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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1369734
審判番号 不服2018-16380  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-07 
確定日 2021-01-04 
事件の表示 特願2016-238448「パケット・モバイル・ネットワークにおけるデータ送信のサポート」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 5月18日出願公開、特開2017- 85599〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2013年(平成25年)6月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年7月2日 欧州特許庁)を国際出願日とする特願2015-519152号の一部を,平成28年12月8日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯の概略は以下のとおりである。

平成29年12月15日付け:拒絶理由通知書
平成30年 8月 3日付け:拒絶査定
平成30年12月 7日 :拒絶査定不服審判の請求
平成31年 1月18日 :手続補正書(請求の理由)の提出
令和 1年11月19日付け:拒絶理由通知書(当審)
令和 2年 5月20日 :意見書,手続補正書の提出
令和 2年 5月21日 :意見書,手続補正書の提出

第2 本願発明
本願の請求項1ないし19に係る発明は,令和2年5月21日に手続補正された特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,以下のとおりのものと認める。

「 パケット・モバイル・ネットワークにおけるデータ送信のための方法であって,
ユーザ機器と外部パケット・データ・ネットワークとの間の前記パケット・モバイル・ネットワーク上のパケット・データ・ネットワーク接続性のためのものであり,
前記パケット・モバイル・ネットワークは,無線アクセス・ネットワークによってアクセスされるコア・ネットワークを備えており,
前記データ送信は,サービング無線アクセス・ネットワークノードと,サービング・ユーザ・プレーン・コア・ネットワークノードとの間のインターフェース上のトンネルを使用しており,
前記方法は,
コネクションレス型送信モードと称されるモードにおける前記データ送信を含んでおり,
前記インターフェース上の前記トンネルは,接続ID情報と称される情報を使用してあらかじめ定義され,且つアイドル状態からアクティブ状態への遷移期間において識別され,
前記コネクションレス型送信モードにおいて,前記サービング無線アクセス・ネットワークノードに対して前記ユーザ機器がアップリンク・パケットを送信する際に,前記ユーザ機器が前記接続ID情報を有する,
方法。」

第3 拒絶の理由
令和1年11月19日付けで当審が通知した拒絶理由(以下,「当審拒絶理由」という。)の概要は,
「4.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
というものであり,本願の請求項1に係る発明に対して,以下の引用例4が引用されている。

引用例4:国際公開第2011/060707号

第4 引用発明及び技術常識
[引用発明]
当審拒絶理由に引用された国際公開第2011/060707号には,図面とともに,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

1 「




(中略)




」(第7頁下から第7行?第9頁第1行)

(当審仮訳:
図3aは,本発明の一実施形態によるベアラ処理方法のアプリケーションシナリオにおけるLTE/SAEシステムの概略構造図である。図3aに示されているように,LTE/SAEシステムには主として,ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server,略語はHSS),モビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity,略語はMME),SAEゲートウェイ,Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(略語はE-UTRAN)におけるE-UTRAN NodeB(略語はeNB)などが含まれる。
HSSは主として,ユーザ端末(User Equipment,略語はUE)の加入データの管理に関与し,HSSによって記憶される加入データにはUEのグループ情報を含めてよい。UEのグループ情報には,UEが属するグループのグループ識別子,グループメンバーのリスト(デバイス識別子のグループを含む),グループの共通の特徴,及びグループメンバーの個々の特徴のような情報を含めてよく,その場合,グループのグループ識別子と共通の特徴を別個の加入データとして記憶してもよい。UEが複数のグループに属する場合,UEのグループ情報には,APNとグループ識別子の対のような,グループのグループ識別子とサービスタイプのマッピング関係をさらに含めてよい。HSS上に記憶されるUEの加入データは,Machine Type Communication(略語はMTC)アプリケーションサーバなどのアプリケーションサーバによって維持されてもよい。たとえば,MTCアプリケーションサーバは,UEのグループ情報を変更するか,UEを1つ又はいくつかのグループに加えるか,あるいはUEを1つ又はいくつかのグループから削除することができる。UEのグループ情報が変更されると,それに応じて,HSS上に記憶されている加入データも変更され,したがって,ネットワーク側がUEを管理する方法も変更する必要がある。
(中略)
SAEゲートウェイは,サービングゲートウェイ(Serving Gateway,略語はS-GW)及びパケットデータネットワークゲートウェイ(Packet Data Network Gateway,略語はP-GW)を含み,S-GWとP-GWは2つの論理エンティティであり,同じエンティティ上に存在してもあるいはいくつかの異なる物理的エンティティ上に存在してもよい。S-GWは主として,UEのIPアドレス及び経路情報のようなUEのユーザプレーンコンテキストを記憶し,パケットデータの正当な解釈及び経路指定を実行し,S-GWは,S11インターフェースを通じてMMEと通信し,UEのモビリティマネージメント情報及びセッション制御情報のような情報を交換する。P-GWは,UEがパケットデータネットワークにアクセスするためのユーザプレーンアンカーポイントの機能を実現し,SGi基準点を通じて外部パケットデータネットワークと通信する。P-GWは,各ユーザに基づくパケット経路指定及び転送,ポリシーアンドチャージング(policy and charging)拡張機能,ならびにパケットフィルタリングの各機能も実現する。P-GWは,S5インターフェースを通じてS-GWと通信し,ベアラ設定/修正/削除などの制御情報を送信し,パケットデータを経路指定する。
E-UTRANは複数のeNBを含む。eNBの主要機能は,UEとの無線接続を設定,維持,又は解除し,UEのコンテキスト情報を接続状態で記憶し,アクセス層(Access Stratum,略語はAS)信号を処理し,AS信号の安全を確保することである。)

2 「




」(第9頁第2行?同頁下から第2行)

