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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A47J
管理番号 1307592
審判番号 訂正2015-390088  
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-01-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-07-28 
確定日 2015-09-04 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5604522号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5604522号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許第56045422号の請求項1ないし15に係る発明についての出願(特願2012-531456号)は,平成22年10月5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年10月5日,欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって,特許請求の範囲の請求項1ないし15に係る発明は,平成26年8月29日にその特許権の設定登録がされ,その後,平成27年7月29日付けで本件訂正審判が請求されたものである。



第2 請求の趣旨

本件訂正審判の請求は,特許第5604522号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める,との審決を求めるものである。

(1)請求項1?15からなる請求項に係る訂正
(ア)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「未加熱の液体を加圧し前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)に循環させ、前記循環する未加熱の加圧液体により前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)を作動且つ移動させ、
前記循環する未加熱の加圧液体を」
とあるのを、
「未加熱の液体を加圧し前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)に流通させ、前期流通する未加熱の加圧液体により前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)を作動且つ移動させ、
前記流通する未加熱の加圧液体を」
に訂正する。
なお、請求項1の記載を引用する請求項2?15も同様に訂正する。

(イ)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に
「前記ピストンチャンバを通して前記加圧液体を循環させる」
とあるのを、
「前記ピストンチャンバを通して前記加圧液体を流通させる」
に訂正する。
なお、請求項2の記載を引用する請求項3?15も同様に訂正する。

(ウ)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「前記ピストンチャンバ(25)から前記カートリッジシート(10)に圧力下で循環し」
とあるのを、
「前記ピストンチャンバ(25)から前記カートリッジシート(10)に圧力下で流通し」
に訂正する。
なお、請求項3の記載を引用する請求項4?15も同様に訂正する。

(エ)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に
「前記未加熱の加圧液体を前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)からバルブ(80)を介して前記カートリッジシート(10)内に循環させるように配置され、前記バルブは、前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)を作動且つ移動させる、前記未加熱の循環液体における制御圧力を高めるように構成される」
とあるのを、
「前記未加熱の加圧液体を前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)からバルブ(80)を介して前記カートリッジシート(10)内に流通させるように配置され、前記バルブは、前記少なくとも1つのカートリッジサポート(2)を作動且つ移動させる前記未加熱の流通液体における制御圧力を高めるように構成される」
に訂正する。
なお、請求項4の記載を引用する請求項5?15も同様に訂正する。

(オ)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に
「前記液体を加圧し且つ循環させるためのポンプ(60)を備える」
とあるのを、
「前記液体を加圧し且つ流通させるためのポンプ(60)を備える」
に訂正する。
なお、請求項5の記載を引用する請求項6?1 5も同様に訂正する。

(カ)訂正事項6
願書に添付した明細書の段落【0019】?【0028】、【0030】、【0035】、【0046】、【0057】及び【0064】に「循環」とあるを、「流通」に訂正する。



第3 本件訂正の適否についての判断

1.一群の請求項について

上記訂正事項1に係る訂正後の請求項1?15は,当該訂正事項1を含む請求項1の記載を請求項2,4?6,12?15がそれぞれ引用し,請求項2の記載を請求項3が引用し,請求項6の記載を請求項7,10,11がそれぞれ引用し,請求項7の記載を請求項8,9がそれぞれ引用しているものである。
上記訂正事項2に係る訂正後の請求項2?15は,当該訂正事項2を含む請求項2の記載を請求項3?6,12?15がそれぞれ引用し,請求項6の記載を請求項7,10,11がそれぞれ引用し,請求項7の記載を請求項8,9がそれぞれ引用しているものである。
上記訂正事項3に係る訂正後の請求項3?15は,当該訂正事項3を含む請求項3の記載を請求項4?6,12?15がそれぞれ引用し,請求項6の記載を請求項7,10,11がそれぞれ引用し,請求項7の記載を請求項8,9がそれぞれ引用しているものである。
上記訂正事項4に係る訂正後の請求項4?15は,当該訂正事項4を含む請求項4の記載を請求項5,6,12?15がそれぞれ引用し,請求項6の記載を請求項7,10,11がそれぞれ引用し,請求項7の記載を請求項8,9がそれぞれ引用しているものである。
上記訂正事項5に係る訂正後の請求項5?15は,当該訂正事項5を含む請求項5の記載を請求項6,12?15がそれぞれ引用し,請求項6の記載を請求項7,10,11がそれぞれ引用し,請求項7の記載を請求項8,9がそれぞれ引用しているものである。
したがって,上記訂正事項1?5に係る訂正後の請求項1?15は,共通する請求項を介して一体となり,特許法施行規則第46条の2第4号に規定する一群の請求項を構成することから,特許法第126条第3項の規定に適合するものである。



上記の訂正事項1ないし6について検討する。



2.基準明細書について

本件特許出願(特願2012-531456号)は,特許法第184条の4第1項の「外国語特許出願」である国際出願PCT/EP2010/064772(以下,「本件国際出願」という。)が,同法第184条の3第1項の規定により特許出願とみなされたものである。

したがって,本件訂正審判に係る訂正事項のうち,特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とするものについて,同条第5項を適用する際の「外国語書面出願」及び「外国語書面」は、同法第184条の19の規定により,それぞれ「第184条の4第1項の外国語特許出願」及び「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」となるので,同法第126条第5項で規定する「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は,「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」となる。

すなわち,本件訂正審判に係る訂正事項のうち,特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とするものについて,同条第5項を適用する際の「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は,国際出願日における本件国際出願の明細書、請求の範囲又は図面となる(以下,「国際出願日における本件国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」を「基準明細書」という。)。



