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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1374705
審判番号 不服2020-9388  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-03 
確定日 2021-06-10 
事件の表示 特願2016-202787「半導体装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月19日出願公開,特開2018- 64059〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成28年10月14日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年11月28日 :上申書,手続補正書の提出
令和 1年12月12日付け:拒絶理由通知書(起案日)
令和 2年 2月14日 :意見書,手続補正書の提出
令和 2年 3月31日付け:拒絶査定(起案日)(以下「原査定」という。)
令和 2年 7月 3日 :審判請求書,手続補正書の提出

第2 令和2年7月3日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年7月3日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正は,補正前の特許請求の範囲の請求項1ないし5のうち,請求項1を削除して,補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし4とする補正を含むものであり,そのうちの,本件補正後の特許請求の範囲の請求項1は,以下のとおりである。(下線部は,補正箇所である。)
「【請求項1】
一面に形成された半導体素子(30)を有する半導体基板(12)と,
前記半導体基板の前記一面上に配置された層間絶縁膜(14)と,
前記層間絶縁膜内に配置された配線層(16)と,
前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板と反対側に配置され,前記層間絶縁膜よりも硬質な硬質膜(18)と,
前記硬質膜に対して前記層間絶縁膜と反対側に配置され,前記配線層を介して前記半導体素子と接続された外部接続用の複数のパッド部(20)と,
電気的な絶縁性を有し,少なくとも前記パッド部同士の対向領域(Sb)に配置された表面保護膜(22)と,を備え,
前記表面保護膜は,内側膜(22a)と,前記内側膜に対して前記パッド部と反対側に配置された外側膜(22b)と,を有し,
前記内側膜は,1層のみで構成され,膜厚が1μm以上であり,前記外側膜よりも硬質にされており,
前記表面保護膜は,前記パッド部におけるグランドに接続される第1パッド部と,誘導負荷に接続される第2パッド部との間に形成されており,
前記内側膜は,前記第1パッド部から前記第2パッド部にわたって形成されている半導体装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の,令和2年2月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5のうちの,特許請求の範囲の請求項2は,以下のとおりである。
「【請求項2】
一面に形成された半導体素子(30)を有する半導体基板(12)と,
前記半導体基板の前記一面上に配置された層間絶縁膜(14)と,
前記層間絶縁膜内に配置された配線層(16)と,
前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板と反対側に配置され,前記層間絶縁膜よりも硬質な硬質膜(18)と,
前記硬質膜に対して前記層間絶縁膜と反対側に配置され,前記配線層を介して前記半導体素子と接続された外部接続用の複数のパッド部(20)と,
電気的な絶縁性を有し,少なくとも前記パッド部同士の対向領域(Sb)に配置された表面保護膜(22)と,を備え,
前記表面保護膜は,内側膜(22a)と,前記内側膜に対して前記パッド部と反対側に配置された外側膜(22b)と,を有し,
前記内側膜は,1層のみで構成され,膜厚が1μm以上であり,前記外側膜よりも硬質にされており,
前記表面保護膜は,前記パッド部におけるグランドに接続される第1パッド部と,誘導負荷に接続される第2パッド部との間に形成されている半導体装置。」

2 補正の適否
本件補正は,本件補正前の請求項1を削除して,補正後の請求項1ないし4とするとともに,本件補正前の請求項2に記載された発明を特定するために必要な事項である「内側膜」について,「前記内側膜は,前記第1パッド部から前記第2パッド部にわたって形成されている」と限定する補正事項を含むものであって,補正前の請求項2に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する
そして,本件補正は,特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものであるから,本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下において検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は,上記「1(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載」に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項及び引用発明
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載
原査定の拒絶理由で引用された,本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,特開2016-115892号公報(以下,引用文献1という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。以下同じ。)
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と,
前記半導体基板上に形成された複数の配線層と,
前記複数の配線層の最上層に形成されたパッド電極と,
前記パッド電極上に開口を有する保護膜と,
前記保護膜上および前記パッド電極上に形成された下地金属膜と,
前記下地金属膜上に形成され,上面と側面を有する再配線と,
前記再配線の前記側面を覆う絶縁膜からなる側壁バリア膜と,
前記再配線の前記上面を覆うキャップ金属膜と,
を有し,
前記再配線の前記上面および前記側面は,前記キャップ金属膜または前記側壁バリア膜で覆われており,前記キャップ金属膜と前記側壁バリア膜とは重なり部を有する,半導体装置。」

「【技術分野】
【0001】
本発明は,半導体装置およびその製造方法に関し,特に,半導体基板の主面上に形成された複数の配線層の上部に,金属膜で構成された再配線を有する半導体装置およびその製造方法に適用して有効な技術に関するものである。」

「【0007】
本願発明者が検討している半導体装置は,高耐圧,高信頼性が要求されるため,HAST(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)試験と呼ばれる高温高湿度雰囲気中での動作試験を実施している。本願発明者の検討によれば,HAST試験において,隣り合う再配線の間で,一方の再配線からCuが樹枝状に析出して,隣り合う再配線間の耐圧劣化または短絡が発生し,半導体装置の信頼性が低下していることが判明した。そして,Cuの樹枝状の析出は,表面保護膜と有機保護膜との界面で発生していることも分かった。
【0008】
本願発明者の分析によれば,Cuからなる再配線を覆う有機保護膜は,ポリイミド膜からなり,水分やハロゲンイオンを含んでいるため,再配線を構成するCuの表面が酸化され,その結果,Cuイオン(イオン化したCu)が発生する。また,半導体チップを封止するエポキシ樹脂にも水分やハロゲンイオンが含まれている。上記半導体装置では,隣り合う再配線の最小間隔(15μm)は大きいものの,高電圧が印加され,隣り合う再配線間に高電界がかかる領域が存在し,この領域でCuの樹枝状の析出が発生していることが分かった。つまり,Cuイオンが高電界の影響で,表面保護膜と有機保護膜との界面を移動(拡散)することで隣り合う再配線間の耐圧劣化または短絡が発生し,半導体装置の信頼性が低下していると考えている。」

