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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01G
管理番号 1375367
審判番号 不服2020-7683  
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-04 
確定日 2021-07-08 
事件の表示 特願2016- 24595「超高電圧キャパシタアセンブリ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 9月23日出願公開、特開2016-171311、請求項の数(19)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年2月12日(パリ条約に基づく優先権主張 2015年3月13日、米国)の出願であって、平成28年2月16日に翻訳文が提出され、令和元年6月6日付けで拒絶理由が通知され、令和元年11月12日に意見書が提出され、令和2年2月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、令和2年6月4日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされ、令和2年7月15日に手続補正(請求の理由の補充)がなされ、当審において令和2年12月15日付けで最後の拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、令和3年4月21日に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和2年2月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
「この出願の請求項1ないし19に係る発明は、以下の引用文献1に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
引用文献1:特開2013-219362号公報」

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである
「この出願の請求項1ないし19に係る発明は、以下の引用文献1ないし4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
引用文献1:特開2013-219362号公報(拒絶査定時の引用文献1)
引用文献2:特開2013-183162号公報(当審において新たに引用した文献)
引用文献3:特開平3-212920号公報(当審において新たに引用した文献)
引用文献4:特開平3-266411号公報(当審において新たに引用した文献)」

第4 本願発明
(1)本願の請求項1ないし19に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明19」という。)は、令和3年4月21日の手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(下線は、補正箇所を示す。)。
「 【請求項1】
焼結された多孔質アノード本体、前記アノード本体の上に重なる誘電体層、および伝導性ポリマーを含む前記誘電体層の上に重なる固体電解質をそれぞれ含有する第1および第2のキャパシタ要素であって、前記第1のキャパシタ要素および前記第2のキャパシタ要素から第1および第2のアノードリードがそれぞれ延びている、第1および第2のキャパシタ要素と、
前記第1のキャパシタ要素の前記固体電解質を、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに電気接続する結合部材であって、前記結合部材が、前記第1のキャパシタ要素の表面に接続され、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに溶接されている、前記結合部材と、
前記第1および第2のキャパシタ要素が内部に配置されかつ密閉封止されている、内部キャビティを画定するハウジングであって、前記内部キャビティが不活性ガスを含有する気体雰囲気を有するハウジングと、
前記第1のキャパシタ要素の前記第1のアノードリードに電気接続している外部アノード端子と、
前記第2のキャパシタ要素の前記固体電解質に電気接続している外部カソード端子とを含み、
前記アノード本体が、バルブ金属組成物の粉末から形成され、前記粉末が、アスペクト比が2?100の薄片状の形態を有する、
キャパシタアセンブリ。
【請求項2】
不活性ガスが、前記気体雰囲気の約50質量%?100質量%を構成する、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジングが、金属、プラスチック、セラミック、またはこれらの組合せから形成される、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のアノードリードの横方向にほぼ垂直に配置され、かつそこに接続された、第1の部分を含有する第1の伝導性部材をさらに含む、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の伝導性部材が、前記第1のアノードリードが延びる前記横方向にほぼ平行に配置された第2の部分をさらに含有する、請求項4に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の伝導性部材が前記アノード端子に接続されている、請求項4に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項7】
前記第2のキャパシタ要素の前記固体電解質に電気接続された第2の伝導性部材をさらに含む、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項8】
前記第2の伝導性部材が前記カソード端子に接続されている、請求項7に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のアノードリードおよび前記第2のリードが反対方向に向いている、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項10】
2?10個のキャパシタ要素を含む、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項11】
前記第1および第2のキャパシタ要素の間に配置された第3のキャパシタ要素であって、焼結された多孔質アノード本体、前記アノード本体の上に重なる誘電体層、および伝導性ポリマーを含む前記誘電体層の上に重なる固体電解質を含有する第3のキャパシタ要素と、
前記第3のキャパシタ要素から延びる第3のアノードリードと
をさらに含む、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のアノードリードおよび前記第2のアノードリードが同じ方向に向いている、請求項11に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のアノードリードおよび前記第3のアノードリードが反対方向を向いている、請求項12に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項14】
前記結合部材が、第1の部分、第2の部分、および第3のキャパシタ要素から形成され、前記第1の部分は、前記第1のキャパシタ要素の前記固体電解質および前記第3のキャパシタ要素の前記第3のアノードリードを電気接続し、前記第2の部分は、前記第3のキャパシタ要素の前記固体電解質を前記第2のキャパシタ要素の前記第2のアノードリードに電気接続する、請求項11に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項15】
前記粉末が、タンタル、ニオブ、またはこれらの導電性酸化物を含有する、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項16】
前記伝導性ポリマーが置換ポリチオフェンである、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項17】
前記置換ポリチオフェンがポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、請求項16に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項18】
前記固体電解質が、複数の半重合伝導性ポリマー粒子を含む、請求項1に記載のキャパシタアセンブリ。
【請求項19】
約600V以上の破壊電圧を示す、請求項1から18までのいずれかに記載のキャパシタアセンブリ。」

