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審決分類 |
審判 判定 同一 属する(申立て成立) G02F |
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管理番号 | 1104560 |
判定請求番号 | 判定2004-60054 |
総通号数 | 59 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 1992-01-21 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2004-06-18 |
確定日 | 2004-09-29 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第2106809号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | イ号物件は、特許第2106809号発明の技術的範囲に属する。 |
理由 |
I.請求の趣旨 本件判定の請求の趣旨は、「被請求人が輸入、販売している製品型番TL2004FMの液晶テレビは、特許第2106809号の技術的範囲に属するとの判定を求める。」というものであり、具体的には、甲第3号証のカタログ、甲第4号証の取扱説明書(抄)及び甲第5号証の分析結果報告書で示される、被請求人である三協株式会社が輸入、販売している製品型番TL2004FMの液晶テレビを構成する液晶パネルであるイ号物件が、特許第2106809号の技術的範囲に属する、との判定を求めるものである。 II.本件発明 請求人が主張する本件発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された構成要件からなるアクティブマトリクス型表示装置であり、これを分節して構成要件毎に示すと、次のA〜Eのようになる(以下、分節したものを「構成要件A」などという。)。 「A.少なくとも一方が透光性を有する一対の絶縁性基板と、該一対の基板の何れか一方の基板上に縦横に配線された走査線及び信号線と、該走査線及び該信号線とにスイッチング素子を介して接続された絵素電極と、を備えたアクティブマトリクス型表示装置であって、 B.該絵素電極の下方と該当する該信号線の下方とにわたり、該信号線及び該絵素電極の各々に対して一部を重畳して設けられた導電層と、 C.該導電層と、該信号線及び該絵素電極との間に設けられ、該導電層と該信号線とを絶縁し、かつ、該導電層と該絵素電極とを絶縁する絶縁膜と、 D.該絵素電極と該絶縁膜との間に形成され、該絵素電極に電気的に接続された導電片と、 E.を備えたアクティブマトリクス型表示装置。」 III.被請求人の主張についての検討 被請求人は、次のように主張する。 (1)請求人は請求の趣旨記載の判定を求めているところ、対象物件を図面又は説明書により具体的に特定せず、型番のみで特定している点で不適法である。 また、特許第2106809号特許権に係る発明(以下、「本件発明」という)の技術的範囲に属するか否かにつき対象となる物件は、製品型番TL2004FMの液晶テレビではなく、当該液晶テレビの構成部品である液晶パネルである。当該液晶テレビには構成の異なる種々の液晶パネルが搭載されており、請求人は液晶テレビに搭載された液晶パネルの構造を図面又は説明書により具体的に特定したうえで、当該液晶パネルが本件発明の技術的範囲に属するか否かにつき判定請求を求めるべきである。しかも、本件判定請求では判定を求める請求項の特定もされていない。 したがって、本件判定請求は、対象となる発明を特定していないばかりか、対象とする物件を誤り、しかも対象物件の構造を具体的に特定せずにおこなっているから、不適法として却下されるべきである。 (2)なお、請求人は液晶パネルの構成を甲第5号証に基づき裏付けようとしているが、甲第5号証に添付された写真及び図面は、被請求人が販売する液晶テレビに搭載された液晶パネルを示すものではない。甲第5号証に添付された写真及び図面は請求人の都合の良い部分のみを示すものに過ぎず、このことは、甲第5号証7頁表3の下5行以下に、 「本写真は、C-D線間における各層の積層構造を把握するために、積層構造の変化しない部分を省略した合成写真である。図3-1(添付-15頁下段)は、C-D線断面構造(括弧内略)の概略を図示したものである。なお、図3-1においては、全体の構造の位置関係を把握し易くするため、複数の層から構成される構造も単層で示している」と記載されていることからも明らかである。 上記主張は、要するに、請求人が対象物件を型番のみで特定しており、また判定を求める請求項の特定もなされていないので、不適法として却下されるべきと主張するとともに、甲第5号証は請求人の都合の良い部分のみを示すものであり、この点において被請求人が販売するものとは異なると主張するものであるので、イ号物件の構成について検討する前に、上記主張について検討する。 (1)不適法について 本件発明が「アクティブマトリックス型表示装置」であることは、その特許請求の範囲の記載から明らかであり、特許権に係る発明の技術的範囲に属するか否かの判断がその範囲を超えるものでないことも明らかである。そして、判定の対象は、甲第3〜5号証により示された製品型番TL2004FMの液晶テレビに含まれた液晶パネルであって、これをイ号物件として特定しうることは明らかである。 また、対象となる発明が、請求項1に係る発明であることは、判定請求書に明記されている。 したがって、本件判定請求は不適法とはいえない。 (2)甲第5号証からイ号物件が把握できるかについて 被請求人は、写真が実際のイ号物件を正確に写したものでないことを主張はするものの、逆に、イ号物件が実際にはどのような構造を有するのかを説明しようとしていない。 また、請求人の合成写真については、層構造の顕微鏡写真をそのまま記載した場合、横方向の寸法に比較して縦方向の寸法が小さくなることから、層構造を分かりやすくするために、「積層構造の変化しない部分を省略」して作成したものと認められ、これが都合の良い部分のみを示すことにはならない。さらに、本件発明に合わせてイ号物件の図面を単純化して分かりやすく記載することが、都合の良い部分のみを示すことにはならないので、請求人の上記主張は採用するに足らないものである。 したがって、甲第5号証はイ号物件の特定に採用できるものであるから、甲第5号証から把握されるイ号物件を判定の対象とする。 IV.イ号物件 甲第5号証は、甲第3号証のカタログ及び甲第4号証の取扱説明書(抄)に示されたイ号物件である製品型番TL2004FMの液晶テレビを分析した分析結果報告書であることは明らかである。 1.甲第5号証により示される事項 甲第5号証には、本件審理の対象である特許第2106809号に関しては、以下の事項を認めることができる。 (1)液晶テレビの外観、梱包箱の表示 ア.写真1-1(添付-1頁上段)は、イ号物件である液晶テレビ梱包箱の写真であって、正面上部にロゴ(TECO)、製品型番(TL2004FM)、20型液晶カラーテレビの表示がみてとれる。 イ.写真1-2(添付-1頁下段)は、イ号物件の梱包箱の側面写真であって、輸入元TECO JAPAN、三協株式会社、生産国として台湾との記載がみてとれる。 ウ.写真1-3(添付-2頁上段)には、イ号物件の正面外観がみてとれ、下部にTECOとのロゴがある。 エ.写真1-4(添付-2頁下段)には、イ号物件の背面がみてとれ、中央部にラベルがあることがみてとれる。 オ.写真1-5(添付-3頁上段)は、イ号物件の背面にあるラベル部分を拡大した写真であって、ロゴ(TECO)、製造国(MADE IN TAIWAN)、製品型番(TL2004FM)、会社名(TECO JAPAN、三協株式会社)がみてとれる。 (2)光学顕微鏡による構造確認 ア.写真3-1(添付-13頁上段) 写真3-1は分解された本液晶パネルの絵素部分の光学顕微鏡写真(100倍)であり、これからイ号物件の液晶パネルは、基板上に、「列電極」として示された縦方向に配列された電極(紫色で示された部分)、及び「行電極」として示された横方向に配列された電極(緑色で示された部分)がある。 そして、列電極と行電極とによって囲まれた領域に「絵素電極」として示された電極がマトリクス状に配列され、各列電極、行電極の交差部(絵素電極左上角)に丸で囲まれている部分が「TFT(薄膜トランジスタ)」として示されている。 イ.写真3-2(添付-13頁下段)及び写真3-3(添付-14頁上段) 写真3-2は、本液晶パネルの一部を500倍に拡大した光学顕微鏡写真であり、写真3-3は、写真3-2に絵素電極の輪郭を赤色の点線で書き込んだ写真であって、これから次のことが分かる。 i)横方向に延長され「行電極」として示された電極は、下方に突出した電極を有し、これが「ゲート電極」として示されている。 ii)縦方向に延長され「列電極」として示された電極は、上記ゲート電極に一部重畳するように幅広の突出部分を有し、これが「ソース電極」として示されている。 また、ソース電極の下方に幅狭の突出部分を有し、これが「列電極突出部」として示されている。 iii)ゲート電極を挟んで、ソース電極とは反対側に、ゲート電極に一部重畳した電極がみてとれ、これが「ドレイン電極」として示されている。該ドレイン電極は、上記列電極突出部に対向するように、曲がって延長された垂下延長部を有し、これが「ドレイン電極延長部」として示されている。 iv)ドレイン電極は、ゲート電極との重畳部近傍に、「コンタクトホール」として示されている構造があることがみてとれる。 v)ドレイン電極及びドレイン電極延長部は、絵素電極と大半が重畳している。 vi)ゲート電極上には、長方形状の部材(黄色で示された部分)が載置されており、これが「ES」層として示されている。 