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審決分類 審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C01B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C01B
管理番号 1379844
異議申立番号 異議2019-700782  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-10-01 
確定日 2021-10-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6493226号発明「窒化ホウ素凝集粒子、窒化ホウ素凝集粒子の製造方法、該窒化ホウ素凝集粒子含有樹脂組成物、成形体、及びシート」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6493226号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?8〕、9、〔10?12〕について訂正することを認める。 特許第6493226号の請求項1?12に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6493226号の請求項1?12に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、2015年(平成27年)2月5日(優先権主張平成26年2月5日(2件)、平成26年10月8日、平成26年12月22日、平成27年1月14日(2件)、いずれも日本国)を国際出願日として出願され、平成31年3月15日にその特許権の設定登録がされ、平成31年4月3日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対して特許異議の申立てがあり、次のとおりに手続が行われた。

令和 1年10月 1日 特許異議申立人 株式会社レクレアル(以下
、「特許異議申立人」という。)による請求
項1?12に係る特許に対する特許異議の申
立て
令和 2年 1月31日付け 取消理由通知
令和 2年 3月24日 特許権者との面接
令和 2年 4月 3日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和 2年 7月17日 特許異議申立人による意見書の提出
令和 2年 9月29日付け 取消理由通知(決定の予告)
令和 2年12月 7日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和 3年 3月30日付け 取消理由通知(決定の予告)
令和 3年 6月 4日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和 3年 7月21日 特許異議申立人による意見書の提出

なお、令和3年6月4日に訂正の請求がされたので、令和2年4月3日及び令和2年12月7日にされた先の訂正の請求(以下、これらの訂正をそれぞれ「先の訂正1」、「先の訂正2」ということがある。)は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。


第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
令和3年6月4日に特許権者により請求された訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線部は、訂正箇所を示す)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))が0.25以上であり、」とあるのを、「BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))が0.5以上1.6以下であり、」と訂正し、「平均結晶子径が375Å以上であることを特徴とする」とあるのを、「平均結晶子径が375Å以上456Å以下であることを特徴とする」と訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項9に「加熱処理をするステップを含むBN凝集粒子を製造する方法であって」とあるのを、「加熱処理をするステップを含む、請求項1?5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子を製造する方法であって」と訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項10に「窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))が1.0以上であり、」とあるのを、「窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))が1.5以上5以下であり、」と訂正し、「平均結晶子径が375Å以上であることを特徴とする」とあるのを、「平均結晶子径が375Å以上588Å以下であることを特徴とする」と訂正する。

ここで、訂正前の請求項2?8は、訂正前の請求項1を引用する請求項であり、請求項1?8は一群の請求項であるところ、訂正事項1による訂正は、その一群の請求項に対して請求されたものである。
また、訂正前の請求項11、12は、訂正前の請求項10を引用する請求項であり、請求項10?12は一群の請求項であるところ、訂正事項3による訂正は、その一群の請求項に対して請求されたものである。

2 訂正の適否について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1に記載の「BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))」の範囲を減縮すると共に、「平均結晶子径」の大きさの上限を特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項1の「BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))」の範囲を減縮する訂正は、本件明細書の段落【0036】の記載に基づくものであり、「平均結晶子径」の大きさの上限を特定する訂正は、本件明細書の段落【0033】及び段落【0156】の表1の記載に基づくものであるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、独立請求項である請求項9に記載された「BN凝集粒子の製造方法」により製造される「BN凝集粒子」を、「請求項1?5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項2は、独立請求項である請求項9を、請求項1?5のいずれかに従属する従属請求項に訂正するものであって、特許請求の範囲を減縮するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、請求項10に記載の「窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))」の範囲を減縮すると共に、「平均結晶子径」の大きさの上限を特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項3の「窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))」の範囲を減縮する訂正は、本件明細書の段落【0122】の記載に基づくものであり、「平均結晶子径」の大きさの上限を特定する訂正は、本件明細書の段落【0123】及び段落【0180】の表3の記載に基づくものであるから、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)独立特許要件について
本件特許の請求項1?12の全ての請求項について特許異議の申立てがされたので、訂正後の請求項1?12に係る発明について、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の規定は適用されない。