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
当審拒絶理由で引用された、引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は、引用個所を示す。)。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサアセンブリであって、
陽極酸化した焼結多孔質本体から形成されたアノードと該アノードを被覆する固体電解質とを含むコンデンサ要素と、
内部に前記コンデンサ要素が位置決めされて密閉された内部空洞を定めるハウジングであって、縦方向の寸法と横方向の寸法とを有して外周を更に定める表面を含む前記ハウジングと、
前記ハウジングの前記表面に隣接して位置付けられた外部アノード末端部分を含み、アノード本体に電気的に接続されたアノード末端と、
前記ハウジングの前記表面に隣接して位置付けられた外部カソード末端部分を含み、前記固体電解質に電気的に接続するカソード末端と、
を含み、
前記外部アノード末端部分、前記外部カソード末端部分、又はその両方は、所定の距離だけ前記横方向に前記ハウジング表面の前記外周を超えて外向きに延びる、
ことを特徴とするコンデンサアセンブリ。」

「【請求項16】
前記多孔質本体は、タンタル又は酸化ニオブの粉末から形成されることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のコンデンサアセンブリ。」

「【0006】
本発明の一実施形態により、陽極酸化した焼結多孔質本体から形成されたアノードとアノードを被覆する固体電解質とを含むコンデンサ要素を含むコンデンサアセンブリを開示する。アセンブリは、その中にコンデンサ要素が位置決めされて密閉される内部空洞を定めるハウジングも含む。ハウジングは、縦方向の寸法と横方向の寸法とを有する表面を含み、この表面は、更に外周を定める。アノード末端がアノード本体と電気的に接続され、アノード末端は、ハウジングのこの表面に隣接して位置付けられた外部アノード末端部分を含む。カソード末端が固体電解質と電気的に接続され、カソード末端は、ハウジングのこの表面に隣接して位置付けられた外部カソード末端部分を含む。外部アノード末端部分、外部カソード末端部分、又はその両方は、このハウジング表面の外周を超えて横方向に所定の距離だけ外向きに延びている。」

「【0016】
I.コンデンサ要素
A.アノード
コンデンサアセンブリが高電圧用途で用いられる時に、コンデンサ要素のアノードが、・・・省略・・・比較的低い比電荷を有する粉末から形成されることが多くの場合に望ましい。・・・省略・・・。
【0017】
この粉末は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、それらの合金、それらの酸化物、それらの窒化物などのようなバルブ金属(すなわち、酸化ができる金属)又はバルブ金属ベースの化合物を含むことができる。・・・省略・・・。
【0018】
この粉末の粒子は、薄片、角状、結節状、及びそれらの混合物又は変形とすることができる。・・・省略・・・。」

「【0025】
B.固体電解質
コンデンサ要素は、コンデンサのためのカソードとして機能する固体電解質も含む。二酸化マンガン固体電解質は、例えば、硝酸マンガン(Mn(NO_(3))_(2))の熱分解によって生成することができる。そのような技術は、例えば、Sturmer他に付与された米国特許第4,945,452号明細書に説明されており、この特許は、全ての目的に対してその引用によりその全体が本明細書に組み込まれている。固体電解質は、1つ又はそれよりも多くの導電性ポリマー層を含むことができる。そのような層に用いる導電性ポリマーはπ共役であり、酸化の後の少なくとも1μScm^(-1)の導電率のような酸化又は還元の後での導電率を有する。そのようなπ共役導電性ポリマーの例は、例えば、ポリヘテロ環(例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなど)、ポリアセチレン、ポリ-p-フェニレン、ポリフェノレートなどを含む。とりわけ適切な導電性ポリマーは、以下の一般構造を有する置換ポリチオフェンである。」

