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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H04N 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H04N 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04N |
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管理番号 | 1379054 |
審判番号 | 訂正2021-390070 |
総通号数 | 264 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-12-24 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-04-21 |
確定日 | 2021-08-31 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6438986号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6438986号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲の通り訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6438986号は、2011年(平成23年)4月11日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 2010年4月13日、欧州特許庁 2010年4月13日、欧州特許庁)を国際出願日とする特願2013-504229号の一部を平成26年1月15日に出願した特願2014-005353号の一部を平成27年4月28日に出願した特願2015-092239号の一部を平成29年2月17日に新たな特許出願として出願したものであって、その請求項1から26に係る発明について、平成30年11月22日に特許権の設定登録がされたものであり、令和3年4月21日に本件訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、 「特許第6438986号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲の通り訂正することを認める、との審決を求める。」 というものであって、その訂正の内容は、次の訂正事項からなる。なお、下線部は訂正箇所を示す。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「前記サブ経路は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、装置」 とあるのを 「前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、装置」 と訂正する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項10に 「前記サブ経路は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、方法」 とあるのを 「前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、方法」 と訂正する。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項15に 「前記サブ経路は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、装置」 とあるのを 「前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、装置」 と訂正する。 4 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項19に 「前記サブ経路は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、方法」 とあるのを 「前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、方法」 と訂正する。 5 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項24に 「前記サブ経路は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、デジタル記憶媒体」 とあるのを 「前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、デジタル記憶媒体」 第3 当審の判断 1 一群の請求項について 訂正事項1に係る訂正前の請求項1?9について、請求項2?9は請求項1を直接的または間接的に引用するものであるから、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1?9に対応する訂正後の請求項1?9は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項である。 次に、訂正事項2に係る訂正前の請求項10?14について、請求項11?14は請求項10を直接的または間接的に引用するものであるから、訂正事項2によって記載が訂正される請求項10に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項10?14に対応する訂正後の請求項10?14は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項である。 また、訂正事項3に係る訂正前の請求項15?18について、請求項16?18は請求項15を直接的または間接的に引用するものであるから、訂正事項3によって記載が訂正される請求項15に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項15?18に対応する訂正後の請求項15?18は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項である。 さらに、訂正事項4に係る訂正前の請求項19?23について、請求項19?23は請求項19を直接的または間接的に引用するものであるから、訂正事項4によって記載が訂正される請求項19に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項19?23に対応する訂正後の請求項19?23は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項である。 