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審決分類 審判 全部無効 特123条1項6号非発明者無承継の特許  B01J
審判 全部無効 特38条共同出願  B01J
管理番号 1294330
審判番号 無効2011-800266  
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-12-26 
確定日 2014-11-17 
事件の表示 上記当事者間の特許第3690864号「光触媒体の製造法」の特許無効審判事件についてされた平成25年7月3日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成25年(行ケ)第10228号、平成26年5月29日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3690864号は、平成8年3月29日に出願され、平成17年6月24日に設定登録されたものである。
本件特許につき、平成18年9月11日、無効審判請求(無効2006-80181号事件)がなされたが、平成19年9月13日付けで、「特許第3690864号の請求項1?5に係る発明についての特許を無効とする。特許第3690864号の請求項6?12に係る発明の特許についての審判請求は、成り立たない。」との審決がなされ、これに対し、本件特許の請求項1ないし5に係る発明についての特許を無効とした部分につき取消訴訟が提起され(平成19年(行ケ)第10367号)、平成20年10月16日、「特許庁が無効2006-80181号事件について平成19年9月13日にした審決中、特許第3690864号の請求項2ないし5に係る発明についての特許を無効とした部分を取り消す。」との判決が言い渡され、同判決は、平成20年10月30日の経過をもって確定した。なお、上記審決中、請求項1に係る発明に対する部分は、上記判決の確定に伴い平成20年10月30日に確定し、本件特許の請求項6ないし12に係る発明の特許に関する部分は、取消訴訟が提起されることなく出訴期間(平成19年10月26日)が経過したことにより確定した。
その後、本件特許の請求項4及び5に係る発明の特許請求の範囲につき、平成21年4月8日付けで訂正請求され、平成22年7月8日付けで「訂正を認める。本件審判の請求は成り立たない。」との無効2006-80181号事件の審決がなされ、同審決は確定した。
その後、平成23年12月26日、本件特許の請求項2ないし12に係る発明についての特許を無効にすることを求めて本件審判の請求(無効2011-800266号事件)がなされ、平成25年7月3日、「特許第3690864号の請求項2ないし12に係る発明についての特許を無効とする。」との審決がなされ、これに対して審決取消訴訟が提起され(平成25年(行ケ)第10228号)、平成26年5月29日、「特許庁が無効2011-800266号事件について平成25年7月3日にした審決を取り消す。」との判決(以下、「平成25年(行ケ)第10228号判決」という。)が言い渡され、同判決は、平成26年6月12日の経過をもって確定した。

第2 本件特許の請求項に係る発明
本件特許の請求項2乃至12に係る発明は、平成21年4月8日付け訂正請求書により訂正された特許明細書(以下、「本件明細書」という。)の特許請求の範囲に記載された事項により特定された以下のとおりのものである(以下、請求項の項番に従い、「本件訂正発明2」などといい、全体をまとめて「本件訂正発明」という。)。
「【請求項2】
基体上に、光触媒によって分解されない結着剤からなる第一層を設け、該第一層の上に、光触媒とアモルファス型過酸化チタンゾルとの混合物を用いて調製した第二層を設けることを特徴とする光触媒体の製造法。
【請求項3】
基体上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを用いて調製した光触機能を有さない第一層を設け、該第一層の上に、光触媒とアモルファス型過酸化チタンゾルとの混合物を用いて調製した第二層を設けることを特徴とする光触媒体の製造法。
【請求項4】
光触媒を基体に担持固定してなる光触媒体の製造法であって、光触媒を酸化チタン粒子又は酸化チタン粉末を用いて調製し、該光触媒とアモルファス型過酸化チタンゾルとを混合し、コーティングした後、常温で乾燥させ、固化させて得たことを特徴とする光触媒体の製造法。
【請求項5】
光触媒を基体に担持固定してなる光触媒体の製造法であって、光触媒を酸化チタンゾルを用いて調製し、該光触媒とアモルファス型過酸化チタンゾルとを混合し、コーティングした後、常温で乾燥させ、固化させて得たことを特徴とする光触媒体の製造法。
【請求項6】
酸化チタンゾル濃度が2.70?2.90%、アモルファス型過酸化チタンゾル濃度が1.40?1.60%のとき、酸化チタンゾルとアモルファス型過酸化チタンゾルとの合量に対し、酸化チタンゾルを30重量%以下の割合で混合した混合ゾルを用いることを特徴とする請求項5記載の光触媒体の製造法。
【請求項7】
酸化チタンゾル濃度が2.70?2.90%、アモルファス型過酸化チタンゾル濃度が1.40?1.60%のとき、酸化チタンゾルとアモルファス型過酸化チタンゾルとの合量に対し、酸化チタンゾルを20?80重量%の割合で混合した混合ゾルを用いることを特徴とする請求項5記載の光触媒体の製造法。
【請求項8】
酸化チタンゾル濃度が2.70?2.90%、アモルファス型過酸化チタンゾル濃度が1.40?1.60%のとき、酸化チタンゾルとアモルファス型過酸化チタンゾルとの合量に対し、酸化チタンゾルを70重量%以上の割合で混合した混合ゾルを用いることを特徴とする請求項5記載の光触媒体の製造法。
【請求項9】
酸化チタンゾルが、アモルファス型過酸化チタンゾルの100℃以上の加熱処理により得られるものであることを特徴とする請求項5?8のいずれか記載の光触媒体の製造法。
【請求項10】
基体表面及び/又は第一層に、ナトリウムイオンを存在させることを特徴とする請求項1?9のいずれか記載の光触媒体の製造法。
【請求項11】
光触媒粒子と共に、自発型紫外線放射材又は蓄光型紫外線放射材の素材からなる粒子、あるいはこれらの放射材を混入した粒子を用いることを特徴とする請求項1?10のいずれか記載の光触媒体の製造法。
【請求項12】
自発型紫外線放射材又は蓄光型紫外線放射材が、使用する光触媒の励起波長の発光波長又は蓄光波長を有することを特徴とする請求項11記載の光触媒体の製造法。」