「【0030】
図3は,隣り合う2つの信号入出力用の再配線RMの拡大平面図を示している。隣り合う2つの再配線RMは,互いに等しい平面形状を有するので,紙面上部に位置する再配線RMを例に説明する。再配線RMは,紙面のX方向に延在しており,その一端で,紙面のX方向に延在する配線9のパッド電極9aに電気的に接続されている。再配線RMの他端には,外部パッド電極18が形成されている。再配線RMは,第1平面パターンP1を有し,キャップ金属膜CMは第2平面パターンP2を有している。第1平面パターンP1と第2平面パターンP2とは相似形であり,第2平面パターンP2は,第1平面パターンP1を拡大した形状を有する。再配線RMの全周囲には,キャップ金属膜CMで構成された張り出し部PPが配置されている。つまり,第1平面パターンP1を張り出し部PPの幅だけ拡大すると第2平面パターンP2となる。また,再配線RMの全周囲にわたって,再配線の外側に側壁バリア膜11aが配置されている。側壁バリア膜11aは,再配線RMの側面に接触している。側壁バリア膜11aの幅は,張り出し部PPの幅よりも小である。
【0031】
また,再配線RMの最小配線幅Lは,例えば12μmであり,隣り合う再配線RMの最小配線間隔S1は15μm,隣り合う張り出し部PP間の最小間隔S2は10μm,張り出し部PPの張り出し量は2.5μm,である。
【0032】
図4に示すように,例えばp型の単結晶シリコンからなる半導体基板1Pにはp型ウエル(p型ウエル領域)2P,n型ウエル(n型ウエル領域)2Nおよび素子分離溝3が形成されており,素子分離溝3の内部には,例えば酸化シリコン膜からなる素子分離絶縁膜3aが埋め込まれている。
【0033】
上記p型ウエル2P内には,半導体素子であるnチャネル型MISトランジスタ(Qn)が形成されている。nチャネル型MISトランジスタ(Qn)は,素子分離溝3で規定された活性領域に形成され,p型ウエル2P内に形成されたソース領域nsおよびドレイン領域ndと,p型ウエル2P上にゲート絶縁膜niを介して形成されたゲート電極ngとを有している。また,上記n型ウエル2N内には,半導体素子であるpチャネル型MISトランジスタ(Qp)が形成されており,ソース領域psおよびドレイン領域pdと,n型ウエル2N上にゲート絶縁膜piを介して形成されたゲート電極pgとを有している。
【0034】
上記nチャネル型MISトランジスタ(Qn)およびpチャネル型MISトランジスタ(Qp)の上部には,半導体素子間を接続する金属膜からなる配線が形成されている。半導体素子間を接続する配線は,一般に3層?10層程度の多層配線構造を有しているが,図4には,多層配線の一例として,Al合金を主体とする金属膜で構成された3層の配線層(第1層Al配線5,第2層Al配線7,第3層Al配線9)が示されている。配線層とは,各配線層で形成された複数の配線を纏めて表す場合に使用する。配線層の膜厚は,第2層の配線層は第1層の配線層より厚く,第3層の配線層は第2層の配線層よりも厚い。
【0035】
nチャネル型MISトランジスタ(Qn)およびpチャネル型MISトランジスタ(Qp)と第1層Al配線5との間,第1層Al配線5と第2層Al配線7との間,および第2層Al配線7と第3層Al配線9との間には,それぞれ酸化シリコン膜などからなる層間絶縁膜4,6,8と,3層の配線間を電気的に接続するプラグp1,p2,p3が形成されている。
【0036】
上記層間絶縁膜4は,例えば半導体素子を覆うように,半導体基板上1P上に形成され,第1層Al配線5はこの層間絶縁膜4上に形成される。第1層Al配線5は,例えば層間絶縁膜4に形成されたプラグp1を介して半導体素子であるnチャネル型MISトランジスタ(Qn)のソース領域ns,ドレイン領域nd,ゲート電極ngに電気的に接続される。また,第1層Al配線5は,層間絶縁膜4に形成されたプラグp1を介して半導体素子であるpチャネル型MISトランジスタ(Qp)のソース領域ps,ドレイン領域pd,ゲート電極pgに電気的に接続される。ゲート電極ng,pgと第1層Al配線5との接続は図示していない。
【0037】
第2層Al配線7は,例えば層間絶縁膜6に形成されたプラグp2を介して第1層Al配線5に電気的に接続される。第3層Al配線9は,例えば層間絶縁膜8に形成されたプラグp3を介して第2層Al配線7に電気的に接続される。プラグp1,p2,p3は金属膜,例えばW(タングステン)膜で構成される。
【0038】
なお,多層配線(3層配線)を化学的機械研磨法(CMP法)によりCuを主体とする金属膜で形成する場合は,配線とプラグとを一体に形成するデュアルダマシン法で形成してよいことは勿論である。また,層間絶縁膜4,6,8は,酸化シリコン膜(SiO_(2))からなるが,炭素を含む酸化シリコン膜(SiOC膜),窒素と炭素を含む酸化シリコン膜(SiCON膜),フッ素を含む酸化シリコン膜(SiOF膜)の単層膜または積層膜で構成してよいことは勿論である。
【0039】
多層配線の最上層の配線層である上記第3層Al配線9の上部には,ファイナルパッシベーション膜として,例えば酸化シリコン(SiO_(2),TEOS(Tetraethyl orthosilicate)膜),窒化シリコン(SiN)膜などの単層膜,あるいは,これらを積層した2層膜で表面保護膜(保護膜,絶縁膜)10が形成される。望ましくは,酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜を積層した2層構造とし,両者の合計膜厚を0.3?1μmとする。そして,この表面保護膜10に形成されたパッド開口(開口)10aの底部に露出した最上層の配線層である第3層Al配線9は,Alパッドであるパッド電極(電極パッド,第1電極パッド)9aを構成している。
【0040】
上記第3層Al配線9は,パッド電極9aに限らず,例えばパッド電極9aに一体に形成される配線,パッド電極9aに接続されない配線などを構成する。パッド電極9aに接続されない配線は,半導体素子間あるいは回路間を電気的に接続し,半導体集積回路を構成する配線として使用される。
【0041】
再配線RMは,パッド開口10aを完全に埋めるように,パッド開口10aの内部に形成され,さらに,表面保護膜10の上に延在している。
【0042】
パッド電極9aと再配線RMとの間には,下地金属膜UMが介在している。下地金属膜UMは,パッド電極9aに接触して電気的に接続されており,表面保護膜10のパッド開口10aにおいて,パッド電極9a上および表面保護膜10の側面(側壁)に沿って形成され,さらに,表面保護膜10の上面に延在している。下地金属膜UMは,上面,下面および側面を有し,上面は再配線RMと,下面はパッド電極9aおよび表面保護膜10と,側面は後述する側壁バリア膜11aと接している。後述するが,下地金属膜UMは,3層構造の下地バリア膜で構成されており,パッド電極9aの側から第1下地バリア膜UM1,第2下地バリア膜UM2および第3下地バリア膜UM3からなる。したがって,下地金属膜UMの上面とは,第3下地バリア膜UM3の上面を意味し,下面とは第1下地バリア膜UM1の下面を意味する。下地金属膜UMは,再配線RMを構成する銅(Cu)が,表面保護膜10等に拡散するのを防止する拡散バリア機能,および,再配線RMに外部から水分等が侵入するのを防止する吸湿バリア機能を有する。下地金属膜UMは,チタン(Ti)膜,窒化チタン(TiN)膜,タンタル(Ta)膜,窒化タンタル(TaN)膜,タングステン(W)膜,窒化タングステン(WN)膜,または,クロム(Cr)膜等で構成し,下地金属膜UMの総膜厚は,50nm?300nmとするのが良い。ここでは,第1下地バリア膜UM1,第2下地バリア膜UM2および第3下地バリア膜UM3は,例えば,順に,チタン(Ti)膜,窒化チタン(TiN)膜およびチタン(Ti)膜で構成し,それらの膜厚は,順に,10nm,50nmおよび10nmとする。この膜厚は,表面保護膜10の上面上における膜厚である。下地金属膜UMは,単層で構成しても良い。
【0043】
また,再配線RMは,上面,下面および側面を有しており,再配線RMの下面は下地金属膜UMの上面と接している。再配線RMは,銅(Cu)を主成分とする銅膜であるが,Al等の添加物を含んでも良い。再配線RMは,シード膜RM1とメッキ膜RM2との積層構造で構成されている。したがって,再配線RMの下面とは,シード膜RM1の下面を意味し,上面とはメッキ膜RM2の上面を意味する。また,再配線RMの側面(側壁)とは,シード膜RM1とメッキ膜RM2の積層構造の側面(側壁)を意味する。シード膜RM1の膜厚は50nm?300nmとし,メッキ膜RM2の膜厚は,5μm?20μmである。ちなみに,第3層Al配線9の膜厚は,400nm?600nmであるので,再配線RMは,第3層Al配線9,言い換えると,パッド電極9aが形成された配線9の10倍以上の膜厚を有する低抵抗の配線である。つまり,再配線RMの膜厚は,パッド電極9aが形成された配線9の膜厚よりも厚く,望ましくは,再配線RMの膜厚はパッド電極9aが形成された配線9の膜厚の10倍以上である。再配線RMは,断面視において,上面の幅が下面の幅よりも広い逆台形形状となっている。したがって,再配線RMの側面は,再配線RMの幅が上面から下面に向かって狭くなるテーパー形状をしており,これを逆テーパーと呼ぶ。逆に,再配線RMの断面形状が台形形状である場合,つまり,再配線RMの側面が,再配線RMの幅が上面から下面に向かって広くなるテーパー形状を有する場合を,順テーパーと呼ぶ。