3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?8〕、9、〔10?12〕について訂正することを認める。


第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正による本件特許の請求項1?12に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明12」という。)は,訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?12に記載された以下の事項により特定されるとおりのものであると認める。

「【請求項1】
窒化ホウ素一次粒子(以下「BN一次粒子」と称する。)が凝集してなる窒化ホウ素凝集粒子(以下「BN凝集粒子」と称す。)であって、10mmφの粉末錠剤成形機で0.85ton/cm^(2)の成型圧力で成型して得られたペレット状の試料を粉末X線回折測定して得られる、BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))が0.5以上1.6以下であり、かつ該BN凝集粒子を0.2mm深さのガラス試料板に表面が平滑になるように充填し、粉末X線回折測定して得られる、BN一次粒子の(002)面ピークから求めたBN一次粒子の平均結晶子径が375Å以上456Å以下であることを特徴とするBN凝集粒子。
【請求項2】
BN凝集粒子の平均粒子径D_(50)が26μm以上である、請求項1に記載のBN凝集粒子。
【請求項3】
BN凝集粒子の比表面積が8m^(2)/g以下である、請求項1又は2に記載のBN凝集粒子。
【請求項4】
BN凝集粒子が球状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のBN凝集粒子。
【請求項5】
BN凝集粒子がカードハウス構造を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のBN凝集粒子。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子と他のフィラーの混合物であるBN凝集粒子組成物。
【請求項7】
樹脂と、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子を含むBN凝集粒子含有樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子を含む成形体。
【請求項9】
原料窒化ホウ素粉末のスラリー(以下「BNスラリー」と称す。)を造粒するステップ、及び加熱処理をするステップを含む、請求項1?5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子を製造する方法であって、
前記原料窒化ホウ素粉末中の酸素濃度が、3質量%以上10質量%以下であり、前記造粒ステップにおいて該BNスラリーの粘度が200mPa・s以上5000mPa・s以下であり、前記加熱ステップにおいて加熱処理を1800℃以上2300℃以下で行うことを特徴とするBN凝集粒子の製造方法。
【請求項10】
窒化ホウ素凝集粒子を含有するシートであって、
該シートをX線回折測定して得られる、該シート中の窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))が1.5以上5以下であり、かつ
該シートをX線回折測定して得られる、該シート中の窒化ホウ素一次粒子の(002)面ピークから求めた窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径が375Å以上588Å以下であることを特徴とするシート。
【請求項11】
前記シートをX線回折測定して得られる、該シート中の窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))が0.6以上である請求項10に記載のシート。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のシートを部材の一部として有するデバイス。」

2 取消理由の概要について
当審が令和2年1月31日付け、令和2年9月29日付け及び令和3年 3月30日付けで通知した取消理由をまとめて整理すると、その概要は、以下のとおりである。

(1)取消理由1(サポート要件違反)
設定登録時及び先の訂正1後の請求項1?12に係る特許、あるいは、先の訂正2後の請求項10?12に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。


ア 設定登録時及び先の訂正1後の請求項1?8に係る発明について
(ア)窒化ホウ素一次粒子の「ピーク面積強度比」及び「平均一次粒子径」
について
設定登録時及び先の訂正1後の請求項1に係る窒化ホウ素凝集粒子(以下、「BN凝集粒子」とも表記する。)の発明において、窒化ホウ素一次粒子(以下、「BN一次粒子」とも表記する。)の「ピーク面積強度比」及び「平均結晶子径」が特定され、本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0033】?【0040】には、これらの数値範囲を特定した理由及び作用機序について説明されている。
これに対して、実施例に示されたBN凝集粒子を用いた成形体が高熱伝導性であるから、当該BN凝集粒子は発明の課題を解決できると認められるが、当該BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の「ピーク面積強度比」及び「平均結晶子径」は、設定登録時及び先の訂正1後の請求項1で特定された数値のごく一部の範囲にすぎない。
そうすると、設定登録時及び先の訂正1後の請求項1及びこれを引用する請求項2?8に係る発明は、当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえない。

