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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1371160
審判番号 不服2020-304  
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-01-09 
確定日 2021-03-02 
事件の表示 特願2017-141288「携帯端末」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月 7日出願公開、特開2019- 21215、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成29年7月20日の出願であって、令和元年8月29日付けの拒絶理由に対し、同年9月5日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年11月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対して令和2年1月9日に拒絶査定不服の審判請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の理由の概要

原査定(令和元年11月6日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

●理由1(新規性)、理由2(進歩性)について
・請求項 1、5
・引用文献等 1

・請求項 1、3
・引用文献等 2

●理由2(進歩性)について
・請求項 2-3
・引用文献等 1

・請求項 2
・引用文献等 2、1

・請求項 4-6
・引用文献等 1-3

<引用文献等一覧>
1.特開2010-277508号公報
2.特開2009-282761号公報
3.特開2011-107824号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明

本願の請求項1-6に係る発明は、令和2年1月9日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり、本願の請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
盛上り部を有し、所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部と、
端末本体の第1の面側に位置するように且つ前記盛上り部における斜面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが前記グリップ部を把握した手の示指によって操作可能な第1スイッチ部と、
前記第1の面に対して反対側に位置する前記端末本体の第2の面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが把握した手の母指によって操作可能な第2スイッチ部と、
を備え、
前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記第2スイッチ部よりも前記第1スイッチ部の方が大きくなるように設定されており、
前記第1スイッチ部における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記端末本体の側面から少なくとも被押圧部が露出するように前記端末本体の両側に設けられた側面スイッチ部を備え、
前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記側面スイッチ部よりも前記第1スイッチ部の方が大きくなるように設定されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
端末本体の表面から少なくとも被押圧部が露出するように、前記端末本体の表面に複数の表面スイッチ部が設けられた携帯端末であって、
ユーザが一方の手の母指を当該端末本体の表面に被せ当該端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで当該端末本体の裏面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部と、
前記裏面に設けられた盛上り部の斜面から被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様のときに前記一方の手の示指によって操作可能な下面スイッチ部と、
を備え、
前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記複数の表面スイッチ部のそれぞれよりも前記下面スイッチ部の方が大きくなるように設定されており、
前記下面スイッチ部における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項1?請求項3のいずれかに記載の携帯端末において、
前記被押圧部に対して必要な操作荷重を前記スイッチ部間で異ならせることにより、前記必要な操作力感が前記スイッチ部間で異なるように構成されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項1?請求項4のいずれかに記載の携帯端末において、
前記被押圧部に対して必要な操作ストロークを前記スイッチ部間で異ならせることにより、前記必要な操作力感が前記スイッチ部間で異なるように構成されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
請求項1?請求項5のいずれかに記載の携帯端末において、
前記被押圧部が押圧された際のクリック感を前記スイッチ部間で異ならせることにより、前記必要な操作力感が前記スイッチ部間で異なるように構成されている、
ことを特徴とする携帯端末。」

第4 引用文献

1.引用文献1、引用発明1
(1)原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。以下、同様。)

「【0016】
図2?図5は、操作デバイス10の外観を示す図であって、図2は操作デバイス10の正面図、図3は正面側から見た斜視図、図4は背面側から見た斜視図、図5は右側面図である。また、図6は操作デバイス10を図2におけるVI-VI線で切断した様子を示す断面図である。これらの図に示されるように、操作デバイス10は、本体部11及び発光部12を備え、本体部11の表面には複数のボタンが設けられている。ユーザは、本体部11を把持して、各ボタンを指で押下する操作入力を行う。これらのボタンについては、後に詳しく説明する。
【0017】
本体部11は、全体として円柱状に形成されており、その一端に発光部12が取り付けられている。本体部11を構成する円柱の側面は、長手方向の中心部近傍に近づくにつれて内側に向かって緩やかに湾曲している。これにより、本体部11の中心近傍の部分は、両端部分と比較して細くなっている。逆に本体部11の両端には、中心近傍の部分より外側に突出した張り出し部11a及び11bがそれぞれ形成されている。」

