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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B32B
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B32B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B32B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B32B
管理番号 1385177
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-06-04 
確定日 2022-03-15 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6801433号発明「ガスバリア性フィルム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6801433号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1〜4]について訂正することを認める。 特許第6801433号の請求項1〜4に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6801433号の請求項1〜4に係る特許についての出願は、平成28年12月20日にされた出願であって、令和2年11月30日にその特許権の設定登録がされ、令和2年12月16日に特許掲載公報が発行された。
その後、その特許について、令和3年6月4日に特許異議申立人渡辺陽子(以下「申立人」という。)により本件特許異議の申立てがされ、当審は、令和3年9月10日付けで取消理由を通知した。令和3年11月11日に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求(以下訂正自体を「本件訂正」という。)がされ、この訂正の請求について、申立人に期間を指定して意見を求めたが、当該指定期間内に申立人から何らの応答もなされなかった。

第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
本件訂正の内容は、訂正箇所に下線を付して示すと、以下のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記アクリル樹脂がアクリルポリオール樹脂であり」とあるのを、
「前記アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であり」に訂正する。
請求項1を直接的あるいは間接的に引用する請求項2〜請求項4も同様に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「原子比N/Cは0以上0.5未満」とあるのを、
「原子比N/Cは0.11以上0.5未満」に訂正する。
請求項2を直接的あるいは間接的に引用する請求項3及び請求項4も同様に訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
ア.訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「アクリル樹脂」を更に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許の願書に添付した明細書の段落0022には、「有機酸基を有するアクリル樹脂は、例えば、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを混合し、アクリル樹脂中の水酸基とジカルボン酸中の一方のカルボキシル基とを反応させることにより得ることができる。この場合、ジカルボン酸中の他方のカルボキシル基が、有機酸基としてアクリル樹脂に導入される。なお、一部のジカルボン酸において、両方のカルボキシル基がアクリル樹脂中の水酸基と反応していても、本発明の実施は可能である。」と記載されている。
また、願書に添付した明細書の段落0051には、「カルボキシル基を有しないアクリルポリオール樹脂溶液にフタル酸を加え、これらを反応させることにより、カルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂溶液を得た。」と記載されている。したがって、訂正事項1に係る訂正は、本件特許の明細書、特許請求の範囲、図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてするものである。

ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1に係る訂正は、「アクリル樹脂」との発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。

(2)訂正事項2
ア.訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の「アンカーコート層をX線光電子分光法にて分析して得られる窒素原子と炭素原子との原子比N/C」を更に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
願書に添付した明細書の段落0067、表1には、N/C比が0.11以上であるアンカーコート層が開示されている。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。

ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、「アンカーコート層をX線光電子分光法にて分析して得られる窒素原子と炭素原子との原子比N/C」との発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。

3.一群の請求項について
訂正前の請求項1〜4は、請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであり、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

4.小括
上記のとおり、訂正事項1及び2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜4について訂正することを認める。

第3 本件発明
請求項1〜4に係る発明(以下「本件発明1」〜「本件発明4」という。)は、それぞれ、訂正特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

「【請求項1】
高分子フィルムと、アンカーコート層と、金属酸化物層とを備え、
前記高分子フィルムと前記金属酸化物層とが前記アンカーコート層を介して積層されており、
前記アンカーコート層の厚さが25nm以上であり、
前記アンカーコート層が、有機酸基を有するアクリル樹脂を含む組成物の硬化物からなる層であり、
前記組成物がポリイソシアネートをさらに含み、
前記アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であり、
前記組成物における、前記アクリルポリオール樹脂の含有量MAと前記ポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり、
前記金属酸化物層がSi原子又はAl原子を含有し、真空成膜により形成されている、ガスバリア性フィルム。
【請求項2】
前記アンカーコート層をX線光電子分光法にて分析して得られる窒素原子と炭素原子との原子比N/Cは0.11以上0.5未満である、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
【請求項3】
前記アンカーコート層の厚さが600nm未満である、請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
【請求項4】
ガスバリア性被覆層をさらに備え、
前記ガスバリア性被覆層が前記金属酸化物層の前記アンカーコート層とは反対側の面上に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。」

第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1.取消理由の概要
訂正前の請求項1〜4に係る特許に対して、当審が特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

(1)本件特許の請求項1〜4に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1〜4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。

(2)本件特許の請求項1〜4に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1〜4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

