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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない F25B
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない F25B
管理番号 1105292
審判番号 訂正2004-39066  
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-03-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2004-04-02 
確定日 2004-10-15 
事件の表示 特許第3241694号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許第3241694号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、1992年(平成4年)11月27日に我が国を指定国に含んでなされた国際出願(PCT/JP92/01551、国内段階に移行して特願平6-502675号)の一部を分割して、平成11年6月21日に特許出願されたものであって、平成13年10月19日に特許権の設定登録(同年12月25日に特許掲載公報発行)がなされたところ、特許異議の申立(2002-71552号)がなされ、平成15年11月13日付けの異議決定(同年12月8日送達)で「訂正を認める。特許第3241694号の請求項1ないし8に係る特許を取り消す。」という決定がなされたものである。
この決定に対して、平成16年1月6日付けで審決取消訴訟(平成16年(行ケ)5号)が提起された後、同年4月2日に本件訂正審判が請求され、同年4月12日に手続補正書が、又同年5月7日に上申書が、提出されたところ、同年5月24日付けで訂正拒絶理由が通知(同年5月26日発送)され、その指定期間内である同年7月26日付けで意見書が提出されたものである。

第2 審判請求の要旨

本件審判請求の要旨は、特許第3241694号に係る明細書を、本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおりに訂正(以下、「本件訂正」という。)しようとするものであって、その訂正事項の内容は以下のとおりのものである。

・訂正事項ア:特許請求の範囲の請求項1の記載を、次のように訂正する。
「冷媒圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を含む冷凍サイクルにより、冷凍若しくはヒートポンプサイクルを構成したアンモニア冷凍装置において、前記冷凍サイクル中にアンモニア冷媒とその中にある潤滑油で構成される作動流体組成物を含み、前記潤滑油の基油が、ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基の水素の一方が、炭素数1-6の炭化水素基によって封鎖されており、他方に水素が結合されているか、炭素数1-6のアルキル基によって封鎖されている1種又は2種以上のポリエーテル化合物であり、且つ前記冷凍サイクル内でのアンモニア冷媒と潤滑油の比率を、その重量比が、70:30から97:3に設定することにより、前記冷凍サイクル中におけるアンモニア冷媒とその中にある潤滑油が、アンモニア冷媒の蒸発温度でも2層分離することのないように構成したことを特徴とするアンモニア冷凍装置。」

・訂正事項イ:発明の詳細な説明の記載について、特許請求の範囲の記載の上記訂正事項と整合するように、段落【0017】、【0022】の記載を訂正する。

・訂正事項ウ:発明の詳細な説明の段落【0024】の「第1発明」の記載を「前記(I)式に示す潤滑油」と訂正する。

・訂正事項エ:発明の詳細な説明の段落【0055】の「ボンベテスト」に関する記載を削除する。

・訂正事項オ:発明の詳細な説明の段落【0057】中に掲載された【表1】から「ボンベテスト」の列を削除する。

・訂正事項カ:発明の詳細な説明の段落【0058】中に掲載された【表2】から「ボンベテスト」の列を削除し、表中の「比較例7」及び「比較例8」を「実施例9(*比較例7)」及び「実施例10(*比較例8)」とし、且つ【表2】下段に「*比較例7、*比較例8はいずれも原明細書の比較例7,及び比較例8を表す。」と加入する。

・訂正事項キ:発明の詳細な説明の段落【0059】中の第1文を、「表1及び表2から実施例1乃至10のポリエーテル化合物は、アンモニアとの相溶性、潤滑性に優れていることが分かる。」と訂正する。

・訂正事項ク:発明の詳細な説明の段落【0060】中の第1文を、「しかしながら、表2に示すナフテン鉱油系冷凍機油、分岐鎖型アルキルベンゼン及び比較例3〜6の各(ポリ)エーテルは室温で不溶であることが分かる。」と訂正する。

第3 本件訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否

上記訂正事項ア、イ、エ〜クは、願書に添付した明細書の記載を何ら変更するものではない(当該訂正事項ア、イ、エ〜クは、既に、平成15年8月26日付け訂正請求で訂正されており、当該訂正は平成15年11月13日付け異議決定で認められている)。
また、訂正事項ウは、本件の分割前の出願の記載が誤ってそのまま残されていたのを、本件明細書の記載内容に適合するように訂正するものであり、誤記の訂正を目的とするものと認められる。
そして、これらの訂正事項による技術的事項は、願書に添付された明細書に実質的に記載されている事項の範囲内のものであり、新規事項を追加するものでも、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