(イ)「カードハウス構造」について
本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0029】、【0039】には、BN凝集粒子は、カードハウス構造を有することが好ましいことが記載され、実施例は、カードハウス構造のBN凝集粒子のみが開示されているから、BN凝集粒子が「カードハウス構造」であることが特定されていない設定登録時の請求項1?4、6?8に係る発明は、当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえない。

イ 設定登録時の請求項9に係る発明について
BN凝集粒子の製造方法について特定されているところ、本件明細書の段落【0050】?【0059】、【0075】には、高熱伝導性のBN凝集粒子が得られる作用機序について説明されているが、これらの記載及び実施例を参照しても、設定登録時の請求項9で特定された製造条件の数値範囲は、発明の詳細な説明の記載により発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえない。

ウ 設定登録時、先の訂正1及び2後の請求項10?12に係る発明について
(ア)窒化ホウ素一次粒子の「ピーク強度比」及び「平均結晶子径」につい

設定登録時、先の訂正1及び2後の請求項10に係る窒化ホウ素凝集粒子を含むシートの発明において、シート中のBN凝集粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の「ピーク強度比」及び「平均結晶子径」が特定され、本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0122】、【0123】には、これらの数値範囲を特定した理由及び作用機序について説明されている。
これに対して、実施例に示されたBN凝集粒子を用いたシートは高熱伝導性及び耐電圧性を有するシートであるから、当該BN凝集粒子を用いたシートは課題を解決できると認められるが、当該BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の「ピーク強度比」及び「平均結晶子径」は、設定登録時及び先の訂正1後の請求項1で特定された数値のごく一部の範囲にすぎないし、さらに、先の訂正2後の請求項1で特定された平均結晶子径の数値範囲ですらない。
そうすると、設定登録時、先の訂正1及び2後の請求項10及びこれを引用する請求項11、12に係る発明は、当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえない。

(イ)「カードハウス構造」について
本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0123】には、シート中のBN凝集粒子は、凝集粒子内のカードハウス構造が破壊されると熱伝導度が低くなる傾向があることが記載されている。
そうすると、シート中のBN凝集粒子が「カードハウス構造」であることが特定されていない設定登録時の請求項10?12に係る発明は、当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえない。

(2)取消理由2(実施可能要件違反)
設定登録時及び先の訂正1後の請求項1?12に係る特許、あるいは、先の訂正2後の請求項10?12に係る特許は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。


上記「取消理由1」において示したように、設定登録時及び先の訂正1後の請求項1?12に係る発明、あるいは、先の訂正2後の請求項10?12に係る発明は、発明の詳細な説明の記載により、当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえないから、発明の詳細な説明は、実施例で示された範囲外のものについてまで当業者が実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているとまではいえない。

3 取消理由についての当審の判断
(1)取消理由1について
ア 本件発明の課題
本件発明の課題は、本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0002】?【0015】の記載によれば、高い熱伝導性を有するBN凝集粒子及びその製造方法、並びに、高い熱伝導性を有するシートを提供することを含むものである。