「【0060】
上述の実施形態は、単一コンデンサ要素だけに言及している。しかし複数のコンデンサ要素(例えば、2、3など)もハウジング内部に密封することができることも理解すべきである。複数のコンデンサ要素は、様々な異なる技術のいずれかを使用してハウジングに取り付けることができる。例えば、図4を参照すると、2つのコンデンサ要素を含むコンデンサアセンブリ400の1つの特定的な実施形態が示されており、ここでより詳細に説明する。より詳しくは、コンデンサアセンブリ400は、第2のコンデンサ要素420bと電気的に連通する第1のコンデンサ要素420aを含む。この実施形態において、コンデンサ要素は、それらの主面が水平構成であるように整列する。すなわち、その幅(-x方向)及び長さ(-y方向)によって定められるコンデンサ要素420aの主面は、コンデンサ要素420bの対応する主面と隣り合って位置決めされる。従って、これらの主面はほぼ同一平面にある。代替的に、コンデンサ要素は、それらの主面が同一平面になく、-z方向又は-x方向のような所定の方向で互いに直角であるように整列することができる。言うまでもなく、コンデンサ要素は、同じ方向に延びる必要はない。」

「【0062】
例えば、再び図4を参照すると、コンデンサ要素が、共通のカソード末端429に並列に接続して示されている。コンデンサアセンブリ400は、コンデンサ要素420a及び420bのアノードリード420a及び420bにそれぞれ接続する接続部材427及び527も含む。特に、接続部材427は、直立部分465とアノード末端(図示せず)に接続している平面部分463とを含む。同様に、接続部材527は、直立部分565とアノード末端(図示せず)に接続している平面部分563とを含む。言うまでもなく、広範な他の接続機構も用いることができることを理解すべきである。」



よって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「陽極酸化した焼結多孔質本体から形成されたアノードとアノードを被覆する固体電解質とを含むコンデンサ要素を含むコンデンサアセンブリであって、アセンブリは、その中に2つのコンデンサ要素が位置決めされて不活性ガスを含有するガス雰囲気の存在下で密閉される内部空洞を定めるハウジングも含み、アノード末端がアノード本体と電気的に接続され、アノード末端は、外部アノード末端部分を含み、カソード末端が固体電解質と電気的に接続され、カソード末端は、外部カソード末端部分を含み(【0006】、【0060】。なお、「2つの」は【0060】より認定した。)、
前記多孔質本体は、タンタル又は酸化ニオブの粉末から形成され(【請求項16】、【0016】)、この粉末の粒子は、薄片とすることができ(【0018】)、
固体電解質は、1つ又はそれよりも多くの導電性ポリマー層を含むことができ、(【0025】)、
コンデンサアセンブリ400は、第2のコンデンサ要素420bと電気的に連通する第1のコンデンサ要素420aを含み(【0060】)、コンデンサ要素が、共通のカソード末端429に並列に接続され、コンデンサアセンブリ400は、コンデンサ要素420a及び420bのアノードリード420a及び420bにそれぞれ接続する接続部材427及び527も含み、接続部材427は、直立部分465とアノード末端に接続している平面部分463とを含み、同様に、接続部材527は、直立部分565とアノード末端に接続している平面部分563とを含む(【0062】)、
コンデンサアセンブリ(【0006】)。」

2 引用文献2について
当審拒絶理由で引用された引用文献2には、次の事項が記載されている(下線は、引用個所を示す。)。
「【0006】
本発明の別の実施形態により、陽極酸化された焼結多孔質アノード本体を含むアノードを含む固体電解コンデンサを開示する。アノード本体は、タンタル又は酸化ニオブを含有して約3,000から約40,000μF*V/gの比電荷を有する粉末から形成される。コンデンサはまた、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)又はその誘導体を含む導電性ポリマーの分散液から形成されてアノードの上に重なる固体電解質を含む。アノード終端は、アノードに電気的に接続され、カソード終端は、固体電解質に電気的に接続される。更に、コンデンサは、約200ボルト又はそれよりも高い絶縁破壊電圧を示す。」