そこで、以下に本件訂正の、特許法第126条第5項に規定する要件(独立特許要件)について検討する。

第4 独立特許要件

1 本件発明

本件訂正後の特許請求の範囲の請求項に係る発明は、つぎのとおりのものである。

【請求項1】 冷媒圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を含む冷凍サイクルにより、冷凍若しくはヒートポンプサイクルを構成したアンモニア冷凍装置において、前記冷凍サイクル中にアンモニア冷媒とその中にある潤滑油で構成される作動流体組成物を含み、前記潤滑油の基油が、ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基の水素の一方が、炭素数1-6の炭化水素基によって封鎖されており、他方に水素が結合されているか、炭素数1-6のアルキル基によって封鎖されている1種又は2種以上のポリエーテル化合物であり、且つ前記冷凍サイクル内でのアンモニア冷媒と潤滑油の比率を、その重量比が、70:30から97:3に設定することにより、前記冷凍サイクル中におけるアンモニア冷媒とその中にある潤滑油が、アンモニア冷媒の蒸発温度でも2層分離することのないように構成したことを特徴とするアンモニア冷凍装置。

【請求項2】 請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、冷媒圧縮機側に供給される作動流体組成物内の潤滑油の重量は少なくとも10%あり、圧縮機を介してアンモニア冷凍サイクルに導入される作動流体組成物内の潤滑油の配合割合はその重量比が7%以下になるように設定したことを特徴とするアンモニア冷凍装置。

【請求項3】 請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、前記凝縮器で凝縮後のアンモニア冷媒と潤滑油が溶解した作動流体組成物を冷媒と潤滑油を分離させることなく膨張弁又は/及び中間冷却器に導入したことを特徴とするアンモニア冷凍装置。

【請求項4】 請求項3記載のアンモニア冷凍装置において、前記膨張弁若しくは中間冷却器通過後のアンモニア冷媒と潤滑油が溶解した作動流体組成物を、蒸発器上端側に設けた導入口より底側に設けた排出口側に向けトップフィードで導入可能に構成したことを特徴とするアンモニア冷凍装置。

【請求項5】 前記蒸発器より導出された、アンモニア冷媒と潤滑油が溶解した作動流体組成物を、凝縮器で凝縮後の作動流体組成物の保有熱と熱交換させた後、圧縮機側に導入可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のアンモニア冷凍装置。

【請求項6】 請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、平均粒径が150Å以下の超微粒ダイヤモンドを前記潤滑油中に添加していることを特徴とするアンモニア冷凍装置。

【請求項7】 請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、密封型アンモニア圧縮機と、固定子と回転子からなる耐圧密封型電動機を直結して構成されており、該電動機側に回転子の周囲に位置する固定子鉄心内周面側に、機密(決定注:「気密」の誤記と認める。)性シール部を介して前記回転子と所定空隙介して囲繞すると共に、前記回転子空間と圧縮機間に前記組成物が導通可能な導通部を設けていることを特徴とするアンモニア冷凍装置。

【請求項8】 請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、密封型アンモニア圧縮機と電動機を直結して構成され、前記電動機側に回転子の周囲に位置する固定子鉄心を耐圧密封構造体容器として構成すると共に、該固定鉄心の巻線挿入後の開溝の回転子と対面する前面側にシール部材を配設し、該シール部材を介して前記開溝内を機密(決定注:「気密」の誤記と認める。)シール可能に構成していることを特徴とするアンモニア冷凍装置。
(上記請求項1〜8に係る各発明を、以下「本件発明1」〜「本件発明8」という。)

2 本件の出願日について

本件発明1は、その構成の内の「前記潤滑油の基油が、ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基の一方が、炭素数1-6の炭化水素基によって封鎖されており、他方に水素が結合されているか、炭素数1-6のアルキル基によって封鎖されている1種又は2種以上のポリエーテル化合物であり」との構成に照らせば、ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基の他方については、水素が結合されているか、又は、炭素数1-6のアルキル基によって封鎖されているとするだけで、OH基のままである分子の数の割合について特に限定がないものとなっている。
これに対して、甲第1号証によれば、本件の原出願の当初明細書(以下「原明細書」という。)には、次の記載がある。

(1a)「本発明者達は前記作動流体の作動流体組成物を得るために、特定の構造を有するポリオキシアルキレングルコールの末端OH基の全てをOR基で置換したエーテル化合物(以下単にポリエーテルと称する)が、アンモニアとの相溶性に優れ、アンモニア存在下でも優れた潤滑性および安定性を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。」(5頁2〜6行)

