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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61G
管理番号 1190066
審判番号 不服2005-9621  
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-04-19 
確定日 2009-01-15 
事件の表示 平成 9年特許願第260785号「介助機」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 3月 2日出願公開、特開平11- 56908号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成9年8月20日の出願であって、平成17年3月15日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成17年4月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされ、更に、前置審査において平成17年6月21日付けで拒絶理由通知がなされ、平成17年7月29日付けで手続補正がなされたものであり、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年7月29日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「筐体部(31)に固着され、片持状に水平に張出し、ほぼ四角形状の面を有する第1のプラットフォーム(41)と、この第1のプラットフォーム(41)に隣接して、前記筐体部(31)から水平な片持の駆動軸(52)によって支えられ、駆動軸(52)の回転駆動によって起伏し得る第2のプラットフォーム(51)を有する身体不自由者のベッドからの起床・離床を介助するための介助機。」

2.引用文献の記載
原査定の拒絶の理由に引用された、特開平9-117478号公報(以下、「引用文献」という。)は、次の事項が図面とともに記載されている。
(1)「【従来の問題点】病人,重度身体障害者,寝たきり老人,などの介護に際し人力による抱え作業では介護者の過労や腰痛症などの原因が多々ある。・・」(第2頁第1欄第8?10行)
(2)「・・ ベットから車椅子又簡易トイレ等への移動が容易になり患者も抱きかかえられる状態である為安心出来る装置である。」(第2頁第1欄第18行?同頁第2欄第2行)
上記(1)(2)の記載事項からみて、引用文献には、
A「病人、重度身体障害者、寝たきり老人などのベットからの移動を介護する装置。」
に関する発明が記載されていると認められる。

(3)【図-1】には、「10.アーム作動ハンドルが設けられる部材」に接続する「7.固定アーム」に固着され、片持状に水平に張り出したほぼ四角形状の面を有する「4.アンダーホルダー」が図示されている。
(4)【図-2】、【図-7】には、「10.アーム作動ハンドルが設けられる部材」、「7.固定アーム」、および、「4.アンダーホルダー」相互間の配置関係は変化なく図示されている。
上記(3)(4)の図示内容からみて、引用文献には、
B「アーム作動ハンドルが設けられる部材に固定された固定アームに固着され、片持状に水平に張り出したほぼ四角形状の面を有するアンダーホルダー。」
に関する発明が記載されていると認められる。

(5)「【請求項1】・・固定アームと作動アームにより人体を抱き抱える状態に出来る機構と・・をもつ介護装置。」(第2頁第1欄第2?6行)
(6)「【発明の効果】・・ 作動アームをハンドルを回転させ上側に上げ,・・」(第2頁第1欄第13?17行)
(7)「【図-2】アーム作動ハンドルを回転させ作動アームを起こした状態の斜面図である。」(第2頁第2欄第5?6行)
(8)各図面には、「8.作動アーム」は、「10.アーム作動ハンドルが設けられる部材」に、「7.固定アーム」の反対側に伸びるように取り付けられた状態に図示されており、【図-2】には、アーム作動ハンドル周りに円弧状の矢印が図示され、【図-2】、【図-7】には、作動アーム下方に円弧状の矢印が図示されている。
(9)【図-1】、【図-2】には、「2.ホルダーB」、「3.ホルダーC」を先端に有するアンダーホルダーの他端が「8.作動アーム」に片持ち状に接続される態様が図示されている。
上述のアーム作動ハンドルを回転させて、作動アームを起こす旨の記載と、これらの各円弧状の矢印とを併せみると、「8.作動アーム」は、「10.アーム作動ハンドルが設けられる部材」に取り付けられ、「10.アーム作動ハンドル」の回動により、ほぼ水平な軸周りに回転駆動されるものとして記載されているものと認められる。
上記の(5)ないし(9)の記載事項及び図示内容からみて、引用文献には、
C「作動アームは、アーム作動ハンドルが設けられる部材に、固定アームと反対の側に伸びるように取り付けられ、アーム作動ハンドルの回動により、ほぼ水平な軸周りに回転駆動されることにより、作動アームに設けられたアンダーホルダーが起伏し得る介護装置。」
に関する発明が記載されると認められる。