「【0016】
アノードを形成するために、バルブ金属組成物の粉末が一般的に用いられる。粉末は、結節状、角状、薄片などのような様々な形状の粒子のいずれか、並びにそれらの混合物を含むことができる。特定的な実施形態において、粒子は、それらが比較的平坦又は小平板形状を有するなどの点で薄片状の形態を有することができる。こうした粒子は、アノードの外面と内部の間に短い伝送線を提供することができ、高度に連続して濃密な高導電性を有するアノードへのワイヤ接続も提供することができる。とりわけ、これは、絶縁破壊電圧(コンデンサが故障する電圧)を高めるのに役立ち、かつ等価直列電圧(「ESR」)を低下させることを助けることができる。この粒子は、より高電圧で陽極酸化した時の比電荷を高めることができ、それによってエネルギ密度が増大する。
【0017】
用いられる時に、薄片粒子はほぼ平坦である。平坦性の程度は、「アスペクト比」、すなわち、粒子の平均厚みで除した平均の直径又は幅(「D/T」)によって一般的に定められる。粒子のアスペクト比は、例えば、約2から約100、一部の実施形態において約3から約50、一部の実施形態において約4から約30とすることができる。この粒子は、・・・省略・・・。」

よって、引用文献2には、次の技術(以下、「引用文献2に記載された技術」という。)が記載されているものと認められる。
「陽極酸化された焼結多孔質アノード本体を含むアノードを含む固体電解コンデンサ(【0006】)であって、
アノードを形成するために、バルブ金属組成物の粉末が一般的に用いられ、粉末は、薄片などの形状の粒子を含むことができ、粒子は、それらが比較的平坦又は小平板形状を有するなどの点で薄片状の形態を有することができ、こうした粒子は、絶縁破壊電圧(コンデンサが故障する電圧)を高めるのに役立ち、かつ等価直列電圧(「ESR」)を低下させることを助けることができ(【0016】)、
薄片粒子はほぼ平坦であり、平坦性の程度は、「アスペクト比」、すなわち、粒子の平均厚みで除した平均の直径又は幅(「D/T」)によって一般的に定められ、粒子のアスペクト比は、例えば、約2から約100とすることができる(【0017】)」技術。

3 引用文献3について
当審拒絶理由で引用された引用文献3には、図面とともに、次の技術が記載されている(下線は、引用個所を示す。)。
ア 「2.特許請求の範囲
(1)コンデンサ素子の陽極リードに外部引出し用の陽極リード端子を溶接するとともに、同コンデンサ素子の陰極面に導電性接着材を介して外部引出し用の陰極リード端子を取付け、上記コンデンサ素子のまわりにモールド樹脂よりなる樹脂外装体を形成し、上記陽極リード端子および陰極リード端子の各先端部を上記樹脂外装体の表面に沿って折り曲げてなる固体電解コンデンサにおいて、上記陽極リード端子および陰極リード端子が引出されている上記樹脂外装体の各側面には、この固体電解コンデンサ同士を直列的に配列した場合、その隣合うリード端子同士を電気的に接触させた状態で互いに嵌合する連結ガイド手段が形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。」(第1頁左下欄第4-18行)

イ 「(3)請求項1に記載の固体電解コンデンサを複数個直列に接続した状態でケース内に収納してなることを特徴とする固体電解コンデンサのユニット。」(第1頁右下欄第4-7行)

ウ 「〔産業上の利用分野〕
この発明は、固体電解コンデンサおよび同コンデンサ同士を直列に配列してなるコンデンサユニットに関するものである。」(第1頁右下欄第13-16行)

エ 「〔実 施 例〕
以下、この発明の実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
第1図および第2図はこの固体電解コンデンサ1をそれぞれ反対方向から見た斜視図、第3図はその断面図である。これによると、同固体電解コンデンサ1は例えばタンタルなどの弁作用金属粉末の陽極焼結体からなるコンデンサ素子2を備えている。このコンデンサ素子2は陽極リード2aを有し、陽極焼結体は化成されたのち、二酸化マンガンよりなる固体電解質によって覆われ、さらにその上にカーボン・銀ペーストからなる陰極面2bが形成されている。陽極リード2aに外部引出し用の陽極リード端子3が溶接により取付けられる。陰極面2bには接着銀などの導電性接着材5を介して外部引出し用の陰極リード端子4が取付けられる。
しかるのち、コンデンサ素子2のまわりに例えばトランスファモールドなどにて樹脂外装体6がチップ状を呈するように形成されるのであるが、この場合、リード端子3,4が引出されている各側面6a,6bには、この固体電解コンデンサ1同士を直列的に接続する際のガイドとなる連結ガイド手段が設けられている。」(第2頁左下欄第19行-第3頁左上欄第2行)