(1b)「一般式(I)のポリエーテルは、R1およびR2によって全ての末端が封鎖されているポリエーテルである。ここでR1は炭素数1-6を有する炭化水素基である。ここで炭化水素基とは、以下の(i)あるいは(ii)を意味する。すなわちR1は、(i)飽和の直鎖あるいは分岐のC1-C6鎖状炭化水素基、具体的にはC1-C6の脂肪族1価アルコールから誘導されるC1-C6のアルキル基、すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基のいずれかであるが、特に二層分離温度を低下させる観点からは、炭素数が1-4、更に好ましくは炭素数1?2のアルキル基すなわちメチルまたはエチル基、あるいは(ii)2-4価の飽和脂肪族多価アルコール、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールから誘導される炭化水素残基、すなわちこれら2-4価アルコールが有する2-4個の水酸基の水素が全て置換された炭化水素基を意味する。したがって一般式(I)のxは、前記R1の炭化水素基の基になるアルコールの価数に対応した1-4の整数である。アンモニアとの溶解性を特に高めるためには、xは1で、R1はメチルあるいはエチル基が好ましい。」(7頁12行〜32行)

(1c)「一般式(I)の化合物を合成する際に、1-4価アルコールの水酸基が、一部分でも未反応のままで残存するなら、得られたポリオールは、長期間使用する間で、スラッジを生成するため、好ましくない。したがってアルコールの水酸基は可能な限り残存しないこと、具体的には、一般式(I)の化合物の水酸基価は10mgKOH/g以下、更には5mgKOH/g以下が好ましい。」(8頁11行〜16行)

(1d)「表2に示す・・・・及び比較例3〜8の各(ポリ)エーテルは室温で不溶であるか、若しくは-50℃の低温で相溶性を有していてもボンベテストで個化(決定注:「固化」の誤記と認める。)することが分かる。この結果これらの油は圧縮/凝縮/膨張を繰り返す冷凍サイクルに使用できないものである。」(14頁末尾から2行〜15頁3行)

上記(1a)〜(1c)に摘示した記載によれば、原明細書に開示された発明は、アルコールの水酸基は可能な限り残存しないことが、スラッジの生成を防止する上で好ましい、との認識に基づいて、「ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基のすべてをOR基で置換したエーテル化合物」、すなわち、「ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基の水素のすべてが、炭素数1-6の炭化水素基によって封鎖されているポリエーテル化合物」であって、「ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基の水素の一部が、炭素数1-6の炭化水素基によって封鎖されているポリエーテル化合物」は、好ましくないものとして記載されていると認められる。

また、上記(1d)に摘示した記載並びに表2の特に比較例7及び8によれば、「ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基の一方が、炭素数1の炭化水素基によって封鎖されており、他方に水素が結合されているポリエーテル化合物」は、圧縮、凝縮、膨張を繰り返す冷凍サイクルに使用できないものであると認められる。
そうすると、原明細書の記載に照らせば、好ましくない例のものや冷凍サイクルに使用できないものを本件発明1に含めるようにして、「圧縮機運転中に固形物の生成もない。従って、従来のアンモニア冷媒の冷凍装置で不可欠であった油回収装置を省略することができ、そのため小型冷凍機としても適用することが可能になる。・・・」(本件明細書段落【0084】)等の効果を記載することは、原明細書に記載された事項の範囲を超えるものである。

仮に、本件発明1が「一般式(I)のR1およびR2によって全ての末端が封鎖されているポリエーテル」に限定されるものではないとしても、原明細書には、5頁23〜25行の記載及びこれに対応する請求の範囲第12項の記載はあっても、これらに係る具体的な化合物の開示はないというべきである。もっとも、原明細書22頁の表2には、「ポリオキシアルキレングルコールの末端のOH基の一方が、炭素数1の炭化水素基によって封鎖されており、他方に水素が結合されているポリエーテル化合物」が比較例7及び8として記載されているが、原明細書の上記(1d)に摘示した記載によれば、比較例7及び8は、アンモニア冷凍サイクルに使用できないものとして開示されているのみであるし、原明細書の上記(1c)の記載からすれば、比較例7及び8記載のものは、スラッジを生成するため好ましくないとして積極的にその利用を否定したものである。