3.訂正の目的の適否について

(1)訂正事項1
訂正事項1は,請求項1の「未加熱の液体を加圧し前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)に循環させ、前記循環する未加熱の加圧液体により前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)を作動且つ移動させ、前記循環する未加熱の加圧液体を」を、「未加熱の液体を加圧し前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)に流通させ、前記流通する未加熱の加圧液体により前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)を作動且つ移動させ、前記流通する未加熱の加圧液体を」へと訂正するもの,すなわち,訂正前の「循環させ」及び「循環する」を,それぞれ「流通させ」及び「流通する」に訂正するものである。
訂正前の「循環させ」及び「循環する」は,基準明細書の請求項1の「circulate」,「circulating」に対応するものであるが,【小稲義男編集代表、研究社 新英和大辞典 第5版第34刷,1998年】を参照すると,「circulate 1.<血液・樹液などが>巡る,循環する.・・・3a・・・b <空気などが>よどみなく流れる[動く]」,「circulation 1.(血液・樹液の)循環,血行,巡り・・・2a (空気・水などの)流通.」とある。
一方,広辞苑第六版((株)岩波書店)には,「循環 ひとまわりして、また元の場所あるいは状態にかえり、それを繰りかえすこと。」,「流通 流れてとどこおらないこと。」とある。
そして,上記した請求項1の該当箇所の構成を説明する明細書【0054】段落に「ポンプ60が液体を、貯蔵器50からパイプ61及びチャンバ入口28を介してピストンチャンバ25まで圧力下で送り込み、そのまま圧力下でチャンバ出口29を介し、チューブ71を介してインラインヒータ70に送り、ヒータ70からチェックバルブ80、チューブ81を介して、カートリッジシート10の加熱された液体の入口を形成するピストンチューブ21に送り込む。」と記載されており,貯蔵器の液体は貯蔵器に戻ることなく,すなわち循環することなく,流れるものであるから,「circulate 」,「circulating」は,「流通」,「流通する」とする訳がより妥当する。
よって,請求人が請求するとおり,「circulate 」,「circulating」の訳を「循環させ」及び「循環する」から「流通させ」及び「流通する」に訂正することは,誤訳の訂正を目的とするものであると認められる。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書き第2号の「誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。

(2)訂正事項2
請求項2の「前記ピストンチャンバを通して前記加圧液体を循環させる」を、「前記ピストンチャンバを通して前記加圧液体を流通させる」へと訂正するものである。
基準明細書の請求項2の「circulating」について,上記訂正事項1で記載したように複数の訳があるが,上記したように明細書【0054】段落を参照すると,「circulating」は「流通する」と訳することが妥当である。
よって,請求人が請求するとおり,「circulating」の訳を「循環する」から「流通する」に訂正することは,誤訳の訂正を目的とするものであると認められる。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書き第2号の「誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。

(3)訂正事項3
請求項3の「前記ピストンチャンバ(25)から前記カートリッジシート(10)に圧力下で循環し」を、「前記ピストンチャンバ(25)から前記カートリッジシート(10)に圧力下で流通し」へと訂正するものである。
基準明細書の請求項3の「circulated」について,上記訂正事項1で記載したように複数の訳があるが,上記したように明細書【0054】段落を参照すると,「circulated」は「流通」と訳することが妥当である。
よって,請求人が請求するとおり,「circulated」の訳を「循環」から「流通」に訂正することは,誤訳の訂正を目的とするものであると認められる。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書き第2号の「誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。

(4)訂正事項4
請求項4の「前記未加熱の加圧液体を前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)からバルブ(80)を介して前記カートリッジシート(10)内に循環させるように配置され、前記バルブは、前記少なくとも1つのカートリジサポート(20)を作動且つ移動させる、前記未加熱の循環液体における制御圧力を高めるように構成される」を、「前記未加熱の加圧液体を前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)からバルブ(80)を介して前記カートリッジシート(10)内に流通させるように配置され、前記バルブは、前記少なくとも1つのカートリジサポート(20) を作動且つ移動させる、前期未加熱の流通液体における制御圧力を高めるように構成される」へと訂正するものである。
基準明細書の請求項4の「circulate」及び「circulating liquid」の「circulating」について,上記訂正事項1で記載したように複数の訳があるが,上記したように明細書【0054】段落を参照すると,「circulate」及び「circulating」は「流通」と訳することが妥当である。
よって,請求人が請求するとおり,「circulate」及び「circulating」の訳を「循環」から「流通」に訂正することは,誤訳の訂正を目的とするものであると認められる。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書き第2号の「誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。

(5)訂正事項5
請求項5の「前記液体を加圧し且つ循環させるためのポンプ(60)を備える」を、「前記液体を加圧し且つ流通させるためのポンプ(60)を備える」へと訂正するものである。
基準明細書の請求項5の「circulating」について,上記訂正事項1で記載したように複数の訳があるが,上記したように明細書【0054】段落を参照すると,「circulating」は「流通」と訳することが妥当である。
よって,請求人が請求するとおり,「circulating」の訳を「循環」から「流通」に訂正することは,誤訳の訂正を目的とするものであると認められる。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書き第2号の「誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。

(6)訂正事項6
願書に添付した明細書の段落【0019】ないし【0028】、【0030】、【0035】、【0046】、【0057】及び【0064】にそれぞれ記載された「循環」を、それぞれ正しい訳の「流通」へと誤訳訂正するものである。
基準明細書に記載された「circulate」,「circulated」,「circulating」及び「circulate」の派生語である「circulation」について,上記訂正事項1で記載したように複数の訳があるが,上記したように明細書【0054】段落を参照すると,「circulate」,「circulated」,「circulating」及び「circulate」の派生語である「circulation」は「流通」と訳することが妥当である。
よって,請求人が請求するとおり,「circulate」,「circulated」,「circulating」及び「circulate」の派生語である「circulation」の訳を「循環」から「流通」に訂正することは,誤訳の訂正を目的とするものであると認められる。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書き第2号の「誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。



4.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否か,及び実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであるか否かについて

訂正事項1ないし6は,いずれも「circulate」,「circulated」,「circulating」及び「circulation」の訳を「循環」から「流通」に正しく訂正するものであり,文字の置き換えであり,願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであると共に,実質上特許請求の範囲を拡張するものでなく,また変更するものでもない。

したがって,訂正事項1ないし6は,特許法第126条第5項及び同条第6項に規定する要件に適合するものである。



5.訂正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて

上記のとおり,訂正事項1ないし6の訂正は,誤訳の訂正を目的とするものであるから,本件訂正後の請求項1ないし15に記載されている事項により特定される発明(以下、「本件訂正発明1ないし15」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないが、本件訂正発明1ないし15が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。