vii)列電極突出部とドレイン電極延長部には、両者に一部重畳しその間隙を繋ぐように電極パターンが有ることがみてとれ、これが「導電体部」として示されている。 (3)走査型電子顕微鏡及び元素分析による構造確認 ア.写真3-4(添付-14頁下段)及び写真3-5(添付-15頁上段) 写真3-4は、本液晶パネルのTFT部分及び絵素欠陥修正用パターンを1,500倍に拡大したSEM写真であって、C-D線断面部分がFIBによる前処理を施した部分である。また写真3-5は、写真3-4のC-D線断面を50,000倍に拡大したSEM写真)であって、これから次のことが分かる。 なお、図3-1(添付-15頁下段)は、請求人が上記写真等に基づき、上記C-D線断面構造の概略を図示したものである。 i)ゲート電極の上にES層が形成され、その上に一部重畳してソース電極及びドレイン電極が形成されている。 ii)導電体部近傍の構造に関しては、ガラス基板の上に導電体部が形成され、その上に隔膜を介して、列電極突出部及びドレイン電極延長部が導電体部上で間隙をあけて形成されている。 iii)さらに、その上に保護膜が形成され、該保護膜上で絵素の部分には、絵素電極が積層されている。 イ.図3-2乃至図3-4より、上記保護膜は窒化シリコン(SiNx)から組成された絶縁膜であることが分かる。 ウ.図3-5乃至図3-8より、上記列電極突出部及びドレイン電極延長部は共にモリブデン(Mo)及びアルミニウム(Al)から組成された導電膜であることが分かる。 エ.図3-9乃至図3-11並びに図3-3及び図3-4より、上記隔膜は窒化シリコン(SiNx)及び窒化酸化シリコン(SiNxOy)から組成された絶縁膜であることが分かる。 オ.図3-12及び図3-13並びに図3-7及び図3-8より、上記導電体部はモリブデン(Mo)及びアルミニウム(Al)から組成された導電膜であることが分かる。 2.イ号物件の構成についての請求人の主張 イ号物件の分析結果報告書(甲第5号証)から、本件発明の構成要件との対比において、イ号物件は次のような構成を有することが明らかである。 a.イ号物件に搭載された液晶モジュールは、絶縁体である一対の透明なガラス基板の間に液晶を封入した液晶パネルを備えている。一方のガラス基板上には、信号線である列電極が縦方向に、走査線である行電極が横方向にそれぞれ配列されている。列電極と行電極で囲まれた領域には絵素電極がマトリクス状に配列され、各絵素電極にはスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)が接続されている。TFTは、行電極から枝別れするゲート電極の上に形成された半導体層、列電極の延長部分であるソース電極、絵素電極とコンタクトホールを介して接続されているドレイン電極から構成されている(以上、甲第5号証5頁、同添付写真3-1〜3-4)。 b.列電極の一部は絵素電極の方に突き出て、列電極突出部を形成している。 列電極突出部の下方には、列電極突出部と一部重畳して、導電体部が形成されている。導電体部の他端は、絵素電極の下方において、該絵素電極と重畳している(以上、同号証5頁〜6頁、同添付写真3-2〜3-5、同添付図3-1)。導電体部は、モリブデン及びアルミニウムによって組成される導電膜である(同号証8頁、同添付図3-7、3-8、3-12、3-13)。 c.導電体部と列電極突出部及びドレイン電極延長部(下記d)との間には隔膜が存在する(同号証7頁、同添付写真3-5、同添付図3-1)。隔膜は、窒化シリコン及び窒化酸化シリコンによって組成される絶縁膜である(同号証8頁、同添付図3-3、3-4、3-9〜3-11)。 d.絵素電極とコンタクトホールを介して接続されているドレイン電極は、導電体部の上方に該導電体部と一部重畳するかたちで伸びて、ドレイン電極延長部を形成している(同号証5頁〜6頁、同添付写真3-2〜3-4、同添付図3-1)。ドレイン電極延長部は、モリブデン及びアルミニウムによって組成される導電膜であり(同号証7頁〜8頁、同添付図3-5〜3-8)、絵素電極と隔膜の間に形成されている(同号証7頁、同添付写真3-5、同添付図3-1)。 e.イ号物件は、アクティブマトリクス型表示装置である。 3.イ号物件の構成についての被請求人の主張 甲第5号証は被請求人が販売する液晶テレビに搭載された液晶パネルの構成を示すものではない。しかも、「イ号物件の説明」のc及びdの記載は、甲第5号証に示された液晶パネルの構成を正確に示すものでもない。甲第5号証図3-1を前提とするならc及びdは下記の如く記載すべきである。 記 「c 導電体部と列電極突出部及びドレイン電極延長部との間には隔膜が存在する。隔膜は絶縁膜である。 また、導電体部と絵素電極の重畳部において、ドレイン電極延長部と絵素電極との間には絶縁膜である保護膜が存在する。 d 絵素電極とドレイン電極延長部はスイッチング素子部のコンタクトホールを介して接続されている(写真3-4)。 