この点、特許権者は、ボンベテストは、本件明細書の開示及び公知技術との整合性を欠き不適切であったといわなければならず、是正されるべきものである旨主張する(平成16年4月12日付け手続補正書4頁14〜24行)。
しかし、上記したように、そもそも原明細書において、ボンベテストに関する記載等により発明から積極的に除外していたものを、当該原明細書記載の発明の一部であったとして分割することは認められないのであるから、本件訂正において、かかるボンベテストの結果を削除したからといって、当該分割時の瑕疵が治癒されるものではない。

また、特許権者は、平成16年7月26日付け意見書(以下「意見書」という。)において「本件特許発明は、原明細書に記載されている第2発明に係るものであり、その潤滑油は、前記第1発明の潤滑油に限定されるものではなく、上記のとおり「アンモニア冷媒に容易に溶解し得、且つ冷媒の蒸発温度でも2層分離する事のない潤滑油であればよい」のであります。・・・・・・・・・・・・以上のとおり、原明細書の「比較例7と8」はいずれも-50℃以下でも相溶性を有しており、「アンモニア冷媒に溶解し得且つ冷媒の蒸発温度、言い換えれば-20℃以下でも2層分離する事のない潤滑油」という本件特許の構成要件を満たすものであります。 よって、原明細書には、アンモニア冷媒に容易に溶解することができるものであって冷媒の蒸発温度でも2層分離する事のない潤滑油として、第1発明の潤滑油以外にも、具体的な実施例の開示があるというべきである」(意見書2頁19行〜同3頁28行)と主張する。
確かに、比較例7及び8記載のものは原明細書の表2の記載によれば、-50℃以下でも相溶性を有しており、その点では、「アンモニア冷媒に溶解し得且つ冷媒の蒸発温度、言い換えれば-20℃以下でも2層分離する事のない潤滑油」という要件は満たすものであるが、上記(1c)で摘示したように、比較例7及び8に記載されたものは、スラッジを生成するという阻害要因から、原明細書中では、発明から除外されていたものであるから、原明細書において本件発明の実施例として開示されていたものとは認められない。

更に、特許権者は、意見書において、「原明細書において、比較例7,8を実施例とせずに比較例としたボンベテストの「150°まで加熱して、その温度に7日間保持する。」との試験条件が本第2発明の目的である「潤滑油とアンモニアとの作動流体組成物が冷凍若しくはヒートポンプサイクルを循環するように構成する」ためのテスト条件として適切でなかったことは、次に述べるとおりであります。・・・・・・・・・・かかる事実からすると、本件特許の本ボンベテストの「150°まで加熱して、その温度にて7日間保持する。」というボンベテストの加熱温度自体が原明細書の第2発明の作用効果である「潤滑油とアンモニアとの作動流体組成物が冷凍若しくはヒートポンプサイクルを循環するように構成する」ためのテスト条件に照らすと過度に苛酷な条件となっていたことは明らかであります。・・・・・・・・・・・・以上のとおり、本件特許発明は、先行技術のないパイオニア発明であるため、出願時には過酷な試験条件を採用したものであるところ、出願後により的確な試験条件(甲第8号証)が他の潤滑油最大手により開示され、本願出願時の試験条件の一部が過酷であると客観的に認められる場合に、原出願日遡及という分割出願の利益を認めることは、分割出願精度の趣旨に適うものであり、特許法の目的である「産業の発達に寄与する。」(特許法第1条)ことになるというべきであります。」(意見書4頁17行〜同8頁23行)と主張する。
しかし、特許制度における、出願分割の規定は、「特許出願が出願の単一性を満たさない発明を含む場合、又は、出願当初は特許請求の範囲に記載されていないが、明細書の発明の詳細な説明又は図面に記載されている発明を含む場合、これらの発明も出願によって公開されるので、公開の代償として一定期間独占権を付与するという特許制度の趣旨からすれば、これらの発明に対してもできるだけ保護の途を開くべきである。」(特許・実用新案 審査基準 第V部 第1章 出願の分割)という趣旨で設けられたものであるから、原明細書に記載され、公開された内容を基準として、分割の可否は判断されるべきであり、公開時において、ボンベテストの条件を満たすか否かで発明の範囲を規定していた以上、当該範囲外の内容を発明の内容に加えることは、上記出願分割の趣旨に反するものである。
特許権者は、「本件特許発明は、先行技術のないパイオニア発明であるため、出願時には過酷な試験条件を採用した」と主張するが、出願人が掲げた冷凍空調便覧第4版(昭和56年5月30日発行)(甲第4号証)や特開昭58-106370号公報(甲第5号証)に開示されているように、アンモニア冷凍圧縮ユニットの吐出温度が85℃近辺であることは、当業者にとって原明細書記載の発明出願前周知であったものと認められるところ、出願人はあえて、原明細書記載のボンベテストを実施し、「150°まで加熱して、その温度にて7日間保持する。」という条件を自ら提起して、比較例7及び8を不適切なものとして原明細書に開示したのであるから、試験条件を正しく把握していなかったとする、特許権者の主張を認めることはできない。
なお、特許権者は、上記甲第4号証及び甲第5号証に加えて、本件の原出願の出願後に出願された特開平10-147682号公報(甲第8号証)も提示して、当該甲第8号証記載の試験方法に照らしてボンベテストが過酷であったとも主張するが、当該甲第8号証記載の試験方法を採用したからといって、比較例7及び8記載の潤滑油が当該試験方法による試験で固化しないという証拠がない以上、甲第8号証記載の試験方法を採用したなら、比較例7及び8記載の潤滑油が固化しなかったとは言えず、これを持って、比較例7及び8が原明細書において、発明の範囲内であったとすることはできない。