(当審仮訳:
図3bは,図3aに示されているアプリケーションシナリオにおける共通ベアラの分類の概略図である。図3bに示されているように,図3aに示されているアプリケーションシナリオでは,MMEとeNBの間のインターフェースは,共通制御プレーンベアラ(CPベアラ)を通信に使用するS1インターフェースであり,S-GWとeNBの間のインターフェースは,共通ユーザプレーンベアラ(UPベアラ)を通信に使用するS1インターフェースであり,MMEとS-GWとの間のインターフェースは,共通制御プレーンベアラを通信に使用するS11インターフェースであり,S-GWとP-GWとの間のインターフェースは,共通制御プレーンベアラ又は共通ユーザプレーンベアラを通信に使用するS5/S8インターフェースである。それぞれの異なる送信方向に応じて,共通ユーザプレーンベアラを共通アップリンクユーザプレーンベアラと共通ダウンリンクユーザプレーンベアラに分類することもでき,すなわち,アップリンク通信及びダウンリンク通信をそれぞれ共通アップリンクユーザプレーンベアラ及び共通ダウンリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行することができる。
本発明におけるベアラ処理方法の技術的解決策について,以下に,図3a及び図3bにおける本発明の各実施形態のアプリケーションシナリオを参照して説明する。
図4a?図6bは,このグループに対応する共通ベアラが共通アップリンクユーザプレーンベアラであるときのベアラ処理方法の各実施形態を示している。このグループに属するデバイスが開始されるサービスを作成する必要があるとき,そのデバイスに関連するネットワークノードはまず,HSSによって取得されるデバイス加入データ又はデバイスから供給されるグループ情報に応じて,デバイスが属するグループ用に対応する共通ベアラがすでに作成されているかどうかを判定することができる。まだ作成されていない場合,このグループの対応する共通ベアラが作成され,共通ベアラがすでに作成されており,かつベアラがアクティブ状態である場合,このグループに属するデバイスは,この共通ベアラを直接使用してデータを送信することができ,共通ベアラがすでに作成されており,かつベアラがインアクティブ状態である場合,デバイスに関連するネットワークノードはまず共通ベアラをアクティブ状態にし,次いで共通ベアラを使用してこのグループに属するデバイスのデータを送信することができる。関連するネットワークノードが上位ノード及び下位ノードを有する場合,関連するネットワークノードは上位ベアラと下位ベアラとの間のマッピング関係を記憶する必要もある。以下に,アタッチ手順,PDNコネクティビティ手順,及び詳細なベアラ設定手順を例にとって詳細に説明する。
当業者には,以下の各実施形態におけるデバイスが,本発明の各実施形態のアプリケーションシナリオが例示されるときに述べられるUEであってよいことが理解されよう。)

3 「








」(第10頁下から第5行?第11頁下から第5行)

(当審仮訳:
ステップ44a: MMEは,記憶されているデバイス加入データ及び/又はデバイスによって伝達されるAPN情報に応じかつ負荷分散原則に従ってS-GW及びP-GWを選択し,選択されたS-GWにセッション作成要求(Create Session Request)メッセージを送信し,その場合,セッション作成要求メッセージは,このデバイスが属するグループのグループ識別子を伝達し,デバイス識別子,MMEの制御プレーントンネルエンドポイント識別子(Tunnel Endpoint Identifier,略語はTEID),P-GWアドレス,APN,デフォルトベアラ(Default Bearer)のサービス品質(Quality of Service,略語はQoS),及びベアラ識別子をさらに伝達してもよい。
ステップ45a: S-GWは,デバイスが属するグループのグループ識別子を含む,このグループに対応するベアラコンテキストを作成し,かつS-GWは,受信されたP-GW情報に応じて,選択されたP-GWにセッション作成要求メッセージを送信し,その場合,セッション作成要求メッセージは,デバイスが属するグループのグループ識別子,デバイス識別子,APN,S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWのダウンリンクユーザプレーンTEID,S-GWの制御プレーンTEID,デフォルトベアラのQoS,及びベアラ識別子のような情報を含む。
ステップ46a: P-GWは,このグループに対応するベアラコンテキストを作成し,その場合,作成されるベアラコンテキストは,デバイスが属するグループのグループ識別子と,図4aではUL TEIDによって表されているP-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEIDとを含む。P-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEIDは,デバイスが属するグループのグループ識別子に対応し,S-GWが同じグループに属する任意のデバイスのアップリンクデータを送信できるようにP-GWによって割り当てられるアップリンクユーザプレーンTEIDである。
P-GWはセッション作成応答(Create Session Response)メッセージをS-GWに返す。この場合,セッション作成応答メッセージは,P-GWのユーザプレーンアドレス,P-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEID,P-GWの制御プレーンTEID,ベアラ識別子,及びベアラQoSのような情報を伝達する。
ステップ47a: S-GWは,P-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEIDとS-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEIDとの間のマッピング関係を設定し,S-GW自体によってすでに作成されているベアラコンテキストにこのマッピング関係を記憶する。S-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEIDは,デバイスが属するグループのグループ識別子に対応し,eNBが同じグループに属する任意のデバイスのアップリンクデータを送信できるようにS-GWによって割り当てられるアップリンクユーザプレーンTEIDである。
S-GWは,MMEにセッション作成応答メッセージを送信し,その場合,セッション作成応答メッセージは,S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEID,S-GWの制御プレーンTEID,ベアラ識別子,及びベアラQoSのような情報を伝達する。)

4 「












」(第12頁下から第5行?第13頁下から第1行)