「【0021】
本体部11の筐体表面には、メインボタン13、アナログボタン15、補助ボタン16a?16d、スタートボタン17、セレクトボタン18、及び電源ボタン19が配置されている。以下、これらのボタンの配置について、説明する。
【0022】
メインボタン13は、操作デバイス10の正面側において、ユーザが操作デバイス10を手で把持する際に親指を置く位置に配置されている。さらに、メインボタン13は、本体部11の正面に形成された凹部14の底面内に配置されており、その上面は、凹部14の側面を形成する縁部14aに隣接している。すなわち、メインボタン13の上面は、隣接する縁部14aと連続するように形成されており、凹部14の周囲の本体部11表面より凹んだ位置にある。本実施形態では、このメインボタン13が第1ボタンに相当する。メインボタン13には、特にユーザが頻繁に利用すると想定される指示内容に応じた機能が割り当てられる。具体的には、例えばユーザがそれまで行った指示の内容を確定させる確定指示等である。
【0023】
凹部14は、操作デバイス10正面から見て、四隅が丸くなった略矩形の形状をしており、その長手方向(すなわち矩形の長辺方向)が操作デバイス10の長手方向と一致してる。また、矩形の短辺は人の親指の幅に応じた長さになっており、凹部14内に親指を置きやすいようになっている。凹部14の側面は、すり鉢状に凹部14の外側に向けて傾斜した斜面になっていてもよい。
【0024】
なお、メインボタン13を含む各ボタンは、電源ボタン19を除いて、本体部11の側面のうち、凹部14の上端(発光部12側の端)の高さから下端(底面側の端)の高さまでの範囲を占める筒状の領域内に配置されている。ユーザは、本体部11の中心近傍の細くなった部分を、主として手のひらと中指、薬指、及び小指によって把持する。そして、親指及び人差し指で、この中心近傍の部分と発光部12の間の筒状の領域に配置された各ボタンを操作する。
【0025】
アナログボタン15は、操作デバイス10の背面側(すなわち、メインボタン13が配置されている側と反対側)に、メインボタン13と対向するように配置されている。ユーザは、前述したように本体部11の中心近傍の部分を把持して、メインボタン13に親指を乗せるとともに、人差し指をこのアナログボタン15に乗せる。このとき、親指と人差し指とは本体部11を挟んで互いに向き合う状態になる。そして、ユーザは、親指でメインボタン13を、人差し指でアナログボタン15を、それぞれ押下することによって操作入力を行う。本実施形態では、このアナログボタン15が第2ボタンに相当する。
【0026】
さらに、アナログボタン15は、単にユーザがボタンを押しているか押していないかを示す二値の情報を出力するのではなく、ユーザがどの程度の量だけ当該ボタンを押し込んでいるかを検知し、この押し込み量を示す情報を出力可能になっている。これにより、ユーザは、アナログボタン15を浅く押さえたり深く押し込んだりすることによって、量的な情報を入力することができる。なお、このような押し込み量に応じた操作入力を可能とするために、アナログボタン15は、メインボタン13と比較して可動範囲が大きくなっており、最後まで押し込むためにはメインボタン13より大きなストローク量が必要になっている。
【0027】
ユーザがメインボタン13に親指を乗せて操作デバイス10を把持する場合、仮にメインボタン13が本体部11の表面から突出していたとすると、ユーザは意図せずに誤ってメインボタン13を親指で押してしまう可能性が高くなる。特に本実施形態では、前述の通りユーザは発光部12が発光した状態で操作デバイス10そのものを動かすことによって操作入力を行う場合がある。そのため、このような操作を行う際に、誤ってメインボタン13を押してしまうおそれがある。また、前述の通り、本体部11を把持する際に、ユーザの親指と人差し指は互いに向き合うように本体部11の表面に置かれる。そして、本実施形態では、人差し指が置かれる位置にもボタン(アナログボタン15)が設けられている。しかも、このアナログボタン15は、前述の通り押し込み量に応じた操作入力を行うためのデバイスなので、常に軽い力だけで操作することはできず、強い力で押下したい場合もある。そのため、ユーザがアナログボタン15を操作しようとすると、無意識に親指にも力を入れてしまい、メインボタン13を誤って押してしまうおそれがある。
【0028】
そこで本実施形態では、前述したように、凹部14の底面内に、上面が縁部14aと隣接するようにメインボタン13を配置している。ユーザが操作デバイス10を把持する際には、親指を縁部14aにかけるようにして、メインボタン13と縁部14aとが隣接する箇所にまたがって親指を乗せる。図7は、このようにしてユーザが本体部11を把持している様子を示す図である。このように本体部11を把持することにより、ユーザは、アナログボタン15を押下する際には、縁部14a側に向けて親指に力を入れることで、メインボタン13を誤って操作することなくアナログボタン15を任意の力加減で操作することができる。また、メインボタン13上に親指が置かれているので、メインボタン13を操作するときには指を大きく移動させる必要がない。
【0029】
特に、ユーザが凹部14の長手方向に沿って親指を置く場合、メインボタン13を操作する際の親指の動きもこの長手方向に沿ったものになるので、凹部14の側面のうち、凹部14の長手方向に向けられた面(すなわち、矩形の短辺に沿った面)が、ユーザの親指が乗せられる縁部14aとして機能する。なお、前述したように縁部14aが凹部14の外側に向けて開いた斜面になっていれば、ユーザは縁部14a及びメインボタン13上に指を乗せやすくなる。また、本実施形態ではメインボタン13の上面と縁部14aとは連続的に形成されているが、ユーザがメインボタン13から縁部14aにまたがって親指を乗せられる程度に両者が隣接していれば、両者の間に隙間があってもよい。
【0030】
凹部14の周囲には、メインボタン13を取り囲むように4個の補助ボタン16a?16dが配置されている。具体的に、これらの補助ボタン16a?16dは、例えばゲームアプリケーションプログラム等のアプリケーションプログラム実行中に、メインボタン13とともに各種の操作入力に用いられる。これらの補助ボタン16a?16dは、いずれも、矩形状に形成された凹部14に対して、その長手方向のいずれかの端に対応する位置に配置されている。具体的に、補助ボタン16a及び16bは、凹部14の上端(発光部12側の端)から、左右方向(すなわち凹部14の長手方向と略直交する方向)にずれた位置に配置されている。同様に、補助ボタン16c及び16dは、凹部14の下端(底面側の端)から左右方向にずれた位置に配置されている。ユーザは、凹部14内に置いた親指で縁部14aを触ることで凹部14の長手方向の両端の位置が分かるので、これら凹部14の両端のいずれかの位置から親指を自分が操作しようとする補助ボタンがある位置まで横方向にずらすことによって、操作デバイス10を実際に目で見て確認せずとも、容易に当該補助ボタンに親指を移動させて操作することができる。すなわち、縁部14aは、前述したようにメインボタン13とともに親指が乗せられることでメインボタン13に対するユーザの誤操作を防ぐ役割を果たすとともに、ユーザが各補助ボタンを探す際のガイド部としても機能することになる。特に、ユーザが凹部14の長手方向に沿って親指をずらした場合、凹部14の側面のうち、凹部14の長手方向に向けられた面(すなわち、矩形の短辺に沿った面)に触れることで、ユーザは凹部14の両端の位置を把握することができる。そのため、このような向きに形成された凹部14の側面が、各補助ボタンの位置を把握するためのガイド部として機能する。
【0031】
なお、凹部14の下端(ユーザが把持する部分に近い側の端)に対応する位置に配置された補助ボタン16c及び16dは、ユーザが把持する部分から遠い側の端に対応する位置に配置された補助ボタン16a及び16bに対して、凹部14から比較的近い位置に配置されている。これにより、ユーザは、例えば補助ボタン16aを操作するときも補助ボタン16cを操作するときも、メインボタン13から同程度親指を傾けることでこれらのボタンを操作することができる。
【0032】
スタートボタン17及びセレクトボタン18は、例えばゲームアプリケーションプログラムを実行する際に、ゲームの開始や選択、一時停止等を行うために用いられる。そのため、これらのボタンは、一般的にゲームの実行中に頻繁に利用されることはない。そこで、本実施形態では、これら2個のボタンは、それぞれ本体部11の右側面又は左側面に配置されている。すなわち、スタートボタン17及びセレクトボタン18は、本体部11の長手方向と交差する断面上において、メインボタン13及びアナログボタン15を結ぶ線と略直交する線上に、互いに対向するように配置されている。これにより、メインボタン13及びアナログボタン15の位置に指を置いてユーザが操作デバイス10を把持した場合に、スタートボタン17及びセレクトボタン18の位置はユーザの指が置かれた位置から離れた位置に存在することになるので、アプリケーションプログラムの実行中にユーザが誤ってスタートボタン17やセレクトボタン18を押してしまうおそれが少なくなる。
【0033】
また、スタートボタン17及びセレクトボタン18の上端は、いずれもメインボタン13及びアナログボタン15の上端と高さが略一致している。これにより、ボタンが配置された筒状の領域の上端に沿って、メインボタン13、アナログボタン15、補助ボタン16a及び16b、スタートボタン17、並びにセレクトボタン18の上端が略直線状に並んでいる。そのため、ユーザは、本体部11を手のひらの上で回転させたり、あるいは親指や人差し指を大きく動かしたりすることで、補助ボタン16aや16bの場合と同様に、直接目でボタンの位置を確かめなくともスタートボタン17やセレクトボタン18を操作できる。
【0034】
電源ボタン19は、本体部11の正面のうち、メインボタン13が配置された位置よりも下方に配置されている。この電源ボタン19は、操作デバイス10の電源をオンにしてその動作を開始させたり、電源をオフにしてその動作を終了させたりするために用いられる。すなわち、他のボタンと異なり、電源ボタン19は、アプリケーションプログラム等の実行中には操作されることがない。」

