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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  H04N
審判 全部無効 1項3号刊行物記載  H04N
審判 全部無効 特許請求の範囲の実質的変更  H04N
審判 全部無効 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 全部無効 特36 条4項詳細な説明の記載不備  H04N
審判 全部無効 産業上利用性  H04N
審判 全部無効 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降)  H04N
管理番号 1223208
審判番号 無効2009-800066  
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-03-30 
確定日 2010-08-09 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4083525号発明「電子テレビプログラムガイド」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
1.本件特許の経緯
出願 平成14年 9月25日
(特願2002-279969
分割の原出願 特願平7-530243号
原出願の出願日 平成 6年 5月20日 )
手続補正(特許請求の範囲) 平成14年10月24日
手続補正(図面の書類様式) 平成15年 4月 3日
手続補正(特許請求の範囲) 平成16年12月28日
手続補正(特許請求の範囲) 平成18年 4月 4日
手続補正(特許請求の範囲) 平成19年11月12日
設定登録 平成20年 2月22日
(特許4083525号
請求項数 7
権利者 ニューズ・アメリカ・パブリケーションズ・インク
権利者 テレコミュニケーションズ・オブ・コロラド・インク )

2.本件審判の経緯
無効審判請求書(請求人) 平成21年 3月27日付け
(平成21年 3月30日差出
審判請求日 平成21年 3月30日 )
手続補正書(請求人) 平成21年 6月 1日付け
(審判請求書の補正)
答弁書(被請求人) 平成21年 7月24日付け
訂正請求書(被請求人) 平成21年 7月24日付け
手続補正書(被請求人) 平成21年 8月11日付け
(答弁書の補正)
手続補正書(被請求人) 平成21年 8月11日付け
(訂正請求書の補正)
弁駁書(請求人) 平成21年10月 2日付け
上申書(被請求人) 平成21年10月23日付け
上申書(請求人) 平成21年12月28日付け
口頭審理(特許庁審判廷) 平成22年 3月17日
口頭審理陳述要領書(請求人) 平成22年 3月17日付け
口頭審理陳述要領書(被請求人) 平成22年 3月17日付け

第2 請求及び主張の概要
1.請求人
(1)請求の趣旨
特許4083525号の特許請求の範囲の請求項1?7に記載された発明についての特許を無効とする
審判費用は被請求人の負担とする
との審決を求める。

(2)無効理由
ア.請求項1に係る発明に対する無効理由
(ア)無効理由1(36条4項)
(無効審判請求書7頁9行?13行 (3)○1ア)
(なお、「○1」の表記は記号「○」中に数字「1」がある記号を示す(他の数字についても同じ)。情報処理装置の文字処理能力の事情により、以下、このように表記する。)
発明の詳細な説明にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易にその実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果を記載されておらず、同法第36条第4項に違反しており、同法第123条第1項第4号により無効にすべきである(無効理由1)。

(無効審判請求書9頁24行?10頁21行 (4-1-1))
本件特許発明1の作用効果の記載がない
【0029】(略)
「お好みリスト」がどのように作用するのかに関する記載がなく、仮に上述の「任意の選択されたチャンネル」がこれにあたるとしても、そのことによりどのような効果が生ずるのか記載がない。
(手続補正書(審判請求書)2頁2行?14行 1)
これは本件特許明細書には、本件特許発明1の目的、構成及び効果が記載されていないことを根拠付けるものである。
ア すなわち本件特許明細書では段落【0016】?【0029】に発明の目的が列挙されているが、本件特許発明1、すなわち「お好みリスト」を用いたシステムの目的に対応する記載がない。
イ また本件特許明細書の段落【0115】?【0128】では、お好みリストをユーザーがどのように操作するかという機能面についての記載があるが、これをどのように実現するのかに関する処理の手順を示されておらず、構成が記載されているともいえない。
ウ さらに本件特許明細書には、発明の効果にあたる項目もなく、効果については全く記載されていないに等しい。

(無効審判請求書10頁22行?16頁6行 (4-1-2))
処理の手順が記載されていない
【0052】(略)
【0115】ないし【0122】(略)
【図7】【図8】(略)
【0129】ないし【0134】(略)
【図37】(略)
お好みチャンネルが画面上でどのように選択されるのかについては記載があるが、マイクロコントローラ16が実現する処理手順との関係が記載されていない。フローチャートについては図36A?Dに一応の記載があるが、これらフローチャートにおいてお好みチャンネルがどのように実現されるのかが全く記載されていない。
したがって、当業者が容易にその実施をすることができる程度の記載があるとはいえない。
(手続補正書(審判請求書)2頁15行?3頁27行 2)
請求項中の発明を特定するための事項に対応する技術的手段が発明の詳細な説明中に単に抽象的、機能的に記載してあるだけで、それを具現化すべき装置、工程などが不明瞭であり、しかもそれが出願時の技術常識に基づいても当業者が理解できないため、当業者が請求項に係る発明の実施をすることができない
【0117】(略)
構成要件Hを当業者が実施するためには、「チャンネル選択」リスト(お好みリストに相当すると思われる)の1つを用いてテレビ受信器における複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御するための技術が示されなければならず、そのことにより「ユーザー制御手段からのチャンネル制御コマンドに応じてユーザーにより決定された1つのお好みリストに従ってテレビチャンネルに同調する」機能が得られることが開示されていなければならないはずである。
しかしながら、本件特許明細書には段落【0117】にも認められるように、単にユーザー側からみた操作方法だけが抽象的に記載されているだけであり、マイクロコントローラ1が具体的にどのような処理を実現するのかに関しては全く記載がない。
一般的にマイクロコントローラ1の処理手順についてはフローチャートを示して説明するのが通常であるといえるが、この点に関しては【図36D】に「お好みチャンネル(設定下)」とのブロックがあるだけで、これに対応する説明は全くない。これでは当業者が実現できるに足りるだけの技術開示があったとはいえない。
したがって、本件特許発明1については、具現化すべき装置、工程などが不明瞭であり、しかもそれが出願時の技術常識に基づいても当業者が理解できない

(イ)無効理由2(36条5項1号)
(無効審判請求書7頁14行?16行 (3)○1イ)
特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものではなく、同法第36条第5項第1号に違反しており、同法第123条第1項第4号により無効にすべきである(無効理由2)。

(無効審判請求書16頁8行?17頁1行 (4-2-1))
構成要件Hについて
構成要件Hは(略)文言上どのように「ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」のかについて何らの限定もない。
【0117】(略)
発明の詳細な説明には「テレビ受信器の同調及びスケジュール情報の表示を、機能された視聴者選択リストに選定されたチヤンネルのみに制限する」という実施形態しか開示されておらず、構成要件Hの構成がサポートされているとはいえない。
(手続補正書(審判請求書)3頁28行?4頁12行 3)
構成要件Hは、(略)「お好みリストに従って」どのように処理するのか、また「チャンネル制御コマンドに応じて」どのように処理するのかという点が全く特定されておらず、特許請求の範囲が極めて広汎なものとなっている。
これに対して、発明の詳細な説明では、「テレビ受信器の同調及びスケジュール情報の表示を、視聴者選択リストに選択されたチャンネルのみに制限する」(段落【0117】)実施態様しか開示されておらず、請求項1に係る発明がサポートされていないことは明らかである。
これは、出願時の技術常識に照らしても、請求項に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない場合にあたる。
すなわち、「お好みリストに従って」「同調」する実施態様は無限の数があるところ、発明の詳細な説明には、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。

(無効審判請求書17頁2行?8行 (4-2-2))
用語の不統一
請求項及び発明の詳細な説明に記載された用語が不統一であり、その結果両者の関係が不明瞭である。
例えば、請求項1記載の「制御コマンド」、「お好みリスト」は、語句だけでは何を意味しているのか当業者にとって全く不明であるにもかかわらず、発明の詳細な説明に語句の説明がなく、また同一の内容が異なる語句で用いられているため、対応関係を特定することができない。
(手続補正書(審判請求書)4頁13行?5頁12行 4)
請求項及び発明の詳細な説明に記載された用語が不統一であり、その結果、両者の対応関係が不明瞭となる場合にあたる。
例えば、請求項1の「制御コマンド」については、出願時の技術常識に照らしてもその内容が明確ではないにもかかわらず、発明の詳細な説明にはこれを定義するような説明はなされていない。
この点、発明の詳細な説明では、段落【0038】に「制御コマンド」の用語が用いられているが、これが請求項1にいう「制御コマンド」を意味しているのかわからない。
さらに「制御コマンド」については、構成要件Fでも「各お好みリストを決定する制御コマンド」という用語が出てくるが、この「各お好みリストを決定する制御コマンド」が発明の詳細な説明のどの用語に対応しているのか全くわからない。
また「お好みリスト」についても、出願時の技術常識に照らしてもその内容が明確ではないにもかかわらず、発明の詳細な説明にはこれを定義するような説明はなされていない。そして、発明の詳細な説明では、『「チャンネル優先選択」または「お好みチャンネル」リスト』(段落【0052】)、『優先チャンネル即ち「お好みチャンネル」リスト』(【0115】)、『チャンネル選択」リスト』(【0117】)、『チャンネルの優先特定リスト』(【0117】)、『優先チャンネルリスト』(【0117】)、『視聴者選択リスト』(【0117】)、『チヤンネル選択リスト』(【0118】)など様々な表現が出てきており、これらが請求項1にいう「お好みリスト」と同じものなのか否か、違うとすればどこまでが「お好みチャンネル」を意味しているのかが不明である。
この「お好みリスト」は本件特許発明1でいえば、いわば発明の核心部分であるはずであり、この部分についての用語が不統一であることは、本件特許発明1が発明の詳細な説明において、どこの部分で開示されているのかが特定できないことを意味する。
さらに「制御コマンド」や「お好みリスト」は例示としてあげたものであり、他にも「チャンネル制御コマンド」や「同調のシーケンス」といった用語について同様の問題がある。
したがって、請求項及び発明の詳細な説明に記載された用語が不統一であり、その結果、両者の対応関係が不明瞭である。

(ウ)無効理由3(36条5項2号)
(無効審判請求書7頁17行?20行 (3)○1ウ)
特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載した項(請求項)に区分してあるものではなく、同法第36条第5項第2号に違反しており、同法第123条第1項第4号により無効にすべきである(無効理由3)。

(無効審判請求書17頁10行?18頁3行 (4-3-1))
構成要件Bについて
構成要件B「チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段」については、「チャンネル制御コマンド」及び「制御コマンド」の意味が不明であり、どのような内容のコマンドをどのように生成するのか全くわからない。
【0038】(略)
かかる記載(【0038】)からは、「チャンネル制御コマンド」及び「制御コマンド」が何を指しているのかは全く知ることができない。
さらに構成要件Bについては、本件特許発明1においてどのような機能を果たすのか不明であり、選択手段との関係もわからない。すなわちユーザー制御手段が発生する「制御コマンド」は、データ処理手段が受取る構成となっているが、この「制御コマンド」がどのように機能するのか不明である。
またさらに、構成要件Fの「お好みリストを決定する制御コマンド」が、構成要件Bにいう「制御コマンド」と同じものなのか否かが不明である。
(手続補正書(審判請求書)5頁13行?21行 5)
構成要件H(略)とされるが、ここではお好みリストに含まれるテレビチャンネルのみが表示されれば足りるはずであり、ユーザー制御手段が本発明の構成に欠くことができないものではない。

(無効審判請求書18頁4行?10行 (4-3-2))
構成要件Cについて
「ビデオ制御コマンド」の意味が不明であり、どのような内容をどのように生成するのか全くわからない。
(手続補正書(審判請求書)5頁22行?6頁6行 6)
構成要件Cは、「前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段」を内容とするが、ここでいう「制御コマンド」や「ビデオ制御コマンド」の内容が不明である上、構成要件Hでは、「データ処理手段」が実行する処理の内容が「前記お好みリストの1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からのチャンネル制御コマンドに応じて前記ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」としており、この「データ処理手段」がどのような内容の「ビデオ制御コマンド」を発生させるのか、それと「テレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御する」ことがどのように関係しているのか全くわからない。
さらに構成要件Hについていえば、「前記ユーザーにより決定された1つのお好みリスト」との記載があるが、構成要件Fでは「複数のお好みリストをユーザーに決定させ」るのであり、複数のお好みリストから1つのお好みリストに限定されるべき必須の過程について記載されていない。

(無効審判請求書18頁11行?19行 (4-3-3))
構成要件Eについて
構成要件Eに関しては、「ユーザーに前記複数のチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段」が、制御コマンドを発生させるユーザー制御手段とどのように関係するのか不明である。選択手段が存在すればユーザー制御手段は不要であるとも考えられるし、そもそもその制御しようとする内容が不明である。
(手続補正書(審判請求書)6頁7行?14行 7)
構成要件Eは「ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段であって、前記データ処理手段が、前記選択手段に応答して前記テレビ受信器を同調し、且つ前記テレビ受信器をユーザーにより選択されたテレビチャンネルに同調するところの選択手段」を内容とするものであるが、この選択手段は、構成要件F,G及びHでは引用されていない。

(エ)無効理由4(29条柱書き)
(無効審判請求書7頁22行?25行 (3)○2ア)
人間の精神活動に基いて行われる処理を構成要素として含んでおり特許法上の「発明」にあたるものではないから、同法第29条第1項柱書に違反するものであり、同法第123条第1項第2号により無効とすべきである(無効理由4)

(無効審判請求書18頁21行?24行 (4-4-1))
構成要件Eについて
複数のチャンネルの何れか一つを選択する主体はあくまでユーザーであり、発明を構成する要素に人の精神活動を含んでいることから、特許法上の発明にはあたらない。

(無効審判請求書18頁25行?19頁末行 (4-4-2))
構成要件Hについて
構成要件Hは、「前記データ処理手段が、前記お好みリストの1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御する」ことを構成に含むが、ここにいう「前記お好みリスト」は、構成要件Fにも記載されるように「複数のお好みリストをユーザに決定させる」ものである、すなわち複数のお好みリストが存在しており、その複数のお好みリストから1つを選択しなければならないが、その選択の主体はユーザである。この点に関し特許明細書には以下の記載ある。
【0052】(略)
【図4】 (略)
すなわち図4が示すとおりお好みチャンネルキー48A、48B及び48Cはユーザにより選択されるものである。
これに対して構成要件H「前記データ処理手段が、前記お好みリストの1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより」としており、明らかに人間の精神活動を含んだ構成を有している。
なお構成要件H「前記ユーザー制御手段からのチャンネル制御コマンドに応じて前記ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」と記載されているが、構成要件Fでは、「複数のお好みリストをユーザーに決定させ」と規定しており、1つのお好みリストが決定されるなどとはどこにも書かれていない。
したがって、構成要件Hは、人間の精神活動に基いて行われる処理を構成要素として含んでおり特許法上の発明にあたるものではない。

(オ)無効理由5(29条2項)
(無効審判請求書7頁26行?30行 (3)○2イ)
特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその特許出願前に国内又は外国において、頒布された刊行物を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、同法第29条第2項に違反しており、同法第123条第1項第2号により無効にすべきである(無効理由5)。
(無効審判請求書20頁1行?33頁28行 (4-5))
甲第1号証に甲第2号証乃至甲第10号証を組み合わせることにより当業者が容易に想到することができたものであり、特許法第29条2項に違反する。
甲1【0002】?【0013】【図1】(略)
甲1【0014】?【0026】【図3】【図5】(略)
甲2(略)
甲3【0034】【0035】(略)
本件特許発明1については、甲第1号証に甲第2号証乃至甲第10号証を組み合わせることにより当業者が容易に想到することができたものであり、特許法第29条2項に違反する。

(上申書4頁20行?6頁16行)
甲1【0016】【図4】(略)
甲第1号証でも選択されたチャンネル(「お好みチャンネル」に相当する)は複数のチャンネルの順序を定義するリストは明確に開示されている。
甲第1号証記載の発明では、当然に複数のチャンネルの順序を定義しており、これに加えて数値キーとの対応関係も結びつけられているものである。

お好みチャンネルリストが視聴者の好みのテレビジョンチャンネルのリストを記憶するものであり(段落【0001】)、チャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーによりチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンコマンドが実行される技術は開示されているのだから(段落【0019】、図2など)、お好みチャンネルをチャンネルリストをアップキー又はダウンキーにより操作可能とする程度の技術は当業者にとって設計事項にすぎない。
甲1【図2】(略)

(口頭審理陳述要領書6頁4行?10頁23行 (2))
甲1【0005】【図4】(略)
甲1【0117】(略)
甲第1号証記載の技術では、「チャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能はチャンネル・アップ或いはチャンネル・ダウンキーを短い時間で離せば行われる」(甲第1号証【要約】【構成】)技術自体が開示されており、しかも前述の【図4】に示されるとおり、1?10に応じたお好みチャンネルが記憶されている(お好みチャンネルリストに相当する)のであるから、当業者であれば、お好みチャンネルリストに「チャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能」を組み合わせることは容易であり、この程度は設計事項にすぎない。

甲2(略)
関心のあるチャンネルに限定して一覧表示をして、カーソルの移動により番組の選択ができるのであるから、被請求人が本件特許明細書の段落【0121】で記載されているとした技術は甲第2号証にも開示されている

出願当時の技術水準を示す資料として提出した甲第13号証段落【0003】には、お好みチャンネルリストの操作に関してチャンネルアップ又はチャンネルダウンできることが明確に記載されており、この程度の技術は当業者にとって単なる設計事項であったことを示している。
甲13【0003】(略)
また同調することのできるチャンネルのリストを使用者が編集できることについても甲第13号証段落【0015】に以下の記載がある。
甲13【0015】(略)
このように当時の技術水準によれば、お好みチャンネルを編集する技術に
ついても周知の技術事項であったことがわかる。

(カ)無効理由6(分割違反に基づく29条)
(無効審判請求書7頁31行?8頁8行 (3)○2ウ)
本件特許発明1は、原出願を特願平7-530243とする分割出願であるが、その原出願の出願当初の明細書及び図面に記載された事項の範囲を超えてなされたものであるため、同法44条の要件を満たしていない。そのため本件特許発明1に出願日の遡及は認められず、現実の出願日である平成14年9月25日が出願日となる。
特表平10-501936号公報(原出願の公表公報、甲第11号証)(なお、無効審判請求書8頁3行「特開2003-189200号公報(原出願の公開公報、甲第11号証)」は誤記と認める。)記載の発明と実質的に同一であるため同法第29条第1項第3号違反となり、仮にそうでないとしても甲第11号証記載の発明を基にいわゆる当業者が容易に想到できたものであるから、同法第29条第2項違反となり、同法123条第1項第2号により無効にすべきである(無効理由6)。
(無効審判請求書33頁29行?34頁12行 (4-6))
甲第12号証は、本件特許明細書について甲第11号証と比較して新たに追加された事項につき請求人で下線を付したものであり、特許法第44条違反の証拠となるものである。
(手続補正書(審判請求書)6頁15行?末行 8)
構成要件Fとして(略)、分割直前の原出願の明細書又は図面を参照しても、「各お好みリストを決定する制御コマンド」に相当する記載は全くなく、新規事項に他ならない。
構成要件Hとして、(略)、「お好みリストの1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御する」こと、及び「ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」ことについては、分割直前の原出願の明細書又は図面に記載があるとはいえず、これも新規事項にあたる。

イ.請求項2に係る発明に対する無効理由
本件特許発明1を引用しているため、同様の無効理由があてはまる。
(無効審判請求書34頁18行?23行 (4-7-2))(36条5項2号)
構成要件Iは「請求項1のシステムにおいて、前記データ処理手段が、前記ユーザー制御手段の方向矢印キーの起動に応じて、選択された前記1つのお好みリストにおける同調のシーケンスを制御するシステム」であるが、このうち「前記ユーザー制御手段の方向矢印キーの起動に応じて」の意味が不明であり特許法第36条第5項第2号に違反する。

ウ.請求項3に係る発明に対する無効理由
本件特許発明1を引用しているため、同様の無効理由があてはまる。
(無効審判請求書34頁24行?28行 (4-7-3))(29条2項)
構成要件Jは「請求項1又は2のシステムにおいて、前記データ処理手段及び前記記憶手段が、セットトップボックスに含まれているシステム」であるがこの構成によっても特有の作用効果は得られるものでないことから、特許法第29条第2項に違反する。

エ.請求項4に係る発明に対する無効理由
本件特許発明1を引用しているため、同様の無効理由があてはまる。
(無効審判請求書34頁29行?35頁1行 (4-7-4))(29条2項)
構成要件Kは「請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、ケーブルテレビ信号を受信するように適合されているシステム」であるがこの構成によっても特有の作用効果は得られるものでないことから、特許法第29条第2項に違反する。

オ.請求項5に係る発明に対する無効理由
本件特許発明1を引用しているため、同様の無効理由があてはまる。
(無効審判請求書35頁2行?6行 (4-7-5))(29条2項)
構成要件Lは「請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、衛星テレビ信号を受信するように適合されているシステム」であるがこの構成によっても特有の作用効果は得られるものでないことから、特許法第29条第2項に違反する。

カ.請求項6に係る発明に対する無効理由
本件特許発明1を引用しているため、同様の無効理由があてはまる。
(無効審判請求書35頁7行?12行 (4-7-6))(36条5項2号)
構成要件Mは「請求項1のシステムにおいて、前記ユーザー制御手段のいずれかの対応キーの起動に応じて、前記少なくとも1つのお好みリストが選択されるシステム」であるがこのうち「ユーザー制御手段のいずれかの対応キーの起動に応じて」の意味が不明であり特許法第36条第5項第2号に違反する。

キ.請求項7に係る発明に対する無効理由
(無効審判請求書35頁13行?16行 (4-7-7))
構成要件Nは「請求項1乃至6の何れか一項に記載のシステムを用いて、テレビ受信器の同調を制御する方法」であるが、本件特許発明1と同様の無効理由があてはまる。

ク.訂正を否とする理由
(ア)訂正構成要件b(訂正事項1a)について(新規事項)
(弁駁書5頁17行?6頁22行 (4-1))
「制御コマンド」および「チャンネル制御コマンド」について、本件特許明細書中、○1両者が区別されること、及び○2両者のコマンドの意味についての記載は「リモートコントローラ40」についての技術内容は全く記載されていない。
この点被請求人は、「制御コマンド」は、リモートコントローラ40から発せられる指令に対応しており、「チャンネル制御コマンド」は、リモートコントローラ40上の方向矢印キー、数字キー、エンターキーなどを用いて発せられる指令に対応するという。
しかしながら、明細書の記載は、例えば、「リモートコントローラ40からチャンネル変更指令その他の指令」(段落【0057】)、「リモートコントローラ40からチャンネル変更指令」(段落【0058】)、「視聴者がブラウズ・モードに入るためにリモートコントローラ40から指令を発した後」(段落【0061】)、「もし視聴者がブラウズ・モードにある間にリモートコントローラ40上の上下方向矢印のいずれかを押す」(段落【0062】)、リモートコントローラ40のチャンネル上方向矢印キーを押すと、次のチャンネルについてのプログラムスケジュール情報が現れる(段落【0065】)、リモートコントローラ40上の上向きあるいは下向き矢印キーを使用して(段落【0069】)、「リモートコントローラ40上の左あるいは右向き矢印及びENTERキーを使用」(段落【0071】)などという記載があるだけであり、被請求人が指摘するように「制御コマンド」と「チャンネル制御コマンド」が区別されてはいない。
また、「チャンネル制御コマンド」が、リモートコントローラ40上の方向矢印キー、数字キー、エンターキーなどを用いて発せられる指令に対応するなどという記載はないし、これが「制御コマンド」とは異なるものであるという示唆もない。
したがって、かかる訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものとはいえず、特許法第134条の2第5項第126条第3項に違反する。

(口頭審理陳述要領書2頁2?28行 (1))
段落【0058】は、訂正構成要件bにいう「制御コマンド」に相当するものが何で、「チャンネル制御コマンド」に相当するものが何であるのか、全く不明であるし、このような区別が読み取れるものでもない。段落【0058】には「コマンド」という文言すら存在しないことからしても、訂正構成要件bの内容が段落【0058】に記載されていたとはいえない。

(イ)訂正構成要件e(訂正事項1b)について(拡張・変更)
(弁駁書6頁23行?7頁11行 (4-2))
被請求人の訂正構成要件bによれば、「前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである」ということであるが、そうであるとすれば、この「複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンド」に応答して、「ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる」とは、どのような制御内容を意味しているのか不明である。少なくとも複数のテレビチャンネルを制御するコマンドを受信しているとすれば、このコマンドとユーザによる選択とがどのような関係にあるのかが開示されていなければ、当業者に実現可能な程度に記載されているとはいえない。
したがって、かかる訂正は、「特許請求の範囲の減縮」及び「明りょうでない記載の釈明」のいずれにあたるものでもなく、むしろ特許請求の範囲を不明確にするものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであり、特許法第134条の2第5項第126条第4項に違反する。

(口頭審理陳述要領書2頁29行?3頁23行 (2))
本件特許【0130】(略)
「チャンネル制御コマンドに応答して」が、「選択手段がユーザーに複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させるのかを限定した」というものは、被請求人がこの要領書で初めて明らかにしたものであり、段落【0130】の記載からそのような限定した解釈が読み取れるものではない。段落【0130】は単に視聴者がどのようにリモートコントローラを用いて特定の映像チャンネルを選択するのかを説明したにすぎず、「チャンネル制御コマンドに応答して」に相当するような技術は何ら開示されていない。

(ウ)訂正構成要件f(訂正事項1c、1d)について(新規事項)
(弁駁書7頁12行?8頁21行 (4-3))
「お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義」との記載は本件特許明細書のどこにも記載がない。
(段落【0056】)視聴者が、テレビ受信器27に提供されるチャンネルの内容または順序を改めることができるとは記載されているが、お好みチャンネルリストが複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義するという記載はない。
(段落【0121】)選択リスト81(お好みチャンネルリストに相当すると思われる)が所定の順序で配置されることは記載されているが、お好みチャンネルリストが複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義するという記載はない。
したがって、かかる訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものとはいえず、特許法第134条の2第5項第126条第3項に違反する。

(口頭審理陳述要領書3頁24行?4頁19行 (3))
本件特許【0056】(略)
段落【0056】は、これがお好みチャンネルリスト(選択リスト81がこれに相当することを前提としても)に関する記載であるとは読み取れない。単にチャンネルの内容または順序を改めることができる旨が述べられているだけであり、その対象が、少なくとも何らかの「リスト」であるということすらも上記記載からは理解することはできない。
また、この点についての被請求人の説明は、「リスト」を構成する複数の項目が所定の順序を有していることを述べているにすぎず、「リスト」であれば当然有しているであろう一般的な性質を述べているにすぎない。
すなわち、「リスト」は、複数の事項(ここでは「チャンネル」)を並べて構成されるものであるという性質から、所定の順序が伴うことは、むしろ当然であり、このこと自体が何らかの意味を有するものではない。
訂正構成要件f「お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義」が単に、順序のある複数の項目であることのみを意味しているのであれば、それ自体何らの技術的な意味もない事項である。この点は進歩性の議論にも関係する。

(エ)訂正構成要件h(訂正事項1f、1g)について(新規事項)
(弁駁書8頁22行?9頁18行 (4-4))
段落【0121】には、暗黙シーケンスの再整理を選択できること、それは矢印キーを使用して可能であることが記載されているだけであり、「お好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調する」技術に関する記載は全くない。
したがって、かかる訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものとはいえず、特許法第134条の2第5項第126条第3項に違反する。

(口頭審理陳述要領書4頁20行?5頁12行 (4))
被請求人の説明は、本件特許明細書の内容について詳細に検討し、クレーム文言との対応関係を恣意的に解釈することによってなされるものにすぎない。このような詳細な説明が必要になること自体、明細書の記載が不十分であることの証左でもある。
本件特許明細書に接した、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であっても、披請求人の説明を補充して本件特許明細書を読み込まなければ、かかる解釈に至ることは不可能である。例えば、クレームとの用語の対応関係についても、「チャンネル上昇コマンド」、「チャンネル下降コマンド」、「お好みチャンネルリスト」、「お好みチャンネル」といった重要な文言について本件特許明細書の記載と対応が採れておらず、そのことだけを理由にしても、このような訂正が認められるものではない。

(3)証拠方法
甲第1号証 特開平6-90408号公報
甲第2号証 米国特許第4,706,121号明細書
(1987年11月10日)
甲第3号証 特開平6-133235号公報
甲第4号証 特開平2-119307号公報
甲第5号証 特開平3-214919号公報
甲第6号証 特開平4-162889号公報
甲第7号証 特開平4-180480号公報
甲第8号証 特開平3-243076号公報
甲第9号証 特開平5-183826号公報
甲第10号証 特開昭62-60370号公報
甲第11号証 特表平10-501936号公報(原出願の公表公報)
甲第12号証 本件特許明細書(請求人が下線を加え作成したもの)
甲第13号証 特開平6-12844号公報

2.被請求人
(1)答弁の趣旨
特許第4083525号に関する訂正請求による訂正を認める
訂正後の請求項1?7について特許第4083525号の特許を維持する
審判費用は請求人の負担とする
との審決を求める。

(2)訂正請求
〔請求項1の訂正事項〕
・訂正事項1a
「チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段」を
「チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段であって、前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである、ユーザー制御手段」に変更する。

・訂正事項1b
「ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段」を
「前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段」に変更する。

・訂正事項1c
「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みリストをユーザーに決定させ、各お好みリストを決定する制御コマンドを受取り、」を
「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り、」に変更する。

・訂正事項1d
「各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し、」を追加する。

・訂正事項1e
「前記お好みリストの各々を記憶する記憶手段」を
「前記複数のお好みチャンネルリストの各々を記憶する記憶手段」に変更する。

・訂正事項1f
「前記データ処理手段が、前記お好みリストの1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、」を
「前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、」に変更する。

・訂正事項1g
「前記ユーザー制御手段からのチャンネル制御コマンドに応じて前記ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」を
「前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調する」に変更する。

〔請求項2の訂正事項〕
・訂正事項2a
「お好みリスト」を
「お好みチャンネルリスト」に変更する。

〔請求項6の訂正事項〕
・訂正事項6a
「お好みリスト」を
「お好みチャンネルリスト」に変更する。

上記訂正事項により、特許請求の範囲は次のように訂正される。
なお、検討のため、分説して示す。

[訂正前]
【請求項1】
A:テレビ受信器と関連して用いられ、ユーザーが選択できる複数のテレビチャンネルの複数のプログラム源からの複数のテレビプログラムを表示するための電子テレビビデオプログラムガイドシステムであって、
B:チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段と、
C:前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段と、
D:前記データ処理手段から前記ビデオ制御コマンドを受取るビデオ表示発生手段と、
E:ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段であって、前記データ処理手段が、前記選択手段に応答して前記テレビ受信器を同調し、且つ前記テレビ受信器をユーザーにより選択されたテレビチャンネルに同調するところの選択手段を備えるシステムにおいて、
F:前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みリストをユーザーに決定させ、各お好みリストを決定する制御コマンドを受取り、
G:前記システムが、前記お好みリストの各々を記憶する記憶手段を更に備えると共に、
H:前記データ処理手段が、前記お好みリストの1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からのチャンネル制御コマンドに応じて前記ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調することを特徴とするシステム。

【請求項2】
I:請求項1のシステムにおいて、前記データ処理手段が、前記ユーザー制御手段の方向矢印キーの起動に応じて、選択された前記1つのお好みリストにおける同調のシーケンスを制御するシステム。

【請求項3】
J:請求項1又は2のシステムにおいて、前記データ処理手段及び前記記憶手段が、セットトップボックスに含まれているシステム。

【請求項4】
K:請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、ケーブルテレビ信号を受信するように適合されているシステム。

【請求項5】
L:請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、衛星テレビ信号を受信するように適合されているシステム。

【請求項6】
M:請求項1のシステムにおいて、前記ユーザー制御手段のいずれかの対応キーの起動に応じて、前記少なくとも1つのお好みリストが選択されるシステム。

【請求項7】
N:請求項1乃至6の何れか一項に記載のシステムを用いて、テレビ受信器の同調を制御する方法。

[訂正後]
【請求項1】
a:テレビ受信器と関連して用いられ、ユーザーが選択できる複数のテレビチャンネルの複数のプログラム源からの複数のテレビプログラムを表示するための電子テレビビデオプログラムガイドシステムであって、
b:チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段であって、前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである、ユーザー制御手段と、
c:前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段と、
d:前記データ処理手段から前記ビデオ制御コマンドを受取るビデオ表示発生手段と、
e:前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段であって、前記データ処理手段が、前記選択手段に応答して前記テレビ受信器を同調し、且つ前記テレビ受信器をユーザーにより選択されたテレビチャンネルに同調するところの選択手段を備えるシステムにおいて、
f:前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り、各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し、
g:前記システムが、前記複数のお好みチャンネルリストの各々を記憶する記憶手段を更に備えると共に、
h:前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調することを特徴とするシステム。

【請求項2】
i:請求項1のシステムにおいて、前記データ処理手段が、前記ユーザー制御手段の方向矢印キーの起動に応じて、選択された前記1つのお好みチャンネルリストにおける同調のシーケンスを制御するシステム。