オ 「第4図には、例えば3つの固体電解コンデンサ1を直列に連結した状態が示されている。すなわち、突起7を隣のコンデンサ1の凹部8内に嵌合させることにより、陽極リード端子3と陰極リード端子4とが接触し、コンデンサ1同士が電気的に直列に接続されることになる。
第5図および第6図には、上記のように直列接続される固体電解コンデンサ1をユニット化するためのケース10が示されている。すなわち、このケース10は例えば3つのコンデンサ1を収納し得る大きさの上面が開放された直方形状の箱体からなり、その長手方向に対向する両側壁10a,10bには、最外側に配置されるコンデンサ1,1の陽極リード端子3と陰極リード端子4に接触する端子金具11,12が設けられている。この実施例においては、ケース10を回路基板に対して表面実装し得るように、各端子金具11,12は同ケース10の側面から底面にかけて図示のように折り曲げられている。
このケース10を数種類用意し、その中にコンデンサ1を直列状態に収納することにより、必要とする耐電圧を有するコンデンサユニットが得られる。」(第3頁左上欄第20行-同頁左下欄第2行)



カ 「〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、溶接もしくはハンダ付は作業を行うことなく、簡単に直列接続することができる固体電解コンデンサが得られる。したがって、使用するコンデンサの数に応じて所望とする耐電圧有するより小型なコンデンサユニットが簡単に得られる。」(第3頁左下欄第8-14行)(なお、「耐電圧有する」とある記載は、「耐電圧を有する」の誤記と認められる。)

したがって、引用文献3には、次の技術(以下、「引用文献3に記載された技術」という。)が記載されているものと認められる。
「固体電解コンデンサを複数個直列に接続した状態でケース内に収納してなることを特徴とする固体電解コンデンサのユニット(上記「イ」)であって、固体電解コンデンサ1は弁作用金属粉末の陽極焼結体からなるコンデンサ素子2を備え、このコンデンサ素子2は陽極リード2aを有し、陽極焼結体は陰極面2bが形成され、陽極リード2aに外部引出し用の陽極リード端子3が取付けられ、陰極面2bには陰極リード端子4が取付けられ(上記「エ」)、固体電解コンデンサ1を直列に連結し、陽極リード端子3と陰極リード端子4とが接触し、コンデンサ1同士が電気的に直列に接続され、直列接続される固体電解コンデンサ1をユニット化するためのケース10は、その長手方向に対向する両側壁10a,10bに、最外側に配置されるコンデンサ1,1の陽極リード端子3と陰極リード端子4に接触する端子金具11,12が設けられ(上記「オ」)、直列接続する固体電解コンデンサの数に応じて所望とする耐電圧を有する(上記「カ」)ことができる」技術。

4 引用文献4について
当審拒絶理由で引用された引用文献4には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、引用個所を示す。)。
ア 「[産業上の利用分野]
この発明は電解コンデンサ装置、殊に複数の電解コンデンサを直列接続状態に一つのケース内に収納してユニット化した電解コンデンサ装置に関する。」(第1頁右下欄第10-14行)

イ 「[課題を解決するための手段]
この目的を達成するために、この発明では複数の低い電圧用の電解コンデンサを一つのケース内に収納し、ケース内で電解コンデンサを直列に接続することにより高い電圧用の電解コンデンサ装置が得られるようにした。」(第2頁右上欄第10-15行)

ウ 「〈実施例1〉
第1図乃至第4図にこの発明に係る電解コンデンサ装置の第1の実施例を示す。
電解コンデンサ装置1は、ケース2と、このケース2内に収納された2つのリード同一方向型のアルミニウム電解コンデンサ3、4(第2図)とを有する。
ケース2は電気絶縁性の合成樹脂からなり、ケース本体5と、これに被せられるカバー6とから構成されている。ケース本体5には、上記電解コンデンサ3、4を横並び状態に収納するための樋状に湾曲した収納凹部7、8が仕切り板9を挟んで設けられ、ケース本体5の底面も収納凹部7、8の形状に相応して湾曲し(第3図)、これによりケース本体5の底面の、電解コンデンサ装置1が実装されるべき回路基板10(第4図)に対する接触面積が小さくなり、例えば回路基板をハンダ浴に浸漬してハンダ付けする際、その熱的影響を受は難くなる。」(第2頁左下欄第12行-同頁右下欄第10行)

