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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1216793
審判番号 不服2008-31518  
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-12-11 
確定日 2010-05-13 
事件の表示 特願2002-318227「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成16年5月27日出願公開、特開2004-147965〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第一.手続の経緯
本願は、平成14年10月31日の出願であって、拒絶理由通知に対応して平成20年10月8日に手続補正書が提出され、その後なされた拒絶査定に対し、平成20年12月11日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同月12日に手続補正がなされたものである。
また、当審において、平成21年10月2日付けで審査官による前置報告書の内容を添付して審尋を行い、請求人から平成21年11月27日に回答書が提出されている。

第二.平成20年12月12日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年12月12日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により補正された補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)は次のとおりである。
「 入賞を契機とする抽選に基づいて、複数の図柄変動領域における図柄の変動表示を含む抽選結果の演出表示を行う遊技機であって、
前記複数の図柄表示領域のそれぞれにおいて、外周面に複数の前記図柄が配置されたドラムを備え、該ドラムを回転させることによって前記図柄の変動表示を行い、
前記複数の図柄変動領域の少なくともいずれかを、実際に停止表示された図柄に関わらず、任意の図柄が停止表示されたものとして取り扱うように演出表示する特定領域とするか否かの抽選を行う特定領域抽選手段と、
前記入賞を契機とする抽選の結果が前記複数の図柄変動領域に確定的に表示される以前に、前記特定領域抽選手段による抽選の結果、前記特定領域とすることが決定された図柄変動領域について、該図柄変動領域が前記特定領域とされたことをバックライトにより報知する報知演出表示を行う特定領域演出手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。」
(下線部は補正によって追加された箇所。)

2.補正要件(目的)の検討
請求項1についての補正は、発明を特定するために必要な事項である「変動表示」及び「報知」について、各々「前記複数の図柄表示領域のそれぞれにおいて、外周面に複数の前記図柄が配置されたドラムを備え、該ドラムを回転させることによって前記図柄の変動表示を行い、」及び「バックライトにより」を付加する補正である。
してみると、前記各補正は、補正前の各発明特定事項を限定する補正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に相当する。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に該当する。

3.補正要件(独立特許要件:特許法第29条第2項)の検討
(1)引用刊行物記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、特開2000-135333号公報(以下「引用文献」という。)には、以下の事項が記載されている。