【請求項3】
j:請求項1又は2のシステムにおいて、前記データ処理手段及び前記記憶手段が、セットトップボックスに含まれているシステム。

【請求項4】
k:請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、ケーブルテレビ信号を受信するように適合されているシステム。

【請求項5】
l:請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、衛星テレビ信号を受信するように適合されているシステム。

【請求項6】
m:請求項1のシステムにおいて、前記ユーザー制御手段のいずれかの対応キーの起動に応じて、前記少なくとも1つのお好みチャンネルリストが選択されるシステム。

【請求項7】
n:請求項1乃至6の何れか一項に記載のシステムを用いて、テレビ受信器の同調を制御する方法。

第3 当審の判断
訂正請求がなされているので、訂正請求の適否から検討する。

1.訂正請求の適否
(1)〔請求項1に係る訂正〕について
ア.訂正の目的
(ア)訂正事項1a(構成B、b)
訂正事項1aは、「チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段」を「チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段であって、前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである、ユーザー制御手段」に訂正するものであり、
訂正前の「チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段」の「制御コマンド」が「前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンド」であるとし、「チャンネル制御コマンド」が「前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンド」であるとするものであって、訂正前の構成要件を更に限定する。

(イ)訂正事項1b(構成E、e)
訂正事項1bは、「ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段」を「前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段」に訂正するものであり、訂正前の「ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段」が「前記チャンネル制御コマンドに応答して」選択させるとするものであり、訂正前の構成要件を更に限定する。

(ウ)訂正事項1c(構成F、f)
訂正事項1cは「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みリストをユーザーに決定させ、各お好みリストを決定する制御コマンドを受取り、」を「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り、」に訂正するものであって、「お好みリスト」を「お好みチャンネルリスト」に、「(お好みリストを)決定する制御コマンド」を「(各お好みチャンネルリストを)決定するお好みチャンネルリスト決定コマンド」に、「(制御)コマンドを受取り」を「(決定)コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り」に訂正するものである。
「お好みリスト」を「お好みチャンネルリスト」とする訂正は、「お好みリスト」の「リスト」を単なる「リスト」から「チャンネル」の「リスト」に訂正するものであって、単なる「リスト」から「チャンネル」の「リスト」に限定している。
「(お好みリストを)決定する制御コマンド」を「(各お好みチャンネルリストを)決定するお好みチャンネルリスト決定コマンド」とする訂正は、「コマンド」について「制御」とされていたものを「お好みチャンネルリスト決定」と訂正するものであり、「制御」について「お好みチャンネルリスト決定」であると限定している。
「(制御)コマンドを受取り」を「(決定)コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り」とする訂正は、「コマンド」の「受取り」について、単に「受取り」としていたものを「前記制御コマンドの1つとして」「受取(り)」ると訂正するものであって、「コマンド」を「受取(り)」る態様について限定している。

(エ)訂正事項1d(構成F、f)
訂正事項1dは、「各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し、」を追加するものであるが、これは、「各お好みチャンネルリスト」が「複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し」ていることを特定するものであり、訂正前の「お好みリスト」を「お好みチャンネルリスト」と限定した「お好みチャンネルリスト」を更に限定している。

(オ)訂正事項1e(構成G、g)
訂正事項1eは、「前記お好みリストの各々を記憶する記憶手段」を「前記複数のお好みチャンネルリストの各々を記憶する記憶手段」に訂正するものであって、「記憶手段」が「各々を記憶する」「お好みリスト」について、「複数の」とし、「お好みチャンネルリスト」と限定するものであり、訂正前の構成要件を更に限定する。

(カ)訂正事項1f、g(構成H、h)
訂正事項1fは、「前記データ処理手段が、前記お好みリストの1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、」を「前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、」に訂正し、
訂正事項1gは、「前記ユーザー制御手段からのチャンネル制御コマンドに応じて前記ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」を「前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調する」に訂正するものであって、
上記訂正事項1fに係る訂正は、
「前記データ処理手段が、・・・複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、・・・テレビチャンネルに同調する」ことが、「前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合(において、)」であることを限定し、
「前記データ処理手段が、」その「1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御する」「お好みリスト」について、そのリストを「チャンネルリスト」と限定し、「複数の」と限定するとともに、それに対応して「のうちの前記1つを用いて」とし、
上記「1つが選択された場合(において、)」であることを特定したことに対応して「前記1つを用いて」とするものであり、
上記訂正事項1gに係る訂正は、
「テレビチャンネルに同調する」ことが「応じ(て)」るものとして、「チャンネル制御コマンド」としていたものを、さらに、「チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンド」と限定し、
「テレビチャンネルに同調する」ことが「従(って)」うものとして、「1つのお好みリスト」としていたものを、さらに、「前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序」と限定し、それに対応して「同調する」「テレビチャンネル」について、「前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネル」と限定するものである。

(キ)訂正の目的 まとめ
以上のとおりであるから、請求項1に係る訂正事項1aないし1gはいずれも、訂正前の請求項1の構成を限定するものであって、請求項1に係る訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。

イ.訂正の範囲
(ア)本件特許出願の願書に添付した明細書及び図面
本件特許は、明細書又は図面について、図面の書類様式に係る補正1回と特許請求の範囲の補正4回を経て特許されたものであり、本件特許出願の願書に添付した明細書及び図面(以下、それぞれを「特許明細書」「特許図面」と、それらを合わせて「特許明細書等」ともいう)と本件特許出願の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下、それぞれを「当初明細書」「当初図面」と、それらを合わせて「当初明細書等」ともいう)とは、特許請求の範囲を除き、同じ内容である。

(イ)「コマンド」について
特許明細書の発明の詳細な説明には、用語「コマンド」に関して、次の記載がある。
(特許明細書の発明の詳細な説明の用語「コマンド」に関する記載)
【0010】
時間スロットが自動的に或るいは視聴者制御コマンドに応答して変化したときに同様の問題が発生する。典型的には、90分のスケジュール情報が一度に表示され、90分のウインドウが30分増分毎にシフトできる。30分のシフトが30分サイズのグリッドセルを表示させる、例えば2時間の映画を表示させる場合には、映画の全タイトルがセルに収まらないであろう。この場合にも、タイトルの省略が要求される。この場合には、テキストを2行用いて30分セル内にタイトルを示すことが望ましいのであろうが、60分及び90分セルはタイトルを表示するためにテキストの一行だけで足りるかもしれない。

【0029】
本発明のこれらの及び他の目的は、放送を受信する受信器、複数のテレビチャンネルに対する衛星あるいはケーブル有線放送テレビプログラム、及びテレビ受信器を複数のチャンネルのうちの選択された一つに同調するチューナを備えた電子プログラムスケジュールシステムにより実現される。データプロセッサは、複数のテレビチャンネル上に現れた複数のテレビプログラムに対するテレビプログラムスケジュール情報を受信し、メモリに格納する。視聴者制御コマンドを選択し、この視聴者制御コマンドに応答して信号を受信するデータプロセッサに応答して信号を送信するために、視聴者制御装置、例えばリモートコントローラが視聴者によって使用される。テレビプログラム及びテレビプログラムスケジュール及び他の情報を表示するために、テレビ受信器が使用される。ビデオ表示発生器はデータプロセッサからビデオ制御コマンドを受け取り、メモリからプログラムスケジュール情報を受け取り、テレビプログラムガイドの動作の少なくとも一つのモードにおいて、テレビチャンネル上に現れるテレビプログラムにオーバーレイする形式でプログラムスケジュール情報の一部を表示する。データプロセッサは、視聴者制御コマンドに応答して発生されたビデオ制御コマンドを有するビデオディスプレイ発生器を制御し、少なくとも一つのテレビプログラムにオーバーレイする関係で、テレビ受信器上に複数のチャンネルのうちの任意の選択されたチャンネル上に現れる複数のテレビプログラムのうちの任意の選択されたプログラムについてのプログラムスケジュール情報を表示する。

【0038】
アプリケーションソフトウエアの正確さが検査できた後、マイクロコントローラ16はEEPROM20を再プログラムするルーチンを開始し、そこでは、アプリケーションソフトウエアが永続的に記憶される。マイクロコントローラ16は適切な制御コマンドを再プログラム回路21に供給し、その回路はEEPROMに消去及び書込みを行うのに必要な適切なプログラム電圧及び論理信号を供給するのに適する。それはそのプログラム電圧Vprogと読込みまたは書込可能のような他の必要な制御信号を、マイクロコントローラ16からコマンドを受け取るとEEPROM20に供給する。EEPROM20が電気的に消去されると、マイクロコントローラ16はDRAM18から記憶のためにEEPROM20への新たなアプリケーションソフトウエアの移動を開始する。

【0049】
MODEキー38は電子プログラムスケジュールシステム10の様々な段階を通じて視聴者を導き、それにより、一般的に視聴者がサブメニュー状態にあるときに以前のスクリーンに戻ることができる。上/下方向矢印キー37Aにより視聴者は、以下に充分に説明するように、プログラムスケジュールシステムがFLIPまたはBROWSEモードにあるときに異なるTVチャンネルを通るように指示することができ、さらに、視聴者はMENUモードにあるときにTVスクリーンに表示された強調(ハイライト)されたバーを通じて指示を出すことができる。左/右方向矢印キー37Bにより、視聴者は、以下に詳細に説明するように、プログラムスケジュールシステムがBROWSEモードにあるときに、選択された時間間隔で指示を出すことができる。それらにより、更に、視聴者はMENUモードの「カテゴリー」サブメニューにある間に対象のカテゴリーにまたがって指示を出すことができるとともに、プログラムスケジュールシステムが視聴ごとの支払いオーダーモードにあるときには時間間隔に亘って指示を出すことができ、更に、一般的に、左または右方向に様々なアイコン及び他のオブジェクトを選択するように指示を出すことができる。情報、即ち、「i」キー39によって、視聴者はプログラムスケジュールシステムの様々なモードの間に補充プログラム及び他の情報を視ることができる。ENTER35キーは、視聴者が一旦リモートコントロールキーから選択すると、コマンドを充足するとともに入力をなす。それらのキーの機能及び動作はFLIP、BOWSE及びMENUモードの以下の詳細な説明においてより明白になるであろう。

【0124】
視聴者が上述の方式によりチャンネル選択リスト81を訂正すると、マイクロコントローラ16は続いて、視聴者が方向矢印キーの一つを使用してなしたチャンネル変更コマンドに対応する視聴者特定チヤンネル列を記憶する。視聴者選択リストを機能させるには、視聴者は、図4に示されるリモートコントローラの上部の三つのチェックマークアイコンキー48A、48B、48Cの一つを押す。視聴者選択リスト81は、テレビ受信器の同調または電子プログラムガイドの何らかの操作モードにおけるスケジュール情報の表示の選択的制限に使用できる。

【0152】
マイクロコントローラ16のためのコンピュータプログラムは変化する背景の表示予定を含むことができ、この背景にプログラム表情報を部分的に又は全スクリーン上でオバーレイさせる。背景はメモリ又は光学記憶装置のようなその他の記憶媒体にビットマップとして保存される。例えば、毎朝午前6時に背景に日の出を表示させるコマンドをVDGに与えるプログラムをマイクロコントローラ16に設定することができる。背景を次に、一日中、例えば、青い空又は夜景に変更することができる。背景は、例えば、1日の中の時間、週のうちの日、月、年又は季節によって変えることができる。情緒的(ムード)背景を、また、視聴者が視ている又は選択されたプログラムスケジュール情報の特定のカテゴリーのプログラムに依存して変更することもできる。情緒的背景として、視聴者が住む特定の地域を反映するようなシーン、例えば、ロッキー山脈、レイニエ山等を使用することもできる。海や森といった標準的なシーンを用いることとしてもよい。さらに、オーディオバックグランドを表示される特定の情緒的バックグランドに関連させることとしてもよい。さらに、クリスマス、7月4日、スーパーボウルサンデー等といった祭日及び特別なイベントに対して異なる背景を用いることとしてもよい。背景の目的はプログラムリストを視るときにあきがこないようにするためである。マイクロコントローラ16は情緒的背景表示を自動的に調和させるようになっている。視聴者は、また、マイクロコントローラを操作して適当なムードオプションメニューを表示させ(このメニューはムード背景の一覧を視聴者に与え、視聴者は選択クルーザを操作することによって一つまたはそれ以上の背景を選択できる)、多くのムード背景から選択することができるようになっている。そういったムードオプションメニューへのアクセスは、適当な文字による又は視覚的な識別子をロケータ(LOCATOR)又はセットアップ(SETUP)スクリーンといったシステムの適当なメニュー内に与えることによって達成される。
(特許明細書の発明の詳細な説明の用語「コマンド」に関する記載、以上)

また、特許明細書の発明の詳細な説明には、視聴者がチャンネルを操作することに関して、次の記載がある。
(特許明細書の発明の詳細な説明の視聴者がチャンネルを操作することに関する記載)
【0043】
VDGはビデオオーバーレイデバイス25も備えており、それはRGBビデオ入力を受け取るとともに、ゼネラルインスツルメンツ(General Instrument)によって製造された従来のチューナーまたはJerrold DPBBチューナーのような従来のテレビチューナー28からの入力を受け取り、それは標準的NTSCビデオフォーマットのプログラム信号を供給する。オーバーレイデバイス25はRGB信号を変換するとともにチューナー28からの信号と組合わせ、そして、図2に示すように、プログラム信号及びプログラムスケジュール情報の両方を含む複合NTSC出力信号を生成する。その複合ビデオ信号は図1に示すように変調器26に供給され、その変調器はRadio Shackから入手できるような変調器でよく、それからその信号はテレビ受信器27に送られ、それは視聴者が変調チャンネル例えばチャンネル3または4に同調するようにする。その複合ビデオ信号はVDGからそのVDG上のビデオポート25Aを通って直接にテレビ受信器27または他の受像装置に供給することもできる。

【0055】
フリップ・モード
視聴者がテレビ受信器で特定のプログラムチャンネルを視ているときに、プログラムスケジュールシステムは、第5図に示すように、フリップ・モードになるようにデフォールトを働かせる。このモードでは、視聴者が、例えば、リモートコントローラの上下方向矢印を用いて、プログラムのチャンネルを変える度に、チューナーで選択されたチャンネルのプログラム情報を有するグラフィック表示51がテレビ受信器27のスクリーン上に受像されたプログラム信号55に重なるように表示される。図1に示すようなビデオ・オーバーレイデバイス25は、コンピュータにより生じるRGBビデオグラフィック・オーバーレイ情報とチューナーからのNTSCフォーマットプログラム信号とを結合し、NTSCフォーマット出力信号を供給する。この信号はチューナーからのプログラム信号とテレビ受信器27上で視るプログラムスケジュールオーバーレイ情報とを含む。

【0056】
グラフィック・オーバーレイ51に含まれるプログラム情報はマイクロコントローラによりRGBビデオ発生器に供給される。フリップ・モードでは、マイクロコントローラは、まず、例えば、DRAM18にあるプログラムスケジュール・データベースをサーチし、現時点、即ち、視聴者が視聴のためにテレビ受信器上でチャンネル選択を行ったときに対応する選択チャンネル52のプログラム情報を拾い出す。マイクロコントローラ16は、次いで、RGBビデオ発生器24に現在のチャンネル及びプログラム情報を供給する。RGBビデオ発生器はディジタル・データ情報をRGBフォーマットに変換し、それをビデオ・オーバーレイデバイス25に供給する。通常の操作においては、マイクロコントローラ16は、デフォールトにより、番号順に優先順位が決められてケーブル会社により提供されるすべてのチャンネルを表示する。この番号順はラジオ周波数域における放送チャンネルまたは地方ケーブル操作者のマーケティング判断によって決められる。「チャンネル選択」サブメニュー、または、これに代わる「ロケータ」スクリーン(これらについては後に述べる)を用いて、視聴者は、テレビ受信器27に提供されるチャンネルの内容または順序を改めることができる。

【0057】
一般に、視聴者がフリップ・モードの間に所定の時間間隔内にリモートコントローラ40からチャンネル変更指令その他の指令を発しないときには、マイクロコントローラ16はVDG23に指令してテレビからグラフィックオーバーレイ51を除去させ、このようにしてテレビ受信器27にプログラム信号55だけを視られるようにする。所定の時間間隔の長さは、視聴者にオーバーレイに含まれたプログラム情報を読むのに充分な時間を与える長さとする。グラフィックオーバーレイ51が現れる所定時間間隔の長さはマイクロコントローラ16でアドレスできる非揮発性のメモリ20内の位置に記憶される。視聴者は、最初に視聴者選択モードを選び、次いで「オーバーレイ間隔」の項目を選んで時間間隔の長さを変えることができる。マイクロコントローラ16は次に視聴者プロンプトを画面上に表示させる。これにより、画面は、例えば、視聴者に画面上のグラフィックオーバーレイに表示された適当な時間を選ばせる。視聴者は数字キーを用いて適当な回答、例えば、5乃至60秒の時間、を入力し、ENTERキーを押す。次いで、新しい時間が読み取られ、メモリ内のオーバーレイ時間間隔位置にマイクロコントローラ16によって記憶される。

【0058】
もし視聴者が所定のオーバーレイ期間が経過する前または後に、上下方向矢印43Aを用いて、または数字キー42で所望のチャンネル番号を入力した後にENTERキーを押すことにより、リモートコントローラ40からチャンネル変更指令を発するときは、マイクロコントローラ16はチューナー28をして所望のチャンネルを選ばせる。このチャンネルは上下方向矢印43Aを用いるときは現在のチャンネルの直前または直後のチャンネルであり、視聴者が数字キーパッドで入力するときはこの特定のチャンネルである。また、マイクロコントローラはそのチャンネルの現在のプログラム情報をサーチし、それを画面に表示させる。従って、視聴者がチャンネルを切り替えるたびに、選択されたチャンネルのプログラムスケジュール情報が自動的にグラフィックオーバーレイ51に現れ、一方、特定の時点で選択されたチャンネルに現れる実際のプログラム55は画面の残りの部分を占める。

【0116】
通常の操作では、プログラムガイドシステムは、視聴者がリモートコントローラ上の方向矢印キーの一つを用いることにより発せられた上方向または下方向へのチャンネル変更指令に応答して、視聴者に対してチャンネルを番号順に呈示する。チャンネル番号呈示シーケンスは、オペレータによりチャンネル上に調整された順番に、ケーブル会社により提供された全てのチャンネルを含む。

【0117】
プログラムガイドシステムはまた、幾つかの視聴者規定チャンネル呈示シーケンスの中から選択する能力を備え、これは図4に示される「チェックマーク」アイコン キー48A,48Bまたは48Cの使用により機能される。これらのキーは、詳細に後述するように、特定の視聴者が選択して、マイクロコントローラがメモリー内に「チャンネル選択」リストとして格納したチャンネルの優先特定リストを表示させる。これらの優先チャンネルリストの一つを機能させるために、視聴者は、対応するチェックマークアイコンキーを押し、この場合、マイクロコントローラが、グラフィック オーバーレイでスクリーン上に選択アイコンを表示でき、全てのスクリーン表示が、視聴者に対して、優先チャンネル選択リストがシステムにより使用されていることを気付かせる。選択リストが機能すると、システムは、テレビ受信器の同調及びスケジュール情報の表示を、機能された視聴者選択リストに選定されたチヤンネルのみに制限する。

【0121】
利用可能なリスト80から順次にチャンネルを選択し、これを選択リスト81に所定の順序で配置することにより、視聴者は、チャンネルの補助組及び/または視聴者からのチャンネル上昇またはチャンネル下降指令に応じた暗黙シーケンスの再整理を選択できる。これは、リモートコントローラ40における上下矢印キーを使用して利用可能なリスト80におけるチャンネルを強調し、一時的入力でバッファへ格納することにより達成される。

【0123】
利用可能なチャンネルリスト80も、映画、ニュース、スポーツ、または子供向け演劇のようなカテゴリー入力83を備えることができる。視聴者が、その視聴者選択リスト81にカテゴリーを含めていないならば、視聴者がチャンネル上昇または下降指令を発したときに、システムは、先ず視聴者が選択した優先チャンネルを番号順に表示し、次いで選択された一つまたは複数のカテゴリーに対応する内容のプログラムを有する全てのチャンネルを一回に表示する。

【0125】
本実施例では、選択リストが機能すると、システムは、テレビ受信器の同調と、MENUモードにおけるグリッド カテゴリー及びチャンネルリストのみならず、FLIP及びBROWSEモードにおけるスケジュール情報の表示とを、機能した視聴者選択リストに選定されたチャンネルについてのみに制限する。視聴者選択リストが機能している際、チューナーが同調できず、対応するスケジュール情報が表示されなければ、いずれのチャンネルも視聴者選択リストに入力されていない。この点で、ペアレンタルガイダンス301、MPAA308またはチャンネル遮断カテゴリー303におけるキーロックアクセスの設定は、上述した優先チャンネルのチャンネル選択リストのような他の表示基準を使用した場合とは異なる結果を生じることに注意すべきである。従って、キーロック アクセスが、許可されたコードの表示または注文の未入力から、スケジュール情報ではなく、オーディオ及びビデオ プログラム情報を妨げている間、仮に特定のチャンネルがチャンネル選択リストに含まれていて、且つキーロックアクセスモードのチャンネル遮断カテゴリーで機能しているキーロックアクセスを持つならば、そのチャンネルまたはそれに対応するスケジュール情報は何時も表示されない。

【0127】
次いで、視聴者選択リスト81が仮に能動化すると、これは、選択されたモードのみ、例えばFLIPモードのみにおける同調及びスケジュール情報の表示の制御に使用できるので、視聴者は、全ての他のモードにおけるスケジュール情報に対応する全てのチャンネルを観れる間、FLIPモードにおいては、選択リスト81に入力されたチャンネルについてのみ、同調させることができ、且つそのチャンネルについてのみ対応するスケジュール情報を観ることができる。

【0130】
図37に示す例において、視聴者はリモートコントローラの方向キー43A、44Bを用いてロケータスクリーン内を移動できる。右方向キー及び左方向キー43Bは選択クルーザーをカテゴリー列内で移動させ、一方、上方向及び下方向キーは特別なカテゴリーを選択するために用いられる。選択クルーザーを希望のチャンネルに位置させてリモートコントローラ40のEnterキー44又はオプション調整キー(図示省略)の何れか一つを押すことによってロケータスクリーン201から特定の映像チャンネルを選択することが可能である。

【0133】
ロケータスクリーン201は幾つかの経路を介してアクセスすることができる。例えば、ロケータスクリーンは、最も大きなチャンネル番号と最も小さなチャンネル番号との間といったように走査するチャンネル番号の間に仮想チャンネル、たとえば、仮想チャンネル0として都合良い位置に含まれるようにすることができる。視聴者に対しては、そういった仮想チャンネルは便利なチャンネルとして視える。しかしながら、仮想チャンネルはキャリアとしてのバンド幅を追加することを必要としない。例えば、仮想チャンネルは加入者ステーションにおいてデジタル式に生じさせることができ、あるいは、既存のバンド幅周波数における適当なブランキングインタバルに含ませることができる。この方法において、リモートコントローラの数値キー42を用いて対応するチャンネル番号を入力するか、上下方向キー43Aを用いて大きな番号から小さな番号あるいはその逆に走査するか、いずれか一方によって、仮想チャンネルにアクセスすることができる。図38に示すように、メインメニュー表示215にアイコン又はテキストメッセージといった適当な識別子210を与えることが好ましく、視聴者はこの識別子210を選択クルーザによって強調し、リモートコントローラ40のEnterキーを押すだけでロケータスクリーン201にアクセスできる。代替的に、視聴者が押すことによってマイクロコントローラにロケータスクリーン201を表示させるようなロケータスクリーンに相当するキーをリモートコントローラに備えることとしてもよい。
(特許明細書の発明の詳細な説明の視聴者がチャンネルを操作することに関する記載、以上)

用語「コマンド」に関する上記記載には、
【0010】「時間スロットが・・・視聴者制御コマンドに応答して変化」すること、
【0029】「視聴者制御コマンドを選択し、この視聴者制御コマンドに応答して信号を受信するデータプロセッサに応答して信号を送信するために、視聴者制御装置、例えばリモートコントローラが視聴者によって使用される」こと、
【0029】「ビデオ表示発生器はデータプロセッサからビデオ制御コマンドを受け取り、・・・プログラムスケジュール情報の一部を表示する」こと、
【0029】「データプロセッサは、視聴者制御コマンドに応答して発生されたビデオ制御コマンドを有するビデオディスプレイ発生器を制御し・・・プログラムスケジュール情報を表示する」こと、
【0038】「マイクロコントローラ16は適切な制御コマンドを再プログラム回路21に供給」すること
【0049】「ENTER35キーは、視聴者が一旦リモートコントロールキーから選択すると、コマンドを充足するとともに入力をなす」こと、
【0124】「視聴者が上述の方式によりチャンネル選択リスト81を訂正すると、マイクロコントローラ16は続いて、視聴者が方向矢印キーの一つを使用してなしたチャンネル変更コマンドに対応する視聴者特定チヤンネル列を記憶する」こと、
【0152】「例えば、毎朝午前6時に背景に日の出を表示させるコマンドをVDGに与えるプログラムをマイクロコントローラ16に設定することができる」こと
が、記載されている。

また、視聴者がチャンネルを操作することに関する記載には、
【0055】「リモートコントローラの上下方向矢印を用いて、プログラムのチャンネルを変える」こと、
【0057】「リモートコントローラ40からチャンネル変更指令その他の指令を発しないとき・・・」とあって、「リモートコントローラ40からチャンネル変更指令」「その他の指令」が存在すること、
【0058】「上下方向矢印43Aを用いて、・・・リモートコントローラ40からチャンネル変更指令を発する」こと、
【0116】「リモートコントローラ上の方向矢印キーの一つを用いることにより発せられた上方向または下方向へのチャンネル変更指令に応答して、」とあって、「リモートコントローラ上の方向矢印キーの一つを用いることにより発せられた上方向または下方向へのチャンネル変更指令」が存在すること、
【0121】「視聴者からのチャンネル上昇またはチャンネル下降指令に応じた暗黙シーケンスの再整理を選択できる。」とあって、「視聴者からのチャンネル上昇またはチャンネル下降指令」が存在すること、
【0123】「視聴者がチャンネル上昇または下降指令を発したときに、・・・」とあって、「チャンネル上昇または下降指令」が存在すること、
が、記載されている。

また、「指令」に関して、
【0066】「視聴者がリモートコントローラ上のENTERキーを押すと、マイクロコントローラ16はVDG23に指令してREMINDERオーバーレイ・メッセージを130を表示させる。・・・選択されたプログラムの開始時間の所定時間前、例えば5分前に、マイクロコントローラ16はリマインダーデータに基づいてタイトルとサービスを含むスケジュール情報を引き出し、VDG23に指令して、図14に示すように、テレビ受信器27上にリマインダー・オーバーレイ・メッセージ140を表示させ・・・」とあって、「マイクロコントローラ16」が「VDG23に指令」する「指令」が存在することが記載されている。

一般に「コマンド」との用語は「命令」「指令」の意味を有すること、
テレビやビデオ装置などの電子機械装置のリモートコントローラによる操作がリモートコントローラからの「命令」「指令」によりなされるのが通常であること、
コンピュータの仕組みを用いた電子機械装置が、その内部において様々な「命令」「指令」の信号によって動作するものであること、
そのような「命令」「指令」によって動作される機械装置の様々な動作の内容によって、様々な「命令」「指令」があり得ること、
そのような「命令」「指令」によって動作させることを「制御」と普通にいうことができること
を考慮すると、
特許明細書等には、様々な動作の内容に対する、視聴者による、もしくは、機械装置の内部における複数の「命令」「指令」が存在することが理解でき、訂正後の特許請求の範囲において、それら様々な動作に対する複数の「命令」「指令」を総じて「制御コマンド」と表現していることが理解できる。

そのような理解の下、具体的には、「指令」という表現をなされたものだけでも、
【0057】「リモートコントローラ40からチャンネル変更指令」
【0058】「チャンネル変更指令を発する」
【0057】「その他の指令」
【0066】「マイクロコントローラ16」が「VDG23に指令」する「指令」
【0116】「上方向または下方向へのチャンネル変更指令」
【0121】「チャンネル上昇またはチャンネル下降指令」
【0123】「チャンネル上昇または下降指令」
が記載されている。
そして、特許明細書等に存在することが理解できる複数の「命令」「指令」すなわち「制御コマンド」の中に、チャンネルを変える指令(例えば、【0116】「上方向または下方向へのチャンネル変更指令」、【0121】「チャンネル上昇またはチャンネル下降指令」)が含まれることも普通に理解でき、そのようなチャンネルを変える指令を、訂正後の特許請求の範囲において、「チャンネル制御コマンド」「チャンネル上昇コマンド」「チャンネル下降コマンド」と表現していることが理解できる。
同時に、複数の「命令」「指令」の中に「上方向または下方向へのチャンネル変更指令」が含まれることを「チャンネル制御コマンドを含む制御コマンド」と表現し、
それらのコマンドについて、「前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである」と表現していることが理解できる。
また、上記チャンネルを変える指令は、チャンネルが変わることにより表示が変わるから、ビデオを制御するともいい得、【0066】「マイクロコントローラ16」が「VDG23に指令」する「指令」は、「視聴者がリモートコントローラ上のENTERキーを押すと、・・・テレビ受信器27上にリマインダー・オーバーレイ・メッセージ140を表示させ」ており、ビデオを制御するといえるから、いずれも「ビデオ制御コマンド」といいうるものである。これに限らず、特許明細書等記載の実施例はユーザ操作によって様々に表示形態が変わることが記載されており、そのようなビデオが制御される動作において、ユーザ操作がなされ、それに起因して、内部において様々な「命令」「指令」がなされるものと認められる。さらに、一般に、ビデオを表示するテレビ受信機等の装置は、例えば画面の輝度、コントラスト等、表示されるビデオが制御されることは普通であり、特許明細書等記載の実施例においても、一般的なビデオの制御が行われるものと認められる。このことを、特許請求の範囲において、構成c、d(構成C、Dと変わらず)「前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段」「前記データ処理手段から前記ビデオ制御コマンドを受取るビデオ表示発生手段」と表現していることが理解できる。

このように、「チャンネル制御コマンド」が「チャンネルを変える指令」と理解されるところ、視聴者による「リモートコントローラ上の方向矢印キーの一つを用いること」(【0116】)や「(ロケータスクリーン内で)選択クルーザーを希望のチャンネルに位置させてリモートコントローラ40のEnterキー44又はオプション調整キー(図示省略)の何れか一つを押すこと」(【0130】)によって、1つのチャンネルが選択され、同調されるといえるから、視聴者による「リモートコントローラ上の方向矢印キーの一つを用いること」(【0116】)や「(ロケータスクリーン内で)選択クルーザーを希望のチャンネルに位置させてリモートコントローラ40のEnterキー44又はオプション調整キー(図示省略)の何れか一つを押すこと」(【0130】)によって、「チャンネルを変える指令」(「チャンネル制御コマンド」)がなされ、その「チャンネルを変える指令」(「チャンネル制御コマンド」)により、すなわち、「応答して」、1つのチャンネルが選択され、同調されるといえる。このことを「前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段」と表現していることが理解できる。
また、チャンネルを変える指令に、例えば、【0116】「上方向または下方向へのチャンネル変更指令」、【0121】「チャンネル上昇またはチャンネル下降指令」が含まれることを、「前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンド」と表現していることが理解できる。
そうであるから、訂正事項1a、1b、訂正事項1gの内「前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンド」は、特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているといえる。

