置換C_(1)-C_(12)アルコキシ、OJ_(j)、SJ_(j)、SOJ_(j)、SO_(2)J_(j)、NJ_(j)J_(k)、N_(3)、CN、C(=O)OJ_(j)、C(=O)NJ_(j)J_(k)、C(=O)J_(j)、O-C(=O)NJ_(j)J_(k)、N(H)C(=NH)NJ_(j)J_(k)、N(H)C(=O)NJ_(j)J_(k)またはN(H)C(=S)NJ_(j)J_(k)であり、かつ
q_(i)及びq_(j)またはq_(l)及びq_(k)は互いに、=C(q_(g))(q_(h))であり、式中、q_(g)及びq_(h)は各々独立して、H、ハロゲン、C_(1)-C_(12)アルキルまたは置換C_(1)-C_(12)アルキルである。
【0265】
4’-(CH_(2))_(3)-2’架橋及びアルケニル類似体架橋4’-CH=CH-CH_(2)-2’を有する1つの炭素環式二環式ヌクレオシドはすでに説明されている(Freierら,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429?4443及びAlbaekら,J.Org.Chem.,2006,71,7731?7740)。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成及び調製も当該ヌクレオシドのオリゴマー化及び生化学的研究とともにすでに説明されている(Srivastavaら,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(26),8362?8379)。
【0266】
本明細書で使用する場合、「4’-2’二環式ヌクレオシド」または「4’から2’の二環式ヌクレオシド」は、糖環の2’炭素原子及び4’炭素原子を結合するフラノース環の2つの炭素原子を結合する架橋を含むフラノース環を含む二環式ヌクレオシドを指す。
【0267】
本明細書で使用する場合、「単環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分ではない修飾された糖部分を含むヌクレオシドを指す。ある実施形態において、ヌクレオシドの糖部分、または糖部分類似体は、いずれかの位置において修飾または置換され得る。
【0268】
本明細書で使用する場合、「2’-修飾された糖」は、2’位で修飾されたフラノシル糖を意味する。ある実施形態において、このような修飾には、置換及び非置換のアルコキシ、置換及び非置換のチオアルキル、置換及び非置換のアミノアルキル、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のアリル、ならびに置換及び非置換のアルキニルを含むがこれらに限定しないハロゲン化物から選択された置換基が含まれる。ある実施形態において、2’修飾は、O[(CH_(2))_(n)O]_(m)CH_(3)、O(CH_(2))_(n)NH_(2)、O(CH_(2))_(n)CH_(3)、O(CH_(2))_(n)F、O(CH_(2))_(n)ONH_(2)、OCH_(2)C(=O)N(H)CH_(3)、及びO(CH_(2))_(n)ON[(CH_(2))_(n)CH_(3)]_(2)を含むがこれらに限定しない置換基から選択され、式中n及びmは1?約10である。他の2’-置換基は、C_(1)-C_(12)アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH_(3)、OCN、Cl、Br、CN、F、CF_(3)、OCF_(3)、SOCH_(3)、SO_(2)CH_(3)、ONO_(2)、NO_(2)、N_(3)、NH_(2)、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、挿入基、アンチセンス化合物の薬物動態特性を改善するための基もしくは薬力学的特性を改善するための基、及び類似の特性を有する他の置換基からも選択することができる。ある実施形態において、修飾されたヌクレオシドは、2’-MOE側鎖を含む(Bakerら,J.Biol.Chem.,1997,272,11944?12000)。このような2’-MOE置換は、2’-O-メチル、O-プロピル、及びO-アミノプロピルなど、修飾されていないヌクレオシド及び他の修飾されたヌクレオシドと比較して結合親和性が改善されているものとして説明されている。2’-MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドはまた、インビボでの使用のための有望な特徴を有する遺伝子発現おアンチセンス阻害薬であることが示されている(Martin,Helv.Chim.Acta,1995,78,486?504、Altmannら,Chimia,1996,50,168?176、Altmannら,Biochem.Soc.Trans.,1996,24,630?637、及びAltmannら,Nucleosides Nucleotides,1997,16,917?926)。
【0269】
本明細書で使用する場合、「修飾されたテトラヒドロピランヌクレオシド」または「修飾されたTHPヌクレオシド」は、正常なヌクレオシドにおけるペントフラノシル残基について置換された6員のテトラヒドロピラン「糖」を有するヌクレオシドを意味する(糖代用物)。修飾されたTHPヌクレオシドには、当該技術分野においてヘキシトール核酸(HNA)、アニトール核酸(ANA)、マンニトール核酸(MNA)(Leumann,Bioorg.Med.Chem.,2002,10,841?1954を参照されたい)または以下
【0270】
【化12】

【0271】
に示すようなテトラヒドロピラン環系を有するフルオロHNA(F-HNA)と呼ばれるものが含まれるが、これらに限定しない。
【0272】
ある実施形態において、式VII
【0273】
【化13】

【0274】
を有する糖代用物が選択され、式中、式VIIの当該少なくとも1つのテトラヒドロピランヌクレオシド類似体の各々について独立して、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
T_(a)及びT_(b)は各々独立して、アンチセンス化合物に対するテトラヒドロピランヌクレオシド類似体を結合するヌクレオシド間結合基であり、またはT_(a)及びT_(b)のうちの1つは、アンチセンス化合物に対するテトラヒドロピランヌクレオシド類似体を結合するヌクレオシド間結合基であり、T_(a)及びT_(b)のうちのもう1つは、H、ヒドロキシ保護基、結合した共役基、または5’もしくは3’-末端基であり、
q_(1)、q_(2)、q_(3)、q_(4)、q_(5)、q_(6)及びq_(7)は各々独立して、H、C_(1)-C_(6)アルキル、置換C_(1)-C_(6)アルキル、C_(2)-C_(6)アルケニル、置換C_(2)-C_(6)アルケニル、C_(2)-C_(6)アルキニルまたは置換C_(2)-C_(6)アルキニルであり、かつR_(1)及びR_(2)の各々は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルコキシ、NJ_(1)J_(2)、SJ_(1)、N_(3)、OC(=X)J_(1)、OC(=X)NJ_(1)J_(2)、NJ_(3)C(=X)NJ_(1)J_(2)及びCNであり、式中XはO、SまたはNJ_(1)でありかつ各J_(1)、J_(2)及びJ_(3)は独立して、HまたはC_(1)-C_(6)アルキルである。
【0275】
ある実施形態において、q_(1)、q_(2)、q_(3)、q_(4)、q_(5)、q_(6)及びq_(7)が各々Hである式VIIの修飾されたTHPヌクレオシドが提供される。ある実施形態において、q_(1)、q_(2)、q_(3)、q_(4)、q_(5)、q_(6)及びq_(7)のうちの少なくとも1つは、H以外である。ある実施形態において、q_(1)、q_(2)、q_(3)、q_(4)、q_(5)、q_(6)及びq_(7)のうちの少なくとも1つはメチルである。ある実施形態において、R_(1)及びR_(2)のうちの1つがフルオロである式VIIのTHPヌクレオシドが提供される。ある実施形態において、R_(1)はフルオロでありかつR_(2)はHであり、R_(1)はメトキシでありかつR_(2)はHであり、及びR_(1)はメトキシエトキシでありかつR_(2)はHである。
【0276】
ある実施形態において、糖代用物は、5個超の原子及び1個超のヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルフォリノ糖部分を含むヌクレオシド及びオリゴマー化合物における当該部分の使用はすでに報告されている(例えば、Braaschら,Biochemistry,2002,41,4503?4510、ならびに米国特許第5,698,685号、第5,166,315号、第5,185,444号及び第5,034,506号を参照されたい。)。本明細書で使用する場合、用語「モルフォリノ」は、以下の式
【0277】
【化14】

【0278】
を有する糖代用物を意味する。ある実施形態において、モルフォリノは、例えば、上述のモルフォリノ構造由来の種々の置換基を付加または変更することによって修飾してもよい。このような糖代用物は本明細書では、「修飾されたモルフォリノ」と呼ぶ。
【0279】
2’-F-5’-メチル置換ヌクレオシド(他の開示された5’,2’-ビス置換ヌクレオシドについて2008年8月21日公開のPCT国際出願第WO2008/101157号を参照されたい)ならびにリボシル環酸素原子とSとの置換及び2’位でのさらなる置換(2005年6月16日公開の米国特許出願公開US2005-0130923を参照されたい)、またはそれに替わるものとして二環式核酸の5’-置換(2007年11月22日公開のPCT国際出願第WO2007/134181を参照されたく、この中で4’-CH_(2)-O-2’二環式ヌクレオシドはさらに、5’位で5’-メチル基または5’-ビニル基と置換される。)などだがこれらに限定しない修飾の組み合わせも提供される。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成及び調製も、当該ヌクレオシドのオリゴマー化及び生化学的研究とともにすでに説明されている(例えば、Srivastavaら,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362?8379を参照されたい)。
【0280】
ある実施形態において、アンチセンス化合物は、天然ヌクレオシドにおけるペントフラノシル残基の代わりに6員のシクロヘキセニルを有するヌクレオシドである、1つ以上の修飾されたシクロヘキセニルヌクレオシドを含む。修飾されたシクロヘキセニルヌクレオシドには、当該技術分野で説明されたものが含まれるが、これらに限定しない(例えば、共通して所有される2010年4月10日公開のPCT出願公開第WO2010/036696号、Robeynsら,J.Am.Chem.Soc.,2008,130(6),1979?1984、Horvathら,Tetrahedron Letters,2007,48,3621?3623、Nauwelaertsら,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(30),9340?9348、Guら,Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,2005,24(5?7),993?998、Nauwelaertsら,Nucleic Acids Research,2005,33(8),2452?2463、Robeynsら,Acta Crystallographica,第F節:Structural Biology and Crystallization Communications,2005,F61(6),585?586、Guら,Tetrahedron,2004,60(9),2111?2123、Guら,Oligonucleotides,2003,13(6),479?489、Wangら,J.Org.Chem.,2003,68,4499?4505、Verbeureら,Nucleic Acids Research,2001,29(24),4941?4947、Wangら,J.Org.Chem.,2001,66,8478?8482、Wangら,Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,2001,20(4?7),785?788、Wangら,J.Am.Chem.,2000,122,8595?8602、PCT出願公開第WO06/047842号、及びPCT出願公開第WO01/049687号を参照されたく、各々の文書はそれらが全体として参照により本明細書に組み込まれる。)。ある修飾されたシクロヘキセニルヌクレオシドは、式X
【0281】
【化15】