第3 請求の趣旨及び請求人の主張
請求人は、本件訂正発明2ないし12についての特許を無効とし、審判費用を被請求人の負担とすることを求めた。
請求人の主張する無効理由は以下のとおりである。
1 無効理由3(冒認その1)
本件訂正発明は、真の発明者である一ノ瀬弘道博士(以下、「C」という。)を中心とした研究者によってなされたものであり、発明者と称する松井義光氏及び緒方四郎氏(以下、それぞれを「B」及び「A」という。)によってなされたものではない。
したがって、本件特許は特許法第123条1項6号の規定により、無効とすべきものである。
2 無効理由4(冒認その2)
仮にA及びBが発明に関与していたとしても、本件訂正発明について特許を受ける権利は佐賀県知事に専ら帰属し、当初の出願人である株式会社田中転写(以下、「田中転写」という。)及び株式会社タオ(以下、「タオ」という。)は、特許を受ける権利を承継していない。
したがって、本件特許は特許法第123条1項6号の規定により、無効とすべきものである。
3 無効理由5(共同出願要件違反)
仮にA及びBが発明に関与しており、本件訂正発明が真の発明者であるCを中心とした研究者と同人らの共同発明であったとしても、佐賀県知事は本件訂正発明について特許を受ける権利の共有持分を有する。このような事情にかかわらず本件特許出願は佐賀県知事が共同出願人としてなされたものでない。
したがって、本件特許出願は特許法第38条に違反し、本件特許は同法第123条1項2号の規定により、無効とすべきものである。

なお、請求人は、口頭審理において無効理由1及び無効理由2を取り下げた(第1回口頭審理・証拠調べ調書)。

請求人が提出した証拠は以下のとおりである。
1 書証
(1)甲第1号証
Journal of the Ceramic Society of Japan、104巻、8号、715?718頁(1996)、一ノ瀬弘道外2名「ペルオキソチタン酸溶液からのペルオキソ修飾されたアナターゼゾルの合成」
(2)甲第2号証
Journal of the Ceramic Society of Japan、104巻、10号、914?917頁(1996)、一ノ瀬弘道外2名「ペルオキソチタン酸溶液及びペルオキソ改質アナターゼゾルから作製した光触媒用アナターゼ膜の特性」
(3)甲第3号証
塗装と塗料(塗料出版社)1996年11月号、27?31頁、一ノ瀬弘道「PTA溶液・PAゾルの開発とその特性」
(4)甲第4号証 WEB OF KNOWLEDGE 検索結果
(5)甲第5号証 日本セラミックス協会ホームページ抜粋
(6)甲第6号証 技術指導関連発明の取扱いに関する確認書(鯤コーポレーション)
(7)甲第7号証 技術指導の承諾について(佐窯技第120号)
(8)甲第8号証 技術指導関連発明の取扱いに関する確認書(田中転写)
(9)甲第9号証 技術指導の承諾について(通知)(佐窯技第96号)
(10)甲第10号証 知的財産高等裁判所判決
平成19年(行ケ)第10278号
(11)甲第11号証 大阪地方裁判所判決
平成11年(ワ)第12699号
(12)甲第12号証 東京地方裁判所判決
平成13年(ワ)第7196号
(13)甲第13号証 知的財産高等裁判所判決
平成24年(行ケ)第10280号
(14)甲第14号証 無効2006-80181号審決
(15)甲第15号証 特開平7-286114号公報
(16)甲第16号証 特開平7-171408号公報
(17)甲第17号証 知的財産高等裁判所判決
平成19年(行ケ)第10367号
2 証人
C