【0015】ここで、特別図柄可変表示装置4は、カラーで特図の静止画および変動画が表示可能な、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、CRTであってもよい。この特別図柄可変表示装置4に表示される画像表示情報(特図)としては、例えばリールという回転ドラム上に数字および区切りマークからなる識別情報を表示してもよいし、あるいはその他の図柄を表示してパチンコゲームを行うようにしてもよい。・・・
【0026】C.遊技の概要
次に、遊技制御装置100の制御フローを説明する前に、本実施の形態の遊技機で行われる遊技の概要について説明する。ガイドレール2を介して遊技領域中に打込まれた遊技球が、特別図柄始動口を兼ねた普通変動入賞装置6に入賞すると、特別図柄可変表示装置4の変動表示部4aの複数の領域において多数の識別図柄(数字、文字、記号、図柄等よりなるもの)が移動(スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、変動表示ゲーム(画像変動遊技)が行われる。そして、この変動表示ゲーム結果としての停止表示態様が所定の態様(例えば、「7、7、7」などのゾロ目の特定表示結果)であれば、大当りと呼ばれる特別遊技状態が発生する。
【0040】(c)特図始動スイッチ入力監視処理
図5は上述の各スイッチ入力監視処理における特図始動スイッチ入力監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS31で特図始動スイッチ21に入力があるか(始動入賞があるか)否かを判別し、入力がなければリターンする。始動入賞とは、普通変動入賞装置6への入賞をいう。ただし、全ての始動入賞が特図の変動を開始できるような有効な状態になるものではない(4個の上限がある)。始動入賞があると、ステップS32に進んで始動記憶を「+1」だけ更新(インクリメント)する。・・・
【0041】始動記憶が「4」のときは、新たに始動入賞があっても特図の変動を開始できるような有効な状態になるものではなく、今回のルーチンを終了してリターンする。一方、始動記憶が「4」でなければ、ステップS34に進んで特別遊技状態判定用乱数(すなわち、大当り乱数)を抽出し、記憶数に対応した乱数格納領域に格納する。これにより、いわゆる入賞フェッチによって大当り乱数の抽出が行われて格納される。乱数格納領域に格納された特別遊技状態判定用乱数は特図ゲーム処理で大当りか否かが判定されることになる。次いで、ステップS35で所定表示態様決定用乱数(すなわち、特図の図柄を決定するための乱数)を抽出し、記憶数に対応した乱数格納領域に格納する。これにより、入賞フェッチによって特図停止図柄を決めるための乱数抽出が行われ、乱数格納領域に格納された所定表示態様決定用乱数に基づいて特図ゲーム処理で特図の停止図柄が決定されることになる。
【0043】次いで、ステップS38で図柄変換遊技決定用乱数(すなわち、オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数)、および変換図柄決定用乱数(どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数)、を抽出し、記憶数に対応した乱数格納領域に格納する。これにより、入賞フェッチによってオールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数抽出が行われとともに、どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数抽出が行われ、乱数格納領域に格納された各乱数に基づいて特図ゲーム処理でオールマイティー図柄を出現させるか否か等の処理が行われることになる。ステップS38を経ると、各スイッチ入力監視処理にリターンする。
【0065】なお、上記は図柄変動時に3桁何れかの列の図柄がオールマイティー図柄に変化する可能性を持たせた場合の演出の利点であり、例えばリーチ時に第3停止図柄の図柄のみがオールマイティー図柄に変化する場合の演出の利点は、前述したように大当たり図柄が増加し、大当たりへの期待感が増加するという演出になる。次に、オールマイティー図柄の決定方法については、本実施の形態の場合、以下のようになる。
(a)図柄変動時にオールマイティー図柄が付加される列にキャラクタ(例えば、スターマーク)が出現する。このようにすると、どの列にオールマイティー図柄が含まれるかが明確になり、遊技者に分かりやすいという利点がある。・・・
【0066】このように本実施の形態では、あらかじめ定められて配列されている通常図柄に対して特定条件が成立(図柄変換遊技決定用乱数を抽出してオールマイティー図柄に変化させることが決定のとき)した場合に、可変表示するいずれかの通常図柄(識別情報)にスターマーク(所定識別情報)というキャラクタを付加してオールマイティー図柄(特別識別情報)へと変換し、変換したオールマイティー図柄で停止することでリーチや大当遊技ゲームが進行する。・・・

摘記した上記の記載や図面等によれば、引用文献には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「 遊技球が普通変動入賞装置6に入賞すると、特別遊技状態判定用乱数を抽出し、大当りか否かが判定され、特別図柄可変表示装置4の変動表示部4aの複数の領域において多数の識別図柄が移動する表示が行われて、変動表示ゲームが行われ、この変動表示ゲーム結果としての停止表示態様が所定の態様であれば、大当りと呼ばれる特別遊技状態が発生する遊技機であって、
前記特別図柄可変表示装置4は、特図の静止画および変動画が表示可能な液晶ディスプレイであり、該特別図柄可変表示装置4に表示される画像表示情報は、回転ドラム上に数字および区切りマークからなる識別情報を表示したものであり、
オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数抽出が行われるとともに、どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数抽出が行われ、
通常図柄に対してオールマイティー図柄に変化させることが決定した場合、図柄変動時にオールマイティー図柄が付加される列にキャラクタが出現する遊技機。」

(2)引用発明と本願補正発明との対比
引用発明の「特別図柄可変表示装置4の変動表示部4aの複数の領域」は、本願補正発明の「複数の図柄変動領域」に相当する。
さらに、引用文献の記載等からみて、以下のことが言える。

a.引用発明において「遊技球が普通変動入賞装置6に入賞すると、特別遊技状態判定用乱数を抽出し、大当りか否かが判定され」ることは、本願補正発明において「入賞を契機とする抽選」が行われることに相当する。
また、引用発明においては「特別図柄可変表示装置4の変動表示部4aの複数の領域において多数の識別図柄が移動する表示が行われ、この変動表示ゲーム結果としての停止表示態様が所定の態様であれば、大当りと呼ばれる特別遊技状態が発生する」が、その移動する表示や停止表示態様が、大当りか否かが判定された結果に左右されることは当然であるから、引用発明は、本願補正発明における「複数の図柄変動領域における図柄の変動表示を含む抽選結果の演出表示を行う」に相当する機能を有している。
よって、引用発明の遊技機は、本願補正発明の「入賞を契機とする抽選に基づいて、複数の図柄変動領域における図柄の変動表示を含む抽選結果の演出表示を行う遊技機」に相当するものといえる。