【0282】
を有し、式中、式Xの当該少なくとも1つのシクロヘキセニルヌクレオシド類似体について独立して、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
T_(3)及びT_(4)は各々独立して、シクロヘキセニルヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物へ結合するヌクレオシド間結合基であり、あるいはT_(3)及びT_(4)のうちの1つは、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物へ結合するヌクレオシド間結合基であり、かつT_(3)及びT_(4)のうちのもう1つはH、ヒドロキシ保護基、結合した共役基、または5’-もしくは3’末端基であり、かつ
q_(1)、q_(2)、q_(3)、q_(4)、q_(5)、q_(6)、q_(7)、q_(8)及びq_(9)は各々独立してH、C_(1)-C_(6)アルキル、置換C_(1)-C_(6)アルキル、C_(2)-C_(6)アルケニル、置換C_(2)-C_(6)アルケニル、C_(2)-C_(6)アルキニル、置換C_(2)-C_(6)アルキニル、または他の糖置換基である。
【0283】
本明細書で使用する場合、「2’-修飾された」または「2’-置換」は、2’位にHまたはOH以外の置換基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。2’-修飾されたヌクレオシドには、二環式ヌクレオシド(この中で、糖環の2つの炭素原子を結合する架橋は、2’炭素と糖環の別の炭素を結合させる)、及びアリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-C_(1)-C_(10)アルキル、-OCF_(3)、O-(CH_(2))_(2)-O-CH_(3)、2’-O(CH_(2))_(2)SCH_(3)、O-(CH_(2))_(2)-O-N(R_(m))(R_(n))、またはO-CH_(2)-C(=O)-N(R_(m))(R_(n))(式中、各R_(m)及びR_(n)は独立して、Hまたは置換もしくは非置換C_(1)-C_(10)アルキルである)などの非架橋性2’置換基を有するヌクレオシドが含まれるがこれらに限定されない。2’-修飾されたヌクレオシドは、例えば糖及び/または核酸塩基の他の位置に他の修飾をさらに含んでもよい。
【0284】
本明細書で使用する場合、「2’-F」は、糖環の2’位でフルオロ基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0285】
本明細書で使用する場合、「2’-OMe」または「2’-OCH_(3)」または「2’-O-メチル」は各々、糖環の2’位で-OCH_(3)基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0286】
本明細書で使用する場合、「MOE」または「2’-MOE」または「2’-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)」または「2’-O-メトキシエチル」は各々、糖環の2’位で-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0287】
本明細書で使用する場合、「オリゴヌクレオチド」は、複数の結合したヌクレオシドを含む化合物を指す。ある実施形態において、複数のヌクレオシドのうちの1つ以上は修飾されている。ある実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つ以上のリボヌクレオシド(RNA)及び/またはデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含む。
【0288】
本明細書で提供されるようなアンチセンス化合物への組み込みのためにヌクレオシドを修飾するために使用することができる多くの他の単環、二環及び三環の糖代用物環系も当該技術分野で公知である(例えば、総説文献:Leumann,Bioorg.Med.Chem.,2002,10,841?1954を参照されたい)。このような環系は、活性を高めるために種々の追加的な置換を受けることができる。
【0289】
修飾された糖の調製のための方法は、当業者に周知である。このような修飾された糖の調製を教示するいくつかの代表的な米国特許には、米国特許第4,981,957号、第5,118,800号、第5,319,080号、第5,359,044号、第5,393,878号、第5,446,137号、第5,466,786号、第5,514,785号、第5,519,134号、第5,567,811号、第5,576,427号、第5,591,722号、第5,597,909号、第5,610,300号、第5,627,053号、第5,639,873号、第5,646,265号、第5,670,633号、第5,700,920号、第5,792,847号及び第6,600,032号、ならびに2005年6月2日に出願及び2005年12月22日にWO2005/121371として公開された国際出願第PCT/US2005/019219号が含まれるが、これらに限定されず、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0290】
修飾された糖部分を有するヌクレオチドにおいて、核酸塩基部分(中性型、修飾型またはこれらの組み合わせ)は、適切な核酸標的とのハイブリッド形成のために維持される。
【0291】
ある実施形態において、アンチセンス化合物は、修飾された糖部分を有する1つ以上のヌクレオシドを含む。ある実施形態において、修飾された糖部分とは2’-MOEである。ある実施形態において、2’-MOE修飾されたヌクレオシドは、ギャップマーモチーフにおいて配置される。ある実施形態において、修飾された糖部分とは、(4’-CH(CH_(3))-O-2’)架橋基を有する二環式ヌクレオシドである。ある実施形態において、(4’-CH(CH_(3))-O-2’)修飾されたヌクレオシドは、ギャップマーモチーフのウィング中に配置される。
【0292】
(共役型アンチセンス化合物)
アンチセンス化合物は、結果として生じるアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞内分布または細胞内取り込みを高める1つ以上の部分または共役体へ共有結合してもよい。典型的な共役基には、コレステロール部分及び脂質部分が含まれる。追加的な共役基には、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び色素が含まれる。
【0293】
アンチセンス化合物はまた、例えばヌクレアーゼ安定性などの特性を高めるためにアンチセンス化合物の片方のまたは両方の末端へ概して結合した1つ以上の安定化基を有するよう修飾することができる。安定柿に含まれるのはキャップ構造である。これらの末端修飾は、末端核酸を有するアンチセンス化合物をエキソヌクレアーゼ分解から保護し、細胞内での送達及び/または局在化において役に立つことができる。キャップは、5’末端(5’-キャップ)、もしくは3’末端(3’-キャップ)に存在することができ、または両末端に存在することができる。キャップ構造は当該技術分野で周知であり、例えば逆デオキシ脱塩基性キャップが含まれる。ヌクレアーゼ安定性を与えるためにアンチセンス化合物の片方のまたは両方の末端をキャッピングするために使用することのできるさらなる3’及び5’安定化基には、2003年1月16日公開のWO03/004602において開示されている者が含まれる。
【0294】
(細胞培養及びアンチセンス化合物の治療)
PKK核酸のレベル、活性、または発現に及ぼすアンチセンス化合物の効果は、種々の細胞型においてインビトロで検査することができる。このような分析に使用する細胞型は、商業的販売業者(例えば、米国培養細胞系統保存機関,バージニア州マナサス(Manassus)市、Zen-Bio社,ノースカロライナ州リサーチトライアングルパーク、Clonetics社,メリーランド州ウォーカーズビル町)から入手可能であり、市販の試薬(例えば、Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド市)を用いて販売業者の説明書に従って培養する。実例となる細胞型には、HepaRG(商標)T細胞及びマウス初代肝細胞が挙げられるが、これらに限定しない。
【0295】
(アンチセンスオリゴヌクレオチドのインビトロ検査)
本明細書に説明されるのは、細胞をアンチセンスオリゴヌクレオチドで治療するための方法であり、他のアンチセンス化合物を用いた治療のために適切に改変することができる。
【0296】
細胞は、培養中におよそ60?80%の集密度に到達する場合にアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて治療してもよい。
【0297】
培養した細胞中へアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに共通して使用する1つの試薬には、陽イオン性脂質トランスフェクション試薬LIPOFECTIN(Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド市)がある。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、OPTI-MEM1(Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド市)中でLIPOFECTINと混合して、所望の終濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチド及び、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドあたり2?12ug/mLに及び得るLIPOFECTIN濃度に到達し得る。
【0298】
培養した細胞中へアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに使用する別の試薬には、LIPOFECTAMINE(Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド市)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、OPTI-MEM1還元型血清培地(Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド市)中でLIPOFECTAMINEと混合して、所望の濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチド及び、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドあたり2?12ug/mLに及び得るLIPOFECTAMINE濃度に到達する。
【0299】
培養した細胞中へアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに使用する別の技術には、電気穿孔法が含まれる。
【0300】
培養した細胞中へアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに使用するさらに別の技術には、細胞によるオリゴヌクレオチドの自由な取り込みが含まれる。
【0301】
細胞は、所定の方法によってアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて治療される。細胞は、アンチセンスオリゴヌクレオチド治療の16?24時間後に収集され得、この時点で標的核酸のRNAレベルまたはタンパク質レベルは、当該技術分野で公知のかつ本明細書で説明する方法によって測定される。概して、治療が複数の複製物において実施される場合、データは複製物治療の平均として表される。
【0302】
使用するアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は、細胞系統によって変わる。特定の細胞系統について最適なアンチセンスオリゴヌクレオチド濃度を判定する方法は、当該技術分野で周知である。アンチセンスオリゴヌクレオチドは典型的には、LIPOFECTAMINEをトランスフェクトした場合、1?300nMに及ぶ濃度で使用する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、電気穿孔法を用いてトランスフェクトする場合、625?20,000nMに及ぶ比較的高濃度で使用する。
【0303】
(RNA単離)
RNA分析は、全細胞またはポリ(A)+mRNAについて実施することができる。RNA単離の方法は当該技術分野で周知である。RNAは、当該技術分野で周知の方法を用いて、例えば、製造元の推奨プロトコルによるTRIZOL試薬(Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド市)を用いて調製する。
【0304】
(標的レベルまたは発現の阻害に関する分析)
PKK核酸のレベルまたは発現の阻害は、当該技術分野で公知の種々の方法においてアッセイすることができる。例えば、標的核酸レベルは、例えばノザンブロット分析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または定量的リアルタイムPCRによって定量化することができる。RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAについて実施することができる。RNA単離の方法は当該技術分野で周知である。ノザンブロット分析も当該技術分野で所定である。定量的リアルタイムPCRは、PE-Applied Biosystems(カリフォルニア州フォスター市)から入手可能なかつ製造元の説明書によって使用する市販のABI PRISM 7600、7700、または7900配列検出システムを用いて簡便に達成することができる。
【0305】
(標的RNAレベルの定量的リアルタイムPCR分析)
標的RNAレベルの定量化は、製造元の説明書により、ABI PRISM 7600、7700、または7900配列検出システム(PE-Applied Biosystems,カリフォルニア州フォスター市)を用いる定量的リアルタイムPCRによって達成してもよい。定量的リアルタイムPCRの方法は当該技術分野で周知である。
【0306】
リアルタイムPCRの前に、単離したRNAを逆転写酵素(RT)反応へ供して、相補的DNA(cDNA)を生成した後、これをリアルタイムPCR増幅のための基質として使用する。RT PCR反応及びリアルタイムPCR反応は、同じ試料ウェルにおいて連続的に実施される。RT PCR試薬及びリアルタイムPCR試薬は、Life Technologies(カリフォルニア州カールスバッド市)から得てもよい。RT・リアルタイムPCR反応は、当業者に周知の方法によって実施する。
【0307】
リアルタイムPCRによって得られる遺伝子(またはRNA)標的量は、シクロフィリンAなど、発現が定常的である遺伝子の発現レベル、またはRIBOGREEN(Life Technologies社,カリフォルニア州カールスバッド市)を用いて全RNAを定量化することによってのいずれかを用いて標準化される。シクロフィリンA発現は、リアルタイムPCRによって、標的とともに同時に実行することによって、乗算して、または別個に定量化される。全RNAは、RIBOGREEN RNA定量化試薬(Invetrogen社,オレゴン州ユージーン市)を用いて定量化される。RIBOGREENによるRNA定量化の方法は、Jones,L.J.ら(Analytical Biochemistry,1998,265,368?374)において教示されている。CYTOFLUOR 4000機(PE Applied Biosystems)を用いて、RIBOGREENの蛍光を測定する。
【0308】
プローブ及びプライマーは、PKK核酸へハイブリッド形成するよう設計される。リアルタイムPCRプローブ及びプライマーを設計するための方法は、当該技術分野で周知であり、PRIMER EXPRESSソフトウェア(Applied Biosystems,カリフォルニア州フォスター市)などのソフトウェアの使用を含み得る。
【0309】
(タンパク質レベルの分析)
PKK核酸のアンチセンス阻害は、PKKタンパク質レベルを測定することによって評価することができる。PKKのタンパク質レベルは、免疫沈降、ウェスタンブロット分析(イムノブロッティング)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、定量的タンパク質アッセイ、タンパク質活性アッセイ(たとえば、カスパーゼ活性アッセイ)、免疫組織化学、免疫細胞化学または蛍光標示式細胞分取器(FACS)など、当該技術分野で周知の種々の方法において評価または定量化することができる。標的へ向かう抗体は、抗体のMSRSカタログ(Aerie社,ミシガン州バーミンガム市)などの種々の源から識別及び入手することができ、または当該技術分野で周知の従来のモノクローナルもしくはポリクローナル抗体生成方法を介して調製することができる。
【0310】
(アンチセンス化合物のインビボでの検査)
アンチセンス化合物、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、PKKの発現を阻害して表現型の変化を生じる能力を評価するために動物において検査される。
【0311】
ある実施形態において、このような表現型変化には、低い炎症、浮腫/腫脹、血管透過性、及び血管漏出など、炎症性疾患と関連する変化が含まれる。ある実施形態において、炎症は、動物における浮腫の増減、温度、疼痛、組織の色、及び腹部機能を測定することによって測定される。
【0312】
ある実施形態において、このような表現型変化には、長いaPTT、正常なPTとともにある長いaPTT時間、低い血小板因子4(PF-4)の量、及び低い血栓形成もしくは血栓形成のための長い時間など、血栓塞栓性疾患と関連した変化が含まれる。
【0313】
検査は、正常な動物において、または実験的疾患モデルにおいて実施してもよい。動物への投与のために、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リン酸緩衝塩類溶液など、医薬として許容し得る希釈剤中に製剤化される。投与には、腹腔内、静脈内及び皮下などの非経口投与経路が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチド薬用量及び投薬頻度の算出は、当業者の能力内であり、投与経路及び動物体重などの因子に左右される。アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた治療の期間の後、RNAは、肝組織から単離され、PKK核酸発現の変化が測定される。
【0314】
(ある徴候)
ある実施形態において、本発明は、本明細書に説明する1つ以上の医薬組成物を投与することを含む、個体を治療する方法を提供する。
【0315】
ある実施形態において、個体は炎症性疾患を罹患している。ある実施形態において、個体は、遺伝性血管浮腫(HAE)、浮腫、血管浮腫、腫脹、眼瞼血管浮腫、眼浮腫、黄斑浮腫、及び脳浮腫を含むがこれらに限定しない炎症性容態を発症する危険にある。当該個体には、炎症の危険に至る獲得性の問題、疾患、または障害、例えば、炎症性容態、環境因子、ならびに例えばACE阻害薬及びARBを含むある投薬への曝露に対する遺伝的素因を有する個体が含まれる。ある実施形態において、個体は、抗炎症性療法の必要があると識別された。このような個体の例としては、補体1エステラーゼ阻害薬(すなわち、C1-INH)または第XII因子についての遺伝暗号における突然変異を有する個体が挙げられるが、これらに限定しない。ある実施形態において、異常な暗号は、C1-INH(すなわち、I型HAE)における欠損、既存のC1-INHが適切に機能できないこと(II型HAE)、または過剰機能性第XII因子(すなわち、III型HAE)をもたらすことができる。
【0316】
ある実施形態において、個体は、血栓塞栓性疾患を罹患している。ある実施形態において、個体は、梗塞、血栓症、塞栓症、深部静脈血栓症などの血栓塞栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、及び脳卒中を含むがこれらに限定しない血液凝固障害についての危険にある。当該個体には、血栓症、例えば手術、癌、不動、敗血症、粥状硬化症心房細動、ならびに遺伝的素因、例えば、抗リン脂質症候群、及び常染色体優性遺伝容態、第V因子ライデンの危険に至る獲得性の問題、疾患、または障害を有する個体が含まれる。ある実施形態において、個体は、抗凝固療法の必要があると識別された。このような個体の例としては、主要な整形外科手術(例えば、臀部/膝置換または臀部骨折手術)を受けている個体、ならびに脳卒中を予防するために心房細動に苦しんでいる患者など、慢性的な治療を必要とする患者が挙げられるが、これらに限定しない。
【0317】
ある実施形態において、本発明は、個体におけるPKK発現を予防的に低下させるための方法を提供する。ある実施形態には、PKK核酸を標的とする治療有効量のアンチセンス化合物を個体へ投与することによって治療を要する個体を治療することが含まれる。
【0318】
一実施形態において、PKK核酸を標的とする治療有効量のアンチセンス化合物の投与は、アンチセンス化合物の投与に対する個体の応答を判断するために、個体の血清中のPKKレベルのモニタリングが付随する。アンチセンス化合物の投与に対する個体の応答は、治療介入の量及び継続期間を判断するために医師によって使用される。
【0319】
ある実施形態において、PKK核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与は結果的に、PKK発現の低下を少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%、またはこれらの値のうちのいずれか2つによって規定される範囲だけPKK発現の低下を生じる。ある実施形態において、PKKを標的とするアンチセンス化合物を含む医薬組成物は、炎症性疾患もしくは血栓塞栓性疾患を罹患しているまたはその疑いのある患者を治療するための薬剤の調製のために使用される。
【0320】
(ある組成物)
(1.ISIS546254)
ある実施形態において、ISIS546254は、(5’から3’へと)TGCAAGTCTCTTGGCAAACAの配列(配列番号570として本明細書に組み込まれる)を有する5-10-5MOEギャップマーとして特徴づけられ、この中で、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオアート結合であり、各シトシンは5’-メチルシトシンであり、ヌクレオシド1?5及び16?20の各々は2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシドであり、かつヌクレオシド6?15の各々は2’-デオキシヌクレオシドである。
【0321】
ある実施形態において、ISIS546254は、以下の化学表記法。すなわち、Tes Ges mCes Aes Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aes Aes Aes mCes Aeによって説明され、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン
T=チミン
e=2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である。
【0322】
ある実施形態において、ISIS546254は、以下の化学構造
【0323】
【化16】

【0324】
によって説明される。
【0325】
ある実施形態において、実施例2(後述)に提供するように、ISIS546254は、24時間の処置期間の後、電気穿孔法を用いて5,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクトし、ヒトプライマープローブセットRTS3454を用いて定量的リアルタイムPCRによって測定し及びRIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量によって調整した場合、培養したHepaRG(商標)細胞(ウェルあたり20,000個の細胞密度)においてヒトPKKmRNAの95%阻害を達成した。
【0326】
ある実施形態において、実施例5に提供するように(後述の表34及び表41を参照されたい)、ISIS546254は、16の処置期間の後、電気穿孔法を用いてトランスフェクトし、ヒトプライマープローブセットRTS3454を用いる定量的リアルタイムPCRによって測定し及びRIBOGREEN(登録商標)によって測定した場合、培養したHepaRG(商標)細胞(ウェルあたり20,000個の細胞密度)において4点用量応答曲線(0.19μM、0.56μM、1.67μM、及び5.0μM)における0.2μM及び0.3μMのIC_(50)を達成した。
【0327】
ある実施形態において、実施例7(後述)に提供するように、ISIS546254は、2.5mg/kg/週、5.0mg/kg/週、10mg/kg/週または20mg/kg/週でISIS546254を用いて週2回、3週間皮下注射した場合、ヒトPKK遺伝子配列を有するトランスジェニックマウスにおける31%、55%、84%、及び83%のヒトPKKmRNA阻害、ならびに0%、36%、51%、及び76%のヒトPKKタンパク質阻害を達成した。
【0328】
ある実施形態において、実施例8(後述)に提供するように、ISISI546254は、PKKのmRNA及びタンパク質の発現を阻害するのに有効であり、霊長類動物において許容できる。
【0329】
(2.ISIS546343)
ある実施形態において、ISIS546343は、(5’から3’へと)CCCCCTTCTTTATAGCCAGCの配列(配列番号705として本明細書に組み込まれる)を有する5-10-5MOEギャップマーとして特徴づけられ、この中で、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオアート結合であり、各シトシンは5’-メチルシトシンであり、ヌクレオシド1?5及び16?20の各々は2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシドであり、ヌクレオシド6?15の各々は2’-デオキシヌクレオシドである。
【0330】
ある実施形態において、ISIS546343は、以下の化学表記法、すなわち、mCes mCes mCes mCes mCes Tds Tds mCds Tds Tds Tds Ads Tds Ads Gds mCes mCes Aes Ges mCeによって説明され、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン、
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド、
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である。
【0331】
ある実施形態において、ISIS546343は、以下の化学構造
【0332】
【化17】