「【0036】
なお、前述したように本体部11はその中央近傍が内側に向かって湾曲しており、両端に張り出し部11a及び11bが形成されている。そのため、操作デバイス10を横向きに床面に置いたときには、この張り出し部11a及び11bの箇所が床面に接し、その間の部分は直接床面には触れないようになっている。さらに、アナログボタン15や補助ボタン16a?16d等は、張り出し部11a及び11bの外周同士を結んで形成される曲面より外側には突出しない高さで形成されてもよい。こうすれば、凹部14内に形成されるメインボタン13はもちろんのこと、その他の各ボタンも、操作デバイス10を床上に置いた際に誤って押されてしまうことがなくなる。
【0037】
以上説明した本実施形態によれば、ユーザが操作デバイス10を親指とその他の指で挟んで把持する場合に、メインボタン13やアナログボタン15の上に指を置いて把持することで、これらのボタンを操作するたびに指を大きく動かす必要がなく、容易に操作することができる。さらに、メインボタン13を凹部14内においてその側面を形成する縁部14aと隣接するように配置したので、ユーザがメインボタン13上に指を置いて操作デバイス10を把持しても、ユーザが誤ってメインボタン13を操作してしまわないようにすることができる。
【0038】
なお、以上の説明においては、親指で操作するメインボタン13を凹部14内に配置することとしたが、これに限らず、他の指で操作されるボタンを操作デバイス10の筐体表面に形成された凹部内に配置することとしてもよい。」

(2)上記記載より、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているといえる。

〈引用発明1〉
「操作デバイス10は、本体部11及び発光部12を備え、
本体部11を構成する円柱の側面は、長手方向の中心部近傍に近づくにつれて内側に向かって緩やかに湾曲し、本体部11の中心近傍の部分は、両端部分と比較して細くなっており、本体部11の両端には、中心近傍の部分より外側に突出した張り出し部11a及び11bがそれぞれ形成され、
本体部11の筐体表面には、メインボタン13、アナログボタン15、補助ボタン16a?16d、スタートボタン17、セレクトボタン18、及び電源ボタン19が配置され、
ユーザは、本体部11の中心近傍の細くなった部分を、主として手のひらと中指、薬指、及び小指によって把持し、親指及び人差し指で、この中心近傍の部分と発光部12の間の筒状の領域に配置された各ボタンを操作し、
メインボタン13は、操作デバイス10の正面側において、ユーザが操作デバイス10を手で把持する際に親指を置く位置に配置され、本体部11の正面に形成された凹部14の底面内に配置されており、その上面は、凹部14の側面を形成する縁部14aに隣接し、すなわち、メインボタン13の上面は、隣接する縁部14aと連続するように形成されており、凹部14の周囲の本体部11表面より凹んだ位置にあり、
アナログボタン15は、操作デバイス10の背面側(すなわち、メインボタン13が配置されている側と反対側)に、メインボタン13と対向するように配置され、ユーザは、本体部11の中心近傍の部分を把持して、メインボタン13に親指を乗せるとともに、人差し指をこのアナログボタン15に乗せ、親指と人差し指とは本体部11を挟んで互いに向き合う状態になり、ユーザは、親指でメインボタン13を、人差し指でアナログボタン15を、それぞれ押下することによって操作入力を行い、
さらに、アナログボタン15は、単にユーザがボタンを押しているか押していないかを示す二値の情報を出力するのではなく、ユーザがどの程度の量だけ当該ボタンを押し込んでいるかを検知し、この押し込み量を示す情報を出力可能になっていて、ユーザは、アナログボタン15を浅く押さえたり深く押し込んだりすることによって、量的な情報を入力することができ、このような押し込み量に応じた操作入力を可能とするために、アナログボタン15は、メインボタン13と比較して可動範囲が大きくなっており、最後まで押し込むためにはメインボタン13より大きなストローク量が必要になっており、
凹部14の周囲には、メインボタン13を取り囲むように4個の補助ボタン16a?16dが配置され、
スタートボタン17及びセレクトボタン18は、それぞれ本体部11の右側面又は左側面に配置され、
本体部11はその中央近傍が内側に向かって湾曲しており、両端に張り出し部11a及び11bが形成され、操作デバイス10を横向きに床面に置いたときには、この張り出し部11a及び11bの箇所が床面に接し、その間の部分は直接床面には触れないようになっており、
ユーザが操作デバイス10を親指とその他の指で挟んで把持する場合に、メインボタン13やアナログボタン15の上に指を置いて把持することで、これらのボタンを操作するたびに指を大きく動かす必要がなく、容易に操作することができ、メインボタン13を凹部14内においてその側面を形成する縁部14aと隣接するように配置したので、ユーザがメインボタン13上に指を置いて操作デバイス10を把持しても、ユーザが誤ってメインボタン13を操作してしまわないようにすることができる、
操作デバイス10。」

2.引用文献2、引用発明2
(1)原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献2には、図とともに次の事項が記載されている。

