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審決分類 |
審判 判定 請求書の表示、請求 属する(申立て不成立) C07D |
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管理番号 | 1292708 |
判定請求番号 | 判定2014-600008 |
総通号数 | 179 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 2014-11-28 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2014-03-10 |
確定日 | 2014-10-23 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第2709225号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | ロ号製品目録に記載された医薬品は、特許第2709225号発明の技術的範囲に属する。 |
理由 |
1 請求の趣旨 請求人が求める請求の趣旨は、判定請求書の記載によれば、「別紙ロ号製品目録に記載された医薬品は、平成15年6月25日登録に係る存続期間延長された特許第2709225号の技術的範囲に属しない、との判定を求める」というものである。 判定について、特許法71条1項には「特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。」と規定されている。そして、この規定に基づき判定を求めることができる対象である「特許発明の技術的範囲」については、平成14年改正前の特許法70条1項に「特許発明の技術的範囲は、願書に添付した明細書の特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない。」と規定され、同2項には「前項の場合においては、願書に添付した明細書の特許請求の範囲以外の部分の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする。」と規定されている。 これに対して、本件特許第2709225号の特許請求の範囲及び明細書の特許請求の範囲以外の部分(図面の添付はない)の記載は、平成15年6月25日登録に係る存続期間の延長の前後において変わらないのであるから、「平成15年6月25日登録に係る存続期間延長された」という事実は、特許法70条の規定に基づいてなされるものである、本件特許発明の技術的範囲の判断には影響を及ぼさない。 よって、本件判定の請求の趣旨は、「ロ号製品目録に記載された医薬品が、特許第2709225号の技術的範囲に属しない、との判定を求める」ものであると解し、以下判断を行う。 なお、判定請求書において、請求人は、「現在本件特許権の効力は特許法68条の2,70条に基づいて、その技術的範囲が解釈される。」との前提の下、ロ号製品には本件特許権の効力が及ばない旨の判定を求めているようであるが、特許法68条の2の規定による特許権の効力が及ぶ範囲について、特許庁に判定を求めることができる旨の規定は特許法に存在しないから、特許法68条の2の規定による本件特許権の効力が及ぶ範囲について、請求人は、特許庁に対して判定を求めることはできない。 2 本件発明 特許第2709225号発明は、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1?8に記載されたとおりのものであり、請求項1?8の記載は以下のとおりである。 【請求項1】 下記の一般式(I)のベンズイミダゾール類、またはその無機または有機の酸または塩基との付加塩。(下線は、当審で付した。) 【化1】 〔式中、R_(1)は塩素原子、またはC_(1) ?C_(3) アルキルまたはトリフルオロメチル基を示し、 R_(2)_( )はプロパンスルタム-1-イルあるいはブタンスルタム-1-イル、 アルキルまたはフェニル基でモノまたはジ置換されていてもよいマレイン酸イミド基(置換基は同一または異なっていてもよい)、 1位置でC_(1) ?C_(6) アルキルまたはシクロアルキル基で置換されていてもよいベンズイミダゾール-2-イル基(これらベンズイミダゾール基のフェニル核はフッ素原子であるいはメチルまたはトリフルオロメチル基でさらに置換されていてもよい)、 イミダゾ〔2,1-b〕チアゾール-6-イル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリジン-2-イル、5,6,7,8-テトラヒドロ-イミダゾ〔1,2-a〕ピリジン-2-イル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリミジン-2-イル、イミダゾ〔4,5-b〕ピリジン-2-イル、イミダゾ〔4,5-c〕ピリジン-2-イル、イミダゾ〔1,2-c〕ピリミジン-2-イル、イミダゾ〔1,2-a〕ピラジン-2-イル、イミダゾ〔1,2-b〕-ピリダジン-2-イル、イミダゾ〔4,5-c〕ピリジン-2-イル、プリン-8-イル、イミダゾ〔4,5-b〕ピラジン-2-イル、イミダゾ〔4,5-c〕ピリダジン-2-イルまたはイミダゾ〔4,5-d〕ピリダジン-2-イル基、 ピリジン環(但し、その環を構成する炭素原子で結合する)または1位置でC_(1) ?C_(3 )アルキル基またはベンジル基で置換されているイミダゾール-4-イル基(イミダゾール環を構成する炭素原子上でC_(1) ?C_(3) アルキル基で置換されていてもよい)を示し; R_(3 )はC_(2) ?C_(5) アルキル基またはC_(3) ?C_(5 )シクロアルキル基を示し;及び R_(4 )はカルボキシまたは1H-テトラゾリル基を示す。