【0333】
によって説明される。
【0334】
ある実施形態において、実施例2に提供するように(後述の表9及び表10を参照されたい)、ISIS546343は、24時間の処置期間の後に電気穿孔法を用いて5,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクトし、ヒトプライマーブローブセットRTS3454を用いる定量的リアルタイムPCRによって測定し、RIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した場合、培養したHepaRG(商標)細胞(ウェルあたり20,000個の細胞密度)における97%及び91%のヒトPKKmRNA阻害を達成した。
【0335】
ある実施形態において、実施例5に2回提供するように(後述の表34及び表41を参照されたい)、ISIS546343は、16の処置期間の後に電気穿孔法を用いてトランスフェクトし、ヒトプライマープローブセットRTS3454を用いる定量的リアルタイムPCRによって測定し及びRIBOGREEN(登録商標)によって測定するように全RNA含有量により調整した場合、培養したHepaRG(商標)細胞(ウェルあたり20,000個の細胞密度)における4点用量応答曲線(0.19μM、0.56μM、1.67μM、及び5.0μM)における0.4μMのIC_(50)を達成した。
【0336】
ある実施形態において、実施例7(後述)に提供するように、ISIS546343は、ISIS546343を週2回、3週間、2.5mg/kg/週、5.0mg/kg/週、10mg/kg/週または20mg/kg/週で皮下注射した場合、ヒトPKK遺伝子配列を有するトランスジェニックマウスにおいて、46%、66%、及び86%のヒトPKKmRNA阻害、ならびに0%、38%、及び79%のヒトPKKタンパク質阻害を達成した。
【0337】
ある実施形態において、実施例8(後述)に提供するように、ISISI546343は、PKKのmRNA及びタンパク質の発現を阻害するのに有効であり、霊長類動物において許容できる。
【0338】
(3.ISIS548048)
ある実施形態において、ISIS548048は、核酸塩基配列(5’から3’へと)CGATATCATGATTCCC(配列番号1666として本明細書に組み込まれる)を有し、16個の2’-デオキシヌクレオシド、2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド及びcEt修飾したヌクレオシドの組み合わせからなる修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドとして特徴づけられ、この中で、ヌクレオシド3、14、及び15の各々は、cEt修飾したヌクレオシドであり、この中で、ヌクレオシド4?13の各々は2’-デオキシヌクレオシドであり、この中で、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオアートヌクレオシド間結合であり、ならびにこの中で各シトシンは5’-メチルシトシンである。
【0339】
ある実施形態において、ISIS548048は、以下の化学表記法、すなわちmCes Ges Aks Tds Ads Tds mCds Ads Tds Gds Ads Tds Tds mCks mCks mCeによって説明され、この中で
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチル修飾したヌクレオシド
k=cEt修飾したヌクレオシド
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である。
【0340】
ある実施形態において、ISIS548048は、以下の化学構造
【0341】
【化18】

【0342】
によって説明される。
【0343】
ある実施形態において、実施例3(後述)に提供するように、ISIS548048は、24時間の処置期間の後、電気穿孔法を用いて1,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクトし、ヒトプライマープローブセットRTS3454を用いる定量的リアルタイムPCRによって測定し及びRIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した場合、培養したHepaRG(商標)細胞(ウェルあたり20,000個の細胞密度)における84%mRNA阻害を達成した。
【0344】
ある実施形態において、実施例6(後述)に提供するように、ISIS548048は、16の処置期間の後に電気穿孔法を用いてトランスフェクトし、ヒトプライマープローブセットRTS3454を用いる定量的リアルタイムPCRによって測定し及びRIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した場合、培養したHepaRG(商標)細胞(ウェルあたり20,000個の細胞密度)における4点用量応答曲線(0.11μM、0.33μM、1.00μM、及び3.00μM)において0.1μMのIC_(50)を達成した。
【0345】
ある実施形態において、実施例7(後述)に提供するように、ISIS548048は、ISIS548048を週2回、3週間、2.5mg/kg/週、5.0mg/kg/週、10mg/kg/週または20mg/kg/週で皮下注射した場合、ヒトPKK遺伝子配列を有するトランスジェニックマウスにおいて、7%、77%、72%、及び80%のヒトPKKmRNA阻害、ならびに23%、70%、89%、及び98%のヒトPKKタンパク質阻害を達成した。
【0346】
ある実施形態において、実施例8(後述)に提供するように、ISISI548048は、PKKのmRNA及びタンパク質の発現を阻害するのに有効であり、霊長類動物において許容できる。
【0347】
(あるホットスポット領域)
(1.配列番号10の核酸塩基27427?27466)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基27427?27466を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001?111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27427?27466はホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27427?27466は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0348】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27427?27466は、以下のISIS番号530993、530994、530995、546251、546252、546253、546254、546255、546256、547410、547411、547978、547979、547980、及び547981によって標的とされる。
【0349】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27427?27466は、以下の配列番号94、95、96、566、567、568、569、570、571、572、573、1597、1598、1599、及び1600によって標的とされる。
【0350】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基27427?27466は、インビトロ及び/またはインビボでのPKK及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
【0351】
(2.配列番号10の核酸塩基33183?33242)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基33183?33242を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33183?33242は、ホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33183?33242は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0352】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33183?33242は、以下のISIS番号531052、531053、531054、531055、531056、531057、531158、546343、546345、547480、547481、547482、及び547483によって標的とされる。
【0353】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基核酸塩基33183?33242は、以下の配列番号155、156、157、158、159、160、261、702、703、704、705、706、及び707によって標的とされる。
【0354】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基33183?33242は、インビトロ及び/またはインビボでのPKKのmRNAレベル及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
【0355】
(3.配列番号10の核酸塩基30570?30610)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基30570?30610を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30570?30610は、ホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30570?30610は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0356】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30570?30610は、以下のISIS番号531026、546309、546310、546311、546313、547453、547454、547455、547456、547457、547458、548046、548047、548048、548049、及び548050によって標的とされる。
【0357】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基核酸塩基30570?30610は、以下の配列番号129、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、1664、1665、1666、1667、及び1668によって標的とされる。
【0358】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基30570?30610は、インビトロ及び/またはインビボでのPKKのmRNAレベル及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
【0359】
(4.配列番号10の核酸塩基27427?27520)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基27427?27520を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27427?27520は、ホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27427?27520は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0360】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27427?27520は、以下のISIS番号530993?530999、546251?546256、546258?546260、546263、546265?546268、547410?547417、及び547978?547992によって標的とされる。
【0361】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基核酸塩基27427?27520は、以下の配列番号94?100、566?587、及び1597?1611によって標的とされる。
【0362】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基27427?27520は、インビトロ及び/またはインビボでのPKK及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
【0363】
(5.配列番号10の核酸塩基33085?33247)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基33085?33247を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33085?33247は、ホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33085?33247は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0364】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33085?33247は、以下のISIS番号531041?531158、546336、546339、546340、546343、546345、547474?547483、547778、548077?548082、及び548677?548678によって標的とされる。
【0365】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基核酸塩基33085?33247は、以下の配列番号144?160、261、693?707、1256、1320?1325、2214、及び2215によって標的とされる。
【0366】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基33085?33247は、インビトロ及び/またはインビボでのPKK及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
【0367】
(6.配列番号10の核酸塩基30475?30639)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基30475?30639を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30475?30639は、ホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30475?30639は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0368】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30475?30639は、以下のISIS番号531021?531029、531146、546297、546299?546304、546306?546311、546313、546316?546319、547444?547462、548031、548032、及び548034?548056によって標的とされる。
【0369】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基核酸塩基30475?30639は、以下の配列番号124?132、249、633?669、及び1650?1674によって標的とされる。
【0370】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基30475?30639は、インビトロ及び/またはインビボでのPKK及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
【0371】
(7.配列番号10の核酸塩基27362?27524)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基27362?27524を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、核酸塩基27362?27524は、PKK(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)のエキソン9に対応する。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27362?27524は、ホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27362?27524は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0372】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基27361?27524は、以下のISIS番号530985?530999、546244、546247?546256、546258?546260、546263、546265?546268、547403?547417、547723、547968?547970、及び547972?547992によって標的とされる。
【0373】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基核酸塩基27361?27524は、以下の配列番号86?100、554?587、1217、及び1588?1611によって標的とされる。
【0374】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基27362?27524は、インビトロ及び/またはインビボでのPKK及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
【0375】
(8.配列番号10の核酸塩基33101?33240)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基33101?33240を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、核酸塩基33101?33240は、PKK(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)のエキソン14に対応する。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33101?33240は、ホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33101?33240は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0376】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基33101?33240は、以下のISIS番号531041?531158、546336、546339、546340、546343、546345、547474?547483、548077?548082、及び548678?548678によって標的とされる。
【0377】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基核酸塩基33101?33240は、以下の配列番号144?160、261、693?707、1320?1325、及び2215によって標的とされる。
【0378】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基33101?33240は、インビトロ及び/またはインビボでのPKK及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
【0379】
(9.配列番号10の核酸塩基30463?30638)
ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基30463?30638を標的とするよう設計される(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)。ある実施形態において、核酸塩基30463?30638は、PKK(核酸塩基111693001から111730000まで切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)のエキソン12に対応する。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30463?30638は、ホットスポット領域である。ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30463?30638は、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされる。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ15、16、17、18、19、または20核酸塩基である。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーである。ある実施形態において、ギャップマーは、5-10-5MOE及びcEtギャップマー、4-9-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-4MOE及びcEtギャップマー、4-10-3MOE及びcEtギャップマー、3-10-4MOE及びcEtギャップマー、または3-10-3MOE及びcEtギャップマーである。ある実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって結合している。
【0380】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基30463?30638は、以下のISIS番号531021?531029、531146、546297、546299?546304、546306?546311、546313、546316?546319、547444?547462、548031、548032、及び548034?548056によって標的とされる。
【0381】
ある実施形態において、配列番号10の核酸塩基核酸塩基30463?30638は、以下の配列番号124?132、249、633?669、及び1650?1674によって標的とされる。
【0382】
ある実施形態において、配列番号10のアンチセンスオリゴヌクレオチド標的核酸塩基30463?30638は、インビトロ及び/またはインビボでのPKK及び/またはタンパク質レベルの少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の低下を達成する。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号30?2226の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様2]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号570の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様3]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号705の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様4]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号1666の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様5]20個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号570の核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様6]20個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号705の核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様7]16個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号1666の核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様8]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号62、72、103、213、312、334?339、344、345、346、348、349、351、369、373、381、382、383、385、387?391、399、411、412、414、416、444、446?449、452、453、454、459、460、462?472、473、476、477、479、480、481、484、489?495、497、500、504、506、522、526、535、558、559、560、564、566、568?571、573、576、577、578、587、595、597?604、607、608、610、613、615、618、619、622、623、624、633、635、636、638、639、640、642、643、645、652、655?658、660、661、670、674?679、684、685、698、704、705、707、708、713、716、717、728、734、736、767、768、776、797、798、800、802、810、815、876、880、882、883、886、891、901?905、908?911、922、923、924、931、942、950?957、972、974、978、979、980、987?991、1005、1017?1021、1025、1026、1029、1030、1032、1034、1035、1037、1040、1041、1045、1046、1051、1054、1059、1060、1061、1064、1065、1066、1075、1076、1087、1089、1111、1114、1116、1117、1125、1133、1153、1169、1177、1181、1182、1187、1196、1200、1214、1222、1267、1276、1277、1285、1286、1289、1290、1291、1303、1367、1389、1393、1398?1401、1406、1407、1408、1411、1419?1422、1426、1430、1431、1432、1434?1437、1439、1440、1443、1444、1451、1452、1471、1516、1527、1535、1537、1538、1539、1540、1541、1563、1564、1567、1568、1616、1617、1623、1629、1664、1665、1666、1679、1687、1734、1804、1876、1886、1915、2008、2018、2100、2101、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様9]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、PKKの少なくとも80%mRNA阻害を達成する、態様8に記載の化合物。
[態様10]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号62、72、103、213、334?339、344、346、348、349、351、381、382、383、385、389、390、391、446、448、452、453、454、466?473、476、481、484、491、492、494、495、497、504、526、558、559、566、568?571、576、578、587、595、597、598、600?604、607、610、613、618、619、624、635、638、639、645、652、656、657、658、660、674、675、676、684、698、704、705、707、713、716、768、876、880、901?905、908?911、922、923、924、931、942、951、954?957、972、974、978、979、987、988、990、1005、1019、1020、1021、1025、1032、1037、1040、1041、1045、1054、1059、1060、1061、1064、1065、1066、1075、1111、1116、1117、1125、1133、1153、1169、1177、1200、1222、1267、1285、1290、1291、1303、1367、1398、1399、1401、1406、1408、1411、1419、1420、1421、1426、1430、1431、1432、1434?1437、1440、1443、1444、1451、1537?1540、1563、1616、1679、1687、1804、2008、2101、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様11]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、PKKの少なくとも85%mRNA阻害を達成する、態様10に記載の化合物、
[態様12]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、346、351、382、390、391、446、448、452、453、468、469、470、471、472、476、481、491、495、504、558、566、568、570、571、578、587、597、598、600、604、613、635、638、645、656、658、660、674、675、684、704、705、880、901?905、909、922、931、951、954、956、990、1005、1020、1032、1037、1040、1041、1045、1054、1075、1111、1125、1133、1153、1200、1267、1291、1303、1398、1399、1401、1406、1420、1426、1430、1431、1434、1435、1436、1440、1443、1451、1537?1540、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様13]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、PKKの少なくとも90%mRNA阻害を達成する、態様12に記載の化合物。
[態様14]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、391、448、468、469、568、570、598、635、658、674、684、705、901、903、904、922、990、1267、1291、1420、1430、1431、1434、1435、1436、1537、1538、及び1540の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様15]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、PKKの少なくとも95%mRNA阻害を達成する、態様14に記載の化合物。
[態様16]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、338、346、349、382、383、390、448、452、453、454、495、526、559、570、587、598、635、660、705、901、903、904、908、923、931、955、974、988、990、1020、1039、1040、1111、1117、1267、1291、1349、1352、1367、1389、1393、1399、1401、1408、1411、1426、1499、1516、1535、1544、1548、1563、1564、1568、1569、1598、1616、1617、1623、1624、1643、1661、1665、1666、1673、1679、1695、1720、1804、1817、1876、1881、1886、1940、1947、2008、2018、2019、2031、2044、2100、2101、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様17]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、0.4以下のIC_(50)(μM)を達成する、態様16に記載の化合物。
[態様18]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、346、349、382、453、454、495、526、570、587、598、635、660、901、903、904、931、955、990、1020、1111、1267、1349、1352、1367、1389、1399、1408、1411、1426、1516、1535、1544、1548、1563、1564、1568、1569、1598、1616、1617、1623、1643、1661、1665、1666、1673、1695、1804、1876、1881、2019、2044、2100、2101、2115、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様19]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、0.3以下のIC_(50)(μM)を達成する、態様18に記載の化合物。
[態様20]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、346、382、453、495、526、570、587、598、635、901、904、931、955、1020、1111、1349、1352、1389、1426、1516、1535、1544、1548、1564、1569、1598、1616、1617、1665、1666、1804、1876、1881、2019、2044、2101、及び2116の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様21]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、0.2以下のIC_(50)(μM)を達成する、態様20に記載の化合物。
[態様22]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号334、495、587、598、635、1349、1352、1389、1516、1544、1548、1569、1598、1617、1665、1666、1804、1881、及び2019の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様23]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、0.2未満のIC_(50)(μM)を達成する、態様22に記載の化合物。
[態様24]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基27427?27466の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様25]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基33183?33242の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様26]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基30570?30610の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様27]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基27427?27521の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様28]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基33085?33248の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様29]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基30475?30639の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様30]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基27362?27525の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様31]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基33101?33241の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様32]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基30463?30639の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様33]12?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつPKK核酸のエキソン9、エキソン12、またはエキソン14の等しい長さの部分と相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様34]前記修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号10と少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である、態様24?33に記載の化合物。
[態様35]一本鎖の修飾されたオリゴヌクレオチドからなる、態様1?34のいずれか一に記載の化合物。
[態様36]少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾されたヌクレオシド間結合である、態様1?35のいずれか一に記載の化合物。
[態様37]少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である、態様36に記載の化合物。
[態様38]各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である、態様37に記載の化合物。
[態様39]少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾された核酸塩基を含む、態様1?38のいずれか一に記載の化合物。
[態様40]前記修飾された核酸塩基は、5-メチルシトシンである、態様39に記載の化合物。
[態様41]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾された糖を含む、態様1?40のいずれか一に記載の化合物。
[態様42]前記修飾された糖は、2’修飾された糖、BNA、またはTHPである、態様41に記載の化合物。
[態様43]前記修飾された糖は、2’-O-メトキシエチル、2’-O-メチル、拘束されたエチル、LNA、または3’-フルオロ-HNAのうちのいずれかである、態様42に記載の化合物。
[態様44]少なくとも1つの2’-O-メトキシエチルヌクレオシド、2’-O-メチルヌクレオシド、拘束されたエチルヌクレオシド、LNAヌクレオシド、または3’-フルオロ-HNAヌクレオシドを含む、態様1?43のいずれか一に記載の化合物。
[態様45]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、
10個の連結したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、
5個の連結したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、及び
5個の連結したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント
を含み、この中で、ギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置取られ、かつこの中で各ウィングセグメントの各ヌクレオシドは修飾された糖を含む、態様1?44のいずれか一に記載の化合物。
[態様46]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、20個の連結したヌクレオシドからなる、態様1?45のいずれか一に記載の化合物。
[態様47]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、19個の連結したヌクレオシドからなる、態様1?46のいずれか一に記載の化合物。
[態様48]前記修飾されたオリゴヌクレオチドは、18個の連結したヌクレオシドからなる、態様1?47のいずれか一に記載の化合物。
[態様49]以下の式、すなわち、Tes Ges mCes Aes Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aes Aes Aes mCes Aeによる修飾されたオリゴヌクレオチドからなる化合物であって、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である、化合物。
[態様50]以下の式、すなわち、mCes mCes mCes mCes mCes Tds Tds mCds Tds Tds Tds Ads Tds Ads Gds mCes mCes Aes Ges mCeによる修飾されたオリゴヌクレオチドからなる化合物であって、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である、化合物。
[態様51]以下の式、すなわち、mCes Ges Aks Tds Ads Tds mCds Ads Tds Gds Ads Tds Tds mCks mCks mCeによる修飾されたオリゴヌクレオチドからなる化合物であって、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド
k=cEt修飾されたヌクレオシド、
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
である、化合物。
[態様52]以下の式
【化19】

