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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H03H
管理番号 1379713
審判番号 不服2021-1701  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-02-08 
確定日 2021-11-30 
事件の表示 特願2018-565917「LC共振器」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月 9日国際公開、WO2018/142667、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2017年 9月29日(優先権主張 2017年 1月31日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

2019年 6月18日 :手続補正書の提出
2020年 7月 2日付け:拒絶理由通知書
2020年 8月27日 :意見書、手続補正書の提出
2020年11月11日付け:拒絶査定
2021年 2月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出


第2 原査定の概要

原査定(2020年11月11日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の請求項1?11に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1?4に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2015- 46788号公報
2.特開2001-102235号公報
3.特開2004-253684号公報
4.特開2003- 59722号公報

なお、各請求項に係る発明と各引用文献の対応関係は、以下のとおりである。
・請求項1?4に係る発明ついては、引用文献1?3に記載された発明を引用
・請求項5?11に係る発明については、引用文献1?4に記載された発明を引用


第3 本願発明

本願の請求項1?11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明11」という。)は、2021年 2月 8日の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
複数の誘電体層が積層方向に積層されたLC共振器であって、
外部接続端子と、
前記積層方向に直交する特定軸のまわりに巻回されるように形成されたインダクタと、
前記インダクタに接続され、キャパシタ導体パターンを含むキャパシタと、
前記インダクタから前記積層方向に伸び、前記インダクタと前記外部接続端子とを接続し、前記インダクタに含まれないビア導体パターンとを備え、
前記インダクタは、前記積層方向に直交する第1方向に伸びる第1柱状導体パターンを含み、
前記積層方向において、前記第1柱状導体パターンの厚みは、前記キャパシタ導体パターンの厚みよりも厚く、
前記第1方向から平面視したときの前記第1柱状導体パターンの面積は、前記積層方向から平面視したときの前記ビア導体パターンの面積以上である、LC共振器。
【請求項2】
前記第1方向から平面視したとき、前記積層方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向における前記第1柱状導体パターンの第1長さに対する前記積層方向における前記第1柱状導体パターンの第2長さの比は、1以上である、請求項1に記載のLC共振器。
【請求項3】
前記インダクタは、
前記第1方向に伸びる第2柱状導体パターンと、
前記積層方向に伸び、前記第1柱状導体パターンと前記第2柱状導体パターンとを接続する第1接続導体と、
前記積層方向に伸び、前記第1柱状導体パターンと前記キャパシタとを接続する第2接続導体とを含み、
前記第1柱状導体パターン、前記第1接続導体、および前記第2柱状導体パターンは、前記特定軸を巻回するように配置され、
前記第2柱状導体パターンと前記第2接続導体とは、前記キャパシタを介して接続され、
前記ビア導体パターンは、前記第2柱状導体パターンと前記外部接続端子とを接続している、請求項2に記載のLC共振器。
【請求項4】
前記第1方向から平面視したとき、前記第2方向における前記第2柱状導体パターンの第3長さに対する前記積層方向における前記第2柱状導体パターンの第4長さの比は、1以上であり、
前記第1方向から平面視したときの前記第2柱状導体パターンの面積は、前記積層方向から平面視したときの前記ビア導体パターンの面積以上である、請求項3に記載のLC共振器。
【請求項5】
前記第1接続導体の少なくとも一部は、前記積層方向に沿う前記複数の誘電体層の第1側面から外部に露出しており、
前記LC共振器は、前記第1接続導体の前記複数の誘電体層の外部に露出している部分を覆う第1側面絶縁部をさらに備える、請求項3または請求項4に記載のLC共振器。
【請求項6】
前記第1接続導体は、前記複数の誘電体層の外部において前記第1側面に配置されている、請求項5に記載のLC共振器。
【請求項7】
前記第2接続導体の少なくとも一部は、前記第1側面に平行な前記複数の誘電体層の第2側面から前記複数の誘電体層の外部に露出しており、
前記LC共振器は、前記第2接続導体の前記複数の誘電体層の外部に露出している部分を覆う第2側面絶縁部をさらに備える、請求項5または請求項6に記載のLC共振器。
【請求項8】
前記第2接続導体は、前記複数の誘電体層の外部において前記第2側面に配置されている、請求項7に記載のLC共振器。
【請求項9】
前記第1柱状導体パターンの少なくとも一部は、前記積層方向に直交する前記複数の誘電体層の特定面から前記複数の誘電体層の外部に露出しており、
前記LC共振器は、前記第1柱状導体パターンの前記複数の誘電体層の外部に露出している部分を覆う絶縁部をさらに備える、請求項1?請求項8のいずれか1項に記載のLC共振器。
【請求項10】
前記第1柱状導体パターンは、前記複数の誘電体層の外部において前記特定面に配置されている、請求項9に記載のLC共振器。
【請求項11】
前記第1柱状導体パターンの前記第1方向における長さは、前記ビア導体パターンの前記積層方向における長さよりも長い、請求項1?請求項10のいずれか1項に記載のLC共振器。」