(ウ)「お好みチャンネルリスト」について
特許明細書の発明の詳細な説明には、【0115】?【0128】に「「お好みチャンネル」リストオプション71」について記載され、図8の「視聴者選択リスト81」について、
【0121】「利用可能なリスト80から順次にチャンネルを選択し、これを選択リスト81に所定の順序で配置することにより、視聴者は、チャンネルの補助組及び/または視聴者からのチャンネル上昇またはチャンネル下降指令に応じた暗黙シーケンスの再整理を選択できる。」、
【0124】「視聴者が上述の方式によりチャンネル選択リスト81を訂正すると、マイクロコントローラ16は続いて、視聴者が方向矢印キーの一つを使用してなしたチャンネル変更コマンドに対応する視聴者特定チヤンネル列を記憶する。」
とあり、また、
【0117】「プログラムガイドシステムはまた、幾つかの視聴者規定チャンネル呈示シーケンスの中から選択する能力を備え、これは図4に示される「チェックマーク」アイコン キー48A,48Bまたは48Cの使用により機能される。これらのキーは、詳細に後述するように、特定の視聴者が選択して、マイクロコントローラがメモリー内に「チャンネル選択」リストとして格納したチャンネルの優先特定リストを表示させる。これらの優先チャンネルリストの一つを機能させるために、視聴者は、対応するチェックマークアイコンキーを押し、この場合、マイクロコントローラが、グラフィック オーバーレイでスクリーン上に選択アイコンを表示でき、全てのスクリーン表示が、視聴者に対して、優先チャンネル選択リストがシステムにより使用されていることを気付かせる。選択リストが機能すると、システムは、テレビ受信器の同調及びスケジュール情報の表示を、機能された視聴者選択リストに選定されたチヤンネルのみに制限する。」
とされる。
ここでは、「お好みチャンネル」リスト、選択リスト81、チャンネル選択リスト81、「チャンネル選択」リスト、チャンネルの優先特定リスト、優先チャンネルリスト、視聴者選択リスト、選択リストと異なる表現がなされているが、いずれも「視聴者選択リスト81」をいうものと認められる。
そして、この「視聴者選択リスト81」を、訂正後の特許請求の範囲において「お好みチャンネルリスト」と表現していることが理解できる。
また、【0117】「プログラムガイドシステムはまた、幾つかの視聴者規定チャンネル呈示シーケンスの中から選択する能力を備え、これは図4に示される「チェックマーク」アイコン キー48A,48Bまたは48Cの使用により機能される。これらのキーは、詳細に後述するように、特定の視聴者が選択して、マイクロコントローラがメモリー内に「チャンネル選択」リストとして格納したチャンネルの優先特定リストを表示させる。これらの優先チャンネルリストの一つを機能させるために、視聴者は、対応するチェックマークアイコンキーを押し、この場合、マイクロコントローラが、グラフィック オーバーレイでスクリーン上に選択アイコンを表示でき、全てのスクリーン表示が、視聴者に対して、優先チャンネル選択リストがシステムにより使用されていることを気付かせる。」ことから、複数の「視聴者選択リスト81」の存在が認められ、複数の「視聴者選択リスト81」の中から「チェックマークアイコンキーを押し」て「優先チャンネルリストの一つを機能させる」ことで1つの「視聴者選択リスト81」が選択されることが理解できる。このことは、【0129】?【0134】でのロケータスクリーン201(図37)に関する説明における、【0132】「図4のリモートコントローラ40は、3つの色分けされたチェックマークのお好みチャンネルのキー48A、48B、48Cを有し、これらのキーは3人の別のユーザーのための少なくとも3つの別のお好みチャンネルのリストを与える。異なる表示特性をロケータスクリーン201に表示して特定のお好みチャンネルのリストが選択されたことを示すことができる。」からもいうことができる。
そして、「制御コマンド」について上記(イ)のように、様々な動作に対する複数の「命令」「指令」と理解されるから、「チェックマークアイコンキーを押(し)」すことによって発生する、1つの「視聴者選択リスト81」が選択される「指令」すなわち「コマンド」が認められる。
訂正後の特許請求の範囲において「お好みチャンネルリスト」が「視聴者選択リスト81」を表現しているのであるから、1つの「視聴者選択リスト81」が選択される「指令」すなわち「コマンド」は、お好みチャンネルリストを決定するものといえ、このコマンドを、訂正後の特許請求の範囲において、「各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンド」と表現していることが理解できる。同時に、そのコマンドが様々な制御コマンドの1つであることも理解できる。
また、上記のように複数の「視聴者選択リスト81」の存在が認められ、「プログラムガイドシステムはまた、幾つかの視聴者規定チャンネル呈示シーケンスの中から選択する能力を備え、これは図4に示される「チェックマーク」アイコン キー48A,48Bまたは48Cの使用により機能される。これらのキーは、詳細に後述するように、特定の視聴者が選択して、マイクロコントローラがメモリー内に「チャンネル選択」リストとして格納したチャンネルの優先特定リストを表示させる。」(【0117】)(「メモリー内に「チャンネル選択」リストとして格納したチャンネルの優先特定リスト」は「視聴者選択リスト81」をいうと認められる)ことから、「視聴者選択リスト81」が「メモリー内に」「格納」され、「選択して」「表示させる」ことが記載されているといえる。この複数の「視聴者選択リスト81」について、訂正後の特許請求の範囲では「各お好みチャンネルリスト」「複数のお好みチャンネルリスト」と表現していると理解でき、それらが「メモリー内に」「格納」され、「選択して」「表示させる」ことについて、訂正後の特許請求の範囲では「前記複数のお好みチャンネルリストの各々を記憶する記憶手段」(訂正事項1e)、「複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択され」(訂正事項1f)、「複数のお好みテレビチャンネルに同調する」(訂正事項1g)と表現していると理解できる。
そうであるから、「お好みチャンネルリスト」、「(各お好みチャンネルリストを)決定するお好みチャンネルリスト決定コマンド」、「(決定)コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取(り)」ることは特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているといえ、「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り、」(訂正事項1c)は特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているといえる。
また、「前記複数のお好みチャンネルリストの各々を記憶する記憶手段」(訂正事項1e)、訂正事項1fの内「複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択され」、訂正事項1gの内「複数のお好みテレビチャンネルに同調する」は、特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているといえる。

(エ)「順序を定義」について
上記(ウ)のように、「お好みチャンネルリスト」は、「視聴者選択リスト81」を表現するといえる。
特許明細書の発明の詳細な説明には「視聴者選択リスト81」について、
「利用可能なリスト80から順次にチャンネルを選択し、これを選択リスト81に所定の順序で配置することにより、視聴者は、チャンネルの補助組及び/または視聴者からのチャンネル上昇またはチャンネル下降指令に応じた暗黙シーケンスの再整理を選択できる。」(【0121】)、
「リスト80における特定の強調されたチャンネルが予め選択されていなければ、システムは、視聴者がエンター キー44を押せば、特定のチャンネルが視聴者リスト81に追加するために選択されることを示唆するリマインダーとして、ウィンドゥ84内に「選択」情報を表示する。マイクロコントローラ16は、選択されたチャンネルをリスト81の下部に挿入する。」(【0122】)
とあり、
「選択されたチャンネルをリスト81の下部に挿入する」ことで、「利用可能なリスト80から順次に」「選択(し)」された「チャンネル」は、「選択リスト81に所定の順序で配置(する)」される。
また、特許明細書の発明の詳細な説明には「シーケンス」について、更に、
「通常の操作では、プログラムガイドシステムは、視聴者がリモートコントローラ上の方向矢印キーの一つを用いることにより発せられた上方向または下方向へのチャンネル変更指令に応答して、視聴者に対してチャンネルを番号順に呈示する。チャンネル番号呈示シーケンスは、オペレータによりチャンネル上に調整された順番に、ケーブル会社により提供された全てのチャンネルを含む。」(【0116】)、
「プログラムガイドシステムはまた、幾つかの視聴者規定チャンネル呈示シーケンスの中から選択する能力を備え、これは図4に示される「チェックマーク」アイコン キー48A,48Bまたは48Cの使用により機能される。これらのキーは、詳細に後述するように、特定の視聴者が選択して、マイクロコントローラがメモリー内に「チャンネル選択」リストとして格納したチャンネルの優先特定リストを表示させる。これらの優先チャンネルリストの一つを機能させるために、視聴者は、対応するチェックマークアイコンキーを押し、この場合、マイクロコントローラが、グラフィック オーバーレイでスクリーン上に選択アイコンを表示でき、全てのスクリーン表示が、視聴者に対して、優先チャンネル選択リストがシステムにより使用されていることを気付かせる。選択リストが機能すると、システムは、テレビ受信器の同調及びスケジュール情報の表示を、機能された視聴者選択リストに選定されたチヤンネルのみに制限する。」(【0117】)
とあり、
「シーケンス」は「チャンネル番号呈示」の「順番」であり、
「シーケンス」は「図4に示される「チェックマーク」アイコン キー48A,48Bまたは48Cの使用により機能される」ことで「幾つかの視聴者規定チャンネル呈示シーケンスの中から選択する」されるものである。
そして、
「図4のリモートコントローラ40は、3つの色分けされたチェックマークのお好みチャンネルのキー48A、48B、48Cを有し、これらのキーは3人の別のユーザーのための少なくとも3つの別のお好みチャンネルのリストを与える。」(【0132】)ことから、
「キー48A、48B、48C」により、「お好みチャンネルのリストを与える」ことで、「視聴者規定チャンネル呈示シーケンス」すなわち「チャンネル番号呈示」の「順番」が「選択(する)」される。
このように、「利用可能なリスト80から順次に」「選択(し)」された「チャンネル」は、「選択リスト81に所定の順序で配置(する)」され、「選択リスト81」すなわち「お好みチャンネルのリスト」を「キー48A、48B、48C」により「与える」ことで「チャンネル番号呈示」の「順番」が「選択(する)」される。
したがって、「選択リスト81」すなわち「お好みチャンネルのリスト」に「利用可能なリスト80から順次に」「選択(し)」され、「所定の順序で配置(する)」された「チャンネル」の「順序」は、「チャンネル番号呈示」の「順番」となる。
このことは、「各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し、」ということができるものであり、「各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し、」(訂正事項d)は、特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているといえる。
そして、このように、「各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し、」(訂正事項1d)、「複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択され」(訂正事項1f)が特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているといえ、「キー48A、48B、48C」により、「お好みチャンネルのリストを与える」ことで、「視聴者規定チャンネル呈示シーケンス」すなわち「チャンネル番号呈示」の「順番」が「選択(する)」されるのであるから、訂正事項1fによる訂正後の「前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、」「テレビチャンネルに同調すること」は、特許明細書等に記載されているといえる。
また、上記のように【0116】「上方向または下方向へのチャンネル変更指令」、【0121】「チャンネル上昇またはチャンネル下降指令」が含まれる「チャンネル制御コマンド」が特許明細書等に記載されているといえるものであり、「利用可能なリスト80から順次にチャンネルを選択し、これを選択リスト81に所定の順序で配置することにより、視聴者は、チャンネルの補助組及び/または視聴者からのチャンネル上昇またはチャンネル下降指令に応じた暗黙シーケンスの再整理を選択できる。」(【0121】)とあって、この「チャンネル上昇またはチャンネル下降指令に」よって「選択リスト81に所定の順序で配置(する)」される「シーケンス」すなわち「順序」で「テレビチャンネルに同調する」ことが特許明細書等に記載されているといえるから、「前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調する」(訂正事項1g)ことも特許明細書等に記載されているといえる。
そうであるから、訂正事項1d、訂正事項1f、訂正事項1gは、特許明細書等に記載されているといえる。

(オ)訂正の範囲 まとめ
以上のとおり、訂正事項1aないし1gによる訂正後の請求項1は、特許明細書等に記載されているといえ、訂正事項1aないし1gによる請求項1に係る訂正は、特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、請求項1に係る訂正は、本件特許出願の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえる。

ウ.拡張・変更
請求項1に係る訂正は、上記第3 1.(1)ア.で述べたように、訂正前の請求項1に係る発明の構成を限定することで減縮するものであって、また、訂正後の請求項1に係る発明は、上記第3 1.(1)イ.で述べたように、願書に添付した明細書又は図面に記載されているものであるから、
訂正後の請求項1に係る発明は「ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」(訂正前)という訂正前の請求項1に係る発明の技術的思想の範囲内で減縮されたものであるといえる。
したがって、訂正後の請求項1に係る発明は、訂正前の請求項1に係る発明の技術的思想の範囲を超えるものとはいえない。
よって、請求項1に係る訂正は実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エ.〔請求項1に係る訂正〕について まとめ
以上のとおり、請求項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、請求項1に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、特許法第134条の2第5項で読み替えて準用する特許法第126条第3項から第5項の規定に違反するものではない。
よって、請求項1に係る訂正を認める。

(2)〔請求項2に係る訂正〕について
請求項2は請求項1を引用する請求項であって、請求項1に係る訂正は、請求項2に係る訂正ともなるところ、上記第3 1.(1)エ.で述べたように、請求項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
請求項2については、更に、訂正事項2aがなされるところ、
訂正事項2aは、「お好みリスト」を「お好みチャンネルリスト」に訂正するものであって、「お好みリスト」の「リスト」を単なる「リスト」から「チャンネル」の「リスト」に訂正するものであり、単なる「リスト」から「チャンネル」の「リスト」に限定しているから、請求項2に係る訂正は、訂正前の請求項2の構成を限定することで特許請求の範囲を減縮するといえ、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
また、訂正事項2aで限定された「お好みチャンネルリスト」は、上記第3 1.(1)イ.(ウ)で述べたように、特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているものであるから、請求項2に係る訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえる。
そうであるから、訂正後の請求項1に係る発明と同様に、訂正後の請求項2に係る発明は「ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」(訂正前)という訂正前の請求項2に係る発明の技術的思想の範囲内で減縮されたものであるといえ、訂正後の請求項2に係る発明は、訂正前の請求項2に係る発明の技術的思想の範囲を超えるものとはいえない。よって、請求項2に係る訂正は実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
以上のとおり、請求項2に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、請求項2に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、特許法第134条の2第5項で読み替えて準用する特許法第126条第3項から第5項の規定に違反するものではない。
よって、請求項2に係る訂正を認める。

(3)〔請求項3に係る訂正〕について
請求項3は請求項1又は2を引用する請求項であって、請求項1又は2に係る訂正は、請求項3に係る訂正ともなるところ、上記のように、請求項1又は2に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、請求項3に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、特許法第134条の2第5項で読み替えて準用する特許法第126条第3項から第5項の規定に違反するものではない。
よって、請求項3に係る訂正を認める。

(4)〔請求項4に係る訂正〕について
請求項4は請求項1、2、又は3を引用する請求項であって、請求項1、2、又は3に係る訂正は、請求項4に係る訂正ともなるところ、上記のように、請求項1、2、又は3に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、請求項4に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、特許法第134条の2第5項で準用する特許法第126条第3項から第5項の規定に違反するものではない。
よって、請求項4に係る訂正を認める。

(5)〔請求項5に係る訂正〕について
請求項5は請求項1、2、又は3を引用する請求項であって、請求項1、2、又は3に係る訂正は、請求項5に係る訂正ともなるところ、上記のように、請求項1、2、又は3に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、請求項5に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、特許法第134条の2第5項で準用する特許法第126条第3項から第5項の規定に違反するものではない。
よって、請求項5に係る訂正を認める。

(6)〔請求項6に係る訂正〕について
請求項6は請求項1を引用する請求項であって、請求項1に係る訂正は、請求項6に係る訂正ともなるところ、上記第3 1.(1)エ.で述べたように、請求項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
請求項6については、更に、訂正事項6aがなされるところ、
訂正事項6aは、「お好みリスト」を「お好みチャンネルリスト」に訂正するものであって、「お好みリスト」の「リスト」を単なる「リスト」から「チャンネル」の「リスト」に訂正するものであり、単なる「リスト」から「チャンネル」の「リスト」に限定しているから、請求項6に係る訂正は、訂正前の請求項6の構成を限定することで特許請求の範囲を減縮するといえ、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
また、訂正事項6aで限定された「お好みチャンネルリスト」は、上記第3 1.(1)イ.(ウ)で述べたように、特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているものであるから、請求項6に係る訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえる。
そうであるから、訂正後の請求項1に係る発明と同様に、訂正後の請求項6に係る発明は「ユーザーにより決定された1つのお好みリストに従って前記テレビチャンネルに同調する」(訂正前)という訂正前の請求項6に係る発明の技術的思想の範囲内で減縮されたものであるといえ、訂正後の請求項6に係る発明は、訂正前の請求項6に係る発明の技術的思想の範囲を超えるものとはいえない。よって、請求項6に係る訂正は実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
以上のとおり、請求項6に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、請求項6に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、特許法第134条の2第5項で読み替えて準用する特許法第126条第3項から第5項の規定に違反するものではない。
よって、請求項6に係る訂正を認める。

(7)〔請求項7に係る訂正〕について
請求項7は請求項1乃至6を引用する請求項であって、請求項1乃至6に係る訂正は、それぞれ、請求項7に係る訂正ともなるところ、上記のように、請求項1乃至6に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものといえるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、請求項7に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、特許法第134条の2第5項で準用する特許法第126条第3項から第5項の規定に違反するものではない。
よって、請求項7に係る訂正を認める。

(8)訂正請求の適否まとめ
以上のとおりであるから、平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認める。

2.請求項1に対する無効理由について
平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認めたので、本件特許明細書は平成21年 7月24日付け訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりであり、請求項1に係る発明(以下、「本件訂正特許発明1」ともいう)は、次のとおりである。分説して再掲する。

[本件訂正特許発明1]
【請求項1】
a:テレビ受信器と関連して用いられ、ユーザーが選択できる複数のテレビチャンネルの複数のプログラム源からの複数のテレビプログラムを表示するための電子テレビビデオプログラムガイドシステムであって、
b:チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段であって、前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである、ユーザー制御手段と、
c:前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段と、
d:前記データ処理手段から前記ビデオ制御コマンドを受取るビデオ表示発生手段と、
e:前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段であって、前記データ処理手段が、前記選択手段に応答して前記テレビ受信器を同調し、且つ前記テレビ受信器をユーザーにより選択されたテレビチャンネルに同調するところの選択手段を備えるシステムにおいて、
f:前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り、各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し、
g:前記システムが、前記複数のお好みチャンネルリストの各々を記憶する記憶手段を更に備えると共に、
h:前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調することを特徴とするシステム。

(1)無効理由1(36条4項)
上記第3 1.(1)イ.(ウ)及び(エ)で述べたように、特許明細書等の記載によって、「お好みチャンネルリスト」の技術内容及び技術的意義が理解できるものであり、テレビ技術、コンピュータ技術を有すると考えるべきである本件特許発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)においては、その技術内容及び技術的意義の下に、適宜に具体的設計を行い、本件訂正特許発明1を実施することができるものと認められる。したがって、本件特許明細書は、当業者が容易に本件訂正特許発明1の実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果を記載していない、ということはできない。
したがって、「発明の詳細な説明にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易にその実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果を記載されておらず、同法第36条第4項に違反しており、同法第123条第1項第4号により無効にすべきである。」ということはできず、請求項1に対する無効理由1は、理由がない。

(2)無効理由2(36条5項1号)
上記第3 1.(1)イ.で述べたように、本件訂正特許発明1は本件特許明細書等に記載されている。
したがって、「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものではなく、同法第36条第5項第1号に違反しており、同法第123条第1項第4号により無効にすべきである。」ということはできず、請求項1に対する無効理由2は、理由がない。

(3)無効理由3(36条5項2号)
上記第3 1.(1)イ.(イ)、(ウ)及び(エ)で述べたように訂正後の請求項1記載の構成が理解されるから、訂正後の請求項1が特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載していないということはできない。
したがって、「特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載した項(請求項)に区分してあるものではなく、同法第36条第5項第2号に違反しており、同法第123条第1項第4号により無効にすべきである。」ということはできず、請求項1に対する無効理由3は、理由がない。

(4)無効理由4(29条柱書き)
請求人が主張するように、「選択」等に使用する人間の判断に基づく操作により実現される部分があるとしても、本件訂正特許発明1がそのような「人間の判断」にのみ特徴があるものではなく、「お好みテレビチャンネルに同調することを特徴とするシステム」の技術に特徴があることは明らかであるから、本件訂正特許発明1が全体として自然法則を利用していないとはいえず、そうすると、本件訂正特許発明1は自然法則を利用したものといえる。
したがって、「人間の精神活動に基いて行われる処理を構成要素として含んでおり特許法上の「発明」にあたるものではないから、同法第29条第1項柱書に違反するものであり、同法第123条第1項第2号により無効とすべきである。」ということはできず、請求項1に対する無効理由4は、理由がない。

(5)無効理由5(29条2項)
ア.甲第1号証(特開平6-90408号公報)
甲第1号証(以下、「甲1」ともいう)には、図面と共に、次の記載がある。
(甲第1号証の記載)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テレビジョンチャンネル中の好みのチャンネルに関する同調データを記憶するメモリ手段と;複数のキーを含み、上記キーをユーザが付勢した時に、出力にチャンネル番号の数字に対応するキーコードを生成するキーボード手段と;上記キーボード手段に結合されており、上記キーコードを受信して、それに応答して同調制御信号を生成する制御手段とを備え、
上記制御手段は、2桁のチャンネル番号の1つの2番目の数字を受信した時上記同調制御信号を生成する第1のモードで動作し、また、上記好みのテレビジョンチャンネルの1つに同調させる命令を受信した時上記同調制御信号を生成する第2のモードで動作するものであり、
上記制御手段は上記2桁のチャンネル番号の1つの1番目の数字に対応するデータが受信されている期間の時間測定を行って、上記期間が予め定められた時間を越える場合には上記第2のモードで動作し、上記期間が上記予め定められた時間を越えない時には上記第1のモードで動作する、
テレビジョン受像機用テレビジョンチャンネル選択装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、視聴者の好みのテレビジョンチャンネルのリストを記憶するメモリ位置と直接チャンネルにアクセスするための数字キーボードとを有するテレビジョン受像機に関するものである。
【0002】
【発明の背景】現在、ケーブルテレビジョンシステム加入者が40チャンネル或いはそれ以上のチャンネルを利用できることは普通のことである。利用できるチャンネルの中に、視聴者が他のチャンネルよりも視聴することが多い「好みの」チャンネルを持つ場合がある。例えば、ある視聴者はニュース報道のチャンネルを好み、別の視聴者はスポーツのチャンネルを好み、また、更に別の視聴者は娯楽のチャンネルを好む。
【0003】日本ビクター社製のテレビジョン受像機AV2771S型は、5つの「好みのチャンネル」(好みのチャンネルは、上述の様に多用されることが多いので、以下、多用チャンネルと呼ぶこともある)を、5部門(「ネットワーク」、「映画」、「スポーツ」、「ニュース」、及び「選択」)の各々に記憶したメニュー選択可能なリストを備えたものである。しかし、メニューを呼び出してチャンネル選択のためのメニューの項目を選択しなければならないことにより、多用チャンネル機能の主要な利点を生かせなくなる。即ち、「多用チャンネル」機能は、視聴者が別のチャンネルから希望のチャンネルに戻るための迅速かつ簡単な方法を提供するものでなければならない。
【0004】多用チャンネル機能への迅速で簡単なアクセス行う1つの方法は、好みの各チャンネルに対して1つずつの専用キーの配列を設けることである。この様なシステムの一例が1988年型のマーキュリー・セーブル(Mercury Sable)車のあるものに備え付けられたフォード・エレクトロニック・サーチ(FORD Electronic Search)AM/FMステレオラジオである。このラジオは好みのAM放送局及びFM放送局を選択するための、6つの専用の放送局メモリプリセットボタンを含んでいる。しかし、専用キーを使用するシステムは、多くの余分なキーをキーボードに付け加えなければならないため、コスト高を生じ、且つ、複雑なものとなる。
【0005】
【発明の概要】テレビジョン受像機に専用キーの配列を加えることなく10までの好みのチャンネルに対する多用チャンネル選択用機能を設けることが望ましい。この発明による装置において、ユーザが数字キーをある長めの時間(好ましくは3秒間)押し下げておくと、テレビジョン受像機中の回路が、この「長期のキー押し」を好みのチャンネル「N」への同調の命令と判断する。(尚、Nは押された数字キーに対応する。)2桁のチャンネル入力は、前述の長めの時間よりも短い時間(即ち3秒より短い時間)でその数字キーを解除することによって通常の様に行うことができる。チャンネル・アップ(CHANNEL UP)或いはチャンネル・ダウン(CHANNEL DOWN)キーを長めの時間押すと、多用チャンネルメモリ中の、次に押す数字キーの番号で特定される位置にその時同調したチャンネルを記憶させるコマンドとして判断される。通常のチャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能は、前述の長めの時間よりも短い時間(即ち3秒より短い時間)でチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーを解除すれば通常の様に実行できる。好みのチャンネルの情報を記憶するために別のメモリ(MEMORY)キーのあることが望ましい場合には、そのメモリキーを押すことが、次に押す数字キーで特定される多用チャンネルメモリ位置にその時のチャンネルを記憶させるコマンドとして作用する。
【0006】
【詳細な説明】図1を参照すると、テレビジョン受像機には、無線周波数(RF)信号が供給されてそのRF信号をチューナ構体102へ供給するRF入力端子100が設けられている。チューナ構体102は、チューナ制御器104の制御の下に、ある特定のRF信号を選択して増幅する。チューナ制御器104は、線路103を介して同調電圧を供給し、信号線(太い両頭矢印103’で表示)を介してバンド切換信号を供給する。
【0007】チューナ構体102は、供給されたRF信号を中間周波数(IF)信号に変換し、IF出力信号をビデオ(VIF)/音声(SIF)増幅器及び検波器ユニット108に供給する。VIF/SIF増幅器及び検波器ユニット108は、その入力端子に供給されるIF信号を増幅し、その信号中に含まれるビデオ及び音声情報を検波する。検波されたビデオ情報はビデオプロセッサユニット121の1つの入力として供給される。検波された音声信号は、処理と増幅を行う音声プロセッサ106に供給された後、スピーカ(図示せず)に供給される。
【0008】ビデオ信号プロセッサ121は合成ビデオ信号を、同期分離器ユニット160に供給する。同期分離器ユニット160は垂直(V)及び水平(H)同期信号をそれぞれの出力に生成する。水平及び垂直同期信号は、映像管構体のヨーク巻線(図示せず)に供給される走査制御信号を生成するための水平及び垂直偏向ユニット170に供給される。
【0009】チューナ制御器104はシステム制御マイクロコンピュータ(μC)110から供給される制御信号に応答して、同調電圧及びバンド切換信号を生成する。(チューナ制御器104は制御マイクロコンピュータ110内に含めることができる。)ここで使用する語「マイクロコンピュータ」及び「マイクロプロセッサ」とは同等のものである。また、マイクロコンピュータ110の制御機能は特定の目的用に特に製造された集積回路(即ち、「カスタムチップ」)によって与えることができる。従って、ここで使用する語「制御器」もその様な装置を含む。マイクロコンピュータ110には、テレビジョン受像機自体に備えつけられた「局部」キーボード118及び赤外線(IR)受信機119からユーザによって発せられたコマンドが供給される。IR受信機119は遠隔制御(リモートコントロール)送信機128からのIR送信信号を受信する。マイクロコンピュータ110は中央処理ユニット(CPU)113とプログラムメモリ(ROM)112を含んでおり、ランダム-アクセスメモリ(RAM)120内にチャンネルに関係するデータを記憶する。RAM120は、マイクロプロセッサ110の内蔵のものを使用してもよいし、外部に設けてもよく、揮発性又は不揮発性いずれでもよい。また、語「RAM」は電気的消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)を含む。この分野における技術者には、揮発性メモリを採用した場合には、受像機がターンオフされた時に、メモリの内容を保存するために適切な型の待機電力を使用することが望ましいということが理解できよう。
【0010】マイクロプロセッサ110には、映像管の表示スクリーン上への表示用の文字等の記号を表示するのに適した補助信号を生成するためのオン・スクリーン表示ユニット(OSD)185を設けることもできる。オン・スクリーン表示ユニット185はマイクロプロセッサ110の外部に設けてもよい。
【0011】マイクロプロセッサ110は、更にCPU113の制御下で、期間のタイミング制御を行うタイマ122も含んでいる。タイマ122はマイクロプロセッサ110の外部に設けてもよく、或いは、タイミング機能を、正確に規定された遅延期間を生じさせる命令を実行するソフトウェアで行ってもよい。これらの命令は通常、タイミングループサブルーチンとして公知であるサブルーチンの形をとり、このサブルーチンは必要な場合にCPUにより呼び出される。以上説明したテレビジョン受像機は、米国インディアナ州インディアナポリスのトムソン・コンシューマ・エレクトロニクス(Thomson Consumer Electronics)社製RCA CTC-140型カラーテレビジョン受像機により公知である。
【0012】図2及び図6は、カラーテレビジョン受像機を制御するための遠隔制御送信機128に対する代替キーボード200及び600をそれぞれ示している。キーボード200は、音量ダウン(VOLUME DOWN)キー210、音量アップ(VOLUME UP)キー220、オン/オフ(ON/OFF)キー230、チャンネル・ダウンキー240、チャンネル・アップキー250、及びチャンネル番号等の数字データを入力するための0?9の数字キーパッド(全体を260として図示)を含んでいる。キーボード600は、(百の桁の数字を6とした点を除いて同様の参照数字を付した)上記のキーの全てと、その他にメモリキー670を含んでいる。メモリキー670の機能については以下に記述する。
【0013】この発明は、数字キーボードを使用するテレビジョン受像機における好みのチャンネルのデータを入力するシステムに対するものである。このシステムは、個別の専用キーの配列を使用せずに、また、ユーザにメニューへのアクセスを行わせずに10までの好みのチャンネルの選択を行うことが出来るようにするものである。即ち、キーボード入力の最初の数字が検出されると、そのキーが押されている時間が測定される。その数字キーが作動している時間が3秒より長ければ、好みのチャンネルを選択するための多用チャンネル選択モードがイネーブルされる(動作可能とされる)。測定された時間が3秒以下ならば、2桁チャンネル入力モードがイネーブルされ、チャンネル番号の最後の数字が受信されると所要のチャンネルに同調が行われる。
【0014】図3のフローチャートを参照して、この発明の一実施例を説明する。図3は、マイクロプロセッサ110の制御プログラムのキーボード復号ルーチンの一部を示している。図3に示すルーチンの一部の目的は、多用チャンネル選択モードをイネーブルする数字キーの長めの時間の押し下げを検出することである。通常のキーコード復号機能及び表示機能は、マイクロプロセッサ110の制御プログラムのキーボード復号ルーチンの別の部分で行われる。このキーコードの復号機能及び表示機能は、それ自体公知であり、ここで叙述する必要がないので、図3には示していない。
【0015】図3のルーチンはキーコードが受信されるごとに実行される。ステップ300でルーチンが開始され、ステップ310でIR受信機119或いは局部キーボード118から数字を受信する。ステップ315では、受信した数字がこの特定のチャンネル番号について入力された1番目の数字かどうかを決定するために検査が行われる。受信した数字がこの特定のチャンネル番号について入力された1番目の数字である場合には、プログラムはステップ320に進み、タイマ122が始動する。ステップ330では、メッセージ「N-」(但し、Nは押したキーの数字)が表示スクリーン上に表示される。
【0016】この発明によれば、チャンネル番号と好みのチャンネル位置は、最初に入力される数字に対する数字キーが作動している時間の長さによって互いに区別される。即ち、数字キーが少なくとも3秒の間作動している場合には、多用チャンネル選択モードがイネーブルされる。そうでない場合には、2桁チャンネル番号入力モードがイネーブルされる。従って、ステップ340で数字キーが押し続けられているかどうかの検査が行われて、キーが押し続けられていなければ短時間のキー作動として検出され、ステップ325で2桁入力モードがイネーブルされる。ユーザにより数字キーがなお付勢されている場合には、プログラムはステップ350及びステップ340からなるタイミングループに進む。このタイミングループは、数字キーの解除がなされたか否かについての検査を繰り返し行いながら3秒間の時間測定を行う。上記の様に、ステップ350のタイミング機能の実行に伴って、タイマ122の様なハードウェアタイマの出力の読出し、又はタイミングループサブルーチンの実行が行われる。3秒の期間が過ぎると、プログラムはステップ360に進む。ステップ360では、押した数字キーに対応する数が、図4に示す指標ポインタレジスタ410に入力される。図4には、0?9の数字が付された10のメモリ位置(以下、多用チャンネルメモリと称する)400も示されている。
【0017】ステップ370で、多用チャンネルメモリ400は、指標ポインタレジスタによりアクセスされる。指標ポインタレジスタ410は、指標ポインタレジスタ中の値に対応する数字の付された位置に記憶されているそれぞれの好みのチャンネル情報が同調のために読出されるようにする。例として、図4では、指標ポインタ410が数「6」を含むものとして示されている。これは、「6」の数字キーが3秒或いはそれよりも長い時間押し続けられていたことを示している。指標ポインタ410が「6」を示すことによって、多用チャンネルメモリ位置6がアクセスされる。この例では、多用チャンネルメモリ位置6は、テレビジョンチャンネル52の同調を行わせるための同調データを含んでいる。適当な同調データが得られた後、プログラムはステップ380から出て、それ自体は公知であるキーボード復号ルーチンの残りの部分へ進む。ステップ315において受信した数字が2番目の数字であると判断された時、プログラムはステップ315から直接ステップ380に進む。これは、2番目の数字は多用チャンネル選択モードをイネーブルするか否かの決定に影響しないからである。
【0018】ユーザが多用チャンネルメモリ400に同調情報を記憶したい時には、図5のルーチンが実行される。多用チャンネルデータ記憶ルーチンはステップ500から入り、ステップ510でIR受信機119、或いは局部キーボード118からの数字を受信する。ステップ515では、これがチャンネル・アップ或いはチャンネル・ダウンのコマンドであるかどうかを判定する検査を行う。チャンネル・アップ或いはチャンネル・ダウンのコマンドである場合には、プログラムはステップ520に進み、タイマ122が始動する。ステップ530で、メッセージ「F-」が表示スクリーン上に表示される。ダッシュ(-)は次に押す数字キーの数字で置き換えられる。
【0019】この発明によれば、チャンネル・アップ/ダウンコマンドとその時のチャンネルを好みのチャンネルとして記憶させるコマンドとを、チャンネル・アップキー或いはチャンネル・ダウンキーが付勢されている時間の長さによって区別する。即ち、チャンネル・アップキー或いはチャンネル・ダウンキーが少なくとも3秒間付勢されている場合には、「好みのチャンネルとしてその時のチャンネルを記憶せよ」というモードがイネーブルされる。そうでない場合には、チャンネル・アップ又はチャンネル・ダウン機能が実行される。ステップ540で、チャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーがなお押されているかどうかの検査を行って、押されていない場合には短時間付勢として検出され、ステップ525でチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンコマンドが実行される。ステップ540でチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーがユーザによってなお作動状態にされている場合には、プログラムはステップ550及び540からなるタイミングループへと進む。このタイミングループはチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーの解除を繰り返し検査しながら3秒間の時間測定を行う。前述した様に、ステップ550のタイミング機能の実行に伴って、タイマ122の様なハードウェアタイマの出力の読出し、又はタイミングループサブルーチンの実行が行われる。3秒の期間が経過すると、プログラムはステップ560に進む。ステップ560では、次に押す数字キーに対応する数が、図4の指標ポインタレジスタ410に入力される。
【0020】ステップ570で、多用チャンネルメモリ400は、指標ポインタレジスタによりアクセスされ、これによって、その時に同調したチャンネルに関する同調データを指標ポインタレジスタ410の値に対応する数字の付された位置に記憶させる。例として、図4では、指標ポインタ410が数「6」を含むものとして示されている。これは、「6」の数字キーが、チャンネル・アップキー或いはチャンネル・ダウンキーが3秒或いはそれよりも長い時間付勢された後に押されたということを示している。指標ポインタ410が「6」を示すと、その時の同調チャンネルに対応する同調データが多用チャンネルメモリ位置6に記憶される。この例では、好みのチャンネルのメモリ位置6は、テレビジョンチャンネル52の同調を行わせるための同調データを含むようにプログラムされている。尚、説明の為、このチャンネル52をその時の同調チャンネルとする。次いで、プログラムは、ステップ580から出て、それ自体は公知であるキーボード復号ルーチンの残りの部分へ進む。ステップ580には、受信されるチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウン以外のキーであることがステップ515で判定された時、ステップ515から直接到達する。これは、これらのその他のキーが好みのチャンネルを記憶するモードをイネーブルするか否かの決定に影響しないためである。
【0021】その時のチャンネル同調情報の記憶のために長めの時間キーを押さえるという技法は前述のフォード・エレクトロニック・サーチAM/FMステレオラジオにより公知である。そのシステムでは、専用放送局プリセット配列のキーを押して約2秒押さえつづけると、その時に同調したラジオ放送局の同調情報がメモリに記憶される。その後キーを押してすぐに解除すると、プリセットした放送局が同調される。しかし、このラジオは直接チャンネルを入力するための数字キーボードが無いため、この発明で回避しようとする専用のキーの配列を付け加えなければならない。
【0022】この発明は、遠隔制御ユニットではなくテレビジョン受像機に実施されるので、上述したこの発明の好みのチャンネルを選択するシステムの推奨実施例では、遠隔制御ユニットの制御プログラムを修正する必要がない。遠隔制御ユニットの修正が不必要であるということの結果として、この発明を実施する際に既存の遠隔制御ユニットが使用出来る。
【0023】上述したこの発明の推奨実施例の別の利点は、キーボードの複雑さが増さないこと、付加的なキーを加えるコストが節約できること、及び遠隔制御ユニットの制御プログラムを修正するコストが節約できることである。
【0024】最近の多機能テレビジョン受像機の多くは、比較的多くのキーを含むキーボードを有する遠隔制御ユニットを使用している。上述したこの発明の推奨実施例の更に別の利点は、キーボードに更にキーを付加する必要がなく、ユーザが多数のキーの中から更に別の特別な目的のキー配列を探す必要がないということである。
【0025】チャンネルアップキー及びチャンネル・ダウンキーを多用チャンネル記憶機能用として共用するべきでないと考える場合には、遠隔制御ハンドユニット128の修正が必要になるとしても、妥協として、メモリキーを付加することができる。この発明のこの実施例では、図6に示す様なキーボードが使用される。図2及び図6のキーボードは、図6のキーボードがメモリキー670を含んでいることを除けば、同じ簡単なキーボードである。使用時にメモリキー670を短時間作動させれば、前述のチャンネル・アップキー及びチャンネル・ダウンキーを長めの時間押すことの代わりとなる。
【0026】ここで使用する消費者用電子装置という用語は、テレビジョン受像機及びラジオを含む。またここで使用するテレビジョン受像機という用語は、(普通、テレビジョンセットと呼ぶ)表示装置を有するテレビジョン受像機やVCR等の表示装置のないテレビジョン受信機を含む。
(甲第1号証の記載、以上)