による修飾されたオリゴヌクレオチドからなる、化合物。
[態様53]以下の式
【化20】

による修飾されたオリゴヌクレオチドからなる、化合物。
[態様54]以下の式
【化21】

による修飾されたオリゴヌクレオチドからなる、化合物。
[態様55]態様1?54のいずれか一に記載の化合物またはその塩と、医薬として許容し得る担体または希釈剤のうちの少なくとも1つとを含む、組成物。
[態様56]態様1?55のいずれか一に記載の化合物または組成物を動物へ投与することを含む、方法。
[態様57]前記動物はヒトである、態様56に記載の方法。
[態様58]前記化合物を投与することは、PKKと関連する疾患、障害または容態を予防、治療、または寛解させる、態様57に記載の方法。
[態様59]前記PKKと関連する疾患、障害または容態とは、遺伝性血管浮腫(HAE)、浮腫、血管浮腫、腫脹、眼瞼血管浮腫、眼浮腫、黄斑浮腫、脳浮腫、血栓症、塞栓症、血栓塞栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、脳卒中、または梗塞である、態様57に記載の方法。
[態様60]炎症性疾患または血栓塞栓症性疾患を治療するための薬剤の製造のための態様1?59のいずれか一に記載の化合物または組成物の使用。
【実施例】
【0383】
(非限定的な開示及び参照による組み込み)
本明細書に説明するある化合物、組成物及び方法は、ある実施形態に従って具体的に説明されてきたが、以下の実施例は、本明細書に説明する化合物を説明するために機能しているに過ぎず、当該化合物を限定するよう意図するものではない。本出願に列挙する参考文献の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0384】
(実施例1:2’-MOE糖修飾を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドによるHepaRG(商標)細胞におけるヒトPKKのアンチセンス阻害)
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、PKK核酸を標的とするよう設計されており、インビトロでのPKKmRNAに及ぼす当該ヌクレオチドの効果について検査した。ヒト肝前駆細胞系統由来の末端として分化した肝細胞である、かつ初代ヒト幹細胞の多くの特徴を保有する(Lubberstedt M.ら,J.Pharmacol,Toxicol.Methods 2011 63:59?68)HepaRG(商標)細胞をスクリーニングに使用した。
【0385】
以下の表におけるキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5-10-5MOEギャップマーとして設計した。ギャップマーは、長さ20ヌクレオシドであり、この中で、中央ギャップセグメントは、10個の2’-デオキシヌクレオシドを含み、かつ各々5個のヌクレオシドを含む5’方向及び3’方向でウィングセグメントによって隣接している。5’ウィングセグメントにおける各ヌクレオシド及び3’ウィングセグメントにおける各ヌクレオシドは、2’-O-メトキシエチル修飾を有する。各ギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である。各ギャップマー中のシトシン残基はすべて、5-メチルシトシンである。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的とする5’-末端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的とする3’-末端ヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、ヒトPKKゲノム配列の配列番号1(GENBANK受託番号NM_000892.3)として本明細書に指定されたヒトPKKmRNA、または配列番号10(ヌクレオチド111693001?111730000を切り詰められたGENBANK受託番号NT_016354.19)として本明細書に指定されたヒトPKKゲノム配列のいずれかを標的とし、「該当なし」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが当該特定の遺伝子配列を標的としていないことを示す。
【0386】
ウェルあたり20,000個の細胞密度で培養したHepaRG(商標)細胞に、電気穿孔法を用いて3,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクトした。およそ24時間の処置時間の後、RNAを細胞から単離し、PKKmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトプライマーブローブセットRTS3454(配列番号20として本明細書で指定する順方向配列CCAAAAAAGGTGCACCAGTAACA、配列番号21として本明細書で指定する逆方向配列CCTCCGGGACTGTACTTTAATAGG、配列番号22として本明細書で指定するプローブ配列CACGCAAACATTTCACAAGGCAGAGTACC)を使用してmRNAレベルを測定した。PKKmRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において検査した。各実験についての結果は、以下に示す個別の表に表される。結果は、未処置の対照細胞と比較したPKKの%阻害として表す。
【0387】
【表1-1】

【0388】
【表1-2】

【0389】
【表1-3】

【0390】
【表2-1】

【0391】
【表2-2】

【0392】
【表2-3】

【0393】
【表3-1】

【0394】
【表3-2】

【0395】
【表3-3】

【0396】
【表4-1】

【0397】
【表4-2】

【0398】
【表4-3】

【0399】
【表4-4】

【0400】
【表4-5】

【0401】
【表4-6】

【0402】
(実施例2:2’-MOE糖修飾を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドによるHepaRG(商標)細胞におけるヒトPKKのアンチセンス阻害)
追加的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを、PKK核酸を標的とするよう設計し、インビトロでのPKKmRNAに及ぼす効果について検査した。
【0403】
以下の表におけるキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを5-10-5MOEギャップマー、4-9-4MOEギャップマー、4-10-4MOEギャップマー、4-10-3MOEギャップマー、3-10-4MOEギャップマー、または3-10-3MOEギャップマーとして設計した。5-10-5MOEギャップマーは長さ20ヌクレオシドであり、この中で、中央ギャップセグメントは、10個の2’-デオキシヌクレオシドから構成され、かつ各5個のヌクレオシドを含む5’方向及び3’方向におけるウィングセグメントによって隣接している。4-9-4MOEギャップマーは長さ17ヌクレオシドであり、この中で、中央ギャップセグメントは、9個の2’-デオキシヌクレオシドから構成され、各4個のヌクレオシドを含む5’方向及び3’方向におけるウィングセグメントによって隣接している。4-10-4MOEギャップマーは長さ18ヌクレオシドであり、この中で、中央ギャップセグメントは、2’-デオキシヌクレオシドから構成され、各4個のヌクレオシドを含む5’方向及び3’方向におけるウィングセグメントによって隣接している。4-10-3MOEギャップマーは長さ17ヌクレオシドであり、この中で、中央ギャップセグメントは、10個の2’-デオキシヌクレオシドから構成され、それぞれ4個及び3個のヌクレオシドを含む5’方向及び3’方向におけるウィングセグメントによって隣接している。3-10-4MOEギャップマーは長さ17ヌクレオシドであり、この中で、中央ギャップセグメントは、10個の2’-デオキシヌクレオシドから構成され、それぞれ3個及び4個のヌクレオシドを含む5’方向及び3’方向におけるウィングセグメントによって隣接している。3-10-3MOEギャップマーは長さ16ヌクレオシドであり、この中で、中央ギャップセグメントは、10個の2’-デオキシヌクレオシドから構成され、各3個のヌクレオシドを含む5’方向及び3’方向におけるウィングセグメントによって隣接している。5’ウィングセグメントにおける各ヌクレオシド及び3’ウィングセグメントにおける各ヌクレオシドは、2’-O-メトキシエチル修飾を有している。各ギャップマー中にあるヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である。各ギャップマー中にあるシトシン残基はすべて、5-メチルシトシンである。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的とする5’-末端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的とする3’-末端ヌクレオシドを示す。以下の表において列挙する各ギャップマーは、配列番号1または配列番号10のいずれかを標的とする。「該当なし」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが当該特定の遺伝子配列を標的としないことを示す。
【0404】
1ウェルあたり20,000個の細胞密度で培養したHepaRG(商標)細胞に5、000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを電気穿孔法を用いてトランスフェクトした。およそ24時間の処置期間の後、RNAを細胞から単離し、PKKmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3454を使用してmRNAレベルを測定した。PKKmRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において検査した。各実験についての結果を以下に示す個別の表において表す。結果は、未処置の対照細胞に対するPKKの%阻害として表す。
【0405】
【表5-1】

【0406】
【表5-2】

【0407】
【表5-3】

【0408】
【表6-1】

【0409】
【表6-2】

【0410】
【表6-3】

【0411】
【表7-1】

【0412】
【表7-2】

【0413】
【表7-3】

【0414】
【表8-1】

【0415】
【表8-2】

【0416】
【表8-3】

【0417】
【表9-1】

【0418】
【表9-2】

【0419】
【表9-3】

【0420】
【表10-1】

【0421】
【表10-2】

【0422】
【表10-3】

【0423】
【表11-1】

【0424】
【表11-2】

【0425】
【表11-3】

【0426】
【表12-1】

【0427】
【表12-2】

【0428】
【表12-3】

【0429】
【表13-1】

【0430】
【表13-2】

【0431】
【表13-3】

【0432】
【表13-4】

【0433】
【表13-5】

【0434】
【表13-6】

【0435】
【表13-7】

【0436】
【表13-8】

【0437】
【表13-9】

【0438】
【表14-1】

【0439】
【表14-2】

【0440】
【表14-3】

【0441】
【表14-4】

【0442】
【表14-5】

【0443】
【表14-6】

【0444】
【表14-7】

【0445】
【表14-8】

【0446】
【表14-9】

【0447】
【表14-10】

【0448】
【表14-11】

【0449】
【表14-12】

【0450】
【表14-13】

【0451】
【表15-1】

【0452】
【表15-2】

【0453】
【表15-3】

【0454】
【表15-4】

【0455】
【表15-5】

【0456】
【表16-1】

【0457】
【表16-2】

【0458】
【表16-3】

【0459】
【表17-1】

【0460】
【表17-2】

【0461】
【表17-3】

【0462】
【表17-4】

【0463】
【表18-1】

【0464】
【表18-2】

【0465】
【表18-3】

【0466】
【表18-4】

【0467】
【表18-5】

【0468】
【表18-6】

【0469】
【表18-7】

【0470】
【表18-8】

【0471】
【表18-9】

【0472】
【表18-10】

【0473】
【表18-11】

【0474】
【表18-12】

【0475】
【表18-13】

【0476】
【表18-14】

【0477】
【表18-15】

【0478】
【表18-16】

【0479】
【表18-17】

【0480】
【表18-18】

【0481】
【表18-19】

【0482】
【表18-20】

【0483】
【表18-21】

【0484】
【表18-22】

【0485】
【表18-23】

【0486】
【表18-24】

【0487】
【表18-25】

【0488】
【表18-26】

【0489】
【表18-27】

【0490】
【表18-28】

【0491】
【表18-29】

【0492】
【表18-30】

【0493】
【表18-31】

【0494】
【表18-32】

【0495】
【表18-33】

【0496】
【表18-34】

【0497】
(実施例3:MOE、デオキシ及びcEt糖修飾を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドによるHepaRG(商標)細胞におけるヒトPKKのアンチセンス阻害)
PKK核酸を標的とする追加的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計し、インビトロでのPKKmRNAに及ぼす効果について検査した。
【0498】
以下の表におけるキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドをデオキシ、MOE及びcEtギャップマーとして設計した。ギャップマーは長さ16ヌクレオシドであり、この中で、ヌクレオシドはMOE糖修飾、cEt糖修飾、またはデオキシ修飾のいずれかを有している。「化学物質」の列は、各オリゴヌクレオチドの糖修飾を説明している。「k」は、cEt糖修飾を示し、数はデオキシヌクレオシドの数を示し、その他、「d」はデオキシヌクレオシドを示し、かつ「e」は2’-O-メトキシエチル修飾を示す。各ギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である。各オリゴヌクレオチド中のシトシン残基はすべて5-メチルシトシンである。「開始部位」はギャップマーがヒト遺伝子配列において標的とされる5’-末端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的とされる3’-末端ヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、配列番号1として本明細書で指定するヒトPKKmRNAまたは配列番号10として本明細書で指定するヒトPKKゲノム配列のいずれかを標的とする。「該当なし」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが当該特定の遺伝子配列を標的としないことを示す。
【0499】
1ウェルあたり20,000個の細胞密度で培養したHepaRG(商標)細胞に1、000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを電気穿孔法を用いてトランスフェクトした。およそ24時間の処置期間の後、RNAを細胞から単離し、PKKmRNAを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3454を使用してmRNAレベルを測定した。ISIS531231も本アッセイに含んだ。PKKmRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において検査した。各実験についての結果を以下に示す個別の表において表す。結果は、未処置の対照細胞に対するPKKの%阻害として表す。
【0500】
【表19-1】