第4 答弁の趣旨及び被請求人の主張
被請求人は、審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、請求人が主張する無効理由は何れも理由がない、と主張する。
被請求人が提出した証拠は以下のとおりである。
乙第1号証 :大木道則外3編集「化学辞典」株式会社東京化学同人(1995年5月10日)発行の抜粋
乙第2号証 :特開平9-71418号公報
乙第3号証 :特開平9-187721号公報
乙第4号証 :特開平9-220477号公報
乙第5号証 :特開平9-223582号公報
乙第6号証 :特開平9-234376号公報
乙第7号証 :特開平9-248426号公報
乙第8号証 :特開平9-252992号公報
乙第9号証 :東京地方裁判所判決平成12年(ワ)第16721号
乙第10号証:知的財産高等裁判所判決平成20年(行ケ)10427号
乙第11号証:国際公開第97/36677号
乙第12号証:WIPOウェブサイト
乙第13号証:米国出願08/952983号明細書等
乙第14号証:米国出願08/952983号における1999/9/15付オフイスアクションに対する応答書
乙第15号証:発明者変更申請書(PETITION TO CHANGE INVENTORSHIP)
乙第16号証:米国特許第6107241号明細書[米国出願08/952983号]
乙第17号証:米国特許第6429169号明細書[米国出願08/952983号の継続出願]
乙第18号証:佐賀県窯業技術センター 平成7年度業務報告書
乙第19号証:特開平1-224220号公報
乙第20号証:特開昭63-35419号公報
乙第21号証:特許第2938376号公報

第5 当審の判断
事案に鑑み、まず、無効理由5について検討する。なお、以下において、証拠について、例えば「甲第1号証」を「甲1」のように簡潔に表記する。
5-1 無効理由5について
1 本件文書について
佐賀県窯業技術センター(以下、「センター」という。)の特別研究員であるCが、田中転写に対して技術指導を行ったこと自体は当事者間に争いがない。
そして、「技術指導関連発明の取扱いに関する確認書」(甲8。以下、「本件確認書」という。)及び「技術指導の承諾について(通知)」(甲9。以下、「本件通知書」という。)(以下、両者をまとめて「本件文書」という。)は、佐賀県が技術指導を行う際に必要なものとして定型的に定められたものであることがうかがえること(甲6、甲7)からすると、「技術指導関連発明の取扱いに関する確認書」及び「技術指導の承諾について(通知)」は、企業がセンターの技術指導を受けるための前提として必要となるものであると認められる。そうすると、これらの文書が作成されることなく、田中転写に対して技術指導がなされるものとはおよそ考え難く、上記各文書が作成された上で技術指導がなされていることが推認される。
とすると、センターと田中転写との間で本件確認書に記載された内容と同内容の合意がなされ、これに基づき本件通知書が作成されたことが認められ、本件文書の記載内容を前提として判断することができる。

2 本件確認書に基づき佐賀県知事が本件特許を受ける権利を有し、又は少なくとも本件特許の出願人といえるかどうか
(1)「技術指導関連発明」の意義について
本件確認書において、「本技術指導に関連して得られる発明」(「技術指導関連発明」)につき、その第2条では、被指導企業の職員が「独自に行った技術指導関連発明」について、被指導企業が特許出願を行おうとするときには、当該発明を独自に行ったことについて事前に知事の同意を得るものとすること、第3条では、「技術指導関連発明」を佐賀県の職員と指導を受けた企業の職員とが共同して行った場合には、共同して特許出願を行うことがそれぞれ規定され、第1条において、上記第2条及び第3条の規定に該当する場合を除き、「技術指導関連発明」に係る特許を受ける権利及びこれに基づき所得した特許権が佐賀県知事に帰属することが定められている(甲8)。
以上のとおり、本件確認書において、「技術指導関連発明」の文言は、誰が発明を行ったかどうかを区別することなく用いられているものである。しかも、「本技術指導に関連して得られる発明」との文言を、その文言どおり解すれば、技術指導に関連して得られた発明でさえあればよいと解するのが自然である。他方で、本件確認書の記載上、「技術指導関連発明」に該当するためには、県職員による技術指導の内容が、技術指導から得られた発明の「課題を解決するための着想及びその具体化の過程において、発明の特徴的部分の完成に創作的に寄与するような技術指導」でなければならないこと、すなわち技術指導者が共同で当該発明をしたといえる程度まで寄与しなければならないことを読み取れるような記載はないし、発明に関する技術につき直接指導をしなければならないことを読み取れる記載もない。仮に、「技術指導関連発明」についてそのように解するとすれば、「技術指導関連発明」に該当する発明は、県の職員による単独発明又は県の職員と被指導企業の職員との共同発明しか存在し得ないこととなる。しかし、このような解釈は、本件確認書第2条に被指導企業の職員が独自に行った「技術指導関連発明」について規定されていることと整合しない。
そうすると、本件確認書における「技術指導関連発明」とは、単に技術指導に関連して得られた発明を意味するものにすぎないと解するのが相当である。
そして、本件訂正発明はCによる技術指導に関連したものと認められるので、本件訂正発明は、本件確認書の「技術指導関連発明」に該当し、本件確認書の適用を受けるものであるといえる。