したがって、訂正事項1ないし6は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。



第3 むすび

したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第3項、及び第5項ないし第7項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
カートリッジ式抽出装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジの挿入、抽出、及び排出において、水圧により閉じ且つ離れるように移動可能な2つの対向するカートリッジサポートで形成されるカートリッジシート(カートリッジ取付座部)を有するカートリッジ式抽出装置に関する。この抽出装置は、特に飲料調製機において使用することができる。
【0002】
本明細書の記載上の目的で、「飲料」には、お茶、コーヒー、ホットチョコレート又はアイスチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの任意の液体の食品が含まれるものとする。カートリッジとは、予め小分けされた材料を収容する任意の容器を指し、剛性なカプセル、又は、柔らかい若しくは柔軟性のあるポッドなどで、再利用可能又は再利用不可能な、生分解可能又は生分解不可能な、アルミニウム又はプラスチックなどの任意の材料から作成されたもの、特にアルミニウムポッド又はアルミニウムカプセルなどを指す。
【背景技術】
【0003】
材料カートリッジの取扱について直面する問題の1つに、抽出装置内でのカートリッジの位置決め、及び抽出処理を実行するためのカートリッジ周辺の抽出装置の閉鎖の問題がある。カートリッジは、通常、カートリッジサポート上、又は筺体内にユーザにより位置決めされる必要があり、装置は手動で又は自動的にカートリッジの周辺で閉鎖される。
【0004】
カートリッジを正確に位置決めして装置をカートリッジ周辺で適切に閉鎖させること、及び、良好に封止して良好な抽出条件を形成することは重要である。位置決めが悪いと、カートリッジを損ない、抽出の条件に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
カートリッジ周辺で装置を封止して、加圧液体を不要な液漏れなくカートリッジを通過させることにより適切な抽出を可能にするためには、カートリッジ周辺での装置の閉鎖を、高レベルの精度で実行させなければならない。そのような装置の機械的閉鎖装置の閉鎖の距離は、通常、装置の製造工程において手動で調整され必要レベルの精度が達成される。
【0006】
装置にカプセルを正確に位置決めする際に困難や間違いがないよう、カプセルの装着も簡単でなければならない。また、装着はできる限り素早くでき、且つ過剰な操作を要さないものでなければならない。
【0007】
国際公開第2005/004683号は、カプセル式浸出装置に関し、該装置は、第1の部分、第1の部分に対して移動可能な第2の部分、カプセル用のハウジングであって、固定部分に対する可動部分の閉鎖位置において該ハウジングの軸に沿ってカプセルの抽出位置を画定するハウジング、カプセルを案内して、カプセルが重力により挿入され且つ該カプセルが中間位置に位置決めされるように配置させる手段を備える挿入/位置決め部、飲料注ぎ込みシステムを備え、第2の可動部分は、装置が閉鎖する時に、カプセルを中間位置から抽出位置まで移動させるよう配置及び構成される。
【0008】
欧州特許第1 721 553号明細書は、カプセルを使用するコーヒーメーカ用の浸出ユニットを開示している。ユニットは、飲料出口を有する前側部、及び温水入口を有する後側部を含む。前側部及び後側部は一対の対向する肩案内部材の間に装着される。前側部は、これらの案内部材の間で移動可能であり、抽出されるカプセルを収容するための浸出チャンバを後側部と共に形成するように、後側部に対して押圧され、それにより、コーヒーメーカ内で案内部材の間の前側部材の前に空き容積が残される。
【0009】
欧州特許第1 659 547号明細書は、浸出液、特にエスプレッソコーヒーの生成のための飲料機器に関する。機器は、伸縮ばね及びアセンブリの外側ハウジングを通って伸びる飲料出口導管を有する可動前側部を含む浸出ユニット内に、浸出液チャンバを備える。可動前側部は後側部と協働し、後側部は、ハウジング内で移動可能であり、且つ、可動前側部に対して押されて伸縮ばねを圧縮しそれにより出口導管をアセンブリの外側ハウジングを通ってスライドさせることができる。ポッドは、外部ハウジングを通り、剛性なポッド供給チャネルを介して浸出液チャンバへ送られ、次に、ポッドは、後側部を移動させるためのカム状の経路が設けられた浸出ユニットの可動後側部の上にある外部ブッシングにより、浸出液チャンバ内に移送される。この配置はいくつかの問題点を伴う。ポッドは、浸出チャンバが閉鎖している間に移動させなければならず、これがブロッキングの原因となり得、ポッドの保持手段をより複雑にすることにもなる。さらに、浸出チャンバの開閉は、ハウジング内での可動後側部の直線移動、ハウジング内での可動前側部の直線移動、及びハウジングを通る出口導管の直線移動を同時に伴い、そのため、互いに対して直線的に移動する種々の部分の過剰な案内、詰まり、又は不適切な位置合わせの危険が高まる。流体システムは、流体システムの組み付けをより複雑にする移動アセンブリを備える。抽出後、ポッドを除去するために浸出ユニットが再開放されると、浸出液チャンバ内に収容される加圧水がハウジングの外側に噴出する場合がある。さらに、出口導管がその引込み位置にあるときに、飲料機器内には前側部材とケーシングとの間に空き容積が残される。
【0010】
米国特許第3,260,190号明細書及び国際公開第2005/072574号は、コーヒー缶を内部に位置決めするための着脱可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、コーヒーメーカ内へと水平にスライドさせることができるとともに、水注入装置に向けて引上げることができる。国際公開第2006/023309号は、コーヒーカートリッジを機器内へ導入するためのスライド可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であるとともに、引出し器が閉鎖位置にあるときに浸出チャンバを形成するべく互いの方へ枢動し、引出し器が機器からスライドして出るときに離間して枢動する2つのカートリッジハーフシェルを有する。米国特許第6,966,251号明細書は、カプセルを内部に位置決めするための水平にスライド可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、機器内へスライドされると、カプセルの浸出チャンバを形成するために、固定されたカプセルケージへ向けて上方へ移動することができる。欧州特許第1 566 126号明細書は、コーヒーポッドを収容するための垂直浸出ユニットを有するコーヒーメーカを開示している。浸出ユニットは、固定上側部分、及び、浸出ユニットを閉じるために引上げることができ、且つポッドを挿入又は除去するために下降させることができる、ポッドを保持するための可動下側部分を有する。
【0011】