【0044】
再配線RMの側面を覆うように側壁バリア膜11aが形成されている。側壁バリア膜11aは,再配線RMの側面に沿って,再配線RMの上面から下面に連続的に形成されており,再配線RMの全周にわたって再配線RMの側面を覆っている。側壁バリア膜11aは,再配線RMの側面に接している。
【0045】
側壁バリア膜11aは,再配線RMの逆テーパーを改善する効果(逆テーパー改善機能)がある。つまり,再配線RMと側壁バリア膜11aの一体構造の側面は順テーパーになっているので,側壁バリア膜11a上に形成する膜の被覆性が向上し,破れ(亀裂,不連続部分)の発生が低減できる。ただ,必ずしも,一体構造の側面を順テーパーにする必要はなく,再配線RMの逆テーパーが順テーパー側に緩和されることが肝要である。側壁バリア膜11aは,断面視において略三角形形状を有し,再配線RMの上面から下面に向かって,側壁バリア膜11aの幅が徐々に広がっている。側壁バリア膜11aの上端は,再配線RMの上面と一致しているのが理想的であるが,上面よりも低くても良い。
【0046】
また,側壁バリア膜11aは,再配線RMへの水分等の侵入を防止する吸湿バリア機能と,再配線RMを構成する銅(Cu)の外部への移動(拡散)を防止する拡散バリア機能を持っても良い。側壁バリア膜11aには,CVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成した酸化シリコン膜または窒化シリコン膜を用いることができ,その膜厚(幅)は,0.1μm?3μmとするのが良い。窒化シリコン膜は,前述の逆テーパー改善(低減)機能,吸湿バリア機能および拡散バリア機能を有する。しかし,酸化シリコン膜は,逆テーパー改善機能を有するが,吸湿バリア機能および拡散バリア機能は有さない。したがって,側壁バリア膜11aに,酸化シリコン膜を用いる場合と,窒化シリコン膜と用いる場合とでは,キャップ金属膜CMに求められる構造(形状)が異なる。
【0047】
例えば,側壁バリア膜11aの下端(下面)は,下地金属膜UMの側面に接して,再配線RMと下地金属膜UMを覆っているので,窒化シリコン膜からなる側壁バリア膜11aの場合,側壁バリア膜11aと下地金属膜UMとで,拡散バリア機能および吸湿バリア機能をより向上できる。さらに,側壁バリア膜11aは,表面保護膜10に接しているので,側壁バリア膜11aと表面保護膜10を,それぞれ窒化シリコン膜で構成した場合,側壁バリア膜11aと表面保護膜10の接触部では,強固な密着性が得られ,拡散バリア機能および吸湿バリア機能をより向上できる。
【0048】
再配線RMの上面および側壁バリア膜11aに接して,再配線RMを覆うようにキャップ金属膜CMが形成されている。キャップ金属膜CMは,再配線RMの上面の全体および側面の全体を覆っている。キャップ金属膜CMは,再配線RMを構成するシード膜RM1の側面(側壁)およびメッキ膜RM2の側面(側壁)を完全に覆っている。キャップ金属膜CMは,上面と下面を有し,下面は再配線RMの上面および側壁バリア膜11aと接しており,再配線RMの外側の領域(再配線RMが形成されていない領域)において,表面保護膜10と接している。平面視において,キャップ金属膜CMは,再配線RMの側面(厳密には,再配線RMの側面の下端部分)から再配線RMの外側の領域(再配線RMが形成されていない領域)に張り出し部PPを有しており,張り出し部PPにおいて,表面保護膜10の上面とキャップ金属膜CMの下面とは接している。つまり,平面視において,張り出し部PPの先端であるキャップ金属膜CMの端部は,再配線RMの側面(側壁)上に形成されたキャップ金属膜CMよりも再配線RMの外側に位置している。また,張り出し部PPは,平面視における再配線RMの全周にわたって形成されている。
【0049】
後述するが,キャップ金属膜CMは,第1キャップバリア膜CM1および第2キャップバリア膜CM2の積層構造からなり,第1キャップバリア膜CM1の下面が再配線RMの上面および側壁バリア膜11aと接している。第1キャップバリア膜CM1は,再配線RMへの水分等の侵入を防止する吸湿バリア機能または再配線RMを構成する銅(Cu)の外部への移動(拡散)を防止する拡散バリア機能を有するバリア膜であり,第2キャップバリア膜CM2は,後述する,ワイヤ27との接着性を向上させるための密着膜である。第1キャップバリア膜CM1としては,スパッタ法で形成されるチタン(Ti)膜,タンタル(Ta)膜,タングステン(W)膜,ニッケル(Ni)膜,または,これらの内のいずれかの窒化膜が適している。また,第2キャップバリア膜CM2としては,スパッタ法で形成されるパラジウム(Pd)膜,金(Au)膜,白金(Pt)膜,ルテニウム(Ru)膜,イリジウム(Ir)膜,または,ロジウム(Rh)膜が適している。
【0050】
本実施の形態1では,第1キャップバリア膜CM1は,スパッタ法で形成したチタン(Ti)膜からなり,その膜厚は50nmであり,第2キャップバリア膜CM2は,スパッタ法で形成したパラジウム(Pd)膜からなり,それらの膜厚は,175nmである。この膜厚は,再配線RMの上面上における膜厚である。
【0051】
また,再配線RMの側面に側壁バリア膜11aを設けているので,スパッタ法で形成した第1キャップバリア膜CM1および第2キャップバリア膜CM2は,再配線RMの上面から側面に沿って表面保護膜10上に至るまで,連続的に,破れ(亀裂,不連続部分)なしに形成されている。仮に,側壁バリア膜11aが無かったとすると,再配線RMの厚さ方向において,言い換えると,再配線RMの側面において,スパッタ法で形成した第1キャップバリア膜CM1および第2キャップバリア膜CM2に破れが発生する可能性がある。つまり,例えば,CVD法で形成した膜に比べ,スパッタ法で形成した膜の被覆性が低いこと,再配線RMの膜厚が非常に厚いこと,さらに,再配線RMの側面が逆テーパーとなっていることに起因して,第1キャップバリア膜CM1および第2キャップバリア膜CM2に破れが発生する可能性が高くなる。本実施の形態1では,再配線RMの側面に側壁バリア膜11aを設けているので,スパッタ法で形成した第1キャップバリア膜CM1および第2キャップバリア膜CM2の破れを防止することができる。
【0052】
このように,再配線RMの上面および側壁バリア膜11aを完全に覆うように,キャップ金属膜CM(具体的には,第1キャップバリア膜)を設けたことで,破れの無い,水分または銅(Cu)に対するバリア機能を有するキャップ金属膜CMで再配線RMの上面および側面を完全に被覆している。したがって,再配線RMの外部から水分,ハロゲンイオン等が再配線RM中に侵入するのを防止できる。また,再配線RMを構成する銅(Cu)がイオン化して再配線RMの外部に移動(拡散)するのを防止することができる。このように,再配線RMの上面および側面を,バリア機能を有するキャップ金属膜CMで完全に覆う構造とした場合には,側壁バリア膜11aは,逆テーパー改善機能があれば良いので,窒化シリコン膜だけでなく,酸化シリコン膜も用いることができる。また,側壁バリア膜11aとして,窒化シリコン膜を用いた場合,キャップ金属膜CMは,再配線RMの上面を完全に覆い,かつ,再配線RMの上面から連続的に側壁バリア膜11a上に延在して,部分的に側壁バリア膜11aと重なっている(重なり部分を有する)ことが肝要である。言い換えると,再配線RMの上面側に位置する側壁バリア膜11aの端部を,キャップ金属膜CMが覆っていれば良い。さらに,言い換えると,再配線RMの上面を完全に覆うキャップ金属膜CMは,表面保護膜10の上面まで連続的に達している必要はなく,再配線RMと側壁バリア膜11aとが接触している界面を覆っていれば十分である。
【0053】
また,前述したように,側壁バリア膜11aの上端が,再配線RMの上面よりも低い場合には,再配線RMの側面の一部が側壁バリア膜11aから露出した構造となるので,再配線RMの上面を覆うキャップ金属膜CMを,再配線RMの側壁まで連続的に延在させて,側壁バリア膜11aから露出した再配線RMの側面を覆い,さらに,側壁バリア膜11aと重なる構造とすることが肝要である。ここで,側壁バリア膜11aが酸化シリコン膜で形成されている場合は,キャップ金属膜CMは,再配線RMの上面から表面保護膜10の上面まで達している必要がある。側壁バリア膜11aが窒化シリコン膜で形成されている場合は,上記のように,キャップ金属膜CMが側壁バリア膜11aに重なる構造であれば良い。
【0054】
再配線RMの上面および側面を覆うように保護膜12が形成されている。保護膜12は,再配線RMの上面(正確には,キャップ金属膜CMの上面,第2キャップバリア膜CM2の上面)を部分的に露出する開口12aを有しており,再配線RMの露出部分が外部パッド電極18となっている。保護膜12は,有機膜,例えば,ポリイミド系樹脂やベンゾシクロブテン系樹脂,アクリル系樹脂,エポキシ系樹脂,または,シリコン系樹脂等で形成される。
【0055】
外部パッド電極18には,例えば,銅(Cu)からなるワイヤ27が接続(ワイヤボンディング,ボンディング接続)されている。銅からなるワイヤ27は,キャップ金属膜CMの第2キャップバリア膜CM2であるパラジウム膜と合金を形成している。」