(2)Cが本件訂正発明の発明者であるかどうかについて
ア 上記(1)認定の本件確認書の記載内容などからうかがえるセンターによる技術指導の性格、及び、発明をすることにより特許を受ける権利を原始的に取得するのは当該発明者であり、その者が特許出願をなし得るのが特許法の原則であるところ、本件確認書も当然このことを前提としたものであると解される反面、本件確認書には佐賀県への特許を受ける権利の移転に関する明示的な記載もないことに照らすと、本件確認書第2条は、「技術指導関連発明」につき被指導企業側の者のみが発明者であると認められる場合に、当該発明につき特許を受ける権利が上記の者に帰属し、その者から特許を受ける権利の移転を受ければ、被指導企業が単独で特許出願をなし得ることを前提とした上で、その際に佐賀県知事の同意を得ることを定めたものであると解される。また、本件確認書第3条は、県の職員(技術指導者)と被指導企業側の者とが共同で「技術指導関連発明」をしたと認められる場合に、当該発明について特許を受ける権利が両者の共有となることから、当該発明につき共同出願することをそれぞれ規定したものと解するのが自然である。そして、第2条及び第3条の規定に該当する場合を除き、第1条が適用されることとなる。
そうすると、本件訂正発明が、上記認定のとおり本件確認書の「技術指導関連発明」に該当するとしても、本件訂正発明の発明者が誰であるかによって、適用されるべき本件確認書の条項が異なることとなる。そこで、以下、Cが本件訂正発明の発明者といえるかどうかについて検討する。