ドレイン電極延長部は導電膜であり、絵素電極と絶縁膜である保護膜を挟んで設けられている。」 4.イ号物件の構成 イ号物件は、甲第5号証添付書類の図3-1(添付-15頁下段)〜図3-13(添付-21頁下段)は、写真1-1(添付-1頁上段)〜写真1-5(添付-3頁上段)に示された液晶テレビを構成する液晶パネルであって、これが三協株式会社が輸入・販売している製品型番TL2004FMの液晶テレビであることは明らかである。 そして、上記イ号物件の構成についての請求人及び被請求人の主張並びに上記IV.1.に認定した事項及び液晶表示装置に関する技術常識を勘案すると、イ号物件は次のとおりの構成を具備するものと認められる(以下、「構成a」などという。)。 a.イ号物件に搭載された液晶モジュールは、絶縁体である一対の透明なガラス基板の間に液晶を封入した液晶パネルを備えている。一方のガラス基板上には、信号線である列電極が縦方向に、走査線である行電極が横方向にそれぞれ配列されている。列電極と行電極で囲まれた領域には絵素電極がマトリクス状に配列され、各絵素電極にはスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)が接続されている。TFTは、行電極から枝別れするゲート電極の上に形成された半導体層、列電極の延長部分であるソース電極、絵素電極とコンタクトホールを介して接続されているドレイン電極から構成されている。 b.列電極の一部は絵素電極の方に突き出て、列電極突出部を形成している。 列電極突出部の下方には、列電極突出部と一部重畳して、導電体部が形成されている。導電体部の他端は、絵素電極の下方において、該絵素電極と重畳している。 導電体部は、モリブデン及びアルミニウムによって組成される導電膜である。 c.導電体部と列電極突出部及び絵素電極との間には隔膜が存在する。隔膜は、窒化シリコン及び窒化酸化シリコンによって組成される絶縁膜である。 d.絵素電極とコンタクトホールを介して接続されているドレイン電極は、導電体部の上方に該導電体部と一部重畳するかたちで伸びて、ドレイン電極延長部を形成している。ドレイン電極延長部は、モリブデン及びアルミニウムによって組成される導電膜であり、絵素電極と隔膜の間であって、絵素電極との間に保護膜を挟んで形成されている。 e.イ号物件は、アクティブマトリクス型表示装置である。 なお、被請求人は、構成cに保護膜の存在を認定すべきである旨主張するが、本件発明の構成要件Cは絶縁膜を規定するものであるから、構成cに保護膜を規定する必要は認められない。そして、保護膜については、構成dにおいて認定し、判断するので、該構成に対する判断を遺脱することにはならない。 V.当事者の主張 請求人が特許第2106809号特許権を有すること、被請求人が製品型番TL2004FMの液晶テレビを業として輸入、販売していること、「TECO」が三協株式会社の別称であること、請求人が仮処分申立及び税関の輸入差止を求めていることについて、請求人及び被請求人の間に争いはない。 そして、本件発明及びイ号物件の構成の関係についての、請求人の主張及び仮定答弁における被請求人の主張は、以下のとおりである。 1.請求人の主張 イ号物件の「一対のガラス基板」、「列電極」、「行電極」、「薄膜トランジスタ(TFT)」、「絵素電極」、「導電体部」、「隔膜」、「ドレイン電極延長部」及び「アクティブマトリクス型表示装置」は、それぞれ本件発明の「一対の絶縁性基板」、「走査線」、「信号線」、「スイッチング素子」、「絵素電極」、「導電層」、「絶縁膜」、「導電片」及び「アクティブマトリクス型表示装置」に相当する。 従って、イ号物件の構成a、構成b、構成c、構成d及び構成eは、それぞれ本件発明の構成要件A、構成要件B、構成要件C、構成要件D及び構成要件Eを具備するから、イ号物件は本件発明の構成要件を全て充足する。したがって、イ号物件は本件発明の技術的範囲に属する。 2.仮定答弁における被請求人の主張 被請求人は、上記主張のとおり、本件判定請求書の請求の趣旨の記載は不適法であって却下すべきと主張しながらも、判定制度は、「請求人が特定した対象物件(但し、請求人が特定した対象物件は被請求人が販売する液晶テレビに搭載された液晶パネルと異なる)を基準として、当該対象物件が本件発明の技術的範囲に属するか否かを判定する制度である」ことから、上記主張が受け入れられなかった場合の「仮定答弁」として、以下のように答弁している。 2-1.本件発明の修理構造は限定的なもの 本件特許出願時の技術水準から明らかな如く、本件発明の目的・課題並びに当該目的・課題を解決するためにアクティブマトリクス基板に修理構造を形成する技術は本件特許出願時において周知であり、かつ、修理構造として多くの態様が存在していることも周知である。また、修理構造のなかに、信号線と絵素電極を直接接続する構造や隣接する絵素電極同士を直接接続する構造などが存在することも周知である。