加えて、訂正事項5に係る訂正前の請求項24?26について、請求項25?26は請求項24を直接的または間接的に引用するものであるから、訂正事項5によって記載が訂正される請求項10に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項24?26に対応する訂正後の請求項24?26は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項である。 2 訂正前の請求項の記載事項 訂正前の請求項1?26には以下の記載がある。(符号は合議体が付したものであり、以下、構成A1?L1等という。以下同じ。) 【請求項1】 A1 データストリームからの有意マップを復号する装置であって、 B1 前記有意マップは、変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示し、 C1 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 D1 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 E1 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 F1 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 G1 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 H1 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 (A1)前記装置が、 I1 前記データストリームから、第1のタイプのシンタックス要素を抽出するように構成されたデコーダであって、前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示す、前記デコーダと、 J1 前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で、抽出された前記第1のタイプのシンタックス要素を前記変換係数ブロック内の前記対応する位置に関連付けるように構成されるアソシエータと、 を含み、 K1 前記変換係数ブロックの前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 L1 前記サブ経路は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、装置。 【請求項2】 前記デコーダが、前記データストリームに含まれる情報に基づいて、且つ、非有意変換係数の統計量とは独立して、有意変換係数に関連付けられた現在の位置に前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数があるか否かを認識するように構成されている、請求項1に記載の装置。 【請求項3】 前記デコーダが、前記データストリームから第2のタイプのシンタックス要素を抽出するように構成されており、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を含む、請求項1に記載の装置。 【請求項4】 前記デコーダが、前記第1のタイプのシンタックス要素の少なくとも1つの抽出の後に、前記データストリームから前記変換係数ブロック内の前記有意変換係数を抽出するように構成されており、 前記アソシエータは、抽出された前記有意変換係数を係数走査順で前記変換係数ブロック内でのその対応する位置に関連付けるように構成され、 前記係数走査順に従い、前記変換係数ブロックは、サブブロック走査順を用いて前記変換係数ブロックのサブブロックで走査され、 前記サブブロック内の変換係数は、位置サブ走査順で走査され、 前記デコーダは、前記有意変換係数を抽出するに際し、コンテキスト適応エントロピー復号に基づいて、コンテキストの複数の組の中の選択した組を使用し、 各サブブロックについて、前記選択された組は、(1)前記変換係数ブロックの以前に抽出されたサブブロック内の変換係数の統計、又は、(2)以前に復号された変換係数ブロック内の同じ位置にあるサブブロックの変換係数の統計に基づいて選択される、請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。 【請求項5】 前記デコーダが、前記第1のタイプのシンタックス要素の各々に対して選択したコンテキストを使用して、コンテキスト適応エントロピー復号に基づいて、前記第1のタイプのシンタックス要素を抽出するように構成され、復号化された現在の第1のタイプのシンタックス要素に対するコンテキストは、前記現在の第1のタイプのシンタックス要素の近隣に含まれる以前に抽出された第1のタイプのシンタックス要素に関連した有意変換係数に関連付けられた複数の位置に基づいて選択される、請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。 【請求項6】 前記近隣が、縦又は横方向に前記現在の第1のタイプのシンタックス要素から最大限離れた位置又は、前記現在の第1のタイプのシンタックス要素の隣の位置を含む、請求項5に記載の装置。 【請求項7】 前記デコーダが、可能性のあるコンテキストのインデックスの組のコンテキストのインデックスの複数の位置をマッピングするように構成される、請求項5に記載の装置。 【請求項8】 前記アソシエータが、サブ経路の順序に沿って、最も低い周波数の変換係数の位置からのサブ経路上の距離が縦方向と横方向の双方で増加するように、前記サブ経路の順序に沿って、抽出された前記第1のタイプのシンタックス要素を前記変換係数ブロックの前記位置に関連付けるように構成され、 以前のサブ走査内の有意変換係数に基づいて、各サブ経路について、抽出された前記第1のタイプのシンタックス要素がサブ経路の各々の変換係数ブロックの位置に関連付けられ、 前記アソシエータが、各サブ経路について、前記関連付けの方向を決定するように構成される、請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。 【請求項9】 前記変換係数ブロックが、深度マップコンテキストに関連する、請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。 【請求項10】 A10 データストリームからの有意マップを復号する方法であって、 B10 前記有意マップは、変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示し、 C10 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 D10 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 E10 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 F10 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 G10 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 H10 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 (A10) 前記方法が、 I10 前記データストリームから、第1のタイプのシンタックス要素を抽出するステップであって、前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示す、前記ステップと、 J10 前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で、抽出された前記第1のタイプのシンタックス要素を前記変換係数ブロック内の前記対応する位置に関連付けるステップと、 を含み、 K10 前記変換係数ブロックの前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 L10 前記サブ経路は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、方法。 