また、更に、特許権者は、意見書において、「原明細書における『第2発明』とは、第1発明の作動流体組成物を用いることを予定して原明細書に開示されていたものではありません。・・・・・・・・・第1発明における特定と異なり、「冷凍若しくはヒートポンプサイクル循環するように構成する」ための組成物の具体的な化学構造は特定していないことは記載上明らかであるから、『第2発明』とは、第1発明の作動流体組成物を用いることを予定して原明細書に開示されていたものではありません。」(意見書8頁24行〜同9頁6行)とも主張する。
しかし、発明の詳細な説明には、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易にその実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果を記載しなければならず、また、特許請求の範囲の記載は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものでなければならない(平成6年12月法律116号改正前の特許法第36条4項及び5項参照)のであるから、当該『第2発明』についても、発明の詳細な説明中に、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易にその実施をすることができる程度に、特許請求の範囲に記載された発明を実施するための構成が開示されていなければならず、原明細書においてはそのような構成として、『第1発明』に係る化学構造しか開示されていないのであるから、『第2発明』に係る作動流体組成物についても、当該『第1発明』に係るものしか開示されていなかったと見るべきである。

以上のとおりであるから、請求項1に係る発明が原明細書に記載されていたものとは認められず、又、請求項2ないし8記載の発明も、請求項1を引用している以上、原明細書に記載されていたものとは認められないから、特許法第44条第1項の規定を満たさず、本件の出願日の遡及は認められない。
よって、本件発明の出願日は、その現実の出願日である平成11年6月21日である。

3 引用刊行物

(1)国際公開第94/12594号パンフレット(1994年)(「引用例1」という。)

(2)高橋 仁,“アンモニア相溶性冷凍機油-構造と適合性について-”,The International Symposium on HCFC Alternative Refrigerants '98, 1998年11月26〜27日,p.151〜154(以下「引用例2」という。)

4 引用例1の記載

引用例1には、下記の記載がある。

(4-1)「アンモニア冷凍装置、該冷凍装置に用いる作動流体組成物及びアンモニア圧縮機の潤滑方法」(1頁2〜3行)

(4-2)「本発明は、アンモニアを主成分とする冷媒を用いた冷凍及びヒートポンプ装置、該冷凍装置に用いる冷媒と潤滑油を混合した作動流体組成物及びアンモニア圧縮機の潤滑方法に関する。」(1頁5〜7行)

(4-3)「本発明者達は前記作動流体の作動流体組成物を得るために、特定の構造を有するポリオキシアルキレングルコールの末端OH基の全てをOR基で置換したエーテル化合物(以下単にポリエーテルと称する)が、アンモニアとの相溶性に優れ、アンモニア存在下でも優れた潤滑性および安定性を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本第1の発明は、以下の一般式(I)の化合物を潤滑油の基油とするアンモニア圧縮機用潤滑油とアンモニアとの混合物よりなる作動流体組成物である。

R1-〔-O-(PO)m-(EO)n-R2〕x (I)

(一般式(I)において、R1は炭素数1-6の炭化水素基、R2は炭素数1-6個のアルキル基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、xは1-4の整数、mは、正の整数であり、nは0または正の整数である。)」(5頁2〜14行)

(4-4)「而も前記作動流体組成物を構成する潤滑油中に少なくとも平均粒径が150Å以下、好ましくは平均粒径が略50Å以下の超微粒ダイヤモンド若しくはグラファイトに被覆された超微粒子ダイヤモンドを添加する事により、前記潤滑油の配合割合を略2%程度まで落としても問題が生じない。」(11頁6〜10行)