(当審仮訳:
ステップ44b: MMEが,デバイス関連加入データ又はデバイスから供給されたグループ情報に応じて,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されているかどうかを判定することができる。まだ作成されていない場合,図4aに示されている手順を使用することによって,このグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成することができ,すでに作成されている場合,MMEは,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たすかどうかを確認する。共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たさない場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータを修正する必要があり,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たす場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータを修正する必要はない。たとえば,MMEは以下のように動作する。
すなわち,MMEは,このグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類を確認し,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が保証伝送速度(Guaranteed Bit Rate,略語はGBR)ベアラである場合,現在のデバイスが必要とする実際のQoS要件に応じて共通アップリンクユーザプレーンベアラのQoSパラメータを更新するか,あるいは,
MMEは,P-GWによって記憶されており,かつTFTが図4bではUL TFTによって表されている,このグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラのアップリンクトラフィックフローテンプレート(トラフィックフローテンプレート,略語はTFT)の構成属性を確認し,P-GWによって記憶されている共通アップリンクユーザプレーンベアラのアップリンクTFTの構成属性が非スタティック構成である場合,このアップリンクTFTパラメータが更新され,更新済みアップリンクTFTは,現在のデバイスによって送信されたアップリンクパケットの宛先アドレスを識別することのできる新しいトラフィックフローテンプレートを含む。
MMEは,S-GWにベアラ修正コマンド(Modify Bearer Command)メッセージを送信し,その場合,ベアラ修正コマンドメッセージは,共通アップリンクユーザプレーンベアラの更新済みQoSパラメータ及び/又は更新済みアップリンクTFTパラメータのようなパラメータを含む共通アップリンクユーザプレーンベアラの対応する更新済み性能パラメータを伝達する。
このステップでは,MMEの確認結果が,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非GBRベアラであるという結果であり,かつ/あるいはP-GWによって記憶されている共通アップリンクユーザプレーンベアラのアップリンクTFTの構成属性がスタティック構成である場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータを修正する必要はない。
ステップ45b: S-GWは,ベアラ修正コマンドメッセージにおいて伝達されたパラメータに応じて,S-GW自体によって記憶されているベアラコンテキスト内の対応するパラメータ,たとえば,共通アップリンクユーザプレーンベアラの更新済みQoSパラメータ及び/又は更新済みアップリンクTFTパラメータを更新する。S-GWは,ベアラ修正コマンドメッセージをP-GWに送信し,その場合,ベアラ修正コマンドメッセージは,ベアラ識別子,共通アップリンクユーザプレーンベアラの更新済みQoSパラメータ,及び/又は更新済みアップリンクTFTパラメータなどを伝達する。このステップは任意である。
ステップ46b: P-GWは,ベアラ修正コマンドメッセージにおいて伝達されたパラメータに応じて,P-GW自体によって記憶されているベアラコンテキスト内の対応するパラメータ,たとえば,共通アップリンクユーザプレーンベアラの更新済みQoSパラメータ及び/又は更新済みアップリンクTFTパラメータを更新する。P-GWは,S-GWにベアラ修正応答メッセージを返す。このステップは任意である。
ステップ47b: S-GWは,MMEにベアラ修正応答メッセージを送信する。)

5 「






(中略)


」(第14頁下から第4行?第15頁下から第1行)

(当審仮訳:
図5a及び図5bは,あるグループに対応する共通ベアラが共通アップリンクユーザプレーンベアラであるときのパケットデータネットワーク(Packet Data Network,略語はPDN)コネクティビティ手順におけるベアラ処理手順を示している。
図5aは,本発明の第4の実施形態によるPDNコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成する方法の信号相互作用図である。この実施形態におけるアプリケーションシナリオでは,同じグループに属しかつ最初にPDNコネクティビティ手順を開始するデバイスが,PDNコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成し,ダウンリンクユーザプレーンベアラ及び制御プレーンベアラを作成する方法は限定されない。この実施形態では,デバイスが属するグループの共通アップリンクユーザプレーンベアラはまだ作成されていないと仮定する。図5aに示されているように,この実施形態におけるPDNコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成する方法は以下の各ステップを含む。
ステップ51a: デバイスが,MMEにPDNコネクティビティ要求(PDN Connectivity Request)メッセージを送信する。PDNコネクティビティ要求メッセージは,APNなどの情報を伝達し,任意にグループ識別子情報を伝達してもよい。
ステップ52a: MMEが,記憶されているデバイス加入データ及びデバイスによって伝達されたAPNに応じて,S-GWにセッション作成要求メッセージを送信し,その場合,セッション作成要求メッセージは,デバイス識別子,MMEの制御プレーンTEID,P-GWアドレス,APN,デフォルトベアラのQoS,及びグループ識別子のような情報を伝達する。
ステップ53a?55aについては,ステップ45a?47aと同様であるため,ここでは説明しない。
(中略)
この実施形態における上記の手順によって,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラをPDNコネクティビティ手順において作成することができ,このグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラが作成された後,同じグループに属する他のデバイスが共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータを送信することができる。)

6 「










(中略)


」(第16頁第1行?第17頁第8行)