【請求項11】 前記データストリームに含まれる情報に基づいて、且つ、非有意変換係数の統計量とは独立して、有意変換係数に関連付けられた現在の位置に前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数があるか否かを認識するステップを含む、請求項10記載の方法。 【請求項12】 前記データストリームから第2のタイプのシンタックス要素を抽出するステップを含み、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を含む、請求項10に記載の方法。 【請求項13】 前記データストリームが、色成分に関連する少なくとも1つの位置を含み、 前記変換係数ブロックが、四分木ブロック以外の矩形ブロックである、請求項10乃至12のいずれかに記載の方法。 【請求項14】 前記データストリームが、深度マップに関連した深度値に関連付けられた少なくとも1つの位置を含む、請求項10乃至13のいずれかに記載の方法。 【請求項15】 B15 変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示す有意マップ A15 を符号化してデータストリームにする装置であって、 C15 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 D15 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 E15 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 F15 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 G15 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 H15 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 I15 前記装置が、エントロピー符号化により、第1のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するように構成され、 前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示し、 J15 前記装置が、前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で、前記第1のタイプのシンタックス要素を符号化するように構成され、 K15 前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 L15 前記サブ経路が、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、装置。 【請求項16】 前記装置が、非有意変換係数の統計量とは独立して、前記変換係数ブロック内に最後の有意変換係数に関連付けられた現在の位置があるか否かを符号化するように構成されている、請求項15に記載の装置。 【請求項17】 前記装置が、第2のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するように構成されており、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を示す、請求項15に記載の装置。 【請求項18】 前記変換係数ブロックが、深度マップコンテキストに関連する、請求項15乃至17のいずれかに記載の装置。 【請求項19】 B19 変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示す有意マップ A19 を符号化してデータストリームにする方法であって、 C19 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 D19 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 E19 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 F19 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 G19 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 H19 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 I19 前記方法が、エントロピー符号化により、第1のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するステップを含み、 前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示し、 J19 前記第1のタイプのシンタックス要素の前記符号化が、前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で行われ、 K19 前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 L19 前記サブ経路が、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、方法。 【請求項20】 非有意変換係数の統計量とは独立して、前記変換係数ブロック内に最後の有意変換係数に関連付けられた現在の位置があるか否かを符号化するステップを含む、請求項19に記載の方法。 【請求項21】 第2のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するステップを含み、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を示す、請求項19に記載の方法。 【請求項22】 前記データストリームが、色成分に関連する少なくとも1つの位置を含み、 前記変換係数ブロックが、四分木ブロック以外の矩形ブロックである、請求項19乃至21のいずれかに記載の方法。 【請求項23】 前記データストリームが、深度マップに関連した深度値に関連付けられた少なくとも1つの位置を含む、請求項19乃至22のいずれかに記載の方法。 