イ 本件発明1?8について
(ア)BN一次粒子の「ピーク面積強度比」及び「平均結晶子径」について
(ア-1)「ピーク面積強度比」
本件発明1に係るBN凝集粒子において、BN一次粒子の「ピーク面積強度比」は、「0.5以上1.6以下」の数値範囲であることが特定され、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された実施例1?3の上記「ピーク面積強度比」は、0.90?0.96であり、上記数値範囲に含まれ、実施例1?3のBN凝集粒子を用いた成形体は、高熱伝導性であることを把握できる。
そして、BN一次粒子の「ピーク面積強度比」について、本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。
「【0036】
・BN一次粒子のピーク面積強度比
BN凝集粒子を10mmφの粉末錠剤成形機で0.85ton/cm^(2)の成形圧力で成形して得られたペレット状の試料を粉末X線回折測定して得られる、BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))が0.25以上であるとしても表現ができる。このピーク面積強度比((100)/(004))は、・・・好ましくは0.5以上・・・である。また、上限は特に制限はないが・・・特に好ましくは1.6以下である。
【0037】
・・・ 大きすぎると、成形体とした際にBN凝集粒子間の接触抵抗が大きくなる傾向があり、小さすぎると、BN凝集粒子が崩壊し、厚み方向の熱伝導性が向上しない傾向がある。
【0038】
通常、放熱シートなどにおいて最適なプレス圧力条件は、放熱シートの種類によって異なる。樹脂マトリックス中に分散したBN凝集粒子は、用途に応じた圧力条件にさらされるが、通常、BN粒子は圧力方向に対して直行する方向にab面が配向する傾向にある。BN凝集粒子を用いた場合でも成形圧力に対して粒子変形が生じ、結果としてab面が圧力方向に直行する方向に配向する傾向にある。
例えば、樹脂製の高放熱基板は、樹脂製基板内部の空隙低減や分散させたBN凝集粒子同士の完全な接触のために、0.85ton/cm^(2)以上2.54ton/cm^(2)以下のような比較的高い圧力で成形されると考えられる。このため、上記圧力範囲でもBN一次粒子の配向変化が少ないBN凝集粒子が熱伝導性向上には必要である。
・・・
【0040】
一定以上の一次粒子配向とは、例えば一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))によって表現されるが、これは(004)面、すなわち、圧力方向に対して直行する方向にab面が配向する割合がどれだけ少ないかを表現するものである。従って、上述のピーク面積強度比が大きいほど、成形圧力によるBN凝集粒子の変形が少ない。高熱伝導性を達成するには、少なくともピーク面積強度比は0.25以上であることが必要と考えている。ピーク面積強度比の下限、上限については前述のとおりである。 ・・・ 」
以上の記載から、本件発明1におけるBN一次粒子の「ピーク面積強度比」は、圧力方向に対して直行する方向にBN一次粒子のab面が配向する割合がどれだけ少ないかを表現するものであり、大きいほうがBN凝集粒子の熱伝導性が向上するから、下限を0.25以上としたものであり、また、BN凝集粒子の成形性の観点から、上限を特定したことが理解できる。
そして、比較例3は、比較例において最大の熱伝導率を示すものであり、BN一次粒子の平均結晶子径370Åは、本件発明1で特定する数値の下限375Åの近傍であるが、ピーク面積強度比は0.21であって本件発明1の下限より小さいところ、上記の説明のとおりピーク面積強度比を大きくすることで熱伝導度が向上する傾向を見て取れるから、本件発明1で特定したピーク面積強度比の下限0.25以上とすることで、比較例3よりさらに熱伝導率が向上すると認識することができる。

(ア-2)BN一次粒子の「平均結晶子径」
本件発明1に係るBN凝集粒子において、BN一次粒子の平均結晶子径は、「375Å以上456Å以下」であることが特定され、下限値「375Å」は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された実施例において、最も低い値である実施例2の「383Å」の近傍の値であり、また、上限値「456Å」は、実施例3の値であるから、実施例1?3のBN凝集粒子を用いた成形体は、高熱伝導性であることを把握できる。
そして、BN一次粒子の平均結晶子径について、本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。
「【0033】
・BN一次粒子の平均結晶子径
BN凝集粒子を粉末X線回折測定して得られるBN一次粒子の(002)面ピークから求めたBN一次粒子の平均結晶子径は、特に制限はされないが、平均結晶子径は大きいことが熱伝導率の点から好ましい。・・・より好ましくは375Å以上であり、・・・特に好ましくは400Å以上であり、・・・好ましくは1000Å以下である。上記平均結晶子径が大きすぎると、BN一次粒子が成長しすぎるため、BN凝集粒子内の間隙が多くなり、成形体とする際の成形性が悪化するとともに、間隙が多くなることにより熱伝導性が向上しなくなる傾向がある。上記平均結晶子径が小さすぎると、BN一次粒子内の粒界が増えるため、フォノン散乱が結晶粒界で発生し、低熱伝導になる傾向がある。」
以上の記載からすると、BN一次粒子の平均結晶子径を、本件発明1で特定した大きさとすることで、BN凝集粒子が高熱伝導性となることを認識することができる。