イ 本件特許の特許請求の範囲は、前記第2で認定したとおりである。そして、本件明細書の記載に照らすと、本件訂正発明は、おおむね以下の内容のものであると認められる。
(ア) 従来、基体上に光触媒を担持させるには、基体上で光触媒粒子を高温で焼結させ担持させたりする方法が採用されているほか、ある種のフッ素系のポリマーをバインダーとして用い光触媒を基体に担持する方法も提案されていた(【0002】)。最近、光触媒の適用範囲が急速に拡大していることに伴い、光触媒粒子をあらゆる基体上に、その光触媒機能を損なわせることなく、強固に、かつ、長期間にわたって担持させる方法が求められており、特に、光触媒機能に優れた酸化チタンゾルを光触媒として使用する場合、基体へのバインダー機能が弱いことから、その付着性の改良が特に求められているが、上記の従来技術の方法では、接着強度が十分ではなく、長期間にわたって坦持することができるものが少なく、接着強度を高め長期間坦持できるものを作ろうとすると、逆に光触媒機能が低下するという問題があった(【0003】)。そこで、これを解決するために、アモルファス型過酸化チタンゾルをバインダーとして使用することとし、これにより、光触媒粒子をあらゆる基体上に、その光触媒機能を損なわせることなく、強固に、かつ、長期間にわたって担持させることができる(【0004】)。
(イ) 本件訂正発明において用いられるアモルファス型過酸化チタンゾルは、例えば次のようにして製造することができる。すなわち、四塩化チタンTiCl_(4) のようなチタン塩水溶液に、アンモニア水ないし水酸化ナトリウムのような水酸化アルカリを加える。生じる淡青味白色、無定形の水酸化チタンTi(OH)_(4) はオルトチタン酸H_(4)TiO_(4) とも呼ばれ、この水酸化チタンを洗浄・分離後、過酸化水素水で処理すると、本発明のアモルファス形態の過酸化チタン液が得られる。このアモルファス型過酸化チタンゾルは、pH6.0?7.0、粒子径8?20nmであり、その外観は黄色透明の液体であり、常温で長期間保存しても安定である。また、ゾル濃度は通常1.40?1.60%に調整されているが、必要に応じてその濃度を調整することができ、低濃度で使用する場合は、蒸留水等で希釈して使用する(【0006】)。
また、このアモルファス型過酸化チタンゾルは、常温ではアモルファスの状態でいまだアナターゼ型酸化チタンには結晶化しておらず、密着性に優れ、成膜性が高く、均一でフラットな薄膜を作成することができ、かつ、乾燥被膜は水に溶けないという性質を有している。なお、アモルファス型の過酸化チタンのゾルを100℃以上で加熱すると、アナターゼ型酸化チタンゾルになり、アモルファス型過酸化チタンゾルを基体にコーティング後乾燥固定したものは、250℃以上の加熱によりアナターゼ型酸化チタンになる(【0007】)。
本件訂正発明において使用し得る光触媒としては、TiO_(2)、ZnO、SrTiO_(3)、CdS、CdO、CaP、InP、In_(2)O_(3)、CaAs、BaTiO_(3)、K_(2)NbO_(3)、Fe_(2)O_(3)、Ta_(2)O_(5)、WO_(3)、SaO_(2)、Bi_(2)O_(3)、NiO、Cu_(2)O、SiC、SiO_(2)、MoS_(2)、MoS_(3)、InPb、RuO_(2)、CeO_(2)などを挙げることができるが、これらの中でも酸化チタンが好ましく、酸化チタンは粒子状又は粉末状の形態で、あるいはゾル状の形態で使用する(【0008】)。
ゾル状の酸化チタン、すなわち酸化チタンゾルは、上記のように、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上の温度で加熱することにより製造できるが、酸化チタンゾルの性状は加熱温度と加熱時間とにより多少変化し、例えば100℃で6時間処理により生成するアナターゼ型の酸化チタンゾルは、pH7.5?9.5、粒子径8?20nmであり、その外観は黄色懸濁の液体である。この酸化チタンゾルは、常温で長期間保存しても安定であるが、酸や金属水溶液等と混合すると沈殿が生じることがあり、また、Naイオンが存在すると光触媒活性や耐酸性が損なわれる場合がある。また、ゾル濃度は通常2.70?2.90%に調整されているが、必要に応じてその濃度を調整して使用することもできる。光触媒としては上記の酸化チタンゾルを用いるのが望ましいが、市販の「ST-01」(石原産業株式会社製)や「ST-31」(石原産業株式会社製)をも使用し得る(【0009】)。
(ウ) なお、参考例として【0023】にはアモルファス型過酸化チタンゾルの製造方法が、【0024】にはアモルファス型過酸化チタンゾルからの酸化チタンゾルの製造方法が記載されている。また、本件明細書には、本件訂正発明の光触媒体を製造するための組成物の調製の方法としては、光触媒とアモルファス型過酸化チタンゾルとを混合する方法のみが記載され(【0012】、【0013】)、実施例としては、アモルファス型過酸化チタンゾルと酸化チタンゾルを混合させたもののみが記載されている(【0026】)。PTA溶液(アモルファス型過酸化チタンゾル)からPTA溶液とアナターゼ型酸化チタンゾルとの混合物(PAゾルにおいて、アナターゼ型の酸化チタンの結晶が、PTA溶液に分散しているもの)を生成したものを使用することに関する記載はない。
(エ) 以上によれば、本件明細書には、アモルファス型過酸化チタンゾルの製造方法やアモルファス型過酸化チタンゾルからの酸化チタンゾルの製造方法の記載もあるものの、本件訂正発明の特徴的部分は、光触媒を基体に接着させるためのバインダーとしてアモルファス型過酸化チタンゾルを用い、これにより、光触媒粒子をあらゆる基体上に、その光触媒機能を損なわせることなく、強固に、かつ、長期間にわたって担持させることができる点にあるものと認められる。
そして、本件訂正発明5は、バインダーとしてのアモルファス型過酸化チタンゾルと混合する光触媒につき、酸化チタンゾルを用いて調製するものである。また、本件訂正発明6ないし8は、本件訂正発明5において、アモルファス型過酸化チタンゾルと酸化チタンゾルの混合割合を特定したものである。本件訂正発明9は、本件訂正発明5ないし本件訂正発明8における酸化チタンゾルについて、アモルファス型過酸化チタンゾルの100℃以上の加熱処理により得られるものであることを特定したものである。
もっとも、本件明細書には、本件訂正発明5ないし8における酸化チタンゾルを本件訂正発明9における酸化チタンゾルとした場合に、顕著な作用効果をもたらすことを示す記載はない。