【請求項24】 B24 コンピュータプログラムを記憶する機械読み取り可能なデジタル記憶媒体であって、 該コンピュータプログラムが、実行されたときに、コンピュータに、変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示す有意マップ A24 を符号化してデータストリームにする方法を行わせる命令を含み、 C24 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 D24 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 E24 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 F24 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 G24 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 H24 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 I24 前記方法が、エントロピー符号化により、第1のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するステップを含み、 前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示し、 J24 前記第1のタイプのシンタックス要素の前記符号化が、前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で行われ、 K24 前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 L24 前記サブ経路が、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る、デジタル記憶媒体。 【請求項25】 前記方法が、非有意変換係数の統計量とは独立して、前記変換係数ブロック内に最後の有意変換係数に関連付けられた現在の位置があるか否かを符号化するステップを含む、請求項24に記載のデジタル記憶媒体。 【請求項26】 前記方法が、第2のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するステップを含み、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を示す、請求項24に記載のデジタル記憶媒体。 3 訂正事項1について (1) 訂正の目的について ア 訂正前の明細書の記載について 訂正前の明細書の【0015】、【0044】?【0046】、【0064】、【図面の簡単な説明】における【0023】の【図8】についての説明、及び図8には以下の記載がある(下線は合議体が付した。)。 「【0015】 本出願の第1の側面によると、本出願の根底にある概念は、変換係数ブロック内の有意変換係数の位置を示す有意マップを符号化する高符号化効率が、変換係数ブロック内の関連する位置に対して、それぞれの位置に有意または非有意変換係数が配置されるかどうかを示すシーケンシャルに抽出されたシンタックス要素が、変換係数ブロックの位置のうち変換係数ブロックの位置にシーケンシャルに関連付けされる走査順が、以前に関連付けられたシンタックス要素によって示される有意変換係数の位置に応じる場合に達成できるということである。特に、発明者らは、画像、映像または深度マップコンテンツのような標準的な標本アレイコンテンツにおいて、有意変換係数は、ほとんど、縦方向における非ゼロ周波数か横方向における低い周波数、またはその逆に対応する変換係数ブロックの特定の側で集合を形成し、それにより、以前に関連付けられたシンタックス要素によって示される有意変換係数の位置を考慮することによって、それまでに関連付けられたシンタックス要素によって示される有意変換係数の位置とは独立して走査順が事前決定される手順と比較して、変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に早く到達する確率が高くなるように走査のさらなる要因を制御することが可能となることを見出した。これは、小さいブロックに対しても当てはまることであるが、より大きなブロックに対して特に当てはまる。」 「【0044】 したがって、本出願の実施の形態によると、データストリームからのそのような有意マップを復号するための、またはデータストリームからの対応する有意変換係数値に沿う有意マップを復号するための装置は、図7に示すように実施され、上述のエントロピーデコーダ、すなわちデコーダ50およびエントロピーデコーダ150の各々は、図7に示す装置を構成する。 【0045】 図7の装置は、マップ/係数エントロピーデコーダ250およびアソシエータ252を備える。マップ/係数エントロピーデコーダ250は入力254に接続され、この入力254に、有意マップおよび有意変換係数値を表すシンタックス要素が入力される。以下により詳しく記載するように、有意マップおよび有意変換係数値を記述するシンタックス要素がマップ/係数エントロピーデコーダ250に入力される順序に関して、異なる確率が存在する。有意マップシンタックス要素は対応するレベルに先行してよく、双方がインターリーブされてもよい。ただし、有意マップを表すシンタックス要素が有意変換係数の値(レベル)に先行し、マップ/係数エントロピーデコーダ250がまず有意マップを、そして有意変換係数の変換係数レベルを復号するものとする。 【0046】 マップ/係数エントロピーデコーダ250が有意マップおよび有意変換係数値を表すシンタックス要素をシーケンシャルに復号するのに伴い、アソシエータ252は、これらのシーケンシャルに復号されたシンタックス要素/値を、変換ブロック256内の位置に関連付けるように構成される。有意マップおよび有意変換係数のレベルを表すシーケンシャルに復号化されたシンタックス要素をアソシエータ252が変換ブロック256の各位置に関連付ける走査順は、変換ブロック256の各位置の間で、これらの要素をデータストリームに導入するために符号化側で使用される順序と同一の一次元の走査順に従う。また、以下により詳しく概説されるように、有意マップのシンタックス要素についての走査順は、有意変換値について用いられる順序と等しくてもよいし、そうでなくてもよい。」 「【0064】 望ましい実施の形態では、有意マップを符号化するための走査順は、2つの所定の走査パターン間の切り替えによって適応される。走査パターン間の切り替えは、ある所定の走査位置において行われるだけである。走査パターンが切り替えられるか否かの判断は、既に符号化/復号化された有意マップシンタックス要素の値に依存する。望ましい実施の形態では、所定の走査パターンの双方が、ジグザグ走査の走査パターンと同様の対角副走査を伴う走査パターンとなる。走査パターンを図8に示す。走査パターン300および302の双方が、最下段左から最上段右へ、またはその逆の対角線についての多数の対角副走査からなる。