[引用文献]
甲第1号証:特開2014−69389号公報(以下「甲1」という。)
甲第6号証:特開平10−264292号公報(以下「甲6」という。)

第5 当審の判断
1.引用文献の記載及び引用発明
(1)甲1
ア.甲1には、以下の記載がある。以下、下線は当審が付与した。
「【請求項1】
樹脂基材の少なくとも片面にアンカーコート層、蒸着層が順に積層されたガスバリア積層フィルムであって、
前記アンカーコート層が、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールと分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート系化合物との複合物によって形成され、且つ、前記蒸着層が、金属珪素と酸化珪素とを含有した蒸着材料に、さらにアルミニウム、亜鉛、スズ、鉄から選ばれるいずれかの金属あるいは金属酸化物を含有した蒸着材料を蒸着させたものであることを特徴とするガスバリア積層フィルム。」

「【0034】
イソシアネート系化合物とは、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものである。例えば、モノマー系イソシアネートとして、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂肪族系イソシアネートなどがある。また、これらのモノマー系イソシアネートの重合体あるいは誘導体も使用可能である。例えば、3量体のヌレート型、1,1,1−トリメチロールプロパンなどと反応させたアダクト型、ビウレットと反応させたビウレット型などがある。」

「【0036】
アンカーコート層12は、上記のアクリルポリオールと上記のイソシアネート系化合物との複合物と溶媒とからなる溶液を樹脂基材11上に塗工し、反応硬化させることにより形成される。用いられる溶媒としては、上記アクリルポリオール及びイソシアネート系化合物を溶解する溶媒であればよく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキソラン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、これらの溶媒を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。」

「【0043】
蒸着層13の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法などの公知の方法を適宜用いてよいが、真空蒸着法が望ましい。また、蒸着層13の透明性を上げるために、蒸着材料を蒸着させる際に、蒸発した粒子と雰囲気中に導入した酸素ガスなどと反応させて蒸着させる反応蒸着をさせてもよい。酸素ガスやアルゴンガスとの反応蒸着を行うことにより、蒸着材料中の金属成分が酸化され、蒸着層13の透明性を向上させることができる。ガスを導入する際は、成膜室の圧力が2×10−1Pa以下にすることが望ましい。成膜室の圧力が2×10−1Paよりも大きくなってしまうと、蒸着層13がきれいに積層されず、水蒸気バリア性が低下してしまう。」

「【0055】
以下、本発明の実施の形態に係る実施例1〜4及び比較例1〜3を表1に示すように作成して比較検討する。(当審注:表1の三行目に記載されている「水産基価」は、「水酸基価」の誤記であると認める。)



「【0056】
<アンカーコート層溶液の調液>
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(MMA)、メタクリル酸(MAA)をモノマーとして共重合させて得られたアクリルポリオール(重量平均分子量10×103)を主剤とし、HDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤を主剤のヒドロキシル基量に対して1当量配合したメチルエチルケトン5%溶液、及びヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(MMA)、をモノマーとして共重合させて得られたアクリルポリオール(重量平均分子量10×103)を主剤とし、HDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤を主剤のヒドロキシル基量に対して1当量配合したメチルエチルケトン5%溶液を調製した。
【0057】
<アンカーコート層溶液の塗工工程>
樹脂基材に、片面がコロナ処理された厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(東レフィルム加工、P60)を使用し、コロナ処理面にグラビアコート機を用い上記アンカーコート層溶液を塗工、乾燥後の厚みが0.17μmのアンカーコート層を積層した。
【0058】
<蒸着層の積層工程>
元素比O/Siが1.5になるように金属珪素粉末及び酸化珪素粉末を混合した材料に、金属スズ粉末を20重量%混合した蒸着材料、及び元素比O/Siが1.5になるように金属珪素粉末及び酸化珪素粉末を混合した材料を作製し、真空蒸着機を使用して、アンカーコート層の上に厚さ0.05μmの蒸着層を積層し、目的のガスバリア積層フィルムを作製した。」