(イ)「カードハウス構造」について
本件発明1において、上記のとおり、BN一次粒子のピーク面積強度比が特定されているところ、当該ピーク面積強度比は、BN凝集粒子に0.85ton/cm^(2)の成型圧力で成型されたペレット状の試料中のBN凝集粒子のBN一次粒子について測定するものであるから、加圧成型後のBN凝集粒子について、上記(ア)(ア-1)に摘記した本件明細書の段落【0040】に記載されているように、圧力方向に対して直行する方向にab面が配向する割合を示す指標であり、これによりBN凝集粒子の熱伝導性に関与するBN一次粒子の配向を特定していることが理解できる。
そうすると、上記ピーク面積強度比によって、本件発明の課題を解決するために、熱伝導性に影響する粒子のBN凝集粒子のBN一次粒子の配向の形態を特定しているといえるから、本件発明1において、BN凝集粒子の「カードハウス構造」の凝集形態を特定する必要があるとまではいえない。

(ウ)上記(ア)、(イ)のとおりであるから、本件発明1及びこれを引用する本件発明2?8は、発明の詳細な説明の記載に基づいて当業者が、本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。

ウ 本件発明9について
本件発明9は、本件発明1?5のBN凝集粒子を製造する方法であって、原料BN粉末中の酸素濃度、BNスラリーの粘度及び加熱処理温度の製造条件が特定されているところ、本件発明1?5のBN凝集粒子の特定事項を充足しない前記製造条件は当然に含まれないものと理解することができる。そして、本件明細書に記載の実施例は、前記製造条件の範囲内で前記BN凝集粒子を製造することが開示されているものである。
したがって、当該製造方法は、本件発明1?5のBN凝集粒子を製造することができ、本件発明の課題を解決できることが理解できるから、本件発明9は発明の詳細な説明に記載したものであるといえる。

エ 本件発明10?12について
(ア)窒化ホウ素一次粒子の「ピーク強度比」及び「平均一次粒子径」について
(ア-1)「ピーク強度比」
本件発明10に係る窒化ホウ素凝集粒子を含有するシートにおいて、窒化ホウ素一次粒子の「ピーク強度比」は、「1.5以上5以下」の数値範囲であることが特定され、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された実施例2、6の上記「ピーク強度比」は、2.61及び2.90であり、上記数値範囲に含まれ、実施例2、6のシートは、高熱伝導性であることを把握できる。
そして、シート中の窒化ホウ素一次粒子のピーク強度比について、本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。
「【0120】
・シートの物性
また、本発明のシートは、窒化ホウ素凝集粒子(以下「BN凝集粒子」と称す。)を含有するシートであって、該シートをX線回折測定して得られる、該シート中の窒化ホウ素一次粒子(以下「BN一次粒子」と称す。)の(100)面と(004)面のピーク強度比[(100)/(004)]が1.0以上であり、かつ該シートをX線回折測定して得られる、該シート中のBN一次粒子の(002)面ピークから求めたBN一次粒子の平均結晶子径が375Å以上であることを特徴とするシートである。
【0121】
本発明のシートは、このような物性を満たすことで、高い熱伝導率を有し、耐電圧性能に優れたシートとなり、放熱部材として好適に使用できる。このような優れた性能を発揮するシートとなる理由は、[(100)/(004)]の強度比が上述以上となることにより、シートの垂直方向に一次粒子のab面が配向する割合が高く、BNの持つ高い熱伝導率をシートとして発揮することが出来、また一次粒子の大きさを375Åに以上にすることにより、一次粒子間の界面を減らし、界面間が熱抵抗となることを妨げるためである。
【0122】
窒化ホウ素凝集粒子を少なくとも含有するシートであって、該シートは、X線回折測定して得られる、該シート中のBN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))が1.0以上である。このピーク強度比((100)/(004))は、好ましくは1.5以上・・・である。上限は・・・より好ましくは5.0以下である。
この数値が大きすぎると、シート面に対してBN一次粒子の垂直方向に向く割合が高くなりすぎて、プレス等の成形工程を行うときに、シート内の微小なクラックが入りやすくなる。このようなクラックは、耐電圧等の電気特性が低くなる傾向がある。また、数値が小さすぎると、シート面に対するBN一次粒子の垂直方向に向く割合が低くなり、熱伝導率が低くなる傾向がある。」
以上の記載から、本件発明10におけるシート中の窒化ホウ素一次粒子の「ピーク強度比」は、シート面に対するBN一次粒子の垂直方向に向く割合が低くなって熱伝導率が低くならないように下限を特定したものであり、シートの成形性の観点から上限を特定したことが理解できる。