以上の記載によると、甲1には「テレビジョン受像機用テレビジョンチャンネル選択装置」に関する発明が記載されており、図1の記載から見て、制御マイクロプロセッサ110の制御の下に、RFIN100から入力されるRF信号をテレビジョンにおける通常のチューニングを行うことにより、放送されるテレビ番組は、ビデオ信号プロセッサ121、音声信号プロセッサ106を介して表示されるものと認められる。
甲1記載の「テレビジョン受像機用テレビジョンチャンネル選択装置」は、次のような構成を有する。
「マイクロコンピュータ110」は、「局部キーボード118」(図1)からユーザによって発せられたコマンドを受信する(【0009】)。
また、遠隔制御送信機128(図2、図6)からのIR信号を受信するIR受信機119からユーザによって発せられたコマンドを受信する(【0009】)。
遠隔制御送信機128(図2、図6)は、音量ダウン(VOLUME DOWN)キー210、音量アップ(VOLUME UP)キー220、オン/オフ(ON/OFF)キー230、チャンネル・ダウンキー240、チャンネル・アップキー250、及びチャンネル番号等の数字データを入力するための0?9の数字キーパッド(全体を260として図示)、メモリキー670(図6)を含んでいる(【0012】)。
「通常のチャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能は、前述の長めの時間よりも短い時間(即ち3秒より短い時間)でチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーを解除すれば通常の様に実行できる。」(【0005】)
「(図4には、)0?9の数字が付された10のメモリ位置(以下、多用チャンネルメモリと称する)400」を有し、「(例として、)・・・「6」の数字キーが・・・押され」、「指標ポインタ410が「6」を示すと、その時の同調チャンネルに対応する同調データが多用チャンネルメモリ位置6に記憶され」(【0020】)、「押した数字キーに対応する数が、図4に示す指標ポインタレジスタ410に入力され」(【0016】)、「指標ポインタレジスタ中の値に対応する数字の付された位置に記憶されているそれぞれの好みのチャンネル情報が同調のために読出され」(【0017】)、「好みのチャンネルへの同調」(図3ステップ370)がなされる。

以上によれば、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」ともいう)が記載されている。

[甲1発明]
制御マイクロプロセッサ110の制御の下に、RFIN100から入力されるRF信号をテレビジョンにおける通常のチューニングを行うことにより、放送されるテレビ番組を、ビデオ信号プロセッサ121、音声信号プロセッサ106を介して表示し、
「マイクロコンピュータ110」(制御マイクロプロセッサ110)は、「局部キーボード118」(図1)からユーザによって発せられたコマンドを受信し、遠隔制御送信機128(図2、図6)からのIR信号を受信するIR受信機119からユーザによって発せられたコマンドを受信し(【0009】)、
遠隔制御送信機128(図2、図6)は、音量ダウン(VOLUME DOWN)キー210、音量アップ(VOLUME UP)キー220、オン/オフ(ON/OFF)キー230、チャンネル・ダウンキー240、チャンネル・アップキー250、及びチャンネル番号等の数字データを入力するための0?9の数字キーパッド(全体を260として図示)、メモリキー670(図6)を含んでいる(【0012】)ものであり、
「通常のチャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能は、前述の長めの時間よりも短い時間(即ち3秒より短い時間)でチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーを解除すれば通常の様に実行でき」(【0005】)、
「(図4には、)0?9の数字が付された10のメモリ位置(以下、多用チャンネルメモリと称する)400」を有し、「(例として、)・・・「6」の数字キーが・・・押され」、「指標ポインタ410が「6」を示すと、その時の同調チャンネルに対応する同調データが多用チャンネルメモリ位置6に記憶され」(【0020】)、「押した数字キーに対応する数が、図4に示す指標ポインタレジスタ410に入力され」(【0016】)、「指標ポインタレジスタ中の値に対応する数字の付された位置に記憶されているそれぞれの好みのチャンネル情報が同調のために読出され」(【0017】)、「好みのチャンネルへの同調」(図3ステップ370)がなされる、テレビジョン受像機用テレビジョンチャンネル選択装置。

イ.対比
本件訂正特許発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)a:テレビ受信器と関連して用いられ、ユーザーが選択できる複数のテレビチャンネルの複数のプログラム源からの複数のテレビプログラムを表示するための電子テレビビデオプログラムガイドシステム について

甲1発明は、テレビ番組を表示するために、「数字キーが・・・押され」「多用チャンネルメモリ位置6に記憶され」た「同調チャンネル」に、「押した数字キーに対応」して「同調」するから、電子テレビビデオプログラムガイドといい得るものであり、当然に、テレビ番組は複数チャンネルの複数のテレビ番組と認められるから、「ユーザーが選択できる複数のテレビチャンネルの複数のプログラム源からの複数のテレビプログラム」といい得るものであり、テレビジョン受像機用テレビジョンチャンネル選択装置はシステムといい得るから、甲1発明も「テレビ受信器と関連して用いられ、ユーザーが選択できる複数のテレビチャンネルの複数のプログラム源からの複数のテレビプログラムを表示するための電子テレビビデオプログラムガイドシステム」といい得るものであり、この点で、本件訂正特許発明1と甲1発明とは一致する。

(イ)b:チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段であって、前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである、ユーザー制御手段 について

甲1発明は、
遠隔制御送信機128(図2、図6)は、音量ダウン(VOLUME DOWN)キー210、音量アップ(VOLUME UP)キー220、オン/オフ(ON/OFF)キー230、チャンネル・ダウンキー240、チャンネル・アップキー250、及びチャンネル番号等の数字データを入力するための0?9の数字キーパッド(全体を260として図示)、メモリキー670(図6)を含んでおり、
「通常のチャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能は、前述の長めの時間よりも短い時間(即ち3秒より短い時間)でチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーを解除すれば通常の様に実行でき」(【0005】)、
「押した数字キーに対応する数が、図4に示す指標ポインタレジスタ410に入力され」(【0016】)、「指標ポインタレジスタ中の値に対応する数字の付された位置に記憶されているそれぞれの好みのチャンネル情報が同調のために読出され」(【0017】)、「好みのチャンネルへの同調」(図3ステップ370)がなされるものであり、
ユーザが遠隔制御送信機128を操作し、その操作の中に、「チャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン」「数字キー」の操作があり、チャンネルが制御されるから、
甲1発明は、「チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段であって、前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである、ユーザー制御手段」を有するといい得るものであり、この点で、本件訂正特許発明1と甲1発明とは一致する。

(ウ)c:前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段、d:前記データ処理手段から前記ビデオ制御コマンドを受取るビデオ表示発生手段 について

甲1発明は、ユーザの「遠隔制御送信機128」の操作でテレビ番組を表示するといえ、また、その表示においては一般的な表示制御も行うと認められるから、本件訂正特許発明1同様に、「c:前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段、d:前記データ処理手段から前記ビデオ制御コマンドを受取るビデオ表示発生手段」を有するといえ、この点で、本件訂正特許発明1と甲1発明とは一致する。

(エ)e:前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段であって、前記データ処理手段が、前記選択手段に応答して前記テレビ受信器を同調し、且つ前記テレビ受信器をユーザーにより選択されたテレビチャンネルに同調するところの選択手段を備えるシステム について

上記(ア)?(ウ)で述べたように、甲1発明は、コマンドの存在が認められ、ユーザの「遠隔制御送信機128」の操作でテレビ番組を表示すると認められるから、甲1発明は、「前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段であって、前記データ処理手段が、前記選択手段に応答して前記テレビ受信器を同調し、且つ前記テレビ受信器をユーザーにより選択されたテレビチャンネルに同調するところの選択手段を備えるシステム」といい得るものであり、この点で、本件訂正特許発明1と甲1発明とは一致する。

(オ)f:前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り、各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し について

本件訂正特許発明1の「お好みチャンネルリスト」である図8の視聴者選択リスト81は「お好みチャンネル」が記憶されるものであるところ、甲1発明が有する「多用チャンネルメモリ」(図4)は「好みのチャンネル」が記憶されるといえ、この「多用チャンネルメモリ」は「0?9の数字が付された10のメモリ位置」を持つものであって、「好みのチャンネル」が記憶されるから、甲1発明の「多用チャンネルメモリ」は本件訂正特許発明1の「お好みチャンネルリスト」に対応するものと認められる。そして、甲1発明の「多用チャンネルメモリ」は、「0?9の数字が付された10のメモリ位置」に「好みのチャンネル」が記憶されて、「0?9の数字」のそれぞれと「好みのチャンネル」との対応関係が「指標ポインタ410」によりアクセスできるようにまとめられているから、「リスト」といい得るものである。そうであるから、甲1発明の「多用チャンネルメモリ」は「お好みチャンネルリスト」といい得るものであり、本件訂正特許発明1と甲1発明とは「お好みチャンネルリスト」を有する点で一致する。
もっとも、甲1発明の「多用チャンネルメモリ」は1つであり、複数ではない。したがって、「複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定する」ものではなく、そのような「お好みチャンネルリスト決定コマンド」の存在は認められない。
また、本件訂正特許発明1の「お好みチャンネルリストは、」「複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義(し)」する。ここで定義される「順序」は、構成hで、「チャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調する」という意味の「順序」である。すなわち、チャンネルの上昇、下降という、それ自身で直接、チャンネルの具体的値を指定するのではなく、前、次、隣等のように、チャンネルの並びの方向だけを示す入力に対して、その方向の次の具体的値(チャンネル)を示すことができるための並びの「順序」である。
甲1発明の「多用チャンネルメモリ」は、上記のように「リスト」といい得るものであって、「0?9の数字が付された10のメモリ位置」に「好みのチャンネル」が記憶されて、「0?9の数字」のそれぞれと「好みのチャンネル」との対応関係が「指標ポインタ410」によりアクセスできるようにまとめられている。この「指標ポインタ410」によるアクセスは、「指標ポインタ410」に入力された数字の位置にアクセスするものである。「指標ポインタ410」への数の入力は、数字キーを押すことによってなされる。そして、数字キーを押すのはユーザであり、ユーザは任意の数字キーを押す。すなわち、ユーザの押す任意の数字キーに対応した任意の数字の位置にアクセスするものである。ここで、この甲1発明における数字キーを押すことは、直接数値や値を指定することであって、並び順のどちらかだけを示す入力ではなく、また、その入力は任意であって特定の順序を有さないものといえる。
そうであるから、甲1発明の「多用チャンネルメモリ」は、ユーザが数字キーを押すことに対して、並び順のどちらかだけを示す入力に対して、並び順の前(上)、次(下)が具体的にどの数値(チャンネル)かを示す「順序」、すなわち、本件訂正特許発明1で「お好みチャンネルリスト」が定義する「順序」を有しない。甲1発明は、チャンネルの指定について、ユーザが数字キーを押すことのほかに、「チャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキー」の入力も有し、「通常のチャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能は、前述の長めの時間よりも短い時間(即ち3秒より短い時間)でチャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキーを解除すれば通常の様に実行でき」(【0005】)るものである。この「チャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキー」の入力は、本件訂正特許発明1での上昇、下降に相当するものであるといえるところ、甲1発明ではこの「チャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキー」の入力によっては、「通常のチャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能」がなされるのであり、「多用チャンネルメモリ」は用いられない。「通常のチャンネル・アップ及びチャンネル・ダウン機能」は、甲1に明記はないが、一般的なチャンネル番号順にアップ・ダウンするものと考えられるが、少なくとも、「多用チャンネルメモリ」が用いられないのであるから、「多用チャンネルメモリ」が「チャンネル・アップ又はチャンネル・ダウンキー」の入力に対して順序を定義するものとはなり得ない。
以上のようであるから、
本件訂正特許発明1と甲1発明とは、「お好みチャンネルリスト」を有する点で一致し、
本件訂正特許発明1が「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り、各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義(し)」することに対して、
甲1発明は、そのようでない点で相違する。

(カ)g:前記システムが、前記複数のお好みチャンネルリストの各々を記憶する記憶手段を更に備える について

甲1発明は「好みのチャンネル」を「多用チャンネルメモリ」に記憶するから、「前記システムが、前記お好みチャンネルリストを記憶する記憶手段を更に備える」といい得るところ、上記(オ)で述べたように、「複数」有しないから、「複数のお好みチャンネルリストの各々を(記憶する)」とはいえず、この点で相違する。

(キ)h:前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調することを特徴とするシステム について

上記(オ)で述べたように、甲1発明は「多用チャンネルメモリ」を「複数」有せず、また、「チャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調する」という意味での「順序」を定義しないから、甲1発明は「前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調する」ものではない。

(ク)相違点の整理
以上のように本件訂正特許発明1の構成毎に対比されるところ、本件訂正特許発明1と甲1発明との上記相違は「お好みチャンネルリスト」に係る相違であって、
本件訂正特許発明1が「お好みチャンネルリスト」を「複数」有することに起因する相違、すなわち、
本件訂正特許発明1が「お好みチャンネルリスト」を「複数」有し、「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り」、「お好みチャンネルリストを記憶する記憶手段」が「複数のお好みチャンネルリストの各々を」記憶することに対し、
甲1発明は、そのようでない相違と、
本件訂正特許発明1の「お好みチャンネルリスト」が「順序を定義」することに起因する相違、すなわち、
本件訂正特許発明1では「各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し」、「前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調すること」に対して、
甲1発明は、そのようでない相違とに、技術的に区別される。

ウ.一致点相違点
以上の対比によると、本件訂正特許発明1と甲1発明との一致点、相違点は次のようである。

[一致点]
a:テレビ受信器と関連して用いられ、ユーザーが選択できる複数のテレビチャンネルの複数のプログラム源からの複数のテレビプログラムを表示するための電子テレビビデオプログラムガイドシステムであって、
b:チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段であって、前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである、ユーザー制御手段と、
c:前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段と
d:前記データ処理手段から前記ビデオ制御コマンドを受取るビデオ表示発生手段と、
e:前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段であって、前記データ処理手段が、前記選択手段に応答して前記テレビ受信器を同調し、且つ前記テレビ受信器をユーザーにより選択されたテレビチャンネルに同調するところの選択手段を備えるシステムにおいて、
f’お好みチャンネルリストを有し、
g’前記システムが、前記お好みチャンネルリストを記憶する記憶手段を更に備える
h’システム。

[相違点1]
本件訂正特許発明1が「お好みチャンネルリスト」を「複数」有し、「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り」、「お好みチャンネルリストを記憶する記憶手段」が「複数のお好みチャンネルリストの各々を」記憶することに対し、
甲1発明は、そのようでない点。

[相違点2]
本件訂正特許発明1では「各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し」、「前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調すること」に対して、
甲1発明は、そのようでない点。

エ.判断
(ア)[相違点1](複数)について
a.甲第2号証(米国特許第4,706,121号明細書)
甲第2号証(以下、「甲2」ともいう)には、図面と共に次の記載がある。

(甲第2号証の記載)
The cursor keys 232-236 can be used to select a different program. The up/down cursor keys 232-234 will move the cursor one line up or one line down at a time.(甲第2号証第11カラム第51?53行)
(カーソルキー232?236を使用して異なる番組を選択することができる。UP/DOWNカーソル・キー232?234はカーソルを一度に1行上または1行下に移動させる。)(甲2の訳文第25頁下から第4行?下から第2行)

PG C Channel Restriction List Setup This feature allows the user to restrict listing to the channels of interest, and also the satellite if it is a satellite broadcast. As in the case of themes, up to four different channel groups can be set up to accommodate different viewers. Alternatively, one of the list can be set up for just one or two channels of interest.(甲第2号証第14カラム第36?42行)
(PG Cチャンネル制御一覧表示設定 この機能によって、ユーザは一覧表示を関心のあるチャンネルに制限し、それが衛星放送である場合は衛星に制限することができる。テーマの場合と同様、異なった視聴者に対応するため、4つまでの異なったチャンネル・グループが設定できる。また、一覧表示の1つを関心のある1つか2つのチャンネルだけについて設定することができる。)(甲2の訳文、第32頁第17?22行)
(甲第2号証の記載、以上)

甲2にいう「関心のあるチャンネル」は、ユーザの関心により、一覧表示されるチャンネルを制限したものであるから、本件訂正特許発明1の「お好みチャンネル」に相当するものであり、当然にその「関心のあるチャンネル」はまとめて記憶されるから、「関心のあるチャンネル」の「リスト」の存在が認められ、甲2には、本件訂正特許発明1の「お好みチャンネルリスト」に相当する構成が記載されていると認められる。そして、甲2の「関心のあるチャンネル」は、「4つまでの異なったチャンネル・グループが設定できる」から、「関心のあるチャンネル」の「リスト」は複数存在するものと認められ、当然に複数の「関心のあるチャンネル」の「リスト」はユーザに選択され用いられるものと認められる。

b.甲第3号証(特開平6-133235号公報)
甲第3号証(以下、「甲3」ともいう)には、図面と共に次の記載がある。

(甲第3号証の記載)
【0028】図1において、1はテレビジョン受像機である。2はテレビジョン映像音響信号を受信する受信手段である。この受信手段2には、例えばテレビ地上波アンテナやパラボラアンテナが接続される。3は受信手段2より受信した信号の選局を行なう選局手段で、例えばチュナーやBSチューナがこれにあたる。4は選局手段3によって選局された映像音響信号の出力手段で、例えばテレビモニターがこれにあたる。5は選局に関する情報や出力に関する情報を入力する入力手段である。この入力手段5には、例えばリモコン、十字パッドやマウスなどが接続されている。
【0029】7は入力手段5より入力された情報を格納する統計情報格納手段である。例えば、入力手段5にはテレビジョン受像機の電源オン時に、入力手段5から個人の識別番号が入力される。具体的には、ユーザは、個人の識別番号を直接リモコンから入力する。また、個人の識別番号の入力は、リモコン側にある液晶ディスプレイに表示された画像によって指示する場合や、テレビジョンモニターに表示された画像を十字パッドやマウスによって指示する場合がある。この個人識別番号の変更は、再び入力手段5から個人識別番号が入力されるまで行なわれない。また、選局に関する情報の入力は、従来のテレビジョン受像機のようなチャンネル番号の直接指示だけではなく、[いつもの]、[次に]、[戻る]、[別の]の指定方法による番組選択が用意されている。
【0030】6は入力手段5より入力された情報と統計情報格納手段7に格納してある情報を処理して選局手段3や出力手段4の制御を行なう制御手段である。
【0031】101から107は制御データ、コマンド、データ等の経路を示す。ただし、上記各名称は、便宜上、伝達される主な内容を示したもので、実際には、この名称に係らず、状況に応じて種々の内容が伝達される。
【0032】上記の構成において、例えば以下のようにして統計情報を利用した番組選択が行われる。
【0033】まず、入力手段5から電源オンのコマンドがコマンド103として制御手段6に渡される。これを受けて制御手段6は、1つ前に電源オフされた時に保持されていた個人識別番号と、現在の日時を計測し、その特定個人の特定日時における最も使用頻度の高いチャンネル番号及び音量、画質状態を得るため、統計情報格納手段7に格納されている統計情報を制御信号106とデータ107でよんでくる。例えば、統計情報格納手段7には次に示すようなフォーマットで統計情報が格納されている。
【0034】<統計情報格納手段に格納されている内容>
#個人識別番号=1(お父さん用)
[シーズン番号]、[曜日]、[開始時間]、[終了時間]、[チャンネル番号]
また、具体的には次に示すようなデータが格納されているとする。
【0035】<お父さん用データ>
データ1[夏]、[金曜日]、[6:52]、[7:28]、[6ch]
データ2[夏]、[木曜日]、[6:48]、[7:29]、[6ch]
データ3[夏]、[月曜日]、[6:42]、[7:20]、[4ch]
データ4[夏]、[水曜日]、[6:55]、[7:32]、[6ch]
データ5[夏]、[金曜日]、[6:44]、[7:27]、[6ch]
データ6[夏]、[土曜日]、[8:47]、[9:43]、[8ch]
データ7[夏]、[日曜日]、[8:55]、[10:03]、[4ch]
データ8[夏]、[火曜日]、[7:01]、[7:35]、[6ch]
従来のテレビでは、テレビを視聴中にチャンネルを変えたくなった場合、直接チャンネル番号を指示し、チャンネルを変える。この方法では、チャンネル数が増加してくると、見たい番組にたどりつくまで、多くの時間を有する。
【0036】そこで、入力方法に、[いつもの]、[次に]、[戻る]、[別の]の統計情報を利用した入力方法を従来のチャンネル番号の指示に加えて追加する。
【0037】最初に、[いつもの]による番組選択の流れを、電源オン時を例に説明する。夏の金曜日の朝、お父さんが6時49分にテレビの電源を入れるとする。電源オンの信号が入力手段5から信号103として制御手段6に送られる。これを受けて、制御手段6は入力信号をコマンドに変えてコマンド106を統計情報格納手段7に送り、お父さん用データであるデータ1からデータ8を検索し、夏、金曜日、6時49分に一番近いデータであるデータ1とデータ5を得る。
【0038】そして、統計情報格納手段7は、データ1とデータ5をデータ107として制御手段106に送る。これを受けて制御手段6は、このデータを統計処理し、6chを得る。制御手段6は選局手段3に、6chにチャンネルを変えるためのコマンド105を送る。これを受けて、選局手段3は受信手段2から送られてくる映像音響信号101を選局し、その選局された情報をデータ102として出力手段に送信する。この一連の操作で、電源オン時には、個人がいつも視聴しているチャンネル番号からの提示ができる。
【0039】なお、データ1からデータ8のフォーマットの中に音量に関する情報、画質に関する情報を加えて格納することで、いつものチャンネルだけでなく、いつもの音量、いつもの画質で番組視聴できる。
【0040】次に、[次に]、[戻る]、[別の]の場合に関する統計情報の利用を説明する。
【0041】まず、[次に]による番組選択の流れを、電源オン時を例に説明する。夏の金曜日の朝、お父さんが6時49分にテレビの電源を入れ、デフォルトとして6chが選択される。しかし、お父さんは、6chが気にいらなく、[次に]というコマンドを入力手段5から入力する。[次に]の信号が入力手段5から信号103として制御手段6に送られる。
【0042】これを受けて、制御手段6は入力信号をコマンドに変えてコマンド106を統計情報格納手段7に送り、お父さん用データであるデータ1からデータ3を検索し、夏、金曜日、6時49分に一番近いデータに6ch以外で一番近いデータであるデータ3を得る。そして、統計情報格納手段7は、データをデータ107として制御手段6に送る。これを受けて制御手段6は、このデータを統計処理し、4chを得る。制御手段6は選局手段3に、4chにチャンネルを変えるためのコマンド105を送る。これを受けて、選局手段3は受信手段2から送られてくる映像音響信号101を選局し、その選局された情報をデータ102として出力手段に送信する。この一連の操作で、電源オン時には、個人が次によく視聴しているチャンネル番号への選局ができる。
【0043】また、[戻る]のコマンドが入力手段5からコマンド103で入力されると、[戻る]の信号が入力手段5から信号103として制御手段6に送られる。これを受けて、制御手段6は、制御手段6中に格納してある現在までに格納されているチャンネルキューを1つ前に戻す。この場合であると、最初デフォルトとして、6chが選択され、次に4chが選択されている。この状態で、[戻る]コマンドが入力手段5より入力されるので、制御手段6は1つ前のチャンネル番号6chを得る。制御手段6は選局手段3に、6chにチャンネルを変えるためのコマンド105を送る。これを受けて、選局手段3は受信手段2から送られてくる映像音響信号101を選局し、その選局された情報をデータ102として出力手段に送信する。この一連の操作で、電源オン時には、個人1つ前に視聴しているチャンネル番号への選局ができる。
【0044】また、[別の]による番組選択の流れを説明する。夏の金曜日の朝、お父さんが6時49分にテレビの電源を入れ、デフォルトとして6chが選択される。しかし、お父さんは、いつものチャンネルが気にいらなく、[別の]というコマンドを入力手段5から入力する。[別の]の信号が入力手段5から信号103として制御手段6に送られる。
【0045】これを受けて、制御手段6は入力信号をコマンドに変えてコマンド106を統計情報格納手段7に送り、お父さん用データであるデータ1からデータ8を検索し、夏、金曜日、6時49分に一番近いデータと次に近いデータであるデータ1、データ3、データ5を得る。そして、統計情報格納手段7は、データ1、データ3、データ5をデータ107として制御手段6に送る。これを受けて制御手段6は、このデータを統計処理し、6ch,4chを得る。そして、6ch及び4ch以外のチャンネル番号を制御手段6に格納されている、有効チャンネル番号リストの中から選択する。
【0046】例えば、有効チャンネル番号リストの内容が以下に示すとおりとする。
有効チャンネル数=6個
有効チャンネル番号リスト(2ch,4ch,6ch,8ch,10ch,12ch)
すると、制御手段6は、4chと6ch以外のチャンネル2chを選択する。そして、制御手段6は選局手段3に、2chにチャンネルを変えるためのコマンド105を送る。これを受けて、選局手段3は受信手段2から送られてくる映像音響信号101を選局し、その選局された情報をデータ102として出力手段に送信する。この一連の操作で、[別の]は、個人がその時間帯にあまり視聴していないチャンネル番号への選局ができる。
(甲第3号証の記載、以上)

甲3の<統計情報格納手段に格納されている内容>である<お父さん用データ>は、データ1から8が横並びのデータとしてまとめて格納されており、「リスト」といい得るものである。また、[6CH]等のチャンネルもデータに含み、曜日、時間情報等を用いてチャンネルを決定するのに用いられるから、「チャンネルリスト」ともいい得るものである。さらに、この統計情報格納手段に格納されているデータは、「入力手段5より入力された情報を格納」(【0029】)したものであり、「統計情報」と称され、[いつもの]と入力されたとき一番近いデータが検索され、見たい番組にたどりつく(【0035】)ためのものであるから、<お父さん>の視聴履歴であって、<お父さん>にとって見たい番組を放送する、<お父さん>にとって好ましいとの認識の下に説明されているリストであると認められる。従って、甲3には、「お好みチャンネルリスト」の存在が認められる。
そして、「お父さん用」とされることから、当然に他の家族のチャンネルリストも備えていることを予定しており、複数のお好みチャンネルリストを備えるものと認められる。そして、複数のお好みチャンネルリストが選択されて用いられるのも当然といえる。

c.甲1発明への採用 [相違点1]まとめ
以上、甲2、甲3記載のように、チャンネル選択に当たって、複数のお好みチャンネルリストを設け、それらを選択して用いることは、周知であると認められ、チャンネル選択を行う甲1発明にも複数のユーザが普通に想定できるから、このような周知の技術を採用することは当業者であれば容易に想到できることといえる。
したがって、甲1発明に甲2、甲3記載の周知の技術を採用して、「お好みチャンネルリスト」を「複数」とし、「お好みチャンネルリストを記憶する記憶手段」が「複数のお好みチャンネルリストの各々を」記憶するようになし、選択して用いるために、「前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取(り)」るようになすことで、本件訂正特許発明1の相違点1に係る構成とすることは当業者が容易に想到できることといえる。

(イ)[相違点2](順序を定義)について
a.甲第2号証(米国特許第4,706,121号明細書)
甲2には、上記(ア)a.で述べた記載があり、「お好みチャンネルリスト」が認められるものの、関心のあるチャンネルに限定して一覧表示をして、カーソルの移動により番組の選択ができるに留まり、UP/DOWNカーソル・キーはカーソルの移動のためのものであって、次に同調させるチャンネルを要求するものではなく、本件訂正特許発明1の「順序」を定義するリストとは認められないから、甲2の記載をもってしても、本件訂正特許発明1の相違点2に係る構成を当業者が容易に想到できるとはいえない。

b.甲第3号証(特開平6-133235号公報)
甲3には、上記(ア)b.で述べた記載があり、「お好みチャンネルリスト」が認められるものの、本件訂正特許発明1の「順序」を定義するリストとは認められない。
すなわち、「いつもの」「次に」「戻る」「別の」の入力に対してチャンネルが決定されるが、「いつもの」「戻る」「別の」はチャンネルの並びの方向を示す入力でないのは明らかであり、「次に」は、方向を示すとはいえるものの、「6chが気にいらな(く)」(【0041】)いときに入力し、「6ch以外で一番近いデータ」(【0042】)を得るのであるから、お気に入りの程度順での方向を示すものといえ、そのお気に入りの程度の順も、より低い方への一方向の順でしかないから、上昇、下降のあるチャンネルの並びの方向を示す入力とはいえない。そして、<お父さん用データ>からチャンネルを選ぶのは、データの[シーズン番号]、[曜日]、[開始時間]、[終了時間]と現在の時刻等との突き合わせの結果で選択されるのであって、リスト自体がチャンネルの順序を有するとはいえない。したがって、甲3の(「お好みチャンネルリスト」と認められる)<お父さん用データ>は、本件訂正特許発明1の「順序」を定義するものではない。
よって、甲3の記載をもってしても、本件訂正特許発明1の相違点2に係る構成を当業者が容易に想到できるとはいえない。

c.甲第13号証(特開平6-12844号公報)
甲第13号証(以下、「甲13」ともいう)には、図面と共に次の記載がある。

(甲第13号証の記載)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】好ましいチャンネルのリストに関して第2の問題が生ずる。テレビジョン受像機(TV)およびVCRには好みのチャンネルのリストを含ませるのが普通である。チャンネルアップ(CHANNEL UP)あるいはチャンネルダウン(CHANNEL DOWN)命令に応答して、TVあるいはVCRは好まないチャンネルをスキップし、そのとき同調しているチャンネルから周波数が次に高い好みのチャンネルあるいは周波数が次に低い好みのチャンネルに同調する。多くのスキップリストは、すべての可能なチャンネルを通して進歩し、各チャンネルが有効であるか否かに関する情報をもってスキップリストをプログラムする自動プログラム機構によって自動的にプログラムされる。自動プログラム動作で検出されないチャンネルはADDキーの操作によって使用者によって付加される。スキップリストで検出され、記憶されているが、そのことが好ましくないチャンネルは削除(DELETE)キーの操作によってスキップリストから削除される。不都合なことにケーブルボックスは通常自動プログラミング動作を実行することができず、またスキップリストを含んでいない。このためチャンネルアップ命令がVCRに送られると、次の有効チャンネルあるいは好みのチャンネルの同調を行なわせるが、チャンネルアップ命令がケーブルボックスに送られると、チャンネルが有効であるか否かには関係なく次に高いチャンネルを選択させることになる。