「【0012】
図1(A)?(C)に示す光学的情報読取装置10は、例えば、バーコードや二次元コードを読み取るコードリーダとして用いられるもので、裏側ケース12および表側ケース13からなる外装ケース(以下、装置本体ともいう)11内にコードリーダを構成するための各種電気部品(光源、レンズ、受光センサ、記憶手段、制御回路等)が収容されている。この外装ケース11内の電気的構成は、公知のコードリーダ(バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)と同様の構成とすることができる。
【0013】
また、外装ケース11は、操作者に把持される把持部14と、液晶表示器15aが取り付けられる液晶部15と、読取口16aが設けられる読取部16とを備えている。液晶部15は、把持部14を把持する操作者が液晶表示器15aを見やすくするために、把持部14に対して操作者側に向けて角度αで傾斜するように形成されている(図1(B)参照)。なお、本実施形態においては、角度αは、例えば、10°?20°に設定されている。また、読取部16は、液晶部15に対して反操作者側に向けて傾斜するように形成されている。
【0014】
裏側ケース12の反操作者側面(以下、裏面12aともいう)には、図略のバーコードや二次元コード等の読取対象に対して光を照射する際に押圧操作される読取操作キーであるトリガーキー21が設けられている。このトリガーキー21を押圧操作することにより、読取口16aから光が読取対象に向けて照射される。
【0015】
このように、トリガーキー21を裏面12aに設けることにより、読取操作キーとして機能するサイドトリガーキー用の開口部を外装ケース11の側面、すなわち、裏側ケース12と表側ケース13との嵌合部分に形成するための中子が不要となる。このため、サイドトリガーキーを設ける場合と比較して、裏側ケース12および表側ケース13を成形する金型の構造が簡単になり、製造コストの低減を図ることができる。
【0016】
このトリガーキー21の把持部側部位21aは、装置本体11を把持部14の裏面12aを下方にして作業台等に置いたときにこの作業台等に接触しない程度に裏面12aから外方に突出するように形成されている(図1(B)参照)。これにより、装置本体11を作業台等に置いたときのトリガーキー21の誤操作を防止することができる。また、操作者は、トリガーキー21をその把持部側部位21aに人差し指等を掛けた状態で押圧操作することができるので、トリガーキー21の操作性を向上させることができる。
【0017】
トリガーキー21の押圧操作に応じて装置本体11に作用する押圧力の作用線上であって表側ケース13の操作者側面(以下、表面13aともいう)には、円柱状の突出部30が上方に突出するように形成されている。この突出部30の頂面31の中央には、図2に示すように、当該頂面31から上方に突出するように凸部32が形成されている。
【0018】
また、表面13a上であって、突出部30の周辺や把持部14には、読取対象の情報や当該光学的情報読取装置10の操作に関する情報を入力可能な十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24等、情報を入力する際に操作される複数の情報入力キーが設けられている。
【0019】
ここで、突出部30を設けた理由について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、突出部30は、トリガーキー21の押圧操作に応じて装置本体11に作用する押圧力の作用線L上であって、表面13a上に配置されている。これは、把持部14を把持した操作者がトリガーキー21を人差し指F1等で押圧操作する際に突出部30を親指F2等で支えることにより、押圧操作により装置本体11に作用する押圧力を、突出部30を押さえる親指F2等で確実に受けるためである。これにより、トリガーキー21の押圧操作による装置本体11のぶれを抑制することができる。
【0020】
特に、突出部30の頂面31の中央には、凸部32が形成されているので、突出部30を目視することなく突出部30の頂面31の凸部32に触れるだけで突出部30の位置を認識することができる。
【0021】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、装置本体11の裏面12aに設けられるトリガーキー21の押圧操作に応じて装置本体11に作用する押圧力の作用線L上であって、装置本体11の表面13aに当該表面13aからの高さが十字キー22およびファンクションキー23等の複数の情報入力キーよりも高くなるように形成された突出部30が設けられている。
【0022】
このため、装置本体11の把持部14を把持した操作者が、装置本体11の裏面12aのトリガーキー21を人差し指F1等で押圧操作する際に装置本体11の表面13aの突出部30を親指F2等で支えることにより、押圧操作により装置本体11に作用する押圧力を、突出部30を支える親指F2等で確実に受けることができる。特に、突出部30は、同じ表面13a上に設けられる十字キー22およびファンクションキー23等よりも高く形成されているので、突出部30を支える親指F2等がこれら各キー22,23に触れることによる誤入力を確実に防止することができる。
したがって、装置本体11の裏面12aに設けられるトリガーキー21の押圧操作による装置本体11のぶれを抑制することができる。
【0023】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、突出部30の頂面31の中央には、当該頂面31から上方に突出するように凸部32が設けられている。これにより、突出部30を目視することなく突出部30の頂面31の凸部32に触れるだけで突出部30の位置を認識することができる。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよ、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)突出部30の頂面31の中央には、凸部32に代えて凹部が形成されてもよい。このようにしても、突出部30を目視することなく突出部30の頂面31の凹部に触れるだけで突出部30の位置を認識することができる。また、凸部32または凹部は、頂面31の中央に形成されることに限らず、例えば、頂面31の周縁部に形成されてもよい。
【0025】
(2)トリガーキー21は、裏面12aから外方に突出するように形成されることに限らず、通常、当該トリガーキー21の外側面が周辺の裏面12aと同一平面上に位置し、押圧操作に応じてその外側面が内方に押し込まれるように形成されてもよい。」