(当審仮訳:
図5bは,本発明の第4の実施形態によるPDNコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用する方法の信号相互作用図である。図5aに示されているアプリケーションシナリオとは異なり,図5bに示されているアプリケーションシナリオは,同じグループに属するすべてのデバイスに存在するがPDNコネクティビティ手順を最初に開始するデバイスではないデバイスのPDNコネクティビティ手順であり,このグループに対応する作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが,PDNコネクティビティ手順において使用される。図5bに示されているように,この実施形態におけるPDNコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用する方法は以下の各ステップを含む。
ステップ51b: デバイスがMMEにPDNコネクティビティ要求メッセージを送信し,その場合,PDNコネクティビティ要求メッセージは,APNなどの情報を伝達し,任意にグループ識別子情報を伝達してもよい。
ステップ52b: MMEは,デバイス関連加入データ又はデバイスから供給されたグループ情報に応じて,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されているかどうかを判定することができる。まだ作成されていない場合,図5aに示されている手順を使用することによってこのグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成することができ,すでに作成されている場合,MMEは,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たすかどうかを確認する。共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たさない場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータを修正する必要があり,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たす場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータを修正する必要はない。
このステップにおいて共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たすかどうかをMMEによって確認するプロセスはステップ44bと同様であり,このプロセスについてここでは説明しない。
ステップ53b?55bについては,ステップ45b?47bと同様であるため,ここでは説明しない。
ステップ56b: MMEは,eNBにベアラ設定要求メッセージを送信し,その場合,ベアラ設定要求メッセージは,ベアラQoS,ベアラ識別子,S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEID,グループ識別子,及びPDNコネクティビティ許可メッセージのような情報を伝達し,PDNコネクティビティ許可メッセージはNASメッセージであってよい。
ステップ57b?511bについては,ステップ57a?511aと同様であるため,ここでは説明しない。
(中略)
上記の手順によって,この実施形態は,PDNコネクティビティ手順を新たに開始しかつ同じグループに属するデバイスが,デバイス用のアップリンクユーザプレーンベアラリソースを再作成せずに,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラリソース,たとえば,共通アップリンクユーザプレーンTEIDを使用するのを可能にし,したがって,同じグループに属するデバイスのアップリンクデータを送信するアップリンクベアラリソースのオーバヘッドがなくなる。また,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが非GBRベアラであるか,あるいはP-GW及びS-GWによって記憶されている共通アップリンクユーザプレーンベアラのアップリンクTFTの構成属性がスタティック構成である場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの修正手順を開始する必要がなく,したがって,シグナリングリソースのいくつかのオーバヘッドがなくなる。)

7「




(当審仮訳:


)

8「




(当審仮訳:


)

上記の記載,並びに当業者の技術常識を考慮すると,

(1) 「1」の「図3aは,本発明の一実施形態によるベアラ処理方法のアプリケーションシナリオにおけるLTE/SAEシステムの概略構造図である。」との記載によれば,引用例4には,LTE/SAEシステムにおいて用いられるベアラ処理方法が記載されているといえる。
更に,「2」の「本発明におけるベアラ処理方法の技術的解決策について,以下に,図3a及び図3bにおける本発明の各実施形態のアプリケーションシナリオを参照して説明する。」との記載,及び「6」の「図5bは,本発明の第4の実施形態によるPDNコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用する方法の信号相互作用図である。」との記載によれば,引用例4には,ベアラ処理方法の技術的解決策として,PDNコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用する方法が記載されているといえる。
したがって,引用例4には「LTE/SAEシステムで用いられるベアラ処理方法であり,パケットデータネットワークコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用する方法」が記載されていると認める。

(2) 「1」の「LTE/SAEシステムには主として,ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server,略語はHSS),モビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity,略語はMME),SAEゲートウェイ,Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(略語はE-UTRAN)におけるE-UTRAN NodeB(略語はeNB)などが含まれる。」,「SAEゲートウェイは,サービングゲートウェイ(Serving Gateway,略語はS-GW)及びパケットデータネットワークゲートウェイ(Packet Data Network Gateway,略語はP-GW)を含み」との記載によれば,LTE/SAEシステムは,MME,S-GW,P-GW,eNBを含むといえる。
また,「1」の「P-GWは,UEがパケットデータネットワークにアクセスするためのユーザプレーンアンカーポイントの機能を実現し,SGi基準点を通じて外部パケットデータネットワークと通信する。」との記載によれば,P-GWは,UEがパケットデータネットワークにアクセスするために外部パケットデータネットワークと通信するといえる。
更に,「2」の「アップリンク通信及びダウンリンク通信をそれぞれ共通アップリンクユーザプレーンベアラ及び共通ダウンリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行することができる。」との記載によれば,アップリンク通信が共通アップリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行されることが記載されているといえる。
したがって,引用例4には,「LTE/SAEシステムは,MME,S-GW,P-GW,eNBを含み,P-GWは,UEがパケットデータネットワークにアクセスするために外部パケットデータネットワークと通信し,
アップリンク通信が共通アップリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行され」ることが記載されていると認める。

(3) 「2」の「S-GWとeNBの間のインターフェースは,共通ユーザプレーンベアラ(UPベアラ)を通信に使用するS1インターフェースであり」,「アップリンク通信及びダウンリンク通信をそれぞれ共通アップリンクユーザプレーンベアラ及び共通ダウンリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行することができる。」との記載によれば,S-GWとeNBの間のインターフェースは,共通アップリンクユーザプレーンベアラをアップリンク通信に使用するS1インターフェースであることが記載されているといえる。
よって,引用例4には,「S-GWとeNBの間のインターフェースは,共通アップリンクユーザプレーンベアラをアップリンク通信に使用するS1インターフェースである」ことが記載されていると認める。

(4) 「2」の「当業者には,以下の各実施形態におけるデバイスが,本発明の各実施形態のアプリケーションシナリオが例示されるときに述べられるUEであってよいことが理解されよう。」との記載によれば,デバイスはUEであることが記載されているといえる。
また,「1」の「HSS上に記憶されるUEの加入データは,Machine Type Communication(略語はMTC)アプリケーションサーバなどのアプリケーションサーバによって維持されてもよい。」との記載によれば,UEの加入データはMTCアプリケーションサーバによって維持されるから,UEはMTC用の端末を含むといえる。そうすると,UEはMTC用の端末を含むものであるといえる。
したがって,引用例4には,「デバイスはUEであり,UEはMTC用の端末を含む」ことが記載されていると認める。

