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審決分類 審判 全部申し立て 4号2号請求項の限定的減縮  G07D
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G07D
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G07D
審判 全部申し立て 特29条の2  G07D
審判 全部申し立て 2項進歩性  G07D
管理番号 1343864
異議申立番号 異議2017-700667  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-07-07 
確定日 2018-07-09 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6058792号発明「画像取得装置及び画像取得方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6058792号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1,3-10〕、11について訂正することを認める。 特許第6058792号の請求項2、9、12に係る特許を取り消す。 特許第6058792号の請求項3ないし8、10に係る特許を維持する。 特許第6058792号の請求項1、11に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6058792号の請求項1ないし12に係る特許についての出願は、平成25年4月30日に特許出願され、平成28年12月16日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年7月7日に特許異議申立人永井道雄(以下、単に「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成29年10月6日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年12月11日に意見書の提出及び訂正の請求がされ、平成30年2月28日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、その指定期間内である平成30年5月1日に意見書の提出がされたものである。


第2 訂正の適否
1 訂正の内容
平成29年12月11日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下の(1)?(9)のとおりである。

(1)訂正事項1
請求項1を削除する。

(2)訂正事項2
請求項3の「受光することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像取得装置。」を「受光することを特徴とする請求項2に記載の画像取得装置。」に訂正する。

(3)訂正事項3
請求項5の「光電荷の蓄積時間よりも長いことを特徴とする請求項1?4のいずれか一つに記載の画像取得装置。」を「光電荷の蓄積時間よりも長いことを特徴とする請求項2?4のいずれか一つに記載の画像取得装置。」に訂正する。

(4)訂正事項4
請求項6の「照射時間よりも長いことを特徴とする請求項1?5のいずれか一つに記載の画像取得装置。」を「照射時間よりも長いことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像取得装置。」に訂正する。

(5)訂正事項5
請求項7の「発光電流よりも大きいことを特徴とする請求項1?6のいずれか一つに記載の画像取得装置。」を「発光電流よりも大きいことを特徴とする請求項3、4又は6に記載の画像取得装置。」に訂正する。

(6)訂正事項6
請求項8の「増幅率よりも大きいことを特徴とする請求項1?7のいずれか一つに記載の画像取得装置。」を「増幅率よりも大きいことを特徴とする請求項2?7のいずれか一つに記載の画像取得装置。」に訂正する。

(7)訂正事項7
請求項9の「同時に行うことを特徴とする請求項1?8のいずれか一つに記載の画像取得装置。」を「同時に行うことを特徴とする請求項2?8のいずれか一つに記載の画像取得装置。」に訂正する。

(8)訂正事項8
請求項10の「前記波長に応じて異なることを特徴とする請求項1?9のいずれか一つに記載の画像取得装置。」を「前記波長に応じて異なることを特徴とする請求項3、4、6又は7に記載の画像取得装置。」に訂正する。
(9)訂正事項9
請求項11を削除する。


2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項1、9について
訂正事項1、9は、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮(特許法120条の5第2項ただし書第1号)を目的とするものに該当する。

イ 訂正事項2ないし8について
訂正事項2ないし8は、引用する請求項のうち、その一部を削除するものであり、引用する請求項を減少するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

ウ まとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1から9は、いずれも、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものである。


(2)新規事項の追加について
ア 訂正事項1、9について
訂正事項1、9は、請求項を削除するものであり、新たな事項を追加するものでないことは明らかである。

イ 訂正事項2ないし8について
訂正事項2ないし8は、引用する請求項のうち、その一部を削除するものであり、新たな事項を追加するものでないことは明らかである。

ウ まとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1ないし9は、いずれも、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。


(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
ア 訂正事項1ないし9について
上記「(1)ア」及び「(1)イ」で示したとおり、訂正事項1ないし9は、いずれも、特許請求の範囲の減縮に該当するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものには該当しないことは明らかである。

イ まとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1ないし9は、いずれも、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。


