• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B32B
管理番号 1384604
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-17 
確定日 2022-05-16 
事件の表示 特願2018−223923「バイオマス由来の樹脂層を備えた包装製品用積層体」拒絶査定不服審判事件〔平成31年3月22日出願公開、特開2019−43146〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成25年1月9日に出願した特願2013−2024号の一部を、平成28年11月8日に新たな特許出願とした特願2016−218126号の一部を、平成30年11月29日にさらに新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和元年11月20日付け:拒絶理由通知書
令和2年 1月15日 :意見書及び手続補正書の提出
令和2年 4月22日付け:拒絶査定
令和2年 7月17日 :審判請求書の提出、同時に手続補正書の提出
令和3年 6月29日付け:拒絶理由通知書
令和3年 8月23日 :意見書及び手続補正書の提出(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。)

2.本願発明
本件補正によって補正された特許請求の範囲のうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
100〜700g/m2の坪量を有する板紙基材と、
前記板紙基材の一方の面側に位置する化石燃料由来のポリエチレン樹脂層と、
前記板紙基材の他方の面側に位置するバイオマスポリオレフィン樹脂層と、
を有してなり、
前記バイオマスポリオレフィン樹脂層は、積層体の最内面を構成するシール層を含み、前記シール層は、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなり、
前記シール層が、0.90〜0.925g/cm3の密度を有し、かつ、4〜20g/10分のメルトフローレートを有し、
紙カップ用または液体紙容器用である、包装製品用積層体。」

3.当審の判断
(1)当審の拒絶理由
令和3年6月29日付けの拒絶理由通知書で当審が通知した拒絶理由のうち、理由3は、次のとおりのものである。
本願の請求項1〜7に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献2に記載された発明及び引用文献3〜5に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
2.独国実用新案第202012102550号明細書
3.特開2006−282257号公報
4.特開2012−250350号公報
5.特開2012−011591号公報

(2)引用文献の記載及び引用発明
ア.引用文献2には、日本語訳により記載すると、図面とともに以下の事項が記載されている。

「[0002]包装産業において、寸法的に安定な包装部品は、長い間、リサイクルされた及びリサイクル可能な材料から製造されてきた。それらは、例えば、湿潤、液体および油脂性のような寸法的に不安定な製品、チーズスライスのような寸法的に不安定な食品、肉製品またはトマト、コショウ、ナッツのようなバルク品の包装および輸送のための単回使用のために使用される。剛性の形状安定化層は、包装に良好な機械的構成安定性を与え、その結果、包装を容易に分配し、取り扱うことができる。」
「[0005]このような包装用積層体の組成物は、包装された製品に可能な限り最良の保護を与えるべきであり、同時に、製造が容易で、取り扱いが容易で、廃棄が容易であるべきである。
[0006]内側層として、PEまたはPPは、食品と直接接触する優れた特性、ならびに優れた熱シール特性を十分に実証している。」
「[0011]包装ユニットは、例えば、ポリオレフィン層を溶接することによってシールすることができる。」
「[0030]外層は、生物学的に製造されたポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンコポリマーおよびこれらのポリマーの混合物から本質的になる群からのポリマーから本質的に選択される(例えば、Braskem,Brazilのバイオエタノールからのポリエチレン)から本質的に選択される。外層は、好ましくはバイオポリエチレンまたはバイオポリプロピレンのホモポリマー、特に好ましくはバイオ低密度ポリエチレン(LDPE)からなる。」
「[0038]本発明の包装積層体は、例えば、熱成形又は折り畳みによって形成することができ、熱シール装置を通過させることもできる。このような包装材料は、例えばチーズ、ゼリー、プディングのような固体及び半固体食品のような人間の接触において優れた特性を有する。これらは、剥離可能にすることもできるポリオレフィンカバーシートでシールすることができる。」
「[0045]図中の積層体および包装容器の特定の選択は単なる例であることに留意されたい。当業者によく知られている多くの他の代替形態が考えられ、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の概念から逸脱することなく、要件を満たすために、材料のさらなる層、例えば、中間接着層または積層を追加することによって、様々な修正および変形が行われる。」
「[0048]包装容器の内側層を形成する隣接積層層12は、バイオポリエチレン又はバイオポリプロピレンからなる。」
「[0050]このようにして製造された包装積層体10は、カップ、マグカップ、トレー等のような種々のタイプの平らなトレーのような包装容器に熱間又は冷間成形され得る。」
「[0057]成形可能な紙の200g/m2の紙層を、0.5mmの厚さの生物学的に生成されたバイオPEを用いて積層機によって片面に積層し、そしてその上に約50マイクロメートルのプラスチックフィルムの全体の厚さを有するEVOHフィルムを積層し、さらに別のバイオポリエチレン層を積層する。この約0.3mmの厚さの積層体は、通常の紙印刷法で印刷することができ、手触りに紙の印象を与える。次に、通常の方法で、例えば、600g/m2の成形可能なボール紙を用いて、熱プレスで、水密トレー/肉包装用トレーに成形し、打ち抜くことができる。これは15−30mmの深絞り能力を有する(図4)。」
「本質的に非弾性変形可能な天然繊維材料と、少なくとも一つのバイオポリオレフィン外側層(12,22,32)とを有する形状安定化層(11,21,31)を有する形状安定性包装積層体(10,20,30)であって、少なくとも一つの外側のバイオポリオレフィン層が、食品に適した生物学的に製造されたポリオレフィンを含む、包装積層体(1)。」(請求項1)
「バイオポリオレフィン(12,22,32)が、バイオポリエチレン、バイオポリプロピレン、バイオ・エチレン・プロピレン共重合体、およびそれらの混合物から本質的になる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の包装用ラミネート。」(請求項2)
「前記形状安定化層(11,21,31)が、木材繊維、紙、板紙などの植物繊維から選択される非弾性変形可能な繊維材料から本質的になることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装積層体。」(請求項3)