(5) 「2」の「デバイスが属するグループ用に対応する共通ベアラがすでに作成されているかどうかを判定することができる。まだ作成されていない場合,このグループの対応する共通ベアラが作成され,共通ベアラがすでに作成されており,かつベアラがアクティブ状態である場合,このグループに属するデバイスは,この共通ベアラを直接使用してデータを送信することができ,共通ベアラがすでに作成されており,かつベアラがインアクティブ状態である場合,デバイスに関連するネットワークノードはまず共通ベアラをアクティブ状態にし,次いで共通ベアラを使用してこのグループに属するデバイスのデータを送信することができる。」との記載,及び「6」の「このグループに対応する作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが,PDNコネクティビティ手順において使用される。」との記載によれば,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラは新たに作成されず,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが使用されるといえる。

また,「6」の「すでに作成されている場合,MMEは,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たすかどうかを確認する。」,「共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たす場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータを修正する必要はない。」との記載によれば,共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合であり,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たす場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータを修正する必要はないことが記載されているといえる。
更に,「6」の「このステップにおいて共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たすかどうかをMMEによって確認するプロセスはステップ44bと同様であり」との記載に関連して,「4」の「ステップ44b」に関する説明の「このステップでは,MMEの確認結果が,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非GBRベアラであるという結果であり,かつ/あるいはP-GWによって記憶されている共通アップリンクユーザプレーンベアラのアップリンクTFTの構成属性がスタティック構成である場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータを修正する必要はない。」との記載によれば,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非GBRベアラである場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータは修正されないことが記載されているといえる。ここで,「4」の「MMEは,このグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類を確認し,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が保証伝送速度(Guaranteed Bit Rate,略語はGBR)ベアラである場合」との記載から,非GBRベアラとは,非保証伝送速度ベアラのことである。

よって,引用例4には,「共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラは新たに作成されず,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが使用され,更に,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非保証伝送速度(GBR)ベアラである場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータは修正されない」ことが記載されていると認める。

ここで,「6」の「まだ作成されていない場合,図5aに示されている手順を使用することによってこのグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成することができ」との記載から,図5aの「52a」,「53a」,「54a」,「55a」は,S-GW及びP-GWが,グループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成するための処理であるといえ,このことは「5」の「ステップ52a」に関する説明,「5」の「ステップ53a?55aについては,ステップ45a?47aと同様である」との記載,及び「3」の「ステップ45a」,「ステップ46a」,「ステップ47a」に関する説明と整合する。そして,共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラは新たに作成されないから,S-GW及びP-GWは,上述した共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成するための処理を行わないことは自明である。

また,図5bの「52b」,「53b」,「54b」,「55b」から,S-GWとP-GWがベアラを修正するための処理を行うことがみてとれ,このことは,「6」の「ステップ52b」に関する説明の「このステップにおいて共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータがデバイスのサービス要件を満たすかどうかをMMEによって確認するプロセスはステップ44bと同様であり」との記載,及び「4」の「ステップ44b」に関する説明,並びに「6」の「ステップ53b?55bについては,ステップ45b?47bと同様である」との記載,及び「4」の「ステップ45b」,「ステップ46b」,「ステップ47b」に関する説明とも整合する。そして,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータが修正されない場合,S-GW及びP-GWは,上述した共通アップリンクユーザプレーンベアラを修正するための処理を行わないことは自明である。

そうすると,引用例4には,共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合であり,更に,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非保証伝送速度(GBR)ベアラである場合,「S-GW及びP-GWは,共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成又は修正するための処理を行わない」ことが記載されていると認める。

したがって,引用例4には,「共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラは新たに作成されず,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが使用され,更に,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非保証伝送速度(GBR)ベアラである場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータは修正されない,その場合,S-GW及びP-GWは,共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成又は修正するための処理を行わない」ことが記載されていると認める。

(6) 「6」の「ステップ51b: デバイスがMMEにPDNコネクティビティ要求メッセージを送信し,その場合,PDNコネクティビティ要求メッセージは,APNなどの情報を伝達し,任意にグループ識別子情報を伝達してもよい。」との記載によれば,デバイスはMMEにパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信し,パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージはグループ識別子情報を伝達することが記載されているといえる。
したがって,引用例4には,「デバイスはMMEにパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信し,パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージはグループ識別子情報を伝達する」ことが記載されていると認める。

(7) 「6」の「ステップ52b: MMEは,デバイス関連加入データ又はデバイスから供給されたグループ情報に応じて,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されているかどうかを判定することができる。」との記載について,「6」の「ステップ51b: デバイスがMMEにPDNコネクティビティ要求メッセージを送信し,その場合,PDNコネクティビティ要求メッセージは,APNなどの情報を伝達し,任意にグループ識別子情報を伝達してもよい。」との記載によれば,「ステップ52b」の説明に記載されている,「デバイスから供給されたグループ情報」とは,デバイスから供給(伝達)されたグループ識別子情報であることは明らかであるから,MMEは,デバイスから供給されたグループ識別子情報に応じて,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されているかどうかを判定しているといえる。
また,「6」の「ステップ56b: MMEは,eNBにベアラ設定要求メッセージを送信し,その場合,ベアラ設定要求メッセージは,ベアラQoS,ベアラ識別子,S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEID,グループ識別子,及びPDNコネクティビティ許可メッセージのような情報を伝達し」との記載によれば,MMEは,eNBにベアラ設定要求メッセージを送信し,ベアラ設定要求メッセージは,S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWの共通アップリンクユーザプレーンTEID,グループ識別子を伝達するといえる。ここで,「3」の「…MMEの制御プレーントンネルエンドポイント識別子(Tunnel Endpoint Identifier,略語はTEID)…」との記載から,TEIDがトンネルエンドポイント識別子の略語であることは明らかである。
したがって,引用例4には,「MMEは,デバイスから供給されたグループ識別子情報に応じて,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されているかどうかを判定し,eNBにベアラ設定要求メッセージを送信し,ベアラ設定要求メッセージは,S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWの共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子,グループ識別子を伝達する」ことが記載されていると認める。