【0015】図3のステップ310において、VCRセットアップ用のキー5を押すことに応答して、図6の表示スクリーンが生成され(ステップ320)、他の5個のオプションのリストを与える。項目1を選択すると、使用者はチューナ回路102をNORMAL(正規:すなわち放送テレビジョン)周波数に同調させるように制御するのと、チューナ回路102をCATVすなわちケーブルテレビジョン)周波数に同調させるように制御することとの間で前後にトグルすることができる。項目2を選択すると、AUTOPROGRAM(自動プログラム)機能が実行され、チューナ回路102はすべての有効チャンネルをサーチするように制御され、同調することができるチャンネルのリストと、スキップされる無効チャンネルのリストを編集する。メニューの項目4を選択すると、使用者はリストにチャンネルを加え、また自動プログラム走査リストからチャンネルを削除することができる。メニュー項目5を選択すると(図3のステップ325)、図11に示すスクリーンが表示される(ステップ330)。図11はVCR遠隔制御ユニット125によって制御されるように選択される項目を特定する。1を押すと制御のためにVCR1を選択し、同様に2を押すと制御のためにVCR2を選択する(ステップ340)。3を押すと制御のためにケーブルボックスおよびVCR1の両方を選択し、4を押すと制御のためにケーブルボックスおよびVCR2を選択する(ステップ345)。図11の遠隔制御用メニュー(REMOTE)は、ケーブルボックスがシステムと共に使用されるものとして扱われる場合は除去することができる(図7)。
(甲第13号証の記載、以上)

甲13の「同調することができるチャンネルのリスト」は「編集する」ことができ、「使用者はリストにチャンネルを加え、また自動プログラム走査リストからチャンネルを削除することができる」ものであるところ、その「編集(する)」により、「使用者はリストにチャンネルを加え、また自動プログラム走査リストからチャンネルを削除」された「同調することができるチャンネルのリスト」により、「チャンネルアップ(CHANNEL UP)あるいはチャンネルダウン(CHANNEL DOWN)命令に応答して、TVあるいはVCRは好まないチャンネルをスキップし、」「同調する」チャンネルは、従来のように「そのとき同調しているチャンネルから周波数が次に高い好みのチャンネルあるいは周波数が次に低い好みのチャンネルに同調する。」ものと認められ、「チャンネルアップ(CHANNEL UP)あるいはチャンネルダウン(CHANNEL DOWN)命令に応答して、」「同調する」チャンネルの順序は「周波数が次に高い(低い)」順であると認められる。すなわち、「チャンネルアップ(CHANNEL UP)あるいはチャンネルダウン(CHANNEL DOWN)命令に応答して、」「同調する」チャンネルの順序はチャンネルの「周波数」によって決められ、その順序を「同調することができるチャンネルのリスト」が定義する順序であるとはいえない。
したがって、甲13の「同調することができるチャンネルのリスト」は、本件訂正特許発明1の「順序」を定義するものではない。
よって、甲13の記載をもってしても、本件訂正特許発明1の相違点2に係る構成である「各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し」、「前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調する」ことを当業者が容易に想到できるとはいえない。

d.[相違点2] まとめ
以上のとおり、甲2、甲3、甲13の記載をもってしても、本件訂正特許発明1の相違点2に係る構成を当業者が容易に想到できるとはいえない。また、他の証拠方法、甲第4号証ないし甲第10号証にも、本件訂正特許発明1の相違点2に係る構成を当業者が容易に想到できるといえる記載は認められない。
このようであるから、本件訂正特許発明1の相違点2に係る構成を当業者が容易に想到できるとはいえない。

オ.無効理由5 まとめ
以上のとおり、本件訂正特許発明1の相違点1に係る構成とすることは当業者が容易に想到できることといえるものの、本件訂正特許発明1の相違点2に係る構成を当業者が容易に想到できるとはいえないから、本件訂正特許発明1は、甲第1ないし10号証、甲第13号証記載の発明から当業者が容易に発明することができたものということはできない。
したがって、「特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその特許出願前に国内又は外国において、頒布された刊行物を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、同法第29条第2項に違反しており、同法第123条第1項第2号により無効にすべきである。」ということはできず、請求項1に対する無効理由5は、理由がない。

(6)無効理由6(分割違反に基づく29条)
平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認めたので、本件特許明細書は平成21年 7月24日付け訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりである。
上記第2 2.(2)のように、訂正事項は、特許請求の範囲を訂正する訂正のみであり、特許請求の範囲を除き、訂正明細書と特許明細書とは同じ内容である。
本件特許出願(分割出願)の特許明細書等(訂正前)と原出願の願書に最初に添付した明細書及び図面(甲第11号証:特表平10-501936号公報参照(原出願の公表公報。公表公報は原出願の願書に最初に添付した明細書及び図面を掲載している。))とを対比しても(甲第12号証参照)、少なくとも特許請求の範囲の記載を除き、特許明細書等に原出願の願書に最初に添付した明細書及び図面記載の技術的事項を超える記載はないから、特許請求の範囲を除き、訂正明細書にも原出願の願書に最初に添付した明細書又は図面記載の技術的事項を超える記載はない。
また、特許請求の範囲の訂正は、上記第3 1.で述べたとおり、特許明細書等(訂正前)に記載した事項の範囲内においてなされたものであるから、訂正明細書の特許請求の範囲にも、原出願の願書に最初に添付した明細書及び図面記載の技術的事項を超える記載はない。よって、訂正明細書及び特許図面には、原出願の願書に最初に添付した明細書及び図面記載の技術的事項を超える記載はない。
更に、訂正明細書の特許請求の範囲に係る発明が、原出願の包含する発明の全部で無いことは明らかである。
したがって、本件特許出願は、原出願の一部を新たな特許出願としたものであり、適法に分割された出願であるといえ、「本件特許発明1は、原出願を特願平7-530243とする分割出願であるが、その原出願の出願当初の明細書及び図面に記載された事項の範囲を超えてなされたものであるため、同法44条の要件を満たしていない。そのため本件特許発明1に出願日の遡及は認められず、現実の出願日である平成14年9月25日が出願日となる。」とはいえない。
以上のとおり、本件特許出願は適法に分割された出願であるといえ、分割要件に違反しているとはいえないから、分割違反を前提として、「特表平10-501936号公報(原出願の公表公報、甲第11号証)記載の発明と実質的に同一であるため同法第29条第1項第3号違反となり、仮にそうでないとしても甲第11号証記載の発明を基にいわゆる当業者が容易に想到できたものであるから、同法第29条第2項違反となり、同法123条第1項第2号により無効にすべきである。」ということはできない。
したがって、請求項1に対する無効理由6は、理由がない。

3.請求項2に対する無効理由について
平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認めたので、本件特許明細書は平成21年 7月24日付け訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりであり、請求項2に係る発明(以下、「本件訂正特許発明2」ともいう)は、次のとおりである。分説して再掲する。

[本件訂正特許発明2]
【請求項2】
i:請求項1のシステムにおいて、前記データ処理手段が、前記ユーザー制御手段の方向矢印キーの起動に応じて、選択された前記1つのお好みチャンネルリストにおける同調のシーケンスを制御するシステム。

(1)無効理由1?6
請求項2が請求項1を引用することによる請求項1に対する無効理由1ないし6と同様の無効理由は、請求項1について判断したように、理由がない。

(2)請求項2固有の無効理由
「前記ユーザー制御手段の方向矢印キーの起動に応じて」の意味は、ユーザの「方向矢印キー」(例えば図4のUP・Downキー)の操作に応じることであることは、普通に理解でき、特許法第36条第5項第2号に違反するとはいえない。
したがって、請求項2固有の無効理由は、理由がない。

4.請求項3に対する無効理由について
平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認めたので、本件特許明細書は平成21年 7月24日付け訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりであり、請求項3に係る発明(以下、「本件訂正特許発明3」ともいう)は、次のとおりである。分説して再掲する。

[本件訂正特許発明3]
【請求項3】
j:請求項1又は2のシステムにおいて、前記データ処理手段及び前記記憶手段が、セットトップボックスに含まれているシステム。

(1)無効理由1?6
請求項3が請求項1又は2を引用することによる請求項1又は2に対する無効理由1ないし6、及び、請求項2固有の無効理由と同様の無効理由は、請求項1及び2について判断したように、理由がない。

(2)請求項3固有の無効理由
請求項1に対する無効理由5(特許法第29条第2項に違反)は理由がないから、請求項1又は2を引用し請求項1の構成をすべて有する請求項3も特許法第29条第2項に違反するといえない。よって、請求項3固有の無効理由は、理由がない。

5.請求項4に対する無効理由について
平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認めたので、本件特許明細書は平成21年 7月24日付け訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりであり、請求項4に係る発明(以下、「本件訂正特許発明4」ともいう)は、次のとおりである。分説して再掲する。

[本件訂正特許発明4]
【請求項4】
k:請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、ケーブルテレビ信号を受信するように適合されているシステム。

(1)無効理由1?6
請求項1が請求項1、2又は3を引用することによる請求項1、2又は3に対する無効理由1ないし6、及び、請求項2又は3固有の無効理由と同様の無効理由は、請求項1、2及び3について判断したように、理由がない。

(2)請求項4固有の無効理由
請求項1に対する無効理由5(特許法第29条第2項に違反)は理由がないから、請求項1、2又は3を引用し請求項1の構成をすべて有する請求項4も特許法第29条第2項に違反するといえない。よって、請求項4固有の無効理由は、理由がない。

6.請求項5に対する無効理由について
平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認めたので、本件特許明細書は平成21年 7月24日付け訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりであり、請求項5に係る発明(以下、「本件訂正特許発明5」ともいう)は、次のとおりである。分説して再掲する。

[本件訂正特許発明5]
【請求項5】
l:請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、衛星テレビ信号を受信するように適合されているシステム。

(1)無効理由1?6
請求項5が請求項1、2又は3を引用することによる請求項1、2又は3に対する無効理由1ないし6、及び、請求項2又は3固有の無効理由と同様の無効理由は、請求項1、2及び3について判断したように、理由がない。

(2)請求項5固有の無効理由
請求項1に対する無効理由5(特許法第29条第2項に違反)は理由がないから、請求項1、2又は3を引用し請求項1の構成をすべて有する請求項5も特許法第29条第2項に違反するといえない。よって、請求項5固有の無効理由は、理由がない。

7.請求項6に対する無効理由について
平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認めたので、本件特許明細書は平成21年 7月24日付け訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりであり、請求項6に係る発明(以下、「本件訂正特許発明6」ともいう)は、次のとおりである。分説して再掲する。

[本件訂正特許発明6]
【請求項6】
m:請求項1のシステムにおいて、前記ユーザー制御手段のいずれかの対応キーの起動に応じて、前記少なくとも1つのお好みチャンネルリストが選択されるシステム。

(1)無効理由1?6
請求項6が請求項1を引用することによる請求項1に対する無効理由1ないし6と同様の無効理由は、請求項1について判断したように、理由がない。

(2)請求項6固有の無効理由
「ユーザー制御手段のいずれかの対応キーの起動に応じて」の意味は、ユーザのリモコンなどのいずれかの対応キー(例えば図4のキー48A、48B、48C)の操作に応じることであることは、普通に理解でき、特許法第36条第5項第2号に違反するとはいえない。
したがって、請求項6固有の無効理由は、理由がない。

8.請求項7に対する無効理由について
平成21年 7月24日付け訂正請求書による訂正を認めたので、本件特許明細書は平成21年 7月24日付け訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりであり、請求項7に係る発明(以下、「本件訂正特許発明7」ともいう)は、次のとおりである。分説して再掲する。

[本件訂正特許発明7]
【請求項7】
n:請求項1乃至6の何れか一項に記載のシステムを用いて、テレビ受信器の同調を制御する方法。

(1)無効理由1?6
請求項7が請求項1乃至6を引用することによる請求項1乃至6に対する無効理由1ないし6、及び、請求項2乃至6固有の無効理由と同様の無効理由は、請求項1乃至6について判断したように、理由がない。
(2)請求項7固有の無効理由
請求項7が「請求項1乃至6の何れか一項に記載のシステムを用いて、テレビ受信器の同調を制御する方法」と特定されるところ、上記したように請求項1乃至6に対する無効理由はいずれも理由が無く、請求項7固有の無効理由は、理由がない。

9.当審の判断まとめ
以上のとおり、被請求人の訂正請求は認めることができ、請求人が主張する請求項1ないし7に対する無効理由はいずれも理由がない。
したがって、請求人が主張する無効理由によっては、請求人が無効を請求する請求項1ないし7に係る特許を無効にすることはできない。

