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審決分類 |
審判 審判種別コード:98 判示事項別分類コード:2 F02M 審判 補正却下の決定 判示事項別分類コード:13 F02M |
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管理番号 | 1006156 |
審判番号 | 審判1997-18923 |
総通号数 | 6 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-04-19 |
種別 | 補正却下の決定 |
確定日 | 1999-09-08 |
事件の表示 | 平成4年 特 許 願 第259755号「排気ガス浄化装置」拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり決定する。 |
結論 | 平成11年6月22日付けの手続補正を却下する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成4年9月29日の出願であって、その後、平成9年9月26日付けで拒絶査定され、平成9年11月6日付けでこの拒絶査定に対する審判請求がなされ、その後、平成11年6月22日付けで明細書及び図面を補正する手続補正がなされたものである。 2.平成11年6月22日付け手続補正の内容 上記日付でなされた手続補正の内容には、以下の事項を含むものである。 (1)【請求項1】を「ディーゼルエンジンの排気路に設けられるNOx触媒と、上記排気路を流れる排気ガスの一部を上記エンジンの吸気路に還流する還流路及び同還流路に設けられ上記還流路を開閉する還流量調整弁を有する排気ガス還流装置と、上記NOx触媒の活性温度以下で且つ排気ガス中の微粒子の発生の少ない所定エンジン運転領域において上記排気ガス還流装置を作動させて上記排気路を流れる排気ガスの一部を上記エンジンの吸気路に還流し、上記所定エンジン運転領域以外では上記排気ガス還流装置を非作動とする制御手段とを有することを特徴とする排気ガス還流浄化装置。」と補正する。 (2)発明の詳細な説明の段落【0017】を「先ず、ステップN1で図示しないクランク角センサやアクセルポジョンセンサ等から送られるエンジン回転情報Neや負荷情報Accを読み込み、ステップN2で読み込まれた値からマップを用いて触媒活性化温度範囲を算出し、ステップN3に達する。そして、ステップN3で算出された値がエリアAであればステップN4に進み、さらにステップN4において排気ガス中の微粒子の発生の少ない運転領域であると判断されるとステップN5に進み駆動信号を発してEGR弁10を駆動する。一方ステップN3でエリアAでなかったり、またはステップN4で排気ガス中の微粒子の発生の少ない運転領域でなければ、EGR弁10を駆動せずに、メインルーチンにリターンする。」と補正する。 (3)図面【図3】を、補正前の【図3】に示される排気ガス還流装置の駆動ルーチンのフローチャートのステップ「N3」とステップ「N4」との間に、微粒子の発生の少ない運転領域か否かを判断するステップ「N4」が新たに追加され、補正前の前記ステップ「N4」を「N5」と改められたフローチャートに補正する。 3.当審の判断 上記補正事項による補正後の【0017】及び【図3】には、本願発明の実施例として、ECU5で処理する排気ガス還流装置の駆動ルーチンとして、「ステップN3で算出された値がエリアAであればステップN4に進み、さらにステップN4において排気ガス中の微粒子の発生の少ない運転領域であると判断されるとステップN5に進み駆動信号を発してEGR弁10を駆動する」という処理を行う点が記載されている。 しかしながら、願書に最初に添付された明細書又は図面には、【発明が解決しようとする課題】として、【0005】に「信頼性などの問題から排気ガス還流装置の使用できる限界領域は、すすや微粒子の発生の少ない低負荷、低回転側に限定されていた。」と記載され、また、本願発明の実施例の説明として【0020】に、「この触媒活性化温度が余りに高いとEGR装置4の信頼性(すすや微粒子の付着による弁の不作動)を損なうことになるので、この点を考慮すると200℃から300℃前後が適当と思われる。」と記載されており、本願発明の実施例として、エリアAの範囲を特定する曲線aの排気温度を設定する際に、すすや微粒子の付着による弁の不作動を考慮する点は記載されているものの、ECUで処理する排気ガス還流装置の駆動ルーチンとして、ステップN3で算出された値がエリアAであれば、次のステップN4で排気ガス中の微粒子の発生の少ない運転領域であるか否かを判断する点は、願書に最初に添付された明細書又は図面には何等記載されておらず、また、同明細書又は図面からみて自明なこととも認められない。 そして、上記手続補正で補正された請求項1に記載された発明の構成、特に、「NOx触媒の活性温度以下で且つ排気ガス中の微粒子の発生の少ない所定エンジン運転領域において上記排気ガス還流装置を作動させて上記排気路を流れる排気ガスの一部を上記エンジンの吸気路に還流し、上記所定エンジン運転領域以外では上記排気ガス還流装置を非作動とする制御手段」という構成は、上記補正後の【0017】及び【図3】に記載された制御手段をも含むものと解されるから、この補正によって発明の構成に関する技術的事項は、本願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された事項の範囲内でないものとなり、この補正は明細書の要旨を変更するものと認める。 4.むすび したがって、平成11年6月22日付けでなされた手続補正は、平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定及び平成5年法律第26号附則第2条の規定により、なお従前の例によるとされる、特許法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって結論のとおり決定する。 |
決定日 | 1999-07-16 |
出願番号 | 特願平4-259755 |
審決分類 |
P
1
98・
2-
(F02M)
P 1 93・ 13- (F02M) |
前審関与審査官 | 黒瀬 雅一 |
特許庁審判長 |
蓑輸 安夫 |
特許庁審判官 |
山口 直 清田 栄章 |
発明の名称 | 排気ガス浄化装置 |
代理人 | 樺山 亨 |
代理人 | 本多 章悟 |