以上、A?Cを総合すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「アーム作動ハンドルが設けられる部材に固定された固定アームに固着され、片持状に水平に張り出し、ほぼ四角形状の面を有するアンダーホルダーと、
アーム作動ハンドルが設けられる部材のアンダーホルダーを有する固定アームと反対の側に、ほぼ水平な軸周りに回転駆動されるように支えられ、アーム作動ハンドルの回動によって起伏し得る作動アームに設けられたアンダーホルダーを有する病人,重度身体障害者、寝たきり老人などのベットからの移動を介護する介護装置。」

3.対比判断
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「アーム作動ハンドルが設けられる部材」と「固定アーム」とは、その機能及び配置からみて、本願発明の「筐体部(31)」に相当し、引用発明の「固定アームに固着されたアンダーホルダー」は、介助を受ける者に対する機能、形状、及び、配置関係からみて、本願発明の「第1のプラットフォーム(41)」に相当する。
また、引用発明の「作動アームに設けられたアンダーホルダー」は、駆動力により回転駆動されることにより起伏するものであり、その機能及び配置からみて、本願発明の「第2のプラットフォーム(51)」に相当する。
更に、引用発明が対象とする病人、重度身体障害者、寝たきり老人などは、本願発明の「身体不自由者」に含まれるので、引用発明の「介護装置」は、それら対象者を、ベッドからの起床、離床を介助する機能からみて、本願発明の「介助機」に相当する。
したがって、両者は、本願発明の文言を用いて表現すると、
「筐体部に固着され、片持状に水平に張出し、ほぼ四角形状の面を有する第1のプラットフォームと、前記筐体部から水平な軸周りに回転駆動されることにより、起伏し得る第2のプラットフォームを有する身体不自由者のベッドからの起床・離床を介助するための介助機。」
である点で一致し、次の点で相違している。
<相違点1>
第2のプラットホームの配置に関し、本願発明は、第1のプラットフォームに隣接しているのに対して、引用発明は、第1のプラットフォームに接していない点。
<相違点2>
第2のプラットフォームの駆動機構に関し、本願発明は、片持の駆動軸(52)によって支えられ、駆動軸(52)の回転駆動によって起伏し得るものであるのに対して、引用発明は、ほぼ水平の軸周りに回転駆動され起伏するものの、駆動軸の回転駆動によるものであるか否か明らかでない点。

上記相違点について以下に検討する。
(1)相違点1について
被介助者の臀部を支える座面の部材と背もたれの部材とが相対回動する介助を行う装置において、これら2部材を隣接して配置することは、従来周知の技術であるから(例えば、特開平6-339499号公報、特開平5-31141号公報参照)、本願発明の相違点1に係る発明特定事項は、引用発明及び上記周知の技術から当業者が容易になし得たことである。

(2)相違点2について
引用発明においても、「8.作動アーム」が回動する駆動力は、「10.アーム作動ハンドル」の回動により発生し、「8.作動アーム」は、「10.アーム作動ハンドル」の回転軸とほぼ平行である水平な軸周りに回転している。このように回転力を回転運動として伝達するにあたり、駆動力を伝える軸を用いることは、特段の例示を待つまでもなく周知の技術であり、しかも、引用発明の作動アームに駆動軸を設けることを排除する特段の事項は認められない。
また、引用発明の「8.作動アーム」及び「8.作動アームに設けられたアンダーホルダー」は、「10.アーム作動ハンドルが設けられる部材」及び「7.固定アーム」に対して、その一方側にのみ設けられているので、その支持形態は片持ち形式が通常の支持形態と認められる。
したがって、上記相違点2は、当業者が駆動機構を設計するに当たり、周知の技術を採用して適宜なし得た設計的事項にすぎない。

そして、本願発明が奏する効果は、引用発明及び周知技術から予測される以上の格別のものとは認められない。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-10-22 
結審通知日 2007-10-30 
審決日 2007-11-12 
出願番号 特願平9-260785
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 洋昭  
特許庁審判長 阿部 寛
特許庁審判官 北村 英隆
仲村 靖
発明の名称 介助機  
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