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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1377678
審判番号 不服2020-8039  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-10 
確定日 2021-05-26 
事件の表示 特願2018-115427「有機ソーラーモジュール、及び/または製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月10日出願公開、特開2019- 4150〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)6月18日(パリ条約による優先権主張2017年6月19日、米国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和元年7月4日付け :拒絶理由通知書(同月16日発送)
令和元年10月10日 :意見書、手続補正書の提出
令和2年1月30日付け:拒絶査定(同年2月12日送達)
令和2年6月10日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和2年10月27日 :上申書の提出

第2 令和2年6月10日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年6月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、令和元年10月10日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所として、請求人が付したものである。)。

「実質的に透明な基板と、
前記基板に支持された光起電力回路と、を備える光起電デバイスであって、
前記光起電力回路が3つの層を備え、
前記3つの層が、
電気伝導性ナノワイヤーと、正電荷を運ぶホール輸送及び/または電子ブロック材料と、の混合物から形成される第1のハイブリッド電極と、
電気伝導性ナノワイヤーと、負電荷を運ぶ電子輸送及び/またはホールブロック材料と、の混合物から形成される第2のハイブリッド電極と、
前記第1のハイブリッド電極と前記第2のハイブリッド電極との間に配置された光活性層と、を備え、
前記第1のハイブリッド電極に用いる電気伝導性ナノワイヤーが、銀ナノワイヤーであり、前記ホール輸送及び/または電子ブロック材料が、PEDOTを含む複合ポリマーを備え、
前記第1のハイブリッド電極および前記第2のハイブリッド電極がいずれも、90%を超える光透過率(T)を示し、実質的に透明である、
光起電デバイス。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「基板と、
前記基板に支持された光起電力回路と、を備える光起電デバイスであって、
前記光起電力回路が3つの層を備え、
前記3つの層が、
電気伝導性ナノワイヤーと、正電荷を運ぶホール輸送及び/または電子ブロック材料と、の混合物から形成される第1のハイブリッド電極と、
電気伝導性ナノワイヤーと、負電荷を運ぶ電子輸送及び/またはホールブロック材料と、の混合物から形成される第2のハイブリッド電極と、
前記第1のハイブリッド電極と前記第2のハイブリッド電極との間に配置された光活性層と、を備え、
前記第1のハイブリッド電極に用いる電気伝導性ナノワイヤーが、銀ナノワイヤーであり、前記ホール輸送及び/または電子ブロック材料が、PEDOTを含む複合ポリマーを備える、
光起電デバイス。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「基板」について、「実質的に透明な」と限定を付加し、「第1のハイブリッド電極」及び「第2のハイブリッド電極」について、「90%を超える光透過率(T)を示し、実質的に透明である」と限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献2
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、国際公開第2017/006798号(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審が付した。以下同じ。)。