「【図2】



イ.甲1には、実施例1〜4として、アクリルポリオールの水酸基価を169mgKOH/gとし(上記段落0055参照。)、イソシアネート系硬化剤を、ヒドロキシル基(水酸基)量に対して1当量配合することが記載されている(上記段落0056参照。)。KOHの分子量は約56(モル質量約56g/mol)であるから、水酸基量は、
169(mgKOH/g)÷56(g/mol)≒3(mmol/g)
である。
一方で、甲1の実施例1〜4で用いられている、HDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤は、3官能であるから、アクリルポリオール3mmolの1/3である1mmolのイソシアネート系硬化剤が当量となる。HDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤(特公平7−80982号公報の第5欄10行参照。)の分子量は、504(モル質量504g/mol)であるから、アクリルポリオール1gに対して配合されるイソシアネート系硬化剤は、504(g/mol)×1(mmol)=504(mg)=0.504(g)となる。つまり、両者の比は、1(g):0.504(g)≒2:1となる。
よって、甲1には、アクリルポリオールとポリイソシアネート系硬化剤の質量比を約2とすることが記載されている。

ウ.上記事項を総合すると、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
「樹脂基材と、アンカーコート層と、金属酸化物を含有する蒸着層とを備え、
樹脂基材と蒸着層とがアンカーコート層を介して積層されており、
アンカーコート層の厚さが0.17μmであり、
アンカーコート層が、カルボキシル基を含有するアクリルポリオールを含む複合物の硬化物からなる層であり、
複合物がHDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤を含み、
複合物における、アクリルポリオールの含有量とイソシアネート系硬化剤の含有量との比は、質量比で、約2であり、
蒸着層が金属珪素、アルミニウムを含有し、真空蒸着法により形成されている、ガスバリア積層フィルム。」

(2)甲6
ア.甲6には、以下の記載がある。
「【請求項1】透明なプラスチックからなる基材上にアクリル樹脂とイソシアネート樹脂の混合物からなる透明プライマー層、無機化合物からなる薄膜層を順次積層したことを特徴とする透明積層体。
【請求項2】上記アクリル樹脂がアクリルポリオールであることを特徴とする請求項1記載の透明積層体。」

「【請求項5】上記無機化合物からなる薄膜層が酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化珪素、或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至4記載の透明積層体。」

「【0025】さらに、これらのアクリル樹脂に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などの他の官能基との反応性を有する官能基を導入したものを用いても構わない。例えば、両末端に水酸基を導入したものや、β−ヒドロキシエチルメタクリレートのようなモノマーを導入したアクリルポリオールである。本発明に関わる透明プライマー層2の他の成分であるイソシアネート樹脂との反応性を考慮すると水酸基価が5〜200のアクリルポリオールを用いることが望ましい。」

「【0030】アクリル樹脂とイソシアネート樹脂の配合比は特に制限されるものではないが、イソシアネート樹脂が少なすぎる場合プライマー層が硬化不良を起こすことあり、多すぎる場合にはブロッキングを起こし結果的にきれいな塗膜が得られないことがあるので、アクリル樹脂とイソシアネート樹脂との配合比はイソシアネート樹脂由来のNCO基がアクリルポリオール由来のOH基の50倍以下であることが望ましい。特に好ましいのはNCO基/OH基=1/1の場合である。また、プライマー樹脂の溶解は通常の方法で可能であり特に限定しない。」

「【0032】本発明に係わる無機化合物からなる薄膜層3は基材のバリア性を向上することを目的に設けられたもので、例えばAl、Si、Sn、Mgなどの酸化物、窒化物、フッ化物等の単体、或いは混合物から形成されている。その中でも酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化珪素、あるいはその混合物はガスバリア性に特に優れるものである。ただし、本発明の無機化合物薄膜層は上記化合物に限定されるものでなく上述条件に適合する材料であれば用いられる。」

「【0051】<プライマーの混合>下記の配合比でプライマーを混合した。本実験のプライマーとして使用したアクリルポリオール樹脂は三菱レーヨン(株)製のダイヤナールLR209である。また、イソシアネート樹脂としては日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートLを用いた。
プライマーA;アクリルポリオール樹脂とイソシアネート樹脂を(アクリルポリオール樹脂のOH基):(イソシアネート樹脂のNCO基)が1:1になるように混合した。
プライマーB;アクリルポリオール樹脂とイソシアネート樹脂を(アクリルポリオール樹脂のOH基):(イソシアネート樹脂のNCO基)が1:2になるように混合した。
プライマーC;アクリルポリオール樹脂とイソシアネート樹脂を(アクリルポリオール樹脂のOH基):(イソシアネート樹脂のNCO基)が1:4になるように混合した。
以上の混合樹脂を希釈溶剤である酢酸エチルによりNV(固形分)が5%となる様に希釈した。
【0052】<実施例1>厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(本実験では東レ(株)製のルミラーP60を用いた)の片面にプライマーAを0.10μmの厚みでコーティングにより積層した。」