対角副走査(図示せず)における走査は、所定の走査パターンの双方に対して、最上段左から最下段右へ行われる。しかし、対角副走査内の走査は異なる(図に示すとおり)。第1の走査パターン300については、対角副走査は最下段左から最上段右へ走査され(図8の左図)、第2の走査パターン302については、対角副走査は最上段右から最下段左へ走査される(図8の右図)。ひとつの実施の形態では、有意マップの符号化は、第2の走査パターンで始まる。」 「【図面の簡単な説明】 【0023】 ・・・ 【図8】走査順のサブ経路及び異なる横断方向への小分けを概略的に示す。」 「【図8】 」 イ 訂正前の明細書の記載からいえること 【0015】、【0044】?【0046】には、「変換係数ブロック内の有意変換係数位置を示す有意マップ」について、「有意マップを復号するための装置は、図7に示す」ものであり、「図7の装置は、マップ/係数エントロピーデコーダ250およびアソシエータ252を備え」、「有意マップ」「を表す」「シンタックス要素をアソシエータ252が変換ブロック256の各位置に関連付ける走査順は」「符号化側で使用される順序と同一の」「走査順に従う」ことが記載されている。 そうすると、変換係数ブロック内の有意変換係数の位置を示す有意マップを復号するための装置は、アソシエータ252を備え、有意マップを表すシンタックス要素をアソシエータ252が走査する走査順は、符号化側で使用される順序と同一の走査順に従うことがいえる。 次に、【0064】には、「有意マップを符号化するための走査順は、2つの所定の走査パターン」があり、「所定の走査パターンの双方が」、「対角副走査を伴う走査パターンとなる」ものであり、図8に示す走査パターンでは、「走査パターン300および302の双方が、最下段左から最上段右へ、またはその逆の対角線についての多数の対角副走査からな」り、「対角副走査」「における走査は」「最上段左から最下段右へ行われ」「対角副走査内の走査は」「第1の走査パターン300については、対角副走査は最下段左から最上段右へ走査され(図8の左図)、第2の走査パターン302については、対角副走査は最上段右から最下段左へ走査される(図8の右図)」ことが記載されている。 さらに、【図面の簡単な説明】における【0023】【図8】の説明から、図8は走査順のサブ経路に関するものであること、 図8から、 ・最下段左は横方向の周波数fxが最も低く、縦方向の周波数fyが最も高い値をとり、最上段右は横方向の周波数fxが最も高く、縦方向の周波数fyが最も低い値をとること、 ・横方向の周波数fxが最も低い左側の辺と、縦方向の周波数fyが最も高い下側の辺は互いに隣り合っており、縦方向の周波数fyが最も低い上側の辺と横方向の周波数fxが最も高い右側の辺は互いに隣り合っていること、 図8の左図から、第1の走査パターン300に関し、 ・横方向の周波数fxが最も低い左側の辺上の最も小さな正方形から縦方向の周波数fyが最も低い上側の辺上の最も小さな正方形、または ・縦方向の周波数fyが最も高い下側の辺上の最も小さな正方形から横方向の周波数fxが最も高い右側の辺上の最も小さな正方形に向かって矢印が伸びていること、 図8の右図から、第2の走査パターン302に関し、 ・縦方向の周波数fyが最も低い上側の辺上の最も小さな正方形から横方向の周波数fxが最も低い左側の辺上の最も小さな正方形、または ・横方向の周波数fxが最も高い右側の辺上の小さな正方形から縦方向の周波数fyが最も高い下側の辺上の最も小さな正方形に向かって矢印が伸びていること、 が読み取れる。 ここで、【0064】の「有意マップを符号化するための走査順は、2つの所定の走査パターン」、「走査パターンを図8に示す」という記載から、図8は有意マップ、すなわち、変換係数ブロック内の有意変換係数の位置を示すマップ、を走査する順序を示すものであるといえる。 そうすると、図8は変換係数ブロックを示し、図8の複数の最も小さな正方形は、変換係数ブロック内の有意変換係数を含む個々の変換係数の位置を示すものといえる。 以上のことから、明細書記載の「アソシエータ」は、変換係数ブロック内の有意変換係数の位置を示す有意マップを復号するための装置に備えられ、有意マップを表すシンタックス要素の走査において、有意マップの符号化するための走査順と同一の走査順に従う2つの走査パターンが有り、それらの走査パターンの対角副走査内の走査は、横方向の周波数fxが最も低い左側の辺上の変換係数と縦方向の周波数fyが最も低い上側の辺上の変換係数、または縦方向の周波数fyが最も高い下側の辺上の変換係数と横方向の周波数fxが最も高い右側の辺上の変換係数との間で対角上に走査されるものであり、これを走査順のサブ経路と呼び、上記左側の辺と上記下側の辺は互いに隣り合っており、上記上側の辺と上記右側の辺は互いに隣り合っていること、 がいえる。(以下、明細書記載の技術事項1という。) ウ 訂正前の請求項1の記載事項同士の関係についての検討 (ア) 上記1の構成A1?H1から、訂正前の請求項1において、 「データストリームからの有意マップを復号する装置であって」、 「前記有意マップは、変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示し」、 「横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ」、 「縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ」、 「縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ」、 「横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ」、 「前記第1及び第2の側が互いに隣り合い」、「前記第3及び第4の側が互いに隣り合」うことが、 特定されているといえる。 (イ) また、上記2の構成J1?K1から、訂正前の請求項1において、「変換係数ブロックに対して決められた走査順が」、「サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含」むことが、特定されているといえる。 そうすると、当該サブ経路は、変換係数を走査する対角方向の経路であるといえる。 (ウ) 一方、上記1の構成L1は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角線上に延る、サブ経路、すなわち、変換係数を走査する対角方向の経路、を特定することなる。 ところで、「第1及び第2の方向の一方」と「第3及び第4の方向の一方」という記載は、2つの方向を意味する。そうすると、構成L1は、方向と方向の間で「経路を特定する」ことになるが、方向と方向の間で経路を特定するというのは、技術的に意味をなさない構成である。 また、「前記第3及び第4の方向」という記載について、「第3及び第4の方向」は請求項1において構成L1の前には特定されておらず、発明を明瞭でないものとしている。 (エ) したがって、請求項1には発明を特定するにあたって構成L1に誤記、または明瞭でない記載が存在するといえる。 エ 訂正前の請求項1、訂正事項1と明細書記載の技術事項1との関係についての検討 (ア) 訂正前の請求項1の構成B1?H1は上記ウ(ア)のとおりである。 