(8) 「6」の「上記の手順によって,この実施形態は,PDNコネクティビティ手順を新たに開始しかつ同じグループに属するデバイスが,デバイス用のアップリンクユーザプレーンベアラリソースを再作成せずに,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラリソース,たとえば,共通アップリンクユーザプレーンTEIDを使用するのを可能にし」との記載から,共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子を含む作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラリソースを使用することが記載されているといえる。
更に,「5」の「このグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラが作成された後,同じグループに属する他のデバイスが共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータを送信することができる。」との記載から,共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータが送信されることが記載されているといえる。
したがって,引用例4には,「共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子を含む作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラリソースを使用し,共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータが送信される」ことが記載されていると認める。

以上を総合すると,引用例4には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「 LTE/SAEシステムで用いられるベアラ処理方法であり,パケットデータネットワークコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用する方法であって,
LTE/SAEシステムは,MME,S-GW,P-GW,eNBを含み,P-GWは,UEがパケットデータネットワークにアクセスするために外部パケットデータネットワークと通信し,
アップリンク通信が共通アップリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行され,
ここで,S-GWとeNBの間のインターフェースは,共通アップリンクユーザプレーンベアラをアップリンク通信に使用するS1インターフェースであり,
更に,デバイスはUEであり,UEはMTC用の端末を含み,
共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラは新たに作成されず,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが使用され,更に,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非保証伝送速度(GBR)ベアラである場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータは修正されない,その場合,S-GW及びP-GWは,共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成又は修正するための処理を行わず,
デバイスはMMEにパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信し,パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージはグループ識別子情報を伝達し,
MMEは,デバイスから供給されたグループ識別子情報に応じて,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されているかどうかを判定し,eNBにベアラ設定要求メッセージを送信し,ベアラ設定要求メッセージは,S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWの共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子,グループ識別子を伝達し,
共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子を含む作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラリソースを使用し,共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータが送信される,
方法。」

[技術常識]
電子情報通信分野の用語を解説した書籍である,社団法人 電子情報通信学会 ハンドブック委員会編,「電子情報通信ハンドブック 第2分冊」,株式会社 オーム社,平成9年5月30日第1版発行には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

1 「 2・2 基本構成要素
a. 層およびプロトコル 階層化された各層は,物理媒体に近いほう(下位)から順番に,1, 2,…, N, N+1,…と番号が与えられ,番号Nの層を層と呼ぶ.
(中略)
b. エンティティ 層のプロトコルを実行する主体はエンティティ(entity)と呼ばれ,層に一つ以上存在する.
(中略)
c. サービス 層が層に提供する能力をサービス(service)と呼ぶ.
(中略)
エンティティがサービスをエンティティに提供する点をサービスアクセス点(service-access-point)と呼ぶ.
(中略)
d. コネクション エンティティ間に層によって確立される論理的な通信路をコネクションと呼ぶ.コネクションは,サービスアクセス点を相互に結びつけることによって,エンティティ間でデータ転送を可能とする(図8).
(中略)
エンティティ間のデータ転送の方式には,上述のようにサービスアクセス点間にコネクションを確立して行うコネクション形伝送(connection-mode transmission)と確立せずに行うコネクションレス形伝送(connectionless-mode transmission)とがある.コネクション型伝送では,同位エンティティ間で転送するデータの特性をコネクション設定時に動的に折衝し同意する.コネクションレス形伝送では,データの特性をあらかじめ同意しておき,通信の際に動的に変更することはない.」(第1889頁右欄下から第12行?第1891頁左欄第18行)

上記[技術常識]「1」の記載からも明らかなように,「コネクションレス形伝送は,エンティティ間の論理的通信路を確立せずにデータ転送を行い,データの特性をあらかじめ同意しておき,通信の際に動的に変更することはない。」ことは技術常識と認める。

第5 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると,

1 引用発明の「LTE/SAEシステム」が,パケットを扱うことができモバイル端末と通信可能なネットワークを有するシステムであることは明らかである。
更に,引用発明は,「アップリンク通信が共通アップリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行され」るものであるところ,引用発明の「eNB」は,アップリンク通信において「S-GW」を介して「P-GW」にデータを送信していることは明らかであり,また「共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用する方法」が,データを送信するための方法であることは自明である。
よって,引用発明の「LTE/SAEシステムで用いられるベアラ処理方法であり,パケットデータネットワークコネクティビティ手順において共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用する方法」は,本願発明と同様に「パケット・モバイル・ネットワークにおけるデータ送信のための方法」である。

2 引用発明の「UE」,「外部パケットデータネットワーク」は,本願発明の「ユーザ機器」,「外部パケット・データ・ネットワーク」に相当する。
また,引用発明の「パケットデータネットワークコネクティビティ手順」とは,「LTE/SAEシステム」において用いられるパケットデータネットワーク接続性(コネクティビティ)の手順であり,「P-GW」が「UEがパケットデータネットワークにアクセスするために外部パケットデータネットワークと通信」するために用いられる手順であることは明らかである。
してみると,引用発明の「LTE/SAEシステム」において用いられる「パケットデータネットワークコネクティビティ手順」,及び「P-GWは,UEがパケットデータネットワークにアクセスするために外部パケットデータネットワークと通信し」より,本願発明と引用発明とでは「ユーザ機器と外部パケット・データ・ネットワークとの間の前記パケット・モバイル・ネットワーク上のパケット・データ・ネットワーク接続性のためのものであり」との点で共通する。