「[0032] <電極>
本実施形態に係る有機光電変換素子は、一対の電極(第1の電極及び第2の電極)を有し、そのうち少なくとも一方は、金属ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含む。以下、第1の電極が、金属ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含む電極であるとして、本発明の一実施形態を説明する。
[0033] 第1の電極は、金属ナノワイヤーと、金属ナノワイヤーが形成するネットワークの空隙の少なくとも一部に配置された光導電性金属酸化物粒子を含む。」
[0034] 図1(a)は、銀ナノワイヤーの表面SEM像を示す図である。図1(a)に示されるように、本実施形態の第1の電極では、金属ナノワイヤー同士が重なり合い、導電経路が形成されることで高い導電性が発現する。また、金属ナノワイヤーが重なり合いネットワークを形成することで空隙が生じ、この空隙によって良好な光透過性が得られる。」
「[0038] 金属ナノワイヤーは、金、銀及び銅からなる群より選択される少なくとも一種を含むものであってよい。また、第1の電極は、金属ナノワイヤーとして、金ナノワイヤー、銀ナノワイヤー及び銅ナノワイヤーからなる群より選択される少なくとも一種を含むものであってよい。」
[0039] 光導電性金属酸化物粒子は、光導電性を有する金属酸化物の粒子である。光導電性を有する金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等が挙げられる。
[0040] 光導電性金属酸化物粒子は、光透過性及び導電性に優れる観点から、酸化亜鉛粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛粒子、及びガリウムドープ酸化亜鉛粒子からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。」
「[0047] 第2の電極は、有機光電変換素子の電極として使用可能な電極であればよい。
[0048] 例えば、第2の電極は、第1の電極と同様に、金属ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含むものであってよい。」
「[0146] 活性層は、P型半導体材料として、式(I)で表される構成単位を有する化合物以外の、他の化合物を含んでいてもよい。P型半導体材料に含まれる他の化合物は、電子供与性化合物であってよく、例えば、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)等の酸化防止剤、P3HT(ポリ(3-ヘキシルチオフェン))等のP型半導体ポリマー、P型低分子半導体などが例示できる。
[0147] 活性層は、N型半導体材料をさらに含む。
[0148] N型半導体材料は、電子受容性化合物を含み、該電子受容性化合物は、低分子化合物(例えば、分子量2000以下の化合物)であっても高分子化合物であってもよい。すなわち、N型半導体材料としては、低分子の電子受容性化合物、及び高分子の電子受容性化合物が挙げられる。」
「[0171] <電子輸送層>
本実施形態に係る有機光電変換素子は、一方の電極(好ましくは陰極)と活性層との間に電子輸送層を有していてよい。
電子輸送層は、公知の電子輸送性材料を含むものであってよい。電子輸送性材料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO(インジウムスズ酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、PEIE(ポリエチレンイミンエトキシレイティド)、PEI(ポリエチレンイミン)が挙げられる。より高い光電変換効率を示す観点からは、電子輸送層はPEIEを含むことが好ましい。」
「[0178] <正孔輸送層>
本実施形態に係る有機光電変換素子は、一方の電極(好ましくは陽極)と活性層との間に正孔輸送層を有していてよい。
正孔輸送層は、公知の正孔輸送性材料を含むものであってよい。正孔輸送性材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリスチレンスルフォネート等の導電性高分子が挙げられる。」
「[0182] <有機光電変換素子>
本実施形態に係る有機光電変換素子は、第1の電極と、第1の電極に相対する第2の電極と、第1の電極及び第2の電極の間に設けられた活性層を有していてよい。また、本実施形態に係る有機光電変換素子は、第1の電極及び第2の電極のいずれか一方の電極と活性層との間に、電子輸送層を有していてよく、他方の電極と活性層との間に、正孔輸送層を有していてよい。
[0183] 第1の電極及び第2の電極のうち、一方は陽極として用いられ、他方は陰極として用いられる。本実施形態において、好ましくは第1の電極が陰極である。電子輸送層は、陰極として用いられる電極と活性層との間に設けられ、正孔輸送層は、陽極として用いられる電極と活性層との間に設けられる。」
「[0185] 本実施形態に係る有機光電変換素子は、基板上に形成されたものであってよい。基板としては、有機光電変換素子の各層の形成時に化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。」
「[0191] 本実施形態に係る製造方法は、基板上に第2の電極を形成する工程を含むものであってよい。なお、第2の電極が、金属ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含むものであるとき、第2の電極を形成する工程は、形成箇所が異なること以外は、第1の電極を形成する工程と同様の工程であってよい。」
「[0195] 有機薄膜太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。…(後略)…。」

(イ)上記記載から、引用文献2について、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a [0183]より、「第1の電極が陰極」である場合から、「第2の電極」は「陽極」であること。
b [0146]?[0148]より、「活性層」は、「電子供与性化合物」及び「電子受容性化合物」を含むこと。
c [0035]より、「金属ナノワイヤー」は、「銀ナノワイヤー」であること。
d [0185]より、「有機光電変換素子」は、「基板上に形成されたもの」であってよく、「半導体素子」などの呼称は、「基板を含むもの」及び「基板が除去され、基板を含まないもの」の両方に使用される呼称である。
よって、[0185]の記載より、「有機光電変換素子」は、「基板を備える」ものと理解できる。
(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