第4 むすび
以上のとおり、請求人が無効を請求する請求項1ないし7に係る特許を無効にすることはできない。
よって、本件審判の請求は成り立たない。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり、審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電子テレビプログラムガイド
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】テレビ受信器と関連して用いられ、ユーザーが選択できる複数のテレビチャンネルの複数のプログラム源からの複数のテレビプログラムを表示するための電子テレビビデオプログラムガイドシステムであって、
チャンネル制御コマンドを含む制御コマンドを発するユーザー制御手段であって、前記制御コマンドは、前記テレビ受信器の動作を制御するためのコマンドであり、前記チャンネル制御コマンドは、前記複数のテレビチャンネルを制御するためのコマンドである、ユーザー制御手段と、
前記制御コマンドを受取り、ビデオ制御コマンドを発生させるデータ処理手段と、
前記データ処理手段から前記ビデオ制御コマンドを受取るビデオ表示発生手段と、
前記チャンネル制御コマンドに応答して、ユーザーに前記複数のテレビチャンネルの何れか1つを選択させる選択手段であって、前記データ処理手段が、前記選択手段に応答して前記テレビ受信器を同調し、且つ前記テレビ受信器をユーザーにより選択されたテレビチャンネルに同調するところの選択手段を備えるシステムにおいて、
前記データ処理手段が、前記テレビ受信器の複数のお好みチャンネルリストをユーザーに決定させ、各お好みチャンネルリストを決定するお好みチャンネルリスト決定コマンドを前記制御コマンドの1つとして受取り、各お好みチャンネルリストは、複数のお好みテレビチャンネルの順序を定義し、
前記システムが、前記複数のお好みチャンネルリストの各々を記憶する記憶手段を更に備えると共に、
前記複数のお好みチャンネルリストのうちの1つが選択された場合において、前記データ処理手段が、前記複数のお好みチャンネルリストのうちの前記1つを用いて前記テレビ受信器における前記複数のテレビチャンネルへの同調のシーケンスを制御することにより、前記ユーザー制御手段からの前記チャンネル制御コマンドに含まれるチャンネル上昇コマンドまたはチャンネル下降コマンドに応じて、前記ユーザーにより決定された前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルの順序に従って前記1つのお好みチャンネルリストによって定義されている前記複数のお好みテレビチャンネルに同調することを特徴とするシステム。
【請求項2】請求項1のシステムにおいて、前記データ処理手段が、前記ユーザー制御手段の方向矢印キーの起動に応じて、選択された前記1つのお好みチャンネルリストにおける同調のシーケンスを制御するシステム。
【請求項3】請求項1又は2のシステムにおいて、前記データ処理手段及び前記記憶手段が、セットトップボックスに含まれているシステム。
【請求項4】請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、ケーブルテレビ信号を受信するように適合されているシステム。
【請求項5】請求項1、2、又は3の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記システムが、衛星テレビ信号を受信するように適合されているシステム。
【請求項6】請求項1のシステムにおいて、前記ユーザー制御手段のいずれかの対応キーの起動に応じて、前記少なくとも1つのお好みチャンネルリストが選択されるシステム。
【請求項7】請求項1乃至6の何れか一項に記載のシステムを用いて、テレビ受信器の同調を制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、テレビ受信器上で視聴者に視聴される無線または有線テレビ放送のスケジュール情報を視聴者に提供する電子プログラムスケジールシステムに関する。特に、本発明は、より強力で便利な動作環境を視聴者へ提供し、同時にユーザによるガイド全体の操作効率を改善する改良された電子プログラムガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビシステムの電子プログラムガイドは従来から公知である。例えば、或る従来のシステムは、テレビ受信器の全画面上にテキストスケジュール情報を表示するために電子文字発生器を使用する。他の従来のシステムは、視聴者が表示フォーマットを選択可能に視聴するために、電子的に記憶されたプログラムスケジュール情報を視聴者に提供する。更に他のシステムは、視聴者選択基準を入力するデータプロセッサを使用し、次にこれらの基準に適合するプログラムスケジュール情報だけを記憶し、続いてプログラマブルチューナを自動的に同調するため、或るいは選択されたテレビプログラムが放送される際に録画デバイスを動作させるために記憶情報を使用する。このような従来のシステムは、1990年11月発行のPopular Scienceに発表された”Stay Tuned for Smart TV”に概説されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に従来の電子プログラムシステムは、実現が困難であり、しかも使用が煩わしい。また、それらのシステムは、これらの電子プログラムシステムの視聴者の視聴習慣をより現実的な方法で処理する視聴能力を提供することができない。更に、これらのシステムの多くは、設計が複雑であり、実現に費用がかかる。使用の容易性および経済性は、プログラム網及びテレビに基づく他のサービスの数および種類の劇的な増加をもたらすものと考えられるので、テレビプログラム販売業者および視聴者にとっては主要な関心事である。また、新しい衛星およびケーブルに基づく技術の出現により、視聴者が利用できるテレビチャンネルの数が飛躍的に増加するに従って、これらの従来システムの効用は実質的に低下している。
【0004】
更に、これらの従来技術のシステムは、ペイパービュー(pay-per-view:視聴毎料金支払い)項目、プレミアムサービス(premium services:別料金番組提供)、或いは視聴者が予約視聴しない他のパッケージされたプログラムに関して、視聴者に充分な情報、例えば価格等を提供することができない。また、そのようなプログラムを要求または衝動に応じて自動的に購買する能力を視聴者に提供することができない。更に、これらの従来技術のシステムは、手動または他の面倒な方式による修正または置き換え、或いは集積回路および/または他の部品を物理的に交換しなければ更新できないハードウエアに基づくシステムに依存している。このため、視聴者の側で電子的ガイドを実現するアプリケーションソフトウエアプログラムを更新または置換するための効果的かつ自動的な方法を提供できない点で不充分である。
【0005】
これらの従来の電子ガイドシステムは、電子プログラムガイドアプリケーション又はデータの部分ではない他のアプリケーション、或いは情報システムにユーザーをリンクさせる能力を備えていない。
【0006】
これらの従来の電子ガイドシステムは、機能的にリンクされかつ統合された形式で視覚的に表示されるテレビプログラム及びサービスのビデオプロモーションを提供しない。プログラムのプロモーションはテレビプログラムの有効なマーケッティングの重要な要素である。ペイパービューペイ(即ちアラカルト)プログラム及び他の規制されていないプログラムサービスのプロモーションは、連邦政府による規制改訂の後はケーブルテレビのオペレータには特に重要である。ビデオを用いたこのようなプログラムをプロモーションする現在の方法は、全画面の連続した広告(即ちプレビュー)を使用する専用「呼び込み(barker)」チャンネルを経由する。これは、価格及び注文情報を伴うことも、またはそれらを伴わないこともある最近、このようなプロモーションビデオは分割画面内に示されており、画面の一部が、プロモートされる全体プログラムが示される時間におおよそ対応する時間に全体のスケジュール情報を表示する。従って、改良された表示機能、及びビデオプロモーションをプログラムスケジュール情報と注文処理機能とにリンクする機能を提供できる電子プログラムガイドに対する要求が存在する。
【0007】
また、従来の電子プログラムガイドは、個別のチャンネル及び個別のプログラムへのアクセスを制御する簡単なかつ有効な方法を視聴者に提供することができない。性および暴力を含む成人向け場面の量はここ40年間着実に増加している。これがどのように子供達あるいは他の視聴者に影響するかという問題が国民の注目を集めている。保護者にチャンネルをロックアウトする能力を与えることが、特定のテレビ受信器およびケーブル変換器ボックスの良く知られたかつ普及した特徴である。この能力にも拘わらず、この特徴は保護者によってほとんど使用されていない。その有効な使用を妨げる主要な原因は、一般的に実施されるそれらの方法が煩雑であることや、或る目的のプログラムへのアクセスを遮断するためには、そのチャンネル全体を遮断させねばならないことである。保護者によるチャンネル型ロックアウトは、遮断されるチャンネル上の他のプログラム業者(例えば、夜間に成人向けプログラムを提供し、その翌朝には若者向けプログラムを提供する業者)にとって不公平であり、またそのようなプログラムにアクセスを望んでいる視聴者にとって不都合である。従って、柔軟で複雑でないスクリーン上の視聴者インターフェースを使用して個々のプログラムおよびチャンネルへパスワード制御を行うシステムに対する特別な要求がある。
【0008】
また、従来の電子プログラムガイドは、要求に応じて現在の費用請求状態を視聴する能力を視聴者に提供しない点において充分でない。そのため、視聴者の要求に応じて視聴者に現在の費用請求情報を提供できるシステムに対する要求が存在する。
【0009】
従来のプログラムガイドに伴う別の問題は、グリッド形式で、つまり時間スロットを表す列とチャンネルを表す行とでスケジュール情報を表示する時に、一般にプログラムのタイトルがグリッドのセルに収まるように横方向に省略されることである。グリッドのセルの幅はプログラムの継続時間と共に変化する。30分プログラムには、そのプログラムのタイトル及び説明のために単に小さなスペースが割り当てられるので、30分のプログラム用のタイトルのみならず1時間のプログラムでさえ、そのタイトルと説明との一方または両方を、割り当てられたスペースに収まるようにしばしば省略せねばならない。或るシステムは、プログラムの説明を省略する工夫をすることなく、単に切断しているので、視聴者にプログラムの趣旨を理解不能にさせてしまう。このような例として、最近のテレビプログラムのディスプレイは、グリッドセル内に次のようなテキストを含んでいる。「Baseball:Yankees v.(野球:ヤンキース対)」幾つかのシステムは各グリッドセル内のテキストに二行を与えることにより部分的にこの問題を緩和するが、プログラムの説明は依然として省略されているので、この解決は理想的ではない。
【0010】
時間スロットが自動的に或るいは視聴者制御コマンドに応答して変化したときに同様の問題が発生する。典型的には、90分のスケジュール情報が一度に表示され、90分のウインドウが30分増分毎にシフトできる。30分のシフトが30分サイズのグリッドセルを表示させる、例えば2時間の映画を表示させる場合には、映画の全タイトルがセルに収まらないであろう。この場合にも、タイトルの省略が要求される。この場合には、テキストを2行用いて30分セル内にタイトルを示すことが望ましいのであろうが、60分及び90分セルはタイトルを表示するためにテキストの一行だけで足りるかもしれない。
【0011】
また、従来の電子プログラムガイドは、テレビ受信器上にその都度現れるプログラムをそのまま視聴しながら、電子的にプログラムガイドを見る方法を欠いている。更に、これらの従来のプログラムガイドは、視聴者が一連のチャンネルを介して操作するので、視聴者に多くの当て推量の余地が残されている。視聴者が、一般に「チャンネルサーフィン」として知られるように、その時刻現在に任意のチャンネル上に表示されているプログラムを確認するために、複数のチャンネルを切り換えて視聴する際に、視聴者は複数のチャンネルを経てサーフィンする際に出会うビデオのなかから、どのプログラムが現在放送されているのかを推量することが必要である。任意の所定の時間に任意の所定のチャンネル上に現れるプログラムの多く(或る場合には、30%まで)が広告あるいは他の営利本位のプログラムであるので、視聴者は、どのプログラムが所定の時間に選択されたチャンネル上に現れているのかに関する手がかりを提供されない。従って、視聴者は、プログラムを特定し、次に選択されたチャンネル上にこのプログラムが現れるのを見るには、宣伝あるいは広告が終わるまで待たねばならない。このように、視聴者が使用可能なチャンネルを経由してサーフィンするときに、各チャンネルについてその時のプログラムスケジュール情報を表示するというプログラムガイドに対する要求が存在する。
【0012】
そのため、従来技術においては、もっと容易に実現でき、かつ動作が魅力的かつ効率的な簡単化された電子プログラムスケジュールシステムに対する要求がある。また、視聴者に、他の電子プログラムスケジュールシステム、特にリモートコントローラを使用するシステムではこれまで実現できなかった方法で、放送プログラム及び電子スケジュール情報の両方を表示する電子プログラムスケジュールシステムを提供する必要がある。
【0013】
例えば、視聴者が、選択された放送プログラムをテレビ受信器の画面の一部上に視聴し、同時に他のチャンネル及び/またはサービスに関するプログラムスケジュール情報を画面の他の部分上に視聴できるようにする柔軟なプログラムスケジュールシステムに対する特別の要求がある。また、プログラムスケジュール情報を視聴するために、視聴者に、複数の選択可能な表示フォーマットから選択可能とするようなプログラムスケジュールシステムに対する要求がある。また、動作の特定のモードで能動的となるリモートコントローラ上のこれらのキーを視聴者に指示するシステムを有することが望ましい。また、将来放送するために予定されたプログラムを視聴するように、プログラム自在なリマインダを設定する能力を視聴者に与えるというシステムに対する要求も存在する。
【0014】
更に、視聴者が本来予約視聴しないペイパービュー項目、プレミアムサービス或いは他のパッケージされたプログラムに関する判り易い情報を視聴者に提供し、また視聴者に要求あるいは衝動に応じてプログラムを自動的に購買する能力を付与する電子ガイドシステムに対する要求もある。また、視聴者側で電子ガイドを実現するアプリケーションソフトウエアを更新あるいは置換する信頼でき、しかも有効な方式を提供する電子ガイドシステムに対する要求がある。
【0015】
電子プログラムガイドアプリケーションあるいはデータの部分ではない他のアプリケーション或るいは情報システムに視聴者をアクセスする能力を視聴者に提供するシェルあるいはウィンドウとして作用する電子プログラムガイドに対する要求も存在する。
【0016】
発明の概要
従って、本発明の目的は、視聴者に放送プログラムを視聴可能とし同時に他のプログラムのプログラムスケジュール情報を対話的に視聴可能とするシステムを提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、プログラムスケジュール情報を複数の表示フォーマットの中から選択できる能力を視聴者に提供することである。
【0018】
本発明の更に別の目的は、使用時にシステムの動作の特定モードにおいて能動的になるリモートコントローラ上のこれらのキーをプログラムスケジュールシステムの視聴者に指示することである。
【0019】
本発明の更に別の目的は、将来のプログラムに対してプログラム自在なリマインダメッセージを設定する能力を電子プログラムスケジュールシステムの視聴者ーに提供することである。
【0020】
本発明の更に別の目的は、ペイパービュー項目、プレミアムサービス、或いは視聴者が予約視聴しない他のパッケージされたプログラムに関する判り易い情報、および要求あるいは衝動に応じてそれらのプログラムを自動的に購買する能力をシステムの視聴者に提供することである。
【0021】
本発明の更に別の目的は、視聴者側で電子的ガイドを実現するアプリケーションソフトウエアプログラムを更新あるいは置換する信頼性があり、且つ有効な方式を提供する電子ガイドシステムを提供することである。
【0022】
シェル或るいはウインドウとして動作する電子的プログラムガイドの更に別の目的は、電子的プログラムガイドアプリケーション或るいはデータの部分ではない他のアプリケーションあるいは情報システムにアクセスする能力を視聴者に提供することである。
【0023】
電子的プログラムガイドの更に別の目的は、テレビプログラム及びサービスのビデオプロモーションが、そのようなプログラム及びサービスのマーケティングおよび販売を容易にする統合された形式で機能的にリンクされ、且つ視覚的に表示されるというシステムを提供することである。
【0024】
本発明の更に別の目的は、プロテクトされた対話型の柔軟でしかも複雑でないスクリーン上のインタフェースを用いて、個別のプログラム及びチャンネルにアクセスするパスワード制御を提供することである。
【0025】
本発明の更に別の目的は、視聴者が利用可能なチャンネルを経てサーフィンする際に、全てのプログラムに対して現在のプログラム情報を視聴者に提供することである。
【0026】
本発明の更に別の目的は、視聴者が要求に応じてその時現在の自身の費用請求情報にアクセスできるというシステムを提供することである。
【0027】
本発明の更に別の目的は、変化する背景映像に対してテレビプログラムリストをオーバーレイするというシステムを提供することである。
【0028】
本発明の更に別の目的は、テレビプログラムリストのページを有するグリッドセル内のテキストの改良された表示を提供することである。
【0029】
本発明のこれらの及び他の目的は、放送を受信する受信器、複数のテレビチャンネルに対する衛星あるいはケーブル有線放送テレビプログラム、及びテレビ受信器を複数のチャンネルのうちの選択された一つに同調するチューナを備えた電子プログラムスケジュールシステムにより実現される。データプロセッサは、複数のテレビチャンネル上に現れた複数のテレビプログラムに対するテレビプログラムスケジュール情報を受信し、メモリに格納する。視聴者制御コマンドを選択し、この視聴者制御コマンドに応答して信号を受信するデータプロセッサに応答して信号を送信するために、視聴者制御装置、例えばリモートコントローラが視聴者によって使用される。テレビプログラム及びテレビプログラムスケジュール及び他の情報を表示するために、テレビ受信器が使用される。ビデオ表示発生器はデータプロセッサからビデオ制御コマンドを受け取り、メモリからプログラムスケジュール情報を受け取り、テレビプログラムガイドの動作の少なくとも一つのモードにおいて、テレビチャンネル上に現れるテレビプログラムにオーバーレイする形式でプログラムスケジュール情報の一部を表示する。データプロセッサは、視聴者制御コマンドに応答して発生されたビデオ制御コマンドを有するビデオディスプレイ発生器を制御し、少なくとも一つのテレビプログラムにオーバーレイする関係で、テレビ受信器上に複数のチャンネルのうちの任意の選択されたチャンネル上に現れる複数のテレビプログラムのうちの任意の選択されたプログラムについてのプログラムスケジュール情報を表示する。
【0030】
【実施例】
図1は全体的に10で示す電子プログラムスケジュールシステムの様々な構成要素を示すブロック図である。それらの構成要素は、衛星放送受信器のような視聴者のセットトップケーブル変換器ボックスまたは他の信号受信器もしくは処理装置に機械的に設けることができる。別の例では、その構成要素は別のハウジング内に取り付けることができ、またはテレビ受信器、VCR、パーソナルコンピュータもしくはマルチメディアプレーヤの一部として含むことができ、更には、高帯域ネットワーク系に分配アプリケーションとしても存在することができる。
【0031】
入力信号11が受信器12に接続され、それはデータプロバイダーから伝達されたデータ流れを受け取る。そのデータ流れは、例えば特定の地理的場所の、またはその他のマーケットで入手可能なプログラムまたはサービスに関する情報を含むことができる。入力信号11は、例えば標準的な放送、ケーブルテレビ放送もしくは衛星放送の一部としてまたはデータ伝達の他の形態として発生させることができる。データプロバイダーはプログラム情報プロバイダー、衛星アップリンクマネージャー、ローカルケーブルオペレータまたはそれらのソースの組合わせであり、データ流れはすべてのテレビプログラムに関するプログラムスケジュール情報及びオペレータの地理的マーケットにおいて入手可能な他のサービスを含む。
【0032】
データ流れは変調することができ、その後、例えば75MHzの周波数で作動する専用チャンネル伝送を部分的に含むようなかなり多数の経路のケーブルラインを通って伝達することができる。当業者には、多数の他の方法を用いてデータ流れをプログラム放送信号の垂直消去期間内に埋め込むようにして伝達可能であることが明白であろう。詳細に以下に説明するように、本発明によると、伝達されたデータ流れは視聴者側において電子プログラムガイドを実行しまたは更新するためのアプリケーションソフトウエアを追加的に含むことができる。
【0033】
その伝達されたプログラムスケジュールまたはアプリケーションソフトウエアは、信号入力ライン11上の受信器12によって受け取られる。その受け取られた信号はその受信器から復調期13、例えばQPSK復調器またはGI Info-Cipher(情報暗号化)1000R、に伝達され、それは伝達信号を復調してバッファ15に伝える。
【0034】
M68000ECのようなマイクロコントローラ16がバッファ15に伝えられたデータを受け取る。ブートストラップ作動ソフトウエアは電子プログラムガイドアプリケーションソフトウエアの更新したものを捕捉するために用いることができ、そのソフトウエアは読み出し専用メモリ(ROM)17に収納される。マイクロコントローラ16は受け取ったプログラムスケジュール情報を用いて、適切に組み込まれた記録内のデータをダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)18に記憶させることによってデータベースを構築する。その記憶されたスケジュール情報は、周期的、例えば、1時間ごとに、1日ごとに若しくは1週間ごとに更新することができ、またはスケジュールに変化が生じたときもしくは他の要因で更新が認可されたときにもいつでも更新することができる。システムはシステムクロック19も備えている。
【0035】
別の例としては、プログラムスケジュール情報はROM、ディスクもしくは他の不揮発性メモリで供給することができ、またはそれは格納ディスクもしくは他のデータ記憶装置にダウンロードすることができる。本発明はここではスケジュール情報の伝達または受信の特定の方法には言及しない。
【0036】
マイクロコントローラ16が、受信データを、プログラムスケジュール情報とは全く異なるプログラムスケジュールシステムを制御するアプリケーションソフトとして認識すると、それはそのデータを電気的に消去可能かつプログラム可能なROM(EEPROM)20またはバッテリーでバックアップされたスタティックRAM(SRAM)のような不揮発性メモリに格納する。この構成により、アプリケーションソフトウエアの変更または置換バージョンをソフトウエアディベロッパーからケーブルまたは他の伝達装置を介して直接に視聴者にダウンロードすることができる。
【0037】
EEPROMが用いられる場合には、ディベロッパーからダウンロードされたアプリケーションソフトウエアの変更または置き換えバージョンが、ROM17に記憶されたダウンロードオペレーティングソフトウエアの指示の下で、最初にマイクロコントローラ16によってDRAM18に記憶される。その記憶されたアプリケーションソフトウエアは、例えば、検査合計分析または他の検査ルーチンによって正確さをチェックすることができる。
【0038】
アプリケーションソフトウエアの正確さが検査できた後、マイクロコントローラ16はEEPROM20を再プログラムするルーチンを開始し、そこでは、アプリケーションソフトウエアが永続的に記憶される。マイクロコントローラ16は適切な制御コマンドを再プログラム回路21に供給し、その回路はEEPROMに消去及び書込みを行うのに必要な適切なプログラム電圧及び論理信号を供給するのに適する。それはそのプログラム電圧Vprogと読込みまたは書込可能のような他の必要な制御信号を、マイクロコントローラ16からコマンドを受け取るとEEPROM20に供給する。EEPROM20が電気的に消去されると、マイクロコントローラ16はDRAM18から記憶のためにEEPROM20への新たなアプリケーションソフトウエアの移動を開始する。
【0039】
バッテリーバックアップのSRAMを不揮発メモリとして用いた場合には、マイクロコントローラは、再びROMに記憶されたダウンロードオペレーティングソフトウエアの指示の下で、直接SRAMにディベロッパーからダウンロードされたアプリケーションソフトウエアの変更または置換バージョンを記憶させる。その記憶されたアプリケーションソフトウエアはその後に例えば検査合計分析または他の検査ルーチンによって正確さをチェックすることができる。
【0040】
電力がシステム10に最初に供給されると、ブートストラップオペレーティングソフトウエアが、プログラムガイドアプリケーションソフトウエアがメモリに存在することを検査する。それが存在しない場合には、ブートストラップオペレーティングソフトウエアはそのソフトウエアのダウンロードを待機する。一度そのアプリケーションソフトウエアが存在すると、マイクロコントローラ16はDRAM18の専用部分からのアプリケーションプログラムソフトウエアを実行する。
【0041】
別の例では、そのアプリケーションソフトウエアは不揮発性メモリ20から直接に実行することができる。プログラムガイドアプリケーションソフトウエアの制御の下で、マイクロコントローラ16は最初に、プログラムスケジュール情報がDRAM18に存在することを照合する。それが存在しないときには、マイクロコントローラは上述のとおりプログラムスケジュール情報のダウンロードを待つ。また、アプリケーションプログラムがメモリに存在するが、プログラムスケジュール情報データを含むデータベース記録は未だ入手できない場合には、アプリケーションソフトウエアは他のタスク(仕事)を実行するように構成することができ、それにより、例えば、視聴者がプログラムスケジュール情報データを必要としない機能を実行するとともに、データベースが未だ入手できないことを示す適当なメッセージを表示することができる。
【0042】
スケジュールシステムが作動しているときには、以下に詳細に説明するように、マイクロコントローラ16はDRAM18に記憶されたプログラムスケジュール情報を入手し、更に、不揮発メモリ20または別の例ではDRAM18に記憶されたスクリーン構成及びグラフィックシンボルまたはロゴ表示のための記憶されたビットマップのような他のダウンロードデータのタイプに関連して、それをビデオ表示ジェネレータ(VDG)23に供給し、それは本発明の実施例ではRoctecによって製造されたRocgenカードのような市販されて入手可能なVGAタイプのグラフィックカードであってもよい。そのVDGは標準的なRGBビデオ発生器24を含み、それはマイクロコントローラ16によって送られたデジタルプログラムスケジュール情報を入手し、そして、それを特定のスクリーン表示のためのビットマップにしたがってRGBフォーマットに変換し、次にそれはテレビ受信器27によって視聴者に表示される。各スクリーンの構成は以下にシステムオペレーションセクションにて示すと共に詳細に説明する。
【0043】
VDGはビデオオーバーレイデバイス25も備えており、それはRGBビデオ入力を受け取るとともに、ゼネラルインスツルメンツ(General Instrument)によって製造された従来のチューナーまたはJerrold DPBBチューナーのような従来のテレビチューナー28からの入力を受け取り、それは標準的NTSCビデオフォーマットのプログラム信号を供給する。オーバーレイデバイス25はRGB信号を変換するとともにチューナー28からの信号と組合わせ、そして、図2に示すように、プログラム信号及びプログラムスケジュール情報の両方を含む複合NTSC出力信号を生成する。その複合ビデオ信号は図1に示すように変調器26に供給され、その変調器はRadio Shackから入手できるような変調器でよく、それからその信号はテレビ受信器27に送られ、それは視聴者が変調チャンネル例えばチャンネル3または4に同調するようにする。その複合ビデオ信号はVDGからそのVDG上のビデオポート25Aを通って直接にテレビ受信器27または他の受像装置に供給することもできる。
【0044】
図1に関連して述べられたシステムの構成要素は全てが例えばIBMのパーソナルコンピュータによって望ましいプラットフォームに組み込まれ、そのコンピュータには伝達リンク及びRoctecによって製造されたようなビデオグラフィックカードが組み込まれている。マイクロプロセッサ及びメモリを備えるケーブル変換器ボックスのような他のプラットフォームまたは高帯域ネットワークも用いることができる。特定の構成要素の例としては以下のものがある。
【0045】
マイクロコントローラ・・・モトローラ部品番号第MC68331-16
ROM・・・テキサスインスツルメンツ部品番号TMS27PC512
DRAM・・・テキサスインスツルメンツ部品番号TM4256
EEPROM・・・インテル部品番号28F001BX-T
【0046】
ともかく、当業者には、ハードウエアの構成要素及びデータ記憶の特定の詳細はシステムの特定の実行の機能に関するものであって、本発明の対象ではないことが理解されよう。
【0047】
以下に詳細に説明するように、視聴者は図3に示すようなリモートコントローラを用いてプログラムスケジュールを通じて指示を出すことができ、それは赤外線もしくは信号手段によってまたは他の適当な視聴者インタフェースによってリモートコントロール送受信論理の従来の原理に基づいて作動する。そのリモートコントローラ31は図1に示すリモートコントローラ受信器29を介してマイクロコントローラ16と通信を行い、その受信器はSilent Partner IR受信器でよく、リモートコントローラ31から送信された信号を受け取り、マイクロコントローラに視聴者によって押されたキーを示す対応デジタル信号を供給する。
【0048】
本発明に適したリモートコントローラ、例えば図3に示すようなものは、Universal ElectronicsまたはPresentation Electronics′ Silent Partnerによって製造されたリモートコントローラでよく、それは電源スイッチ32、音量調節キー33及びミュート調節キー34、エンター(ENTER)キー35、0-9デジタルキー36、四方向矢印キー37A及び37B、モード(MODE)キー38並びに下方の箱形の「i」で示されている情報キー39を備えることができる。電源32、音量調節キー33及びミュートキー34は、典型的には現在のテレビ受信器に用いられている従来のリモートコントローラのような方式で作動する。多数のデジタルキー36は従来のリモートコントローラと概ね同様に機能する。残りのキーを簡単に説明すると以下のとおりである。
【0049】
MODEキー38は電子プログラムスケジュールシステム10の様々な段階を通じて視聴者を導き、それにより、一般的に視聴者がサブメニュー状態にあるときに以前のスクリーンに戻ることができる。上/下方向矢印キー37Aにより視聴者は、以下に充分に説明するように、プログラムスケジュールシステムがFLIPまたはBROWSEモードにあるときに異なるTVチャンネルを通るように指示することができ、さらに、視聴者はMENUモードにあるときにTVスクリーンに表示された強調(ハイライト)されたバーを通じて指示を出すことができる。左/右方向矢印キー37Bにより、視聴者は、以下に詳細に説明するように、プログラムスケジュールシステムがBROWSEモードにあるときに、選択された時間間隔で指示を出すことができる。それらにより、更に、視聴者はMENUモードの「カテゴリー」サブメニューにある間に対象のカテゴリーにまたがって指示を出すことができるとともに、プログラムスケジュールシステムが視聴ごとの支払いオーダーモードにあるときには時間間隔に亘って指示を出すことができ、更に、一般的に、左または右方向に様々なアイコン及び他のオブジェクトを選択するように指示を出すことができる。情報、即ち、「i」キー39によって、視聴者はプログラムスケジュールシステムの様々なモードの間に補充プログラム及び他の情報を視ることができる。ENTER35キーは、視聴者が一旦リモートコントロールキーから選択すると、コマンドを充足するとともに入力をなす。それらのキーの機能及び動作はFLIP、BOWSE及びMENUモードの以下の詳細な説明においてより明白になるであろう。
【0050】
リモートコントローラ40の第2の実施例を図4に示す。そのリモートコントローラの実施例は、電源キー41、数字キー42、方向矢印キー43A,43B、情報キー48、ENTERもしくはSELECTもしくは「OK」キー44、ボリュームコントロール45、ロックアウトキー45A、ミュートキー46及びヘルプキー48Aを備える。それはさらにポンドサイン(pound sign)及びスターキー(star key)も備える。
【0051】
そのリモートコントローラの実施例はさらに多数のアイコンキー47A及び47Bを備え、それはプログラムスケジュールシステムの異なるサブメニューまたはモードに対応する。アイコン47A及び47Bはプログラムスケジュールシステムが作動しているときにTVスクリーンに表示することもできる。アイコンキーは特に図3に示されたリモートコントロールの実施例に用いられているMODEキー38と置き代わる。それらのキーを用いると、視聴者はプログラムスケジュールシステムの操作の所望のモードに対応するアイコンキーを単に押すだけで、一つのモードから他のモードへと移動することができる。図4の実施例においては、アイコン47A及び47Bは対応するカラーコードキーの上方に直接に置かれたグラフィックシンボルとして示されている。別の例では、そのカラーコードキーは除かれ、キーをアイコン自体のイメージで形成することができる。
【0052】
図4に示すリモートコントローラの実施例は3つのカラーコードビューワー優先選択またはお好みチャンネルキー48A、48B及び48Cも含んでおり、それらは直接アイコンキーの上方に置かれている。それらのキーの各々は、プログラムスケジュールシステムに個々の視聴者が作成した「チャンネル優先選択」または「お好みチャンネル」リストを示し、それは特定の視聴者用のチャンネルの特定の部分集合のリストであり、それはその視聴者がプログラムスケジュールシステムの動作の間に視ようとする一連の命令に配置されている。チャンネル優先選択またはお好みチャンネルリストの作成は以下の部分において説明する。従って、システムは三人の個人の視聴者に対し少なくとも三つの個別のチャンネルを提供する。
【0053】
図4のリモートコントローラは「ヘルプ(HELP)」キー48Aを備えるように構成することができ、それは、押されると、マイクロコントローラ16がメモリから予め記憶されている指示メッセージを検索し、さらにそれをテレビ受信器27に表示する。それらのメッセージは視聴者に指示の形態でヘルプ状態を表すもので、その指示は視聴者を電子テレビプログラムガイドの様々な作動モードのオペレーションを通じて案内する。それは、システムの記憶容量に依存し、テキストメッセージ、教育的ビデオイメージ、もしくはオーディオプログラム、またはそれらのどのような組合わせでもよい。さらに、それらのヘルプメッセージは、それらが文脈依存であるように、即ち、メッセージが、ユーザーがヘルプキー48Aを押したという電子プログラムガイドの操作において正確な点に完全に依存して表示されるように作ることができる。例えば、情報はリモートコントローラの操作のために供給することができ、それにより、FLIPもしくはBROWSEモード(以下に説明する)もしくはガイドの操作の他のモードを作動することができ、インパルス命令することができ、ロックアウトのセット等を行うことができる。それを果たすため、ガイドの各操作の各点は、マイクロプロセッサが例えば視聴者がそのガイドを作動したときに現在の作動点を反映するコードを時間に応じて記憶することによって最新の作動点を追跡するように、コード化することができる。視聴者がヘルプキー48Aを押したときには、マイクロコントローラ16は現在記憶されている作動点のコードに応じて適当なメッセージの組を検索する。さらに、iキー39はヘルプキーの機能を実行するように用いることができる。
【0054】
加えて、リモートコントローラの機能の各々は視聴者のケーブルボックスまたは他のハードウエアにあるキーボードに組み込むこともできる。システムオペレーション作動時には、本発明の電子プログラムスケジュールシステムは以下のように機能する。
【0055】
フリップ・モード
視聴者がテレビ受信器で特定のプログラムチャンネルを視ているときに、プログラムスケジュールシステムは、第5図に示すように、フリップ・モードになるようにデフォールトを働かせる。このモードでは、視聴者が、例えば、リモートコントローラの上下方向矢印を用いて、プログラムのチャンネルを変える度に、チューナーで選択されたチャンネルのプログラム情報を有するグラフィック表示51がテレビ受信器27のスクリーン上に受像されたプログラム信号55に重なるように表示される。図1に示すようなビデオ・オーバーレイデバイス25は、コンピュータにより生じるRGBビデオグラフィック・オーバーレイ情報とチューナーからのNTSCフォーマットプログラム信号とを結合し、NTSCフォーマット出力信号を供給する。この信号はチューナーからのプログラム信号とテレビ受信器27上で視るプログラムスケジュールオーバーレイ情報とを含む。
【0056】
グラフィック・オーバーレイ51に含まれるプログラム情報はマイクロコントローラによりRGBビデオ発生器に供給される。フリップ・モードでは、マイクロコントローラは、まず、例えば、DRAM18にあるプログラムスケジュール・データベースをサーチし、現時点、即ち、視聴者が視聴のためにテレビ受信器上でチャンネル選択を行ったときに対応する選択チャンネル52のプログラム情報を拾い出す。マイクロコントローラ16は、次いで、RGBビデオ発生器24に現在のチャンネル及びプログラム情報を供給する。RGBビデオ発生器はディジタル・データ情報をRGBフォーマットに変換し、それをビデオ・オーバーレイデバイス25に供給する。通常の操作においては、マイクロコントローラ16は、デフォールトにより、番号順に優先順位が決められてケーブル会社により提供されるすべてのチャンネルを表示する。この番号順はラジオ周波数域における放送チャンネルまたは地方ケーブル操作者のマーケティング判断によって決められる。「チャンネル選択」サブメニュー、または、これに代わる「ロケータ」スクリーン(これらについては後に述べる)を用いて、視聴者は、テレビ受信器27に提供されるチャンネルの内容または順序を改めることができる。
【0057】
一般に、視聴者がフリップ・モードの間に所定の時間間隔内にリモートコントローラ40からチャンネル変更指令その他の指令を発しないときには、マイクロコントローラ16はVDG23に指令してテレビからグラフィックオーバーレイ51を除去させ、このようにしてテレビ受信器27にプログラム信号55だけを視られるようにする。所定の時間間隔の長さは、視聴者にオーバーレイに含まれたプログラム情報を読むのに充分な時間を与える長さとする。グラフィックオーバーレイ51が現れる所定時間間隔の長さはマイクロコントローラ16でアドレスできる非揮発性のメモリ20内の位置に記憶される。視聴者は、最初に視聴者選択モードを選び、次いで「オーバーレイ間隔」の項目を選んで時間間隔の長さを変えることができる。マイクロコントローラ16は次に視聴者プロンプトを画面上に表示させる。これにより、画面は、例えば、視聴者に画面上のグラフィックオーバーレイに表示された適当な時間を選ばせる。視聴者は数字キーを用いて適当な回答、例えば、5乃至60秒の時間、を入力し、ENTERキーを押す。次いで、新しい時間が読み取られ、メモリ内のオーバーレイ時間間隔位置にマイクロコントローラ16によって記憶される。
【0058】
もし視聴者が所定のオーバーレイ期間が経過する前または後に、上下方向矢印43Aを用いて、または数字キー42で所望のチャンネル番号を入力した後にENTERキーを押すことにより、リモートコントローラ40からチャンネル変更指令を発するときは、マイクロコントローラ16はチューナー28をして所望のチャンネルを選ばせる。このチャンネルは上下方向矢印43Aを用いるときは現在のチャンネルの直前または直後のチャンネルであり、視聴者が数字キーパッドで入力するときはこの特定のチャンネルである。また、マイクロコントローラはそのチャンネルの現在のプログラム情報をサーチし、それを画面に表示させる。従って、視聴者がチャンネルを切り替えるたびに、選択されたチャンネルのプログラムスケジュール情報が自動的にグラフィックオーバーレイ51に現れ、一方、特定の時点で選択されたチャンネルに現れる実際のプログラム55は画面の残りの部分を占める。
【0059】
視聴者が、フリップ・モードの間に左または右方向の矢印キーを押すと、システムは、ブザー音または無効なキー操作を示すテキスト表示等により、エラーメッセージを発するように設けられる。
【0060】
ブラウズ・モード
ブラウズ・モードを開始するには、視聴者は第3図に示す第一実施例のリモートコントローラを用いるときは、フリップ・モードにあるときにモード・スイッチを1回だけ押す。図4に示す第二実施例のリモートコントローラ40を用いるときは、視聴者は、ブラウズ・アイコン47Aの下にあるボタンを押す。
【0061】
ブラウズ・モードにおいて、視聴者は、以前に選択したテレビプログラムを同時に引き続き視ながら、視ているチャンネルのみならず、すべてのチャンネルのプログラムスケジュール情報を走査することができる。図11に示すように、このモードにおいては、フリップ・モードで現れるグラフィックオーバーレイ情報はブラウズの対象となるチャンネルのプログラム情報に置き換えられる。その情報は視聴者が現在視ているチャンネルの情報であることもあり、他のチャンネルの情報であることもある。視聴者がブラウズ・モードに入るためにリモートコントローラ40から指令を発した後に、フリップ・モードの場合と同様に、グラフィックオーバーレイ111が現れ、現在選択されているチャンネル112のプログラムスケジュール情報及びテキスト形式のブラウズ表示部113が示される。これにより、図11に示されるように、視聴者に現在のアクティブ・モードを示す。