さらなる浸出ユニットは、欧州特許第0 730 425号明細書、欧州特許第0 862 882号明細書、欧州特許第1 219 217号明細書、欧州特許第1 480 540号明細書、欧州特許第1 635 680号明細書、欧州特許第1 669 011号明細書、欧州特許第1 774 878号明細書、欧州特許第1 776 026号明細書、欧州特許第1 893 064号明細書、仏国特許第2 424 010号明細書、米国特許第3,260,190号明細書、米国特許第4,760,774号明細書、米国特許第5,531,152号明細書、米国特許第7,131,369号明細書、米国特許第2005/0106288号明細書、米国特許第2006/0102008号明細書、国際公開第2005/002405号、国際公開第2005/016093号、国際公開第2006/005756号、国際公開第2006/066626号、及び国際公開第2007/135136号に開示されている。
【0012】
材料カートリッジの周辺における抽出装置の精確な機械的閉鎖に関する問題を回避するには、水圧式閉鎖システムが既知であり、これにおいてはカートリッジ内の材料を抽出するために使用される加熱水が水圧式閉鎖機構の作動にも使用される。この場合、水圧式閉鎖の力で、抽出装置のカートリッジサポートをカートリッジ周辺で圧接するため、閉鎖距離は特別に調整する必要がない。そのようなシステムの例は、例えば、国際公開第2008/037642号に開示されている。種々のシステムが、この発想に従って開発され、例えば、欧州特許第1 219 217号明細書、欧州特許第1 480 540号、欧州特許第1 776 026号明細書、欧州特許第1 912 542号明細書、国際公開第2005/115206号、及び国際公開第2006/005736号において検討されている。
【0013】
加熱水を使用して閉鎖機構を作動させることにおける問題は、水圧式機構において加熱水からのスケール析出の恐れがあることである。
【0014】
欧州特許第1 545 278号明細書では、1本の水源に接続され、共通のマルチウェイバルブにより共に制御される2つの平行な送水ラインの実装が提案されている。1つの水循環回路がヒータを介して抽出装置まで通り、他方の送水ラインは、加熱されずに、抽出装置の水圧式閉鎖のために使用される。第1のステップにて、マルチウェイバルブにより、加圧水が抽出装置の水圧式閉鎖システムに供給される。抽出装置が閉鎖すると、水圧式閉鎖システム内で静的な加圧水の存在により高められた圧力により、第2の送水ライン内の水を、チェックバルブを通してヒータを介し抽出装置まで循環させる。抽出が終了すると、抽出中には水圧式の水回路内に静的にあった加圧水を排出する注ぎ込み回路に水圧式閉鎖システムを接続させる位置まで、共通のマルチウェイバルブを移動させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この解決方法における1つの問題は、水圧式閉鎖及び温水注入のための平行な水回路、並びにそれと連携するマルチウェイ制御バルブが複雑であることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様は、材料カートリッジを受け入れ、且つカートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置に関する。装置は、カートリッジシート、及び加熱された液体をカートリッジシート内に注入するための液体注入装置を備える。カートリッジシートは、第1のカートリッジサポート、及び第1のサポートに対向する第2のカートリッジサポートを備える。第1及び第2のカートリッジサポートは、カートリッジをシートに挿入又はシートから除去するための開放位置から、そのようなカートリッジの中に加熱された液体を通過させるための閉鎖位置へ、互いに対して移動可能に配置される。カートリッジサポートのうちの少なくとも1つのサポートは、液体注入装置によって、水圧により作動可能且つ閉鎖位置まで移動可能である。
【0017】
典型的には、本装置は、カプセル及び/又はポッドなどの材料カートリッジを受け入れる飲料調製機に備えられる。例えば、機器は、コーヒー、お茶、チョコレート又はスープの調製機である。特に、機器は、挽いたコーヒー又はお茶又はチョコレート又はココア又はミルク粉末など、調製する飲料の材料を収容するカートリッジ内に温水又は別の液体を通過させることにより、カートリッジシート内で飲料を調製するよう配置される。
【0018】
例えば、調製機は、使用のためにカートリッジを受け入れ、且つ使用後にカートリッジを排出するよう配置される、抽出装置などの飲料調製ユニット、調製ユニットから排出されるカートリッジの排出先の領域につながる開放を有するハウジング、及び貯蔵スペースを形成する空洞を有する受入容器であって、そのような領域に排出されるカートリッジを受入容器が満たされるまで収集する受入容器を備える。受入容器は、使用済みカートリッジを収集するための領域に挿入可能であり、収集されたカートリッジを出して空にするためにこの領域から着脱可能である。そのような機器の例は、国際公開第2009/074550号及びPCT/欧州特許09/053368号明細書に開示されている。
【0019】
本発明によると、液体注入装置は、未加熱の液体を加圧し少なくとも1つのサポートに流通させ、流通する未加熱の加圧液体により少なくとも1つのサポートを作動且つ移動させるよう、且つ、流通する未加熱の加圧液体を、圧力下で少なくとも1つのサポートからヒータを介してカートリッジシート内へ案内し、材料を抽出させるように構成される。
【0020】
典型的には、水圧により作動可能且つ移動可能なサポートは、直線移動する構成を有する。水圧により作動可能且つ移動可能なサポートは、膨張チャンバと連携することができ、膨張チャンバを通して加圧液体を流通させ、チャンバを拡大させ水圧式サポートを移動させる。
【0021】
一実施形態において、この水圧により移動可能なカートリッジサポートは、ピストンチャンバ内で移動可能なピストンなどの水圧式ピストンを備え、液体注入装置がピストンチャンバに接続されて、加圧液体をチャンバ内に注入し、且つ、サポートを対向するサポートに対して閉鎖位置までピストンを用いて水圧により駆動し、液体注入装置は、未加熱の加圧液体をピストンチャンバ内に注入するよう、且つ、ヒータを介してこの液体を圧力下でピストンチャンバからカートリッジシートに案内するよう構成される。例えば、ピストンチャンバは、入口及び出口を有して、カートリッジサポートが閉鎖位置にある間、ピストンチャンバを通して加圧液体を流通させる。
【0022】
従って、液体はピストンチャンバの入口からカートリッジシート内に圧力下で流通するが、液体はピストンチャンバに入る時には未加熱の状態であり、ピストンチャンバから出ると加熱され、加熱後にカートリッジシート内に流通する。抽出サイクル中にピストンチャンバを加圧するために使用される液体流通は、同じ抽出サイクル中にカートリッジの材料を抽出するために使用される液体流通と同じである。1つの液体流通装置で、水圧によりカートリッジシートを閉鎖し且つ閉鎖状態でそれを維持するとともに、カートリッジの材料を抽出する。しかし、水圧式の閉鎖及びシートの閉鎖状態維持は、未加熱の液体流通で実行され、一方、抽出は加熱後の液体で達成される。
【0023】
ピストンチャンバは、典型的には入口及び出口を有し、カートリッジサポートが閉鎖位置にある間、加圧液体をピストンチャンバ通して流通させる。
【0024】
もちろん、装置の各カートリッジサポートを水圧により作動可能且つ移動可能にすることは、特に各々の水圧式ピストン及びピストンチャンバと連携することにより可能である。この場合、流体注入装置は、液体を一方のピストンチャンバから他方のピストンチャンバに圧力下で流通させ、次に、液体をそのまま圧力下でヒータを通過させてカートリッジシート内に流通させるように構成することができる。