したがって、本件発明は、アクティブマトリクス基板における絵素欠陥を修理するための修理構造のうち、信号線と絵素電極を直接接続するための具体的な一構成を提供する技術に過ぎない。 したがって、本件特許出願時の技術水準からすると、本件発明の修理構造を示す構成要件B乃至Dは限定的な構造のものであって、信号線と絵素電極とを直接接続する修理構造として、特有の作用効果を奏する構造のものとして理解されるべきである。 2-2.「導電片」の意味並びに「導電片」と絵素電極との関係 次に、本件発明の修理構造を示す構成要件B乃至Dを明らかにする前提として、構成要件Dに記載された「導電片」の意味並びに「導電片」と絵素電極との関係を明らかにする。 2-2-1.本件明細書(甲第2号証)及び明細書添付図面からの解釈 a.「導電片」は絵素電極と導電層の重畳部に設けられた導電性部材の切れ端である 特許請求の範囲(構成要件D)には「導電片」と記載され、「片」とは「2)ひときれ。きれはし。3)極めてわずか」(広辞苑第五版「片」)との意味であるから、本件発明の「導電片」は狭い面積の導電性部材(導電性部材の切れ端)と解釈される。 また、発明の詳細な説明の作用に記載されている如く、「導電片」は絵素電極と導電層との電気的接続を媒介する機能を有するものであり、技術的にも、絵素電極が透明であるため絵素電極だけではレ一ザーを照射してもエネルギーが透過してしまい絵素電極を充分溶融できないことから溶融による接続のための補助部材として設けられたものである。そして、特許請求の範囲(構成要件B)には、導電層が絵素電極と信号線の一部に重畳する形で設けられることが記載され、当該重畳部にレーザー光が照射されて絵素電極と信号線とが直接接続されるのであるから、接続の補助部材としての「導電片」は、絵素電極と導電層との重畳部の範囲内に設けられるものと解される。 したがって、「導電片」とは絵素電極と導電層の重畳部の範囲内に設けられた導電性部材の切れ端と認められる。 b.「導電片」は絵素電極と導電層の重畳部において絵素電極と電気的に接続している 特許請求の範囲(構成要件D)には「該絵素電極に電気的に接続された導電片」と記載されており、絵素電極と「導電片」は絵素電極と導電層との重畳部で電気的に接続していると解すべきである。 すなわち、上記の如く、特許請求の範囲(構成要件B)には信号線及び絵素電極と導電層の一部が重畳される構成が記載され、当該重畳部にレーザー光を照射して絵素電極と信号線とを直接接続するものであるから、当然に当該重畳部において絵素電極と導電層とが電気的に接続されると解釈するのが合理的である。そして、「導電片」は溶融接続の補助部材として用いられていることから、上記重畳部において絵素電極と電気的に接続する形で設けられていると認められる。「導電片」と絵素電極がどこで電気的に接続されていてもよいなら、本件発明が絵素電極と導電層の一部を重畳させる構成(構成要件B)を採用する必要はないのである。 また、特許請求の範囲(構成要件D)に「該絵素電極と該絶縁膜との間に設けられ」と記載されていることから、「導電片」は絵素電極と導電層を絶縁する絶縁膜の外に存在することになり、絵素電極と直接接触しているものと認められる。「導電片」が自ら溶融して絵素電極と導電層を電気的に接続させるための補助部材であり、かつ、絵素電極と導電層の重畳部で直接接触していることからも、当該重畳部で絵素電極と「導電片」は電気的に直接接続していると認められる。 発明の詳細な説明の「作用」の欄には、「…次に、導電層と導電片との重畳部に光エネルギーが照射され、導電層と導電片との間が電気的に接続される。これにより、信号線と絵素電極とがスイッチング素子を介することなく直接電気的に接続される」と記載されており、「導電片」が絵素電極と導電層との重畳部において絵素電極に電気的に接続されている構成であることが示されている。 絵素電極と導電層の一部が重畳され、当該重畳部に光エネルギーが照射されて導電層と「導電片」が電気的に接続され、その結果、導電層と絵素電極も電気的に接続される以上、「導電片」が上記重畳部において絵素電極と電気的に接続していることは明白である。 c.以上のとおり、本件特許請求の範囲及び発明の詳細な説明並びに明細書添付図面より、「導電片」は、導電層と絵素電極の重畳部という範囲内に設けられた導電性部材の切れ端であり、当該重畳部において絵素電極と電気的に接続されている部材と認められる。 2-2-2.出願経過からの解釈 出願人(本判定請求人)は、特許庁からの拒絶理由通知に対し、平成7年4月24日付意見書において、「本願…発明にあっては、信号線と導電層との間および絵素電極に電気的に接続された導電片と導電層との間の各々は絶縁膜にて絶縁された初期状態とされ、修正のときには、絵素電極と導電層との重畳部分および信号線と導電層との重畳部分の各々を、光エネルギー照射により電気的に接続します。」(2頁下2行〜3頁3行)との意見を述べている。