(4-5)「又圧縮機内では潤滑油は冷媒に溶解しながら摺動部に入り込み、一層のかじり防止に役立つ。この場合前記圧縮機で圧縮後の前記アンモニア冷媒と潤滑油とを混合してなる作動流体組成物を油回収器を介在させる事なく冷凍及びヒートポンプサイクルを循環させるよう構成してもよい。この場合前記潤滑油の充填比が10重量%以上でも圧縮機内である程度の潤滑油が貯油されるために、冷凍サイクル中の潤滑油の配合割合を特に蒸発器内の作動流体組成物の潤滑油の配合割合を7%以下に設定する事が出来、より好ましい伝熱効率を得る事が出来る。」(11頁24〜32行)

(4-6)「11、アンモニアと一般式(I)で表される1種又は2種以上のポリエーテル化合物とを冷媒圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を含む循環サイクルを循環させながら冷凍若しくはヒートポンプサイクルを構成することを特徴とするアンモニア冷凍装置。

R1-〔-O-(PO)m-(EO)n-R2〕x (I)

(一般式(I)において、R1は炭素数1-6の炭化水素基、R2は炭素数1-6個のアルキル基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、xは1-4の整数、mは、正の整数であり、nは0または正の整数である。)」(請求の範囲第11項の記載)

(4-7)「15、前記凝縮器で凝縮後のアンモニア冷媒と潤滑油が溶解した作動流体組成物を冷媒と潤滑油を分離させることなく膨張弁又は/及び中間冷却器に導入可能に構成した請求項11記載のアンモニア冷凍装置」(請求の範囲第15項の記載)

(4-8)「16、前記膨張弁若しくは中間冷却器通過後のアンモニア冷媒と潤滑油が溶解した作動流体組成物を、蒸発器上端側に設けた導入口より底側に設けた排出口側に向けトップフィードで導入可能に構成した請求項12記載のアンモニア冷凍装置」(請求の範囲第16項の記載)

(4-9)「19、前記前記(決定注:「前記」が重複した誤記と認める。)蒸発器より導出された作動流体組成物を、凝縮器で凝縮後の作動流体組成物の保有熱と熱交換させた後、圧縮機側に導入可能に構成した請求項12記載のアンモニア冷凍装置(請求の範囲第19項の記載)

(4-10)「20、アンモニア冷媒圧縮機に電動機を直結してなる密封型アンモニア圧縮機を用いた請求項12記載のアンモニア冷凍装置において、前記電動機側に回転子の周囲に位置する固定子鉄心内周面側に、気密性シール部を介して前記回転子と所定空隙介して囲繞すると共に、前記回転子内空間と圧縮機間に前記組成物が導通可能な導通部を設た事を特徴とするアンモニア冷凍装置」(請求の範囲第20項の記載)

(4-11)「23、前記電動機側に回転子の周囲に位置する固定子鉄心を耐圧密封構造体容器として構成すると共に、該固定鉄心の巻線挿入後の開溝の回転子と対面する前面側にシール部材を配設し、該シール部材を介して前記開溝内を気密シール可能に構成した請求項20記載のアンモニア冷凍装置」(請求の範囲第23項の記載)

5 引用例2の記載

引用例2には、下記の記載がある。

(5-1)「アンモニアは欧米では産業用の用途で使用頻度が高いが、日本では可燃性、毒性のためフロン冷媒よりも強い規制が適用されており、さらに臭気の問題などからほとんど使用されなくなっていた。また熱伝達率が高い、臨界温度および臨界圧力が高い、蒸発潜熱が大きいなど冷媒としての能力は高いものの、フロン冷媒とは異なり冷凍機油(鉱油)との相溶性がないことから、油分離器を必要とし、非相溶の冷凍機油が蒸発器などに滞留する可能性のある乾式膨張機構が採用しにくいため、冷媒保有量の多い満液式などが採用されている。したがって機器が大型となり、定期的なメンテナンスが必要となっていた。これらはフロン冷媒を用いた機器に比べ不利な点である。
とくにアンモニアの場合は法的規制があるため、冷媒保有量が多くなることはかなり不利であると考えられる。
このような不具合を解消する方策として、アンモニアに対しても相溶性を示す冷凍機油が求めれら(決定注:「られ」の誤記と認める。)た。これについては合成油が適合する可能性が考えられ、後述の検討を踏まえてポリアルキレングリコール(PAG)が候補として提案された。」(151頁左欄末行〜右欄18行)