「【0070】
次に,側壁バリア膜11aを形成するために,再配線RMの上面および側面ならびに下地金属膜UMの側面を覆うようにCVD法(例えば,プラズマCVD法)を用いて無機絶縁膜11を形成する。無機絶縁膜11としては,酸化シリコン膜または窒化シリコン膜を用いることができるが,ここでは,膜厚が0.1μm?3μmの窒化シリコン膜を用いる。CVD法で形成した膜は,スパッタ法で形成した膜に比べ被覆性に優れているので,再配線RMの側面上に形成した無機絶縁膜11により,再配線RMの側面の凹凸を埋めることができ,再配線RMの側面上に形成した無機絶縁膜11の表面は平滑となっている。
【0071】
図10は,図5に示すプロセスフロー図の「側壁バリア膜形成」工程(S5)および「キャップ金属膜CM形成」工程(S6)に対応している。
【0072】
再配線RMの上面および側面を覆うように形成された無機絶縁膜11に対して異方性ドライエッチングを施し,再配線RMの側面上に側壁バリア膜11aを選択的に形成する。つまり,再配線RMの上面上の無機絶縁膜11は完全に除去され,表面保護膜10上に形成されている無機絶縁膜11は,再配線RMの側面を除いて除去される。」

「【0091】
(実施の形態2)
実施の形態2は,実施の形態1の側壁バリア膜11aの構造および製法に関する変形例である。実施の形態1と異なる部分に異なる符号を付して説明をする。同様の符号を付した部分は実施の形態1と同様である。実施の形態1と区別するために,本実施の形態2では,半導体チップ1Bとした。
【0092】
図13は,本実施の形態2の半導体装置の断面図である。図13は,図3のA-A線に沿う断面に相当している。本実施の形態2の半導体装置では,再配線RMの上面および側面が側壁バリア膜11bで覆われている。側壁バリア膜11bは,再配線RMの上面および側面に接触して,上面および側面を覆っており,さらに,表面保護膜10の上面にも連続的に形成されている。側壁バリア膜11bは,下地金属膜UMの側面に接して,下地金属膜UMの側面を覆っている。ただし,側壁バリア膜11bは,再配線RMの上面において,外部パッド電極18に対応する位置に開口13を有しており,開口13において,側壁バリア膜11b上に形成されたキャップ金属膜CMbが再配線RMの上面に接触し,キャップ金属膜CMbにはワイヤ27が接続されている。
【0093】
本実施の形態2では,側壁バリア膜11bは,拡散バリア機能および吸湿バリア機能を有する窒化シリコン膜で形成することが肝要である。また,側壁バリア膜11bを構成する窒化シリコン膜はCVD法で形成されている。
【0094】
図14は,本実施の形態2の半導体装置の製造工程中の断面図である。実施の形態1の図5に示す工程(S1?S4)を実施した後,実施の形態1と同様に,再配線RMの上面および側面を覆うように無機絶縁膜11をCVD法で形成する。次に,レジストマスクPR3を用いて,無機絶縁膜11にエッチングを施すことにより,開口13を有する側壁バリア膜11bを形成する。レジストマスクPR3を除去した後,図5に示す工程(S6?S8)を実施することにより,本実施の形態2の半導体装置が完成する。
【0095】
本実施の形態2では,実施の形態1とは異なり,側壁バリア膜11bを形成する際に,異方性ドライエッチングを用いないという特徴が有る。
【0096】
また,キャップ金属膜CMbは,側壁バリア膜11bに形成された開口13の全体を覆い,側壁バリア膜11b上に延在して,側壁バリア膜11bと重なっていることが肝要である。キャップ金属膜CMbは,再配線RMの上面上に位置する,側壁バリア膜11bの端部を覆っていれば十分であり,キャップ金属膜CMbは,再配線RMの側面まで延在している必要はない。
【0097】
下地金属膜UM上に形成された再配線RMの上面および側面は,拡散バリア機能または吸湿バリア機能を有する側壁バリア膜11bまたはキャップ金属膜CMで覆われている。そして,側壁バリア膜11bの開口13は,キャップ金属膜CMbで覆われ,キャップ金属膜CMbは,側壁バリア膜11b上に延在して,側壁バリア膜11bと重なっている。上記構成により,再配線RMに対する外部からの水分等の侵入または再配線RMを構成する銅膜がイオン化して外部に移動(拡散)するのを防止することができ,再配線を有する半導体装置の信頼性を向上できる。」