「【0058】上記の実施例1〜3と比較例1〜3の積層体のプライマー層上に無機化合物からなるガスバリア性の薄膜層を積層し、さらにガスバリア性被膜を積層し、最後にドライラミネート法によりヒートシール性の樹脂を積層した。ただし、ガスバリア性被膜を積層せずに、無機化合物よりなる薄膜層上に直接ヒートシール性の樹脂を積層したものも作製した。
【0059】<無機化合物よりなる薄膜層の積層>電子線加熱方式による真空蒸着を行い、酸化珪素または酸化アルミニウムからなる薄膜層を積層した。酸化珪素を積層する場合には400〜500Åの厚さになるように、また酸化アルミニウムを積層する場合には100〜300Åの厚さになるように積層した。」

「【図2】



イ.甲6には、アクリルポリオール樹脂とイソシアネート樹脂を(イソシアネート樹脂のNCO基):(アクリルポリオール樹脂のOH基)が1:1になるように混合したことが記載されている(上記段落0030参照。)。アクリルポリオール樹脂として用いられる三菱レーヨン(株)製のダイヤナールLR209(特開2015−83354号公報の段落0120参照。)の水酸基価は、134mgKOH/gであり、イソシアネート樹脂として用いられる日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL(特開2013−163746号公報の段落0065参照。トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート。)の分子量は、657(モル質量657g/mol)である。
アクリルポリオール樹脂の水酸基量は、
134(mgKOH/g)÷56(g/mol)≒2.39(mmol/g)
となる。トリメチロールプロバン変性トリレンジイソシアネートは、3官能であるから、アクリルポリオール樹脂2.39mmolの1/3である、0.80mmolのイソシアネート樹脂が当量となり、その質量は、
657(g/mol)×0.80(mmol)=525.6(mg)=0.526(g)
となる。つまり、アクリルポリオール樹脂1gに対してイソシアネート樹脂が0.526g配合され、両者の比は、1(g):0.526(g)≒1.9:1となる。
よって、甲6には、アクリルポリオール樹脂とポリイソシアネート樹脂の質量比を約1.9:1とすることが記載されている。

ウ.上記事項を総合すると、甲6には次の発明(以下、「甲6発明」という。)が記載されている。
「プラスチックからなる基材と、透明プライマー層と、酸化アルミニウム、酸化珪素からなる薄膜層とを備え、
基材と薄膜層とが透明プライマー層を介して積層されており、
透明プライマー層の厚さが0.10μmであり、
透明プライマー層が、カルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂を含む混合物の硬化物からなる層であり、
混合物がイソシアネート樹脂として日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートLを含み、
混合物における、アクリルポリオール樹脂の含有量とイソシアネート樹脂の含有量との比は、質量比で、約1.9であり、
薄膜層が珪素又はアルミニウムを含有し、真空蒸着により形成されている、ガスバリア性に優れる透明積層体。」

2.対比、判断
(1)甲1を主引用例とする理由について
ア.本件発明1について
(ア)本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「樹脂基材」は、本件発明1の「高分子フィルム」に相当し、以下同様に、「アンカーコート層」は「アンカーコート層」に、「金属酸化物を含有する蒸着層」は「金属酸化物層」に、「アンカーコート層の厚さが0.17μm」は「アンカーコート層の厚さが25nm以上」に、「カルボキシル基」は「有機酸基」に、「アクリルポリオール」は「アクリル樹脂」に、「複合物」は「組成物」に、「HDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤」は、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有するから、「ポリイソシアネート」に、「アクリルポリオールの含有量とイソシアネート系硬化剤の含有量との比は、質量比で、約2であり」は「アクリルポリオール樹脂の含有量MAとポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり」に、「金属珪素」は「Si原子」に、「アルミニウム」は「Al原子」に、「真空蒸着法」は「真空成膜」に、「ガスバリア積層フィルム」は「ガスバリア性フィルム」にそれぞれ相当する。