〕 【請求項2】 R_(1) はメチル基または塩素原子を示し、 R_(2 )はプロパンスルタム-1-イルあるいはブタンスルタム-1-イル、 アルキルまたはフェニル基でモノまたはジ置換されていてもよいマレイン酸イミド基(置換基は同一または異なるものであってもよい)、 1位置でC_(1 )?C_(3 )アルキル基で置換されていてもよいベンズイミダゾール-2-イル基(これらベンズイミダゾール基のフェニル核はフッ素原子で置換されていてもよい)、 イミダゾ〔1,2-a〕ピリジン-2-イル基、5,6,7,8-テトラヒドロ-イミダゾ〔1,2-a〕ピリジン-2-イル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリミジン-2-イルまたはイミダゾ〔2,1-b〕チアゾール-6-イル基、または1位置でC_(1) ?C_(3) アルキル基で置換されたイミダゾール-4-イル基を示し; R_(3) はC_(2) ?C_(5) アルキル基またはC_(3 )?C_(5 )シクロアルキル基を示し;及び R_(4) はカルボキシまたは1H-テトラゾリル基を示す、請求項1記載の一般式(I)のベンズイミダゾール類、またはその無機または有機の酸または塩基との付加塩。 【請求項3】 下記の請求項1記載のベンズイミダゾール類、またはその無機または有機の酸または塩基との付加塩: (a) 4′-〔〔2-n-プロピル-4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)-ベンズイミダゾール-1-イル〕-メチル〕-ビフェニル-2-カルボン酸、 ((b) ?(r) 略) 【請求項4】 4′-〔〔2-n-プロピル-4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)-ベンズイミダゾール-1-イル〕-メチル〕-ビフェニル-2-カルボン酸である請求項1記載のベンズイミダゾール類、またはその無機または有機の酸または塩基との付加塩。 【請求項5】 4′-〔〔2-エチル-4-メチル-6-(5,6,7,8-テトラヒドロ-イミダゾ〔1,2-a〕ピリジン-2-イル)-ベンズイミダゾール-1-イル〕-メチル〕-ビフェニル-2-カルボン酸である請求項1記載のベンズイミダゾール類、またはその無機または有機の酸または塩基との付加塩。 【請求項6】 請求項1?5のいずれか1項に記載の化合物の無機または有機の酸または塩基との生理学上許容し得る付加塩。 【請求項7】 請求項1?6のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する、高血圧、心不全、虚血性末梢循環不整または心筋性虚血病(アンギナ)の治療、心筋梗塞後の心不全の予防、あるいは糖尿性腎臓病、緑内障、胃腸疾患または膀胱疾患の治療のための薬剤組成物。 【請求項8】 請求項1?6のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する、アンギオテンシンアンタゴニスト活性を有する薬剤組成物。 3 ロ号製品 ロ号製品は、請求人が提出した判定請求書に添付の「ロ号製品目録」に記載された、以下の特徴を有するものである。 「1.医薬品名 胆汁排泄型持続性AT_(1)受容体ブロッカー/持続性Ca拮抗薬合剤 (テルミサルタン/アムロジピンベシル酸塩配合錠) 2.組成・性状 配合成分・含量 1錠中 テルミサルタン 80mg アムロジピンベシル酸塩 6.93mg (アムロジピンとして5mg) 剤形 フィルムコート錠 3.効能・効果 高血圧症 4.用法・用量 成人としては1日1回1錠(テルミサルタン/ア ムロジピンとして80mg/5mg)を経口投与 する。本剤は高血圧治療の第1選択薬として用い ない。」 4 対比・判断 判定請求書の記載からみて、請求人は、本件請求項1に係る発明と、本件請求項7に係る発明を、判定の対象として判定請求しているものと解されるので、以下検討する。 まず、本件請求項1に係る発明とロ号製品を対比する。 ロ号製品の有効成分の一つである「テルミサルタン」は、甲4によれば、「4′-{[4-メチル-6-(1-メチル-2-ベンズイミダゾリル)-2-プロピル-1-ベンズイミダゾリル]メチル}-2-ビフェニルカルボン酸」との化学名で表される化合物である。 そして、この化合物は、請求項1に記載された一般式(I)のベンズイミダゾール類のうち、R_(1)が、C_(1)アルキル基であり、R_(2)が、1位置でC_(1)アルキル基で置換されたベンズイミダゾール-2-イル基であり、R_(3)が、C_(3)アルキル基であり、R_(4)が、カルボキシ基である化合物に相当する。 よって、ロ号製品は、本件請求項1に係る発明の構成要件を充足するから、本件請求項1に係る発明の技術的範囲に属する。 次に、本件請求項7に係る発明とロ号製品を対比する。 ロ号製品は、テルミサルタンを有効成分として含有する高血圧症治療のための医薬品であるところ、テルミサルタンは、先に説示したとおり、請求項1に記載された特定の化合物に相当するものであるから、本件請求項7における「請求項1?6のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物」であり、「医薬品」は本件請求項7における「薬剤組成物」であるといえるから、ロ号製品は、本件請求項7に係る発明の構成要件を充足するので、本件請求項7に係る発明の技術的範囲に属する。 5 むすび 以上のとおり、ロ号製品は、特許第2709225号発明の技術的範囲に属する。 |
判定日 | 2014-10-14 |
出願番号 | 特願平4-19852 |
審決分類 |
P
1
2・
01-
YB
(C07D)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
内田 淳子 |
特許庁審判官 |
今村 玲英子 内藤 伸一 |
登録日 | 1997-10-17 |
登録番号 | 特許第2709225号(P2709225) |
発明の名称 | ベンズイミダゾール類及びこれらの化合物を含有する薬剤組成物 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 中村 閑 |
代理人 | 片山 英二 |
代理人 | 生田 哲郎 |
代理人 | 市川 さつき |
代理人 | 日野 真美 |
代理人 | 箱田 篤 |
代理人 | 佐野 辰巳 |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 小林 浩 |
代理人 | 山崎 一夫 |
代理人 | 高橋 隆二 |
代理人 | 松田 七重 |
代理人 | 浅井 賢治 |