(4)一群の請求項についての説明
訂正前の請求項3ないし10は、訂正前の請求項1の記載を直接又は間接的に引用しており、訂正事項1で訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1、3ないし10は、一群の請求項である。
そして、訂正事項1ないし8は、それらについてされたものであるから、一群の請求項ごとにされたものである。
また、訂正事項9は、請求項ごとにされたものである。
したがって、本件訂正請求は、特許法第120条の5第4項に適合する。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1,3-10〕、11について訂正を認める。


第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正が認められたので、請求項2ないし10、12に係る発明(以下「本件発明2」等という。)は、その訂正特許請求の範囲の請求項2ないし10、12に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

・本件発明2
「搬送路を搬送される紙葉類の画像データを取得するために、
前記搬送路を搬送される紙葉類の一方の面の側に設けられた第1光源と、
前記第1光源から照射され、前記搬送される紙葉類によって反射された光を受光する第1受光センサと、
前記搬送路を前記搬送される紙葉類の他方の面の側に設けられ、前記搬送される紙葉類を透過した光を受光する第2受光センサとを有する画像取得装置において、
前記第1光源が前記第1受光センサに前記搬送される紙葉類からの反射光を供給するための第1の方向及び前記第2受光センサに透過光を供給するための第2の方向の両方の指向性を持った光を発し、
前記第2の方向に照射する光量は、前記第1の方向に照射する光量よりも大きい
ことを特徴とする画像取得装置。」
・本件発明3
「前記第2受光センサと同一の面の側に設けられた第2光源をさらに備え、
前記第1受光センサは、前記第1光源から照射された光が前記紙葉類の一方の面により反射した第1反射光を受光し、
前記第2受光センサは、前記第2光源から照射された光が前記紙葉類の他方の面により反射した第2反射光を受光するとともに、前記第1光源から照射された光が前記紙葉類を透過した透過光を受光する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像取得装置。」
・本件発明4
「前記第1受光センサと同一の面側で、前記第1光源と前記第1受光センサの前後を反対にした位置に第3光源を設けるとともに、前記第2受光センサと同一面側の前記第2受光センサの前後の双方に前記第2及び第4光源を更に設けることを特徴とする請求項3に記載の画像取得装置。」
・本件発明5
「前記第2受光センサが前記透過光を受光する場合の光電荷の蓄積時間は、前記第1受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合の光電荷の蓄積時間並びに/若しくは前記第2受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合の光電荷の蓄積時間よりも長いことを特徴とする請求項2?4のいずれか一つに記載の画像取得装置。」
・本件発明6
「前記第2受光センサが前記透過光を受光する場合の前記第1光源による照射時間は、前記第1受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合の前記第1光源による照射時間並びに/若しくは前記第2受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合の前記第2光源による照射時間よりも長いことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像取得装置。」
・本件発明7
「前記第2受光センサが前記透過光を受光する場合に前記第1光源に供給される発光電流は、前記第1受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合に前記第1光源に供給される発光電流並びに/若しくは前記第2受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合に前記第2光源に供給される発光電流よりも大きいことを特徴とする請求項3、4又は6に記載の画像取得装置。」
・本件発明8
「前記第2受光センサが前記透過光を受光した場合の前記第2受光センサの出力に対する増幅率は、前記第1受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光した場合の前記第1受光センサの出力に対する増幅率並びに/若しくは前記第2受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光した場合の前記第2受光センサの出力に対する増幅率よりも大きいことを特徴とする請求項2?7のいずれか一つに記載の画像取得装置。」
・本件発明9
「前記第1受光センサによる前記搬送される紙葉類からの反射光の受光と、前記第2受光センサによる前記透過光の受光とを同時に行うことを特徴とする請求項2?8のいずれか一つに記載の画像取得装置。」
・本件発明10
「前記第1光源及び/又は前記第2光源は、波長の異なる光を時分割で照射し、少なくとも前記第1光源及び/又は前記第2光源による照射時間、前記第1光源及び/又は前記第2光源に対して供給される発光電流、前記第1受光センサ及び前記第2受光センサによる光電荷の蓄積時間並びに/若しくは前記第1受光センサ及び前記第2受光センサの出力に対する増幅率のいずれか1つが、前記波長に応じて異なることを特徴とする請求項3、4、6又は7に記載の画像取得装置。」
・本件発明12
「搬送路を搬送される紙葉類の画像データを取得する画像取得方法であって、
前記搬送路を搬送される紙葉類の一方の面の側に設けられた第1光源が、前記紙葉類の一方の面により反射した光が第1受光センサにより受光される第1の方向に所定の光量の光を照射するとともに、前記紙葉類を透過した光が前記搬送路の他方に設けられた第2受光センサにより受光される第2の方向に前記第1の方向に照射する光量よりも大きい光量の光を照射して、2方向に対して指向性を有した光を同時に照射する第1照射ステップと、
前記第1光源から照射された光が前記紙葉類の一方の面により反射した第1反射光を前記第1受光センサが受光する第1反射光受光ステップと、
前記第1光源から照射された光が前記紙葉類を透過した透過光を前記第2受光センサが受光する透過光受光ステップと
を含んだことを特徴とする画像取得方法。」