3 引用発明の「eNB」が,無線アクセスネットワークの一種であるE-UTRANを形成するものであることは技術常識である。そして,「LTE/SAEシステム」に含まれる,MME,S-GWがE-UTRANによってアクセスされるコアネットワークを形成するノードであることは自明である。
よって,引用発明の「LTE/SAEシステムは,MME,S-GW,P-GW,eNBを含み」は,本願発明の「前記パケット・モバイル・ネットワークは,無線アクセス・ネットワークによってアクセスされるコア・ネットワークを備えており」との点で共通する。

4 引用発明において「UE」と「eNB」が通信することは自明であり,UEと通信するeNBはサービングeNBであるから,引用発明の「UE」と通信する「eNB」は本願発明の「サービング無線アクセス・ネットワークノード」に相当する。
また,本願発明の「サービング・ユーザ・プレーン・コア・ネットワークノード」がeNBと通信するS-GWを含むことは明らかであり,このことは本願明細書【0069】の「RANノードとインターフェースするユーザ・プレーンCNノード(EPCについてのSGWやGPRS/UMTS CNについてのSGSN など)」との記載とも整合する。してみると,引用発明の「eNB」と「アップリンク通信」を実行する「S-GW」は,本願発明の「サービング・ユーザ・プレーン・コア・ネットワークノード」に相当する。
そして,引用発明において,「S-GWとeNBの間のインターフェースは,共通アップリンクユーザプレーンベアラをアップリンク通信に使用するS1インターフェース」であるところ,引用発明の「共通アップリンクユーザプレーンベアラリソース」には,「共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子」が含まれているから,引用発明の「S-GWとeNBの間」の「S1インターフェース」での「アップリンク通信」において,共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子によって定義されるトンネルが用いられることは明らかである。
よって,引用発明の「S-GWとeNBの間のインターフェースは,共通アップリンクユーザプレーンベアラをアップリンク通信に使用するS1インターフェースであり」,及び「共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子を含む作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラリソースを使用し」は,本願発明の「前記データ送信は,サービング無線アクセス・ネットワークノードと,サービング・ユーザ・プレーン・コア・ネットワークノードとの間のインターフェース上のトンネルを使用しており」との点で共通する。

5 上記「第4」の[技術常識]の項中で述べたとおり,「コネクションレス形伝送は,エンティティ間の論理的通信路を確立せずにデータ転送を行い,データの特性をあらかじめ同意しておき,通信の際に動的に変更することはない。」ことが技術常識であるところ,引用発明は,「共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラは新たに作成されず,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが使用され,更に,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非保証伝送速度(GBR)ベアラである場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータは修正されない,その場合,S-GW及びP-GWは,共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成又は修正するための処理を行わず」との事項を含むから,引用発明の「アップリンク通信が共通アップリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行され」る際に,「S-GW及びP-GW」は,共通アップリンクユーザプレーンベアラ,すなわち論理的通信路を確立(作成)せずにデータ転送を行い,データの特性をあらかじめ同意しておき,通信の際に動的に変更するものではない。
そうすると,引用発明の「アップリンク通信が共通アップリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行され」ることは,「コネクションレス形伝送」でアップリンク通信することといえ,また,引用発明は,コネクションレス形伝送でアップリンク通信する動作,すなわち「コネクションレス型送信モードと称されるモード」を備えるものといえる。
よって,引用発明の「アップリンク通信が共通アップリンクユーザプレーンベアラを通じてP-GWとS-GWとの間及びS-GWとeNBとの間で実行され」,及び「共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラは新たに作成されず,作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラが使用され,更に,共通アップリンクユーザプレーンベアラの種類が非保証伝送速度(GBR)ベアラである場合,共通アップリンクユーザプレーンベアラの性能パラメータは修正されない,その場合,S-GW及びP-GWは,共通アップリンクユーザプレーンベアラを作成又は修正するための処理を行わず」は,本願発明の「前記方法は,
コネクションレス型送信モードと称されるモードにおける前記データ送信を含んでおり」との点で共通する。

6 引用発明の「ベアラ設定要求メッセージ」に関して,引用発明の「S-GWのユーザプレーンアドレス」,「S-GWの共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子」が,「eNB」と「S-GW」との間のインターフェース上で行われるアップリンク通信に用いられるトンネルを定義するための情報であることは自明である。そして,「グループ識別子」は,ベアラの経路,すなわちトンネルを設定するためのメッセージである「ベアラ設定要求メッセージ」に含まれるものであるから,「S-GWのユーザプレーンアドレス」,「S-GWの共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子」と同様にトンネルを定義するための情報であることは明らかである。また,「共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されている場合」,「S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWの共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子,グループ識別子」の情報により,トンネルがすでに作成されている,すなわち,あらかじめ定義されていることは自明である。
また,引用発明は,「MMEは,デバイスから供給されたグループ識別子情報に応じて,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されているかどうかを判定」することを含むから,引用発明の「MME」が「デバイスから供給されたグループ識別子」によって,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラの経路,すなわちトンネルを識別し,識別されたトンネルがすでに作成されているかどうかを判定していることは明らかである。
そして,トンネルを定義,識別するために用いられるグループ識別子のことを接続IDと称するのは任意である。
そうすると,本願発明の「前記インターフェース上の前記トンネルは,接続ID情報と称される情報を使用してあらかじめ定義され,且つアイドル状態からアクティブ状態への遷移期間において識別され」と,引用発明の「MMEは,デバイスから供給されたグループ識別子情報に応じて,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラがすでに作成されているかどうかを判定し,eNBにベアラ設定要求メッセージを送信し,ベアラ設定要求メッセージは,S-GWのユーザプレーンアドレス,S-GWの共通アップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子,グループ識別子を伝達し」は,「前記インターフェース上の前記トンネルは,接続ID情報と称される情報を使用してあらかじめ定義され,且つ識別され」る点で共通する。