第4 引用文献、引用発明等

1.特開2015- 46788号公報(以下、「引用文献1」という。)

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、次の記載がある。(下線は当審が付与した。)

「【0001】
この発明は、絶縁層を積層した積層体の内部にLC共振回路を構成した高周波部品に関するものである。」

「【0023】
図1は、第1の実施形態に係る高周波部品11の等価回路図である。高周波部品11は、入出力端子P1,P2と、キャパシタC1,C2,C12と、インダクタL1,L2と、からなるバンドパスフィルタを構成している。
【0024】
インダクタL1,L2は、入出力端子P1、P2に接続される第1端SAと、接地端子に接続される第2端SBとを有している。キャパシタC1は、インダクタL1と並列に接続され、インダクタL1とともに共振回路LC1を構成している。同様に、キャパシタC2は、インダクタL2と並列に接続され、インダクタL2とともに共振回路LC2を構成している。」

「【0027】
図2(A)は、第1の実施形態に係る高周波部品11の斜視図である。高周波部品11は、直方体状の積層体12を備えている。
【0028】
以下の説明では、図2(A)中に示す積層体12の左手前側の面を正面と称し、積層体12の右手奥側の面を背面と称し、積層体12の右手前側の面を右側面と称し、積層体12の左手奥側の面を左側面と称する。
【0029】
積層体12は、下面および上面に垂直な方向を積層方向として、複数の絶縁層を積層して構成されている。なお、積層体12の絶縁層は、例えば、熱可塑性樹脂などの樹脂材や、低温焼結セラミックスなどのセラミック材により構成される。
【0030】
積層体12の外面には、入出力端子13A,13Bと接地端子13Cとが設けられている。入出力端子13Aは、図1における入力端子P1に相当し、積層体12の上面から左側面を経由して下面まで延びている。入出力端子13Bは、図1における出力端子P2に相当し、積層体12の上面から右側面を経由して下面まで延びている。接地端子13Cは、積層体12の下面に設けられている。
【0031】
図2(B)は、第1の実施形態に係る高周波部品11の透過斜視図である。
【0032】
積層体12の内部には、絶縁層の積層方向に直交する方向に延びる線状導体161A,162A,163A,164A,165A,161B,162B,163B,164B,165Bと、絶縁層の面方向に広がる平面導体18A,18B,19とが形成されている。線状導体161A?165A,161B?165Bおよび平面導体18A,18B,19は、例えば、印刷形成された導電ペーストの焼成体や、フォトリソグラフィプロセスによりパターニングされた銅箔などからなる。
【0033】
また、積層体12を構成する絶縁層には、各絶縁層を積層方向に貫通する層間接続導体171A,172A,173A,174A,175A,176A,171B,172B,173B,174B,175B,176Bが形成されている。層間接続導体171A?176A,171B?176Bは、例えば、各絶縁層にビアホールを設け、ビアホール内に導電性ペーストを充填し、導電性ペーストを焼結して形成されている。
【0034】
そして、積層体12の内部には、線状導体161A?165Aおよび層間接続導体171A?176Aからなる横巻インダクタ14Aと、線状導体161B?165Bおよび層間接続導体171B?176Bからなる横巻インダクタ14Bと、平面導体18A,19からなるキャパシタ15Aと、平面導体18B,19からなるキャパシタ15Bと、が構成されている。
【0035】
横巻インダクタ14Aは、図1におけるインダクタL1に相当し、積層体12の内部で中心よりも左側面側に配されており、積層体12の左側面側に位置する第1端SAから、積層体12の中心側に位置する第2端SBに掛けて、層間接続導体171A、線状導体161A、層間接続導体172A、線状導体162A、層間接続導体173A、線状導体163A、層間接続導体174A、線状導体164A、層間接続導体175A、線状導体165A、および層間接続導体176Aを、この順に接続して構成されている。これにより、横巻インダクタ14Aは、積層体12の積層方向に対して直交する方向、ここでは、積層体12の左側面と右側面との間を結ぶ方向に延びる巻回軸CAを中心に、第1端SAから第2端SBにかけて巻回軸CAに沿って進む右ねじ状(右螺旋状)に設けられている。
【0036】
また、横巻インダクタ14Bは、図1におけるインダクタL2に相当し、積層体12の内部の中心よりも右側面側に配されており、積層体12の右側面側に位置する第1端SAから、積層体12の中心側に位置する第2端SBに掛けて、層間接続導体176B、線状導体165B、層間接続導体175B、線状導体164B、層間接続導体174B、線状導体163B、層間接続導体173B、線状導体162B、層間接続導体172B、線状導体161B、および層間接続導体171Bを、この順に接続して構成されている。これにより、横巻インダクタ14Bは、巻回軸CAを中心に、第1端SAから第2端SBにかけて巻回軸CAに沿って進む左ねじ状(左螺旋状)に設けられている。
【0037】
このように横巻インダクタ14A,14Bは、は約2+(3/4)ターン分の層間接続導体と線状導体とを接続して構成されている。横巻インダクタ14A,14Bの1ターンは、2つの層間接続導体と2つの線状導体とをループ状に接続して構成されるものである。このように、横巻インダクタ14A,14Bを、少なくとも1ターン分よりも多くの層間接続導体と線状導体とを接続して螺旋状に構成することにより、単一平面内のみで巻回するループ状に構成される場合に比べて、大きなインダクタンスを実現することができ、大きなインダクタンスを実現しても積層体12の積層方向での寸法が増大することを抑制できる。
【0038】
図2(C)は、積層体12における横巻インダクタ14A,14Bとキャパシタ15A,15Bとの配置位置を示す断面図であり、積層体12の正面および背面と平行な面での積層体12の断面を示している。