「【図3】



「【図4】



図4から,nチャネル型MISトランジスタ(Qn)及びpチャネル型MISトランジスタ(Qp)は半導体基板1Pの上面側に形成されていることが見てとれる。

「【図13】



図13から,再配線RMは複数形成され,複数の再配線RMの間には側壁バリア膜11bが複数の再配線RMにわたって形成され,2つの再配線RMの間に形成された側壁バリア膜11b上には保護膜12が形成されていることが見てとれる。

(イ)引用発明
a 上記(ア)の【0091】の記載から,実施の形態2の半導体装置は,実施の形態1の説明内容が適用されるものと認められ,例えば,実施の形態2の半導体装置も,実施の形態1の半導体装置と同様に,半導体基板1P,層間絶縁膜4,6,8,3層の配線層,表面保護膜10等を備えるものであり,実施の形態2の側壁バリア膜11bは,実施の形態1の側壁バリア膜11aと同様に,「その膜厚(幅)は,0.1μm?3μm」であると認められる。

b したがって,上記(ア)から,引用文献1には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「半導体基板1Pと,
前記半導体基板1P上に形成された複数の配線層と,
前記複数の配線層の最上層に形成されたパッド電極9aと,
前記パッド電極9a上に開口を有する表面保護膜10と,
前記表面保護膜上および前記パッド電極9a上に形成された下地金属膜UMと,
前記下地金属膜UM上に形成され,上面と側面を有する再配線RMと,
前記再配線RMの前記側面を覆う絶縁膜からなる側壁バリア膜11bと,
前記再配線RMの前記上面を覆うキャップ金属膜CMと,
を有し,
前記再配線RMの前記上面および前記側面は,前記キャップ金属膜CMまたは前記側壁バリア膜11bで覆われており,前記キャップ金属膜CMと前記側壁バリア膜11bとは重なり部を有する,半導体装置であって,
p型の単結晶シリコンからなる半導体基板1Pにはp型ウエル2P,n型ウエル2Nが形成されており,
p型ウエル2P内には,半導体素子であるnチャネル型MISトランジスタ(Qn)が形成されており,n型ウエル2N内には,半導体素子であるpチャネル型MISトランジスタ(Qp)が形成されており,
nチャネル型MISトランジスタ(Qn)及びpチャネル型MISトランジスタ(Qp)は半導体基板1Pの上面側に形成され,
酸化シリコン膜などからなる層間絶縁膜4,6,8を有し,
層間絶縁膜4は,例えば半導体素子を覆うように,半導体基板上1P上に形成され,第1層Al配線5はこの層間絶縁膜4上に形成され,
第1層Al配線5は,例えば層間絶縁膜4に形成されたプラグp1を介して半導体素子であるnチャネル型MISトランジスタ(Qn)のソース領域ns,ドレイン領域nd,ゲート電極ngに電気的に接続され,
第2層Al配線7は,例えば層間絶縁膜6に形成されたプラグp2を介して第1層Al配線5に電気的に接続され,
第3層Al配線9は,例えば層間絶縁膜8に形成されたプラグp3を介して第2層Al配線7に電気的に接続され,
多層配線の最上層の配線層である上記第3層Al配線9の上部には,ファイナルパッシベーション膜として表面保護膜(保護膜,絶縁膜)10が形成され,望ましくは,酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜を積層した2層構造であり,
この表面保護膜10に形成されたパッド開口(開口)10aの底部に露出した最上層の配線層である第3層Al配線9は,Alパッドであるパッド電極(電極パッド,第1電極パッド)9aを構成しており,
再配線RMは,パッド開口10aを完全に埋めるように,パッド開口10aの内部に形成され,さらに,表面保護膜10の上に延在しており,
再配線RMの上面および側面が側壁バリア膜11bで覆われており,側壁バリア膜11bは,再配線RMの上面および側面に接触して,上面および側面を覆っており,さらに,表面保護膜10の上面にも連続的に形成されており,
側壁バリア膜11bはCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成した窒化シリコン膜であり,その膜厚(幅)は,0.1μm?3μmとするのが良く,
再配線RMの上面および側面を覆うように保護膜12が形成されており,保護膜12は,再配線RMの上面(正確には,キャップ金属膜CMの上面,第2キャップバリア膜CM2の上面)を部分的に露出する開口12aを有しており,再配線RMの露出部分が外部パッド電極18となっており,保護膜12は,有機膜,例えば,ポリイミド系樹脂やベンゾシクロブテン系樹脂,アクリル系樹脂,エポキシ系樹脂,または,シリコン系樹脂等で形成され,
外部パッド電極18には,例えば,銅(Cu)からなるワイヤ27が接続(ワイヤボンディング,ボンディング接続)されており,
再配線RMは複数形成され,複数の再配線RMの間には側壁バリア膜11bが複数の再配線RMにわたって形成され,2つの再配線RMの間に形成された側壁バリア膜11b上には保護膜12が形成されている,
半導体装置。」