一方、明細書記載の技術事項1から、本件明細書には、変換係数ブロック内の有意変換係数の位置を示す有意マップを表すものであり、横方向の周波数fxが最も低い左側の辺上の変換係数と縦方向の周波数fyが最も低い上側の辺上の変換係数、及び縦方向の周波数fyが最も高い下側の辺上の変換係数と横方向の周波数fxが最も高い右側の辺上の変換係数、の位置がそれぞれ存在しており、上記左側の辺と上記下側の辺、上記上側の辺と上記右側の辺は、互いに隣り合っていることがいえ、これは上記構成B1?H1を裏付けるものである。 (イ) また、訂正前の請求項1の構成J1?K1を踏まえた構成L1の「変換係数を走査する対角方向の走査順」であり「対角状に延る」「サブ経路」に関して、明細書記載の技術事項1から、本件明細書には、走査順のサブ経路について、上記(ア)の左側の辺上の変換係数と上側の辺上の変換係数、または下側の辺上の変換係数と右側の辺上の変換係数の間で対角上に走査されることが示されているといえる。 オ 訂正事項1と明細書記載の技術事項1についての関係の検討 訂正事項1の「前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る」こと、 すなわち、 ・横方向において最も低い周波数の複数の変換係数が位置づけられる、変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置と、縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数が位置づけられる、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置の一方と、 ・縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数が位置づけられる、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置と、横方向において最も高い周波数の複数の変換係数が位置づけられる、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置の一方との間で対角上に延るものであって、 ・記第1及び第2の側が互いに隣り合い、前記第3及び第4の側が互いに隣り合う、 という「対角状に延る」「サブ経路」は、上記エ(イ)のとおり、明細書記載の技術事項1に示されているといえる。 カ 小括 以上のことから、訂正前の請求項1は、本来は、本件明細書中に明細書記載の技術事項1として裏付けられている、訂正事項1のように記載されることで、上記2の構成L1を「前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る」として特定すべきところ、誤って上記2の構成L1を「前記サブ経路は、第1及び第2の方向の一方と前記第3及び第4の方向の一方との間で対角状に延る」と記載したことで、技術的に意味をなさないものになり、かつ明瞭でないものとしている。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」、または、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」 を目的とする訂正に該当する。 (2) 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であることについて 上記(1)において検討したとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載された明瞭でない記載の釈明、または誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことについて 上記(1)において検討したとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1の誤記の訂正、または明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 4 訂正事項2?5について 訂正事項2?5は、請求項1の構成L1と同様の構成である、請求項10の構成L10、請求項15の構成L15、請求項19の構成L19、請求項24の構成24について、訂正事項1と同様の訂正を行うものである。 したがって、訂正事項2?5に関する(1)訂正の目的、(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること、(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことについての判断は、上記3(1)?3(3)において検討したとおりである。 よって、訂正事項2?5は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」、または同法同条同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、特許法第126条第5項、第6項の規定に適合するものである。 5 独立特許要件について 訂正事項1に関しては、誤記の訂正を目的とした訂正であるとした場合、訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。 また、訂正事項2?5は、訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1の「復号する装置」と同様の訂正を、 ・「復号する方法」として特定された訂正前の本件特許請求の範囲の請求項10、 ・「符号化してストリームにする装置」として特定された訂正前の本件特許請求の範囲の請求項15、 ・「符号化してストリームにする方法」として特定された訂正前の本件特許請求の範囲の請求項19、 ・「符号化してストリームにする方法を行わせる命令を含」む「コンピュータプログラムを記憶する機械読み取り可能なデジタル記憶媒体」として特定された訂正前の本件特許請求の範囲の請求項24 について、訂正事項1と同様の訂正を行うものである。 そうすると、訂正事項2?5に関する独立特許要件についての判断は、訂正事項1に関する独立特許要件違反についての判断と同様であり、訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。 