(5-2)「アンモニアを冷媒とする場合、冷媒自身が活性が強く反応しやすいことから、冷凍機油の安定性は重要である。そこでオートクレーブテストにより候補油の安定性を評価した。300mlのボンベを用い、油50gに対しR7170.6kgf/cm2、N2 5.7kgf/cm2で封入し、150℃で30日間エージングを行った。その結果をTable2に示した。
POEでは多量のスラッジが発生しており、またPAGもモノオール型では若干スラッジが発生している。油が加水分解あるいは酸化を受けて生成した酸とアンモニアが反応して酸アミドが生成し、これが析出したものと考えられる。

(Table2 省略)

以上の検討からPAGがアンモニア相溶性冷凍機油として適していることが分かった。なかでも、両末端をアルキル基でエーテル化したPAGが安定性の面からも相応しいと考えられる。」(152頁左欄末尾から3行〜右欄11行)

(5-3)「アンモニア相溶性冷凍機油として提案されているPAGは、一般にオキシプロピレン(PO)オキシエチレン(EO)の共重合体であり、POとEOの比率、重合のタイプ(ランダムかブロックか)末端の構造(水酸基であるか、アルキルエーテル化処理を行っているか)によって性質が異なってくる。従って構造と適合性の関係を把握する必要がある。また相溶性、安定性以外にも潤滑性、吸湿性をはじめ検討すべき項目は多い。」(152頁右欄15〜22行)

(5-4)「アンモニア相溶性冷凍機油の基材としてはPAGが適応するが、構造によって特性が大きく異なってくる。EOの割合を増やし末端を水酸基とすると、アンモニアとの相溶性、潤滑性は向上するが、安定性、吸湿性に劣る傾向がある。両末端をアルキルエーテル化したタイプは、特性のバランスがとれており信頼性が高いと思われるが、片末端が水酸基であっても2級水酸基であれば、安定性向上が見込まれる。」(154頁右欄23〜30行)

6 本件発明1の容易想到性について

上記「2」で認定したとおり、本件特許の出願日は平成11年6月21日であるから、引用例1は、その出願前公知である。
そして、引用例1の上記(4-1)〜(4-3)、(4-6)に摘示した記載によれば、引用例1には、請求の範囲第11項に記載された(I)式において、R1が炭素数1-6個の炭化水素基、R2が炭素数1-6個のアルキル基であるポリエーテル化合物が記載されている。
引用例2の上記(5-1)〜(5-4)に摘示した記載によれば、引用例2には、PAG(ポリアルキレングリコール)がアンモニアとの相溶性に優れ、またモノオール型では若干スラッジが発生するものの、安定性の面でも優れていること、PAGの両末端をアルキルエーテル化したタイプは、特性のバランスがとれており信頼性が高いと思われるが、片末端が水酸基であっても2級水酸基であれば、安定性の向上が見込まれることが記載されている。そうすると、引用例2には、PAGの末端のOH基の水素の一方が、炭素数1-6個の炭化水素基によって封鎖され、他方に水素が結合されているものであっても安定性向上が見込まれるものがあることが示唆されていると認められる。
したがって、本件発明1は、引用例1及び引用例2記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到できたものである。

7 本件発明2の容易想到性について

上記引用例1の上記(4-5)に摘示した記載に照らせば、本件の請求項2で特定した事項、すなわち、請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、「冷媒圧縮機側に供給される作動流体組成物内の潤滑油の重量は少なくとも10%あり、圧縮機を介してアンモニア冷凍サイクルに導入される作動流体組成物内の潤滑油の配合割合はその重量比が7%以下になるように設定したこと」は、引用例1の記載から当業者には自明の事項にすぎない。そして、本件発明2は、請求項1を引用するものであるから、引用される構成については、本件発明1について示した上記認定判断がここでも当てはまる。
したがって、本件発明2は、引用例1及び引用例2記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到できたものである。

8 本件発明3の容易想到性について

上記引用例1の上記(4-7)に摘示した記載に照らせば、本件の請求項3で特定した事項、すなわち、請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、「前記凝縮器で凝縮後のアンモニア冷媒と潤滑油が溶解した作動流体組成物を冷媒と潤滑油を分離させることなく膨張弁又は/及び中間冷却器に導入したこと」は、引用例1に開示されていることにすぎない。そして、本件発明3は、請求項1を引用するものであるから、引用される構成については、本件発明1について示した上記認定判断がここでも当てはまる。
したがって、本件発明3は、引用例1及び引用例2記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到できたものである。