当該意見は、光エネルギーを照射して接続する部位が絵素電極と導電層の重畳部分であることを示しており、このことは、絵素電極と導電層との重畳部分に設けられた「導電片」と絵素電極が初期状態において電気的に接続されていることを前提としている。「導電片」がレーザーにより溶融して導電層と接続した結果、導電層と絵素電極が電気的に接続するということは、「導電片」が初期状態で絵素電極と電気的に接続しているからに他ならないのである。 したがって、出願経過時における出願人の意見からも、本件発明の「導電片」が絵素電極と導電層との重畳部に設けられ、当該重畳部で絵素電極と電気的に接続しているものであることが認められる。 2-2-3.「導電片」の技術的意味 既述の通り、「導電片」は、絵素電極が透明であるため絵素電極だけではレ一ザーを照射してもエネルギーが透過してしまい絵素電極を充分溶融できず、しかも、絵素電極自体も薄く溶融量が少ないことから、絵素電極に「導電片」を直接重ね合わせ、「導電片」を溶融して導電層と接続させることにより絵素電極と導電層とを確実に接続させるためである(乙第5号証2頁右下欄12行〜19行参照)。つまり、「導電片」とは、自ら溶融することにより絵素電極と導電層を確実に接続させるための補助部材であり、レーザー光が照射される狭い範囲に設けられた導電性部材ということができる。 加えて、「導電片」が狭い範囲で絵素電極に電気的接続がなされることは、レーザー照射によって接続された部分における電気抵抗が最も小さくなることを意味し、本件発明の修理構造における技術的意義を最も効率よく発揮する構成ということができる。 本件発明は、絵素電極と導電層の重畳部に「導電片」を設けることにより、絵素電極と導電層を確実に接続し、接続による電気抵抗を小さくするとの作用効果を奏するところに技術的意義を有するものであるから、出願時の技術水準から本件発明は特有の作用効果を奏する構造のものとして解釈するとの観点からも、本件発明の修理構造は、「導電片」を絵素電極と導電層との重畳部に設け、「導電片」の働きにより絵素電極と導電層を当該重畳部で電気的に接続されている構造のものとして解釈すべきである。 2-2-4.以上のことから、本件発明の「導電片」とは、絵素電極と導電層の重畳部という範囲内に設けられた導電性部材の切れ端であり、当該重畳部において絵素電極と電気的に接続された部材と認められる。 2-3.構成要件Cと甲第5号証の液晶パネルとの対比 構成要件Cの「絶縁膜」は、信号線と導電層の間の絶縁膜が導電層と絵素電極を絶縁する絶縁膜でもあることを示しているところ、導電体部(本件発明の「導電層」に相当)と信号線の間に設けられた絶縁膜(隔膜)と導電体部と絵素電極とを絶縁する絶縁膜(隔膜及び保護膜)とは異なる。 したがって、甲第5号証の液晶パネルは、「該導電層と該信号線とを絶縁し、かつ、該導電層と該絵素電極とを絶縁する絶縁膜」の要件を具備しないことから構成要件Cを充足しない。 2-4.構成要件Dと甲第5号証記載の液晶パネルとの対比 前記2-2-1より、構成要件Dの「該絵素電極と該絶縁膜との間に形成され」とは、「導電片」が絶縁膜の外に設けられているとの意味である。 また、構成要件Dの「該絵素電極に電気的に接続された導電片」とは、導電層と絵素電極との重畳部という範囲内において、「導電片」と絵素電極とが電気的に接続しているとの意味である。 したがって、構成要件Dは、絵素電極と導電層との重畳部の範囲内において、絶縁膜の外側であって、かつ、絵素電極と電気的に接続された導電性部材の切れ端が存在していることを示すものであるから、本件発明の「導電片」に相当する部材は存在しない。 また、仮に、判定請求人が主張するように、ドレイン電極延長部が本件発明の「導電片」と仮定したとしても、甲第5号証の液晶パネルは構成要件Dを充足しない。 すなわち、ドレイン電極延長部は、導電体部と絵素電極との重畳部の範囲内に設けられた導電性部材の切れ端ではなく、スイッチング素子を構成するドレイン電極の一部分である。また、ドレイン電極延長部は、重畳部において、絶縁膜(隔膜及び保護膜)の内側に存在し、絵素電極と電気的にも接続していない。加えて、甲第5号証の液晶パネルは、絶縁膜(保護膜)の存在により、絵素電極と導電体部との重畳部での接続という作用効果を奏していない。 したがって、甲第5号証の液晶パネルは、「該絵素電極と該絶縁膜との間に形成され」、「該絵素電極に電気的に接続された」及び「導電片」の要件をいずれも具備しないことから構成要件Dを充足しない。 2-5.被請求人の主張のまとめ 以上のとおり、甲第5号証に示された液晶パネルは、構成要件C及びDを充足しないことから本件発明の技術的範囲に属さない。 VI.対比及び判断 1.争いのない点について 本件発明とイ号物件を対比するに、上記イ号物件の構成a,b,eについては、両者に争いもなく、これが本件発明の構成要件A,B及びEを充足することは明らかである。 したがって、以下には争いのある構成c,dについて検討する。 2.