【0501】
【表19-2】

【0502】
【表19-3】

【0503】
【表20-1】

【0504】
【表20-2】

【0505】
【表20-3】

【0506】
【表21-1】

【0507】
【表21-2】

【0508】
【表21-3】

【0509】
【表22-1】

【0510】
【表22-2】

【0511】
【表22-3】

【0512】
【表23-1】

【0513】
【表23-2】

【0514】
【表23-3】

【0515】
【表24-1】

【0516】
【表24-2】

【0517】
【表24-3】

【0518】
【表25-1】

【0519】
【表25-2】

【0520】
【表25-3】

【0521】
【表26-1】

【0522】
【表26-2】

【0523】
【表26-3】

【0524】
【表26-4】

【0525】
【表27-1】

【0526】
【表27-2】

【0527】
【表27-3】

【0528】
【表28-1】

【0529】
【表28-2】

【0530】
【表28-3】

【0531】
【表29-1】

【0532】
【表29-2】

【0533】
【表29-3】

【0534】
【表29-4】

【0535】
【表30-1】

【0536】
【表30-2】

【0537】
【表30-3】

【0538】
【表30-4】

【0539】
【表30-5】

【0540】
【表30-6】

【0541】
【表30-7】

【0542】
【表30-8】

【0543】
【表30-9】

【0544】
【表30-10】

【0545】
【表30-11】

【0546】
【表30-12】

【0547】
【表31-1】

【0548】
【表31-2】

【0549】
【表31-3】

【0550】
(実施例4:HepaRG(商標)細胞におけるヒトPKKの用量依存的アンチセンス阻害)
PKKmRNAの有意なインビトロ阻害を呈する先に説明した研究由来のギャップマーを選択し、HepaRG(商標)細胞における種々の用量で検査した。細胞をウェルあたり20,000個の細胞密度で播種し、電気穿孔法を用いて0.12μM、0.37μM、1.11μM、3.33μM、及び10.00μM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクトした。およそ16時間の処置期間の後、RNAを細胞から単離し、PKKmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトPKKプライマープローブセットRTS3454を用いてmRNAレベルを測定した。PKKmRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、類似の培養条件を有する一連の実験において検査した。各実験についての結果は、以下に示す個別の表に表す。結果は、未処置の対照細胞に対するPKKの%阻害として表す。
【0551】
各オリゴヌクレオチドの最大半量の阻害濃度(IC_(50))も表す。PKKmRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処置した細胞において用量依存的な様式で有意に低下した。
【0552】
【表32】

【0553】
【表33】

【0554】
(実施例5:HepaRG(商標)細胞におけるヒトPKKの用量依存的アンチセンス阻害)
PKKmRNAの有意なインビトロ阻害を呈する先に説明した研究由来のギャップマーを選択し、HepaRG(商標)細胞における種々の用量で検査した。細胞は、ウェルあたり20,000個の細胞密度で播種し、0.19μM、0.56μM、1.67μM、及び5,00μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドを電気穿孔法を用いてトランスフェクトした。およそ16時間の処置期間の後、RNAを細胞から単離し、PKKmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトPKKプライマープローブセットRTS3454を使用してmRNAレベルを測定した。PKKmRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において検査した。各実験についての結果を以下に示す個別の表に表す。結果は、未処置の対照細胞に対するPKKの%阻害として表す。「該当なし」は、当該特定の用量について当該特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドについて実施した測定がないことを示す。
【0555】
各オリゴヌクレオチドの最大半量の阻害濃度(IC_(50))も表す。PKKmRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処置した細胞において用量依存的な様式で有意に低下した。
【0556】
【表34】

【0557】
【表35】

【0558】
【表36】

【0559】
【表37】

【0560】
【表38】

【0561】
【表39】

【0562】
【表40】

【0563】
【表41】

【0564】
【表42】

【0565】
【表43】

【0566】
(実施例6:HepaRG(商標)細胞におけるヒトPKKの用量依存的アンチセンス阻害)
PKKmRNAの有意なインビトロでの阻害を呈する先に説明した研究由来のギャップマーを選択して、HepaRG(商標)細胞における種々の用量で検査した。細胞は、ウェルあたり20,000個の細胞密度で播種し、0.11μM、0.33μM、1.00μM、及び3.00μM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドを電気穿孔法を用いてトランスフェクトした。およそ16時間の処置期間の後、RNAを細胞から単離し、PKKmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトPKKプライマープローブセットRTS3454を使用して、mRNAレベルを測定した。PKKmRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)によって測定するように、全RNA含有量により調整した。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、類似の培養条件を有する一連の実験において検査した。各実験についての結果は、以下に示す個別の表に表す。結果は、未処置の対照細胞に対するPKKの%阻害として表す。「該当なし」は、当該特定用量についての当該特定アンチセンスオリゴヌクレオチドについて実施した測定がないことを示す。
【0567】
各オリゴヌクレオチドの最大半量の阻害濃度(IC_(50))も表す。PKKmRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処置した細胞において用量依存的な様式で有意に低下した。
【0568】
【表44】

【0569】
【表45】

【0570】
【表46】

【0571】
【表47】

【0572】
(実施例7:トランスジェニックマウスにおけるヒトPKKを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの効能)
ヒトKLKB1遺伝子配列(染色体4:位置187148672?187179625、受託番号:NC_000004.11)の37,390塩基対断片を含有するトランスジェニックマウスを先に説明した研究から選択したISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて処置し、このモデルにおける効能について評価した。
【0573】
(処置)
トランスジェニックマウスの群に2.5mg/kg/週、5.0mg/kg/週、10mg/kg/週または20mg/kg/週のISIS546232、ISIS546251、ISIS546254、ISIS546343、ISIS546828、ISIS547455、ISIS547457、ISIS547927、及びISIS548048を1週間に2回、3週間皮下注射した。トランスジェニックマウスの1群にPBSを1週間に2回、3週間皮下注射した。マウスを最後の用量の48時間後に安楽死させ、器官及び血漿をさらなる分析のために収集した。
【0574】
(RNA分析)
標的の減少に及ぼすISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するために、RNAをヒトPKKのリアルタイムPCR分析のために肝組織から抽出した。結果は、PBS対照に対するPKKmRNAの%阻害として表す。表48に示すように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた処置は結果的に、PBS対照と比較して、PKKmRNAの有意な減少を生じた。
【0575】
【表48】

【0576】
(タンパク質分析)
血漿PKKタンパク質レベルを全群において評価した。結果は、PBS対照に対するPKKタンパク質の%阻害として表す。表49に示すように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた処置は結果的に、PBS対照と比較してPKKタンパク質レベルの有意な減少を生じた。
【0577】
【表49】

【0578】
(実施例8:カニグイザルにおけるヒトPKKを標的とするISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果)
先に説明した研究から選択したISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてカニクイザルを処置した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの効能及び許容性を評価した。検査したヒトアンチセンスオリゴヌクレオチドは、アカゲザルゲノム配列(ヌクレオチド2358000?2391000を切り詰められたかつ配列番号18として本明細書に指定のGENBANK受託番号NW_001118167.1)と交差反応性がある。配列番号18に対する各オリゴヌクレオチドの標的開始部位は、表50に表す。「ミスマッチ」は、オリゴヌクレオチドがアカゲザル配列に対してミスマッチしているヌクレオチド数を示す。ヒトオリゴヌクレオチドとアカゲザル配列の間の相補性が大きければ大きいほど、ヒトオリゴヌクレオチドはアカゲザル配列と交差反応することがよりできがちである。「該当なし」は、オリゴヌクレオチドがアカゲザル遺伝子配列と3個を超えるミスマッチを有することを示す。
【0579】
【表50】

【0580】
(処置)
本研究に先立ち、サルは30日間検疫に維持し、その間、動物は総合的な健康について毎日観察した。サルは2?4歳であり、体重は2kgと4kgの間であった。4つの無作為に割り当てられた雄カニクイザルの10個の群は各々、ISISオリゴヌクレオチドまたはPBSを皮下注射した。40mg/kgの用量のPBS溶液またはISISオリゴヌクレオチドを本研究の最初の週に4回用量(1日後、3日後、5日後、及び7日後)からなる負荷処方で初期的に投与し、次いで、14日後に始まる週1回の投与からなる維持処方を投与した(第2?13週)。皮下注射は、背中の4部位に時計回りの回転で実施し、1つの用量につき1つの部位とした。注射部位は、ケタミンを用いて鎮静させながら、入れ墨によって描写し、最低3cmほど分離した。
【0581】
研究期間の間、サルを病気または苦痛の徴候について毎日最低1回観察した。処置、損傷または病気による一時的なまたはわずかなものを超える疼痛または苦痛を受けているいずれの動物も責任獣医及び研究管理者に速やかに報告した。健康不十分なまたは起こり得る瀕死の容態のいずれの動物もさらなるモニタリング及び起こり得る安楽死のために識別した。例えば、ISIS547445を用いて処置した2匹のサルは、抑制した行動、側臥位、刺激に対する応答の欠如及び呼吸の減少のため、安楽死させた。実施例において説明するプロトコルは、動物実験委員会(IACUC)によって認可されていた。
【0582】
(標的減少)
(RNA分析)
87日後または88日後、プライマープローブセットRTS3455(順方向配列CCTGTGTGGAGGGTCACTCA、配列番号23として本明細書に指定;逆方向配列CCACTATAGATGCGCCAAACATC、配列番号24として本明細書に指定;プローブ配列CCCACTGCTTTGATGGGCTTCCC、配列番号25として本明細書に指定)を用いるPKKのリアルタイムPCR分析のために、最終用量の48時間後にRNAを肝組織から抽出した。本結果は、ハウスキーピング遺伝子であるシクロフィリンに対して標準化した。結果は、PBS対照に対するPKKmRNAの%阻害として表す。表51に示すように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた処置は結果的に、PBS対照と比較して、PKKmRNAの有意な減少を生じた。
【0583】
【表51】

【0584】
(タンパク質分析)
およそ0.9mlの血液を投与前、17日後、31日後、45日後、59日後、及び73日後に入手可能な動物すべてから各回収集し、3.2%クエン酸ナトリウムを含有するチューブに入れた。チューブを遠心分離して(室温で3000rpm、10分間)血漿を得た。PKKタンパク質レベルをELISAによって血漿中で測定した。結果は、表52に表し、PBS対照レベルと比較した%阻害として表す。本結果は、ISISオリゴヌクレオチドがPKKタンパク質レベルを有意に減少させたことを示す。
【0585】
【表52】

【0586】
(許容性試験)
(肝機能)
肝機能に及ぼすISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するために、サルを一晩絶食させた。およそ1.5mLの血液試料をすべての試験群から収集した。血液を血清分離のために抗凝固薬を有さないチューブへ収集した。チューブを室温で最低90分間維持した後、3,000rpmで10分間遠心分離した。種々の肝機能マーカーのレベルは、東芝120FR NEO化学物質分析装置(株式会社東芝,日本)を用いて測定した。本結果は表53に表し、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドについての期待される範囲外で肝機能に何ら効果を有していなかったことを示す。
【0587】
【表53】

【0588】
(血液学)
血液学的パラメータに及ぼすカニクイザルにおけるISISオリゴヌクレオチドのいずれかの効果を評価するために、およそ1.2mLの血液の血液試料を投与前及び87日後または88日後に入手可能な試験動物の各々からK_(2)-EDTAを含有するチューブの中に収集した。試料は、赤血球(RBC)計数、白血球(WBC)計数、血小板計数、ヘモグロビン含有量及びヘマトクリットについて、ADVIA2120i血液学分析装置(SIEMENS,米国)を用いて分析した。本データは表54に表す。
【0589】
本データは、オリゴヌクレオチドのほとんどを用いた処置が、この用量におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドについて期待された範囲外で血液学的パラメータにおけるいずれの変化も生じなかったことを示す。
【0590】
【表54】

【0591】
(腎機能)
腎機能に及ぼすISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するために、サルを一晩絶食させた。およそ1.5mLの血液試料を試験群すべてから収集した。血清分離のために抗凝固薬を有さないチューブに血液を収集した。チューブを室温で最低90分間維持した後、3,000rpmで10分間遠心分離した。BUN及びクレアチニンのレベルを東芝120FR NEO化学物質分析装置(株式会社東芝,日本)を用いて測定した。結果は表55に表し、mg/dLで表す。血漿化学データは、ISISオリゴヌクレオチドのほとんどが、アンチセンスオリゴヌクレオチドに対して期待される範囲外で腎機能にいずれの効果も有していなかったことを示す。具体的には、ISIS546254の処置は、サルの腎機能の点で十分許容性があった。
【0592】
腎機能はまた、検尿によって評価した。全動物由来の新鮮尿を、濡らした氷の上で透明なケージパンを用いて収集した。新鮮尿収集を実施する前日に食餌を一晩除去したが、水は供給した。総タンパク質及びクレアチニンレベルを、東芝120FR NEO自動化学物質分析装置(株式会社東芝,日本)を用いて測定し、クレアチニンに対するタンパク質の比を算出した。本結果は、表56に表す。
【0593】
【表55】

【0594】
【表56】

【0595】
(C反応性タンパク質レベル分析)
カニクイザルにおけるISISオリゴヌクレオチドのいずれかの炎症性効果を評価するために、サルを一晩絶食させた。およそ1.5mLの血液試料を試験群すべてから収集した。血液は、血清分離のために抗凝固薬を有さないチューブに収集した。チューブを室温で最低90分間維持した後、3,000rpmで10分間遠心分離した。肝臓において合成されかつ炎症のマーカーとして機能するC反応性タンパク質(CRP)を、東芝120FR NEO化学物質分析装置(株式会社東芝,日本)を用いて測定した。補体C3も同様に測定したので、データは基線値の%として表す。本結果は表57に表し、ISISオリゴヌクレオチドを用いた処置が、サルにおけるいずれの炎症も生じなかったことを示す。
【0596】
【表57】