【0039】
キャパシタ15Aは、図1におけるキャパシタC1に相当し、第1の平面導体18Aと第2の平面導体19とが絶縁層を介在した状態で対向して形成されている。第1の平面導体18Aは、横巻インダクタ14Aの下面側の線状導体162A,164Aと同一の層に設けられており、このため、積層体12における絶縁層の積層数が低減されている。そして、第1の平面導体18Aは、横巻インダクタ14Aの左側面側に位置していて、横巻インダクタ14Aの左側面側の第1端SAが接続され、且つ、積層体12の左側面の入出力端子13Aに接続されている。
【0040】
また、キャパシタ15Bは、図1におけるキャパシタC2に相当し、第1の平面導体18Bと第2の平面導体19とが絶縁層を介在した状態で対向して形成されている。第1の平面導体18Bは、横巻インダクタ14Bの下面側の線状導体162B,164Bと同一の層に設けられており、このため、積層体12における絶縁層の積層数が低減されている。そして、第1の平面導体18Bは、横巻インダクタ14Bの右側面側に位置していて、横巻インダクタ14Bの右側面側の第1端SAが接続され、且つ、積層体12の右側面の入出力端子13Bに接続されている。
【0041】
第2の平面導体(接地導体)19は、図示していない層間接続導体を介して積層体12の下面の接地端子13Cに接続している。接地導体19は、積層体12の横巻インダクタ14A,14Bよりも下面側に設けられており、積層体12を上面側から視て横巻インダクタ14A,14Bおよびキャパシタ15A,15Bの平面導体18A,18Bに重なっている。このため、高周波部品11が実装される外部基板側の導体パターンなどが、高周波部品11の内部の導体パターンに結合して、高周波部品11のフィルタ特性に影響が及ぶことを防ぐことができる。また、接地導体19を、キャパシタ15A,15Bを構成する第2の平面導体としているため、積層体12における絶縁層の積層数が低減されている。この接地導体19には、積層体12における横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとの間の中心付近で、横巻インダクタ14Aの右側面側(積層体中心側)の第2端SBと横巻インダクタ14Bの左側面側(積層体中心側)の第2端SBとがそれぞれ接続されている。
【0042】
また、図1における容量結合用のキャパシタC12は、横巻インダクタ14Aの線状導体および層間接続導体と、横巻インダクタ14Bの線状導体および層間接続導体とが、巻回軸CAに沿って対向することで生じる容量により構成されている。
【0043】
この積層体12を巻回軸CAに沿って透視した場合に、横巻インダクタ14Aの巻回範囲と、横巻インダクタ14Bの巻回範囲とは、互いに重なるように配置されている。なお、各巻回範囲は全面が重なっていても、一部が重なっていてもよい。
【0044】
そして、横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとにおいて、それぞれの線状導体や層間接続導体が巻回軸CAに沿って対向する組ごとに、入出力端子13A,13B側から接地導体19側に向かう方向(図2(B)中に矢印で示す信号の伝搬方向)が一致している。このように信号の伝搬方向が一致する2つの横巻インダクタが隣接配置されていると、それぞれの巻回範囲に発生する磁束の向きが一致し、互いの磁束が強めあう向きに誘導結合(正結合)することになる。
【0045】
また、横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとは、それぞれの接地導体19側に接続される第2端SB同士を積層体12の中心付近で近接させているので、横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとで第1端SAと第2端SBとを近接させる場合よりも、横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとの間の誘導結合は強くなる。
【0046】
なお、横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとの一方が、図2(B)中に矢印で示す信号の伝搬方向が逆向きになるように巻回されていてもよい。この場合には、横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとのそれぞれで、巻回範囲に発生する磁束の向きが逆になるため、横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとの間は、互いの磁束が弱めあう向きに誘導結合(負結合)することになる。この場合にも、横巻インダクタ14Aと横巻インダクタ14Bとで、接地導体19側の第2端SB同士を近接させることで、負結合の結合度を高めることができる。
【0047】
以上の構成の高周波部品11においては、共振回路LC1と共振回路LC2との間での誘導結合の結合度が高いバンドパスフィルタを構成することができる。そして、層間接続導体を含む横巻インダクタ14A,14Bを用いて共振回路LC1,LC2を構成するために、バンドパスフィルタのフィルタ特性(通過帯域特性)をQ値の高いものにできる。そして螺旋状の横巻インダクタ14A,14Bを用いているために、横巻インダクタ14A,14Bで大きなインダクタンスを実現しても、積層体12の積層方向の寸法を抑制できる。
【0048】
また、積層体12においては、キャパシタ15A,15Bの平面導体間に位置する絶縁層(図2(C)においてドット表示する絶縁層)は、他の絶縁層よりも比誘電率を高いものにしている。すなわち、キャパシタ15A,15Bにおいて、2つの平面導体の間の比誘電率を高くしている。このため、キャパシタ15A,15Bを構成する平面導体の対向面積を抑制しながらキャパシタンスを大きくすることができ、キャパシタ15A,15Bと横巻インダクタ14A,14Bとの間に発生する寄生容量を抑制できる。」