【0062】
もし視聴者がブラウズ・モードにある間にリモートコントローラ40上の上下方向矢印のいずれかを押すと、テレビ受信器画面27のグラフィックオーバーレイ部分111に前のチャンネルまたは次のチャンネルのプログラムスケジュール情報が示される。一方、チューナーは図12に示すように、視聴者がブラウズ・モードを選んだときにテレビ受信器上に現れたチャンネルプログラムを選択したままになっている。上下方向矢印キーを押すたびに、選択されたチャンネルの対応プログラムスケジュール情報が表示される。また、グラフィックオーバーレイは現在放映されているプログラムの実際のビデオ信号またはその時にブラウズ・オーバーレイに表示されているスケジュール情報に対応する後刻のプログラムの一部を示す小さなビデオウィンドウを有し得る。このようにして、視聴者はテレビ受信器上の少なくとも一つの選ばれたプログラムを継続的に視ながら、すべてのチャンネルのプログラムスケジュール情報を同時に走査することができる。高性能のテレビ受信器の到来とともに、一つの画面上に複数の放映プログラムを同時に表示し、または、例えば、放映プログラムと広告とを同時に表示するように画面を分割することも可能となるであろう。
【0063】
もしブラウズ・モードにおいてプログラムスケジュール情報の走査を行うときに、視聴者が現在視ているプログラムのチャンネルからグラフィックオーバーレイ中のスケジュール情報に示されたプログラムのチャンネルに切り替えたいときには、単にENTERボタンを押すだけで、チューナー28はそのチャンネルに切り替えられる。もし視聴者が他のチャンネルを視ようとしてブラウザー・モードから他のモードに切り替えることを望み、プログラムスケジュール情報を示すグラフィックオーバーレイ111を除去しようとするときは、第一実施例のリモートコントローラ31のモードキーを2回押さなければならない。最初の押圧で後述のようにメニューモードになり、2回目の押圧でフリップ・モードになる。フリップ・モードになればタイムアウトインターバルの時間経過後にグラフィックオーバーレイが除去される。第4図に示す第二実施例のリモートコントローラでは、利用者はブラウズ・アイコンキーを切り替えてブラウズ・モードを終わらせる。
【0064】
視聴者が最初にブラウズ・モードから入ってチャンネルの走査を開始すると、オーバーレイ部分111に現れるスケジュール情報は任意のチャンネルで放映されているプログラムを記述する。後の、または以前のプログラム情報を視るためには、視聴者は左右方向矢印43Bを操作する。その結果、以前に上下方向矢印で選んだ特定チャンネルの将来のプログラムスケジュール情報が表示される。そのチャンネルは現在視ているものであっても、その他の利用可能ないかなるチャンネルであってもいい。示されるチャンネル情報はプログラムの名前及びプログラム開始終了時間を含む。システムの現在の実施例では、メモリー保存のために、視聴者が現在の時間より前の時間のプログラム情報を視ることはできない。しかし、適当なメモリーが利用できるならば、そのような情報を提供するようにシステムを容易に変更することができる。例えば、所望により、視聴者が以前の時間のスケジュール情報を視て特定の番組を見い出した後にマイクロコントローラに指令してそのプログラムの将来の放映日を探索表示させることが望ましいこともあろう。あるいは、マイクロコントローラが自動的にこの操作を行うことが望ましいこともあろう。
【0065】
ブラウズ・モードで将来の時間のプログラムスケジュール情報を視るときは、第12A図に示すように、特定のプログラム122の放映時間121がチャンネル番号とサービス表示部123とともにハイライトで示される。そのようにハイライトで示すと、視聴者が将来の時間のプログラムスケジュール情報を視ていることを認識できる。また、ブラウズ・モードで特定のチャンネルについての将来の時間のプログラムスケジュール情報を視るときに、リモートコントローラ40のチャンネル上方向矢印キーを押すと、次のチャンネルについてのプログラムスケジュール情報が現れるが、これは視聴者が上方向キーを押す前に視ていた将来の時間に対応するものである。このモードでは下方向矢印キーは同一の作用をする。
【0066】
ブラウズ・モードで将来の時間のプログラムスケジュール情報を視ている間に、視聴者がリモートコントローラ上のENTERキーを押すと、マイクロコントローラ16はVDG23に指令してREMINDERオーバーレイ・メッセージを130を表示させる。このメッセージは第13図に示すようにブラウズ・オーバーレイ132の上に第2のオーバーレイとして表示される。このREMINDERメッセージ130は視聴者に対して、選択したプログラムの開始前の所定の時間に、第13図に示すように、視聴者が選択したプログラムを視得るようにシステムが促す(リマインドする)べきか否かを尋ねる。もし視聴者が肯定的な返事をするときは、マイクロコントローラ16は少なくともチャンネル、選択されたプログラムの日時から成るリマインダーデータをリマインダー・バッファー内に記憶させる。このバッファーは視聴者がリマインダーを設定したすべてのプログラムについて同様なスケジュール情報を記憶する。選択されたプログラムの開始時間の所定時間前、例えば5分前に、マイクロコントローラ16はリマインダーデータに基づいてタイトルとサービスを含むスケジュール情報を引き出し、VDG23に指令して、図14に示すように、テレビ受信器27上にリマインダー・オーバーレイ・メッセージ140を表示させ、視聴者に、同人が以前選択したプログラムを視るリマインダーを設定したことがリマインドされる。リマインダーメッセージ140はチャンネル、サービス及び開始時間を含んでいる。これは、また特定のプログラムの放映時間前の分数を表示し、放映時間まで各分毎に表示を更新する。またリマインダーメッセージ140は「チャンネル選択」(TUNE)問合せを表示し、視聴者に対して、自分で選択したプログラムにチャンネルを合わせるか否かを尋ねる。視聴者が複数のリマインダーを設定するときは、リマインダー・オーバーレイは各リマインダーが放映される予定の時間に応じて、例えば昇順に重ねられ、視聴者が、その時に表示されているリマインダーメッセージを除去する適当な処置をとった後はテレビ受信器上には次のリマインダーメッセージが現れる。リマインダーメッセージ140は、また、視聴者が以前に設定したすべてのリマインダーのリストを常時したり修正したりすることができるようにされ得る。フリップ・モードでのオーバーレイ表示時間と同様に、視聴者は視聴者選択モードを用い、時間の表示を修正して、選択したプログラムが放映される前にリマインダーメッセージが現れる時間を変更することができる。
【0067】
MENUモード
図3に示されたリモートコントローラ31を使用して、視聴者は、MODEボタン38をそれぞれ1回あるいは2回トグルすることにより、BROWSEモードあるいはFLIPモードからMENUモードに入ることができる。図4に示されたリモートコントローラ40を使用して、視聴者は、MENUアイコンに相当するキー47B簡単に押す。
【0068】
図6では、MENUモードでは、システムは、視聴者に個別のプログラム表情報表示フォーマット、ローカルケーブルシステムメッセージボード、及び他のオンライン情報サービスの選択を可能にする複数のメニューアイテム及びアイコンを表示する。図6に示された実施例では、リモートコントローラ31あるいは40上の上向きあるいは下向き矢印43Aを用いてアクセスされる4つの垂直方向に選択可能な水平バー61ー64が存在する。各バーの左端には、そのバーに含まれている情報を特定する識別アイコン61A-64Aが表示されている。図6に示された実施例では、第一のバー内の「TV GUIDE」アイコン61AはTVガイドマガジンからのプログラム表情報に対応し、第二のバー62内の「NOW SHOWING」アイコン62Aはペイパービュー及びプレミアムサービス種目に対応し、第三のバー63内の「MSO Logo」アイコン63Aはカスタマサービスあるいはローカルケーブルカンパニー情報メッセージに対応し、第四のバー64内の円形アイコン64Aは、視聴者が利用できる他の対話的サービスに対応し、広帯域ネットワークの場合には他のメニュー、例えばホームショッピング、バンキング、あるいは電話としての使用に対応する。図6及び図6Aにも示されているように、各バーはその内容の文字による説明も含んでいる。
【0069】
視聴者がまずMENUモードを入力すると、システムはプログラム表バーの選択を実行しない。特定のバーが選択されると、文字による説明が除去され、複数のアイコンあるいは識別ウインドウが識別アイコンに隣接して表示される。図6では、プログラム表バー61が選択される。リモートコントローラ40上の上向きあるいは下向き矢印キーを使用して、視聴者は垂直に隣接するバーを選択する。図15ー図17は、それぞれ、ペイパービューバー62、カスタマサービスあるいはメッセージバー63、及びインタラクティブTVサービスバー64の選択を示している。
【0070】
別のMAIN MENU画面215が図38に示されている。図38に示されたメニューからアクセスできる選択画面が図38A及び図38Bに示されている。これは、三つの水平方向に選択できるバー、つまりプログラム表205、ホームシアター206、及びカスタマサービス207を有している。MAIN MENU画面215は以下に説明される別の「Locator」識別子も含んでいる。
【0071】
MENU画面のあるバーが選択されると、視聴者は、リモートコントローラ40上の左あるいは右向き矢印及びENTERキーを使用して、複数の水平方向に選択できる表示アイコン65Aー65Cからあるアイコンを選択できる。各アイコンは特定の色の背景ウインドウ内に現れるグラフィックシンボルを含んでいる。あるアイコンが選択された時に、これはその背景ウインドウからオフセットされ、ウインドウの色が変わる。図6では、第一のバー61内の「TV GUIDE」アイコンに隣接するグリッドアイコン65Aが選択される。
【0072】
MAIN MENU画面内の選択できる入力に対応する機能は図6を参照して説明される。同じ機能が図38に示されたMAIN MENU 215に示されたカテゴリにも適用できることが当業者には明らかである。
【0073】
最も上の垂直方向に選択できる水平バー61では、最初のグリッドアイコン65Aは、プログラム表情報が図18に示されたようなグリッドリスト内に表示される「All Listings」モードを表している。別に、図25に示されたような、単一列のグリッド状ディスプレイも使用できる。この形式では、垂直y軸はチャンネル番号及びサービスを特定し、一方垂直x軸は時間を特定する。図18の画面ディスプレイは、視聴者にシステムの現在の動作モードを知らせるために、左上部コーナーにモード識別子180、この場合には表記「All Listings」も含んでいる。視聴者がMENUモードを入力する前に視るチャンネルの強調(ハイライト)されたディスプレイ181がモードディスプレイのすぐ下にある。右上部にコーナーには、日付/時間識別子183のすぐ上のウインドウ内に、現在の日付及び時間を表示するロゴアイコン182が現れる。
【0074】
図18に示されたスクリーン表示の中央にはグラフィックアクティブキー表示(ADK)184があり、それは、視聴者にリモートコントローラ上のそれらのキーがプログラムガイド表示装置のその特定のモードで作動中であることを示す。例えば、図18のスクリーン表示において、カーソルは上下または右方向だけに移動することができる。視聴者がその点でリモートコントローラ上の左方向矢印キーを押したとすると、その装置は、カーソルは左には移動することはできないので、いかなる機能も実行しない。従って、左矢印キーは反応せず、そのイメージはADK184に表示されていない。同様に、装置は上下または右方向矢印キー及びENTERキーを押したことに応答するだけなので、それらはグラフィックAKD184に表示された唯一のキーイメージである。MODEキーは、表示されていないが、一方のモードから他方に移動するために常に機能している。視聴者が最初にAll Listing guideを入力すると、時間リスト化は、最新の時間が1時間または1/2時間ではないときにはその最新の時間の直前の30分に開始せず、その場合には、表示が特定の時間または30分から開始し、さらに、そのチャネルリスト化はMENUモードに入る前に視聴者ーが視た最後のチャネルから開始する。例えば、図18において、最新の時間は7:13p.m.と表示され、その時間のリスト化は7:00p.m.に始まり、さらに、チャネルのリスト化はチャネル4から始まる。
【0075】
All Listingモードにおいては、移動自在のハイライトカーソルを用いて視聴者に最も新しく選択されたプログラムを示す。視聴者はリモートコントローラ40上の方向矢印キーを用いてカーソルの移動を操作する。さらに、カーソルがそのスクリーンの底に置かれて下方向矢印が押されると全体の情報表示のページが上昇し、同様に、カーソルが表示の最も右側にあって右方向矢印が押されると、ページは左に動く。このようにして、視聴者は全体のプログラムスケジュールを通じて指示を行うことができる。
【0076】
図6の最上水平バー61における全てのリストアイコンの右側に接する折りたたみアイコン65Bは、「カテゴリーリスト」モードと認識され、ここでは番組スケジュール情報を、図19に示されるように、プログラム内容により表示及び分類する。図19に示される特別なリストは映画、スポーツ、ニュース及び子供向けプログラム190A-190Dのカテゴリーを含む。データベースレコードが、各リストを内容確認識別子を含むように記憶するので、マイクロコントローラが、データベースを検索し、カテゴリーリストモードにおける表示の目的のための内容により、情報を分類できる。
【0077】
図19に示されるように、視聴者は、ハイライト即ち強調のために左または右へカーソルを操作し、いずれか一つのカテゴリーをリストの文頭に表示できる。図19においては、「映画」カテゴリー190Aが選択されている。図示の如く、視聴者が、時間より優先して、表示タイトルのアルファベット順に全ての映画の表示を与えると、現在の時間が半時間または一時間上にない限り、現在の時間に半時間の先行が開始され、この場合、表示は特別な時間または半時間で開始される。図19におけるスクリーン表示は、全ての一覧表示モードに関連して使用されると同様に、グラフィック AKD184のみならず、プログラミング スケジュールシステムの現在の操作モードのテキスト説明をも含む。
【0078】
全てのリスト表示モードにおいて、視聴者が現在放送中の演劇プログラムに興味を持ったとすると、視聴者はリモートコントローラ40のエンターキーを押すことにより、直ちに演劇プログラムに変えることができる。興味を持った演劇プログラムを将来に視たければ、視聴者は、リマインダー情報設定のオプションを再度与える。
【0079】
図6のディスプレィのテレビガイドバー61の最も右側における三角アイコン65Cは、「チャンネルリスト」モードと認識され、図20に示されるように、ここではプログラムスケジュール情報がチャンネル別に分類されて表示される。図20に示されるスクリーン表示は、文章モード識別表示201、グラフイック AKD184を含み、ウィンドゥはロゴアイコン182と、時間/日付交互表示183を含む。プログラム一覧表の文頭は、チャンネル リスト モードに入る前に視聴者が視ていた最後のチャンネルから開始される幾つかの連続チャンネル202A-202Cのリストである。中間ウィンドゥ202Bにおけるチャンネルが興味を引いたチャンネルであり、スケジュール情報を表示するためのチャンネルである。表示は、現在の時間が一時間または半時間上にない限り、興味を引いたチャンネルに、直ちに現在の時間に半時間先行してそれらのプログラムを表示し、この場合、表示は特別な時間または半時間で開始される。視聴者は、先に説明したように、カーソルのスクリーンの下部への操作及び表示の頁めくりにより、更に将来のリストを表示できる。視聴者はまた、リモトートコントローラ40上で矢印キーを左または右方向へ操作することにより、選択されたチャンネルを変更できる。この方式により、視聴者がチャンネル変更指令を発すると、次の連続チャンネルが、興味を引いたウィンドゥ202Bに、表示の文頭においてチャンネル列で表示され、新たに選択されたチャンネルのためのスケジュール情報がテレビ受信器27に表示される。他のモードのように、視聴者が、現在放送中の他の興味を引いたプログラムへ変えたいならば、視聴者は、リモトートコントローラ40上でエンターキーを単純に押すことにより、変えることができ、また視聴者が、放送中の番組を後で視たいのならば、視聴者は再びリマインダー情報設定のオプションを与える。
【0080】
フリップ(FLIP)、ブロウズ(BROWSE)、及びメニューモードの各々において、下側の“i”アイコンは、一定のプログラムリストとの接続の機会ごとに表れ、例えば図20に示される“i”アイコン203は、映画である。このアイコンが現れているときはいつでも、視聴者は、リモートコントローラ40上のiキー48を押すことにより、一般に、プログラム内容のテキスト的説明及び/またはプログラムに関する他の情報、例えば出演者の名前などを含む付加的なプログラム情報を視ることができる。このような付加的な情報の表示の例が図21に示されている。
【0081】
図6に示される「メイン メニュー」モードのスクリーンに表れた第二の水平バー62は、「ホーム シアター」リストである。これは、ペイパービュー(Pay-Per-View)イベント(プログラム)またはサービス、特殊なプログラム及びプレミアムサービスプログラムに対応する。視聴者がこのカテゴリーを選択すると、テレビ受信器は、図15に示されるように情報を表示する。このホーム シアターバーに表れた第一のホームシアターチケットアイコン150は、図22に示すように、ペイパービュープログラム及びプレミアムサービスが表示された形式と同一である。他のモードのように、視聴者は、興味を引いたものへカーソルを操作でき、何らかの特別な演劇を選択できる。また、視聴者は、リモトートコントローラ40上でiキー48を押すことにより、ペイパービュープログラムまたはサービスに関する付加的な情報を得られる。図22におけるペイパービューメニュースクリーン表示は、ビデオ表示部分220を含み、これは、視聴者がペイパービュースケジュールを視ている間、現在または将来のプログラム及びサービスの短い宣伝用のクリップを視聴者に視せることができる。図22の表示は、広告用クリップがスクリーンの最左の四分区画に表示されるようにビット マップ(bit mapp)をなしている。クリップがビデオ表示部分120に無作為に表示されるか、代わりに、クリップがプログラムのリストへの特に選択された入力に対応して表示され、リストを通じて視聴者が操作したことに従って、自動的に切り替えられる。
【0082】
視聴者が、リモートコントローラ40上で矢印キーを使用して、所望のプログラムまたはサービスへのカーソルの操作により、ペイパービュープログラムまたはサービスに関心を持った際、視聴者は、リモートコントローラ40上でエンターボタンを押すことによりプログラムまたはサービスを注文でき、かくして関連したスケジュール、促進及び注文事項が機能する。この方式により視聴者が、特別なペイパービュープログラムまたはサービスを選択すると、次いでプログラムシェジュールシステムは、図23に示されるように、ペイパービュー指令スクリーンを視聴者に表示する。表示は、プログラムまたはサービスの費用を説明する図を含む。表示は、視聴者に対して、複数の放送予定時間230A-230Cのなかからいずれを選択するかを尋ね、またペイパービュープログラムまたはサービスの開始前にリマインダー情報を視るかどうかも尋ねる。視聴者は、これらの問いに対し、リモートコントローラ40上の方向キーを使用して応答する。即ち、適切な答えにカーソルを操作し、次いでエンターキーを押す。視聴者がペイパービュープログラムまたはサービスを注文した後は、プログラムスケジュールシステムは、図24及び図24Aに示されるように、視聴者に二つの指令確認サブメニューを表示する。これらのサブメニューのいずれにおいても、視聴者はペイパービュープログラムまたはサービスを確認または消去できる。
【0083】
視聴者が注文を確認するならば、マイクロコントローラ16は、メモリー内の場所にペイパービュー情報を記憶する。システムは、二回線通信または他の同様な相互作用能力を有し、電話回線またはケーブルラインのいずれかにより、指令情報をケーブル オペレータへ指令情報を伝送できる。代替的に、ケーブル オペレータの場所におけるコンピュータが、マイクロコントローラがペイパービュー情報を記憶させたメモリーを審問できる。適切な時間に、ケーブル オペレータはペイパービュープログラムまたはサービスを供給し、プログラムを注文した全ての視聴者に受信される。
【0084】
図15のペイパービューバーにおける第二のアイコン151は、特殊な放送プログラム、ケーブルまたは衛星プログラムサービスを示し、これに対して視聴者は、電子プログラムガイドを通じてアクセスする。このモードでは、電子プログラムガイドアプリケーション ソフトウェアは、適切なデータ伝送リンクを通じて、視聴者をプログラムサービスへ接続するように働き、ここで視聴者はサービスに相互作用する。代替的に、電子プログラムガイドは操作ソフトウェアを提供し、これは特別なプログラムサービスのためのメニュー及びスケジュール情報を含む。このようなサービスは例えば、貴方が選ぶテレビ(Your Choice TV;“YCTV″)のような高い割合の再放送を提供するサービスであり、この場合、アイコンはYCTVの表示に適切な形態をとる。YCTVに演じられるプログラムは、プログラムガイドシステムを通じて視聴者へ供給される。図15のペイパービューバーにおける最後のアイコン152は、表示形式であり、図26に示されるように、そのリストは全てケーブル オペレータから提供されたプレミアムサービスである。このモードにおいては、視聴者は、リモートコントローラ40上の矢印キーを使用したカーソルの操作及びエンターキーを押すことにより、プレミアムサービスのいずれも衝動的に選択できる。ペイパービュー注文と同様に、システムは視聴者に対して注文表示の列を示し、視聴者がサービスを注文すると、他の別のサブメニューを使用して視聴者の要求を確認する。確認されると、マイクロコントローラ16は注文情報を記憶するか、またはケーブルオペレータへ直接伝送する。一旦に注文が確認されると、マイクロコントローラは直ちに、注文されたプレミアムサービスへの視聴者のアクセスを許可する。この方式では、視聴者は、要求に応じてプレミアムプログラムまたはサービスを注文できる。仮に、フリップまたはブロウズモードの間は、視聴者は、予約していないサービスのためのチャンネルまたはスケジュール情報を視るが、マイクロコントローラ16は、図9に示される如き図表による上書き(overlay)を伴うプログラム信号の表示に代えて、注文サブメニューを表示させる。このサブメニューは視聴者に対して、この選択されたサービースは現在予約されていないことを示し、次いで、このサービスを注文するか否かを視聴者に尋ねる。視聴者が肯定的に応答するならば、プログラムスケジュールシステムは視聴者に上記に説明した注文サブメニューを実行する。この方式では、視聴者はプレミアムプログラムまたはサービスを衝動的に注文できる。
【0085】
図6に示されるメニューモードにおける第三の水平バー63は、「メッセージ」「視聴者サービス」リストである。図16に示されるように、第一の封筒アイコン160は、ケーブルオペレータから入手可能なメッセージ情報を表す。視聴者ーが伝言アイコンを選択すると、図27に示されるように、視聴者には現在入手可能なメッセージのスクリーン表示が呈示される。図27に示される表示には、ケーブルシステムメッセージ270及び広告情報271を含む。視聴者がケーブルシステムメッセージ オプション270を選択すると、視聴者には、図28に示されるような、地方ケーブル オペレータに関連したメッセージが呈示される。視聴者が、図27に示される広告事情オプション271を選択すると、視聴者には図29に示されるような現在の広告情報が呈示される。この情報は、視聴者に請求された利用記録、現在の収支情報、係留中の注文、利用可能なクレジットの指示を含み、ここでクレジットは、ケーブルまたは他のオペレータにより借用可能限界が予め定められている。従って、視聴者は、予め設定された確実な使用限界のみを明示すればよい。ペイパービュープログラムの請求額が一旦限界に達すると、マイクロコントローラは更なるプログラム注文を許可しない。代替的なメッセージメニューが図28Aに示されている。
【0086】
図16の「視聴者選択」モードと認識される視聴者サービス情報バー63における第二アイコン161は、視聴者に多数のプログラムスケジュールジュールシステム操作パラメータを創作または修正させる。ひとたび選択されると、この表示は、例えば図7に示されるように、確実なチャンネル及び/または確実なプログラムの具体的内容の表示のみならず、プログラムスケジュールシステムの確実な操作パラメータに関連した幾つかの選択的オプションを提供する。
【0087】
図7に示された第一のオプションは「ペアレンタル(parental)」オプション70であり、これはまた「キーロックアクセス」オプションも表現する。ひとたびこのオプションが視聴者により初期選択されると、システムは、図30に示されるような「キーロックアクセス」サブメニューを表示する。
【0088】
キーロックアクセスサブメニューは、ここに説明された詳細な態様における視聴者特定四桁コードからなるアクセスコード「キー」を入力した視聴者の要求により、予め選択されたチャンネル及びプログラムまたはプログラムの前に、視聴者ーに対して個々のチャンネル及びプログラムまたはプログラムの制御アクセスを許可する。図30に示されるメニュー表示は、視聴者により選択的に垂直Y軸に入力される目的カテゴリーの列を示す。特定の目的カテゴリーは、リモートコントローラ40の上または下向き矢印キーの使用により、所望の入力を強調して選択される。視聴者が特定の目的カテゴリーを選択すると、左右矢印キーが選択されたカテゴリー内の操作に使用される。
【0089】
図30に示される第一の目的入力は、「ペアレンタルガイダンス(Parental Guidance)」カテゴリー301である。視聴者が、カーソルの操作により入力を強調し、このカテゴリーを選択すると、カーソルは水平に能動ウィンドゥ302へ水平移動でき、このウィンドゥ302は第五の五文字格付け項目の一つを表示及び選択する。プログラム内容の文字項目表示格付けは以下の通りである。「V」は暴力(violence)、「N」は裸体(nudity)、「L」は語学(language)、「AS」は成人プログラム(adult situation)、「PD」は保護者の裁量(parental discretion)である。視聴者が、右方向矢印キーの使用、エンターキーを押すことにより、特定の項目、例えば「L」を選択すると、マイクロコントローラ16に、暴力か明らかな語学(language)を示す「L」で表されるプログラムのためにキーロック アクセスが選択されたことが指示される。システムは、「L」カテゴリー表示の直下にキーアイコンを表示させることにより、キーロックアクセスの起動を示す。キーロックアクセスが設定されると、これは、カテゴリー文字を選択し、次いでエンターキーを押すことにより、起動終了する。この動作は、キーアイコンを消去させる。視聴者は、リモートコントローラ40上で左右方向矢印キーの使用により能動ウィンドゥ302における格付けカテゴリーを変更でき、そのイメージは、能動ウィンドゥに隣接するスクリーン上に、視聴者に対するリマインダーとして表示される。この方式では、視聴者は、ペアレンタルガイダンスカテゴリー内に表れるいずれのプログラム内容確認のためにキーロックアクセスを設定して他の格付けカテゴリーを選択できる。
【0090】
キーロックアクセスコードそれ自身は、四桁のコードからなり、視聴者は、これを何時でも入力及び変更できる。これを実行するためには、視聴者は第四の垂直選択的入力「変更キーロックアクセスコード」304を強調(ハイライト)し、この強調は、リモートコントローラ上で方向矢印キーを使用してカーソルの操作でアクセス コード304を強調することによりなされる。ひとたび強調されると、視聴者は、新たな四桁のコードを入力するか、または既に存在するコードを書き替え入力して、エンターキーを押す。次いでマイクロコントローラ16は、新たな四桁キーロックアクセスコードを確認し、それをメモリーに記憶する。視聴者は、他の既に機能したキー(暗証)のみならず、キーロックアクセスコードも消去でき、これは、図30における最終入力、「キーロックアクセスコード及び全ての暗証を消去」305への移動によりなされ、この表示305が「OK」ウィンドゥを強調し、次いでエンターキーを押す。この動作は、キーロックアクセス コードのみならず、既に設定された全てのキーを消去及び起動終了させる。
【0091】
各プログラム内容のためのスケジュール情報データベースは、ペアレンタルガイダンスカテゴリー内のプログラム内容確認に対応するファイルを持つ。操作の間、マイクロコントローラは、このファイルを視聴者の指令に応じて検閲し、注文または表示機能により、プログラムを同調または注文させ、或いは同調が実行される前に、それに対応するスケジュール情報を表示させる。プログラムスケジュール情報データベース記録内のペアレンタルガイダンス識別が、図30に示される起動したペアレンタルガイダンス識別のいずれか一つに合致すると、システムが何らかの更なる動作をなす前に、視聴者は直ちに四桁のキーロック アクセス コードを入力する。入力されたコードが、視聴者により上記のように予め入力されて記憶されたキーロック アクセス コードに合致すると、システムは、視聴者の要求により、プログラムの同調、プログラムの注文、またはプログラムに対応するスケジュール情報の表示を実行する。コードがシステムに承認されないと、更なる動作はなされず、視聴者の要求は拒否される。
【0092】
カーソルの操作により、方向矢印キーを使用して第二の入力「MPAA評価」308を強調すると、視聴者は、図30にも示されるように、これら「MPAA評価」に基づくプログラムのためのキーロックアクセスをも設定できる。
【0093】
ペアレンタルガイダンスカテゴリーと共に、MPAA評価カテゴリーが選択されると、視聴者はカテゴリー内で能動ウィンドゥ306を水平移動させて、五つの評価コード、即ち、「G」は一般視聴者(general audience)向け、「PG」はペアレンタルガイダンス(parental guidance)向け、「PG-13」は、ペアレンタルガイダンスであって、13歳未満の者は保護者同伴でなければ視てはいけないことを示唆するもの、「R」は禁止、「X」はX-評価の一つを選択できる。ペアレンタルガイダンスカテゴリーでは、特定の評価の選択、能動ウィンドゥに特定の評価コードが表れるまでの左右方向矢印キーの使用、次いでエンターキーを押すことにより、視聴者は、評価のためのキー ロックアクセスを設定でき、この場合、キーアイコンは評価コードの下に表れる。ペアレンタルガイダンスカテゴリーと共に、キーロックアクセスが設定されると、システムは、視聴者に、要求がなされたときは、いつでも四桁キーロックアクセスを入力するように促し、ここで視聴者の要求は、同調、注文または、既に起動したキーロックアクセスの評価コードに合致する評価コードを有する特定のプログラムのためのスケジュールインフォーメーションの表示である。
【0094】
キーロックアクセスモードは、チャンネルの制御アクセスのための目的カテゴリー303を含み、これは例えば、「チャンネル遮断」または「チャンネルロック」と題することができる。
【0095】
ペアレンタルガイダンスカテゴリーと共に、MPAA評価カテゴリーが選択されると、ユーザーはチャンネル遮断カテゴリー303を操作し、この操作は、リモートコントローラ上の方向矢印キーの使用及びエンターキーを押すことのカーソルの操作による。
【0096】
チャンネル遮断カテゴリー303が入力されると、視聴者は、図30にチャンネル2で示されるように、能動ウィンドゥ307を水平方向に移動できる。視聴者が、リモートコントローラ40上の方向矢印キーを使用したカーソルの操作により、このウィンドゥを強調すると、キーロックアクセスが、能動ウィンドゥにチャンネルを表示させるように設定される。これが、キーロックアクセスモードにおける他の目的カテゴリーと共になされると、エンターキーを押すことにより、能動ウィンドゥにおけるチャンネル番号の下にキーアイコンが再び表示される。視聴者は、リモートコントローラ40上の左または右方向矢印キーのいずれかを押すことにより、一続きの前のチャンネルか次のチャンネルへ移動できる。この方式では、視聴者は、任意の利用可能なチャンネルのためにキーロックアクセスを稼働させることができる。
【0097】
ペアレンタルガイダンスカテゴリー301及びMPAA308カテゴリーと共に、特定のチャンネルのためにキーロックアクセスが設定されると、システムは視聴者に対し、そのチャンネルの同調または注文の指令を既に実行したキーロックアクセスコードの入力を促す。入力キーロックアクセスコードが、予め記憶されたアクセスコードに合致すると、視聴者の指令が実行される。別な場合には、視聴者ーの指令は無視される。従って、視聴者は、何らかの利用可能なチャンネルのオーディオ及びビデオプログラム内容に制御アクセスできる。この例では、マイクロコントローラ16は、オーディオ及びビデオプログラム信号がVDGを通ることを許さないが、スケージュール情報がチャンネルに表示されることは許す。
【0098】
プログラムの効果的なロックアウトの代替的な方法は、図39に示されるように、「ロックアウト」スクリーンの使用により達成される。上述したようにペアレンタルガイダンス、MPAA及びチャンネル基準に基づくプログラムに対するアクセス制限に加えて、アクセスは、プログラムタイトルに基づいて制限され得る。図39は代替的なロックアウトスクリーン250を示し、これは、上述した基準に加えて、プログラムタイトルに基づいてプログラムへのアクセスを許可または制限するのに使用できる。一日の時刻、週の曜日、クレジット利用限度、及び内容カテゴリー(例、トークプログラム)のような他のパラメータも含ませることができる。
【0099】
図39に示されるように、ロックアウトスクリーン250を入力するには、ユーザーは、リモートコントローラ40上で数字桁キー42及びエンターキー44を使用して複数桁ロックアウトコードを入力せねばならない。システムが最初に使用されるか、または据え付けられた際、ロックアウトコードは初期設定される。最初の例でロックアウトコードを設定するには、視聴者が、図40に示されるようなセットアップスクリーン260にアクセスする。セットアップスクリーン260は電子的プログラムガイドが据え付けられて初期化された最初のときには、自動的に表れる。電子的プログラムガイドの通常の操作期間中にアクセスするために、セットアップスクリーン260への適切なアクセス経路も備えることができ、これはメインメニュー215における適切なアイコンからのような経路である。
【0100】
図40のセットアップスクリーン260において、視聴者はロックアウトコードカテゴリー265を操作し、新たなロックアウトコードを設定でき、これは、リモートコントローラ40上のキーの適切な操作及び選択によりなされる。ロックアウトコード入力に好適なメニューが図40Aに示されている。ひとたびロックアウトコードが与えられると、予めロックされたプログラムを視る際、或いは、ロックアウトコードの消去または変更など、ロックの設定または変更には、ロックアウトコードを使用せねばならない。視聴者がロックアウトコードを忘れてしまい、それを消去せねばならない場合、ロックアウトコードが記憶されたメモリー位置には、例えば地方ケーブル会社によりアクセス可能である。
【0101】
ロックアウトコードが入力され、図39のロックアウト スクリーン250が表示されると、スクリーン内の操作は、リモートコントローラ40上の方向キー43A及び43Bにより制御される。上向き及び下向きキー43Aを選択カーソルへ移動させると、映画評価251、ペアレンタルガイダンス252、チャンネル253、ロックプログラム254またはロックアウトコード255カテゴリーのいずれも選択できる。次いで左向き及び右向きキー43Bが選択されたカテゴリー内の操作に使用される。
【0102】
予め設定されたロックアウトコードの消去は、ロックアウトコードカテゴリー255内の消去入力256への選択カーソルの移動及びリモートコントローラ40上のエンターキー44を押すことによりなされる。これにより、マイクロコントローラは、視聴者により予め設定された全てのロックと同様に、メモリーに記憶されたロックアウトコードを消去する。現在のロックアウトコードを変更するには、視聴者は、ロックアウトコードカテゴリー255における変更入力257を操作し、リモートコントローラ40上のエンターキー44を押す。次いでユーザーは新たなロックアウトコードを入力させ、これはマイクロコントローラにより連続的にメモリーに記憶される。
【0103】
映画評価251、ペアレンタルガイダンス252カテゴリーのいずれにおいても、ロックを設定するには、視聴者は、リモートコントローラ40上の方向キー43A及び43Bを用いた選択カーソルの操作により、図39における選択された入力を操作し、次いで、図4に示されるパッドロック キー45Aのようなリモートコントローラのロックアウトキーを押す。マイクロコントローラは、表示の適切な変化、例えば、選択された入力ウィンドゥのテキストまたは背景の色の変化により、ロックが既に設定されたことを示す。図39において、パッドロック アイコン258が、映画評価カテゴリー251内の「PG」入力のウィンドゥに表れている。選択カーソルが選択された入力に位置している間、ロックアウトキーを留めると、ロックアウトキーを入力するために、ロックアウト キー機能が交互に能動化、非能動化される。
【0104】
同様に、特定のチャンネルのロックを設定するためには、視聴者は、選択カーソルを用いてチャンネルを選択し、次いでロックアウト キーを押す。図39において、チャンネルカテゴリー253におけるチャンネル「4 KCNC」がロックされ、これはウィンドゥに表れる反転及びパッドロックアイコンにより示されている。
【0105】
プログラム ロックもまたタイトルにより設定でき、これは幾つかの方法により成し遂げられる。例えば、電子プログラムガイドの上述のフリップまたはブロウズ モードが許可されているとき、これに起因して、その時に受信されている実際のプログラム信号に重ねられた(スーパーインポーズされた)ウィンドゥにおける他のプログラム 予定 インフォーメーションと一緒にプログラムのタイトルが表示され、視聴者は、リモートコントローラ40上のロックアウトキー45Aを押すことにより、表示されたプログラムに対応するプログラムへの制限アクセスできる。視聴者はプログラムを観ている間、フリップまたはブロウズ モードのいずれが許可されているかに拘らず、リモートコントローラ40上のロックアウトキー45Aを押すことにより、現在同調されているプログラムへも制限アクセスできる。この例では、マイクロコントローラが先ず表示からプログラム信号を隔て、次いでプログラム用のスケジュール情報データーベース記録へアクセスし、次に、適切なフラグを現して設定することにより、プログラムがロックされたことが示される。また、例えば図18から図20に示して上記に説明したように、グリッド(grid)またはカテゴリーリストにおけるプログラムスケジュール情報を視る際、視聴者は、選択カーソルを用い、リモートコントローラ40上のロックアウトキー45Aを押して強調することにより、ロックアウトのためのプログラムを添えることができる。
【0106】
これらの各例では、次いでマイクロコントローラが、プログラムタイトルを、メモリーに記憶されたロックアウト タイトル リストへ、視聴者により予めロックアウトされた何らかの他のタイトルと一緒に記憶させる。ロックアウト タイトル リストの個々の項目は、図39に示された「ロックプログラム」ウィンドゥ259にアルファベット順に表示され、視聴者は、図40におけるリモートコントローラ上の上下方向キー43Aを用いてロック プログラム ウィンドゥ259に選択カーソルを位置決めすることにより、リストを初めから終りまでスクロールでき、次いで左右方向キー43Bを用いて、リストを初めから終りまで一時に一項目をスクロールできる。メモリースペースを節約する目的で、代替的に、マイクロコントローラは次のようにプログラムできる。即ち、マイクロコントローラは、フラグを設定するか、或いはその逆に、ロック アウトされるべきプログラムのためのプログラムスケジュール情報を保持する特定のデータベース記録をマークし、その後、視聴者がロックプログラムウィンドゥ259のロックアウトタイトルリストを見直す際のように、タイトル情報を表示すべきときに、データベースをアクセスし、タイトル情報を検索する。
【0107】
個々のタイトルがロックアウトされると、マイクロコントローラは、ロックプログラムのためのプログラムスケジュール情報を表示すべきときはいつでも、パッドロックのような適切なロックアウトアイコンを表示するように付加的にプログラムすることができ、ここでロックアウトアイコンが表示されるのは、フリップまたはブロウズ モードのウィンドゥ オーバーレイ内、或いは、メインメニュー表示に表れる様々なグリッド及びカテゴリー表示内などである。システムは、予めロックされたプログラムのプログラム信号に、仮に何者がアクセスを試みると、適切なテキスト情報を表示することもできる。勿論、ひとたびプログラムがロックされると、全ての場合にマイクロコントローラは、適切なコードが入力されるか、或いはロックアウトが外されるまで、実際のプログラム信号(プログラム信号のオーディオ及びビデオ部分の双方を含む)へのアクセスを防ぐ。
【0108】
プログラムが放映されるときには、そのプログラムをブロックするための幾つかの方法を使用できる。例えば、映画格付け、ペアレンタルガイダンス、及びチャンネルカテゴリーの場合には、各々のプログラムのためのスケジュール情報データベース記録は、図39に示されるロックアウトスクリーン250の映画格付け251、ペアレンタルガイダンス256及びチャンネル253カテゴリーにおける格付け、プログラム内容識別子またはチャンネル登場の各々に対応したファイルを備える。
【0109】
操作期間中、マイクロコントローラは、同調または注文機能がなされる前に、プログラムを同調または注文する視聴者の指令に応答して、データベース記録の適切なファイルを検閲する。更に、ロックアウトコードは、プログラムスケジュール 情報へのアクセスを制限するのに使用される。この例においては、マイクロコントローラはまた、プログラムのためのスケジュール 情報が表示される前に、スケジュール情報データベース記録における適切なファイルを検閲する。
【0110】