イ 引用文献2
(ア)原査定において周知技術を示す文献として引用され,本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2008-147786号公報(以下「引用文献2」という。)には,次の記載がある。
「【背景技術】
【0002】
負荷に接続されたトランジスタのオン・オフを切替えることによって,負荷に電力を供給する状態と電力を供給しない状態を切替えるスイッチング回路が知られている。例えば,インバータ回路は,トランジスタのオン・オフを切替えることによって直流電力を交流電力に変換し,その交流電力をモータに供給する。この種のスイッチング回路におけるトランジスタのオン・オフは,そのトランジスタのゲート電極(又はベース電極)に接続している駆動回路で制御される。」

「【0032】
図1は,本発明の一例で,絶縁ゲートトランジスタの駆動回路K1に関する回路図である。
【0033】
図1中に破線で囲った駆動回路K1は,絶縁ゲートトランジスタ20を駆動するための回路である。絶縁ゲートトランジスタ20は,図1においてエンハンスメント型NチャネルMOSFET(以下,ENMOSと略記)の回路記号で代表されているが,例えば別の種類のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよいし,IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよい。絶縁ゲートトランジスタ20がMOSFETである場合には,電源Vdd側の出力電極がドレイン電極となる。絶縁ゲートトランジスタ20がIGBTである場合には,電源Vdd側の出力電極がコレクタ電極となる。尚,図1の絶縁ゲートトランジスタ20には,抵抗負荷R3と誘導負荷L1が直列に接続されている。」

「【図1】



(イ)上記記載から,引用文献2には,次の技術が記載されていると認められる。
絶縁ゲートトランジスタ20には,抵抗負荷R3と誘導負荷L1が直列に接続されており,他方の電極はグランドに接続されている。

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)本件補正発明の「一面に形成された半導体素子(30)を有する半導体基板(12)」と引用発明の「半導体基板1P」とを対比する。
引用発明の「nチャネル型MISトランジスタ(Qn)」,「半導体基板1P」は本件補正発明の「半導体素子(30)」,「半導体基板(12)」に相当する。
また,引用発明の「nチャネル型MISトランジスタ(Qn)」が「半導体基板1Pの上面側に形成され」ている点は,本件補正発明の「半導体素子(30)」が「半導体基板(12)」の「一面に形成され」ている点に相当するから,本件補正発明と引用発明は「一面に形成された半導体素子(30)を有する半導体基板(12)」を有する点で一致する。

(イ)引用発明の「層間絶縁膜4,6,8」は,「半導体基板上1P上に」順次積層されるように「形成され」たものであるから,本件補正発明の「前記半導体基板の前記一面上に配置された層間絶縁膜(14)」に相当する。

(ウ)引用発明の「第1層Al配線5」及び「第2層Al配線7」は,「層間絶縁膜4,6,8」内に形成されたものであるから,本件補正発明の「前記層間絶縁膜内に配置された配線層(16)」に相当する。

(エ)本件補正発明の「前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板と反対側に配置され,前記層間絶縁膜よりも硬質な硬質膜(18)」と引用発明の「表面保護膜10」とを対比する。
引用発明の「表面保護膜10」は本件補正発明の「硬質膜(18)」に相当する。
また,引用発明の「表面保護膜10」は「層間絶縁膜4,6,8」上に形成された「第3層Al配線9の上部に」配置されるものであるから,本件補正発明の「硬質膜(18)」が「前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板と反対側に配置され」ている点に相当する。
さらに,引用発明において,「層間絶縁膜4,6,8」は「酸化シリコン膜」により形成され,「表面保護膜10」は「酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜を積層した2層構造」であり,一般的に「窒化シリコン膜」は「酸化シリコン膜」よりも硬度が高いことから,「窒化シリコン膜」を含む「表面保護膜10」は「酸化シリコン膜」により形成された「層間絶縁膜4,6,8」よりも硬度が高いといえる。
したがって,本件補正発明と引用発明は「前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板と反対側に配置され,前記層間絶縁膜よりも硬質な硬質膜(18)」を有する点で一致する。