<引用発明>
「第1の電極と、第1の電極に相対する第2の電極と、第1の電極及び第2の電極の間に設けられた活性層を有する有機光電変換素子であって、
有機光電変換素子は、基板を備え、
基板は、ガラスであり、
第1の電極及び第2の電極のいずれか一方の電極と活性層との間に、電子輸送層を有し、他方の電極と活性層との間に、正孔輸送層を有し、
電子輸送層は、電子輸送性材料を含み、電子輸送性材料は、PEIE(ポリエチレンイミンエトキシレイティド)であり、
正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含み、正孔輸送性材料は、ポリエチレンジオキシチオフェンであり、
活性層は、電子供与性化合物及び電子受容性化合物を含み、
第1の電極は、銀金属ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含む電極であり、
第1の電極は、陰極であり、
第2の電極は、第1の電極と同様に、銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含むものであり、
第2の電極は、陽極であり、
電子輸送層は、陰極として用いられる電極と活性層との間に設けられ、
正孔輸送層は、陽極として用いられる電極と活性層との間に設けられる、有機光電変換素子。」

イ 引用文献4
(ア)同じく原査定に引用され、本願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2009/113342号(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。

「[0007] 本発明の課題は、金属ナノワイヤを含有する透明導電性層を設け、電極の導電性を向上させることによって解決されるに至った。」
「[0062] 本発明に係る透明導電性層には、導電性ポリマーを含有することが好ましい。その場合、1種類の導電性ポリマーを単独で含有してもよいし、2種類以上の導電性ポリマーを組み合わせて含有してもよい。
[0063] 本発明において用いられる導電性ポリマーとしては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子が好ましく、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる重合体、または共重合体が好適に用いられる。特にポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が好ましい。」
「[0070] 本発明に係る透明導電性層に導電性ポリマーを含有する場合、1つの層に金属ナノワイヤと導電性ポリマーを混合させてもよいが、それぞれを含有する別々の層として形成し、重層構成としてもよい。」
「表1


「[0152] 本発明では、溶融塩等のイオン伝導性電解質の代わりに、有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を使用することができる。有機正孔輸送材料としては、芳香族アミン類やトリフェニレン誘導体類、更にポリアセチレン及びその誘導体、ポリ(p-フェニレン)及びその誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリトルイジン及びその誘導体等の導電性高分子を好ましく用いることができる。」
(イ)上記記載から、引用文献4について、次の技術的事項が記載されていると認められる。
a 金属ナノワイヤを含有する透明導電性層により、電極の導電性を向上させること。([0007])
b 導電性ポリマーとして、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を選択し得ること。([0063]、表1)
また、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)は、正孔輸送材料であること。([0152])
c 1つの層に金属ナノワイヤと導電性ポリマーを混合させてもよいが、それぞれを含有する別々の層として形成し、重層構成としてもよいこと。([0070])

ウ 引用文献9
(ア)同じく原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特表2014-505963号公報(以下「引用文献9」という。)には、次の記載がある。

「【0009】
第三の態様では、本発明は:
(a)導電性ポリマー、および、
(b)銀ナノワイヤ、
の混合物を含むポリマーフィルムに関し、
ここで、フィルムは、100重量部の銀ナノワイヤに対して1重量部未満のビニルピロリドンポリマーを含む。」
「【0020】
本明細書で用いられる場合、以下の用語は、以下で帰属される意味を有する:
…(中略)…。
「アノード」とは、任意のカソードと比較して、ホールの注入がより効率的である電極を意味し、
…(中略)…。
「カソード」とは、電子または負電荷キャリアの注入が特に効率的である電極を意味し、
…(後略)…。」
「【0139】
1つの実施形態では、本発明に従うポリマーフィルムは、電子デバイスの電極層として、より典型的にはアノード層として用いられる。」
「【0144】
1つの実施形態では、本発明の電子デバイスは、図1に示すように、電子デバイス100であり、アノード層101、電気活性層104、およびカソード層106を有し、所望に応じて、さらに、バッファー層102、ホール輸送層103、および/または電子注入/輸送層もしくは閉じ込め層105を有していてよく、ここで、デバイスの層の少なくとも1つは、本発明に従うポリマーフィルムである。デバイス100は、さらに、支持体または基材(図示せず)を含んでよく、これは、アノード層101またはカソード層106に隣接してよく、より典型的には、アノード層101に隣接してよい。支持体は、可撓性または剛性、有機または無機であってよい。適切な支持体材料としては、例えば、ガラス、セラミック、金属、およびプラスチックフィルムが挙げられる。」
「【0159】
本発明の電子デバイスは、半導体材料の1つ以上の層を含み、そのような1つ以上の層を通しての制御された電子の移動を利用するものであるいかなるデバイスであってもよく、例えば:
発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、ダイオードレーザー、またはライティングパネルなどを例とする、電気エネルギーを放射線に変換するデバイス、
光検出器、光導電セル、フォトレジスター、光スイッチ、フォトトランジスター、光電管、赤外(「IR」)検出器、またはバイオセンサーなどを例とする、電子プロセスを通してシグナルを検出するデバイス、
光起電力デバイスまたは太陽電池などを例とする、放射線を電気エネルギーに変換するデバイス、および、
トランジスターまたはダイオードなどを例とする、1つ以上の半導体層を有する1つ以上の電子部品を含むデバイス、
などである。」
「【0164】
実施例1?16および比較例C1
実施例1から16および比較例C1の分散液およびポリマーフィルムを、以下のようにして作製した。」
【0166】
PEDOT:PSS分散液を銀ナノワイヤと組み合わせて実施例1?16の分散液を形成し、これらの各々は、水/エチルアルコール/DMSOの75/20/5の混合物中に分散されたPEDOT:PSSと銀ナノワイヤを、その合わせた量で1.25重量%含有していた。」
「図1