(2)上記記載より、引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているといえる。

〈引用発明2〉
「光学的情報読取装置10は、裏側ケース12および表側ケース13からなる外装ケース(以下、装置本体ともいう)11内にコードリーダを構成するための各種電気部品(光源、レンズ、受光センサ、記憶手段、制御回路等)が収容され、
外装ケース11は、操作者に把持される把持部14と、液晶表示器15aが取り付けられる液晶部15と、読取口16aが設けられる読取部16とを備え、
裏側ケース12の反操作者側面(以下、裏面12aともいう)には、押圧操作される読取操作キーであるトリガーキー21が設けられ、
トリガーキー21の把持部側部位21aは、装置本体11を把持部14の裏面12aを下方にして作業台等に置いたときにこの作業台等に接触しない程度に裏面12aから外方に突出するように形成され、装置本体11を作業台等に置いたときのトリガーキー21の誤操作を防止することができ、操作者は、トリガーキー21をその把持部側部位21aに人差し指等を掛けた状態で押圧操作することができるので、トリガーキー21の操作性を向上させることができ、
トリガーキー21の押圧操作に応じて装置本体11に作用する押圧力の作用線上であって表側ケース13の操作者側面(以下、表面13aともいう)には、円柱状の突出部30が上方に突出するように形成され、この突出部30の頂面31の中央には、当該頂面31から上方に突出するように凸部32が形成され、
また、表面13a上であって、突出部30の周辺や把持部14には、読取対象の情報や当該光学的情報読取装置10の操作に関する情報を入力可能な十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24等、情報を入力する際に操作される複数の情報入力キーが設けられ、
装置本体11の把持部14を把持した操作者が、装置本体11の裏面12aのトリガーキー21を人差し指F1等で押圧操作する際に装置本体11の表面13aの突出部30を親指F2等で支えることにより、押圧操作により装置本体11に作用する押圧力を、突出部30を支える親指F2等で確実に受けることができ、特に、突出部30は、同じ表面13a上に設けられる十字キー22およびファンクションキー23等よりも高く形成されているので、突出部30を支える親指F2等がこれら各キー22,23に触れることによる誤入力を確実に防止することができる、
光学的情報読取装置10。」

3.引用文献3
(1)原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献3には、図とともに次の事項が記載されている。

「【0007】
上述した課題を解決し、所期の目的を達成するための本発明にかかるキーボード装置は、情報処理機器の入力装置として使用され、カーソルキーと、該カーソルキーに隣接するように配設された制御キーと、を有し、前記カーソルキーが押下された際には、情報処理機器の画面に表示されるカーソルを移動させる操作信号を出力し、前記制御キーが押下された際には、前記画面に表示される表示画像をスクロールさせる操作信号を出力するキーボード装置であって、前記制御キーは、前記カーソルキーとは異なる荷重変位特性に設定されているとともに、キートップが前記カーソルキーとは異なる表面形状に形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のキーボード装置は、上記構成に加えて、前記各キーのキートップは、押下する際に操作者が押圧する面である操作面を有し、前記カーソルキーの操作面は、平面状もしくは凹曲面状に形成され、前記制御キーの操作面は、凸曲面状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のキーボード装置は、上記構成に加えて、前記制御キーは、前記カーソルキーのキーストロークと異なるキーストロークを有することを特徴とする。」

「【0011】
また、本発明のキーボード装置は、上記構成に加えて、前記各キーは、前記操作面が形成されたキートップと、該キートップの下側に配設され、該キートップが押下された際に該キートップを復帰する方向に付勢する弾性部材と、前記キートップの押下移動及び復帰移動をガイドするガイド機構と、を有し、前記制御キーのガイド機構は、前記カーソルキーのガイド機構とは異なる機構であることを特徴とする。
・・・中略・・・
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カーソルキーと、該カーソルキーに隣接するように配設された制御キーと、を有しカーソルキーが押下された際には、情報処理機器の画面に表示されるカーソルを移動させる操作信号を出力し、制御キーが押下された際には、画面に表示される表示画像をスクロールさせる操作信号を出力するキーボード装置であって、制御キーは、カーソルキーとは異なる荷重変位特性に設定されているとともに、キートップがカーソルキーとは異なる表面形状に形成されている。従って、制御キーとカーソルキーは、表面を触った感触が異なるとともに、押下した際の感触が異なる。即ち、制御キーとカーソルキーとを打ち間違いをした場合、その感触によって打ち間違いであることを認識することができる。また、キーの表面を触った際の感触だけでなく、押下した際の感触が異なるので、より確実に打ち間違いを認識することができる。」

(2)上記記載からみて、引用文献3には、次の技術事項が記載されていると認められる。

「キーボード装置において、制御キーは、カーソルキーとは異なる荷重変位特性に設定されること、または、制御キーは、カーソルキーのキーストロークと異なるキーストロークを有すること、または、制御キーのガイド機構は、前記カーソルキーのガイド機構とは異なる機構であることにより、制御キーとカーソルキーは、押下した際の感触が異なる、即ち、制御キーとカーソルキーとを打ち間違いをした場合、その感触によって打ち間違いであることを認識することができること。」

第5 対比・判断

1.本願発明1について
(1)本願発明1と引用発明1との対比・判断
ア.対比
(ア)引用発明1は、「ユーザは、本体部11の中心近傍の細くなった部分を、主として手のひらと中指、薬指、及び小指によって把持し、親指及び人差し指で、この中心近傍の部分と発光部12の間の筒状の領域に配置された各ボタンを操作」するものであるから、引用発明1の「本体部11の中心近傍の細くなった部分」は、本願発明1の「盛上り部を有し、所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部」と、「所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部」である点で共通するといえる。
(イ)引用発明1の「アナログボタン15」は、「操作デバイス10の背面側(すなわち、メインボタン13が配置されている側と反対側)に、メインボタン13と対向するように配置され、ユーザは、本体部11の中心近傍の部分を把持して、メインボタン13に親指を乗せるとともに、人差し指をこのアナログボタン15に乗せ、親指と人差し指とは本体部11を挟んで互いに向き合う状態になり、ユーザは、親指でメインボタン13を、人差し指でアナログボタン15を、それぞれ押下することによって操作入力を行」うものであるから、本願発明1の「端末本体の第1の面側に位置するように且つ前記盛上り部における斜面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが前記グリップ部を把握した手の示指によって操作可能な第1スイッチ部」と、「端末本体の第1の面側に位置するように且つ少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが前記グリップ部を把握した手の示指によって操作可能な第1スイッチ部」である点で共通するといえる。
(ウ)引用発明1の「メインボタン13」は、操作デバイス10の背面側と反対側の「操作デバイス10の正面側において、ユーザが操作デバイス10を手で把持する際に親指を置く位置に配置され」ているから、本願発明1の「前記第1の面に対して反対側に位置する前記端末本体の第2の面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが把握した手の母指によって操作可能な第2スイッチ部」に相当するといえる。
(エ)引用発明1の「操作デバイス10」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「携帯端末」に相当するといえる。

イ.そうしてみると、本願発明1と引用発明1には、以下の一致点と相違点が認められる。

(一致点)
「所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部と、
端末本体の第1の面側に位置するように且つ少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが前記グリップ部を把握した手の示指によって操作可能な第1スイッチ部と、
前記第1の面に対して反対側に位置する前記端末本体の第2の面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが把握した手の母指によって操作可能な第2スイッチ部と、
を備えている、
ことを特徴とする携帯端末。」