「【図1】



「【図2】




また、上記「【0023】「図1は、第1の実施形態に係る高周波部品11の等価回路図である。・・・」」、「【0024】「・・・キャパシタC1は、インダクタL1と並列に接続され、インダクタL1とともに共振回路LC1を構成している。・・・」」、「【0035】「横巻インダクタ14Aは、図1におけるインダクタL1に相当し、・・・」」、「【0039】「キャパシタ15Aは、図1におけるキャパシタC1に相当し、・・・」」の記載、及び、【図1】、【図2】の記載より、引用文献1には、「横巻インダクタ14Aとキャパシタ15Aとで共振回路LC1を構成している。」との事項が開示されているといえる。


したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。

「絶縁層を積層した積層体の内部にLC共振回路を構成した高周波部品11であって(【0001】)、
高周波部品11は、直方体状の積層体12を備えており(【0027】)、
積層体12は、下面および上面に垂直な方向を積層方向として、複数の絶縁層を積層して構成され(【0029】)、
積層体12の外面には、入出力端子13A,13Bと接地端子13Cとが設けられ(【0030】)、
積層体12の内部には、絶縁層の積層方向に直交する方向に延びる線状導体161A,162A,163A,164A,165A,161B,162B,163B,164B,165Bと、絶縁層の面方向に広がる平面導体18A,18B,19とが形成され(【0032】)、
積層体12を構成する絶縁層には、各絶縁層を積層方向に貫通する層間接続導体171A,172A,173A,174A,175A,176A,171B,172B,173B,174B,175B,176Bが形成され(【0033】)、
積層体12の内部には、線状導体161A?165Aおよび層間接続導体171A?176Aからなる横巻インダクタ14Aと、線状導体161B?165Bおよび層間接続導体171B?176Bからなる横巻インダクタ14Bと、平面導体18A,19からなるキャパシタ15Aと、平面導体18B,19からなるキャパシタ15Bと、が構成され(【0034】)、
横巻インダクタ14Aは、積層体12の内部で中心よりも左側面側に配されており、積層体12の左側面側に位置する第1端SAから、積層体12の中心側に位置する第2端SBに掛けて、層間接続導体171A、線状導体161A、層間接続導体172A、線状導体162A、層間接続導体173A、線状導体163A、層間接続導体174A、線状導体164A、層間接続導体175A、線状導体165A、および層間接続導体176Aを、この順に接続して構成され、積層体12の積層方向に対して直交する方向、ここでは、積層体12の左側面と右側面との間を結ぶ方向に延びる巻回軸CAを中心に、第1端SAから第2端SBにかけて巻回軸CAに沿って進む右ねじ状(右螺旋状)に設けられ(【0035】)、
キャパシタ15Aは、第1の平面導体18Aと第2の平面導体19とが絶縁層を介在した状態で対向して形成され(【0039】)、
横巻インダクタ14Aとキャパシタ15Aとで共振回路LC1を構成しており、
第1の平面導体18Aは、横巻インダクタ14Aの左側面側に位置していて、横巻インダクタ14Aの左側面側の第1端SAが接続され、且つ、積層体12の左側面の入出力端子13Aに接続されており(【0039】)、
第2の平面導体(接地導体)19は、層間接続導体を介して積層体12の下面の接地端子13Cに接続されている(【0041】)、
高周波部品11。」