(イ)以上を踏まえると、本件発明1と甲1発明とは、以下の<一致点1>で一致し、<相違点1>で相違する。
<一致点1>
高分子フィルムと、アンカーコート層と、金属酸化物層とを備え、
高分子フィルムと金属酸化物層とがアンカーコート層を介して積層されており、
アンカーコート層の厚さが25nm以上であり、
アンカーコート層が、有機酸基を有するアクリル樹脂を含む組成物の硬化物からなる層であり、
組成物がポリイソシアネートをさらに含み、
アクリル樹脂がアクリルポリオール樹脂であり、
組成物における、アクリルポリオール樹脂の含有量MAとポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり、
金属酸化物層がSi原子又はAl原子を含有し、真空成膜により形成されている、ガスバリア性フィルム。

<相違点1>
本件発明1は、「アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であ」るのに対して、甲1発明は、「アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であ」るか不明な点。

(ウ)以下、相違点1について判断する。
「アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であ」ることについて、甲1発明が記載される甲1には、記載も示唆もされておらず、相違点1は実質的なものであり、本件発明1は、甲1発明ではない。
また、甲6を含め他の提出された証拠にも記載も示唆もされておらず、このことが、周知の事項であるともいえない。
そして、本件発明1の相違点1に係る構成によって、「有機酸基を有するアクリル樹脂は、例えば、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを混合し、アクリル樹脂中の水酸基とジカルボン酸中の一方のカルボキシル基とを反応させることにより得ることができる。この場合、ジカルボン酸中の他方のカルボキシル基が、有機酸基としてアクリル樹脂に導入される」(本件特許明細書の段落0022)こととなり、「アクリル樹脂が有機酸基を有することにより、アンカーコート層2と高分子フィルム1又は金属酸化物層3との密着性が得られやすくなり、延伸等によって外部から力がかかっても水蒸気透過度の低下が抑制されやすくなる」(段落0020)という効果が得られる。
したがって、相違点1に係る本件発明1の構成は、甲1発明から当業者が容易に想到し得ることではない。したがって、本件発明1は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明できたものではない。

イ.本件発明2〜4について
本件発明2〜4は、本件発明1にさらに技術的事項を追加し限定したものである。
よって、上記ア.に示した理由により、本件発明1は、甲1発明ではないし、甲1発明から当業者が容易に発明することができたものではないから、本件発明1を更に限定した本件発明2〜4も、甲1発明ではなく、甲1発明に基いて当業者が容易になし得るものでもない。

(2)甲6を主引用例とする理由について
ア.本件発明1について
(ア)本件発明1と甲6発明とを対比すると、甲6発明の「プラスチックからなる基材」は、本件発明1の「高分子フィルム」に相当し、以下同様に、「透明プライマー層」は「アンカーコート層」に、「酸化アルミニウム、酸化珪素からなる薄膜層」は「金属酸化物層」に、「透明プライマー層の厚さが0.10μm」は「アンカーコート層の厚さが25nm以上」に、「カルボキシル基」は「有機酸基」に、「アクリルポリオール樹脂」は「アクリル樹脂」に、「混合物」は「組成物」に、「イソシアネート樹脂」は、日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートLであるから、「ポリイソシアネート」に、「アクリルポリオール樹脂の含有量とイソシアネート樹脂の含有量との比は、質量比で、約1.9であり」は「アクリルポリオール樹脂の含有量MAとポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり」に、「珪素」は「Si原子」に、「アルミニウム」は「Al原子」に、「真空蒸着」は「真空成膜」に、「ガスバリア性に優れる透明積層体」は「ガスバリア性フィルム」にそれぞれ相当する。

(イ)以上を踏まえると、本件発明1と甲6発明とは、以下の<一致点2>で一致し、<相違点2>で相違する。
<一致点2>
高分子フィルムと、アンカーコート層と、金属酸化物層とを備え、
高分子フィルムと金属酸化物層とがアンカーコート層を介して積層されており、
アンカーコート層の厚さが25nm以上であり、
アンカーコート層が、有機酸基を有するアクリル樹脂を含む組成物の硬化物からなる層であり、
組成物がポリイソシアネートをさらに含み、
アクリル樹脂がアクリルポリオール樹脂であり、
組成物における、アクリルポリオール樹脂の含有量MAとポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり、
金属酸化物層がSi原子又はAl原子を含有し、真空成膜により形成されている、ガスバリア性フィルム。

<相違点2>
本件発明1は、「アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であ」るのに対して、甲6発明は、「アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であ」るか不明な点。