(相違点a1)
本願発明1は、「所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部」に「盛上り部を有し」ており、「第1スイッチ部」は、「前記盛上り部における斜面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ」、「前記第1スイッチ部における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている」のに対し、引用発明1は、本体部11は、「両端に張り出し部11a及び11bが形成」されているものの、「本体部11の中心近傍の細くなった部分を、主として手のひらと中指、薬指、及び小指によって把持」するものであるから、「所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部」に「盛上り部」を有するとはいえず、「アナログボタン15」が、前記盛上り部における斜面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、「アナログボタン15」における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている構成は特定されていない点。

(相違点a2)
本願発明1は、「前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記第2スイッチ部よりも前記第1スイッチ部の方が大きくなるように設定されている」のに対し、引用発明1の「アナログボタン15」は、「アナログボタン15は、メインボタン13と比較して可動範囲が大きくなっており、最後まで押し込むためにはメインボタン13より大きなストローク量が必要になっている」ものの、「単にユーザがボタンを押しているか押していないかを示す二値の情報を出力するのではなく、ユーザがどの程度の量だけ当該ボタンを押し込んでいるかを検知し、この押し込み量を示す情報を出力可能になっていて、ユーザは、アナログボタン15を浅く押さえたり深く押し込んだりすることによって、量的な情報を入力する」ものであり、操作力感について、メインボタン13よりもアナログボタン15の方が大きくなるように設定されていることは特定されていない点。

ウ.上記相違点について以下に検討する。
(ア)理由1(新規性)について
上記相違点a1、相違点a2は、実質的な相違点であるから、本願発明1は引用文献1に記載された発明ではない。

(イ)理由2(進歩性)について
事案に鑑みて、先ず相違点a2について検討する。
引用文献3には、「キーボード装置において、制御キーは、カーソルキーとは異なる荷重変位特性に設定されること、または、制御キーは、カーソルキーのキーストロークと異なるキーストロークを有すること、または、制御キーのガイド機構は、前記カーソルキーのガイド機構とは異なる機構であることにより、制御キーとカーソルキーは、押下した際の感触が異なる、即ち、制御キーとカーソルキーとを打ち間違いをした場合、その感触によって打ち間違いであることを認識することができる。」という技術事項、即ち、スイッチ部間で被押圧部に対して必要な操作力感を違うものとすることで誤操作を防ぐことが記載されている。
しかしながら、引用発明1は、「ボタンを凹部内においてその側面を形成する縁部と隣接するように配置したので、ユーザがボタン上に指を置いて操作デバイス10を把持しても、ユーザが誤ってボタンを操作してしまわないようにする」ものであるから、引用発明1のメインボタン13とアナログボタン15に対して、上記引用文献3に記載された技術事項を適用する動機付けは認められない。
また、上記相違点a2に係る本願発明1の構成は、上記引用文献2、3のいずれにも記載されておらず、示唆もされてもいない。
そして、上記相違点a2に係る本願発明1の構成は、本願出願前において周知技術であったともいえない。
したがって、上記相違点a1を検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1および引用文献2、3記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本願発明1と引用発明2との対比・判断
ア.対比
(ア)引用発明2の「外装ケース11」の「操作者に把持される把持部14」は、本願発明1の「盛上り部を有し、所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部」と、「所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部」である点で共通するといえる。
(イ)引用発明2の「裏側ケース12の反操作者側面(以下、裏面12aともいう)に」設けられた「押圧操作される読取操作キーであるトリガーキー21」は、「操作者は、トリガーキー21をその把持部側部位21aに人差し指等を掛けた状態で押圧操作することができる」から、本願発明1の「端末本体の第1の面側に位置するように且つ前記盛上り部における斜面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが前記グリップ部を把握した手の示指によって操作可能な第1スイッチ部」と、「端末本体の第1の面側に位置するように且つ少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが前記グリップ部を把握した手の示指によって操作可能な第1スイッチ部」である点で共通するといえる。
(ウ)引用発明2の「表面13a上であって、突出部30の周辺や把持部14」に設けられた「十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24等、情報を入力する際に操作される複数の情報入力キー」は、親指F2で操作入力できることは明らかであるから、本願発明1の「前記第1の面に対して反対側に位置する前記端末本体の第2の面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが把握した手の母指によって操作可能な第2スイッチ部」に相当するといえる。
(エ)引用発明2の「光学的情報読取装置10」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「携帯端末」に相当するといえる。

イ.そうしてみると、本願発明1と引用発明2には、以下の一致点と相違点が認められる。

(一致点)
「所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部と、
端末本体の第1の面側に位置するように且つ少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが前記グリップ部を把握した手の示指によって操作可能な第1スイッチ部と、
前記第1の面に対して反対側に位置する前記端末本体の第2の面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様でユーザが把握した手の母指によって操作可能な第2スイッチ部と、
を備える、
ことを特徴とする携帯端末。」

(相違点b1)
本願発明1は、「所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部」に「盛上り部を有し」ており、「第1スイッチ部」は、「前記盛上り部における斜面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ」、「前記第1スイッチ部における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている」のに対し、引用発明2は、「トリガーキー21の把持部側部位21aは、装置本体11を把持部14の裏面12aを下方にして作業台等に置いたときにこの作業台等に接触しない程度に裏面12aから外方に突出するように形成されている」ものの、「所定の把握態様でユーザの手により把握可能なグリップ部」に「盛上り部」を有するとはいえず、「トリガーキー21」が、前記盛上り部における斜面から少なくとも被押圧部が露出するように設けられ、「トリガーキー21」における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている構成は特定されていない点。

(相違点b2)
本願発明1は、「前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記第2スイッチ部よりも前記第1スイッチ部の方が大きくなるように設定されている」のに対し、引用発明2は、操作力感について、十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24よりもトリガーキー21の方が大きくなるように設定されていることは特定されていない点。

ウ.上記相違点について以下に検討する。
(ア)理由1(新規性)について
上記相違点b1、相違点b2は、実質的な相違点であるから、本願発明1は引用文献2に記載された発明ではない。