したがって、訂正事項1?5は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号の「誤記の訂正」を目的とし、かつ同法同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである、ないしは、同法同条同項ただし書第3号の「明瞭でない記載の釈明」に掲げる事項を目的とし、かつ、同法同条第5項ないし第6項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 データストリームからの有意マップを復号する装置であって、 前記有意マップは、変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示し、 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 前記装置が、 前記データストリームから、第1のタイプのシンタックス要素を抽出するように構成されたデコーダであって、前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示す、前記デコーダと、 前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で、抽出された前記第1のタイプのシンタックス要素を前記変換係数ブロック内の前記対応する位置に関連付けるように構成されるアソシエータと、 を含み、 前記変換係数ブロックの前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、装置。 【請求項2】 前記デコーダが、前記データストリームに含まれる情報に基づいて、且つ、非有意変換係数の統計量とは独立して、有意変換係数に関連付けられた現在の位置に前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数があるか否かを認識するように構成されている、請求項1に記載の装置。 【請求項3】 前記デコーダが、前記データストリームから第2のタイプのシンタックス要素を抽出するように構成されており、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を含む、請求項1に記載の装置。 【請求項4】 前記デコーダが、前記第1のタイプのシンタックス要素の少なくとも1つの抽出の後に、前記データストリームから前記変換係数ブロック内の前記有意変換係数を抽出するように構成されており、 前記アソシエータは、抽出された前記有意変換係数を係数走査順で前記変換係数ブロック内でのその対応する位置に関連付けるように構成され、 前記係数走査順に従い、前記変換係数ブロックは、サブブロック走査順を用いて前記変換係数ブロックのサブブロックで走査され、 前記サブブロック内の変換係数は、位置サブ走査順で走査され、 前記デコーダは、前記有意変換係数を抽出するに際し、コンテキスト適応エントロピー復号に基づいて、コンテキストの複数の組の中の選択した組を使用し、 各サブブロックについて、前記選択された組は、(1)前記変換係数ブロックの以前に抽出されたサブブロック内の変換係数の統計、又は、(2)以前に復号された変換係数ブロック内の同じ位置にあるサブブロックの変換係数の統計に基づいて選択される、請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。 【請求項5】 前記デコーダが、前記第1のタイプのシンタックス要素の各々に対して選択したコンテキストを使用して、コンテキスト適応エントロピー復号に基づいて、前記第1のタイプのシンタックス要素を抽出するように構成され、復号化された現在の第1のタイプのシンタックス要素に対するコンテキストは、前記現在の第1のタイプのシンタックス要素の近隣に含まれる以前に抽出された第1のタイプのシンタックス要素に関連した有意変換係数に関連付けられた複数の位置に基づいて選択される、請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。 【請求項6】 前記近隣が、縦又は横方向に前記現在の第1のタイプのシンタックス要素から最大限離れた位置又は、前記現在の第1のタイプのシンタックス要素の隣の位置を含む、請求項5に記載の装置。 【請求項7】 前記デコーダが、可能性のあるコンテキストのインデックスの組のコンテキストのインデックスの複数の位置をマッピングするように構成される、請求項5に記載の装置。 【請求項8】 前記アソシエータが、サブ経路の順序に沿って、最も低い周波数の変換係数の位置からのサブ経路上の距離が縦方向と横方向の双方で増加するように、前記サブ経路の順序に沿って、抽出された前記第1のタイプのシンタックス要素を前記変換係数ブロックの前記位置に関連付けるように構成され、 以前のサブ走査内の有意変換係数に基づいて、各サブ経路について、抽出された前記第1のタイプのシンタックス要素がサブ経路の各々の変換係数ブロックの位置に関連付けられ、 前記アソシエータが、各サブ経路について、前記関連付けの方向を決定するように構成される、請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。 【請求項9】 前記変換係数ブロックが、深度マップコンテキストに関連する、請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。 【請求項10】 データストリームからの有意マップを復号する方法であって、 前記有意マップは、変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示し、 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 前記方法が、 前記データストリームから、第1のタイプのシンタックス要素を抽出するステップであって、前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示す、前記ステップと、 前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で、抽出された前記第1のタイプのシンタックス要素を前記変換係数ブロック内の前記対応する位置に関連付けるステップと、 を含み、 前記変換係数ブロックの前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 前記サブ経路は、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、方法。 【請求項11】 前記データストリームに含まれる情報に基づいて、且つ、非有意変換係数の統計量とは独立して、有意変換係数に関連付けられた現在の位置に前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数があるか否かを認識するステップを含む、請求項10記載の方法。 【請求項12】 前記データストリームから第2のタイプのシンタックス要素を抽出するステップを含み、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を含む、請求項10に記載の方法。 【請求項13】 前記データストリームが、色成分に関連する少なくとも1つの位置を含み、 前記変換係数ブロックが、四分木ブロック以外の矩形ブロックである、請求項10乃至12のいずれかに記載の方法。 【請求項14】 前記データストリームが、深度マップに関連した深度値に関連付けられた少なくとも1つの位置を含む、請求項10乃至13のいずれかに記載の方法。 