ウ 他方、以下のとおり、Cを発明者とする発明に係る特許公報やCらの論文等には、アモルファス型過酸化チタンゾルをバインダーとして用いることに関する記載も示唆もない。
(ア)特開平9-71418号公報(乙2)及び特許第2938376号公報(乙21)
特許第2938376号公報(乙21)は、発明の名称を「チタニア膜形成用液体およびチタニア膜およびその製造方法」とするCが発明者である発明に関するものであり(平成7年8月31日出願)、特開平9-71418号公報(乙2)は、発明の名称を「チタニア膜形成法」とするものであって、上記特許の出願の公開公報である。
上記公開公報には、チタンを含む水溶液と塩基性物質から作製した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させ合成することを特徴とするチタニア膜形成用液体(請求項1)、請求項1の液体を80℃以上の加熱処理あるいはオートクレーブ処理することにより酸化チタン微粒子を生成させたチタニア膜形成用液体(請求項2)、及び、請求項1あるいは請求項2の液体を、基体に塗布あるいは含浸させ、乾燥あるいは加熱処理して作成することを特徴としたチタニア膜(請求項3)の各発明が記載されている。これらのチタニア膜等の形成方法は、いずれも、本件明細書の【0006】及び【0007】に記載された、アモルファス型過酸化チタンゾル、及び、アナターゼ型酸化チタンゾル又はアナターゼ型酸化チタンの製造方法とほぼ同一のものである。そして上記公開公報【0008】、【0012】及び【0021】には、上記の発明により、密着性のよいチタニア膜を形成できることの記載もある。
また、上記特許公報には、 チタニア膜形成用液体の製造方法において、チタンを含む水溶液と塩基性物質から作製した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させた後に、80℃以上において加熱処理あるいはオートクレーブ中において加熱処理したことによってアナターゼからなる酸化チタン微粒子を生成させたことを特徴とするチタニア膜形成用液体の製造方法(請求項2)、及び、チタニア膜形成方法において、チタンを含む水溶液と塩基性物質から作製した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させた後に、80℃以上において加熱処理あるいはオートクレーブ中において加熱処理したことによって得られたアナターゼからなる酸化チタン微粒子を分散した液体を、基体に塗布あるいは含浸させた後に、乾燥あるいは加熱処理して作製することを特徴とするチタニア膜形成方法(請求項4)の各発明が記載されているところ、これらのチタニア膜の形成方法は、いずれも、本件明細書の【0006】及び【0007】に記載された、アモルファス型過酸化チタンゾル、及び、アナターゼ型酸化チタンゾル又はアナターゼ型酸化チタンの製造方法とほぼ同一のものである。また、上記特許公報【0008】及び【0021】には、上記特許公報記載の発明により、密着性のよいチタニア膜を作成できることの記載もある。
しかし、上記各公報には、アモルファス型過酸化チタンゾル(PTA溶液)をバインダーとして用いることについての記載や示唆はない。
(イ) Cほか2名による「ペルオキソチタン酸溶液からのペルオキソ修飾されたアナターゼゾルの合成」と題する論文(Journal of the Ceramic Society of Japan、104巻、8号、715頁?718頁(1996))(甲1)
上記論文(平成8年2月13日受領)には、ペルオキソチタン酸溶液(PTA溶液)から、ペルオキソ修飾されたアナターゼゾル(PAゾル)を合成する方法が記載されており、これは本件明細書に参考例2として記載されたものと同一である。しかし、上記論文には、アモルファス型過酸化チタンゾル(PTA溶液)をバインダーとして用いることに関する記載も示唆もない。
(ウ) Cほか2名による「ペルオキソチタン酸溶液及びペルオキソ改質アナターゼゾルから作製した光触媒用アナターゼ膜の特性」と題する論文(Journal of the Ceramic Society of Japan、104巻、10号、914頁?917頁(1996))(甲2)
上記論文(平成8年5月13日受領)には、基材にPTA溶液又はPAゾルを塗布し加熱処理等をしたものにつき、50℃及び300℃超で加熱されたフィルム(PTAフィルム、PAフィルム)については、接着が断裂し、フィルムは剥離しなかったので、実際の接着強度は、図5にプロットされた値よりも大きい反面、150℃で加熱されたフィルムは、15?50MPaで剥離しており、低温におけるこれらのフィルムの強い接着性は、基材とフィルムの間の界面反応に起因するものであること、これらの結果は、全てのフィルムが実際の用途向けにも十分高い接着力を有することを示すこと、PAフィルムは、PTAフィルムよりより高い光活性を示すことが発見されたことがそれぞれ記載されている。
しかし、上記論文には、PTA溶液ないしはPAゾルから形成されたフィルムが高い接着力を有することは記載されていても、アモルファス型過酸化チタンゾル(PTA溶液)をバインダーとして用いることについての記載や示唆はない。
(エ) Cによる「中性酸化チタンコーティング剤 PTA溶液・PAゾルの開発とその特性」と題する論文(塗装と塗料(塗料出版社)1996年11月号、27頁?31頁)(甲3)
上記論文にはペルオキソチタン酸溶液(PTA溶液)及びペルオキソ改質アナターゼゾル(PAゾル)の特性やこれらから生成される酸化チタン膜の密着性についての記載がある。しかし、アモルファス型過酸化チタンゾル(PTA溶液)をバインダーとして用いることについての記載や示唆はない。