7 引用発明は,「デバイスはUEであり,UEはMTC用の端末を含」み,「デバイスはMMEにパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信し,パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージはグループ識別子情報を伝達」するものであるから,「UE」であるところの「デバイス」が,「パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージ」を送信する時点で,「デバイス」は「グループ識別子情報」を有している。また,「パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージ」は,パケットデータネットワークへアップリンク通信を行うために送信されるから,「共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータが送信される」ことは,「パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージ」を送信した後に行われる。してみると,引用発明において,「共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータが送信される」時点で「デバイス」が「グループ識別子情報」を有していることは自明である。
また,「共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータ」を送信する際に,「eNB」に対して「デバイス」が,アップリンク・パケットを送信していることは明らかである。また,「5」の検討から,「作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラリソースを使用し,共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータが送信される」ことは,コネクションレス型でデータを送信することといえる。
よって,引用発明の「デバイスはUEであり,UEはMTC用の端末を含み」,「デバイスはMMEにパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信し,パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージはグループ識別子情報を伝達し」,及び「作成済みの共通アップリンクユーザプレーンベアラリソースを使用し,共通アップリンクユーザプレーンベアラを使用してアップリンクデータが送信される」は,本願発明の「前記コネクションレス型送信モードにおいて,前記サービング無線アクセス・ネットワークノードに対して前記ユーザ機器がアップリンク・パケットを送信する際に,前記ユーザ機器が前記接続ID情報を有する」に相当する。

以上を総合すると,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。

(一致点)
「 パケット・モバイル・ネットワークにおけるデータ送信のための方法であって,
ユーザ機器と外部パケット・データ・ネットワークとの間の前記パケット・モバイル・ネットワーク上のパケット・データ・ネットワーク接続性のためのものであり,
前記パケット・モバイル・ネットワークは,無線アクセス・ネットワークによってアクセスされるコア・ネットワークを備えており,
前記データ送信は,サービング無線アクセス・ネットワークノードと,サービング・ユーザ・プレーン・コア・ネットワークノードとの間のインターフェース上のトンネルを使用しており,
前記方法は,
コネクションレス型送信モードと称されるモードにおける前記データ送信を含んでおり,
前記インターフェース上の前記トンネルは,接続ID情報と称される情報を使用してあらかじめ定義され,且つ識別され,
前記コネクションレス型送信モードにおいて,前記サービング無線アクセス・ネットワークノードに対して前記ユーザ機器がアップリンク・パケットを送信する際に,前記ユーザ機器が前記接続ID情報を有する,
方法。」

(相違点)
「前記インターフェース上の前記トンネル」について,本願発明は「アイドル状態からアクティブ状態への遷移期間において識別され」るものであるのに対して,引用発明はそのような特定がされていない点。

上記の相違点について検討する。

「第5 対比・判断」の「6」で述べたとおり,引用発明の「MME」が「デバイスから供給されたグループ識別子情報」によって,デバイスが属するグループに対応する共通アップリンクユーザプレーンベアラの経路,すなわちトンネルを識別し,識別されたトンネルがすでに作成されているかどうかを判定していることは明らかである。そして,引用発明は「デバイスはMMEにパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信し,パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージはグループ識別子情報を伝達」するものだから,「MME」は,デバイスが送信するパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージによりグループ識別子情報を伝達され,トンネルを識別する。
ここで,引用発明は,デバイスが,アイドル状態からアクティブ状態への遷移期間において,パケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信することは特定されていないが,データの送受信等の処理を行わない時間帯にMTC用の端末がアイドル状態へ遷移し,データの送受信等の処理を行う時間帯にMTC用の端末がアクティブ状態に遷移することは常套的に用いられている手法である。更に,アイドル状態の端末がアップリンクデータの送信を開始するにあたり,端末の状態がアイドル状態からアクティブ状態へ遷移し,ネットワークにパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信することは,当業者にとって自明の事項である。
そうすると,引用発明において,MTC用の端末が,アップリンクデータを送信するためにアイドル状態からアクティブ状態に遷移し,当該遷移する期間においてアップリンクデータの送信を開始するためにパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージを送信すること,及びパケットデータネットワークコネクティビティ要求メッセージが送信された時点,すなわちMTC用の端末が,アップリンクデータを送信するためにアイドル状態からアクティブ状態に遷移する期間において,共通アップリンクユーザプレーンベアラの経路,すなわちトンネルがMMEによって識別されるようにすることは,引用発明において当然に想定される処理である。
よって,引用発明において,相違点に係る構成を採用することは,当業者が容易に想到しうることである。

そして,本願発明の作用効果も,引用発明に基づいて当業者が予測し得る範囲のものであり,格別なものではない。
したがって,本願発明は,引用例4に記載された発明に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

第6 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用例4に記載された発明に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。
したがって,本願は,他の請求項について検討するまでもなく,拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

 
別掲
 
審理終結日 2020-07-29 
結審通知日 2020-07-30 
審決日 2020-08-18 
出願番号 特願2016-238448(P2016-238448)
審決分類 P 1 8・ 537- WZ (H04W)
P 1 8・ 121- WZ (H04W)
P 1 8・ 161- WZ (H04W)
P 1 8・ 536- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 望月 章俊  
特許庁審判長 岩間 直純
特許庁審判官 相澤 祐介
本郷 彰
発明の名称 パケット・モバイル・ネットワークにおけるデータ送信のサポート  
代理人 岡部 讓  
代理人 吉澤 弘司  

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