(イ)上記記載から、引用文献9について、次の技術的事項が記載されていると認められる。
a 銀ナノワイヤ及び導電性ポリマーの混合物を含むポリマーフィルム。
b 上記aのポリマーフィルムは、光起電力デバイスの「アノード電極」に用いられ、「アノード電極」は、「ホールの注入がより効率的である電極」であること。
c 上記aの導電性ポリマーは、PEDOTを含むこと。
d 上記bより、上記aの導電性ポリマーは、ホール注入の機能を有すること。

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「基板」は「ガラス」であって、引用文献1の記載「支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い」([0195])からみれば、引用発明の「基板」は、本件補正発明の「実質的に透明な基板」に相当するといえる。
(イ)引用発明の「有機光電変換素子」は、本件補正発明の「光起電デバイス」に相当し、「第1の電極と、第1の電極に相対する第2の電極と、第1の電極及び第2の電極の間に設けられた活性層」が、「基板」上に形成され、光起電力を得る構成であることは、明らかである。
よって、引用発明は、本件補正発明の「前記基板に支持された光起電力回路と、を備える光起電デバイス」といえる。
(ウ)引用発明の「第2の電極」は、「陽極」であって、「銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含むもの」である。
一方、本件補正発明の「第1のハイブリッド電極」は、「電気伝導性ナノワイヤーと、正電荷を運ぶホール輸送及び/または電子ブロック材料と、の混合物から形成される」ものであり、「正電荷を運ぶホール輸送及び/または電子ブロック材料」を含むことから、「陽極」と解される。
してみると、引用発明と本件補正発明とは、「電気伝導性ナノワイヤーを含む第1の電極」を備える点で、一致するといえる。
(エ)引用発明の「第1の電極」は、「陰極」であって、「銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含むもの」である。
一方、本件補正発明の「第2のハイブリッド電極」は、「電気伝導性ナノワイヤーと、負電荷を運ぶ電子輸送及び/またはホールブロック材料と、の混合物から形成される」ものであり、「負電荷を運ぶ電子輸送及び/またはホールブロック材料」を含むことから、「陰極」と解される。
してみると、引用発明と本件補正発明とは、「電気伝導性ナノワイヤーを含む第2の電極」を備える点で、一致するといえる。
(オ)引用発明の「活性層」は、本件補正発明の「光活性層」に相当し、「第1の電極及び第2の電極の間に設けられ」ているから、引用発明と本件補正発明とは、「前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された光活性層」との構成で、一致するといえる。
(カ)引用発明は、「第1の電極と、第1の電極に相対する第2の電極と、第1の電極及び第2の電極の間に設けられた活性層を有する」のであるから、本件補正発明の「前記光起電力回路が3つの層」を備え、「3つの層が」、「電気伝導性ナノワイヤーを含む第1の電極」、「電気伝導性ナノワイヤーを含む第2の電極」及び「電気伝導性ナノワイヤーを含む第1の電極と電気伝導性ナノワイヤーを含む第2の電極との間に配置された光活性層」である点で、本件補正発明と一致するといえる。
(キ)引用発明の「第2の電極」は、「銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含むもの」である。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、「第1の電極に用いる電気伝導性ナノワイヤーが、銀ナノワイヤー」である点で、一致するといえる。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「実質的に透明な基板と、
前記基板に支持された光起電力回路と、を備える光起電デバイスであって、
前記光起電力回路が3つの層を備え、
前記3つの層が、
電気伝導性ナノワイヤーを含む第1の電極と、
電気伝導性ナノワイヤーを含む第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された光活性層と、を備え、
前記第1の電極に用いる電気伝導性ナノワイヤーが、銀ナノワイヤーである、
光起電デバイス。」