エ また、本件文書によれば、技術指導の内容は「コーティング技術及びその原料製造」とされている。
そして、平成25年(行ケ)第10228号判決において、
「Cは、Bにはアモルファス型過酸化チタンゾルについての知見がなかったとか、ペルオキソチタン(PTA)溶液(アモルファス型過酸化チタンゾル)の製造方法、ペルオキソチタン酸からアナターゼ化したPAゾル(アナターゼ型酸化チタンゾル)の製造方法、PTA溶液及びPAゾルのコーティング方法、常温から高い温度の様々な温度で、PTA溶液及びPAゾルのコーティングを乾燥させること及びPAゾルにおいて、アナターゼ型の酸化チタンの結晶が、PTA溶液に分散しているものについて技術指導をした旨証言する。」
「Cの証言によっても、Cが技術指導をした内容は、あくまでPTA溶液(アモルファス型過酸化チタンゾル)やPAゾル(アナターゼ型酸化チタンゾル)を製造し、これらを利用して光触媒(酸化チタン膜)を製造する方法やそのコーティング方法、及び、せいぜいPAゾルにおいて、アナターゼ型の酸化チタンの結晶が、PTA溶液に分散しているものが存在することなどにとどまり(このような内容は本件文書に記載された技術指導の内容とも沿うものである。)、基体に対する高い接着力を実現するという課題の解決のために、アモルファス型過酸化チタンゾル(PTA溶液)を光触媒と混合して用いること、すなわちバインダーとして用いることまでは及んでいないものと解される。」
「C自身も、平成7年10月6日に佐賀県窯業技術センターで開催され、佐賀県内の窯業関連メーカー、窯元、陶土業、商社、ファインセラミック関係のメーカー、大学職員や学生、他県の研究者、新聞社、佐賀県職員及び通産局の職員ら90名が参加した窯業技術センター研究発表会において、「機能性チタニアコーティング」について口頭発表をしているところ、その際アモルファス型過酸化チタンゾルの製造方法について発表した旨証言している。」と判示された。
なお、特開平1-224220号公報(乙19)には、チタン塩水溶液(塩化チタン、硫酸チタニル等)に、アルカリを加えて中和し、含水酸化チタンゲル又はゾルを調製し、これに過酸化水素を加えて、含水酸化チタンを溶解して均一な水溶液(チタン酸水溶液)を調製すること、これはpH3?12で、非常に安定し、黄褐色透明であることが記載されている(3頁左上欄5行目ないし左下欄9行目)。上記記載及び証拠(乙2)に照らすと、上記公報にはアモルファス型過酸化チタンゾルを調製する方法が記載されているものと認められる。そうすると、アモルファス型過酸化チタンゾル及びその製造方法自体は本件特許の出願前から公知であったものと認められる。したがって、Cの証言に関する上記判示事項を考慮すれば、Cは、アモルファス型過酸化チタンゾルの存在やその製造方法に関しては、公知の物及び方法について指導したにすぎないものと認められる。

前記ウの認定とエの判示事項に照らすと、平成25年(行ケ)第10228号判決の認定するCの証言にあるように、技術指導以前にはBにアモルファス型過酸化チタンゾルについての知見がなかったことを前提としても、Cが、アモルファス型過酸化チタンゾル(PTA溶液)を、光触媒を基体に接着させるためのバインダーとして用い、これにより光触媒粒子をあらゆる基体上に、その光触媒機能を損なわせることなく、強固に、かつ、長期間にわたって担持させるとの前記イ認定の本件訂正発明のアイデアを提供したり、課題について示唆したとか、着想に関与したとはいえない。しかも、Cにおいて、アモルファス型過酸化チタンゾル(PTA溶液)のバインダーとしての効能を確認する実験に立ち会うなど、着想を具体化する過程に関与した事実もうかがえない。

オ 上記アないしウの認定及びエの判示事項に基づいて、Cは、本件訂正発明の特徴的部分の完成に創作的に関与したものではなく、本件訂正発明の共同発明者ではないものと認めるのが相当である。