2 取消理由通知に記載した取消理由の概要
訂正前の請求項1ないし12に係る特許に対して平成29年10月6日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

(取消理由1)
請求項1、3、11に係る発明は、下記の刊行物1に記載された発明であるから、請求項1、3、11に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1、3、11に係る特許は取り消されるべきものである。
(取消理由2)
請求項1、3ないし5、8ないし11に係る発明は、下記の刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明、刊行物3に記載された事項、特開2013-21638号公報(申立人の甲5号証;以下、単に「甲5」等という)並びに特開2010-45755号公報(甲6)に例示される従来周知の技術的事項、特開2010-212799号公報(甲8)に例示される従来周知の技術的事項、特開2002-190916号公報(甲10)に例示される従来周知の技術的事項、特開2006-146321号公報(甲11)並びに特開2004-355261号公報(甲12)に例示される従来周知の技術的事項に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1、3ないし5、8ないし11に係る特許は、取り消されるべきものである。
(取消理由3-1)
請求項1、2、9ないし12に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の引用出願1の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1、2、9ないし12に係る特許は取り消されるべきものである。
(取消理由3-2)
請求項1、3、4、9ないし11に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の引用出願2の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1、3、4、9ないし11に係る特許は取り消されるべきものである。
(取消理由4)
請求項6、7、10に係る発明は明確でなく、特許法第36条第6項第2号の要件を満たしていないものであり、請求項6、7、10に係る特許は取り消されるべきものである。


刊行物1:特開2009-135914号公報(甲1)
刊行物2:特開2001-320551号公報(甲3)
刊行物3:特開2008-216409号公報(甲2)
引用出願1:特願2012-278410号
(国際公開第2014/097995号)(甲13)
引用出願2:特願2012-231051号
(国際公開第2014/061274号)(甲14)


3 取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由1、2、3-2について
取消理由1、2、3-2は、訂正前の請求項1、11に係る発明、及び、訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用する請求項について通知されたものである。
しかしながら、本件訂正により、請求項1、11が削除されるとともに、請求項3ないし10は請求項1を引用しないものとされたため、これらの取消理由については、対象となる請求項が存在しないものとなった。


(2)取消理由3-1について
ア 引用例等の記載
引用出願1の願書に最初に添付された明細書又は図面(以下、「引用明細書等1」という)に対応する上記国際公開第2014/097995号には、次の事項が記載されている。