(オ)本件補正発明の「前記硬質膜に対して前記層間絶縁膜と反対側に配置され,前記配線層を介して前記半導体素子と接続された外部接続用の複数のパッド部(20)」と引用発明の「再配線RM」とを対比する。
引用発明の「再配線RM」は,複数形成されるから,本件補正発明の「複数のパッド部(20)」に相当する。
引用発明の「再配線RM」が,「表面保護膜10に形成されたパッド開口(開口)10a」を「完全に埋めるように,パッド開口10aの内部に形成され,さらに,表面保護膜10の上に延在して」形成される点は,本件補正発明の「複数のパッド部(20)」が「前記硬質膜に対して前記層間絶縁膜と反対側に配置され」る点に相当する。
引用発明において「第1層Al配線5は,例えば層間絶縁膜4に形成されたプラグp1を介して半導体素子であるnチャネル型MISトランジスタ(Qn)のソース領域ns,ドレイン領域nd,ゲート電極ngに電気的に接続され,第2層Al配線7は,例えば層間絶縁膜6に形成されたプラグp2を介して第1層Al配線5に電気的に接続され,第3層Al配線9は,例えば層間絶縁膜8に形成されたプラグp3を介して第2層Al配線7に電気的に接続され,」「表面保護膜10に形成されたパッド開口(開口)10aの底部に露出した最上層の配線層である第3層Al配線9は,Alパッドであるパッド電極(電極パッド,第1電極パッド)9aを構成しており,再配線RMは,パッド開口10aを完全に埋めるように,パッド開口10aの内部に形成され」ていることから,「再配線RM」は「第1層Al配線5」及び「第2層Al配線7」を介して「nチャネル型MISトランジスタ(Qn)」と接続されていると認められるから,本件補正発明と引用発明は「複数のパッド部(20)」が「前記配線層を介して前記半導体素子と接続され」ている点で共通する。
また,引用発明において「再配線RMの露出部分が外部パッド電極18となっており,」「外部パッド電極18には,例えば,銅(Cu)からなるワイヤ27が接続(ワイヤボンディング,ボンディング接続)されて」いることから,「再配線RM」は外部接続されるものであると認められるから,本件補正発明と引用発明は「外部接続用の複数のパッド部(20)」である点で共通する。

(カ)本件補正発明の「電気的な絶縁性を有し,少なくとも前記パッド部同士の対向領域(Sb)に配置された表面保護膜(22)と,を備え,前記表面保護膜は,内側膜(22a)と,前記内側膜に対して前記パッド部と反対側に配置された外側膜(22b)と,を有し,前記内側膜は,1層のみで構成され,膜厚が1μm以上であり,前記外側膜よりも硬質にされており,前記表面保護膜は,前記パッド部におけるグランドに接続される第1パッド部と,誘導負荷に接続される第2パッド部との間に形成されており,前記内側膜は,前記第1パッド部から前記第2パッド部にわたって形成されている」点と引用発明の「側壁バリア膜11b」及び「保護膜12」を含む構成とを対比する。
a 引用発明の「側壁バリア膜11b」,「保護膜12」は,それぞれ本件補正発明の「内側膜(22a)」,「外側膜(22b)」に相当し,引用発明の「側壁バリア膜11b」と「保護膜12」を合わせたものは,本件補正発明の「表面保護膜(22)」に相当する。

b 引用発明において,「側壁バリア膜11b」は「窒化シリコン膜」からなり,「保護膜12」は「有機膜,例えば,ポリイミド系樹脂やベンゾシクロブテン系樹脂,アクリル系樹脂,エポキシ系樹脂,または,シリコン系樹脂等で形成され」ることから,「側壁バリア膜11b」及び「保護膜12」はともに絶縁性を有し,「側壁バリア膜11b」は1層のみで構成され,「側壁バリア膜11b」は「保護膜12」よりも硬質であることは明らかである。
したがって,本件補正発明と引用発明は「表面保護膜(22)」が「電気的な絶縁性を有し」,「前記内側膜は,1層のみで構成され,」「前記外側膜よりも硬質にされて」いる点で一致する。

c 引用発明の「2つの再配線RMの間」は本件補正発明の「前記パッド部同士の対向領域(Sb)」に相当する。そして,引用発明において「2つの再配線RMの間に形成された側壁バリア膜11b上には保護膜12が形成されている」点は,本件補正発明の「少なくとも前記パッド部同士の対向領域(Sb)に配置された表面保護膜(22)」を有する点で一致する。

d 引用発明において,「側壁バリア膜11b」が「再配線RM」上に形成され,「保護膜12」が「側壁バリア膜11b」上に形成される点は,本件補正発明の「前記表面保護膜は,内側膜(22a)と,前記内側膜に対して前記パッド部と反対側に配置された外側膜(22b)と,を有」する点に相当する。

e 引用発明における「2つの再配線RM」のそれぞれは本件補正発明の「第1パッド部」,「第2パッド部」に相当する。
そして,引用発明において,「側壁バリア膜11b」は「2つの再配線RMの間に形成され」るから,本件補正発明と引用発明は「前記表面保護膜は,前記パッド部における第1パッド部と,第2パッド部との間に形成され」る点で共通する。

f 引用発明において「複数の再配線RMの間には側壁バリア膜11bが複数の再配線RMにわたって形成され」る点は,本件補正発明の「前記内側膜は,前記第1パッド部から前記第2パッド部にわたって形成されている」点に相当する。

g 上記a?fから,本件補正発明と引用発明は「電気的な絶縁性を有し,少なくとも前記パッド部同士の対向領域(Sb)に配置された表面保護膜(22)と,を備え,前記表面保護膜は,内側膜(22a)と,前記内側膜に対して前記パッド部と反対側に配置された外側膜(22b)と,を有し,前記内側膜は,1層のみで構成され,前記外側膜よりも硬質にされており,前記表面保護膜は,前記パッド部における第1パッド部と,第2パッド部との間に形成されており,前記内側膜は,前記第1パッド部から前記第2パッド部にわたって形成されている」点で共通する。

(キ)引用発明の「半導体装置」は本件補正発明の「半導体装置」に相当する。

イ 以上のことから,本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は,次のとおりである。
【一致点】
「一面に形成された半導体素子(30)を有する半導体基板(12)と,
前記半導体基板の前記一面上に配置された層間絶縁膜(14)と,
前記層間絶縁膜内に配置された配線層(16)と,
前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板と反対側に配置され,前記層間絶縁膜よりも硬質な硬質膜(18)と,
前記硬質膜に対して前記層間絶縁膜と反対側に配置され,前記配線層を介して前記半導体素子と接続された外部接続用の複数のパッド部(20)と,
電気的な絶縁性を有し,少なくとも前記パッド部同士の対向領域(Sb)に配置された表面保護膜(22)と,を備え,
前記表面保護膜は,内側膜(22a)と,前記内側膜に対して前記パッド部と反対側に配置された外側膜(22b)と,を有し,
前記内側膜は,1層のみで構成され,前記外側膜よりも硬質にされており,
前記表面保護膜は,前記パッド部における第1パッド部と,第2パッド部との間に形成されており,
前記内側膜は,前記第1パッド部から前記第2パッド部にわたって形成されている半導体装置。」

【相違点1】
本件補正発明は,「内側膜は,膜厚が1μm以上であ」るのに対し,引用発明では,「側壁バリア膜11bは」「その膜厚(幅)は,0.1μm?3μm」である点。