2.特開2001-102235号公報(以下、「引用文献2」という。)

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の記載がある。(下線は当審が付与した。)

「【0034】本発明の第2の手段は、コイルを構成する導体の導体アスペクト比(コイル導体の幅/コイル導体の高さ)が1以上であることを特徴とする。」

「【0041】本発明の第2の手段による平面型磁気素子は、コイルを構成する導体の断面積を大きくすることにより許容電流を大きく取ることが可能である。」

「【0065】図12Aは導体アスペクト比h/d及び溝アスペクト比h/bを設定した例の分解斜視図を示し、基板10上に直接平面コイル40が形成されている。図12Bは図12Aの12B?12B断面図であり、42はコイル導体を示す。導体は通常の半導体プロセスでの配線形成で使用されるような製法を用いることで形成できる。配線ピッチには自ずと限界がある。ピッチ幅が狭くなるほど小型化が可能であるが、高い導体アスペクト比化は困難になる。従って、所望の特性に応じて最も適当なピッチ、導体アスペクト比h/dを決め、製造することが望ましい。高い導体アスペクト比という点で特に数値を決めるものではないが、概ね1以上、すなわち、線高が線幅以上である高い導体アスペクト比h/dの導体からなることが好ましく、また、小型化という観点からは、高い溝アスペクト比h/bであることが好ましい。数値的には特に限定されるところはないが、マイクロコイルという観点からは、導体幅、溝距離共に10μm以下程度であることが実質上効果を発揮すると考えられる。」

「【図12】



したがって、上記引用文献2には、

「コイルを構成する導体の導体アスペクト比(コイル導体の幅/コイル導体の高さ)が1以上であり、コイルを構成する導体の断面積を大きくすることにより許容電流を大きく取ることが可能である」(以下、「引用文献2記載技術」という。)

ことが記載されている。


3.特開2004-253684号公報(以下、「引用文献3」という。)

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、次の記載がある。(下線は当審が付与した。)

「【0012】
このような磁気回路が長くなることによるインダクタンスの効率(単位体積当たりのインダクタンス)の低下を防ぐため、コイルの空隙を出来るだけ狭くするとともに、コイルを出来るだけ厚くして、高アスペクトのコイルを形成する場合がある。例えば、数100mA以上の電流を流すパワーインダクタでは、前記コイル11の高さを50nm、場合によっては200nm以上の高アスペクト比にコイルを形成するようにしている。」

「【0042】
図1aは、本実施の形態に係る高密度インダクタの背面側斜視図であり、図1bは、図1aに示す同インダクタのAA断面図であり、図2は、図1bにおける要部拡大図である。これらの図に示すように、本実施の形態に係る高密度インダクタ20は、当該インダクタ20の中央部分に配置されたコイル22と、当該コイル22を封止するためのコア部材とを有している。またインダクタ20の背面側には一対の接続用端子24、26が設けられており、図示しないプリント基板等への表面実装を可能にしている。
【0043】
ここでコイル22は、配線層28をその厚み方向に複数積層させた形態からなり(本実施の形態においては4段)高いアスペクト比を達成するとともに、内径から外径に至るまで一定のピッチになるよう渦巻状に形成されている。なおこのようなコイル22は半導体等の製造に用いられる薄膜プロセスによって形成することが可能である。以下、前記薄膜プロセスを用いてコイル22を形成する手順を説明する。」