(ア)引用明細書等1に記載された事項
a「[0002]
画像読取装置などに用いられる光源装置は、ファクシミリや複合機や有価紙葉等の読取装置に用いられている。画像読取装置は、読み取る対象である原稿や紙葉に対して光源装置から複数方向から光を照射する。そして、画像読取装置は、その読取対象の反射光や透過光をレンズやミラーなどの結像素子を通じてCMOSセンサやCCDセンサなどの光電変換素子上に結像させることで読取対象の光学情報を検出する。画像読取装置は、得られた画像情報を利用して原稿を複写や、紙葉の真偽札判別や流通劣化度合いの判別等を行う。近年、画像読取装置の小型化及び読取速度の高速化に伴い、光源装置の小型化及び高効率化が求められている。」

b「[0023]
本実施の形態に係る導光体1は、長軸方向に延在し、長軸方向の端部に設けられる入射部から入射光が内部に入射するものである。導光体1は、導光体1の内部に入射した光を反射する光変更面1a(反射部)と、主光(第1の出射光)1hを出射する出射部1b(第1の出射部)と、主光(第1の出射光)1hとは異なる方向に副光(第2の出射光)1iを出射する出射部1c(第2の出射部)とを備える。」
[0024]
出射部1bは、長軸方向に直交する断面が凸状の第1の曲面(第1の出斜面)を有する。出射部1cは、長軸方向に直交する方向に出射部1bに連続(接続)しており、長軸方向に直交する断面が凸状の第2の曲面(第2の出斜面)を有する。
[0025]
光変更面1aは、主光1hの光軸と副光1iの光軸との交点に設けられる。光変更面1aは、導光体1の内部に入射した光を出射部1bと出射部1cとのそれぞれへ向けて反射する。この光変更面1aによって、導光体1の内部に入射した光は、導光体1の内部に入射した光を主光1hと副光1iとに変更(分岐)される。」


c「[0032]
図4に示すように、光変更面1aで反射された光は、出射部1bと出射部1cとに入射し、出射部1bと出射部1cの曲面によって任意の配向角度に集光される。前述のように、光変更面1aは、導光体1の長手方向に沿って形成された白色の印刷パターン又は凹凸形状のものである。また、出射部1bと出射部1cの境界線となっている長手方向に線状の凹部から底面へ法線を引いたとき、その法線を介して、底面の出射部1b側に存在し、出射部1c側には存在しない。そのため、主光1hの光強度を、副光1iの光強度に比べて十分に強くすることができる。主光1hと副光1iの配向角度は、出射部1b及び出射部1cのそれぞれの形状により任意にコントロールすることができる。導光体1の底面1kで光変更面1aが存在しない面は、導光体1の他面と同じように、内部の光を反射して長手方向に導く導光面としての役割を持つ。導光体1の底面1kと側面1dと側面1eとは、平面であり、これによって、機構組み付けを簡単にすることができる。」