【0025】
従って、水圧式閉鎖機構、すなわち、ピストンチャンバ内で移動するピストンを作動させるために加圧された液体が、抽出工程全体の間、ピストンチャンバの入口から出口へ圧力下で流通し、そのまま圧力下でピストンチャンバからカートリッジシートへヒータを介して流通する。換言すると、ピストンチャンバ、ヒータを通りカートリッジシート内へと、液体の連続的な加圧流通経路が存在する。しかし、液体は、未加熱でピストンチャンバを通って流通するため、その内部でのスケール析出を抑制することができ、その後そのまま圧力下でヒータにおいて加熱されて、加熱後にそのまま圧力下でカートリッジシート内に注入される。
【0026】
ピストンチャンバは、ピストンチャンバからカートリッジシートに圧力下で流通し且つ加熱後カートリッジシート内に注入される液体を加熱するためのインラインヒータと連携する導管によってカートリッジシートの入口に接続される出口を有することができる。
【0027】
注入装置は、未加熱の加圧液体を水圧式サポートからバルブを介してカートリッジシート(10)内に流通させるよう構成することができ、バルブは、水圧式サポートを作動且つ移動させる未加熱の流通液体における制御圧力を高めるように構成される。
【0028】
特に、注入装置は、圧力下でピストンチャンバを通って流通する液体の制御圧力を高めるために、ピストンチャンバの出口とカートリッジシートの入口との間にバルブを有することができる。
【0029】
そのようなバルブはまた、逆止めバルブとして動作して液体がカートリッジシートから戻ることを阻止することができる。あまり好ましい実施形態ではないが、このバルブを省略し、カートリッジシートの液体入口に対して適切に位置決めされた材料カートリッジを使用して、水圧式サポートを作動させるために液体の圧力を高めることも可能である。
【0030】
典型的には、装置は、液体を加圧してピストンチャンバなどの水圧式サポート及びヒータを介してカートリッジシートに圧力下で流通させるためのポンプと連携する。通常、例えば、飲料調製機の技術分野では既知の往復式ピストンポンプなどのポンプが、水圧式サポートの上流に設置される。
【0031】
カートリッジサポートのうちの少なくとも1つは、機械的駆動装置により、対向するカートリッジサポートに向かって、且つ対向するカートリッジサポートから離れるように移動可能であることができる。機械的駆動装置は、力伝達レバー、特にナックル装置、及び/又は、力伝達歯車装置、特に平歯車装置を含むことができる。機械的駆動装置は、手動駆動可能ハンドル及び/又はモータ、特に電気モータにより作動させることができる。
【0032】
典型的には、機械的駆動装置は、カートリッジサポートを、閉鎖距離のうちの主たる部分、例えば、閉鎖距離の80%、90%、又は95%以上を移動させて閉合するように構成され、且つ、2つのカートリッジサポートを合わせて緊密に封止するために水圧式閉鎖を使用するよう構成される。従って、緊密な封止は、閉鎖距離の端部を制御することによるのではなく、ピストンチャンバにおける閉鎖圧力に作用することにより達成される。従って、カートリッジシートの閉鎖距離及び手動によるその微調整に関する許容誤差の問題を回避することができる。例えば、水圧式の閉鎖距離は、0.05から2mm、特には0.1から1mmで、0.2から0.7mmなどの範囲である。これは、高い許容誤差で、組み付け工程中に通常は手動で調整することが必要な純粋に機械的な閉鎖システム(非水圧式)とは、非常に対照的である。
【0033】
一実施形態において、これらの第1及び第2のカートリッジサポートのうちの一方が、機械的駆動装置により、対向するカートリッジサポートに向かって、且つ対向するカートリッジサポートから離れるように移動可能であり、この対向するカートリッジサポートは水圧により作動可能且つ移動可能であり、例えば、ピストンチャンバ内で移動可能なピストンを備える。
【0034】
別の実施形態において、水圧により作動可能且つ移動可能であり、例えば、ピストンチャンバ内で移動可能なピストンを備えるカートリッジサポートは、さらに機械的駆動装置により移動可能である。
【0035】
液体注入装置は、シートの液体入口を通して加熱された液体をカートリッジシート内に注入するよう構成することができ、該入口は水圧により作動可能且つ移動可能なカートリッジサポートに設置され、カートリッジサポートは、例えば、ピストンチャンバ内で移動可能なピストンを有する。換言すると、シートの同一のカートリッジサポートを、未加熱水の流通及び加熱水の流通に連携させることができる。従って、カートリッジシートにつながる上流の流体流通装置を、1つのカートリッジサポートに連携させるだけで維持することができ、すなわち、双方のサポートに対して拡張させる必要が無く、接続の導管の長さを短縮することができる。これにより、さらに、ピストンチャンバが抽出装置内に固定して維持される場合、自動組み付け工程においては組み付けが困難である柔軟性のある液体流通導管を、最小限にする又は省くことさえできるため、非常に有利である。
【0036】
液体注入装置は、カートリッジサポートの一方に設置されるカートリッジシートの液体入口を通して加熱された液体をシート内に注入するよう構成することができ、対向するカートリッジサポートは、カートリッジの材料の抽出後、液体を分配するための出口を有する。
【0037】
ヒータは、有利には温度調整装置と連携する。温度感知装置は、ピストンチャンバの上流、ピストンチャンバの中及び/又は近辺、ピストンチャンバとヒータとの間、ヒータの中、ヒータとカートリッジシートとの間、カートリッジシートの中及び/又は近辺、に設置される温度センサから選択される少なくとも1つの温度センサを備えることができる。
【0038】
一実施形態において、温度調整装置は、ヒータの液体出口に温度センサを有する。温度センサ(単数又は複数)は、好ましくは、特にヒータのループ調整のために、ヒータの電気制御回路に接続される。
【0039】
例えば、システムは、ピストンチャンバとヒータとの間の液体の温度を感知するための第1のセンサ、及びヒータとカートリッジシートとの間の温度を感知するための第2のセンサを有する。これら2つのセンサを使用して、ヒータの電力供給を制御し、ヒータから出る水の温度を調整する。
【0040】
本発明はまた、材料カートリッジ及び上述した装置を備えるシステムに関し、材料カートリッジは該装置のカートリッジシート内に保持される。
【0041】
上述の説明の文脈において、「加熱された液体」とは抽出装置のヒータにより直接加熱された液体を意味する。「未加熱の液体」とは、特に、まだピストンチャンバから出ておらずヒータを通過していない液体を意味する。従って、「未加熱の液体」が指定するものには、タンクなどの液体源の液体、ピストンチャンバの上流の液体、及びピストンチャンバ内の液体、並びに概してヒータの上流の液体、が含まれる。
【0042】
本発明のさらなる特徴及び利点については詳細な説明の記載において明らかにされる。
【0043】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1a】本発明による、開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図1b】本発明による、開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図1c】本発明による、開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図2a】閉鎖状態にある飲料抽出装置の一部の斜視図である。