(イ)理由2(進歩性)について
事案に鑑みて、先ず相違点b2について検討する。
引用文献3には、「キーボード装置において、制御キーは、カーソルキーとは異なる荷重変位特性に設定されること、または、制御キーは、カーソルキーのキーストロークと異なるキーストロークを有すること、または、制御キーのガイド機構は、前記カーソルキーのガイド機構とは異なる機構であることにより、制御キーとカーソルキーは、押下した際の感触が異なる、即ち、制御キーとカーソルキーとを打ち間違いをした場合、その感触によって打ち間違いであることを認識することができる。」という技術事項、即ち、スイッチ部間で被押圧部に対して必要な操作力感を違うものとすることで誤操作を防ぐことが記載されている。
しかしながら、引用発明2は、「装置本体11の裏面12aのトリガーキー21を人差し指F1等で押圧操作する際に装置本体11の表面13aの突出部30を親指F2等で支えることにより、押圧操作により装置本体11に作用する押圧力を、突出部30を支える親指F2等で確実に受けることができ、特に、突出部30は、同じ表面13a上に設けられる十字キー22およびファンクションキー23等よりも高く形成されているので、突出部30を支える親指F2等がこれら各キー22,23に触れることによる誤入力を確実に防止することができる」ようにしたものであるから、引用発明2の十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24とトリガーキー21に対して、上記引用文献3に記載された技術事項を適用する動機付けは認められない。
また、上記相違点b2に係る本願発明1の構成は、上記引用文献1、3のいずれにも記載されておらず、示唆もされてもいない。
そして、上記相違点b2に係る本願発明1の構成は、本願出願前において周知技術であったともいえない。
したがって、上記相違点b1を検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明2および引用文献1、3記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

2.本願発明3について
(1)本願発明3と引用発明1との対比・判断
ア.対比
(ア)引用発明1は、「ユーザは、本体部11の中心近傍の細くなった部分を、主として手のひらと中指、薬指、及び小指によって把持し、親指及び人差し指で、この中心近傍の部分と発光部12の間の筒状の領域に配置された各ボタンを操作」するものであるから、引用発明1の「本体部11の中心近傍の細くなった部分」は、本願発明3の「ユーザが一方の手の母指を当該端末本体の表面に被せ当該端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで当該端末本体の裏面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部」に相当するといえる。
(イ)引用発明1の「アナログボタン15」は、「操作デバイス10の背面側(すなわち、メインボタン13が配置されている側と反対側)に、メインボタン13と対向するように配置され、ユーザは、本体部11の中心近傍の部分を把持して、メインボタン13に親指を乗せるとともに、人差し指をこのアナログボタン15に乗せ、親指と人差し指とは本体部11を挟んで互いに向き合う状態になり、ユーザは、親指でメインボタン13を、人差し指でアナログボタン15を、それぞれ押下することによって操作入力を行」うものであるから、本願発明3の「前記裏面に設けられた盛上り部の斜面から被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様のときに前記一方の手の示指によって操作可能な下面スイッチ部」と、「前記裏面から被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様のときに前記一方の手の示指によって操作可能な下面スイッチ部」である点で共通するといえる。
(ウ)引用発明1の凹部14の周囲に、メインボタン13を取り囲むように配置された「4個の補助ボタン16a?16d」は、本願発明3の「端末本体の表面から少なくとも被押圧部が露出するように、前記端末本体の表面に」設けられた「複数の表面スイッチ部」に相当するといえる。
(エ)引用発明1の「操作デバイス10」は、後述する相違点を除き、本願発明3の「携帯端末」に相当するといえる。

イ.そうしてみると、本願発明3と引用発明1には、以下の一致点と相違点が認められる。

(一致点)
「端末本体の表面から少なくとも被押圧部が露出するように、前記端末本体の表面に複数の表面スイッチ部が設けられた携帯端末であって、
ユーザが一方の手の母指を当該端末本体の表面に被せ当該端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで当該端末本体の裏面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部と、
前記裏面から被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様のときに前記一方の手の示指によって操作可能な下面スイッチ部と、
を備える、
ことを特徴とする携帯端末。」

(相違点c1)
本願発明3では、「下面スイッチ部」は、「前記裏面に設けられた盛上り部の斜面から被押圧部が露出するように設けられ」、「前記下面スイッチ部における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている」のに対し、引用発明1は、アナログボタン15が、前記裏面に設けられた盛上り部の斜面から被押圧部が露出するように設けられ、アナログボタン15における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている構成は特定されていない点。

(相違点c2)
本願発明3は、「前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記複数の表面スイッチ部のそれぞれよりも前記下面スイッチ部の方が大きくなるように設定されて」いるのに対し、引用発明1の「アナログボタン15」は、「単にユーザがボタンを押しているか押していないかを示す二値の情報を出力するのではなく、ユーザがどの程度の量だけ当該ボタンを押し込んでいるかを検知し、この押し込み量を示す情報を出力可能になっていて、ユーザは、アナログボタン15を浅く押さえたり深く押し込んだりすることによって、量的な情報を入力する」ものであり、操作力感について、メインボタン13を取り囲むように配置された「4個の補助ボタン16a?16d」よりもアナログボタン15の方が大きくなるように設定されていることは特定されていない点。