d「[0135]
実施の形態10.
本発明の実施の形態10について、図33?36を用いて説明する。実施の形態10では、実施の形態1に係る導光体1を用いた画像読取装置について説明する。
[0136]
図33は、本発明の実施の形態10に係るイメージセンサを用いた画像読取装置の、主走査方向(長手方向)に垂直な断面図である。図34は、本発明の実施の形態10に係る画像読取装置の分解図である。図35は、本発明の実施の形態10に係る画像読取装置のガラス側を上にした外形図である。図36は、本発明の実施の形態10に係る画像読取装置における信号処理基板側を上にした外形図である。
[0137]
読取対象(被照射体)17は、読み取りの対象として、イメージセンサの外部に配置される物である。読取対象17は、出射光が照射されて、表面の情報が読み取られる物であり、典型的には、紙幣、有価証券、小切手などの紙葉などである。読取対象17は、例えば、その表面で反射した光が示す反射光情報、透かしなどの透過光情報などを有する。
[0138]
導光体1は、実施の形態1で述べたように、透明な樹脂で形成された、長手方向に延在する柱状の部材である。導光体1は、長手方向全域に光変更面1aと、曲面を有する出射部1b、1cとを有する。導光体1は、出射部1b、1cのそれぞれから線状の光を照射することによって、2方向に線状の光を照射する。
[0139]
導光体18は、透明な樹脂で形成された、長手方向に延在する柱状の部材である。導光体18は、長手方向全域に光変更面1aと、曲面を有する出射部18aを有する。導光体18は、出射部18aから線状の光を照射することによって、1方向に線状の光を照射する。
[0140]
導光体1は、図33に示すように、副光1iをロッドレンズアレイ21直上の読取対象17、すなわち読み取り位置に照射する。導光体1は、主光1hを読み取り位置から外側(同図の左方)に外れた位置に照射する。
[0141]
導光体18は、ロッドレンズアレイ21直上の読取対象17、すなわち読み取り位置に光を照射する。
[0142]
発光体2aは、LED光源などの光源素子であり、はんだ接合などにより発光体実装基板4に固定されている。発光体2aは、発光体実装基板4により電流駆動されて発光する。発光体2aは、導光体1の端面からその内部に入射する入射光を発する。
[0143]
発光体2bは、LED光源などの光源素子であり、はんだ接合などにより発光体実装基板4に固定されている。発光体2bは、発光体実装基板4により電流駆動されて発光する。発光体2bは、導光体18の端面からその内部に入射する入射光を発する。
[0144]
カバー23と透明板22とは、図33に示すように、読取対象17が搬送される搬送面を上面に有する。本発明に係る画像読取装置は、これが組み込まれる複写機や金融端末等の機器がカバー23と透明板22との一方又は両方を備える場合、そのカバー23と透明板22との一方又は両方を備えなくてもよい。」

e「[0148]
ロッドレンズアレイ(結合光学系)21は、長手方向に延在し、筐体6に固定されている。ロッドレンズアレイ21は、短手方向(図34のY軸方向、又は、図37の左右方向)では導光体1と導光体18との間に配置される。ロッドレンズアレイ21は、長手方向(図34のX軸方向)では導光体1と導光体18とに平行に配置される。ロッドレンズアレイ21は、導光体1及び導光体18から発せられて読取対象で反射した光をセンサIC20上に結像する。
[0149]
センサIC(受光部)20は、CMOSやCCDなどの固体撮像素子である。センサIC20は、信号処理基板19上にダイボンディングなどにより固定され、ワイヤボンディングなどにより他の素子などと電気的に接続されている。センサIC20は、ロッドレンズアレイ21と平行に延在するように配置される。センサIC20は、信号処理基板19により駆動され、ロッドレンズアレイ21を介して入射した光情報を電気信号に変換(光電変換)する。」