【請求項15】 変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示す有意マップを符号化してデータストリームにする装置であって、 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 前記装置が、エントロピー符号化により、第1のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するように構成され、 前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示し、 前記装置が、前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で、前記第1のタイプのシンタックス要素を符号化するように構成され、 前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 前記サブ経路が、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、装置。 【請求項16】 前記装置が、非有意変換係数の統計量とは独立して、前記変換係数ブロック内に最後の有意変換係数に関連付けられた現在の位置があるか否かを符号化するように構成されている、請求項15に記載の装置。 【請求項17】 前記装置が、第2のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するように構成されており、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を示す、請求項15に記載の装置。 【請求項18】 前記変換係数ブロックが、深度マップコンテキストに関連する、請求項15乃至17のいずれかに記載の装置。 【請求項19】 変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示す有意マップを符号化してデータストリームにする方法であって、 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 前記方法が、エントロピー符号化により、第1のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するステップを含み、 前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示し、 前記第1のタイプのシンタックス要素の前記符号化が、前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で行われ、 前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 前記サブ経路が、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、方法。 【請求項20】 非有意変換係数の統計量とは独立して、前記変換係数ブロック内に最後の有意変換係数に関連付けられた現在の位置があるか否かを符号化するステップを含む、請求項19に記載の方法。 【請求項21】 第2のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するステップを含み、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を示す、請求項19に記載の方法。 【請求項22】 前記データストリームが、色成分に関連する少なくとも1つの位置を含み、 前記変換係数ブロックが、四分木ブロック以外の矩形ブロックである、請求項19乃至21のいずれかに記載の方法。 【請求項23】 前記データストリームが、深度マップに関連した深度値に関連付けられた少なくとも1つの位置を含む、請求項19乃至22のいずれかに記載の方法。 【請求項24】 コンピュータプログラムを記憶する機械読み取り可能なデジタル記憶媒体であって、 該コンピュータプログラムが、実行されたときに、コンピュータに、変換係数ブロック内の複数の有意変換係数の位置を示す有意マップを符号化してデータストリームにする方法を行わせる命令を含み、 横方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第1の側に配置された変換係数ブロックの第1の位置に位置づけられ、 縦方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第2の側に配置された変換係数ブロックの第2の位置に位置づけられ、 縦方向において最も低い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第3の側に配置された変換係数ブロックの第3の位置に位置づけられ、 横方向において最も高い周波数の複数の変換係数は、前記変換係数ブロック内の第4の側に配置された変換係数ブロックの第4の位置に位置づけられ、 前記第1及び第2の側が互いに隣り合い、 前記第3及び第4の側が互いに隣り合い、 前記方法が、エントロピー符号化により、第1のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するステップを含み、 前記第1のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の対応する位置について、各対応する位置に有意変換係数が存在するか否かを少なくとも示し、 前記第1のタイプのシンタックス要素の前記符号化が、前記変換係数ブロックに対して決められた走査順で行われ、 前記走査順が、サブ経路の順に沿って変換係数を走査する対角方向の走査順を含み、 前記サブ経路が、前記第1及び第2の位置の一方と前記第3及び第4の位置の一方との間で対角状に延る、デジタル記憶媒体。 【請求項25】 前記方法が、非有意変換係数の統計量とは独立して、前記変換係数ブロック内に最後の有意変換係数に関連付けられた現在の位置があるか否かを符号化するステップを含む、請求項24に記載のデジタル記憶媒体。 【請求項26】 前記方法が、第2のタイプのシンタックス要素を前記データストリームに符号化するステップを含み、前記第2のタイプのシンタックス要素が、前記変換係数ブロック内の最後の有意変換係数に関する情報を示す、請求項24に記載のデジタル記憶媒体。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-07-30 |
結審通知日 | 2021-08-04 |
審決日 | 2021-08-19 |
出願番号 | 特願2017-27407(P2017-27407) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(H04N)
P 1 41・ 856- Y (H04N) P 1 41・ 853- Y (H04N) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 岩井 健二 |
特許庁審判長 |
清水 正一 |
特許庁審判官 |
川崎 優 千葉 輝久 |
登録日 | 2018-11-22 |
登録番号 | 特許第6438986号(P6438986) |
発明の名称 | 変換係数ブロック復号装置および方法、ならびに変換係数ブロック符号化装置および方法 |
代理人 | 岡田 全啓 |
代理人 | 扇谷 一 |
代理人 | 岡田 全啓 |
代理人 | 扇谷 一 |