(ウ)以下、相違点2について判断する。
「アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であ」ることについて、甲6発明が記載される甲6には、記載も示唆もされておらず、相違点2は実質的なものであり、本件発明1は、甲6発明ではない。
また、甲1を含め提出された他の証拠にも記載も示唆もされていないし、周知の事項であるともいえない。
そして、本件発明1の相違点2に係る構成によって、「有機酸基を有するアクリル樹脂は、例えば、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを混合し、アクリル樹脂中の水酸基とジカルボン酸中の一方のカルボキシル基とを反応させることにより得ることができる。この場合、ジカルボン酸中の他方のカルボキシル基が、有機酸基としてアクリル樹脂に導入される」(本件特許明細書の段落0022)こととなり、「アクリル樹脂が有機酸基を有することにより、アンカーコート層2と高分子フィルム1又は金属酸化物層3との密着性が得られやすくなり、延伸等によって外部から力がかかっても水蒸気透過度の低下が抑制されやすくなる」(段落0020)という効果が得られる。
したがって、相違点2に係る本件発明1の構成は、甲6発明から当業者が容易に想到し得ることではない。したがって、本件発明1は、甲6発明に基いて当業者が容易に発明できたものではない。

イ.本件発明2〜4について
本件発明2〜4は、本件発明1にさらに技術的事項を追加し限定したものである。
よって、上記ア.に示した理由により、本件発明1は、甲6発明ではないし、甲6発明から当業者が容易に発明することができたものではないから、本件発明1を更に限定した本件発明2〜4と同様の理由により、本件発明2〜4は、甲6発明ではなく、甲6発明に基いて当業者が容易になし得るものでもない。

第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1.特許法第36条第6項第1号に係る申立理由について
(1)申立人は、本件発明1の、「前記アンカーコート層の厚さが25nm以上であり」との事項、「前記組成物における、前記アクリルポリオール樹脂の含有量MAと前記ポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり」との事項、「有機酸基」との事項が、サポート要件を満たさない旨主張するので、以下、検討する。

(2)本件特許の発明が解決しようとする課題
本件特許の発明が解決しようとする課題は、「金属酸化物層を設けたガスバリア性フィルムを製造又は加工等する際に外部から力がかかった場合にも、バリア性の低下を抑制することが可能な、ガスバリア性フィルムを提供すること」(段落0006)である。

(3)課題を解決するための手段
本件発明1の、「アンカーコート層の厚さは25nm以上であ」ることについて、段落0029、0067、表1に記載がある。段落0029における、「アンカーコート層の厚さは25nm以上であり、これにより層が脆くなることを抑制し、良好な密着性が得られやすくなる。また、均一なアンカーコート層が得られやすくなり、耐久性が得られやすくなる。」との記載から、アンカーコート層の厚さを25nm以上とすることにより、上記課題を解決できることが理解できる。また、段落0067、表1の実施例2〜5をみると、膜厚は、それぞれ25nm以上となっている。そして、実施例2〜5における延伸前後の水蒸気透過度の値は、それぞれ比較例1〜3の値よりも低くなっており、上記課題を解決できることが確かめられている。
また、本件発明1の、「有機酸基」について、段落0020、0067、表1に記載がある。段落0020における、「アクリル樹脂が有機酸基を有することにより、アンカーコート層2と高分子フィルム1又は金属酸化物層3との密着性が得られやすくなり、延伸等によって外部から力がかかっても水蒸気透過度の低下が抑制されやすくなる。」との記載から、アクリル樹脂が「有機酸基」を有することにより、上記課題を解決できることが理解できる。また、段落0067、表1の実施例2〜5をみると、それぞれアンカーコート層がカルボキシル基からなる「有機酸基」を有している。そして、延伸前後の水蒸気透過度の値は、それぞれ比較例1〜3の値よりも低くなっており、上記課題を解決できることが確かめられている。
したがって、上記課題を解決するための手段が、本件発明1に反映されている。

(4)小結
よって、本件発明1〜4は、発明の詳細な説明に記載したものである。

2.特許法第36条第6項第2号に係る申立理由について
(1)申立人は、本件発明1の「前記アンカーコート層の厚さが25nm以上であり」との事項、「前記組成物における、前記アクリルポリオール樹脂の含有量MAと前記ポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり」との事項、及び「アクリルポリオール樹脂の含有量MA」との事項、本件発明2の「窒素原子と炭素原子との原子比N/Cは0以上0.5未満である」との事項が明確でない旨主張するので、以下検討する。