エ 「すなわち、電解コンデンサ4のマイナス側リード端子4cが斜め上方に伸びて、電解コンデンサ3の短く切断されたプラス側リード端子3bに溶接され、電解コンデンサ3のマイナス側リード端子3cと電解コンデンサ4のプラス側リード端子4bは、それぞれ途中で折り曲げられて、ちょうどケース本体5の前壁11とカバー6の前壁の合わせ目2aの高さになされ、合わせ目2a付近からケース2の外に引き出されている。」(第2頁右下欄第19行-第3頁左上欄第7行)



よって、引用文献4には、次の技術(以下、「引用文献4に記載された技術」という。)が記載されているものと認められる。
「ケース2は電気絶縁性の合成樹脂からなり、ケース本体5と、これに被せられるカバー6とから構成され、ケース本体5には、上記電解コンデンサ3、4を横並び状態に収納し(上記「ウ」)、電解コンデンサ4のマイナス側リード端子4cが、電解コンデンサ3のプラス側リード端子3bに溶接され、電解コンデンサ3のマイナス側リード端子3cと電解コンデンサ4のプラス側リード端子4bは、ケース2の外に引き出され(上記「エ」)、複数の低い電圧用の電解コンデンサを一つのケース内に収納し、ケース内で電解コンデンサを直列に接続することにより高い電圧用の電解コンデンサ装置が得られるようにした(上記「イ」)」技術。

第6 引用発明との対比、判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明における「陽極酸化した焼結多孔質本体から形成されたアノード」が、本願発明1における「焼結された多孔質アノード本体」に相当する。

イ 引用発明における「アノード」は「陽極酸化した焼結多孔質本体から形成され」ているから、酸化膜、すなわち誘電体層が形成されていることは明らかであって、この誘電体層が、本願発明1における「前記アノード本体の上に重なる誘電体層」に相当する。

ウ 引用発明における「アノードを被覆する固体電解質」は「導電性ポリマー層を含む」から、本願発明1における「および伝導性ポリマーを含む前記誘電体層の上に重なる固体電解質」に相当する。

エ 引用発明における「第1のコンデンサ要素420a」および「第2のコンデンサ要素420b」が、それぞれ、本願発明1における「第1および第2のキャパシタ要素」に相当する。

オ 引用発明における「コンデンサ要素420a及び420bのアノードリード420a及び420b」は、それぞれがコンデンサ要素420a及び420bから延びていることは明らかであって、本願発明1における「前記第1のキャパシタ要素および前記第2のキャパシタ要素から第1および第2のアノードリードがそれぞれ延びている」ことに相当する。

カ 本願発明1では、第1のキャパシタ要素と第2のキャパシタ要素との電気接続が(一方のカソードと他方のアノードとを接続した)直列接続であって、該直列接続の両端となるアノードとカソードの二点がそれぞれ外部端子に電気接続されている(「前記第1のキャパシタ要素の前記第1のアノードリード」が「外部アノード端子」に「電気接続」されるとともに、「前記第2のキャパシタ要素の前記固体電解質」が「外部カソード端子」に「電気接続」されている)のに対し、
引用発明では、コンデンサ要素420a及び420bとの電気接続が、単にカソードを共通に電気接続しただけのものであって、該共通のカソード、およびそれぞれのコンデンサ要素のアノードの三点がそれぞれ外部端子に接続されている点で相違する。

キ 本願発明1では、第1のキャパシタ要素と第2のキャパシタ要素との電気接続を(一方のカソードと他方のアノードとを接続した)直列接続とするために「前記第1のキャパシタ要素の前記固体電解質を、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに電気接続する結合部材であって、前記結合部材が、前記第1のキャパシタ要素の表面に接続され、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに溶接されている、前記結合部材」を含んでいるのに対し、引用発明では、そのような結合部材を含んでいない点で相違する。

ク 引用発明における「その中にコンデンサ要素が位置決めされ」、「密閉される内部空洞を定めるハウジング」が、本願発明1における「前記第1および第2のキャパシタ要素が内部に配置されかつ密閉封止されている、内部キャビティを画定するハウジング」に相当する。

ケ 引用発明における「その中にコンデンサ要素が位置決めされて不活性ガスを含有するガス雰囲気の存在下で密閉される内部空洞を定めるハウジング」が、本願発明1における「前記内部キャビティが不活性ガスを含有する気体雰囲気を有するハウジング」に相当する。