【0597】
(実施例9:マウス初代肝細胞におけるネズミPKKmRNAのアンチセンス阻害)
ネズミPKK核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計し、インビトロでのPKKmRNAに及ぼす効果について検査した。ウェルあたり10,000個の細胞密度で培養したマウス初代肝細胞に、サイトフェクチン試薬を用いて12.5nM、25.0nM、50.0nM、100.0nM、及び200.0nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクトした。およそ24時間の処置期間の後、RNAを細胞から単離し、マウスPKKmRNAレベルをネズミプライマープローブセットRTS3313(順方向配列TGCCTGCTGTTCAGCTTTCTC、配列番号2228として本明細書に指定;逆方向配列TGGCAAAGTCCCTGTAATGCT、配列番号2229として本明細書に指定;プローブ配列CGTGACTCCACCCAAAGAGACAAATAAACG、配列番号2230として本明細書に指定)を用いる定量的リアルタイムPCRによって測定した。PKKmRNAレベルは、RIBOGREENによって測定するように、全RNA含有量により調整した。
【0598】
キメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを5-10-5MOEギャップマーとして設計した。ギャップマーは長さ20ヌクレオチドであり、この中で、中央ギャップセグメントは、10個の2’-デオキシヌクレオシドから構成され、各5ヌクレオシドを含むウィングによって両側で(5’方向及び3’方向において)隣接している。5’ウィングセグメントにおける各ヌクレオシド及び3’ウィングセグメントにおける各ヌクレオシドは、2’-O-メトキシエチル修飾を有する。各ギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である。各ギャップマー中のシトシン残基はすべて、5-メチルシトシンである。結果は、PKKmRNAレベルが用量依存的様式で有意に減少したことを実証する。
【0599】
1つの具体的な例において、ISIS482584(GGCATATTGGTTTTTGGAAT,配列番号2244)は、84nMの最大半量阻害濃度(IC_(50))を生じる用量依存的様式でPKKmRNAを減少させた(表58を参照されたい)。ISIS482584は、配列番号11(GENBANK受託番号NM_008455.2)を標的とし、1586の標的開始部位及び1605の標的停止部位を有する。「標的開始部位」は、ギャップマーが標的とする5’-末端ヌクレオチドを示す。「標的停止部位」は、ギャップマーが標的とする3’-末端ヌクレオチドを示す。
【0600】
【表58】

【0601】
(実施例10:BALB/cマウスにおけるPKKmRNAのアンチセンス阻害)
ISIS482584をインビボでのネズミPKKmRNAに及ぼす効果について検査した。
【0602】
(処置)
雄BALB/cマウス6群を各々、2.5mg/kg、5.0mg/kg、10.0mg/kg、20.0mg/kg、40.0mg/kg、または80.0mg/kgのISIS482584で処置し、1週間に2回、3週間皮下投与した(週用量5.0mg/kg、10.0mg/kg、20.0mg/kg、40.0mg/kg、80.0mg/kg、または160.0mg/kg)。対照群のBALB/cマウスをPBSで処置し、1週間に2回、3週間皮下投与した。アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはPBSの最後の用量の2日後に、全群由来のマウスを、腹腔内注射によって投与する10mg/kgキシラジンと混合した150mg/kgのケタミンで麻酔した。肝臓はRNA分析のために収集した。
【0603】
(RNA分析)
RNAは、PKKのリアルタイムPCR分析のために肝臓組織から抽出した。PKKmRNAレベルは、ネズミプライマープローブセット(順方向配列ACAAGTGCATTTTACAGACCAGAGTAC、配列番号2231として本明細書に指定;逆方向配列GGTTGTCCGCTGACTTTATGCT、配列番号2232として本明細書に指定;プローブ配列AAGCACAGTGCAAGCGGAACACCC、配列番号2233として本明細書に指定)を用いて測定した。結果は、PBS対照に対するPKKの%阻害として表す。表59に示すように、ISIS482584を用いた処置は結果的に、PBS対照と比較してPKKmRNAの有意な用量依存的減少を生じた。
【0604】
【表59】

【0605】
(タンパク質分析)
血漿は、抗凝固薬としてクエン酸ナトリウムを含有するチューブに収集した。試料は、4?12%勾配のSDS-ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)で泳動した後、ネズミPKK抗体(R&D Systems)を用いたイムノブロッティングを実施した。ブロットは、二次フルオロフォア標識抗体(LI-COR)とともにインキュベートし、Odyssey Imager(LI-COR)において撮像した。結果はPBS対照に対するPKKの%阻害として表す。表60に示すように、ISIS482584を用いた処置は結果的に、PBS対照と比較してPKK血漿タンパク質の有意な用量依存的減少を生じた。
【0606】
【表60】

【0607】
(実施例11:血管浮腫マウスモデルにおけるネズミPKKのアンチセンス阻害のインビボでの効果)
遺伝性血管浮腫(HAE)は、皮下組織における局所的腫脹及び血管透過性の亢進を特徴とする(Morgan,B.P.N.Engl.J.Med.363:581?83,2010)。補体系のタンパク質であるC1阻害薬の欠乏が原因である。C1-INH欠乏症の確立されたマウスモデル及びカプトプリル誘発性浮腫モデルを含む2つのマウスモデルを本研究に使用し、これらは両方とも、HAEの特徴である血管透過性を引き起こす。血管透過性の逆転には、高分子量キニノーゲン(HMWK)の高い血漿レベルが付随する。
【0608】
第一のモデルにおいて、血管浮腫は、マウスにおける血管透過性を高めかつ遺伝性血管浮腫の病因を複製する公知の降圧薬であるカプトプリルを用いた処置によって誘発した。
【0609】
第二のモデルにおいて、血管浮腫は、マウスにおける血管透過性を高めかつ遺伝性血管浮腫の病因を複製する、ネズミC1阻害薬mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドであるISIS461756を用いた処置によって誘発した。ISIS461756(配列番号2245;AAAGTGGTTGATACCCTGGG)は、NM_009776.3(配列番号2243)の5-10-5MOEギャップマー標的ヌクレオシド1730?1749である。
【0610】
HOE-140及び、PKKのアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害薬であるISIS482584の効果は、血管透過亜聖のカプトプリル及びISIS461756誘発性マウスモデルにおいて評価した。ネズミ群のうちのいくつかは、血管拡張お及び血管透過性を遮断するブラジキニンB2受容体の選択的アンタゴニストであるHOE-140を用いて処置した(Cruden及びNewby,Expert Opin.Pharmacol.9:2383?2390,2008)。他のマウスは、PKKmRNA発現を阻害するISIS482584を用いて処置した。HOE-140を用いた処置の効果を、ISIS482584を用いた処置の効果と比較した。
【0611】
(処置)
本アッセイについての種々の処置群を表61に表す。
【0612】
第1群は、週2回、4週間皮下投与するPBSを用いて処置した4匹のC57BL/6J-Tyrc-2Jマウスからなった。血管透過性の基線レベルを測定するための対照群として機能する第1群へは、他の処置は何ら投与しなかった。
【0613】
第2群は、週2回、4週間皮下投与するPBSを用いて処置した8匹のC57BL/6J-Tyrc-2Jマウスからなった。処置の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第2群は、カプトプリル誘発性血管透過性についてのPBS対照群として機能した。
【0614】
第3群は、週2回、4週間皮下投与するPBSを用いて処置した8匹のC57BL/6J-Tyrc-2Jマウスからなった。14日後に、マウスを、週2回、2週間皮下投与する50mg/kgのアンチセンスオリゴヌクレオチド標的C1阻害薬ISIS461756を用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第3群は、カプトプリル及びISIS461756誘発性血管透過性についてのPBS対照群として機能した。
【0615】
第4群は、週2回、4週間皮下投与するPBSを用いて処置した8匹のC57BL/6J-Tyrc-2Jマウスからなった。14日後に、マウスを、週2回、2週間皮下投与する50mg/kgのアンチセンスオリゴヌクレオチド標的C1阻害薬ISIS461756を用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。また、マウスに次に、30μgのHOE-140を腹腔内投与した。第4群は、HOE-140を用いた血管透過性の阻害についての陽性対照として機能した。
【0616】
第5群は、週2回、4週間皮下投与する40mg/kgの何ら公知のネズミ標的を有さない5-10-5MOEギャップマーである対照オリゴヌクレオチドISIS141923(CCTTCCCTGAAGGTTCCTCC、配列番号2246)を用いて処置したC57BL/6J-Tyrc-2Jマウスからなった。14日後に、マウスを週2回、2週間皮下投与する50mg/kgのアンチセンスオリゴヌクレオチド標的C1阻害薬ISIS461756を用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第5群は、カプトプリル及びISIS461756誘発性血管透過性についての対照群として機能した。
【0617】
第6群は、8匹のC57BL/6J-Tyrc-2Jマウスからなり、週2回、4週間皮下投与する40mg/kgのISIS482584を用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第6群は、カプトプリル誘発性血管透過性に及ぼすPKK ASOの効果を検討するための実験処置群として機能した。
【0618】
第7群は、週2回、4週間皮下投与する40mg/kgのISIS482584を用いて処置した8匹のC57BL/6J-Tyrc-2Jマウスからなった。14日後に、マウスを、週2回、2週間皮下投与する50mg/kgのアンチセンスオリゴヌクレオチド標的C1阻害薬ISIS461756を用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第7群は、カプトプリル及びISIS461756誘発性血管透過性に及ぼすPKK ASOの効果を検討するための実験処置群として機能した。
【0619】
次に、全群に、30mg/kgのエバンスブルー溶液を尾静脈へと注射した。エバンスブルー溶液投与の30分後にマウスを屠殺し、結腸、足、耳、及び小腸を収集した。血液試料は、心穿刺を通じて採血した。
【0620】
【表61】

【0621】
(血管透過性の定量化)
足、結腸、耳、及び小腸から収集した組織を、ホルムアミド溶液中に個別に一晩置いて、エバンスブルー色素を浸出させた。耳及び足の組織を含有するホルムアミド溶液は、55℃まで加熱して一晩放置した。色素注入したホルムアミド溶液の色彩強度を次に、OD_(600nm)で測定したので、表62に表す。血管浮腫のいずれかの徴候を示すマウスは、より多くの色素を取り込んでおり、それゆえ、高いOD値を示す。
【0622】
表62に表すように、ISIS482584を用いた処置は、カプトプリルを用いて処置したマウス(第6群)において及びカプトプリル及びISIS461756を用いて処置したマウス(第7群)において、個々のPBS対照群(第2群及び第3群)と比較して、血管透過性を防止する。第6群及び第7群のマウスにおける血管透過性の程度も、対照オリゴヌクレオチドISIS141923を用いて処置したマウス(第5群)と比較して組織のほとんどで低下し、当該マウスにおいて血管透過性は、カプトプリル及びISIS461756を用いて誘発された。両処置群(第6群及び第7群)の結腸及び足の組織における血管透過性の程度は、PBSのみを用いて処置したマウス(第1群)において観察されるように、基線レベルに匹敵した。ISIS482584を用いて処置したマウスにおける血管透過性の低下は、本アッセイにおいて陽性対照として機能するブラジキニン2受容体アンタゴニストであるHOE140を用いて処置したマウスにおいて見られる血管透過性の低下に匹敵した。
【0623】
それゆえ、PKKmRNAのアンチセンス阻害は、HAEに関して症候性である血管透過性の治療及び予防に有益であり得る。
【0624】
【表62】

【0625】
(高分子量キニノーゲン(HMWK)の定量化)
血液試料由来のHMWKのウェスタンブロット定量化を図1に表す。
【0626】
図1に示すように、第1群及び第2群由来の試料は、第6群及び第7群において血管透過性が逆転することを示す第6群及び第7群と比較して、低レベルのHMWKを有している。また、図1に示すように、第1群及び第2群由来の試料は、第6群及び第7群と比較して高いHMWK切断産物を有している。したがって、HMWKの欠失は、HMWKの切断産物(ブラジキニン及びHKaを含む)へのPKK切断によって生じる。
【0627】
(実施例12:マウスにおける基線透過性及びカプトプリル誘発性透過性に及ぼすネズミPKKのアンチセンス阻害のインビボでの効果)
基線透過性とは、天然の未処置のマウスの組織において生じる血管透過性のレベルである。血管透過性の予防におけるISIS482584の効果は、基線のまたはカプトプリル誘発性のいずれかで評価した。
【0628】
(処置)
本アッセイについての種々の処置群は、表63に表す。
【0629】
第1群は、8匹のマウスからなり、週2回、4週間皮下投与するPBSを用いて処置した。血管透過性の基線レベルを測定するための対照群として機能する第1群へは他の処置は投与しなかった。
【0630】
第2群は、8匹のマウスからなり、週2回、4週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第2群は、カプトプリル誘発性血管透過性についての陰性対照群として機能した。
【0631】
第3群は、8匹のマウスからなり、週2回、4週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに30μgのHOE-140を腹腔内投与した。第3群は、基線血管透過性の阻害についての陽性対照として機能した。
【0632】
第4群は、8匹のマウスからなり、週2回、4週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。マウスにはまた、30μgのHOE-140を腹腔内投与した。第4群は、カプトプリル誘発性血管透過性の阻害のための陽性対照として機能した。
【0633】
第5群は、8匹のマウスからなり、週2回、4週間皮下投与する40mg/kgのISIS482584を用いて処置した。第5群は、基線血管透過性に及ぼすISIS482584の効果を検討するための実験処置群として機能した。
【0634】
第6群は、8匹のマウスからなり、週2回、4週間皮下投与する40mg/kgのISIS482584を用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第6群は、カプトプリル誘発性血管透過性に及ぼすISIS482584の効果を検討するための実験処置群として機能した。
【0635】
次に、全群に30mg/kgのエバンスブルー溶液を注射した。マウスは、エバンスブルー溶液投与30分後に屠殺し、結腸、足、耳、及び小腸を収集した。
【0636】
【表63】

【0637】
(血管透過性の定量化)
足、結腸、耳、及び小腸から収集した組織を、ホルムアミド溶液中に個別に一晩置いて、エバンスブルー色素を浸出させた。耳及び足の組織を含有するホルムアミド溶液は、55℃まで加熱して一晩放置した。色素注入したホルムアミド溶液の色彩強度を次に、OD_(600nm)で測定したので、表64に表す。血管浮腫のいずれかの徴候を示すマウスは、より多くの色素を取り込んでおり、それゆえ、高いOD値を示す。
【0638】
表64に表すように、ISIS482584を用いて処置したマウスは、PBS対照と比較して低い基線血管透過性を示した(第5群対第1群)。ISIS482584を用いた処置による基線血管透過性における低下は、HOE-140を用いた処置によって生じる基線血管透過性の低下に匹敵した(第3群、陽性対照として機能した)。ISIS482584を用いて処置したマウスはまた、PBS対照に比べてたいていの組織における低いカプトプリル誘発性血管透過性を示した(第6群対第2群)。ISIS482584を用いた処置によるカプトプリル誘発性血管透過性における低下は、HOE-140を用いた処置によって生じる血管透過性における低下に匹敵した(第4群、陽性対照として機能した)。
【0639】
【表64】

【0640】
(実施例13:カプトプリル誘発性血管透過性に及ぼすネズミPKKのアンチセンス阻害の用量依存的効果)
カプトプリル誘発性血管透過性に及ぼすISIS482584に関する用量を変化させる効果を評価した。
【0641】
(処置)
本アッセイについての種々の処置群は、表65に表す。
【0642】
第1群は、4匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。血管透過性の基線レベルを測定するための対照群として機能する第1群へは他の処置は投与しなかった。
【0643】
第2群は、8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第2群は、カプトプリル誘発性血管透過性についての対照群として機能した。
【0644】
第3群は、4匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。マウスはまた30μgのイカチバント(HOE-140)を腹腔内投与した。第4群は、カプトプリル誘発性血管透過性の阻害についての陽性対照として機能した。
【0645】
第4、5、6、7、8、及び9群は、各々8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するISIS482584それぞれ2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、または80mg/kg(週あたり、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、80mg/kg、または160mg/kgに相当)を用いて処置した。処置期間の終了時に、全群のマウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第4?9群は、カプトプリル誘発性血管透過性に及ぼすISIS482584の用量を変化させる効果を検討するための実験処置群として機能した。
【0646】
次に、全群に、30mg/kgのエバンスブルー溶液を尾静脈に注射した。エバンスブルー溶液投与の30分後にマウスを屠殺し、結腸、足、耳、及び小腸を収集した。血液試料は、心穿刺を通じて採血した。
【0647】
【表65】