<相違点>
・相違点1
「第1の電極」について、本件補正発明は、「ハイブリッド電極」であって、「電気伝導性ナノワイヤーと、正電荷を運ぶホール輸送及び/または電子ブロック材料と、の混合物から形成され」ており、「ホール輸送及び/または電子ブロック材料が、PEDOTを含む複合ポリマーを備え」ているのに対して、引用発明は、「正孔輸送層は、陽極として用いられる電極と活性層との間に設けられ」ており、「正孔輸送性材料を含み、正孔輸送性材料は、ポリエチレンジオキシチオフェンであ」る点。
・相違点2
「電気伝導性ナノワイヤーを含む第2の電極」について、本件補正発明は、「ハイブリッド電極」であって、「電気伝導性ナノワイヤーと、負電荷を運ぶ電子輸送及び/またはホールブロック材料と、の混合物から形成される」のに対し、引用発明は「電子輸送層は、陰極として用いられる電極と活性層との間に設けられ」ている点。
・相違点3
「第1の電極」及び「第2の電極」の「光透過率」について、本件補正発明は、「いずれも、90%を超える光透過率(T)を示し、実質的に透明である」のに対して、引用発明は、不明である点。

(4)判断
以下、相違点1?3について、2つの判断を検討する。
ア 判断1
(ア)相違点1について
「金属ナノワイヤー」と「正電荷を運ぶ複合ポリマー」との混合物からなる透明導電膜は、周知(例えば、引用文献4(上記第2の2(2)イ(イ))、引用文献9(上記第2の2(2)ウ(イ))。更には、原査定の拒絶の理由において、周知技術を示す文献として引用された文献5及び文献6である、特表2017-500741号公報(【0053】)、特開2010-251592号公報(【0078】、表1)参照。)である。
また、引用文献4には、「本発明に係る透明導電性層に導電性ポリマーを含有する場合、1つの層に金属ナノワイヤと導電性ポリマーを混合させてもよいが、それぞれを含有する別々の層として形成し、重層構成としてもよい」([0070])と記載されており、「金属ナノワイヤー」と「導電性ポリマー」との混合物からなる透明導電膜は、「混合物」であっても「重層構成」であってもよいものと理解できる。
ここで、引用発明の構成をみると、引用発明の「第2の電極」が「銀ナノワイヤー」を含み、「第2の電極」に接して「正孔輸送層」が形成されているのであるから、「第2の電極」及び「正孔輸送層」は「重層構成」といえる。
そして、一般的な積層構造において、どの層を一体的に構成するかは、当業者が、それぞれの層の材料等を勘案して適宜選択し得る事項であるから、上記周知技術及び引用文献4に開示された上記知見より、引用発明において重層構成をなしている「第2の電極」及び「正孔輸送層」を混合させ、「混合物」として構成することは、当業者であれば容易になし得る事項であり、相違点1に係る構成は充足される。
なお、引用発明の「正孔輸送層」は、「正孔輸送性材料を含み、正孔輸送性材料は、ポリエチレンジオキシチオフェン」であり、いわゆる「PEDOT」と呼ばれる材料であるから、上記のように「第2の電極」及び「正孔輸送層」を混合させて構成すれば、相違点1に係る「ホール輸送及び/または電子ブロック材料が、PEDOTを含む複合ポリマーを備え」との構成は満たされることとなる。