b.引用発明の「特別図柄可変表示装置4」には、本願補正発明の「複数の図柄変動領域」に相当する「変動表示部4aの複数の領域」があり、「特図の静止画および変動画が表示可能」であって、その「特図」は本願補正発明の「図柄」に相当するものであるから、引用発明と本願補正発明は「複数の図柄表示領域のそれぞれにおいて、図柄の変動表示を行」うものである点で共通している。

c.摘記した段落【0065】に「図柄変動時に3桁何れかの列の図柄がオールマイティー図柄に変化する可能性を持たせた場合の演出」と記載されていることから、引用発明は「変動表示部4aの複数の領域」の少なくともいずれかに「オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定する」ものであるといえる。
また、引用発明において「オールマイティー図柄を出現させる」ことは、本願補正発明において「実際に停止表示された図柄に関わらず、任意の図柄が停止表示されたものとして取り扱うように演出表示する」ことに相当する。
さらに、引用発明においては「オールマイティー図柄が付加される列にキャラクタが出現」しており、オールマイティー図柄が付加される部分は、図16bや図18に示されるように各列に1箇所しかないから、キャラクタが出現した列に停止した図柄は、必ずオールマイティー図柄となるといえる。そうしてみると、そのキャラクタが出現した列に停止した図柄には、必ずオールマイティー図柄が付加されるから、「オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数抽出」及び「どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数抽出」は、実質的に「変動表示部4aの複数の領域」の少なくともいずれかを、オールマイティー図柄が出現する領域(本願補正発明の「特定領域」に相当)とするか否かの抽選を行うことに等しいといえる。
よって、引用発明は、本願補正発明の「複数の図柄変動領域の少なくともいずれかを、実際に停止表示された図柄に関わらず、任意の図柄が停止表示されたものとして取り扱うように演出表示する特定領域とするか否かの抽選を行う特定領域抽選手段」に相当する手段を備えたものであるといえる。

d.上記c.で述べたように、引用発明における「オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数抽出」及び「どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数抽出」は、実質的に「変動表示部4aの複数の領域」の少なくともいずれかを、オールマイティー図柄が出現する領域(本願補正発明の「特定領域」に相当)とするか否かの抽選を行うことといえるから、引用発明の「オールマイティー図柄が付加される列」は、本願補正発明の「特定領域抽選手段による抽選の結果、前記特定領域とすることが決定された図柄変動領域」に相当する。
そして、引用発明の「図柄変動時」が、本願補正発明の「前記入賞を契機とする抽選の結果が前記複数の図柄変動領域に確定的に表示される以前」に相当することは明らかであり、さらに、引用発明において「キャラクタが出現」することと、本願補正発明において「特定領域とされたことをバックライトにより報知する報知演出表示を行う」ことは、“特定領域とされたことを報知する報知演出表示を行う”点で共通する。
よって、引用発明と本願補正発明は“入賞を契機とする抽選の結果が複数の図柄変動領域に確定的に表示される以前に、特定領域抽選手段による抽選の結果、特定領域とすることが決定された図柄変動領域について、該図柄変動領域が前記特定領域とされたことを報知する報知演出表示を行う特定領域演出手段”を備える点で共通している。