イ.上記記載事項を整理すると、引用文献2には、
「200g/m2の紙からなる形状安定化層(11)と隣接積層層(12)を有し、隣接積層層(12)は、包装容器の内側層を形成しており、バイオポリエチレンからなる、カップに成形され得る包装積層体(10)」の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。

(3)対比
ア.引用発明2の「200g/m2の紙からなる形状安定化層」は、本願発明の「100〜700g/m2の坪量を有する板紙基材」に相当する。

イ.引用発明2の「カップ等に成形され得る包装積層体(10)」は、本願発明の「紙カップ用または液体紙容器用である、包装製品用積層体」に相当する。

ウ.引用発明2の「バイオポリエチレン」は、本願発明の「バイオマス由来のポリエチレン」に相当し、ポリエチレンは、ポリオレフィンに含まれるから、引用発明2の「バイオポリエチレンからなる」「隣接積層層(12)」
と、本願発明の「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでな」る「バイオマスポリオレフィン樹脂層」とは、「バイオマス由来のポリエチレンを含むポリオレフィン樹脂層」という限りで一致する。
また、引用発明2の「隣接積層層(12)」と本願発明の「バイオマスポリオレフィン樹脂層」の、容器に加工した際の積層体における配置位置について、共に「積層体の最内面を構成する」もので一致する。
そうすると、引用発明2の「隣接積層層(12)を有し、隣接積層層(12)は、包装容器の内側層を形成しており、バイオポリエチレンからなる」ことと、本願発明の「前記板紙基材の他方の面側に位置するバイオマスポリオレフィン樹脂層と、を有してなり、前記バイオマスポリオレフィン樹脂層は、積層体の最内面を構成するシール層を含み、前記シール層は、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなり、前記シール層が、0.90〜0.925g/cm3の密度を有し、かつ、4〜20g/10分のメルトフローレートを有」することとは、「積層体の最内面を構成しており、バイオマス由来のポリエチレンを含むポリオレフィン樹脂層」という限りで一致する。

エ.してみると、本願発明と引用発明2とは、以下の<一致点>で一致し、<相違点1>及び<相違点2>で相違する。

<一致点>
「100〜700g/m2の坪量を有する板紙基材と、バイオマスポリオレフィン樹脂層と、を有してなり、バイオマスポリオレフィン樹脂層は、積層体の最内面を構成しており、バイオマス由来のポリエチレンを含んでなり、紙カップ用または液体紙容器用である、包装製品用積層体。」