コ 引用発明における「コンデンサ要素420a及び420b」が、「共通のカソード末端429に並列に接続され」、「カソード末端が固体電解質と電気的に接続され」、「カソード末端は」、「外部カソード末端部分を含」み、「コンデンサ要素420a及び420bのアノードリード420a及び420b」に、(「接続部材427」を介して)それぞれ「アノード末端」が接続され、「アノード末端は、外部アノード末端部分を含」むことと、本願発明1とは、「前記第1のキャパシタ要素および前記第2のキャパシタ要素が電気接続され、外部アノード端子と、外部カソード端子とを含む」点で共通する。
しかしながら、本願発明1では、第1のキャパシタ要素と第2のキャパシタ要素との電気接続を(一方のカソードと他方のアノードとを接続した)直列接続とするために、「前記第1のキャパシタ要素の前記固体電解質を、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに電気接続する結合部材であって、前記結合部材が、前記第1のキャパシタ要素の表面に接続され、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに溶接されている、前記結合部材」を含んでいるのに対し、引用発明では、そのような結合部材を含んでいない点で相違する。

サ 引用文献1の段落【0017】に記載されているとおり、タンタル、ニオブは「バルブ金属」であるから、引用発明における「アノード」が「焼結多孔質本体から形成され」、「前記多孔質本体は、タンタル又は酸化ニオブの粉末から形成され」、「この粉末の粒子は、薄片とすることができ」ることと、本願発明1とは、「前記アノード本体が、バルブ金属組成物の粉末から形成され、前記粉末が、薄片状の形態を有する」点で共通する。
しかしながら、バルブ金属組成物の粉末の薄片状の形態について、本願発明1では「アスペクト比が2?100」とされているのに対し、引用発明では、「薄片」のアスペクト比について示されていない点で相違する。

上記アないしサから、本願発明1と引用発明との一致点、相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「焼結された多孔質アノード本体、前記アノード本体の上に重なる誘電体層、および伝導性ポリマーを含む前記誘電体層の上に重なる固体電解質をそれぞれ含有する第1および第2のキャパシタ要素であって、前記第1のキャパシタ要素および前記第2のキャパシタ要素から第1および第2のアノードリードがそれぞれ延びている、第1および第2のキャパシタ要素と、
前記第1および第2のキャパシタ要素が内部に配置されかつ密閉封止されている、内部キャビティを画定するハウジングであって、前記内部キャビティが不活性ガスを含有する気体雰囲気を有するハウジングと、
前記第1のキャパシタ要素および前記第2のキャパシタ要素が電気接続され、外部アノード端子と、外部カソード端子とを含み、
前記アノード本体が、バルブ金属組成物の粉末から形成され、前記粉末が、薄片状の形態を有する、
キャパシタアセンブリ。」

【相違点1】
本願発明1では、第1のキャパシタ要素と第2のキャパシタ要素との電気接続が(一方のカソードと他方のアノードとを接続した)直列接続であって、該直列接続の両端となるアノードとカソードの二点がそれぞれ外部端子に電気接続されている(「前記第1のキャパシタ要素の前記第1のアノードリード」が「外部アノード端子」に「電気接続」されるとともに、「前記第2のキャパシタ要素の前記固体電解質」が「外部カソード端子」に「電気接続」されている)のに対し、
引用発明では、コンデンサ要素420a及び420bとの電気接続が、単にカソードを共通に電気接続しただけのものであって、該共通のカソード、およびそれぞれのコンデンサ要素のアノードの三点がそれぞれ外部端子に接続されている点。

【相違点2】
本願発明1では、第1のキャパシタ要素と第2のキャパシタ要素との電気接続を(一方のカソードと他方のアノードとを接続した)直列接続とするために、「前記第1のキャパシタ要素の前記固体電解質を、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに電気接続する結合部材であって、前記結合部材が、前記第1のキャパシタ要素の表面に接続され、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに溶接されている、前記結合部材」を含んでいるのに対し、引用発明では、そのような結合部材を含んでいない点。

【相違点3】
バルブ金属組成物の粉末の薄片状の形態について、本願発明1では「アスペクト比が2?100」とされているのに対し、引用発明では、「薄片」のアスペクト比について示されていない点。