(イ)相違点2について
「金属ナノワイヤー」と「電子輸送層」との混合物からなる透明導電膜は、周知である(例えば、原査定の拒絶の理由において、周知技術を示す文献として引用された文献7及び文献8である、Kirill Zilberberg et al., "Highly Robust Indium‐Free Transparent Conductive Electrodes Based on Composites of Silver Nanowires and Conductive Metal Oxides", ADVANCED FUNCTIONAL MATERIALS, 2014年, Vol. 24, pp. 1671-1678(要約、Table 1(Ag NW/SnO_(x)、Ag NW/AZO))、韓国公開特許第10-2016-0010655号公報([0081]-[0082] 表1(Ag NW+PEIE)参照)。
そして、上記(ア)で説示したように引用文献4には、「金属ナノワイヤー」と「導電性ポリマー」との混合物からなる「透明導電膜」は、「混合物」であっても「重層構成」であってもよいことが記載されている。
ここで、引用発明の構成をみると、引用発明の「第1の電極」が「銀ナノワイヤー」を含み、「第1の電極」に接して「電子輸送層」が形成されているのであるから、「第1の電極」及び「電子輸送層」は「重層構成」といえる。
したがって、上記(ア)の説示と同様に、上記周知技術及び引用文献4に開示された知見より、引用発明において重層構成である「第1の電極」及び「電子輸送層」を混合させ、「混合物」として構成することは、当業者であれば容易になし得る事項であり、相違点2に係る構成は充足される。
(ウ)相違点3について
引用発明の「第1の電極」及び「第2の電極」は、共に「銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含む電極」である。
ここで、引用文献2の次の記載「また、金属ナノワイヤーが重なり合いネットワークを形成することで空隙が生じ、この空隙によって良好な光透過性が得られる。」([0034])、「光導電性金属酸化物粒子は、光透過性及び導電性に優れる観点から、酸化亜鉛粒子、…(中略)…からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。」([0040])に照らしてみれば、引用発明の「第1の電極」及び「第2の電極」は、「銀ナノワイヤー」の「重なり合い」により形成される「空隙」によって「光透過性」を備え、「光導電性金属酸化物粒子」も「光透過性」を備えるものである。
してみると、引用発明の「第1の電極」及び「第2の電極」が、共に透明であることは明らかといえる。
そして、上記(3)ア(ア)のとおり、当該「第1の電極」及び「第2の電極」は、実質的に透明な「ガラス基板」上に形成されている。
したがって、引用発明が、「第1の電極」側及び「第2の電極」側の両面から光を入射する構成であることは明らかであり、引用発明の「第1の電極」及び「第2の電極」が、上記相違点1及び相違点2に係る構成を充足した結果、ハイブリッド電極となったとしても、そのような構成が維持されることは明らかである。
そして、「活性層」への光の入射量を多くすることは、有機光電変換素子において、当然に求められる事項であるから、引用発明の「第1の電極」及び「第2の電極」の光透過率は、当然に高く設計され得るものである。
また、相違点3に係る構成において、90%を超える光透過率という数値限定が、一般的に技術的に実現が困難であるという数値ではなく、さらに、格別の臨界的意義も認められない。
よって、引用発明の「第1の電極」及び「第2の電極」の光透過率を、相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

イ 判断2
本件補正発明は、「前記光起電力回路が3つの層を備え」と特定しているが、「光起電力回路」が他の層(正孔輸送層、電子輸送層など)を備えることを排除してはいないものである。
したがって、引用発明において、「正孔輸送層」及び「電子輸送層」はそのままとし、引用発明の「第1の電極」及び「第2の電極」そのものを「ハイブリッド電極」とした態様も、本件補正発明は排除していないと解されるため、引用発明においてそのような構成とすることが容易であるか否か、との観点から、以下のとおり判断を示す。
(ア)相違点1について
上記ア(ア)のとおり、「金属ナノワイヤー」と「正電荷を運ぶ複合ポリマー」との混合物からなる透明導電膜は周知である。さらに、上記周知文献の記載及び引用発明から、正電荷を運ぶポリマーとして「PEDOT」が用いられることも周知である。
また、引用文献4の【0007】にも記載のとおり、金属ナノワイヤーを含有する透明導電膜により、透明導電膜の導電性は向上されるものであって、「金属ナノワイヤー」のみ、或いは「正電荷を運ぶ複合ポリマー」のみからなる「透明導電膜」と比較して、「金属ナノワイヤー」が「正電荷を運ぶ複合ポリマー」の導電性を補い、「正電荷を運ぶ複合ポリマー」が「金属ナノワイヤー」が存在しない領域の導電性を補うことにより、より導電性に優れる透明導電膜として機能していることは、当業者には明らかである。
そして、引用発明の「第2の電極」の導電性の向上は、常に求められる要請であるから、引用発明に周知技術を適用することには、動機があるといえる。
したがって、引用発明に上記周知技術を適用し、引用発明の「銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含む」、「第2の電極」を、「銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子」と「正電荷を運ぶ複合ポリマー」との混合物からなる「透明導電膜」とし、当該「正電荷を運ぶ複合ポリマー」を「PEDOT」にて構成することは、当業者であれば容易になし得ることであり、当該構成により、相違点1に係る構成は充足される。。
(イ)相違点2について
上記ア(イ)のとおり、「金属ナノワイヤー」と「電子輸送層」との混合物からなる透明導電膜は、周知であり、上記(ア)のとおり、当該構成によって、透明導電膜の導電性は向上されるものである。
そして、引用発明の「第1の電極」の導電性の向上は、常に求められる要請であるから、引用発明に周知技術を適用することには、動機があるといえる。
したがって、引用発明に上記周知技術を適用し、引用発明の「銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子を含む」、「第1の電極」を、「銀ナノワイヤー及び光導電性金属酸化物粒子」と「電子輸送層」との混合物からなる透明導電膜として構成することは、当業者であれば容易になし得ることであり、当該構成により、相違点2に係る構成は充足される。
(ウ)相違点3について
上記ア(ウ)のとおりである。