「【図1a】



「【図1b】



したがって、引用文献3には、

「インダクタンスの効率(単位体積当たりのインダクタンス)の低下を防ぐため、コイルの空隙を出来るだけ狭くするとともに、コイルを出来るだけ厚くして、高アスペクトのコイルを形成する」(以下、「引用文献3記載技術」という。)

ことが記載されている。


4.特開2003- 59722号公報(以下、「引用文献4」という。)

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、次の記載がある。(下線は当審が付与した。)

「【0014】[第1実施形態、図1?図10]図1に示すように、積層型インダクタ11は、直線状のコイル用導体パターン13a?13gを上面に設けた絶縁体シート12aと、直線状のコイル用導体パターン14a?14fを下面に設けた絶縁体シート12eと、複数の半円形スルーホール15を縁部に設けた絶縁体シート12b?12d等にて構成されている。
【0015】コイル用導体パターン13a?13g,14a?14fは、スクリーン印刷、スパッタリング、蒸着、フォトリソグラフィ等の方法により形成されている。コイル用導体パターン13a?13g,14a?14fの材料としては、Ag,Ag?Pd,Pd,Cu,Niなどが使用される。絶縁体シート12a?12eの材料としては、フェライト等の磁性体材料やセラミック等の誘電体材料、ガラス等の絶縁体材料を、結合剤などと一緒に混練し、シート状に成形したものである。
【0016】スルーホール15は、絶縁体シート12a?12eにレーザ加工やパンチング加工などにより、予めスルーホール用孔を形成した後、そのスルーホール用孔に導電性ペーストを充填することにより形成される。これらのスルーホール15は、絶縁体シート12a?12eの積み重ね方向に連接され、それぞれ柱状接続導体15A(図2参照)を構成する。
【0017】コイル用導体パターン13a?13gは、後述の積層体16(図2参照)の上面に配置される。コイル用導体パターン14a?14fは、積層体16の下面に配置される。上面に配置されたコイル用導体パターン13a?13gはそれぞれ、絶縁体シート12a?12eの縁部に設けたスルーホール15からなる柱状接続導体15Aを介して順次下面に配置されたコイル用導体パターン14a?14fに電気的に直列に接続され、螺旋状コイルLを構成する。螺旋状コイルLは、その軸方向が絶縁体シート12a?12eの積み重ね方向に対して垂直であり、かつ、後述の入出力電極18,19(図4参照)に対して垂直である。言い換えると、螺旋状コイルLの軸方向は、インダクタ11の実装面に対して平行である。
【0018】以上の絶縁体シート12a?12eは積み重ねられた後、一体的に焼成され、図2に示すように、積層体16とされる。積層体16の上面及び下面にはそれぞれコイル用導体パターン13a?13g,14a?14fが露出し、積層体16の両側面にはそれぞれ柱状接続導体15Aが全て露出している。
【0019】次に、図3に示すように、積層体16の両端面を残して、上面、下面及び両側面を1?5μm程度の絶縁保護膜17で被覆する。絶縁保護膜17の材料としては、樹脂やセラミックペースト等が用いられる。樹脂の場合には、エポキシやポリイミド等の高分子樹脂を、塗布、浸漬、印刷、スプレー等の方法によりコイル用導体パターン13a?13g等の露出面に付与し、適温にて硬化させる。例えば、浸漬法で形成した場合には、絶縁保護膜17の厚みは50?100μm程度になる。セラミックペーストの場合にも、ガラス等のセラミックペーストを、同様の方法によりコイル用導体パターン13a?13g等の露出面に付与し、焼成させる。
【0020】なお、絶縁保護膜17は、積層体16の全表面を被覆するように形成してもよい。ただし、この場合には、積層体16の両端面のコーナ部を面取りし、コイル用導体パターン13a,13gの端部を露出させる必要がある。コーナ部の面取りは機械切削加工によって行ってもよいが、バレル研磨加工を用いると、積層体16の両端面以外のコーナ部の面取りも同時に行うことができるので、製造コストが低減する。」

「【図1】



「【図2】



「【図3】



したがって、引用文献4には、

「積層型インダクタ11は、直線状のコイル用導体パターン13a?13gを上面に設けた絶縁体シート12aと、直線状のコイル用導体パターン14a?14fを下面に設けた絶縁体シート12eと、複数の半円形スルーホール15を縁部に設けた絶縁体シート12b?12d等にて構成され、
上面に配置されたコイル用導体パターン13a?13gはそれぞれ、絶縁体シート12a?12eの縁部に設けたスルーホール15からなる柱状接続導体15Aを介して順次下面に配置されたコイル用導体パターン14a?14fに電気的に直列に接続され、螺旋状コイルLを構成し、
絶縁体シート12a?12eは積み重ねられた後、一体的に焼成され、図2に示すように、積層体16とされ、
積層体16の両端面を残して、上面、下面及び両側面を1?5μm程度の絶縁保護膜17で被覆する」(以下、「引用文献4記載技術」という。)