【0648】
(血管透過性の定量化)
収集した組織を、ホルムアミド溶液中に一晩置いて、エバンスブルー色素を浸出させた。足及び耳の組織を含有するホルムアミド溶液は、55℃まで加熱して一晩放置した。色素注入したホルムアミド溶液の色彩強度を次に、OD_(600nm)で測定したので、表66に表す。血管浮腫のいずれかの徴候を示すマウスは、より多くの色素を取り込んでおり、それゆえ、高いOD値を示す。
【0649】
表66に表すように、より多量の用量のISIS482584で処置したマウス(第4、5、及び6群)は、対応するPBS対照群(第2群)と比較して低レベルのカプトプリル誘発性血管透過性を有していた。これらの処置群(第4群及び第5群)のマウスにおける血管透過性の低下は、(第1群において示すような)基線血管透過性のレベルならびにHOE-140を用いて処置したマウス(第3群)において匹敵した。
【0650】
【表66】

【0651】
(血管漏出の定量化)
心穿刺を通じて採血した血液を即時、氷冷エタノールの容積の3倍と混合した。溶液は、15,000g、4℃で20分間遠心分離して、細胞デブリを除去し、血漿タンパク質を沈殿させた。エタノール抽出物は、10kDaMWCOフィルターによる限外濾過によってさらに精製した。エタノールにより抽出した血漿溶液の色彩強度は次に、OD_(620nm)で測定した。本結果は、第1群PBS対照のOD値の%増または%減として表67に表す。血管浮腫の徴候を表すマウス由来の組織は、血漿からより多くの色素を漏出すると期待され、それゆえ、低いOD値を示すのに対し、処置群は、低い血管漏出による比較的高いOD値を示し得る。160mg/kg/週及び80mg/kg/週のISIS482584で処置したマウス(第4群及び第5群)は、カプトプリルで処置したPBS陰性対照(第2群)と比較して血管漏出が低いことを示した。第4群及び第5群由来の結果は、HOE-140を用いて処置した陽性対照(第3群)に匹敵した。
【0652】
【表67】

【0653】
(実施例14:マウスにおける基線透過性に及ぼすネズミPKKのアンチセンス阻害の用量依存的効果)
基線血管透過性に及ぼすISIS482584に関する用量を変化させる効果を評価した。
【0654】
(処置)
本アッセイについての種々の処置群は、表68に表す。
【0655】
第1群は、8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。血管透過性の基線レベルを測定するために対照群として機能する第1群へは他の処置は投与しなかった。
【0656】
第2群は、4匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに30μgのHOE-140を腹腔内投与した。第2群は、基線血管透過性の阻害についての陽性対照として機能した。
【0657】
第3、4、5、6、7、及び8群は、各々8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するISIS482584をそれぞれ2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、または80mg/kg(週あたり5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、80mg/kg、または160mg/kgに相当)用いて処置した。第4?9群は、基線血管透過性の阻害に及ぼすISIS482584の用量を変化させる効果を検討するための実験処置群として機能した。
【0658】
全群は次に、30mg/kgのエバンスブルー溶液を尾静脈に注射した。エバンスブルー溶液投与の30分後にマウスを屠殺し、結腸、足お及び耳を収集し、透過性欠損について検討した。血液試料は、心穿刺を通じて採血した。
【0659】
【表68】

【0660】
(血管透過性の定量化)
足、結腸、及び耳から収集した組織をホルムアミド溶液中に一晩置いて、エバンスブルー色素を浸出させた。足及び耳の組織を含有するホルムアミド溶液は、55℃まで加熱して一晩放置した。色素注入したホルムアミド溶液の色彩強度を次に、OD_(600nm)で測定したので、表69に表す。より高いOD値は、より高いレベルの透過性と関連している。
【0661】
表10に表すように、すべての用量におけるISIS482584で処置したマウス(第3?8群)の組織のほとんどは、PBS対照(第1群)と比較して低い基線血管透過性を示した。ISISオリゴヌクレオチド処置群の基線血管透過性の低下は、HOE-140で処置した陽性対照群(第2群)において示したものに匹敵した。
【0662】
【表69】

【0663】
(血管漏出の定量化)
心穿刺を通じて採血した血液を即時、氷冷エタノールの容積の3倍と混合した。溶液を15,000g、4℃で20分間遠心分離して細胞デブリを除去し、血漿タンパク質を沈殿させた。エタノール抽出物は、10kDaMWCOフィルターによる限外濾過によってさらに精製した。次に、エタノール抽出した血漿溶液の色彩強度は、OD_(620nm)で測定した。結果は、第1群PBS対照のOD値の%増または%減として、表70に表す。処置群が低い血管漏出により比較的高いOD値を示すかもしれないことが期待された。ISISオリゴヌクレオチド処置群におけるマウスはすべて、PBS陰性対照と比較して有意に低い血管漏出を示した。
【0664】
【表70】

【0665】
(高分子量キニノーゲン(HMWK)の定量化)
血液試料由来のHMWKのウェスタンブロット定量化は、図2ならびに表71及び表72に表す。
【0666】
表71に示すように、482584で処置した群は、PBS対照と比較して高レベルのHMWKを有し、用量依存的様式で高くなった。PKKアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた処置は、HMWKの安定化を結果的に生じた。したがって、血管透過性は、用量依存的様式でISIS482584処置した群において低い。表72に示すように、ISIS482584で処置した群は、PBS対照と比較して低いHMWK切断産物を有し、用量依存的様式で下がった。したがって、低いHMWKは、HMWKの切断産物(ブラジキニン及びHKaを含む)へのPKK切断によって生じる。データは、濃度計によって測定するように強度単位で表す。
【0667】
【表71】

【0668】
【表72】

【0669】
(実施例15:マウスにおけるカプトプリル誘発性血管透過性に及ぼすPKK及び第XII因子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの併用療法)
マウスを、カプトプリル誘発性血管透過性モデルにおける5-10-5MOEギャップマー標的第XII因子であるISIS410944(GCATGGGACAGAGATGGTGC、配列番号2247)及びISIS482584の変化用量で処置した。
【0670】
(処置)
本アッセイについての種々の処置群は、表73に表す。
【0671】
第1群は、4匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。血管透過性の基線レベルを測定するための対照群として機能する第1群へは他の処置は投与しなかった。
【0672】
第2群は、8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第2群は、カプトプリル誘発性血管透過性についての対照群として機能した。
【0673】
第3群は、4匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。マウスはまた、30μgのHOE-140を腹腔内投与した。第3群は、カプトプリル誘発性血管透過性の阻害についての陽性対照として機能した。
【0674】
第4、5、6、7、及び8群は、各々8匹のマウスからなり、週2回、3週間各々皮下投与するISIS482584及びISIS410944のそれぞれ2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、または40mg/kg(週あたり5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、または80mg/kgに相当)を用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに20μgのカプ全群のマウスに20μgのカプトプリルを腹腔内投与した。第4?8群は、カプトプリル誘発性血管透過性に及ぼすISIS410944及びISIS482584の効果を検討するための実験処置群として機能した。
【0675】
次に、全群に30mg/kgのエバンスブルー溶液を尾静脈に注射した。エバンスブルー溶液投与30分後にマウスを屠殺し、結腸、足、耳、及び小腸を収集した。
【0676】
【表73】

【0677】
(血管透過性の定量化)
足、結腸、及び耳から収集した組織をホルムアミド溶液に一晩置いて、エバンスブルー色素を浸出させた。足及び耳の組織を含有するホルムアミド溶液は、55℃まで加熱して一晩放置した。色素注入したホルムアミド溶液の色彩強度を次に、OD_(600nm)で測定したので、表74に表す。より高いOD値は、より高レベルの透過性と関連している。
【0678】
表74に表すように、全用量でのISIS482584及びISIS410944の組み合わせを用いて処置したマウス(第3?8群)の組織のほとんどは、PBS対照(第1群)と比較して低い血管透過性を示した。ISISオリゴヌクレオチド処置群の血管透過性の低下は、基線PBS対照(第1群)及びHOE140を用いて処置した陽性対照群(第2群)において示したものに匹敵した。PKK及び第XII因子アンチセンスオリゴヌクレオチドの組み合わせは結果的に、透過性における相乗的な低下を生じる。期待したように、血管漏出における対応する相乗的な低下も観察した。
【0679】
【表74】

【0680】
(実施例16:マウスにおける基線血管透過性に及ぼすPKK及び第XII因子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの併用療法)
基線血管透過性モデルにおいて第XII因子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドであるISIS410944、及びISIS482584の変化用量を用いてマウスを処置した。
【0681】
(処置)
本アッセイのための種々の処置群は、表75に表す。
【0682】
第1群は、8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。血管透過性の基線レベルを測定するための対照群として機能する第1群へは他の処置は投与しなかった。
【0683】
第2群は、4匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。処置期間の終了時に、マウスに30μgのHOE-140を腹腔内投与した。第2群は、基線血管透過性の阻害についての陽性対照として機能した。
【0684】
第3、4、5、6、及び7群は、各々8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するISIS482584及びISIS410944のそれぞれ2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、または40mg/kg(週あたり5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、または80mg/kg)を用いて処置した。第3?7群は、基線血管透過性に及ぼすISIS410944及びISIS482584の効果を検討するための実験処置群として機能した。
【0685】
次に、全群に30mg/kgのエバンスブルー溶液を尾静脈に注射した。エバンスブルー溶液投与30分後にマウスを屠殺し、結腸、足、耳、及び小腸を収集した。
【0686】
【表75】

【0687】
(血管透過性の定量化)
足、結腸、小腸、及び耳から収集した組織をホルムアミド溶液に一晩置いて、エバンスブルー色素を浸出させた。足及び耳の組織を含有するホルムアミド溶液は、55℃まで加熱して一晩放置した。色素注入したホルムアミド溶液の色彩強度を次に、OD_(600nm)で測定したので、表76に表す。より高いOD値は、より高いレベルの透過性と関連している。
【0688】
表76に表すように、すべての用量におけるISIS482584及びISIS410944の組み合わせを用いて処置したマウス(第2?7群)の組織のほとんどは、PBS対照(第1群)と比較して低い血管透過性を示した。ISISオリゴヌクレオチド処置群の血管透過性の低下は、HOE140で処置した陽性対照群(第2群)において示したものに匹敵した。PKK及び第XII因子アンチセンスオリゴヌクレオチドの併用は結果的に、透過性における相乗的な低下を生じる。期待したように、血管漏出における対応する相乗的な低下も観察した。
【0689】
【表76】

【0690】
(実施例17:ISIS482584による第XII因子タンパク質活性化の阻害)
第XII因子タンパク質活性化に及ぼすPKKmRNAのアンチセンス阻害の効果を評価した。
【0691】
(処置)
本アッセイについての種々の処置群は、表77に表す。
【0692】
第1群は、8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。第XII因子活性化を測定するための対照群として機能する第1群へは他の処置は投与しなかった。
【0693】
第2、3、4、5、及び6群は、各々8匹のマウスからなり、週2回、3週間皮下投与するISIS482584それぞれ2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、または80mg/kg(週あたり、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、80mg/kg、または160mg/kgに相当)を用いて処置した。第2?6群は、第XII因子活性化に及ぼすISIS482584の効果を測定するための処置群として機能した。
【0694】
処置期間の終了時に、血漿中の第XII因子についてのSpectrozyme(登録商標)第XIIa因子を基にしたアミドリシスアッセイのために、血漿をマウスから収集した。
【0695】
【表77】

【0696】
(血漿中の第XII因子活性化についてのアッセイ)
96ウェルポリプロペレン(polypropelene)マイクロプレート中の1ug/ml硫酸デキストラン(500kDa)含有PBS85μLへ血漿(5μL)を添加し、溶液を室温で5分間インキュベートした。Spectrozyme(登録商標)FXIIa(2mM溶液10μL)及び0.2mMのKALLISTOP(商標)溶液を添加し、吸光度動態を405nmで測定した。第XII因子活性化は、吸光度の蓄積の線形相において測定した。本結果は、PBS対照試料において測定した第XII因子活性化の%として表78に表す。表78に見られるように、ISIS482584によるPKKの阻害は結果的に、第XIIの基質による第XII因子の低い活性化を生じ、PKKが適切な第XII因子活性化に必要であることを含意している。
【0697】
【表78】

【0698】
(実施例18:C1-INHアンチセンスオリゴヌクレオチド誘発性血管透過性に及ぼすネズミPKKのアンチセンス阻害のインビボでの効果)
ネズミC1阻害薬mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドであるISIS461756によって誘導される血管透過性は、マウスにおける血管透過性を高めかつ遺伝性血管浮腫の病因を複製する。このモデルに及ぼすISIS482584の効果を評価した。
【0699】
(処置)
1群8匹のマウスを、週2回、3週間皮下投与する40mg/kg(週用量80mg/kg)のISIS482584を用いて処置した。8匹のマウスからなる第二の群を週2回、3週間皮下投与する40mg/kg(週用量80mg/kg)の対照オリゴヌクレオチドISIS141923を用いて処置した。8匹のマウスからなる第三の群を、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。14日後、全群を週2回、3週間皮下投与する12.5mg/kg(週用量25mg/kg)のISIS461756を用いて処置した。対照群のマウスを週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置したが、ISIS461756は投与しなかった。
【0700】
処置期間の終了時に、全群に30mg/kgのエバンスブルー溶液を尾静脈中へ注射した。エバンスブルー溶液投与30分後にマウスを屠殺し、結腸、足、耳、及び小腸を収集した。肝臓もRNA分析のために収集した。
【0701】
(RNA分析)
C1-INH及びPKKmRNAのRT-PCR分析のために肝臓からRNAを単離した。C1-INHについてのプライマープローブセットは、RTS3218(順方向配列GAGTCCCCCAGAGCCTACAGT、本明細書で配列番号2234として指定;逆方向配列TGTCATTTGTTATTGTGATGGCTACA、配列番号2235として本明細書で指定;プローブ配列CTGCCCTCTACCTGGCCAACAACCA、配列番号2236として本明細書で指定)である。PKKについてのプライマープローブセットは、RTS3287(順方向配列ACAAGTGCATTTTACAGACCAGAGTAC、配列番号2237として本明細書で指定;逆方向配列GGTTGTCCGCTGACTTTATGCT、配列番号2238として本明細書で指定;プローブ配列AAGCACAGTGCAAGCGGAACACCC、配列番号2239として本明細書で指定)である。本結果は、ISIS461756を用いて処置していないPBS対照と比較した%阻害として表79に表す。本データは、ISIS461756がC1-INHmRNA発現を有意に低下させず、かつ、ISIS482584を用いた処置がPKK発現を有意に低下させたことを示す。
【0702】
【表79】