(2)判断
事案に鑑み、先ず、相違点2について検討する。
ア 引用文献3に記載された技術を再掲すれば、次のとおりである。
「固体電解コンデンサを複数個直列に接続した状態でケース内に収納してなることを特徴とする固体電解コンデンサのユニットであって、固体電解コンデンサ1は弁作用金属粉末の陽極焼結体からなるコンデンサ素子2を備え、このコンデンサ素子2は陽極リード2aを有し、陽極焼結体は陰極面2bが形成され、陽極リード2aに外部引出し用の陽極リード端子3が取付けられ、陰極面2bには陰極リード端子4が取付けられ、固体電解コンデンサ1を直列に連結し、陽極リード端子3と陰極リード端子4とが接触し、コンデンサ1同士が電気的に直列に接続され、直列接続される固体電解コンデンサ1をユニット化するためのケース10は、その長手方向に対向する両側壁10a,10bに、最外側に配置されるコンデンサ1,1の陽極リード端子3と陰極リード端子4に接触する端子金具11,12が設けられ、直列接続する固体電解コンデンサの数に応じて所望とする耐電圧を有することができる」技術。

イ 次に、引用文献4に記載された技術を再掲すれば、次のとおりである。
「ケース2は電気絶縁性の合成樹脂からなり、ケース本体5と、これに被せられるカバー6とから構成され、ケース本体5には、上記電解コンデンサ3、4を横並び状態に収納し、電解コンデンサ4のマイナス側リード端子4cが、電解コンデンサ3のプラス側リード端子3bに溶接され、電解コンデンサ3のマイナス側リード端子3cと電解コンデンサ4のプラス側リード端子4bは、ケース2の外に引き出され、複数の低い電圧用の電解コンデンサを一つのケース内に収納し、ケース内で電解コンデンサを直列に接続することにより高い電圧用の電解コンデンサ装置が得られるようにした」技術。

ウ しかし、引用文献3、4に記載された技術は、第1のキャパシタ要素と第2のキャパシタ要素との電気接続を(一方のカソードと他方のアノードとを接続した)直列接続とするものの、「前記第1のキャパシタ要素の前記固体電解質を、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに電気接続する結合部材であって、前記結合部材が、前記第1のキャパシタ要素の表面に接続され、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに溶接されている、前記結合部材」を用いるものではない。

エ よって、引用文献3、4より「2つの電解コンデンサを一つのケース内に収納し、ケース内で、一方の電解コンデンサの陰極リードと他方の電解コンデンサの陽極リード端子とを接続して、2つの電解コンデンサを直列に接続し、一方の電解コンデンサの陽極リードと他方の電解コンデンサの陰極リード端子とをケースの外に引き出すことにより、高い電圧用の電解コンデンサ装置が得られること」が周知技術であるといえるとしても、引用発明に該周知技術や引用文献3、4に記載された技術を適用しても、上記相違点2に係る本願発明1の構成とはならない。

オ また、引用文献2にも、第1のキャパシタ要素と第2のキャパシタ要素との電気接続が(一方のカソードと他方のアノードとを接続した)直列接続であるものとする際、上記のような「結合部材」を用いることは記載されていない。

カ よって、上記相違点2は、当業者であっても、引用文献1に記載された発明、引用文献2ないし4に記載された技術及び周知技術に基づいて容易になし得たこととはいえない。

(3)まとめ
したがって、本願発明1は、上記相違点1、3について検討するまでもなく、上記相違点2に係る構成、つまり、第1のキャパシタ要素と第2のキャパシタ要素との電気接続が(一方のカソードと他方のアノードとを接続した)直列接続であるものとするための、「前記第1のキャパシタ要素の前記固体電解質を、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに電気接続する結合部材であって、前記結合部材が、前記第1のキャパシタ要素の表面に接続され、前記第2のキャパシタ要素の前記アノードリードに溶接されている、前記結合部材」を含んでいる点で、引用文献1に記載された発明、引用文献2ないし4に記載された技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし19について
本願発明2ないし19は、本願発明1に所与の限定を付した発明であるから、本願発明1と同じく、上記相違点2の点で、引用発明と相違する。
よって、本願発明2ないし19は、本願発明1について述べたのと同じ理由によって、当業者であっても、引用文献1に記載された発明、引用文献2ないし4に記載された技術及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断
以上のとおり、本願発明1ないし19は、当業者であっても、引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、同様の理由により、本願発明1ないし19は、原査定において引用された引用文献1(当審拒絶理由で引用された上記引用文献1と同じ。)に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-06-22 
出願番号 特願2016-24595(P2016-24595)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 晃洋  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 山本 章裕
清水 稔
発明の名称 超高電圧キャパシタアセンブリ  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 須田 洋之  
代理人 西島 孝喜  
代理人 近藤 直樹  
代理人 上杉 浩  
代理人 那須 威夫  
代理人 大塚 文昭  

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