【図2b】開放状態にある飲料抽出装置の一部の斜視図である。
【図3】 図1a?図2bの飲料抽出装置の閉鎖状態における断面及び部分的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
ここで、図1aから図3に例示される特定の実施形態を参照して本発明を説明する。
【0046】
これらの図面は、例えば挽いたコーヒーなどの飲料材料を収容する封止された気密性のあるアルミニウム製の袋状のものから成る、例えばNESPRESSO(商標)により商品化されているような、柔らかいポッドの形状の材料カートリッジ2を介して、水などの加熱された液体を流通させることにより飲料を調製するための機器の抽出装置1を示す。
【0047】
抽出装置1は、第1のカートリッジサポート20及び第1のカートリッジサポート20に対向する第2のカートリッジサポート30を備えるカートリッジシート10を有し、開放して離間した状態でカートリッジ2を受け入れ、且つ閉鎖して圧接した抽出状態においてカートリッジ2を包容するように配置される。図1a、図1b、図1c、及び図2bは、カートリッジサポート20、30が開放して離間した状態にあるカートリッジシート10を例示する。図2a及び図3は、カートリッジサポート20、30が閉鎖して圧接した抽出状態にあり、カートリッジ2がシート10内に包容されたカートリッジシート10を示す。
【0048】
図1aは、カートリッジ2が重力により上からカートリッジシート10内に挿入されることを例示する。より詳細には、下にあるシート10へと導くカートリッジ入口チャネル11の上部に、カートリッジ2を示す。
【0049】
図1bにおいて、抽出の前の開放した位置にあるカートリッジシート10内に保持されるカートリッジ2を示す。カートリッジシート10は、サポート部材20、30が離間開放した位置にある間、カートリッジ2をシート10内に保持するためのカートリッジ保持部材12と連携する。より詳細には、保持部材12はシート10の周囲に配置されて、カートリッジ2の縁3が、このカートリッジ装着途中位置において部材12の上に載りもたれかかる。サポート部材20、30が圧接されると、カートリッジ2が縁3と共に、サポート部材30により周囲の部材12を介して対向する部材20に対してカートリッジ抽出位置まで押され、カートリッジ2はサポート部材20と30との間に包容される(図3に示す通り)。
【0050】
図1cにおいて、サポート部材20、30が離間した状態にある、抽出後の再開放位置にあるカートリッジシート10を示す。装置1は、下部の排出路13を介してシート10から使用済みのカートリッジ2を重力により排出するよう配置される。カートリッジ2を、シート10の下に設置されるカートリッジコレクタ(図示せず)に集めても良い。
【0051】
カートリッジ2の挿入、途中位置決め、包容、及び排出に関して、保持部材を有する抽出装置の一般的原理が、欧州特許第1 859 714号明細書において、特にポッドなどの柔らかい又は柔軟性のあるカートリッジについて、より詳細に開示され、同様に、欧州特許第1 646 305号明細書において、特にカプセルなどの剛性のカートリッジついて、より詳細に開示されている。これらの公報は、本明細書において参照により組み込まれる。
【0052】
図2a及び図3において、カートリッジ2をシート10内に包容して圧接されたサポート部材20、30を示す。
【0053】
図3においてより詳細に示すように、水圧式カートリッジサポート20は、ピストンチャンバ25内で移動可能なチューブ状ピストン21を有する。ピストンチャンバ25は、カプセルサポート部材20の前の部分を保持する外形が概してカップ型の前側部26、及びピストン21が内部に沿って移動可能な概してチューブ状の後側部27によって画定される。
【0054】
さらに、抽出装置1は、液体注入装置と連携し、液体注入装置には以下が含まれる。すなわち、冷水などの液体源が特に貯蔵器50に貯蔵され、ポンプ60が液体を、貯蔵器50からパイプ61及びチャンバ入口28を介してピストンチャンバ25まで圧力下で送り込み、そのまま圧力下でチャンバ出口29を介し、チューブ71を介してインラインヒータ70に送り、ヒータ70からチェックバルブ80、チューブ81を介して、カートリッジシート10の加熱された液体の入口を形成するピストンチューブ21に送り込む。
【0055】
カートリッジシート10において、加圧且つ加熱された液体が流れてカートリッジ2を通り、カートリッジ2内に収容される材料を抽出することにより飲料を生成する。飲料は収集されカートリッジサポート30と連携する出口35を介して分配される。
【0056】
明確にする目的で、抽出装置1を通る液体の流路を、図3において太矢印で概略的に示す。
【0057】
従って、この液体注入装置は、ピストンチャンバ25に接続されて、未加熱の加圧液体をチャンバ25内に注入し、カートリッジサポート20を対向するカートリッジサポート30に対してピストン21で閉鎖位置まで水圧で駆動する。カートリッジサポート20、21と、前側部26及び後側部27との間の、O-リングシールなどのシール22、23は、チャンバ25からの漏れを防止する。本発明によると、ピストンチャンバ25を流通後、液体はさらに、ピストンチャンバ25からヒータ70を通りカートリッジチャンバ10に連続的に圧力下で流通する。
【0058】
さらに、カートリッジサポート30は、機械的駆動装置によって、対向するカートリッジサポート20に向かって、且つ対向するカートリッジサポート20から離れるように移動可能である。
【0059】
図2a及び図2bにさらに詳細に示すように、機械的駆動装置は、ハンドル41の軸42を介して固定されたフレーム40に枢動可能に装着される手動駆動可能ハンドル41を備える。一対のクランク43は、一方の端部44でハンドル41に軸42から距離を置いて回転可能に装着され、他方の端部45でカートリッジサポート30に回転可能に装着され、その結果、ハンドル41が開放位置(図2b)から閉鎖位置(図2a)に押されると、クランク43が軸42の周りを枢動するハンドル41によって駆動され、カートリッジサポート30をカートリッジサポート20に向かって引き寄せる。手動で作動させるものやモータ付きのものなど種々の機械的駆動装置を使用して、本発明のこの選択的な態様を実装することができ、例えば、欧州特許第1 646 305号明細書、欧州特許第1 859 713号明細書、欧州特許第1 767 129号明細書、及び国際公開第2009/043630号に開示されており、これらは本明細書において参照により組み込まれる。
【0060】
フレーム40はまた、チューブ61、入口接続28、並びに、ピストンチャンバ25を画定する前側部26及び後側部27を遮蔽するためのハウジングパネル40′を支持する。前側部26及び後側部27はまた、フレーム40に固定される。従って、チューブ61、71は、固定された構成要素26、60、70、80の間に装着することができ、また、抽出装置の自動的な製造工程において簡単に扱うことができる剛性の材料で作成してもよい。
【0061】