争点1(構成要件Cの充足性)について 構成cは、導電体部と列電極突出部及びドレイン電極延長部との間には絶縁体からなる隔膜が存在するというものであるが、ドレイン電極延長部の上には絵素電極があるから、隔膜は、導電体部と列電極突出部及び絵素電極との間に設けられ、導電体部と列電極突出部とを絶縁していることは自明である。 次に、隔膜が導電体部と絵素電極とを絶縁しているか否かについて検討する。 イ号物件の隔膜上のドレイン電極延長部の上には保護膜が形成され、さらにその上に絵素電極が積層されており、写真3-5の断面だけから見ると、導電体部と絵素電極との絶縁に関する隔膜の機能が必ずしも明りょうでない。しかし、ドレイン電極は、コンタクトホールを有しており、ここから絵素電極に電気的接続がなされていることは明らかであるばかりでなく、絵素電極とドレイン電極延長部は電気的に同電位にすべき(両電極が電気的に接続されなければ、液晶表示装置として機能しないものであるから、技術常識から見て、両電極が電気的に接続されることは明らかなことである。)ものであって、隔膜の役割は、正常時には、絵素電極が点灯しないように導電体部、ひいては列電極と絶縁することにあり、イ号物件において、導電層と絵素電極は隔膜により絶縁されているのであるから、該隔膜が本件発明の絶縁膜に相当するものである。 なお、被請求人は、上記2-3のように本件発明の絶縁膜は「隔膜及び保護膜」に相当すると主張するが、保護膜は、ドレイン電極延長部においてはドレイン電極延長部と絵素電極とを絶縁しているとしても、前記のように、ドレイン電極延長部と絵素電極とはコンタクトホールにて電気的に接続されて一体となっており、保護膜が導電体部と絵素電極との絶縁には何ら寄与していないことは明らかである。 したがって、イ号物件の構成cは、本件発明の構成要件Cを充足する。 3.争点2(構成要件Dの充足性)について (1)「導電片」について 構成要件Dの「導電片」を充足する構成を、イ号物件が有するか否かを検討する。 モリブデン及びアルミニウムからなるドレイン電極延長部が導電性を有することは明らかであり、また、ドレイン電極延長部は絵素電極と隔膜との間に形成されている。 被請求人は、「導電片」の解釈について、「片」には、「2)ひときれ。きれはし。3)極めてわずか」(広辞苑第五版「片」)との意味があることから、『本件発明の「導電片」は狭い面積の導電性部材(導電性部材の切れ端)と解釈される。』と主張するが、イ号物件は、ドレイン電極から延びるドレイン電極延長部を有しており、該ドレイン電極延長部は、甲第5号証の写真3-2から分かるように、ドレイン電極に比して狭い面積を有するものであって、モリブデン及びアルミニウムからなる導電性の部材であるから、「導電片」といえるものである。 よって、イ号物件の構成dは、本件発明の構成要件Dのうち「該絵素電極と該絶縁膜との間に形成された導電片」との要件を充足する。 (2)導電片が「絵素電極に電気的に接続」される点について 絵素電極とドレイン電極延長部とがコンタクトホールを介して電気的に接続されていることは、上記争点1(VI.2)に記載したとおりであるから、イ号物件の構成dは、本件発明の構成要件Dのうち「該絵素電極に電気的に接続された導電片」との要件をも充足することは明らかである。 したがって、イ号物件の構成dは、本件発明の構成要件Dを充足する。 4.まとめ したがって、イ号物件は、本件発明の構成要件Aないし構成要件Eの全てを充足している。 VII.仮定答弁についての検討 仮定答弁に関する主張のうち、構成要件C及びDの充足性については、上記VIにおいて検討したので、それ以外の主張について、以下検討する。 (1)「本件発明の修理構造は限定的なもの」について 被請求人は、乙号各証を提出し、本件特許出願時の技術水準からして、本件発明は、信号線と絵素電極とを直接接続する修理構造として、特有の作用効果を奏する構造のものとして限定的に理解されるべきである旨主張する。 この点については、乙号各証に見られるようにTFT基板の欠陥の修理技術は多くのものがあり、これらを審査して、本件発明は特有の作用効果を奏する構造のものとして、適正に成立したものと認めることができるから、本件発明は特許請求の範囲請求項1に記載されたとおりの技術的事項を有するものとして判断した。 なお、被請求人は、「本件発明が対象とする修理構造と同一構成のものも乙第2号証第11図に示されている。」(答弁書10頁10〜12行)とも主張するが、乙第2号証第10及び11図ともに、同第9図のA-A’断面に係るものであり、これは画素電極同士を接続する構造に係るものであるから、同一とはいえない。 (2)「出願経過からの解釈」について 被請求人は、出願経過を参酌すべきとして、平成7年4月24日付意見書の記載箇所を提示するが、該記載箇所は、光エネルギーを照射して接続する部位が絵素電極と導電層の重畳部分であることにつき言及はしているものの、本件発明の「導電片」が、絵素電極と導電層との重畳部で絵素電極と電気的に接続していると限定する旨主張したものではない。 