ウ 本件補正発明の効果について
そして、上記相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ 結論
したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである

オ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、「また、上記引用文献2の段落[0171]及び[0178]には、確かに、引用文献2に記載の有機光電変換素子が、一方の電極と活性層との間に電子輸送層や正孔輸送層を有していてよいことが記載されておりますが、見方を変えると、電極自体に電子輸送層や正孔輸送層の役割を担わせることを想定していないことを明記していると言えます。実際、引用文献2の実施例では、電極(陰極)、電子輸送層、活性層、正孔輸送層及び電極(陽極)の多層(5層)構造から構成される有機光電変換素子しか開示されておりません。具体的に、この実施例では、陰極として、ITO(インジウムスズオキサイド)薄膜が形成されたガラス基板を使用し、別途、電子輸送層としてのPEIE(ポリエチレンイミンエトキシレイティッド)薄膜と、正孔輸送層とを形成しており、さらに、陽極を、金属ナノワイヤー層に酸化亜鉛ナノ粒子を含む塗布液を塗布して形成したことしか記載されておりません」(第8頁第1行?第12行)と主張している。
しかしながら、上記ア、イのとおり、本件補正発明は、引用発明及び周知技術から、当業者であれば容易になし得るものである。
また、請求人が指摘する引用文献2の[0171]及び[0178]の記載は、次のとおりであって、単に「電子輸送層」或いは「正孔輸送層」を配置してもよいことを示すものと解することが自然であり、他の構成を排除するものとは解し得ないものである。
「[0171]<電子輸送層>
本実施形態に係る有機光電変換素子は、一方の電極(好ましくは陰極)と活性層との間に電子輸送層を有していてよい。」、
「[0178]<正孔輸送層>
本実施形態に係る有機光電変換素子は、一方の電極(好ましくは陽極)と活性層との間に正孔輸送層を有していてよい。」
したがって、上記請求人の主張は、上記判断を左右するものではない。
なお、令和2年10月27日に提出された上申書において、補正案を提示しているが、補正案の内容を勘案したとしても、上記判断に影響を与えるものではない。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和元年10月10日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?20に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献2に記載された発明及び周知技術(引用文献4?8)に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものを含むものである。

引用文献2:国際公開第2017/006798号
引用文献4:国際公開第2009/113342号
引用文献5:特表2017-500741号公報
引用文献6:特開2010-251592号公報
引用文献7:Kirill Zilberberg et al., "Highly Robust Indium‐Free Transparent Conductive Electrodes Based on Composites of Silver Nanowires and Conductive Metal Oxides", ADVANCED FUNCTIONAL MATERIALS, 2014年, Vol. 24, pp. 1671-1678
引用文献8:韓国公開特許第10-2016-0010655号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2、4?8の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)、(4)アに記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「基板」、「第1のハイブリッド電極」及び「第2のハイブリッド電極」に係る限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-12-18 
結審通知日 2020-12-22 
審決日 2021-01-07 
出願番号 特願2018-115427(P2018-115427)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐竹 政彦  
特許庁審判長 井上 博之
特許庁審判官 星野 浩一
吉野 三寛
発明の名称 有機ソーラーモジュール、及び/または製造方法  
代理人 家入 健  

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