さらに、ハンドル41の再開放を容易にするために、閉鎖移動時に圧迫され、開放移動時に自動的にハンドル41を後方に駆動するばね要素が設けられる。特に、螺旋ばね46は、一端がフレーム40に固定され、他端が軸42に固定される。螺旋ばね46は、軸42の周りに装着される。もちろん、異なるばね装置を設けてこの効果又は同様の効果を生み出すことができる。さらに、ハンドル41を作動させる際のユーザの快適さを向上させる目的で、ハンドル41を介した開閉移動時に機械的駆動装置の人間工学的な感触のある制御を提供するために、移動ダンパが設けられる。この特定の例において、ダンパは、軸42の回転に追随する平歯車の形式で提供される。従って、第1の歯車47が軸42に組み付けられ、第1の歯車42と協働する第2の歯車48がフレーム40に回転可能に装着されて、軸42の回転を抑制する。
【0062】
反対方向にばねを装着し、すなわち、抽出装置の閉鎖移動を支援することももちろん可能である。
【0063】
抽出装置1にはまた、抽出後の再開放時にカートリッジ2を取り出してカートリッジ2の排出を支援するためのカートリッジ取出装置90が設けられる。取出装置ロッド90は、チューブ状ピストン21内で移動可能であり、カム49及びカムフォロア91を介して、カム49が接続されるハンドル41の移動により作動する。図3に示す取出装置90は引込み位置にあり、一方、図1bに示す取出装置90はカートリッジサポート20からカートリッジ2を取り出すための配備位置にある。
【0064】
また、図3に示すように、カートリッジサポート20は、カートリッジ2に穴を開けるための中空針96を介して加熱された液体をカートリッジ2内に注入するためのスプリンクラ95に嵌合される。使用中、加熱された液体がチューブ81からチューブ状ピストン21の周辺に圧力下で供給されて、取出装置91周辺をスプリンクラ95に沿って流通し、針96を介してカートリッジ2に供給される。O-リングシールなどのシール92、93が設けられ、注入された液体が取出装置90に沿って漏れることを防ぐ。対向するカートリッジサポート30は、例えば、ピラミッド型のプレートなど引裂き要素を有するプレートの形状の開放装置97を支持する。従って、カートリッジ2に針96を介して注入された加熱された流体が、カートリッジ内に収容される材料を抽出し、カートリッジ2を開放装置97に残して分配出口35に向かって流通する。そして、カップ又はマグを使用して、カートリッジサポート30に接続される出口35で分配される飲料を収集することができる。抽出後、取出装置90は特にカートリッジ2を針96から取り外す際に役立つ。
【0065】
カートリッジ2を開放シート10(図1b)に導入後、ユーザはハンドル41を下向きに動かし、それにより抽出装置1の前側部、すなわち、カートリッジサポート30が、抽出装置1の両側部に配置されるクランク43及びレバー機構により平行移動で駆動される。それにより、カートリッジ2は、カートリッジ2の周囲の縁3を曲げることにより保持部材12に対して押しつけられる。ハンドル41を介した機械的閉鎖移動が終了すると、カートリッジ2はピラミッド型プレート97とスプリンクラ95との間に取り込まれ、針96により穴が開けられる。この段階で、カートリッジ2周辺のカートリッジシート10の封止がほぼ達成される。このほぼ閉鎖した状態において、カートリッジサポート20、30の離間間隔は、典型的には2.5mm未満、通常は1.5mm未満、例えば0.5mm未満である。
【0066】
変形例として、カートリッジの穴開けを、機械的閉鎖による代わりにカートリッジシートの水圧式閉鎖の効果により発生させるように、閉鎖距離を設定することも可能である。これにより、ユーザがカートリッジに穴を開けるために閉鎖時に大きな力を入れる必要が無いという利点が与えられる。この閉鎖時の力はポンプによって与えられる。
【0067】
ハンドル41をフレーム40内に配置し、ハンドル41が水平位置に到達した時に、ロックした感触をユーザに与えて、移動が終了したことの人間工学的なフィードバックをユーザに与えるようにしても良い。
【0068】
ポンプ60が起動されて飲料の調製が始まると、冷水などの未加熱の液体が、ピストンチャンバ25に送られる。次に、液体はピストンチャンバ25から出て、加熱要素70を通り、その後、バルブ80まで流れる。バルブ80の前で流体内の圧力が増加し始めると、ピストン21を有するカートリッジサポート20が、ピストンチャンバ25内の液体の増大する圧力下で、対向するカートリッジサポート30に対して平行移動且つ押圧されて、カートリッジシート10内のカートリッジ2を適切に封止する。図3に例示するように、バルブ80は、カプセルサポート20と30との間の何らかの漏れを回避するのに十分なレベルの圧力で開く。
【0069】
バルブ80が開いて流体が流されると、加圧且つ加熱された液体がスプリンクラ95へ流れると共に針96を介してカートリッジ2内へ流れ、それにより、カートリッジ2内において、カートリッジがピラミッド型97上で引裂かれて開くまで圧力が増加し、抽出中に液体がカートリッジ2から流れ出る。
【0070】
浸出処理の最後で、バルブ80の作動を停止させて、ピストンチャンバ25内の圧力を解除することができる。従って、カートリッジサポート20、30は、封止を解除され、分離可能になる。典型的には、バルブ80は、ソレノイドバルブで良く、ポンプ60の作動停止と共に作動を停止させる。
【0071】
使用後にカプセル2を排出するために、ユーザがハンドル41を開放すると、ハンドル41はばね46の効果により、ダンパ47、48の効果で制御されたスピードで、自動的に開く。
【0072】
それにより、抽出装置1の前側部、すなわち、カートリッジサポート30は駆動されて、抽出装置1の後側部、すなわち、カートリッジサポート20から離れる。これにより、カートリッジシート10がさらに開放することになり、一方で、取出装置90がカム49及びカムフォロア91の効果により配備されて、カートリッジ2をカートリッジサポート20から離間させるように押し、重力の効果により、カートリッジシート10から、例えば下に設置される使用済みカプセルコレクタ(図示せず)に落下させる(図1c)。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料カートリッジ(2)を受け入れ、且つ前記材料カートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出処理するための装置(1)であって、
カートリッジシート(10)と、加熱された液体を前記カートリッジシート内に注入するための液体注入装置(50、60、61、70、80、81)と
を備え、
前記カートリッジシートが、第1のカートリッジサポート(20)と、前記第1のカートリッジサポートに対向する第2のカートリッジサポート(30)とを備え、
前記第1のカートリッジサポート及び前記第2のカートリッジサポートが、前記材料カートリッジを前記カートリッジシートに挿入又は前記カートリッジシートから除去するための開放位置から、前記材料カートリッジの中に加熱された液体を通過させるための閉鎖位置に、互いに対して移動可能に配置され、
前記第1のカートリッジサポート(20)及び前記第2のカートリッジサポート(30)のうちの少なくとも1つのカートリッジサポート(20)が、前記液体注入装置によって、水圧により作動可能で且つ前記閉鎖位置まで移動可能である、装置(1)において、
前記液体注入装置が、
未加熱の液体を加圧し前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)に流通させ、前記流通する未加熱の加圧液体により前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)を作動且つ移動させ、