(ア-2)窒化ホウ素一次粒子の「平均結晶子径」
本件発明10に係る窒化ホウ素凝集粒子を含有するシートにおいて、該シートをX線回折測定して得られる、該シート中の窒化ホウ素一次粒子の(002)面ピークから求めた窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径が「375Å以上588Å以下」であることが特定され、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された実施例の上記平均結晶子径は、558Å及び588Åであり、上記数値に含まれ、実施例2、6のシートは、高熱伝導性であることを把握できる。
そして、シート中の窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径について、本件明細書の発明の詳細な説明には、上記の段落【0120】、【0121】の記載に加えて、さらに以下の記載がある。
「【0123】
更に、該シートをX線回折測定して得られる、該シート中のBN一次粒子の(002)面ピークから求めたBN一次粒子平均結晶子径は、特に制限はないが、・・・より好ましくは375Å以上であり、・・・更に好ましくは1000Å以下であるシートであることが好ましい。
この数値が大きすぎると、プレス工程などのシート成形時に、凝集粒子内のカードハウス構造が破壊され、シート面に対してBN一次粒子のab面が垂直方向に向く割合が減り、熱伝導度が低くなる傾向がある。また、数値が小さすぎると、BN一次粒子界面が増えるため、伝熱抵抗となって熱伝導度が低くなる傾向がある。」
以上の記載から、本件発明10におけるシート中の窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径は、大きすぎると凝集粒子が破壊される可能性があるため上限を特定したものであり、小さすぎるとシートの熱伝導度が低くなるから、下限を特定したことが理解できる。

(イ)「カードハウス構造」について
本件発明10において、上記のとおり、シート中のBN一次粒子の「ピーク強度比」が特定されているところ、当該「ピーク強度比」は、上記(ア)(ア-1)の発明の詳細な説明に記載されているように、シートの熱伝導度に影響するシート中の窒化ホウ素凝集粒子中の窒化ホウ素一次粒子の配向の形態を特定していることが理解できる。
そうすると、本件発明10において、窒化ホウ素凝集粒子の「カードハウス構造」の凝集形態の特定が必要であるとまではいえない。

(ウ)上記(ア)、(イ)のとおりであるから、本件発明10及びこれを引用する本件発明11、12は、発明の詳細な説明の記載に基づいて当業者が、本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。

オ 小括
以上のとおりであるから、取消理由1には理由がない。

(2)取消理由2について
上記(1)に記載されたとおり、本件発明1?12は、発明の詳細な説明に記載されたものであるといえるところ、実施例には、本件発明1?12のそれぞれの具体例が記載されているから、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が、実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているといえる。
したがって、取消理由2には理由がない。