【0703】
(血管透過性の定量化)
足、結腸、及び小腸から収集した組織をホルムアミド溶液中に一晩置いて、エバンスブルー色素を浸出させた。足組織を含有するホルムアミド溶液は、55℃まで加熱し、一晩放置した。次に、色素注入したホルムアミド溶液の色彩強度をOD_(600nm)で測定した。本データは、ISIS461756を用いて処置されていないPBS対照と比較した%増または%減として表80に表す。本データは、ISIS482584を用いた処置が、ISIS461756によって誘発される血管浸透性を防止したことを示す。
【0704】
【表80】

【0705】
(実施例19:FeCl_(3)誘発性下大静脈血栓症モデルにおけるネズミPKKのアンチセンス阻害のインビボでの効果)
PKKの有意なインビトロ及びインビボでの阻害を示すISIS482584を、FeCl_(3)誘発性下大静脈血栓症マウスモデルにおいて評価した。
【0706】
(処置)
1群8匹の雄BALB/cマウスからなる3群を、週2回、3週間皮下投与した10mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgのISIS482584を用いて処置した(週用量20mg/kg、40mg/kg、または80mg/kg)。各12匹のBALB/cマウスからなる2つの対照群は、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはPBSの最後の投与の2日後に全群由来のマウスを10mg/kgキシラジンと混合した150mg/kgケタミンを用いて麻酔し、腹腔内注射によって投与した。血栓形成は、第一の対照群以外、麻酔したマウス全群において、FeCl_(3)を用いて誘発させた。
【0707】
FeCl_(3)処置を受けているマウスにおいて、血栓形成は、10%FeCl_(3)溶液で事前に飽和させておいた一片のろ紙(2×4mm)を大静脈上に直接適用することによって誘発させた。曝露3分後、ろ紙を取り外した。ろ紙適用の30分後、血栓を含有する固定長の静脈を血小板分析のために摘出した。肝臓は、RNA分析のために収集した。
【0708】
(血小板組成の定量化)
血小板因子4(PF-4)のリアルタイムPCR定量化を用いて、血栓形成の尺度としての静脈における血小板を定量化した。PF-4mRNAレベルは、ネズミプライマープローブセットmPF4_LTS_00086(順方向配列AGACCCATTTCCTCAAGGTAGAACT、配列番号2240として本明細書で指定;逆方向配列CGCAGCGACGCTCATG、配列番号2241として本明細書で指定;プローブ配列TCTTTGGGTCCAGTGGCACCCTCTT、配列番号2242として本明細書で指定)を用いて測定した。結果は、2つのPBS処置対照群と比較した場合の、ISISオリゴヌクレオチド処置マウスにおけるPF-4の%として表す。表81に示すように、ISIS482584を用いた処置は、PBS対照との比較においてPF-4の有意な低下を結果的に生じた。それゆえ、本明細書で提供する化合物によるPKKの低下は、血栓形成を阻害するのに有用である。
【0709】
【表81】

【0710】
(実施例20:尾部放血アッセイにおけるネズミPKKのアンチセンス阻害のインビボでの効果)
ISIS482584を用いた処置がマウスにおける過剰な放血または出血を生じるかどうかを観察するために、尾部放血を測定した。
【0711】
(処置)
1群10匹のBALB/cマウスからなる群を、週2回、3週間皮下投与する10mg/kg、20mg/kg、または40mg/kg(週用量20mg/kg、40mg/kg、または80mg/kg)のISIS482584を用いて処置した。8匹のBALB/cマウスからなる対照群は、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。
【0712】
(尾部放血アッセイ)
ISISオリゴヌクレオチドまたはPBSの最終処置の2日後、マウスを尾部放血チャンバーの中に置いた。イソフルランを用いてマウスをチャンバーの中で麻酔した。次に、小片の尾部(先端からおよそ4mm)を滅菌はさみで切断した。切断した尾部をすぐに、37℃へ加温したおよそ10mlの0.9%NaCl緩衝液で満たした15mlファルコンチューブの中に入れた。血液を40分間の時間経過の間収集した。塩類溶液を充填したチューブを放血の前後両方で秤量した。本結果は、表82に提供する。
【0713】
ISIS482584を用いた処置は、放血に有意に影響しなかった。これらのデータは、本明細書に提供する化合物の出血能力が低いことを示唆している。これらのデータは、実施例19に提供した結果とともに、本明細書に説明する化合物を用いたPKKの阻害が、関連する放血の危険なしで抗血栓性活性を提供するのに有用であることを示唆している。
【0714】
【表82】

【0715】
(実施例21:FeCl_(3)誘発性腸間膜血栓症モデルにおけるネズミPKKのアンチセンス阻害のインビボでの効果)
ISIS482584をFeCl_(3)誘発性腸間膜血栓症マウスモデルにおいて評価した。
【0716】
(処置)
1群6?8匹のスイス・ウェブスター系マウス1群を、週2回、3週間皮下投与する40mg/kgのISIS482584を用いて処置した(週用量80mg/kg)。6匹のスイス・ウェブスターマウスの対照群を、週2回、3週間皮下投与するPBSで処置した。アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはPBSの最終投与の2日後、全群由来のマウスを、皮下注射によって投与する、25mg/kgキシラジンと混合した75mg/kgケタミンで麻酔した。
【0717】
5mg/kgの投薬量でローダミン6G色素を皮下注射して、血小板を染色した。1mg/kgの投薬量のアレクサ647標識した抗フィブリノーゲン抗体を、尾静脈注射を介して注射し、フィブリンを染色した。腹部を正中切開線によって開口した。内臓肋間膜をガラスカバースライド上に延展し、顕微鏡下での観察によって肋間膜細動脈(70?120μm)を特定した。6%FeCl_(3)溶液で事前に飽和しておいた綿糸(2×0.3mm)を標的血管上に直接適用することによって、血栓形成を誘発させた。曝露3分後、意図を取り出し、両色素の色彩強度を適切なフィルターを用いる蛍光顕微鏡(オリンパスFluoView1000共焦点レーザ走査顕微鏡)によって70分間記録した。
【0718】
対照群及び処置群における血小板凝集についての結果は、任意の単位(a.u.)で表現して表83に表す。血小板凝集は、PBSで処置したマウスと比較して80mg/kg/週の用量でISIS482584を用いて処置したマウスにおいて低下した。対照群及び処置群におけるフィブリン形成についての結果は、これもまた任意の単位(a.u.)で表現して表84に表す。フィブリン形成は、PBSで処置したマウスと比較して80mg/kg/週の用量でISIS482584を用いて処置したマウスにおいて低下した。それゆえ、これらの結果は、ISIS482584が血栓形成を阻害することを示唆する。
【0719】
【表83】

【0720】
【表84】

【0721】
(実施例22:狭窄誘発性下大静脈血栓症モデルにおけるネズミPKKのアンチセンス阻害のインビボでの効果)
ISIS482584を、狭窄誘発性下大静脈(IVC)血栓症モデルにおいて評価した。低い血流及び内皮損傷は、St.Tomasモデルとしても公知のこのモデルの特徴である。
【0722】
(処置)
1群6?8匹のBALB/cマウス4群を、週2回、3週間皮下投与する5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgのISIS482584を用いて処置した(週用量10mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、または80mg/kg)。1群8匹のBALB/cマウスの対照群を、週2回、3週間皮下投与するPBSを用いて処置した。アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはPBSの最終用量を投与した2日後に、2.5%吸入用イソフルランを用いて全群由来のマウスを麻酔した。マウスのIVCを左腎静脈下の正中腹部切開線を介して露出させ、鈍的切開によって腹部動脈から分離した。6-0絹タイ(Ethicon,英国)を左腎静脈直下の血管の背後に置き、金属4-0縫合糸(Ethicon,英国)をIVC上に長軸方向に置き、上部の上で絹タイを結んだ。金属縫合糸を次に取り出した。2つの神経血管手術クリップ(Braun Medical社,ペンシルバニア州)を各20秒間、結紮の下の2つの別個の位置に置き、その後、取り出した。次に腹腔内容物を置き換え、腹部を閉じた。24時間後、IVCを露出させ、血栓形成についてチェックした。形成した血栓はすべて収集し、10%ホルマリン中で24時間固定した。
【0723】
血栓を秤量したので、結果をミリグラムで表現する表85に表す。本結果によって示されるように、ISIS482584の上昇する用量を用いた処置は結果的に、対応する血栓重量の減少を生じた。本結果は、PKKのアンチセンス阻害が血栓形成を阻害するのに有用であることを示している。
【0724】
【表85】

(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
15?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号570の核酸塩基配列の少なくとも15個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、修飾されたオリゴヌクレオチドであって、該修飾されたオリゴヌクレオチドは、プレカリクレインのmRNA及び/又はタンパク質の発現を低下させることができる、上記オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
15?30個の結合したヌクレオシドからなる、かつ配列番号10の核酸塩基27427?27466の等しい長さの部分と100%相補的な少なくとも15個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を含む修飾されたオリゴヌクレオチドであって、
修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、該修飾されたオリゴヌクレオチドの全体にわたって測定したときに配列番号10と少なくとも94%相補的であり、該修飾されたオリゴヌクレオチドは、プレカリクレインのmRNA及び/又はタンパク質の発現を低下させることができる、上記オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
一本鎖の修飾されたオリゴヌクレオチドからなる、請求項1又は2に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
少なくとも1つのヌクレオシド間結合が、修飾されたヌクレオシド間結合である、請求項1?3のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合がホスホロチオアートヌクレオシド間結合である、請求項4に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
各ヌクレオシド間結合がホスホロチオアート結合である、請求項5に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
少なくとも1つのヌクレオシドが、修飾された核酸塩基を含む、請求項1?6のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
修飾された核酸塩基が5-メチルシトシンである、請求項7に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾された糖を含む、請求項1?8のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
修飾された糖が二環式糖である、請求項9に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
二環式糖が、拘束されたエチル、LNA、およびENAより選択される、請求項10に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
修飾された糖を含む少なくとも1つのヌクレオシドが2’-置換ヌクレオシドである、請求項9に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
2’-置換ヌクレオシドが、2’-OCH_(3)、2’-F、および2’-O-メトキシエチルより選択される、請求項12に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
修飾されたオリゴヌクレオチドが、
連結したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、
連結したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、及び
連結したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント
を含み、ギャップセグメントは5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置取られ、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドは修飾された糖を含む、請求項1?13のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項15】
修飾されたオリゴヌクレオチドが、16、17、18、19、または20個の連結したヌクレオシドからなる、請求項1?14のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項16】
請求項1?15のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、共役型アンチセンス化合物。
【請求項17】
以下の式、すなわち、Tes Ges mCes Aes Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aes Aes Aes mCes Ae(配列番号570)による修飾されたオリゴヌクレオチドであって、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン、
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド、
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
であり、該修飾されたオリゴヌクレオチドは、プレカリクレインのmRNA及び/又はタンパク質の発現を低下させることができる、上記オリゴヌクレオチド。
【請求項18】
以下の式、すなわち、mCes mCes mCes mCes mCes Tds Tds mCds Tds Tds Tds Ads Tds Ads Gds mCes mCes Aes Ges mCe(配列番号705)による修飾されたオリゴヌクレオチドであって、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン、
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド、
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
であり、該修飾されたオリゴヌクレオチドは、プレカリクレインのmRNA及び/又はタンパク質の発現を低下させることができる、上記オリゴヌクレオチド。
【請求項19】
以下の式、すなわち、mCes Ges Aks Tds Ads Tds mCds Ads Tds Gds Ads Tds Tds mCks mCks mCe(配列番号1666)による修飾されたオリゴヌクレオチドであって、式中、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン、
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチル修飾されたヌクレオシド、
k=cEt修飾されたヌクレオシド、
d=2’-デオキシヌクレオシド、かつ
s=ホスホロチオアートヌクレオシド間結合
であり、該修飾されたオリゴヌクレオチドは、プレカリクレインのmRNA及び/又はタンパク質の発現を低下させることができる、上記オリゴヌクレオチド。
【請求項20】
請求項17?19のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、共役型アンチセンス化合物。
【請求項21】
以下の式
【化1】

による修飾されたオリゴヌクレオチドまたはその塩。
【請求項22】
以下の式
【化2】

による修飾されたオリゴヌクレオチドまたはその塩。
【請求項23】
以下の式
【化3】

による修飾されたオリゴヌクレオチドまたはその塩。
【請求項24】
請求項1?19及び21?23のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド、または請求項20に記載の共役型アンチセンス化合物、および医薬として許容し得る担体または希釈剤を含む、組成物。
【請求項25】
医薬として許容し得る希釈剤がリン酸緩衝生理食塩水(PBS)である、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
請求項1?19及び21?23のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド、請求項20に記載の共役型アンチセンス化合物、または請求項24若しくは25に記載の組成物を含む、PKKと関連する疾患、障害または容態を予防、治療、または寛解させるための医薬組成物。
【請求項27】
PKKと関連する疾患、障害または容態が、遺伝性血管浮腫(HAE)、浮腫、血管浮腫、腫脹、眼瞼血管浮腫、眼浮腫、黄斑浮腫、脳浮腫、血栓症、塞栓症、血栓塞栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、脳卒中、または梗塞である、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
請求項1?19及び21?23のいずれか一項に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド、請求項20に記載の共役型アンチセンス化合物、または請求項24若しくは25に記載の組成物を含む、炎症性疾患または血栓塞栓症性疾患を治療するための医薬組成物。
【請求項29】
20個の連結したヌクレオシドからなり、配列番号570の核酸塩基配列を有する一本鎖の修飾されたオリゴヌクレオチドであって、
該修飾されたオリゴヌクレオチドが、
10個の連結したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、
5個の連結したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、及び
5個の連結したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント
を含み、ギャップセグメントは、5’ウィングセグメント及び3’ウィングセグメントに直接隣接し、且つ5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置取られ、各ウィングセグメントの少なくとも1つのヌクレオシドは2’-O-メトキシエチル部分を含み、少なくとも1つのヌクレオシド間結合はホスホロチオアートヌクレオシド間結合であり、各シトシンは5’-メチルシトシンであり、該修飾されたオリゴヌクレオチドは、プレカリクレインのmRNA及び/又はタンパク質の発現を低下させることができる、上記オリゴヌクレオチド。
【請求項30】
各ヌクレオシド間結合がホスホロチオアートヌクレオシド間結合である、請求項29に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項31】
請求項29又は30に記載の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、共役型アンチセンス化合物。
【請求項32】
請求項29若しくは30に記載の修飾されたオリゴヌクレオチド、または請求項31に記載の共役型アンチセンス化合物、および医薬として許容し得る担体または希釈剤を含む、組成物。
【請求項33】
医薬として許容し得る希釈剤がリン酸緩衝生理食塩水(PBS)である、請求項32に記載の組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2020-09-30 
結審通知日 2020-10-05 
審決日 2020-10-20 
出願番号 特願2016-537862(P2016-537862)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (C12N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮岡 真衣  
特許庁審判長 田村 聖子
特許庁審判官 小暮 道明
森井 隆信
登録日 2020-01-28 
登録番号 特許第6652922号(P6652922)
発明の名称 プレカリクレイン(PKK)発現の調節  
代理人 泉谷 玲子  
代理人 泉谷 玲子  
代理人 武田 健志  
代理人 武田 健志  

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