9 本件発明4の容易想到性について

上記引用例1の上記(4-8)に摘示した記載に照らせば、本件の請求項4で特定した事項、すなわち、請求項3記載のアンモニア冷凍装置において、「前記膨張弁若しくは中間冷却器通過後のアンモニア冷媒と潤滑油が溶解した作動流体組成物を、蒸発器上端側に設けた導入口より底側に設けた排出口側に向けトップフィードで導入可能に構成したこと」は、引用例1に開示されていることにすぎない。そして、本件発明4は、請求項3を引用するものであるから、引用される構成については、本件発明3について示した上記認定判断がここでも当てはまる。
したがって、本件発明4は、引用例1及び引用例2記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到できたものである。

10 本件発明5の容易想到性について

上記引用例1の上記(4-9)に摘示した記載に照らせば、本件の請求項5で特定した事項、すなわち、「前記蒸発器より導出された、アンモニア冷媒と潤滑油が溶解した作動流体組成物を、凝縮器で凝縮後の作動流体組成物の保有熱と熱交換させた後、圧縮機側に導入可能に構成したこと」は、引用例1に開示されていることにすぎない。そして、本件発明5は、請求項1を引用するものであるから、引用される構成については、本件発明1について示した上記認定判断がここでも当てはまる。
したがって、本件発明5は、引用例1及び引用例2記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到できたものである。

11 本件発明6の容易想到性について

上記引用例1の上記(4-4)に摘示した記載に照らせば、引用例1には、作動流体組成物を構成する潤滑油中に平均粒径が150Å以下の超微粒ダイヤモンドを添加することが記載されていると認められる。そうすると、本件の請求項6で特定した事項、すなわち、請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、「平均粒径が150Å以下の超微粒ダイヤモンドを前記潤滑油中に添加していること」は、引用例1に開示されていることにすぎない。そして、本件発明6は、請求項1を引用するものであるから、引用される構成については、本件発明1について示した上記認定判断がここでも当てはまる。
したがって、本件発明6は、引用例1及び引用例2記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到できたものである。

12 本件発明7の容易想到性について

上記引用例1の上記(4-10)に摘示した記載に照らせば、本件の請求項7で特定した事項、すなわち、請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、「密封型アンモニア圧縮機と、固定子と回転子からなる耐圧密封型電動機を直結して構成されており、該電動機側に回転子の周囲に位置する固定子鉄心内周面側に、気密性シール部を介して前記回転子と所定空隙介して囲繞すると共に、前記回転子空間と圧縮機間に前記組成物が導通可能な導通部を設けていること」は、引用例1に開示されていることにすぎない。そして、本件発明7は、請求項1を引用するものであるから、引用される構成については、本件発明1について示した上記認定判断がここでも当てはまる。
したがって、本件発明7は、引用例1及び引用例2記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到できたものである。

13 本件発明8の容易想到性について

上記引用例1の上記(4-10)及び上記(4-11)に摘示した記載に照らせば、本件の請求項8で特定した事項、すなわち、請求項1記載のアンモニア冷凍装置において、「密封型アンモニア圧縮機と電動機を直結して構成され、前記電動機側に回転子の周囲に位置する固定子鉄心を耐圧密封構造体容器として構成すると共に、該固定鉄心の巻線挿入後の開溝の回転子と対面する前面側にシール部材を配設し、該シール部材を介して前記開溝内を気密シール可能に構成していること」は、引用例1に開示されていることにすぎない。そして、本件発明8は、請求項1を引用するものであるから、引用される構成については、本件発明1について示した上記認定判断がここでも当てはまる。
したがって、本件発明8は、引用例1及び引用例2記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到できたものである。

14 まとめ

したがって、、訂正後の本件発明1ないし8に係る特許は、引用例1及び2記載の各発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

第5 むすび

以上のとおりであるから、本件審判の請求は特許法第126条第5項の規定に適合しないので、本件審判請求に係る訂正を認めることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-08-19 
結審通知日 2004-08-23 
審決日 2004-09-03 
出願番号 特願平11-174191
審決分類 P 1 41・ 121- Z (F25B)
P 1 41・ 856- Z (F25B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 恵理子  
特許庁審判長 水谷 万司
特許庁審判官 井上 哲男
佐野 遵
岡本 昌直
岡 千代子
登録日 2001-10-19 
登録番号 特許第3241694号(P3241694)
発明の名称 アンモニア冷凍装置  
代理人 高橋 昌久  
代理人 高橋 昌久  

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