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審決分類 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 取り消して特許、登録 B65D
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 B65D
管理番号 1369472
審判番号 不服2020-7058  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-05-25 
確定日 2021-01-07 
事件の表示 特願2016- 25717「物品支持体」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月24日出願公開、特開2017-145010、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年2月15日の出願であって、令和1年10月28日付けの拒絶理由の通知に対し、令和1年12月4日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和2年3月31日付けで拒絶査定がされたところ、この査定を不服として、同年5月25日に審判請求がなされるとともに、手続補正がなされたものである。

第2 令和2年5月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定
【補正の却下の決定の結論】
令和2年5月25日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
【理由】
1.補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1に記載の「物品」を「該物品」とするとともに、「、さらに、前記開口部の前記長手辺における開口幅が支持される物品の前記長手辺上における幅よりも狭く」との記載を削除する補正事項を含む。
2.補正の適否
「物品」を「該物品」とする補正は、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とするものに該当する。他方、「さらに、前記開口部の前記長手辺における開口幅が支持される物品の前記長手辺上における幅よりも狭く」を削除する補正は、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものではないので、明りようでない記載とはいえないため、特許法第17条の2第5項第4号に規定する「明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものに該当しない。
また、上記の補正事項が、特許法第17条の2第5項第1号に規定する請求項の削除、同2号に規定する特許請求の範囲の減縮、同第3号に規定する誤記の訂正のいずれを目的とするものに該当しないことも明らかである。
3.まとめ
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

第3 原査定の概要
原査定(令和2年3月31日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1?6に記載された「物品の幅」は、物品により変わり得るものであり、「前記長手辺の間隔が支持される物品の幅よりも狭く、前記開口の前記長手辺における開口幅が支持される物品の幅よりも狭く、且つ、前記開口の先端部の間の幅は支持される物品の幅よりも広くなるように形成されている」なる発明特定事項がどのような「物品支持体」を特定しているのかが不明であるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

第4 本願発明
本件補正は上記「第2 令和2年5月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定」のとおり、却下された。
したがって、本願請求項1?6に係る発明は、令和1年12月4日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

【請求項1】
可撓性を有するシートを断面略コの字状に折り曲げて円柱形の物品を挟持する物品支持体であって、底板と、該底板の対向する長手辺に連設された一対の側板を備え、該側板には少なくとも前記長手辺から該側板の先端方向へ膨出するように開口が切り欠き形成され、前記長手辺の間隔が支持される物品の幅よりも狭く、前記開口部の前記長手辺における開口幅が支持される物品の幅よりも狭く、且つ、前記開口の先端部の間の幅は支持される物品の幅よりも広く、さらに、前記開口部の前記長手辺における開口幅が支持される物品の前記長手辺上における幅よりも狭くなるように形成されていることを特徴とする物品支持体。
【請求項2】
前記開口は、その上辺部分が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の物品支持体。
【請求項3】
前記一対の側板の長さが互いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載の物品支持体。
【請求項4】
前記開口が前記一対の側板とその間の底板部分にかけて連続して形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の物品支持体。
【請求項5】
前記底板には、前記側板に設けられた開口とは独立してさらに開口が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の物品支持体。
【請求項6】
前記底板の対向する短手辺に、さらに一対の側板が連設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の物品支持体。

第5 判断
物品支持体の各部位は、支持される物品の幅との相対的な寸法差異により特定されるものであり、支持される物品の幅が変動したとしても、当該相対的な寸法差異に係る条件が異なるわけではないから、本願請求項1?6に記載された「前記長手辺の間隔が支持される物品の幅よりも狭く、前記開口の前記長手辺における開口幅が支持される物品の幅よりも狭く、且つ、前記開口の先端部の間の幅は支持される物品の幅よりも広く」なる発明特定事項は明確である。

第6 むすび
以上のとおり、本願請求項1?6に係る発明は明確であり、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。
したがって、原査定の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-12-15 
出願番号 特願2016-25717(P2016-25717)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (B65D)
P 1 8・ 574- WY (B65D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 米村 耕一  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 村山 達也
藤井 眞吾
発明の名称 物品支持体  
代理人 特許業務法人 小野国際特許事務所  
代理人 特許業務法人 小野国際特許事務所  

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