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審決分類 審判 訂正 対象物 審判却下 E02B
管理番号 1094005
審判番号 訂正2003-39157  
総通号数 53 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-08-09 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-08-04 
確定日 2004-03-18 
事件の表示 特許第2830229号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 
理由 第1 経緯
本件特許第2830229号は、平成1年12月12日に出願され、平成10年9月25日に特許登録され、その後、株式会社テトラよりその請求項1ないし4並びに請求項9ないし14に係る発明に対して特許異議の申立てがなされ、平成11年異議第72044号として審理され、平成13年11月15日付けで「特許第2830229号の請求項1ないし4、9ないし14に係る特許を取り消す。」との異議の決定がなされ、この決定に対する訴えが東京高等裁判所になされ(平成14年(行ケ)第7号)、平成15年6月30日に「原告の請求を棄却する」旨の判決が言い渡され、これに対し原告である特許権者等(本件訂正審判請求人等)は上告及び上告受理の申立てを行った。
本件訂正審判請求は、平成15年8月4日付けで、「特許第2830229号の明細書を請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める」ことを請求の趣旨として請求され、平成15年9月8日付けで訂正拒絶理由通知がなされ、平成15年10月24日付けで意見書が提出された。
そして、平成14年(行ケ)第7号の平成15年6月30日付け判決に対する上告事件(平成15年(行ツ)第256号)について、平成16年1月20日に上告を棄却する旨の決定があった。したがって、平成13年11月15日付けでした異議の決定は確定した。