<相違点1>
本願発明は、「前記板紙基材の一方の面側に」「化石燃料由来のポリエチレン樹脂層」が「位置する」ものであるのに対して、引用発明2は、そのような構成を備えていない点。

<相違点2>
「積層体の最内面を構成しており、バイオマス由来のポリエチレンを含むポリオレフィン樹脂層」に関して、本願発明は、「前記板紙基材の他方の面側に位置するバイオマスポリオレフィン樹脂層と、を有してなり、前記バイオマスポリオレフィン樹脂層は、積層体の最内面を構成するシール層を含み、前記シール層は、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなり、前記シール層が、0.90〜0.925g/cm3の密度を有し、かつ、4〜20g/10分のメルトフローレートを有」するのに対して、引用発明2の「隣接積層層(12)を有し、隣接積層層(12)は、包装容器の内側層を形成しており、バイオポリエチレンからなる」ことについて、「隣接積層層(12)」は、シール層であるか不明であり、その組成、密度、及びメルトフローレートも不明である点。

(4)判断
ア.<相違点1>について
(ア)引用文献3
引用文献3には、以下の事項が記載されている。
「【0033】
(胴材W、底材Fの作製)
紙カップ容器の胴材Wおよび底材Fとして、まず、紙基材層4として耐酸紙(王子特殊製紙株式会社製、商品名:耐酸BYO−500、坪量300g/m2)を用い、その非コート面にコロナ処理を施してから、最外層2として、低密度ポリエチレン樹脂(三井化学会社製、商品名:MR16P、密度:0.923g/cm3、メルトインデックス:3.7g/10分、融点:111℃、表面硬度〔ショアD〕55)を20μmの厚さで押出しコーティングして低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、最内層6として、低密度ポリエチレン樹脂(三井化学会社製、商品名:MR16P、密度:0.923g/cm3、メルトインデックス:3.7g/10分、融点:111℃、表面硬度〔ショアD〕55)を40μmの厚さで押出しコーティングして多数の微細な凹凸を有する低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
上記の最内層6を押出しコーティングする際、冷却ロールには、押し出しラミネーター20の冷却ロール26には、周面をサンドブラスト加工によりマット化(#60の砂目、品名:skr60−4、硬化クロ−ム工業株式会社製)したものを使用した。
その結果、層構成、低密度ポリエチレン樹脂層20μm/耐酸紙層(坪量300g/m2)/低密度ポリエチレン樹脂層40μmの積層体を作製した。
なお、上記の表面硬度の測定方法は、JIS K 7215に準拠して測定したものである。」
上記記載事項を整理すると、引用文献3には、紙カップ容器の胴材および底材として、紙基材層に、容器最外層として、低密度ポリエチレン樹脂層を形成したことが記載されており、前記低密度ポリエチレン樹脂は、バイオマス由来のものであるなどの特段の記載もないから、従来周知である化石燃料由来のものと解される。

(イ)判断
引用文献2の段落0045には、「要件を満たすために、材料のさらなる層、例えば、中間接着層または積層を追加することによって、様々な修正および変形が行われる。」と記載されているように、引用発明2の包装積層体において、求められる要件に対応する層を追加することが想定されるところ、広く流通し容易に入手できる周知の引用文献3記載の化石燃料由来の低密度ポリエチレン樹脂層を追加して設けることで、<相違点1>に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ.<相違点2>について
(ア)バイオマス由来のポリエチレンについて
引用文献2の[0030]には、ブラスケム社のバイオエタノールから製造されたポリエチレンが明記されているので、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合したポリエチレンは例示されているといえる。
また、引用文献4には、シール層としての機能を果たす第2の樹脂層(段落0068)として、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合したポリエチレンを含むものとすることが記載されており(段落0038、0041)、引用発明2の「バイオポリエチレン」を、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーを重合させたポリエチレンを含むことにより構成することは、容易になし得たものである。