(3)本件確認書第2条の解釈について
上記(2)認定のとおり、Cは本件訂正発明の発明者とは認められないので、本件訂正発明の発明者はA及びBであり、Bは被指導企業の者であるから、本件訂正発明に係る特許を受ける権利のうちBの持分については、本件確認書第2条の適用があることとなる。そして、本件特許の出願に当たり、事前に佐賀県知事の同意は得られていない。
この点、請求人は、佐賀県知事から本件特許の出願につき事前に同意を得ていない以上、本件確認書第2条の規定に該当しない場合であるので、同第1条が適用されるべきである旨主張する。
しかし、仮に本件確認書の解釈が請求人の主張するようなものであったとすれば、佐賀県は、本件訂正発明について特許を受ける権利を共有し、又は本件特許権の共有者たり得るのであるから、権利保全等のために被請求人らに対して本件特許権ないしは特許を受ける権利の移転を求めたり、本件特許の成立後であれば無効審判を申し立てる等の行動をとるものと考えられる。
しかし、平成25年(行ケ)第10228号判決において認定するCの証言によれば、「佐賀県が本件特許の出願に関して連絡がなかったことにクレームを付けたり、佐賀県の担当者が田中転写に対し本件特許の出願について事情聴取をしたことが認められるものの、佐賀県が、それ以上に上記のような権利保全等のための行動を取ったことを認めるに足りる証拠はない。」。しかも、タオ及び田中転写が本件特許の出願を基礎とする本件PCT出願(乙11、国際出願日は平成9年3月12日)をした際には、A及びBが発明者とされ、Cは発明者とはされていなかったところ、同年8月8日、アモルファス型酸化チタンゾル(請求項20)及びアモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱して得られるアナターゼ型酸化チタンゾル(請求項21)に係る発明を追加する際、発明者及び出願人としてCが追加されたが(乙11ないし12)、その後、上記各請求項を削除する際に、Cないし佐賀県は自らが発明者から削除されることについて何ら異議を述べた形跡がない(乙13ないし17)。これも、佐賀県が本件特許について権利を有していることを前提としていたとすれば、そのような前提とは矛盾する行動である。
以上の佐賀県の行動状況に照らすと、本件確認書第1条の規定における第2条に該当する場合とは、佐賀県知事の同意を得なかった場合を意味するものではなく、むしろ被指導企業の者が独自に行った技術指導関連発明に関する場合を意味するものと解釈するのが合理的である。このように解すると、発明について特許を受ける権利がその発明者に帰属するという特許法の原則とも整合的である。
そうすると、原告らが本件特許を出願するに当たり、佐賀県知事の同意を得なかったからといって、それにより直ちに本件訂正発明について特許を受ける権利ないしは本件特許権が佐賀県知事に帰属することとなるということはできない(本件確認書第2条に定める佐賀県知事の同意を得るとの手続に違反したかどうかの問題が残るだけである。)。そして、他に本件訂正発明について特許を受ける権利ないしは本件特許権が佐賀県知事に帰属することを認めるに足りる証拠はない。
以上によれば、佐賀県が本件訂正発明について特許を受ける権利を有し、少なくとも本件特許の出願人であるとすることはできない。

(4)まとめ
以上のとおりであるので、佐賀県知事は本件訂正発明について特許を受ける権利の共有持分を有する、とする無効理由5の主張は理由がない。

5-2 無効理由3について
上記「5-1 無効理由5について」2(2)で示したとおり、本件訂正発明の発明者はCではなく、AとBである。
したがって、本件訂正発明の発明者はCであってAとBではない、とする無効理由3の主張は理由がない

5-3 無効理由4について
上記「5-1 無効理由5について」2(3)で示したとおり、本件訂正発明の特許を受ける権利は、佐賀県知事には帰属しない。
したがって、技術指導関連発明に係る特許を受ける権利及びこれに基づき取得した特許権は佐賀県知事に専ら帰属することを前提とする無効理由4の主張は、前提において誤りがあり理由がない。

第6 むすび
以上のとおり、請求人の主張する理由及び証拠方法によっては、本件訂正発明に係る特許を無効とすることはできない
審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により請求人が負担すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-09-24 
結審通知日 2014-09-26 
審決日 2014-10-07 
出願番号 特願平8-75543
審決分類 P 1 113・ 152- Y (B01J)
P 1 113・ 151- Y (B01J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 牟田 博一  
特許庁審判長 河原 英雄
特許庁審判官 真々田 忠博
川端 修
登録日 2005-06-24 
登録番号 特許第3690864号(P3690864)
発明の名称 光触媒体の製造法  
代理人 高津 一也  
代理人 廣田 逸平  
代理人 園元 修一  
代理人 東海 裕作  
代理人 高津 一也  
代理人 笠原 基広  
代理人 東海 裕作  
代理人 小澤 誠次  
代理人 竹中 大樹  
代理人 中村 京子  
代理人 園元 修一  
代理人 沢田 雅男  
代理人 廣田 逸平  
代理人 小澤 誠次  
代理人 木村 満  
代理人 廣田 雅紀  
代理人 毛受 隆典  
代理人 廣田 雅紀  

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