プログラムスケジュール情報データベース記録における映画格付け、ペアレンタルガイダンスまたはチャンネル識別がロックアウトスクリーン250に示されたロックアウト入力のいずれか一つに合致すると、ロックアウト照合スクリーン300がビデオ信号と重畳された関係で表示され、図41に示されるようにテレビ受信器に表示される。システムが何らかの更なる動作をとる前に、視聴者は、予め設定されたロックアウトコードを入力するように促される。安全基準を付加するために、星印が視聴者入力ロックアウトコードとして表示される。入力コードが、上述したように視聴者により予め入力されて記憶されたロックアウトコードに合致すると、システムは、視聴者の要求、即ち、プログラムの同調または注文、或いは、対応するスケジュール情報の表示を実行する。仮にコードがシステムに認められなければ、更なる動作はなされず、視聴者の要求は無視される。この場合、ロックアウト照合スクリーン300は、正しいコードが入力されるまで、テレビ受信器に表示され続ける。視聴者により何の行為もなされなければ、ロックアウト照合スクリーン300は、予め設定された中断期間、例えば一、二分間の後に消去される。
【0111】
同様に、タイトルによるロックアウトの場合、マイクロコントローラはまた、スケジュール情報データベース記録におけるタイトル ファイルを検閲し、それを視聴者が予めロックを設定するためのプログラム タイトルのリストと比較する。仮に、上述したように、マイクロコントローラが、タイトルによりロックされた実際のプログラムのタイトルのリストを保持していなければ、データベース記録内のファイルに適切な識別子が設定され、視聴者が最初にロックを設定した際に、プログラムがタイトルによりロックされることを示し、その後、マイクロコントローラは、プログラムを同調または注文、或いはスケジュール情報を表示させる視聴者の要求に応じて、上記ファイルを検閲する。効果的なロックアウトのための代替的な方法は、テレビ受信器により受信されたリアルタイム プログラム信号の一部分の使用に関係する。この方法では、プログラムの格付け、ペアレンタルガイダンスカテゴリー、タイトルまたはチャンネルに対応するコードが、プログラム信号と一緒に挿入されて伝送され、この挿入は、垂直または水平帰線消去期間(ブランクインターバル)、或いはラスター捜査線のように、テレビ受信器上では不可視なものになされる。プログラム信号が受信されると、これらのコードはプログラム信号から取り去られ、メモリーに記憶される。プログラム信号で転送されるディジタルコードの挿入伝送及び受信のための方法及び装置は公知である。
【0112】
伝送コードがプログラム信号から分離されてメモリーに記憶された後は、マイクロコントローラは、これをロックアウト基準と比較でき、ここでロックアウト基準は、上述したように、視聴者によってロックアウトスクリーン上で適切な動作により設定されたものである。
【0113】
図40に示されるセットアップスクリーン260は、代金コードカテゴリー270をも含み、何らかの割増料金チャンネルまたはペイパービュープログラムが注文可能になる前に入力すべき数字代金コードを視聴者に設定させる。図40に示されるセットアップスクリーン260は、新たな代金コード設定と、予め設定された暗証の消去または変更とのための入力を含む。代金コードの設定、確認、消去または変更のための適切なメニューが図40Bから図40Eに示されている。視聴者が代金コードをひとたび設定すると、マイクロコントローラはその後、プレミアムサービスチャンネルまたはペイパービュープログラムを同調または注文するための視聴者の要求に応答して代金コード照合スクリーンを表示する。
【0114】
代金コード照合スクリーンは、ロックアウト照合スクリーンと同様な方式で働く。即ち、マイクロコントローラが要求されたプログラムを同調または注文する前に、視聴者に、予め設定された代金コードパスワードを入力するように促す。正しい代金コードが入力されないと、マイクロコントローラは、更なる動作をなさず、代金コード照合スクリーンは、正しいコードが入力されるまで、テレビ受信器に表示され続ける。予め設定された中断期間に何の行為もなされなければ、代金コード照合スクリーンは消去される。
【0115】
図7に示される第二のオプションは、優先チャンネル即ち「お好みチャンネル」リストオプション71である。このアイコンを強調してリモートコントローラ40上のエンター キーを押すことにより、視聴者には、図8に示すようなサブメニューがスクリーン上に呈示される。
【0116】
通常の操作では、プログラムガイドシステムは、視聴者がリモートコントローラ上の方向矢印キーの一つを用いることにより発せられた上方向または下方向へのチャンネル変更指令に応答して、視聴者に対してチャンネルを番号順に呈示する。チャンネル番号呈示シーケンスは、オペレータによりチャンネル上に調整された順番に、ケーブル会社により提供された全てのチャンネルを含む。
【0117】
プログラムガイドシステムはまた、幾つかの視聴者規定チャンネル呈示シーケンスの中から選択する能力を備え、これは図4に示される「チェックマーク」アイコン キー48A,48Bまたは48Cの使用により機能される。これらのキーは、詳細に後述するように、特定の視聴者が選択して、マイクロコントローラがメモリー内に「チャンネル選択」リストとして格納したチャンネルの優先特定リストを表示させる。これらの優先チャンネルリストの一つを機能させるために、視聴者は、対応するチェックマークアイコンキーを押し、この場合、マイクロコントローラが、グラフィック オーバーレイでスクリーン上に選択アイコンを表示でき、全てのスクリーン表示が、視聴者に対して、優先チャンネル選択リストがシステムにより使用されていることを気付かせる。選択リストが機能すると、システムは、テレビ受信器の同調及びスケジュール情報の表示を、機能された視聴者選択リストに選定されたチヤンネルのみに制限する。
【0118】
チヤンネル選択リストのチャンネル内容及び/または連続的な注文を訂正するためには、視聴者は、プログラムガイドシステムのメニューモードを入力する。FLIPモードからMENUモードを入力するには、図3のリモートコントローラ31を使用する際には、視聴者はモード キー38を二回押す。図4のリモートコントローラ40の他の実施例を使用する際に、MENUモードを入力するには、視聴者は、メニューアイコンキー47Bを一回押す。
【0119】
最初に入力された際、MENUモードは図6に示されるようなスクリーン表示を持つ。チヤンネル選択リストの編集のためのサブメニューを選択するために、視聴者は、図7に示すように下向き矢印キーを使用したカーソールの操作により、先ず第三の水平帯63を選択し、この帯63には、例えば「メッセージ」または「カストマー サービス」などのタイトルを付けることができる。それにより図6Aのスクリーンが表示される。次いで視聴者は、方向矢印キーの使用及びエンターキーを再度押してアイコンを強調することにより、帯内に表れている第二のアイコンを選択するが、この第二のアイコンにはチェックマークが付されており、これは「視聴者選択モード」に対応している。この動作は、マイクロコントローラ16に、図7に示すような、視聴者選択サブメニューを表示させる。チャンネル選択または「お好みチャンネル」入力71の選択により、視聴者は、図8に示すように、チャンネル選択サブメニューを入力する。視聴者が未だそれをなしていないなら、視聴者は図4のリモートコントローラ40における特定のチェック マーク アイコン キーをを押し、特定のチャンネル選択リストを生成または訂正する。
【0120】
図8に示されるチャンネル選択メニューにおいて、特定のケーブルシステムに利用可能な全てのチャンネルのリスト80が、図8においては「選択」と称されてテレビ受信器の左側に表示され、視聴者選択リスト81が、図8においては「選択済」と称されて右側に表示されている。「END」または「-1」シンボルのような特定のコードが、視聴者選択リスト81の第一(最上)位置82に表れると、システムは、操作の全てのモードにおける番号順の全てのチャンネルについての情報を表示する。これはシステムの省略(default)モードである。
【0121】
利用可能なリスト80から順次にチャンネルを選択し、これを選択リスト81に所定の順序で配置することにより、視聴者は、チャンネルの補助組及び/または視聴者からのチャンネル上昇またはチャンネル下降指令に応じた暗黙シーケンスの再整理を選択できる。これは、リモートコントローラ40における上下矢印キーを使用して利用可能なリスト80におけるチャンネルを強調し、一時的入力でバッファへ格納することにより達成される。
【0122】
マイクロコントローラ16は、視聴者選択リスト81に予め入力された全てのチャンネルのリストを格納する。テレビ スクリーンの左側に表示された利用可能なチャンネル リスト80を初めから終りまで操作する際、視聴者により強調された特定のチャンネルとして、視聴者により強調された特定のチャンネルに隣接してウィンドゥ84が表れる。視聴者選択リスト81に特定のチャンネルが既に表れているならば、システムは、このチャンネルは、利用可能なチャンネルリスト80から予め選択されており、リスト81から削除できるのみであることを示唆する注意(リマインダー)として、ウィンドゥ84内に「削除」情報を表示し、これはエンター キー44を押すことにより達成される。リスト80における特定の強調されたチャンネルが予め選択されていなければ、システムは、視聴者がエンター キー44を押せば、特定のチャンネルが視聴者リスト81に追加するために選択されることを示唆するリマインダーとして、ウィンドゥ84内に「選択」情報を表示する。マイクロコントローラ16は、選択されたチャンネルをリスト81の下部に挿入する。この方式では、視聴者は、何らかの所望の順序で、視聴者選択リストからチャンネルを選択または削除できる。
【0123】
利用可能なチャンネルリスト80も、映画、ニュース、スポーツ、または子供向け演劇のようなカテゴリー入力83を備えることができる。視聴者が、その視聴者選択リスト81にカテゴリーを含めていないならば、視聴者がチャンネル上昇または下降指令を発したときに、システムは、先ず視聴者が選択した優先チャンネルを番号順に表示し、次いで選択された一つまたは複数のカテゴリーに対応する内容のプログラムを有する全てのチャンネルを一回に表示する。
【0124】
視聴者が上述の方式によりチャンネル選択リスト81を訂正すると、マイクロコントローラ16は続いて、視聴者が方向矢印キーの一つを使用してなしたチャンネル変更コマンドに対応する視聴者特定チヤンネル列を記憶する。視聴者選択リストを機能させるには、視聴者は、図4に示されるリモートコントローラの上部の三つのチェックマークアイコンキー48A、48B、48Cの一つを押す。視聴者選択リスト81は、テレビ受信器の同調または電子プログラムガイドの何らかの操作モードにおけるスケジュール情報の表示の選択的制限に使用できる。
【0125】
本実施例では、選択リストが機能すると、システムは、テレビ受信器の同調と、MENUモードにおけるグリッド カテゴリー及びチャンネルリストのみならず、FLIP及びBROWSEモードにおけるスケジュール情報の表示とを、機能した視聴者選択リストに選定されたチャンネルについてのみに制限する。視聴者選択リストが機能している際、チューナーが同調できず、対応するスケジュール情報が表示されなければ、いずれのチャンネルも視聴者選択リストに入力されていない。この点で、ペアレンタルガイダンス301、MPAA308またはチャンネル遮断カテゴリー303におけるキーロックアクセスの設定は、上述した優先チャンネルのチャンネル選択リストのような他の表示基準を使用した場合とは異なる結果を生じることに注意すべきである。従って、キーロック アクセスが、許可されたコードの表示または注文の未入力から、スケジュール情報ではなく、オーディオ及びビデオ プログラム情報を妨げている間、仮に特定のチャンネルがチャンネル選択リストに含まれていて、且つキーロックアクセスモードのチャンネル遮断カテゴリーで機能しているキーロックアクセスを持つならば、そのチャンネルまたはそれに対応するスケジュール情報は何時も表示されない。
【0126】
予め選択された視聴者選択リストを非能動化するためには、視聴者は、図4のコントローラ40上の適切なチェックマークアイコンキーを留める。ひとたび非能動化されると、システムは、全ての利用可能なチャンネルのスケジュール情報の表示のみならず、全ての利用可能なチャンネルの表示及び同調を省略する。
【0127】
次いで、視聴者選択リスト81が仮に能動化すると、これは、選択されたモードのみ、例えばFLIPモードのみにおける同調及びスケジュール情報の表示の制御に使用できるので、視聴者は、全ての他のモードにおけるスケジュール情報に対応する全てのチャンネルを観れる間、FLIPモードにおいては、選択リスト81に入力されたチャンネルについてのみ、同調させることができ、且つそのチャンネルについてのみ対応するスケジュール情報を観ることができる。
【0128】
この後者の形態では、この例のみならず、機能されたチャンネル選択リストがなく、システムが省略モードにあるとき、視聴者選択リスト81に表れたチャンネルが、視聴者が加入していないサービスに対応しているならば、マイクロコントローラ16は、プログラム信号の表示に代えて、図9に示すように、注文サブメニューをグラフィックオーバーレイと一緒に表す。このサブメニューは、視聴者に対して、この視聴者が、選択されたサービスには現在加入していないことを示唆し、次いで視聴者に、このサービスを注文するか否かを尋ねる。視聴者ーが肯定的に応答すれば、プログラムスケジュールシステムは、衝動的な注文としての視聴者の要求を確認すべく、視聴者に他の注文サブメニューを呈示する。
【0129】
またプログラムガイドは、図37に示されるように、ロケータスクリーン201を有する形態にもでき、これはチャンネル選択及びお好みチャンネルリストの規定にビューアーを加える。ロケータ スクリーン201は、いずれの特定のチャンネルにも、いかなる特定の時刻にも、現れるプログラム情報のソース、例えば、ブロードキャスト、ケーブルキャスト、ペイパービュー、要求に応じて代用ビデオ、衛星、または他のプログラム素材のソースに応じて分類された全ての利用可能なチャンネル番号を表示する。従って、ロケータスクリーン101は、何らかの特定のチヤンネルまたはサービスを、利用可能なチャンネルのリストを初めから終りまでスクロールするための迅速且つ効果的な方法を与える分類のために置くことに使用できる。チヤンネル番号は、プログラムカテゴリー、プログラム内容、プログラム格付け、または他の基準に基づく内容、利用可能な時間、番号順、或いは他の論理的な分類などの他の基準によっても分類できる。
【0130】
図37に示す例において、視聴者はリモートコントローラの方向キー43A、44Bを用いてロケータスクリーン内を移動できる。右方向キー及び左方向キー43Bは選択クルーザーをカテゴリー列内で移動させ、一方、上方向及び下方向キーは特別なカテゴリーを選択するために用いられる。選択クルーザーを希望のチャンネルに位置させてリモートコントローラ40のEnterキー44又はオプション調整キー(図示省略)の何れか一つを押すことによってロケータスクリーン201から特定の映像チャンネルを選択することが可能である。
【0131】
チャンネル選択の目的に加え、ロケータスクリーン201は視聴者がお好みチャンネルリストを作成することができるようにする。そのために、視聴者は最初にリモートコントローラ40の方向キー43A、43B又は数字キー42を用いて選択クルーザーを希望するチャンネルに移動させ、次にリモートコントローラ40の希望チャンネルキー46Aを押す。これにより、ディスプレイの画面が変わり、例えば、チャンネル表示テキスト(文字)若しくは該文字の背景の色を変えることにより、又は適当なアイコンを表示し若しくは他の表示を行なうことにより、そのチャンネルが一つのお好みチャンネルとして選択された旨の表示を示す。図4に示すリモートコントローラ40において、シャープキー「#」はお好みチャンネルのキーとして機能することができる。
【0132】
また、多数のお好みチャンネルのリストを用いるならば、視聴者はお好みチャンネルのキーを押す前に、リモートコントローラ40の適当なお好みチャンネルのキーを押して特定のリストを選択する。たとえば、先に説明したように、図4のリモートコントローラ40は、3つの色分けされたチェックマークのお好みチャンネルのキー48A、48B、48Cを有し、これらのキーは3人の別のユーザーのための少なくとも3つの別のお好みチャンネルのリストを与える。異なる表示特性をロケータスクリーン201に表示して特定のお好みチャンネルのリストが選択されたことを示すことができる。図4に示すリモートコントローラ40上で用いられるチェックマークキー48Aのようにリモートコントローラ上でお好みチャンネルのリストを示すことを行なわせるために用いるアイコン又はイメージを、お好みチャンネルのリストが得られるときに、ロケータスクリーン201及びプログラムガイドの他のスクリーンに表示することができる。代替的に、表示されたテキスト又はその背景の色を変えて選択されたお好みチャンネルのキーの色と同じにすることができる。
【0133】
ロケータスクリーン201は幾つかの経路を介してアクセスすることができる。例えば、ロケータスクリーンは、最も大きなチャンネル番号と最も小さなチャンネル番号との間といったように走査するチャンネル番号の間に仮想チャンネル、たとえば、仮想チャンネル0として都合良い位置に含まれるようにすることができる。視聴者に対しては、そういった仮想チャンネルは便利なチャンネルとして視える。しかしながら、仮想チャンネルはキャリアとしてのバンド幅を追加することを必要としない。例えば、仮想チャンネルは加入者ステーションにおいてデジタル式に生じさせることができ、あるいは、既存のバンド幅周波数における適当なブランキングインタバルに含ませることができる。この方法において、リモートコントローラの数値キー42を用いて対応するチャンネル番号を入力するか、上下方向キー43Aを用いて大きな番号から小さな番号あるいはその逆に走査するか、いずれか一方によって、仮想チャンネルにアクセスすることができる。図38に示すように、メインメニュー表示215にアイコン又はテキストメッセージといった適当な識別子210を与えることが好ましく、視聴者はこの識別子210を選択クルーザによって強調し、リモートコントローラ40のEnterキーを押すだけでロケータスクリーン201にアクセスできる。代替的に、視聴者が押すことによってマイクロコントローラにロケータスクリーン201を表示させるようなロケータスクリーンに相当するキーをリモートコントローラに備えることとしてもよい。
【0134】
お好みチャンネルのキーに加えて、視聴者が作動させるカテゴリー別アイコンキー、例えば、映画、スポーツあるいは子供プログラムキーをリモートコントローラ40に設けることとしてもよい。このシステムは、そういったキーが視聴者によって作動されたときに、特定の好みのカテゴリーのプログラムのみを視聴者に提供するためのものである。お好みチャンネルのアイコンと共に、マイクロコントローラは、視聴者がシステム作動のうちの現在活動しているモードを認識できるように、活動中の好みのカテゴリーに対応するアイコンを表示することとしてもよい。
【0135】
図16のメニューの第3水平バーの右端のクエスチョンマークアイコン162はプログラムガイドシステム「ヘルプ」モードを示し、この中に視聴者に対するシステム操作の説明が含まれる。さらに、リモートコントローラ40の適当なキーを用いてクルーザを走査することにより、視聴者はこのモードを選択することができる。一旦選択すると、ヘルプモード内に現れた次のサブメニューは、システムのどの特定の部分についてヘルプ情報を視たいかを視聴者に質問する。
【0136】
メニューモードの最後の水平バーに現れるアイコンは、インタラクティブな、あるいは、その他のタイプの情報サービスを示し、この情報サービスへの門戸として作用するプログラムシステムは、この情報サービスを図17に示すように視聴者に対して利用可能にする。クルーザーを走査することによって、視聴者ーは、図31から35に示すように特定のサービスの内の一つをどれでも選択できる。
【0137】
例えば、視聴者が最後の水平バーに現れる「X・PRESS」アイコンを最初に選択したならば、図31に示すようなサブメニューが表示される。リモートコントローラの方向矢印キー及びEnterキーを用いて視聴者は図31の3つのエントリーの一つを選択することができる。特定のエントリーが選択されたならば、図32?35に示すように、電子プログラムガイドは視聴者を選択されたサービスに接続し、制御を特定のサービスアプリケーションソフトウェアへ渡す。
【0138】
代替的に、複数の内容特定カテゴリーキー、例えば、スポーツキー、ニュースキー、映画キー等に相当する複数の内容特定キーをリモートコントローラ40に設けることもできる。視聴者が内容特定キーを押すと、内容特定モードが開始される。図4において、リモートコントローラはスポーツキー49を備える。ユーザーがスポーツキーを押すと、マイクロコントローラはプログラムの表示やプログラム予定情報をスポーツ関連のものに限定する。マイクロコントローラは他の全てのプログラムやスケジュール情報がTV受信器に現れることを阻止する。マイクロコントローラは、そのプログラム又はスケジュール情報に関連する適当なコードを検査することによってスポーツ関連プログラムやスケジュール情報を区別することができるようにすることができる。
【0139】
先に説明したように、コード化はいくつかの方法を用いて達成することができる。例えば、プログラム信号の垂直ブランクインタバル又はプログラムスケジュール情報のデータベースの記録内の適当なメモリ位置に適当なコードを含ませることによって、あるいは、スケジュール情報が広いバンド域のネットワークで受信されるならば、コードを適当なブランクインタバルに含ませることによって達成される。視聴者は、スケジュール情報が表示されておらずプログラム信号のみがTV受信器に視られるときは勿論、電子プログラムガイドのいずれのモード(先に説明したFLIP、BROWSE又はMAIN MENU(メインメニュー)モードを含む)の作動においても、適当な内容特定キーを押して内容特定モードを作動させる。視聴者によって一旦内容特定モードが要求されたならば、マイクロコントローラは即座かつ直接的に内容特定プログラム基準を使用可能状態にし、この使用可能状態が例えばスポーツキー49を走査することによって使用不能状態にされるまでガイドのすべとの作動モードの場合において内容特定プログラム基準を使用可能状態に維持する。
【0140】
スポーツキー49のような特別の目的の内容特定キーに変えて、システムは一つの一般的な内容特定キーを備えるように構成しても良く、このキーは作動されると、視聴者に対してすべての内容特定カテゴリーのリストを含む内容特定メニューを表示する。視聴者は次にリモートコントローラの方向矢印キーを用いれ選択クルーザを走査して特定のカテゴリーを反転させEnter(入力)又はOKキーを押してそれを選択する。リモートコントローラの内容特定キーを用いる変わりに、ロケータ、セットアップあるいはメインメニューのスクリーンといった電子ガイドの他のメニュースクリーンに適当な識別子を与えることによって内容特定メニューへのアクセスがなされる。
【0141】
一つの特定の内容特定カテゴリーが選択されたときに、全ての選択されていない内容特定プログラムを止めることに加えて、マイクロコントローラはプログラムされて前記選択された内容特定カテゴリーに特に関連する全ての付加価値プログラム又はサービスを可能にする。例えば、視聴者がスポーツの内容特定モードを作動させたとき、マイクロコントローラは、スポーツプログラムあるいはそれに関連するスケジュール情報のみが表示されることを許可することに加え、全てのスポーツ関連付加価値サービス、例えば、それに関連するクイズゲーム又はビデオゲーム、ゲームの進行中の最新のスコア、チームのスケジュール、選択されたチームあるいはプレイヤーの先のゲームのリプレイ、チケット又は御土産の購入等に関する情報を探してそれを可能にする。従って、プログラム又はサービスから得られる情報は電子プログラムガイドの環境に統合されうる。先に述べたように単に制御を他のサービスに渡すよりも、このように電子プログラムガイドはシステムインテグレータあるいはインターフェイスとして働き、有用な付加価値情報を電子ガイド環境内のパッケージに組込み、従って、多様な内容特定カテゴリーに相当する一連のモジュール式電子プログラムシステムを与える。
【0142】
図40に示すセットアップスクリーンは、また、テキスト見出し「スクリーンの下部」と「スクリーンの上部」とを含むテキスト位置カテゴリー275を含む。リモートコントローラ40の上下方向キー43Aを用いてテキスト位置カテゴリ275に移動し、リモートコントローラ40の右及び左方向キーを用いてそのカテゴリ内の「スクリーンの上部」又「スクリーンの下部」に移動し、次に、Enter又は選択キー44を押すことによって、視聴者は、電子プログラムガイドの種々の作動モードにおける表示情報に用いられるオバーレイウィンドウの位置を制御することができる。図40のセットアッププスクリーン視聴者に二つの位置、上又は下の選択を与える。プログラムガイドの作動モードに依存して、TV受信器を視る際のさらに多くの位置選択を視聴者に与えることが望ましく、あるいは、視聴者が異なる作動モードに表示された情報の異なる位置を選択できるようにすることが望ましい。
【0143】
ここに開示する本発明の新規な特徴の一つは、テキスト合わせシステムである。テキスト合わせシステムの好ましい実施例は、プログラムリストデータが視聴者へ伝送されメモリに保存される前に、プログラムリストデータを編集するために用いるインタラクティブコンピュータプログラムを含む。このインタラクティブシステムは次のように作動する。編集されていない(又は部分的に編集された)プログラムリスト情報(データ)はデータプロセッサにロードされる。このデータはプログラムのタイトル、プログラムが放送される時間、プログラムの放送時間長さ、プログラムのカテゴリ、プログラムの形式に依存して付加説明情報を含む。例えば、映画の場合、データはMPAAレート、映画の年代、映画が白黒映画であるか、及び出演男優及び女優のリストを含む。
【0144】
データプロセッサはプログラムタイトルデータのみを抽出し、このデータはテレビプログラムタイトル、映画タイトル、スポーツイベントその他特別イベントのタイトルを含む。プログラムの長さに基づいて、データプロセッサは最初にリストデータを分析し、各タイトルとしてどういったグリットサイズのタイトルが必要かを決定する。従って、2時間の長さの映画は、4つの異なるサイズのグリッドセル(30、60、90、120分)のそれぞれに合うようにするため、4つの異なる編集されたタイトルを必要とする。データプロセッサは、次に、タイトルの文字の長さに基づき、タイトルを表示するためにどのくらいのスペースが必要かを決定する。タイトルが文字カーニングに対するプロポーショナルフォント及び文字を用いてプログラム表グリッド内に表示されるならば、データプロセッサは、また、タイトルを表示するために必要なスペースを決定する際にこれらの要素(ファクタ)を考慮することができる。この決定は、タイトルの文字の特別な組合わせに必要なピクセル数に基づいてなされる。タイトルを表示するために有用なスペース量はグリッドセルの大きさと、アイコンが作動された際にアイコンを表示するために必要なスペースに依存する。
【0145】
一つ又はそれ以上のグリッドセルにちょうど納まるように多くのスペースをフルタイトルが必要とするとデータプロセッサが決定したならば、そのタイトルはデータプロセッサに接続されたCRTのような適当な表示装置を用いてエディタに提示される。エディタはその後で、タイトルを割り当てられたスペース内に合うように変更するように問われる。タイトルが1を超えるセルサイズに編集されなければならないときに、エディタはこれらをそれぞれ別々に編集するように問われる。インタラクティブプログラムの好ましい実施例において、エディタは、編集されたタイトルが設計グリッドセル内に納まるか否かリアルタイムで示される。
【0146】
好ましい実施例において、プログラムタイトルの各グリッドセルに2行のテキストが表示される。編集されたタイトルは、第一行に現れ、そして必要ならば、第2行へと続く。第2行へワードラップさせるか否かの決定は、単語間のスペース、カンマ、ピリオド、ハイフン等といった自然な切れ目がタイトルに存在するかに依存する。これらはワードプロッセッサソウトウェアルーチンにおいて標準的に用いられる技術である。エディタは、また、割り当てられた2行にフルタイトルが納まり、タイトル中に自然の切れ目が無いためにハイフンが必要とされる状態にタイトルを編集することを問われる。
【0147】
エディタにタイトルを短くするように問う前に、データプロセッサはタイトルを短くされたタイトルの記憶されたライブラリと比較し、他のリストデータベースを編集しながらタイトルが以前既に短くされたかを決定する。エディタによってタイトルの変更はいつでも行われ、短くされたタイトルはライブラリに追加される。短くされたライブラリを構築するこの方法は必要とされる手入力を非常に少なくできることは明らかである。
【0148】
テキスト合わせシステムの作動方法を説明するフローチャートを図42に示す。フローチャートは、ただ一つのプラットフォームに関し、プログラムグリッド内にリストを示すためにそれを作成するが、作動は全てのプラットフォームに関してまったく同じである。
【0149】
テキストの編集は、同じタイトルを表示するために、多重寸法のグリッドセルが用いられる状況や他の状況において必要となり得る。例えば、開示されるプログラムガイドは、個々のプラットフォームが異なる拘束及び有効グリッドセルスペースを有するような幾つかの異なるプラットフォーム上で作動するかもしれない。或るプラットフォームはテキストをプロポーショナルフォントで表示しないかもしれないし、あるプラットフォームは有効スペースを減らすという限定を受けるかもしれない。従って、好ましい実施例において、インタラクティブプログラムは全てのプラットフォームに関し同時に必要な編集を要求する。更に、テキスト編集は、プログラムリストのグリッドの他のモードを必ず表示させるようにすることもできる。
【0150】
例えば、図20の「チャンネル別リスト」において、プログラムは一つの全体的な固定長のライン上に一覧にされるが、このラインの長さは、プラットフォームごとに異なるかもしれないので、テキスト合わせシステムはこの表示モード同様に異なるプラットフォームに関するリストを編集する目的のために用いられる。テキスト表示の有効スペースは、また、アイコン表示にどれだけのスペースが確保されるかにかかっている。表示のためのマルチプルサイズのグリッドセルよりも固定長ラインが用いられるためにどういったグリッドサイズが必要なのかを決定する必要が無い場合を除き、図42に示す方法と同じ方法が適用される。
【0151】
ここで開示されるテキスト合わせシステムはタイトル編集以外に応用できることは当業者にとって明白である。このシステムは、メッセージ「i」スクリーンストリーライン、視た分だけ支払うものです、といったメッセージや同ようなメッセージがテキスト表示の設計有効スペース内に納まるように、これらのメッセージを編集するように簡単に変形可能である。
【0152】
マイクロコントローラ16のためのコンピュータプログラムは変化する背景の表示予定を含むことができ、この背景にプログラム表情報を部分的に又は全スクリーン上でオバーレイさせる。背景はメモリ又は光学記憶装置のようなその他の記憶媒体にビットマップとして保存される。例えば、毎朝午前6時に背景に日の出を表示させるコマンドをVDGに与えるプログラムをマイクロコントローラ16に設定することができる。背景を次に、一日中、例えば、青い空又は夜景に変更することができる。背景は、例えば、1日の中の時間、週のうちの日、月、年又は季節によって変えることができる。情緒的(ムード)背景を、また、視聴者が視ている又は選択されたプログラムスケジュール情報の特定のカテゴリーのプログラムに依存して変更することもできる。情緒的背景として、視聴者が住む特定の地域を反映するようなシーン、例えば、ロッキー山脈、レイニエ山等を使用することもできる。海や森といった標準的なシーンを用いることとしてもよい。さらに、オーディオバックグランドを表示される特定の情緒的バックグランドに関連させることとしてもよい。さらに、クリスマス、7月4日、スーパーボウルサンデー等といった祭日及び特別なイベントに対して異なる背景を用いることとしてもよい。背景の目的はプログラムリストを視るときにあきがこないようにするためである。マイクロコントローラ16は情緒的背景表示を自動的に調和させるようになっている。視聴者は、また、マイクロコントローラを操作して適当なムードオプションメニューを表示させ(このメニューはムード背景の一覧を視聴者に与え、視聴者は選択クルーザを操作することによって一つまたはそれ以上の背景を選択できる)、多くのムード背景から選択することができるようになっている。そういったムードオプションメニューへのアクセスは、適当な文字による又は視覚的な識別子をロケータ(LOCATOR)又はセットアップ(SETUP)スクリーンといったシステムの適当なメニュー内に与えることによって達成される。
【0153】
さらに、電子プログラムガイドは各プログラムの放送情報とともにプログラムの唯一のデジタル識別子を記憶することができるように構成され、その識別子を後に使用(例えば、視聴者がプログラムを記録するビデオレコーダのような記憶装置にそれを伝送)することができる。プログラムガイドはそのビデオレコーダの動作を自動的に制御するために、この識別子をまた使用することができる。プログラムガイドはこの目的のため、他の記憶されたプログラムスケジュール情報を用いるように構成することができる。
【0154】
ここに開示する発明に使用される特定のコンピュータプログラムの形態及び内容は、ビデオシステムプログラミング及びグラフィックディスプレイの技術分野の当業者には容易に理解される。システムの操作ロジック(作動論理)を示すフローチャートは図36に示される。添付の請求の範囲から逸脱することなく、本発明の実施例から逸れた例も有り得ることは当業者には明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明の好適実施例の種々の要素を示すブロック図である。
【図2】
図2は本発明の好適実施例で使用されたビデオオーバーレイ装置によるプログラムとその表情報との組み合わせを示すブロック図である。
【図3】
図3は本出願の電子プログラムガイドシステムの好適実施例に関連して使用できるリモートコントローラを示す。
【図4】
図4は図3に示されたリモートコントローラの別の実施例を示す。
【図5】
図5は本発明の好適実施例の動作の一つのモードにおいてテレビ画面上に現れるオーバーレイを示している。
【図6】
図6は本発明の好適実施例の動作のMENUモードにおいてテレビ画面上に現れるメニューである。
図6Aは本発明の好適実施例の動作のMENUモードにおいてテレビ画面上に現れる更に別のメニューである。
【図7】
図7は本発明の好適実施例の一つの様相におけるテレビ画面上に現れるテレビ視聴者優先 メニュー(Viewer Preference Menu)を示している。
【図8】
図8は好適チャンネル選択 サブメニュー(Preferred Channel Selection Submenu)を示している。
【図9】
図9は本発明の好適実施例の一つの様相におけるテレビ画面上に現れる衝動注文メニュー(Impulse Ordering Menu)を示している。
【図10】
図10は本発明の好適実施例の動作の一つのモードに現れるプレミアムサービスサブメニュー(Premium Service Submenu)を示している。
【図11】
図11は本発明の好適実施例の動作のBROWSEモードにおいてテレビ画面上に現れるグラフィックオーバーレイを示す。
【図12】
図12は、図11に示されたものとは異なる情報を有する、本発明の好適実施例の動作のBROWSEモードにおいてテレビ画面上に現れるグラフィックオーバーレイを示す。
図12Aは、図11に示されたもの以外の時間及びチャンネルに対する表情報を表示する、本発明の好適実施例の動作のBROWSEモードにおいてテレビ画面上に現れるグラフィックオーバーレイを示す。
【図13】
図13は本発明の好適実施例の動作のREMINDERモードにおいて現れるグラフィックオーバーレイを示す。
【図14】
図14は本発明の好適実施例の動作のREMINDERモードにおいて現れる更に別のグラフィックオーバーレイを示す。
【図15】
図15は本発明の好適実施例の動作のMENUモードにおいてテレビ画面上に現れる更に別のメニューである。
【図16】
図16は本発明の好適実施例の動作のMENUモードにおいてテレビ画面上に現れる更に別のメニューである。
【図17】
図17は本発明の好適実施例の動作のMENUモードにおいてテレビ画面上に現れる更に別のメニューである。
【図18】
図18は本発明の好適実施例の動作の全リストモード(All Listings mode)において表示される表情報のグリッドリストを示している。
【図19】
図19は本発明の好適実施例の動作の部門別リストモード(Listings By Category mode)において表示される表情報を示している。
【図20】
図20は本発明の好適実施例の動作の部門別リストモード(Listings By Category mode)において表示される表情報を示している。
【図21】
図21は追加プログラム情報に対する視聴者のリクエストに応答して表示された情報を示している。
【図22】
図22は本発明の好適実施例の動作のペイパービューモード(Pay-Per-View mode)において表示されるプログラム、注文、及びビデオプロモーションの情報を示している。
【図23】
図23は、図22に示された動作モードに関連して使用される注文サブメニュー(Ordering Submenu)を示している。
【図24】
図24は、図22に示された動作モードに関連して使用される更に別の注文サブメニュー(Ordering Submenu)を示している。
図24Aは、図22に示された動作モードに関連して使用される更に別の注文サブメニュー(Ordering Submenu)を示している。
【図25】
図25は本発明の動作の全リストモード(All Listings mode)において表示される表情報の更に別のグリッドリストを示している。
【図26】
図26は本発明の好適実施例の動作の一つのモードに現れるプレミアムサービスサブメニュー(Premium Services Submenu)を示している。
【図27】
図27は本発明の好適実施例の動作の一つのモードに現れるメッセージメニュー(Message Menu)を示している。
【図28】
図28は、図27のメニューに関連して使用された代表的なメッセージを示す。
図28Aは別のメッセージメニュー(Message Menu)である。
【図29】
図29は図27のメニューに関連して用いられる広告情報を示す。
【図30】
図30は本発明の望ましい実施例の1モード動作の間に現れるキーロックアクセスメニューを示す。
【図31】
図31は本発明の望ましい実施例の対話型テレビモードに関連して現れるメニューを示す。
【図32】
図32は図31の対話型テレビモードに関連する相場ウォッチメニューに現れる情報を示す。
【図33】
図33は図31に示された動作の対話型テレビモードに関連して現れる他の情報を示す。
【図34】
図34は本発明の望ましい実施例の動作の対話型テレビモードにおけるニュース表示に現れる情報を示すメニューである。
【図35】
図35は本発明の望ましい実施例の動作の対話型テレビモードにおけるスポーツ表示に現れる情報を示すメニューである。
【図36】
図36は電子プログラムガイドのためのコンピュータプログラムの実行に必要なオペレーション論理を示すフローチャートである。
【図37】
図37はチャンネル番号の確認およびお好みチャンネルリストのための確認スクリーンを示すメニューである。
【図38】
図38は電子プログラムガイドの動作メニューモードにおいて用いることのできた別のメニューである。
図38Aおよび図38Bは別のメインメニューおよび別のメインメニューからアクセス可能な時間ごとのスクリーンをそれぞれ示す。
【図39】
図39は特定のプログラムへのアクセス許容または禁止のために交互に用いることができるロックアウトメニューである。
【図40】
図40はテキスト位置並びにプレミアム付きおよび視聴ごとの支払いプログラムのための購入コードのセットアップに用いることができるセットアップメニューである。
図40Aはロックアウトコードを入力するための見本メニューを示す。
図40B乃至図40Eはそれぞれ購入コードの入力、確認、精算または変更を行うための見本のメニューを示す。
【図41】
図41は図39に関連して用いられるロックアウト確認メニューである。
【図42】
図42は本発明のテキスト適合装置の望ましい実施例の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 電子テレビプログラムガイド(電子テレビプログラムスケジュールガイドシステム)
16 マイクロコントローラ(データ処理手段)
23 ビデオ表示ジエネレータ
27 テレビ受信器
31,40 リモートコントローラ(視聴者制御手段)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2010-06-11 
結審通知日 2010-06-15 
審決日 2010-06-28 
出願番号 特願2002-279969(P2002-279969)
審決分類 P 1 113・ 855- YA (H04N)
P 1 113・ 531- YA (H04N)
P 1 113・ 113- YA (H04N)
P 1 113・ 534- YA (H04N)
P 1 113・ 121- YA (H04N)
P 1 113・ 14- YA (H04N)
P 1 113・ 841- YA (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川崎 優梅本 達雄  
特許庁審判長 奥村 元宏
特許庁審判官 藤内 光武
佐藤 直樹
登録日 2008-02-22 
登録番号 特許第4083525号(P4083525)
発明の名称 電子テレビプログラムガイド  
復代理人 森下 夏樹  
代理人 山崎 行造  
復代理人 大塩 竹志  
復代理人 安村 高明  
復代理人 大塩 竹志  
復代理人 森下 夏樹  
復代理人 山本 秀策  
復代理人 安村 高明  
復代理人 山本 秀策  
復代理人 大塩 竹志  
復代理人 安村 高明  
代理人 山崎 行造  
復代理人 森下 夏樹  
代理人 山崎 行造  
復代理人 山本 秀策  

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