(イ)シール層であること
引用文献2には、「内側層として、PEまたはPPは、食品と直接接触する優れた特性、ならびに優れた熱シール特性を十分に実証している」こと(段落0006)、及び「包装ユニットは、例えば、ポリオレフィン層を溶接することによってシールすることができる」こと(段落0011)が記載されている。
その上、側面部と底面部とで構成し、積層体の最内面を構成するシール層を熱シールして構成するカップは、特開2006−282257号公報(段落0012、0013、0029、0034)、特開2012−11591号公報(段落0014〜0016)等に開示されているように、本願出願時に周知の構成でもある。
そうしてみると、引用発明2の包装積層体のバイオポリエチレンからなる隣接積層層は、「シール層」として機能するものといえる。また、「シール層」として機能すべく構成することは、容易になし得たものである。

(ウ)シール層の密度、メルトフローレート
本願明細書には、シール層の密度及びメルトフローレートの数値範囲に係る技術的意義について、以下のように記載されている。
「【0025】
第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層は、0.90〜0.925g/cm3、好ましくは0.905〜0.925g/cm3の密度を有するものである。第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層の密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層の密度が0.90g/cm3以上であれば、第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層の剛性を高めることができる。また、第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層の密度が0.925g/cm3以下であれば、第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層の透明性や機械的強度を高めることができる。
【0026】
第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層は、1〜30g/10分、好ましくは3〜25g/10分、より好ましくは4〜20g/10分、のメルトフローレート(MFR)を有するものである。メルトフローレートとは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層のMFRが1g/10分以上であれば、成形加工時の押出負荷を低減することができる。また、バイオマスポリオレフィン樹脂組成物のMFRが30g/10分以下であれば、第2のバイオマスポリオレフィン樹脂層の機械的強度を高めることができる。」
上記記載より、本願発明において、「0.90〜0.925g/cm3」、「4〜20g/10分」の数値範囲は、密度の上限がシール層の透明性や機械的強度を高めるため、下限がシール層の剛性を高めるため、メルトフローレートの上限がシール層の機械的強度を高めるため、下限がシール層の成形加工時の押出負荷を低減するためと理解できる。
他方、引用文献4には、シール層としての機能を果たすバイオマス由来のポリエチレンを含む第2の樹脂層(段落0068)の密度について、
「【0070】
第2の樹脂層は、0.90〜0.925g/cm3、好ましくは0.905〜0.925g/cm3の密度を有するものである。第2の樹脂層の密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。第2の樹脂層の密度が0.90g/cm3以上であれば、第2の樹脂層の剛性を高めることができる。また、第2の樹脂層の密度が0.925g/cm3以下であれば、第2の樹脂層の透明性や機械的強度を高めることができる。」と記載され、メルトフローレートについて、
「【0071】
第2の樹脂層は、1〜30g/10分、好ましくは3〜25g/10分、より好ましくは4〜20g/10分、のメルトフローレート(MFR)を有するものである。メルトフローレートとは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。第2の樹脂層のMFRが1g/10分以上であれば、成形加工時の押出負荷を低減することができる。また、樹脂組成物のMFRが30g/10分以下であれば、第2の樹脂層の機械的強度を高めることができる。」と記載されている。
この点、引用発明2の「カップ等に成形され得る包装積層体」においても、「剛性の形状安定化層は、包装に良好な機械的構成安定性を与え、その結果、包装を容易に分配し、取り扱うことができる。」(引用文献2[0002])とあるように、機械的強度が求められ、さらに、「このような包装用積層体の組成物は、包装された製品に可能な限り最良の保護を与えるべきであり、同時に、製造が容易で、取り扱いが容易で、廃棄が容易であるべきである。」(同[0005])とあるように紙基材に樹脂を積層する際の加工容易性も考慮されるものといえるから、引用文献4の示唆に基づき、引用発明2のバイオポリエチレンからなる隣接積層層の密度とメルトフローレートを、「0.90〜0.925g/cm3」、「4〜20g/10分」とすることは容易である。

(エ)したがって、引用発明2に<相違点2>に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

ウ.まとめ
よって、本願発明は、引用発明2、及び引用文献3〜4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上によれば、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるから、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-03-09 
結審通知日 2022-03-11 
審決日 2022-03-29 
出願番号 P2018-223923
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B32B)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 井上 茂夫
特許庁審判官 石井 孝明
矢澤 周一郎
発明の名称 バイオマス由来の樹脂層を備えた包装製品用積層体  
代理人 朝倉 悟  
代理人 浅野 真理  
代理人 中村 行孝  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