ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H05B |
---|---|
管理番号 | 1331529 |
審判番号 | 訂正2017-390044 |
総通号数 | 214 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-10-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2017-06-02 |
確定日 | 2017-08-03 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6139196号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6139196号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6139196号は,平成25年3月15日に出願され,その請求項1?11に係る発明について,平成29年5月12日に特許権の設定登録がされたものであり,その後,平成29年6月2日に本件の訂正審判が請求されたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件審判の請求の趣旨は,特許第6139196号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり,訂正することを求めるものであって,その訂正の内容は,下記訂正事項1及び訂正事項2のとおりである。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記中間層は,前記下地層上面の段差を被覆し」と記載されているのを,「前記有機層は,前記下地層上面の段差を被覆し」に訂正する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項7に「前記有機層上に配置された対向電極」と記載されているのを,「前記有機エレクトロルミネッセンス層上に配置された対向電極」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正事項1の訂正前の請求項1には,「前記中間層は,前記下地層上面の段差を被覆し」と記載されているが,当該記載よりも前に「中間層」の記載はない。そうしてみると,「前記中間層」という記載が誤記であることは,明らかである。 したがって,訂正事項1は,特許法126条1項ただし書2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。 (2)願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 願書に最初に添付された明細書(以下「当初明細書」という。)の段落【0059】及び【0060】には,それぞれ「なお,中間層40cは,少なくとも段差Sを被覆していればよく,その他のどの箇所に形成されていてもよい。」及び「このような中間層40cの材料としては有機物が好ましく,具体的にはアクリルを用いることができる。」と記載されている。そうしてみると,訂正事項1は,当初明細書の段落【0059】及び【0060】の上記記載に基づくものである。 したがって,訂正事項1は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法126条5項の規定に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではないこと 上記(1)及び(2)のとおりであるから,訂正事項1は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものであるとはいえない。 したがって,訂正事項1は,特許法126条6項の規定に適合する。 (4)独立して特許を受けることができるものであること 訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 したがって,訂正事項1は,特許法126条7項の規定に適合する。 2 訂正事項2について (1)訂正の目的について 訂正事項2の訂正前の請求項7には,「前記有機層上に配置された対向電極」と記載されているが,当該記載よりも前に「有機層」の記載はない。そうしてみると,「前記有機層」という記載が誤記であることは,明らかである。 したがって,訂正事項2は,特許法126条1項ただし書2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。 (2)願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 当初明細書の段落【0036】,【0042】及び【0043】には,それぞれ「有機エレクトロルミネッセンス発光素子30は,薄膜トランジスタによって制御される画素電極(陽極)32と,画素電極32上に配置される,少なくとも発光層を有する有機層33と,有機層33上を覆うように形成された対向電極(陰極)34と,を有することにより,発光源として機能する。」,「有機層33は,例えば,陽極32側から順に,図示しないホール注入層,ホール輸送層,発光層,電子輸送層,電子注入層が積層されてなる。」及び「発光層は,例えば,正孔と電子とが再結合することによって発光する有機エレクトロルミネッセンス物質から構成されている。」と記載されている。そうしてみると,訂正事項2は,当初明細書の段落【0036】,【0042】及び【0043】の上記記載に基づくものである。 したがって,訂正事項2は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法126条5項の規定に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではないこと 上記(1)及び(2)のとおりであるから,訂正事項2は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものであるとはいえない。 したがって,訂正事項2は,特許法126条6項の規定に適合する。 (4)独立して特許を受けることができるものであること 訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 したがって,訂正事項2は,特許法126条7項の規定に適合する。 第4 むすび よって,本件審判請求における特許請求の範囲の請求項に係る訂正は,特許法126条1項ただし書2号に規定する事項を目的とし,かつ,同条5項ないし7項の規定に適合するものである。 よって,結論のとおりに審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板と、 前記基板上に形成され、それぞれが有機発光素子を持つ複数の画素と、 前記複数の画素を覆う封止膜と、を有し、 前記封止膜は、 第1バリア層と、 前記第1バリア層の上面を覆う下地層と、 前記下地層の上面を局所的に覆う有機層と、 前記下地層及び前記有機層の上面を覆う第2バリア層と、を備え、 前記有機層は、前記下地層上面の段差を被覆し、 前記第1バリア層及び前記第2バリア層は、それぞれ、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有し、 前記下地層は、シリコン酸化膜又はアモルファスシリコン膜を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項2】 前記有機層は、前記下地層に対する親和性が前記第1バリア層に対する親和性よりも高い請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項3】 前記第1バリア層又は前記第2バリア層よりも、前記下地層の方が薄い請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項4】 前記複数の画素それぞれの前記有機発光素子は、 陽極と、 前記陽極上に形成された発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、 前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された陰極と、を有し、 前記陽極の周囲を覆い前記陽極の上面の一部を露出させる画素分離絶縁膜が配置され、 前記画素分離絶縁膜によって前記有機層は分離されるように配置される請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項5】 前記陽極に対する前記画素分離絶縁膜の接触角は、前記下地層に対する前記有機層の接触角よりも大きい請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項6】 前記有機発光素子は前記基板から離れる方向に光を発光する請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項7】 薄膜トランジスタと、 前記薄膜トランジスタによって制御される画素電極と、 前記画素電極上に配置され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、 前記有機エレクトロルミネッセンス層上に配置された対向電極と、 を備える画素を基板上に形成した表示装置であって、 前記画素は、封止膜によって覆われ、 前記画素上の前記封止膜は、 第1バリア層と下地層と第2バリア層とがこの順で積層し、前記下地層と前記第2バリア層が接する第1領域と、 前記第1バリア層と前記下地層と有機層と前記第2バリア層とがこの順で積層した第2の領域と、 を有し、 前記第1バリア層及び前記第2バリア層は、それぞれ、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を有し、 前記下地層は、シリコン酸化膜又はアモルファスシリコン膜を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項8】 前記第1領域には前記有機層が配置されていない請求項7の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項9】 前記画素電極の端部が画素分離膜によって覆われ、 前記第1領域は前記画素分離膜と重なり、 前記第2領域は前記画素の発光領域と重なる請求項8の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項10】 前記画素電極に対する前記画素分離膜の接触角は、前記下地層に対する前記有機層の接触角よりも大きい請求項9の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 【請求項11】 前記画素は前記基板から離れる方向に光を発光する請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2017-07-06 |
結審通知日 | 2017-07-10 |
審決日 | 2017-07-25 |
出願番号 | 特願2013-53469(P2013-53469) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(H05B)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 岩井 好子 |
特許庁審判長 |
樋口 信宏 |
特許庁審判官 |
佐藤 秀樹 河原 正 |
登録日 | 2017-05-12 |
登録番号 | 特許第6139196号(P6139196) |
発明の名称 | 有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 |
代理人 | 特許業務法人はるか国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人はるか国際特許事務所 |