【相違点2】
本件補正発明では,「第1パッド部」は「グランドに接続され」,「第2パッド部」は「誘導負荷に接続される」ものであるのに対し,引用発明では「2つの再配線RM」が何に接続されるものであるか明記がない点。

(4)判断
以下,相違点について検討する。
ア 相違点1について
(ア)相違点1に関連する本願の明細書の記載事項
相違点1を検討するに当たり,本願の明細書において,「内側膜」の膜厚に関連した事項が記載されている事項を整理すると次のとおりである(下線は当審で付加したもの。)。
「【0030】
内側膜22aは,外側膜22bよりも硬質なパッシベーション膜とされている。内側膜22aのヤング率は,例えば50GPa以上とされている。本実施形態の内側膜22aのヤング率は,例えば,240GPa程度とされている。内側膜22aは,シリコン酸化膜(SiO_(2),SiO),又は,シリコン窒化膜(SiN)を用いて形成されている。言い換えると,内側膜22aの主成分は,シリコン酸化膜,又は,シリコン窒化膜とされている。
【0031】
硬質膜18は,パッド部20と層間絶縁膜14との間に配置されることでボンディングの応力を緩和できるが,パッド部20上に配置されていないためパッド部20のエレクトロマイグレーションを抑制できない。これに対し,内側膜22aが硬質膜とされていることで,パッド部20にエレクトロマイグレーションが生じるのを抑制できる。エレクトロマイグレーションとは,イオンの移動により金属が変形する現象である。本実施形態において内側膜22aの膜厚は,1.0μm以上とされている。
【0032】
外側膜22bは,内側膜22aよりも柔軟性に優れた材料を用いて形成されている。外側膜22bは,例えば,ポリイミドを用いて形成されている。外側膜22bは,表面10aの一部をなしている。外側膜22bのヤング率は,例えば数GPaとされている。」

「【0045】
図6では,内側膜22aの膜厚を変化させて,半導体装置10に作用する熱的なストレスを評価した場合の評価結果を示している。図6の四角マーカは,パッド部20同士がショートした場合の値を示している。図6の三角マーカは,パッド部20同士がショートしなかった場合の値を示している。内側膜22aが0μmの場合,すなわち内側膜22aが形成されていない場合には,回転数が107回程度でパッド部20同士がショートしている。また,内側膜22aが0.2μmの場合においても,回転数が10^(6)?10^(7)回の間でパッド部20同士がショートしている。これに対して,内側膜22aが1.4μmの場合には,回転数が10^(9)回でもパッド部20同士がショートしていない。」

「【図6】



(イ)上記(ア)の記載を踏まえつつ,以下,上記相違点1について検討する。
引用発明の「側壁バリア膜11bは」「その膜厚(幅)は,0.1μm?3μm」であり,本件補正発明の「内側膜」の膜厚である「1μm以上」と数値範囲が重なる。
引用発明の「側壁バリア膜11b」は「吸湿バリア機能および拡散バリア機能」を得るために形成されるものであり,「その膜厚(幅)は,0.1μm?3μm」である。「側壁バリア膜11b」の厚みは,「側壁バリア膜11b」が形成される再配線や絶縁膜等対象物の寸法や達成したい「吸湿バリア機能および拡散バリア機能」の程度に応じて,当業者が適宜設定すべきものであるから,十分な「吸湿バリア機能および拡散バリア機能」を得るために「側壁バリア膜11b」の膜厚(幅)として,「0.1μm?3μm」の範囲内で,1μm以上の厚みを採用することは,当業者が容易に想到し得たことである。
また,本願明細書には,上記のとおり,段落【0031】に「内側膜22aの膜厚は,1.0μm以上」と,段落【0045】に「内側膜22aが0μmの場合,すなわち内側膜22aが形成されていない場合には,回転数が10^(7)回程度でパッド部20同士がショートしている。また,内側膜22aが0.2μmの場合においても,回転数が10^(6)?10^(7)回の間でパッド部20同士がショートしている。これに対して,内側膜22aが1.4μmの場合には,回転数が10^(9)回でもパッド部20同士がショートしていない。」と記載されており,「内側膜」の膜厚を1μm以上とすることの意義について記載されているものの,本件補正発明においては,「内側膜は,1層のみで構成され,膜厚が1μm以上であり,前記外側膜よりも硬質にされて」いると記載されているのみであり,その材料について具体的に特定されておらず,「内側膜」の硬度についても「外側膜よりも硬質」であるとの記載のみであり,具体的な硬度が記載されていない。本願明細書によれば,エレクトロマイグレーションを抑制するために,硬質な内側膜を形成し,その膜厚を1μm以上とするものであるが,エレクトロマイグレーションを抑制するためには,一定の機械的強度が求められ,機械的強度は少なくとも材料とその厚みに依存するから,本件補正発明において,具体的に材料や硬度が特定されていない内側膜について,その膜厚を1μm以上としたとしても,その臨界的意義を認めることはできない。
したがって,引用発明において,「側壁バリア膜11bの膜厚(幅)」を「1μm以上」とすることは,当業者が容易に想到し得るものであり,かつ,「1μm以上」という下限値に臨界的意義は認められないから,引用発明において,本件補正発明のように「前記内側膜」を「膜厚が1μm以上」のものとすることは,当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点2について
引用発明に記載された半導体装置をどのような回路に適用するかは,当業者が適宜決めるべき事項である。そして,例えば引用文献2に記載されるように,トランジスタを誘導負荷とグランドに接続することも,本願出願時における周知技術であるので,引用発明において,「2つの再配線RM」の一方を誘導負荷に,他方をグランドに接続することは,当業者が容易になし得るものである。

ウ そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本件補正発明の奏する作用効果は,引用発明及び引用文献2に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。

エ したがって,本件補正発明は,引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
よって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年7月3日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,令和2年2月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は,その請求項2に記載された事項により特定される,前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は,この出願の請求項2に係る発明は,本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない,というものである。

引用文献1:特開2016-115892号公報
引用文献2:特開2008-147786号公報(周知技術を示す文献)

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は,前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は,上記「第2」の「2 補正の適否」で検討した本件補正発明において,「内側膜」の形成場所についての限定事項を削除したものである。
そうすると,本願発明の特定事項を全て含み,更に他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が,上記「第2」の「2 補正の適否」において判断したとおり,引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおりであるから,他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶をすべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2021-03-31 
結審通知日 2021-04-06 
審決日 2021-04-26 
出願番号 特願2016-202787(P2016-202787)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 朋一  
特許庁審判長 恩田 春香
特許庁審判官 小川 将之
井上 和俊
発明の名称 半導体装置  
代理人 久保 貴則  
代理人 野々部 泰平  
代理人 矢作 和行  

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