前記流通する未加熱の加圧液体を、圧力下で前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)からヒータ(70)を介して前記カートリッジシート(10)内へ案内し、前記材料を抽出させるように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
水圧により移動可能な前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)は、ピストンチャンバ(25)内で移動可能なピストンのような水圧式ピストン(21)を備え、前記液体注入装置(50、60、61、70、80、81)が前記ピストンチャンバに接続されて、前記加圧液体を前記ピストンチャンバ内に注入し、且つ、前記カートリッジサポートを前記対向するカートリッジサポート(30)に対して前記閉鎖位置まで前記ピストンを用いて水圧により駆動し、前記液体注入装置は、前記未加熱の加圧液体を前記ピストンチャンバ(25)内に注入するよう、且つ、前記ヒータ(70)を介して前記液体を圧力下で前記ピストンチャンバから前記カートリッジシート(10)に案内するよう構成され、前記ピストンチャンバ(25)は、特に入口(28)と出口(29)とを有して、前記カートリッジサポート(20、30)が前記閉鎖位置にある間に、前記ピストンチャンバを通して前記加圧液体を流通させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ピストンチャンバ(25)は、前記ピストンチャンバ(25)から前記カートリッジシート(10)に圧力下で流通し且つ加熱後前記カートリッジシート内に注入される液体を加熱するためのインラインヒータ(70)と連携する導管(81)によって前記カートリッジシートの入口に接続される前記出口(29)を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記液体注入装置は、前記未加熱の加圧液体を前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)からバルブ(80)を介して前記カートリッジシート(10)内に流通させるように配置され、前記バルブは、前記少なくとも1つのカートリッジサポート(20)を作動且つ移動させる、前記未加熱の流通液体における制御圧力を高めるように構成される、請求項1?3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記液体を加圧し且つ流通させるためのポンプ(60)を備える、請求項1?4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のカートリッジサポート(20)及び前記第2のカートリッジサポート(30)のうちの少なくとも1つが、機械的駆動装置(41、42、43、44、45)によって、対向するカートリッジサポートに向かって、且つ、対向するカートリッジサポートから離れるように移動可能である、請求項1?5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記機械的駆動装置は、力伝達レバー、特にナックル装置、及び/又は、力伝達歯車装置、特に平歯車装置を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記機械的駆動装置は、手動駆動可能ハンドル(41)により作動させる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記機械的駆動装置は、モータ、特に電気モータにより作動させる、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のカートリッジサポート(20)及び前記第2のカートリッジサポート(30)のうちの一方(30)が、前記機械的駆動装置(41、42、43、44、45)によって、水圧により作動可能で且つ移動可能である対向するカートリッジサポート(20)に向かって、且つ、対向するカートリッジサポート(20)から離れるように移動可能である、請求項6?9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記水圧により作動可能で且つ移動可能であるカートリッジサポートは、さらに前記機械的駆動装置により移動可能である、請求項6?9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記液体注入装置(50、60、61、70、80、81)は、前記水圧により作動可能且つ移動可能なカートリッジサポート(20)に設置される前記カートリッジシート(10)の液体入口を通して、前記加熱された液体を前記シート内に注入するよう構成される、請求項1?11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記液体注入装置(50、60、61、70、80、81)は、前記カートリッジサポートの一方(20)における前記液体入口(96)を通して前記加熱された液体を前記シート内に注入するよう構成され、対向するカートリッジサポート(30)は、前記材料の抽出後、液体を分配するための出口(35)を有する、請求項1?12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ヒータ(70)は、温度調整装置、特に、前記水圧により作動可能で且つ移動可能であるカートリッジサポートの上流に設置される温度センサ、前記水圧により作動可能で且つ移動可能であるカートリッジサポートの中及び/又は近辺に設置される温度センサ、前記水圧により作動可能で且つ移動可能であるカートリッジサポートと前記ヒータとの間に設置される温度センサ、前記ヒータの中に設置される温度センサ、前記ヒータと前記カートリッジシートとの間に設置される温度センサ、並びに前記カートリッジシートの中及び/又は近辺に設置される温度センサから選択される少なくとも1つの温度センサを備える温度調整装置と連携する、請求項1?13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
材料カートリッジと、請求項1?14のいずれか一項に記載の装置とを備えるシステムであって、前記材料カートリッジが前記装置のカートリッジシート内に保持される、システム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2015-08-27 
出願番号 特願2012-531456(P2012-531456)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A47J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮崎 賢司  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 近藤 裕之
鳥居 稔
登録日 2014-08-29 
登録番号 特許第5604522号(P5604522)
発明の名称 カートリッジ式抽出装置  
代理人 池田 成人  
代理人 戸津 洋介  
代理人 黒川 朋也  
代理人 黒川 朋也  
代理人 清水 義憲  
代理人 清水 義憲  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 戸津 洋介  
代理人 池田 成人  

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