(2)本件発明1における、「前記アンカーコート層の厚さが25nm以上であり」との事項は上限について特定されていないが、アンカーコート層として機能する以上、上限があり、その上限は技術常識から理解できる。よって、明確である。
また、本件発明1における、「前記組成物における、前記アクリルポリオール樹脂の含有量MAと前記ポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり」との事項は上限について特定されていないが、組成物は硬化する以上、上限があり、その上限は技術常識から理解できる。よって、明確である。
また、本件発明1における、「有機酸基を有するアクリル樹脂」及び「前記アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であり」との記載より、「アクリルポリオール樹脂の含有量MA」に「有機酸基」が含まれることも明確である。
また、本件発明2における、「窒素原子と炭素原子との原子比N/Cは0以上0.5未満である」との記載も、「原子比N/C」の上下限を特定しており、明確である。

(3)よって、本件発明1〜4は、明確である。

3.特許法第36条第4項第1号に係る申立理由について
(1)申立人は、本件発明1の、「前記アンカーコート層の厚さが25nm以上であり」との事項、「前記組成物における、前記アクリルポリオール樹脂の含有量MAと前記ポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり」との事項、「有機酸基」との事項について、実施可能要件を満たさない旨主張するので、以下、検討する。

(2)本件発明1の「ガスバリア性フィルム」の製造方法については、段落0051〜0057に記載されている。本件発明1における、「アンカーコート層の厚さは25nm以上であ」ることについて、段落0051、0056、0067、表1に記載がある。そして、段落0067、表1の実施例2〜5をみると、膜厚は、それぞれ25nm以上の値となっている。また、「前記アクリルポリオール樹脂の含有量MAと前記ポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であ」ることについて、段落0054、0057に記載がある。そして、実施例2〜5において、「MA/MI」は、それぞれ「質量比で、4/6以上」となっている。また、「有機酸基」(カルボキシル基)について、段落0051、0054、0067、表1に記載がある。そして、段落0067、表1の実施例2〜5をみると、アンカーコート層がカルボキシル基からなる有機酸基を含んでいる。
また、段落0042の記載から、「ガスバリア性フィルムは、食料品、飲料品及び医薬品等の包装材、並びに、情報表示装置の発光ユニットにおける発光体保護シート等」の用途で使用できることが理解できる。
そうすると、本件発明1〜4の「ガスバリア性フィルム」は、発明の詳細な説明の記載を参照することで、製造でき、かつ、使用することができる。

(3)よって、本件発明1〜4について、発明の詳細な説明の記載は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである。

第7 むすび
以上のとおりであるから、請求項1〜4に係る特許は、取消理由通知書に記載した取消理由及び本件特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に請求項1〜4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子フィルムと、アンカーコート層と、金属酸化物層とを備え、
前記高分子フィルムと前記金属酸化物層とが前記アンカーコート層を介して積層されており、
前記アンカーコート層の厚さが25nm以上であり、
前記アンカーコート層が、有機酸基を有するアクリル樹脂を含む組成物の硬化物からなる層であり、
前記組成物がポリイソシアネートをさらに含み、
前記アクリル樹脂が、水酸基を有するアクリル樹脂とジカルボン酸とを反応させたアクリルポリオール樹脂であり、
前記組成物における、前記アクリルポリオール樹脂の含有量MAと前記ポリイソシアネートの含有量MIとの比MA/MIは、質量比で、4/6以上であり、
前記金属酸化物層がSi原子又はAl原子を含有し、真空成膜により形成されている、ガスバリア性フィルム。
【請求項2】
前記アンカーコート層をX線光電子分光法にて分析して得られる窒素原子と炭素原子との原子比N/Cは0.11以上0.5未満である、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
【請求項3】
前記アンカーコート層の厚さが600nm未満である、請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
【請求項4】
ガスバリア性被覆層をさらに備え、
前記ガスバリア性被覆層が前記金属酸化物層の前記アンカーコート層とは反対側の面上に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2022-03-04 
出願番号 P2016-246593
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (B32B)
P 1 651・ 113- YAA (B32B)
P 1 651・ 537- YAA (B32B)
P 1 651・ 536- YAA (B32B)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 井上 茂夫
矢澤 周一郎
登録日 2020-11-30 
登録番号 6801433
権利者 凸版印刷株式会社
発明の名称 ガスバリア性フィルム  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 吉住 和之  
代理人 吉住 和之  
代理人 黒木 義樹  
代理人 鈴木 洋平  
代理人 黒木 義樹  
代理人 鈴木 洋平  

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