4 取消理由において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)特許異議申立理由
取消理由において採用しなかった特許異議申立理由は、以下のサポート要件違反に関するものである。

・サポート要件違反
本件発明1の課題の一つは「BN凝集粒子を構成するBN一次粒子が高熱伝導性」であること、あるいは、「BN凝集粒子同士の接触抵抗が低減」することであるが、発明の詳細な説明の記載からは、設定登録時の請求項1?8に係る発明はこれら課題が解決されることを認識することができない。

(2)当審の判断
上記3(1)ア及びイで検討したとおり、本件発明1の課題は、高い熱伝導性を有するBN凝集粒子を提供することであり、BN凝集粒子における、BN一次粒子の「ピーク面積強度比」及び「平均結晶子径」を特定した本件発明1によって、当該課題を解決できると認識できるものである。
他方、特許異議申立人の上記主張は、段落【0014】の「BN凝集粒子を構成するBN一次粒子が高熱伝導性でありながら、BN凝集粒子同士の接触抵抗も低減したBN凝集粒子を製造」するとの記載に基づくものであるが、当該記載は、上記課題を解決するための具体化手段であって、本件発明の課題とはいえない。
更に、上記具体化手段が発明の詳細な説明に記載されたものであるかについても検討すると、発明の詳細な説明の段落【0016】の「平均結晶子径が大きくなることで一次粒子中の結晶子間の粒界が減少し、結果としてBN凝集粒子の熱伝導性を高めることに成功した。」との記載や、同【0033】の「上記平均結晶子径が小さすぎると、BN一次粒子内の粒界が増えるため、フォノン散乱が結晶粒界で発生し、低熱伝導になる傾向がある。」との記載からして、本件発明1の「平均結晶子径」がBN一次粒子の高熱伝導性を示しているといえる。
また、同段落【0037】の「BN凝集粒子を10mmφの粉末錠剤成形機で0.85ton/cm^(2)以上2.54ton/cm^(2)以下の成形圧力で成形して得られたペレット状の試料中のBN凝集粒子を構成するBN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))は、・・・大きすぎると、成形体とした際にBN凝集粒子間の接触抵抗が大きくなる傾向があり、小さすぎると、BN凝集粒子が崩壊し、厚み方向の熱伝導性が向上しない傾向がある。」との記載からして、本件発明1の上記「ピーク面積強度比」がBN凝集粒子同士の接触抵抗の低減を示しているといえる。
したがって、「BN凝集粒子を構成するBN一次粒子が高熱伝導性でありながら、BN凝集粒子同士の接触抵抗も低減したBN凝集粒子」自体も、発明の詳細な説明に記載されていると認識できる。
したがって、特許異議申立人の上記主張は採用できない。

5 意見書による特許異議申立人の主張について
(1)令和2年7月17日付けの意見書の主張について
特許異議申立人は、上記取消理由と同様の主張の他、特許権者が、本件発明はカードハウス構造が必須でないことを粒子強度の観点から説明していることなどを理由として、本件発明の技術思想を理解することができない旨の主張をしている。
しかし、上記3(1)イで検討したように、本件発明1は、明細書の発明の詳細な説明の記載によれば、加圧成型後においても特定のBN一次粒子の配向であれば優れた熱伝導度を示すという技術思想に基づいて、所定圧力による成型後のBN凝集粒子を構成するBN一次粒子の配向を特定したことを理解することができる。
また、特許異議申立人は、本件発明10において、高い耐電圧性を有するシートを提供することについてサポート要件及び実施可能要件に違反する旨の主張をしているが、明細書の段落【0122】及び表3によると、本件発明は特に熱伝導性に優れたシートを得ようとするものであって、所定の耐電圧性を有すればよい程度のものであると理解することができる。
したがって、特許異議申立人の主張は採用できない。