ことが記載されている。


第5 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。

(ア)『複数の誘電体層が積層方向に積層されたLC共振器であって、』について

引用発明1は、「絶縁層を積層した積層体の内部にLC共振回路を構成した高周波部品11」であり、前記LC共振回路の少なくとも1つは、横巻インダクタ14Aとキャパシタ15Aとで構成される共振回路LC1のことであり、当該「高周波部品11」は、共振器としての機能を備えているのであるから「LC共振器」と称し得るものである。
そして、引用発明1の「キャパシタ15Aは、第1の平面導体18Aと第2の平面導体19とが絶縁層を介在した状態で対向して形成され(【0039】)、」との事項や引用文献1の「また、積層体12においては、キャパシタ15A,15Bの平面導体間に位置する絶縁層(図2(C)においてドット表示する絶縁層)は、他の絶縁層よりも比誘電率を高いものにしている。」(【0048】)との記載事項を踏まえると、引用発明1及び引用文献1でいう「絶縁層」は、技術的に「誘電層」と言い換えることのできるものである。
してみると、引用発明1の「高周波部品11」は、本願発明1でいう『複数の誘電体層が積層方向に積層されたLC共振器』といえるものである。

(イ)『外部接続端子と、』について

引用発明1の「入出力端子13A,13B」及び「接地端子13C」は、「高周波部品11」と外部とをつなぐ接続端子であるから、本願発明1でいう『外部接続端子』に相当する。

(ウ)『前記積層方向に直交する特定軸のまわりに巻回されるように形成されたインダクタと、』について

引用発明1の「横巻インダクタ14A」は、「積層体12の内部で中心よりも左側面側に配されており、積層体12の左側面側に位置する第1端SAから、積層体12の中心側に位置する第2端SBに掛けて、層間接続導体171A、線状導体161A、層間接続導体172A、線状導体162A、層間接続導体173A、線状導体163A、層間接続導体174A、線状導体164A、層間接続導体175A、線状導体165A、および層間接続導体176Aを、この順に接続して構成され、積層体12の積層方向に対して直交する方向、ここでは、積層体12の左側面と右側面との間を結ぶ方向に延びる巻回軸CAを中心に、第1端SAから第2端SBにかけて巻回軸CAに沿って進む右ねじ状(右螺旋状)に設けられ」るものであり、前記「積層体12の積層方向に対して直交する方向、ここでは、積層体12の左側面と右側面との間を結ぶ方向に延びる巻回軸CA」は、本願発明1でいう『前記積層方向に直交する特定軸』に対応するものである。
してみると、引用発明1の「横巻インダクタ14A」は、本願発明1でいう『前記積層方向に直交する特定軸のまわりに巻回されるように形成されたインダクタ』に相当する。

(エ)『前記インダクタに接続され、キャパシタ導体パターンを含むキャパシタと、』について

引用発明1の「キャパシタ15A」は、「第1の平面導体18Aと第2の平面導体19とが絶縁層を介在した状態で対向して形成され」るのであるから、「第1の平面導体18A」及び「第2の平面導体19」は、本願発明1でいう『キャパシタ導体パターン』に対応するものである。
そして、「キャパシタ15A」を形成している「第1の平面導体18A」は、「横巻インダクタ14Aの左側面側の第1端SA」に接続されるのであるから、前記「キャパシタ15A」は、「横巻インダクタ14A」に接続されているといえる。
してみると、引用発明1の「キャパシタ15A」は、本願発明1でいう『前記インダクタに接続され、キャパシタ導体パターンを含むキャパシタ』に相当する。

(オ)『前記インダクタから前記積層方向に伸び、前記インダクタと前記外部接続端子とを接続し、前記インダクタに含まれないビア導体パターンとを備え、』について

引用発明1の「第2の平面導体(接地導体)19」は、「層間接続導体を介して積層体12の下面の接地端子13Cに接続されている」のであるから、当該「層間接続導体」は、本願発明1でいう『前記インダクタに含まれないビア導体パターン』に対応するものといえる。
してみると、本願発明1と引用発明1とは、『前記インダクタに含まれないビア導体パターン』を備えるという点で共通する。