f「[0153]
ロッドレンズアレイ21は、導光体1及び導光体18から出射された光が読取対象17に反射した反射光を収束する結像光学系の一例である。ロッドレンズアレイ21は、光学部材(例えば、ロッドレンズアレイ、マクロレンズアレイなどのラインセンサ(センサアレイ)上に光を収束させるレンズアレイ)又は光学部材を複合したもの(例えば、縮小光学系のイメージセンサ(画像読取装置)を構成するレンズやミラー)である。
[0154]
本発明の実施の形態10では、ロッドレンズアレイ21を用いて説明するが、ロッドレンズアレイは、正立等倍のロッドレンズがイメージセンサの主走査方向に多数配列して枠体などで固定したものである。そのため、本発明の実施の形態10では、簡略化のため、主走査方向に細長い箱状の外形だけを図示する。また、ロッドレンズアレイ21の焦点は、読取対象が配置される面(読取対象が搬送される場合には、読取対象が搬送される面である読取対象搬送面)に適合するように調整されるとよい。
[0155]
信号処理基板19は、センサIC20が実装された回路基板であり、外部と接続可能なコネクタ(図示省略)を有する。信号処理基板19には、ロッドレンズアレイ21で収束された光を受光して光電変換するセンサIC20が、主走査方向に読み取り長さだけ配列して搭載されている。また、コネクタは、信号処理基板19のセンサIC(センサIC20)から光電変換された電気信号を画像信号として外部に出力する。
[0156]
信号処理基板19は、筐体6の他方の開口面にネジなどの固定手段によって固定される。固定手段には、ネジに限らず、ピン、リベットなどが採用されてもよい。また、前述した筐体6の一方の開口側に径が狭まった状態の段差部分と同様の段差部分(筐体6の他方の開口側に径が狭まった状態の段差部分)が、筐体6の他方の開口側に形成されてもよい。信号処理基板19は、この段差部分に嵌め込むことで固定されてもよい。さらに、前述のネジ、アタッチメントなどの固定手段が採用されてもよい。
[0157]
導光体1の端面からその内部へ入射した光は、導光体1の内部を長手方向に伝搬し、光変更面1aにて、例えば長手方向と直交する方向(のいずれか)へ、反射されて主光1h又は副光1iとして出射される。導光体18の端面からその内部へ入射した光は、導光体18の内部を長手方向に伝搬し、光変更面18aにて、例えば長手方向と直交する方向(のいずれか)へ、反射され、導光体1の副光1iが照射する方向へ出射される。導光体1からの副光1iと導光体18からの光とは、読取対象17で反射され、ロッドレンズアレイ21で収束され、センサIC20で結像される。導光体1からの主光1hは、読取対象17の副光1iが照射する箇所と異なる箇所を照射し、読取対象17を透過する。したがって、導光体1を用いることにより、異なる2箇所を照射する画像読取装置を提供することができる。
[0158]
本発明の実施の形態10では、実施の形態1の導光体1を用いた画像読取装置について説明した。しかし、画像読取装置には、実施の形態1に係る導光体1に代えて、実施の形態2?8のいずれか1つに係る導光体1が採用されてもよい。このような変形例においても、主光及び副光が実施の形態10の導光体1と同様に出射されるように画像読取装置に配置することによって、本実施の形態と同様の作用効果が得られる。」

(イ)引用出願1発明
g 上記記載事項eの段落[0148]に“ロッドレンズアレイ21は、導光体1及び導光体18から発せられて読取対象で反射した光をセンサIC20上に結像する。”とあり、段落[0149]に“センサIC20は、・・・ロッドレンズアレイ21を介して入射した光情報を電気信号に変換(光電変換)する。”とあり、また、上記記載事項fの段落[0155]に、“センサIC(センサIC20)から光電変換された電気信号を画像信号として外部に出力する。”とあることより、導光体1及びセンサIC20は、“読取対象の画像データを取得するため”のものであると言える。

h [図33]より、導光体1が読取対象17の一方の面に設けられていることは明らかである。

i 上記記載事項fの段落[0157]には、主光1hが読取対象17を透過することは記載されているものの、引用明細書等1には、読取対象を透過した光を受光するセンサに関する明示がない。
しかしながら、上記記載事項aの段落[0002]には、「読取対象の・・・透過光を・・・CMOSセンサやCCDセンサなどの光電変換素子上に結像させることで読取対象の光学情報を検出する。」と、上記記載事項dの段落[0137]には「読取対象17は、例えば、・・・透かしなどの透過光情報などを有する。」との記載があり、読取対象の反射光だけでなく透過光の情報も利用できることが示唆されている。
さらに、引用明細書等1には、読取対象を透過した主光1hが他の用途に用いられることの記載も示唆もないこと、画像読取装置において、透過光による画像と反射光による画像の両者を取得することは技術常識であること(特開2004-355261号公報(甲12)の段落【0044】?【0047】、特開平8-180236号公報の段落【0013】?【0017】、【図3】、特開2012-198188号公報の段落【0069】、【0098】?【0102】などを参照)等を考慮するに、読取対象を透過した光を受光するセンサが、読取対象17の導光体1と反対の面側に存在することは、引用明細書等1に記載されているに等しい事項である。

j 上記記載事項cに、「主光1hの光強度を、副光1iの光強度に比べて十分に強くすることができる。」と記載されていることより、引用明細書等1には、「主光1hの光量は副光1iの光量よりも大きい」ものが記載されていることは明らかである。