以上を総合すると、両者は、
「 入賞を契機とする抽選に基づいて、複数の図柄変動領域における図柄の変動表示を含む抽選結果の演出表示を行う遊技機であって、
前記複数の図柄表示領域のそれぞれにおいて、前記図柄の変動表示を行い、
前記複数の図柄変動領域の少なくともいずれかを、実際に停止表示された図柄に関わらず、任意の図柄が停止表示されたものとして取り扱うように演出表示する特定領域とするか否かの抽選を行う特定領域抽選手段と、
前記入賞を契機とする抽選の結果が前記複数の図柄変動領域に確定的に表示される以前に、前記特定領域抽選手段による抽選の結果、前記特定領域とすることが決定された図柄変動領域について、該図柄変動領域が前記特定領域とされたことを報知する報知演出表示を行う特定領域演出手段と、
を備える遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]本願補正発明は「外周面に複数の前記図柄が配置されたドラムを備え、該ドラムを回転させることによって前記図柄の変動表示を行」うのに対し、引用発明は「液晶ディスプレイ」である「特別図柄可変表示装置4」に「回転ドラム上に数字および区切りマークからなる識別情報を表示したもの」である画像表示情報を表示する点。
[相違点2]“特定領域とされたことを報知する報知演出表示”に関して、本願補正発明は「バックライトにより」行うものであるのに対し、引用発明は「キャラクタが出現する」ことにより行うものである点。

(3)相違点の検討及び判断
[相違点1及び2について]
遊技機における図柄を変動表示した後停止表示する手段として回転ドラムを用いること、及び当該回転ドラムによる場合の遊技状態報知手段としてバックライトを用いることは、例えば、特開10-57558号公報に、リーチ状態、大当り状態及び当りラインをLED65a?cにより報知する点が記載され(特に、段落【0036】参照)、特開2001-112981号公報に、大当たり可能性が有る有効ラインをバックライト24で報知する点(特に、【0039】?【0042】参照)が記載されるように、遊技機の分野において従来周知の技術(以下「周知技術」という。)である。
そして、引用発明の「特別図柄可変表示装置4」は、液晶ディスプレイではあるものの、その画像表示情報は、回転ドラム上に数字および区切りマークからなる識別情報を表示したものであることを考慮すると、引用発明の「特別図柄可変表示装置4」を、液晶ディスプレイに代えて回転ドラムとし、その変更により対処すべき事項として生じる変動表示部におけるオールマイティー図柄が付加される列を知らせる機能を、遊技状態の報知手段として周知技術であるバックライトを用いて達成することは、遊技機の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に想到できることである。

(4)まとめ
以上のように相違点1及び2は、いずれも当業者が容易に想到し得るものであり、本願補正発明の作用効果も、引用発明及び周知技術に基いて当業者が予測できる範囲のものである。
よって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
したがって、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第三.本願発明について
1.本願発明
平成20年12月12日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成20年10月8日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「 入賞を契機とする抽選に基づいて、複数の図柄変動領域における図柄の変動表示を含む抽選結果の演出表示を行う遊技機であって、
前記複数の図柄変動領域の少なくともいずれかを、実際に停止表示された図柄に関わらず、任意の図柄が停止表示されたものとして取り扱うように演出表示する特定領域とするか否かの抽選を行う特定領域抽選手段と、
前記入賞を契機とする抽選の結果が前記複数の図柄変動領域に確定的に表示される以前に、前記特定領域抽選手段による抽選の結果、前記特定領域とすることが決定された図柄変動領域について、該図柄変動領域が前記特定領域とされたことを報知する報知演出表示を行う特定領域演出手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。」

2.特許法第29条第1項第3号の検討
(1)引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献及びその記載事項は、前記「第二.3.(1)」に記載したとおりである。

(2)引用発明と本願発明との対比
本願発明は、前記「第二」で検討した本願補正発明から、「変動表示」及び「報知」について、各々その限定事項である「前記複数の図柄表示領域のそれぞれにおいて、外周面に複数の前記図柄が配置されたドラムを備え、該ドラムを回転させることによって前記図柄の変動表示を行い、」及び「バックライトにより」との構成を単に省いたものといえる。
そこで、引用発明と本願発明との「相違点」について検討するに、前記「第二」で検討した本願補正発明における相違点(3.(2)の[相違点1]及び[相違点2])が前記「変動表示」及び「報知」の限定事項に関するもののみであることから、当該限定事項が省かれた本願発明と引用発明とは相違点がないこととなる。

(3)まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。

第四.むすび
本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項(請求項2?4)について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-03-11 
結審通知日 2010-03-16 
審決日 2010-03-30 
出願番号 特願2002-318227(P2002-318227)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 113- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小河 俊弥  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 河本 明彦
吉村 尚
発明の名称 遊技機  
代理人 崔 秀▲てつ▼  
代理人 内藤 嘉昭  
代理人 森 哲也  

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