第2 訂正の内容
本件訂正審判請求により訂正しようとする内容は、訂正明細書によれば次のとおりと認められる。
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の
「【請求項1】防波堤を構築する際に、高比重の異形コンクリートブロックを用い、かつ通常比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大きな堤体法面の傾斜角度にして構築することを特徴とする防波堤の構築方法。」を、
「【請求項1】防波堤を構築する際に、比重が3.03以上の高比重の異形コンクリートブロックを用い、かつ設計波高を12.5mとした場合に、提体法勾配が1:2以上となるような(但し、設計波高が10m以下で、かつ提体法勾配が1:4/3以下の場合を除く)、通常比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大きな堤体法面の傾斜角度にして構築することを特徴とする防波堤の構築方法。」と訂正する。
(2)訂正事項b
特許請求の範囲の請求項4の
「【請求項4】異形コンクリートブロックの比重が2.7〜4.2であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防波堤の構築方法。」を、
「【請求項4】異形コンクリートブロックの比重が3.03〜4.2であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防波堤の構築方法。」と訂正する。
(3)訂正事項c
特許請求の範囲の請求項10の
「【請求項10】防波堤の構造において、堤体法面が、高比重の異形コンクリートブロックで被覆され、かつ通常比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大きな傾斜角度で構築されてなることを特徴とする防波堤の構造。」を、
「【請求項10】防波堤の構造において、比重が3.03以上の高比重の異形コンクリートブロックで被覆され、かつ設計波高を12.5mとした場合に、提体法勾配が1:2以上となるような(但し、設計波高が10m以下で、かつ提体法勾配が1:4/3以下の場合を除く)、通常比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大きな堤体法面の傾斜角度で構築されてなることを特徴とする防波堤の構造。」と訂正する。
(4)訂正事項d
特許請求の範囲の請求項13の
「【請求項13】異形コンクリートブロックの比重が2.7〜4.2であることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1項に記載の防波堤の構造。」を、
「【請求項13】異形コンクリートブロックの比重が3.03〜4.2であることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1項に記載の防波堤の構造。」と訂正する。
(5)訂正事項e
特許明細書(平成10年4月6日付けで補正した全文訂正明細書)第8頁第5行〜第9行(特許公報第4欄第30行〜第34行)の
「(1)防波堤を構築する際に、高比重の異形コンクリートブロックを用い、かつ通常比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大きな堤体法面の傾斜角度にして構築することを特徴とする防波堤の構築方法。」を、
「(1)防波堤を構築する際に、比重が3.03以上の高比重の異形コンクリートブロックを用い、かつ設計波高を12.5mとした場合に、堤体法勾配が1:2以上となるような(但し、設計波高が10m以下で、かつ堤体法勾配が1:4/3以下の場合を除く)、通常比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大きな堤体法面の傾斜角度にして構築することを特徴とする防波堤の構築方法。」と訂正する。
(6)訂正事項f
特許明細書(同上)第8頁第14行〜第16行(特許公報第4欄第39行〜第41行)の
「(4)異形コンクリートブロックの比重が2.7〜4.2であることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の防波堤の構築方法。」を、
「(4)異形コンクリートブロックの比重が3.03〜4.2であることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の防波堤の構築方法。」と訂正する。
(7)訂正事項g
特許明細書(同上)第9頁下から第3行〜第10頁第2行(特許公報第5欄第17行〜第21行)の
「(10)防波堤の構造において、堤体法面が、高比重の異形コンクリートブロックで被覆され、かつ通常比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大きな傾斜角度で構築されてなることを特徴とする防波堤の構造。」を、
「(10)防波堤の構造において、堤体法面が、比重が3.03以上の高比重の異形コンクリートブロックで被覆され、かつ設計波高を12.5mとした場合に、堤体法勾配が1:2以上となるような(但し、設計波高が10m以下で、かつ堤体法勾配が1:4/3以下の場合を除く)、通常比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大きな堤体法面の傾斜角度で構築されてなることを特徴とする防波堤の構造。」と訂正する。
(8)訂正事項h
特許明細書(同上)第10頁第7行〜第10行(特許公報第5欄第26行〜第28行)の
「(13)異形コンクリートブロックの比重が、2.7〜4.2であることを特徴とする(10)項〜(12)項のいずれか1項に記載の防波堤の構造。」を、
「(13)異形コンクリートブロックの比重が、3.03〜4.2であることを特徴とする(10).項〜(12)項のいずれか1項に記載の防波堤の構造。」と訂正する。
(9)訂正事項i
特許明細書(同上)第10頁第15行〜第16行(特許公報第5欄第32行〜第33行)の
「上記においては特に、異形コンクリートブロックの比重が2.7〜4.2であることが好ましく」を、
「上記においては特に、異形コンクリートブロックの比重が3.03〜4.2であることが好ましく」と訂正する。
(10)訂正事項j
特許明細書(同上)第13頁第5行〜第8行(特許公報第6欄第38行〜第40行)の
「本発明では従来よりかなり比重が高い、2.7〜4.2の高比重の異形コンクリートブロックを使用することが好ましい。」を、
「本発明では従来よりかなり比重が高い、3.03〜4.2の高比重の異形コンクリートブロックを使用することが好ましい。」と訂正する。

第3 訂正請求についての判断
上記訂正事項aないしdは、訂正前の請求項1、4、10、13を訂正するものである。
また、訂正事項eないしjは、訂正事項aないしdによって訂正前の請求項1、4、10、13を訂正することによって生じる明細書の記載を整えるための訂正である。
一方、請求項1ないし4及び請求項9ないし14に係る発明の特許は上記「第1 経緯」に記載したように取り消しが確定し、初めからなかったものとみなされる(特許法第114条第3項)。
そうすると、本件訂正審判の請求は、結果として、初めから存在しなかったものとみなされる請求項に係る発明の訂正、及び当該発明の訂正に伴う訂正であるから、訂正の対象が存在しないものであり、不適法な請求であって、その補正をすることができないものである。
よって、特許法第135条の規定によって却下する。
 
審決日 2004-02-05 
出願番号 特願平1-320659
審決分類 P 1 41・ 04- X (E02B)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 小野 忠悦  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 山田 忠夫
鈴木 憲子
登録日 1998-09-25 
登録番号 特許第2830229号(P2830229)
発明の名称 防波堤の構築方法及び防波堤の構造  
代理人 松本 悟  
代理人 松本 悟  

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