したがって、審査経過を参酌しても、本件発明の「導電片」が、絵素電極と導電層との重畳部で電気的に接続したものとして限定解釈されるものではない。 (3)『「導電片」は絵素電極と導電層の重畳部において絵素電極と電気的に接続している』について 被請求人が、IV.2.2-2-3において主張する要点は、大凡次のものである。 a.特許請求の範囲(構成要件D)には「該絵素電極に電気的に接続された導電片」と記載されており、当該重畳部にレーザー光を照射して絵素電極と信号線とを直接接続するものであるから、当然に当該重畳部において絵素電極と導電層とが電気的に接続されると解釈するのが合理的である。 そして、「導電片」は溶融接続の補助部材として用いられていることから、上記重畳部において絵素電極と「導電片」は絵素電極と導電層との重畳部で電気的に接続していると解すべきである。 b.特許請求の範囲(構成要件D)に「該絵素電極と該絶縁膜との間に設けられ」と記載されていることから、「導電片」は絵素電極と導電層を絶縁する絶縁膜の外に存在することになり、絵素電極と直接接触しているものと認められる。このことからも、当該重畳部で絵素電極と「導電片」は電気的に直接接続していると認められる。 c.発明の詳細な説明の「作用」の欄には、「…次に、導電層と導電片との重畳部に光エネルギーが照射され、導電層と導電片との間が電気的に接続される。…」と記載されており、「導電片」が絵素電極と導電層との重畳部において絵素電極に電気的に接続されている構成であることが示されている。 絵素電極と導電層の一部が重畳され、当該重畳部に光エネルギーが照射されて導電層と「導電片」が電気的に接続され、その結果、導電層と絵素電極も電気的に接続される以上、「導電片」が上記重畳部において絵素電極と電気的に接続していることは明白である。 上記主張について検討する。 導電片の解釈については、「V.3.争点2(構成要件Dの充足性)について」で述べたとおりである。また、該導電片が「絵素電極に電気的に接続」されていることも明らかである。 そして、本件発明では、導電片が「該絵素電極と該絶縁膜との間に形成され」ていることが規定されており、イ号物件のものも、絵素電極と隔膜の間にドレイン電極延長部が形成されている点においても相違するものではないが、本件発明の実施例では、導電片のすぐ上に絵素電極が形成され、導電片と絵素電極の接続を重畳部で行っているのに対し、イ号物件では、ドレイン電極延長部の上には保護膜が形成され、該保護膜を介して絵素電極が形成されており、ドレイン電極延長部と絵素電極との電気的接続は別の手段(コンタクトホール及びドレイン電極延長部の中間部分)で行われていることから、両者は、導電片と絵素電極の接続に関し、具体的な形態が相違している。 しかし、本件発明の要旨認定に関し、「間」の用語の意味については、広辞苑第5版には、『あいだ【間】アヒダ(1)二つのものに挟まれた部分。物と物とに挟まれた空間・部分。…「人の―に隠れる」』とあり、「物と物とに挟まれた空間(全体)」と捉えると、直接接する意味に解することになるが、上記のような「部分」との意味に解すると、必ずしも直接接して形成されることのみを意味しない。また、技術的に見ても、導電片は、導電層と電気的に接続されたときに、導電層と絵素電極とを電気的に接続する機能を有するべく、どこかで絵素電極と電気的に接続されていればよいのであるから、上記「該絵素電極と該絶縁膜との間に形成され、…導電片」との事項は、単に絵素電極と絶縁膜に挟まれて導電片が存在することを示すと解するのが相当である。 そして、具体的な形態において両者が異なるとしても、イ号物件においても、絵素電極と隔膜とに挟まれてドレイン電極延長部が存在しているのであるから、本件発明がこの点で相違するとはいえない。 よって、上記被請求人の主張はいずれも採用するに足らないものである。 VIII.むすび 以上のとおりであるから、イ号物件は、本件発明の技術的範囲に属する。 よって、結論のとおり判定する。 |
判定日 | 2004-09-27 |
出願番号 | 特願平2-121788 |
審決分類 |
P
1
2・
1-
YA
(G02F)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 井口 猶二 |
特許庁審判長 |
平井 良憲 |
特許庁審判官 |
向後 晋一 稲積 義登 |
登録日 | 1996-11-06 |
登録番号 | 特許第2106809号(P2106809) |
発明の名称 | アクティブマトリクス型表示装置 |
代理人 | 櫻井 彰人 |
代理人 | 伊藤 晴國 |
代理人 | 磯田 志郎 |
代理人 | 伊藤 高英 |
代理人 | 中尾 俊輔 |
代理人 | 山本 光太郎 |
代理人 | 明石 幸二郎 |
代理人 | 高野 昌俊 |
代理人 | 高橋 隆二 |
代理人 | 永島 孝明 |