(2)令和3年7月11日付けの意見書の主張について
特許異議申立人は、本件発明10に係る窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径の範囲「375Å以上588Å以下」について、実施例で具体的に裏付けられているのは558?588Åの近傍にすぎないから、本件発明の課題は解決されると当業者は認識できず、かつ製造可能であるとはいえないと主張している。
しかし、表3をみると、本件発明10のピーク強度比を充足するもののうち、平均結晶径が下限より小さい250Åである比較例1は、熱伝導率が低いが、実施例2、6のように平均結晶子径が大きくなると、高い熱伝導率が得られているから、比較例1よりも平均結晶子径が大きくなると、熱伝導率が向上する傾向があることが把握できる。また、本件発明1に係るBN凝集粒子は、平均結晶子径が375Å以上で高い熱伝導率が得られることが発明の詳細な説明で裏付けられているから、シート中の窒化ホウ素凝集粒子についても同様に、平均結晶子径が大きくなるほど高い熱伝導率が得られることを理解することができる。
したがって、特許異議申立人の上記主張は採用できない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1?12に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1?12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化ホウ素一次粒子(以下「BN一次粒子」と称する。)が凝集してなる窒化ホウ素凝集粒子(以下「BN凝集粒子」と称す。)であって、10mmφの粉末錠剤成形機で0.85ton/cm^(2)の成型圧力で成型して得られたペレット状の試料を粉末X線回折測定して得られる、BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))が0.5以上1.6以下であり、かつ該BN凝集粒子を0.2mm深さのガラス試料板に表面が平滑になるように充填し、粉末X線回折測定して得られる、BN一次粒子の(002)面ピークから求めたBN一次粒子の平均結晶子径が375Å以上456Å以下であることを特徴とするBN凝集粒子。
【請求項2】
BN凝集粒子の平均粒子径D_(50)が26μm以上である、請求項1に記載のBN凝集粒子。
【請求項3】
BN凝集粒子の比表面積が8m^(2)/g以下である、請求項1又は2に記載のBN凝集粒子。
【請求項4】
BN凝集粒子が球状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のBN凝集粒子。
【請求項5】
BN凝集粒子がカードハウス構造を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のBN凝集粒子。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子と他のフィラーの混合物であるBN凝集粒子組成物。
【請求項7】
樹脂と、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子を含むBN凝集粒子含有樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子を含む成形体。
【請求項9】
原料窒化ホウ素粉末のスラリー(以下「BNスラリー」と称す。)を造粒するステップ、及び加熱処理をするステップを含む、請求項1?5のいずれか1項に記載のBN凝集粒子を製造する方法であって、
前記原料窒化ホウ素粉末中の酸素濃度が、3質量%以上10質量%以下であり、前記造粒ステップにおいて該BNスラリーの粘度が200mPa・s以上5000mPa・s以下であり、前記加熱ステップにおいて加熱処理を1800℃以上2300℃以下で行うことを特徴とするBN凝集粒子の製造方法。
【請求項10】
窒化ホウ素凝集粒子を含有するシートであって、
該シートをX線回折測定して得られる、該シート中の窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))が1.5以上5以下であり、かつ
該シートをX線回折測定して得られる、該シート中の窒化ホウ素一次粒子の(002)面ピークから求めた窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径が375Å以上588Å以下であることを特徴とするシート。
【請求項11】
前記シートをX線回折測定して得られる、該シート中の窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))が0.6以上である請求項10に記載のシート。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のシートを部材の一部として有するデバイス。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-10-05 
出願番号 特願2015-561028(P2015-561028)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (C01B)
P 1 651・ 851- YAA (C01B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 西山 義之  
特許庁審判長 宮澤 尚之
特許庁審判官 末松 佳記
後藤 政博
登録日 2019-03-15 
登録番号 特許第6493226号(P6493226)
権利者 三菱ケミカル株式会社
発明の名称 窒化ホウ素凝集粒子、窒化ホウ素凝集粒子の製造方法、該窒化ホウ素凝集粒子含有樹脂組成物、成形体、及びシート  
代理人 松浦 孝  
代理人 特許業務法人秀和特許事務所  
代理人 特許業務法人秀和特許事務所  

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