ウ.上記相違点について以下に検討する。
事案に鑑みて、先ず相違点c2について検討する。
引用文献3には、「キーボード装置において、制御キーは、カーソルキーとは異なる荷重変位特性に設定されること、または、制御キーは、カーソルキーのキーストロークと異なるキーストロークを有すること、または、制御キーのガイド機構は、前記カーソルキーのガイド機構とは異なる機構であることにより、制御キーとカーソルキーは、押下した際の感触が異なる、即ち、制御キーとカーソルキーとを打ち間違いをした場合、その感触によって打ち間違いであることを認識することができる。」という技術事項、即ち、スイッチ部間で被押圧部に対して必要な操作力感を違うものとすることで誤操作を防ぐことが記載されている。
しかしながら、引用発明1は、「ボタンを凹部内においてその側面を形成する縁部と隣接するように配置したので、ユーザがボタン上に指を置いて操作デバイス10を把持しても、ユーザが誤ってボタンを操作してしまわないようにする」ものであるから、引用発明1のメインボタン13とアナログボタン15に対して、上記引用文献3に記載された技術事項を適用する動機付けは認められない。
また、上記相違点c2に係る本願発明3の構成は、上記引用文献2、3のいずれにも記載されておらず、示唆もされてもいない。
そして、上記相違点c2に係る本願発明3の構成は、本願出願前において周知技術であったともいえない。
したがって、上記相違点c1を検討するまでもなく、本願発明3は、当業者であっても、引用発明1および引用文献2、3記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本願発明3と引用発明2との対比・判断
ア.対比
(ア)引用発明2の「外装ケース11」の「操作者に把持される把持部14」は、本願発明3の「ユーザが一方の手の母指を当該端末本体の表面に被せ当該端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで当該端末本体の裏面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部」に相当するといえる。
(イ)引用発明2の「裏側ケース12の反操作者側面(以下、裏面12aともいう)に」設けられた「押圧操作される読取操作キーであるトリガーキー21」は、「操作者は、トリガーキー21をその把持部側部位21aに人差し指等を掛けた状態で押圧操作することができる」から、本願発明3の「前記裏面に設けられた盛上り部の斜面から被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様のときに前記一方の手の示指によって操作可能な下面スイッチ部」と、「前記裏面から被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様のときに前記一方の手の示指によって操作可能な下面スイッチ部」である点で共通するといえる。
(ウ)引用発明2の「表面13a上であって、突出部30の周辺や把持部14」に設けられた「十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24等、情報を入力する際に操作される複数の情報入力キー」は、本願発明3の「端末本体の表面から少なくとも被押圧部が露出するように、前記端末本体の表面に」設けられた「複数の表面スイッチ部」に相当するといえる。
(エ)引用発明2の「光学的情報読取装置10」は、後述する相違点を除き、本願発明3の「携帯端末」に相当するといえる。

イ.そうしてみると、本願発明3と引用発明2には、以下の一致点と相違点が認められる。

(一致点)
「端末本体の表面から少なくとも被押圧部が露出するように、前記端末本体の表面に複数の表面スイッチ部が設けられた携帯端末であって、
ユーザが一方の手の母指を当該端末本体の表面に被せ当該端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで当該端末本体の裏面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部と、
前記裏面から被押圧部が露出するように設けられ、前記把握態様のときに前記一方の手の示指によって操作可能な下面スイッチ部と、
を備える、
ことを特徴とする携帯端末。」

(相違点d1)
本願発明3では、「下面スイッチ部」は、「前記裏面に設けられた盛上り部の斜面から被押圧部が露出するように設けられ」、「前記下面スイッチ部における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている」のに対し、引用発明2は、「トリガーキー21の把持部側部位21aは、装置本体11を把持部14の裏面12aを下方にして作業台等に置いたときにこの作業台等に接触しない程度に裏面12aから外方に突出するように形成されている」ものの、「トリガーキー21」が、裏面12aに設けられた盛上り部の斜面から被押圧部が露出するように設けられ、「トリガーキー21」における前記被押圧部が、前記斜面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている構成は特定されていない点。

(相違点d2)
本願発明3は、「前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記複数の表面スイッチ部のそれぞれよりも前記下面スイッチ部の方が大きくなるように設定されて」いるのに対し、引用発明2は、操作力感について、十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24よりもトリガーキー21の方が大きくなるように設定されていることは特定されていない点。

ウ.上記相違点について以下に検討する。
(ア)理由1(新規性)について
上記相違点d1、相違点d2は、実質的な相違点であるから、本願発明3は引用文献2に記載された発明ではない。

(イ)理由2(進歩性)について
事案に鑑みて、先ず相違点d2について検討する。
引用文献3には、「キーボード装置において、制御キーは、カーソルキーとは異なる荷重変位特性に設定されること、または、制御キーは、カーソルキーのキーストロークと異なるキーストロークを有すること、または、制御キーのガイド機構は、前記カーソルキーのガイド機構とは異なる機構であることにより、制御キーとカーソルキーは、押下した際の感触が異なる、即ち、制御キーとカーソルキーとを打ち間違いをした場合、その感触によって打ち間違いであることを認識することができる。」という技術事項、即ち、スイッチ部間で被押圧部に対して必要な操作力感を違うものとすることで誤操作を防ぐことが記載されている。
しかしながら、引用発明2は、「装置本体11の裏面12aのトリガーキー21を人差し指F1等で押圧操作する際に装置本体11の表面13aの突出部30を親指F2等で支えることにより、押圧操作により装置本体11に作用する押圧力を、突出部30を支える親指F2等で確実に受けることができ、特に、突出部30は、同じ表面13a上に設けられる十字キー22およびファンクションキー23等よりも高く形成されているので、突出部30を支える親指F2等がこれら各キー22,23に触れることによる誤入力を確実に防止する」ようにしたものであるから、引用発明2の十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24とトリガーキー21に対して、上記引用文献3に記載された技術事項を適用する動機付けは認められない。
また、上記相違点d2に係る本願発明3の構成は、上記引用文献1、3のいずれにも記載されておらず、示唆もされてもいない。
そして、上記相違点d2に係る本願発明3の構成は、本願出願前において周知技術であったともいえない。
したがって、上記相違点d1を検討するまでもなく、本願発明3は、当業者であっても、引用発明2および引用文献1、3記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

3.本願発明2について
請求項2は、請求項1を引用する請求項であるから、本願発明2は、本願発明1の「前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記第2スイッチ部よりも前記第1スイッチ部の方が大きくなるように設定されて」いるとの構成と同一の構成を備えるものである。
よって、本願発明2は、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1および引用文献2、3記載の技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。また、本願発明2は、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明2および引用文献1、3記載の技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4.本願発明4-6について
請求項4-6は、請求項1または請求項3を直接または間接的に引用する請求項であるから、本願発明4-6は、本願発明1の「前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記第2スイッチ部よりも前記第1スイッチ部の方が大きくなるように設定されて」いるとの構成と同一の構成を備えるものであるか、または、本願発明3の「前記被押圧部に対して必要な操作力感が、前記複数の表面スイッチ部のそれぞれよりも前記下面スイッチ部の方が大きくなるように設定されて」いるとの構成と同一の構成を備えるものである。
よって、本願発明4-6は、本願発明1または本願発明3と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1または引用発明2および引用文献3に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2021-02-09 
出願番号 特願2017-141288(P2017-141288)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐伯 憲太郎  
特許庁審判長 角田 慎治
特許庁審判官 北川 純次
▲吉▼田 耕一
発明の名称 携帯端末  

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