(カ)『前記インダクタは、前記積層方向に直交する第1方向に伸びる第1柱状導体パターンを含み、』について

引用発明1の「横巻インダクタ14A」は、「積層体12の左側面側に位置する第1端SAから、積層体12の中心側に位置する第2端SBに掛けて、層間接続導体171A、線状導体161A、層間接続導体172A、線状導体162A、層間接続導体173A、線状導体163A、層間接続導体174A、線状導体164A、層間接続導体175A、線状導体165A、および層間接続導体176Aを、この順に接続して構成され」るものであり、引用文献1の【図2】(b)の記載を参酌すると、前記「線状導体161A,162A,163A,164A,165A」の長軸方向は、絶縁層の積層方向に直交する方向に延びていることが見て取れる。
そうすると、前記「長軸方向」は、本願発明1でいう『前記積層方向に直交する第1方向』に対応するものといえるから、引用発明1の「横巻インダクタ14A」は、本願発明1の「前記インダクタは、前記積層方向に直交する第1方向に伸びる第1導体パターンを含み、」との構成を備えているといえる。
してみると、本願発明1と引用発明1とは、『前記インダクタは、前記積層方向に直交する第1方向に伸びる第1導体パターンを含み、』という点で共通する。

したがって、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点がある。

(一致点)
「複数の誘電体層が積層方向に積層されたLC共振器であって、
外部接続端子と、
前記積層方向に直交する特定軸のまわりに巻回されるように形成されたインダクタと、
前記インダクタに接続され、キャパシタ導体パターンを含むキャパシタと、
前記インダクタに含まれないビア導体パターンとを備え、
前記インダクタは、前記積層方向に直交する第1方向に伸びる第1導体パターンを含む
LC共振器。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1の「ビア導体パターン」が、『前記インダクタから前記積層方向に伸び、前記インダクタと前記外部接続端子とを接続』しているのに対し、引用発明1の「ビア導体パターン」は、「キャパシタ15A」を構成する「第2の平面導体(接地導体)19」から積層方向に伸び、「外部接続端子(接地端子13C)」と接続している点。

(相違点2)本願発明1においては、「インダクタ」を構成している導体パターンが『柱状』であるのに対し、引用発明1においては、「横巻インダクタ14A」の一部を構成している「導体161A,162A,163A,164A,165A」が「線状」である点。

(相違点3)本願発明1は、『第1柱状導体パターン』について『前記積層方向において、前記第1柱状導体パターンの厚みは、前記キャパシタ導体パターンの厚みよりも厚く』との事項を特定しているのに対し、引用発明1は、「線状導体161A,162A,163A,164A,165A」についてかかる事項が特定されていない点。

(相違点4)本願発明1は、『第1柱状導体パターン』について、『前記第1方向から平面視したときの前記第1柱状導体パターンの面積は、前記積層方向から平面視したときの前記ビア導体パターンの面積以上である』との事項を特定しているのに対し、引用発明1は、「線状導体161A,162A,163A,164A,165A」についてかかる事項が特定されていない点。


(2)相違点についての判断

事案に鑑みて、上記相違点4について検討する。

本願発明1は、『第1柱状導体パターン』について、『前記第1方向から平面視したときの前記第1柱状導体パターンの面積は、前記積層方向から平面視したときの前記ビア導体パターンの面積以上である』との事項を特定し、そのように構成を特定することによって、「LC共振器のQ値の低下を抑制することができる。」(【0040】)との効果を奏するものである。
しかしながら、引用文献1?3には、上記相違点4で言及した構成に関して記載も示唆もされておらず、また、そのような構成が当業者にとって周知であるとの合理的な証拠及び理由もない。
したがって、上記他の相違点1?3について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2、3記載技術に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

なお、引用文献4にも、上記相違点4で言及した構成に関して記載も示唆もされていない。


2.本願発明2?4について

本願発明2?4は、請求項1を直接的又は間接的に引用するものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2、3記載技術に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。


3.本願発明5?11について

本願発明5?11は、請求項1を直接的又は間接的に引用するものであり、そして、上記相違点4の検討で言及したように、引用文献4にも上記相違点4で言及した構成に関して記載も示唆もされていないから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2?4記載技術に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。


第6 原査定について

本願発明1?11は、前述のとおり、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1?4に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。


第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2021-11-10 
出願番号 特願2018-565917(P2018-565917)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H03H)
最終処分 成立  
前審関与審査官 竹内 亨  
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 伊藤 隆夫
衣鳩 文彦
発明の名称 LC共振器  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  

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