そこで、上記記載事項aないしf及び上記認定事項gないしjを、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、引用明細書等1には以下の発明(以下「引用出願1発明」という。)が記載されていると認める。

「搬送面を搬送される紙葉である読取対象17の画像データを取得するため、
搬送面を搬送される読取対象17の一方の面に設けられた導光体1と、
導光体1から発せられて、読取対象17で反射した光を受光するセンサIC20と、
搬送面を搬送される読取対象17の導光体1と反対の面側に設けられ、搬送される読取対象17を透過した光を受光するセンサとを有する画像読取装置において、
導光体1が、読取対象17で反射され、センサIC20で結像される副光1iと、読取対象17を透過する主光1hを集光して照射し、
主光1hの光量は副光1iの光量よりも大きい、
画像読取装置」


イ 判断
(本件発明2について)
本件発明2と引用出願1発明とを対比するに、その構成及び機能から見て、引用出願1発明の「画像読取装置」が、本件発明2の「画像取得装置」に相当し、以下、「紙葉である読取対象17」及び「読取対象17」が「紙葉類」に、「搬送面」が「搬送路」に、「導光体1」が「第1光源」に、「ICセンサ20」が「第1受光センサ」に、「発せられて」が「照射され」に、「反射した光」が「反射された光」に、「搬送される読取対象17を透過した光を受光するセンサ」が「第2受光センサ」に、「導光体1と反対の面側」が「他方の面側」に、各々相当する。
また、引用出願1発明における「副光1i」、「主光1h」の方向が、各々、本件発明2の「第1の方向」、「第2の方向」に相当し、「集光して照射し」が「指向性を持った光を発し」に相当する。
よって、本件発明2は、引用明細書等1に記載された発明と同一である。

(本件発明9について)
本件発明9と引用出願1発明とを対比するに、両者は、以下の点でのみ一応相違し、その他の点で一致するものと認められる。

<相違点1>
本件発明9においては、第1受光センサによる搬送される紙葉類からの反射光の受光と、第2受光センサによる透過光の受光とを同時に行うのに対して、引用出願1発明においては、センサIC20による紙葉である読取対象17からの反射光の受光と、センサによる透過光の受光とを行うものであるものの、両者の受光を同時に行うものであるか否かが不明である点

上記相違点1について検討するに、上記記載事項bの段落[0025]には、“導光体1の内部に入射した光は、導光体1の内部に入射した光を主光1hと副光1iとに変更(分岐)される。”と記載されていることより、引用明細書等1には、導光体1に入射した光が、主光1hと副光1iとに分岐され、両者が同時に照射されることが記載されていると認められる。しかるに、主光1hと副光1iとの発光を同時に行うものであれば、それらに対応する受光を同時に行うことは、技術常識であると言える。
また、紙幣判別の分野において、反射光と透過光とを同時に受光することは、特開平8-180236号公報の段落【0013】?【0017】、【図3】などに開示されていることからも、技術常識と言える。
よって、本件発明9は、引用明細書等1に実質的に記載されたものであるから、本件発明9は、引用明細書等1に記載された発明と同一である。


(本件発明12について)
本件発明12は、本件発明2と実質的にカテゴリが異なるのみであり、本件発明2と同様に、引用明細書等1に記載された発明と同一である。



(3)取消理由4について
当該取消理由は、「前記第2光源」なる特定事項を有する訂正前の請求項6、7、10に、「第2光源」について特定している請求項3を直接にも間接的にも引用しないものが含まれていることに起因するものであったところ、本件訂正により、請求項6、7、10は、請求項3を直接又は間接的に引用するものに特定されたため、当該取消理由は解消した。


4 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
ア 特許法第29条第2項について
申立人は、訂正前の請求の範囲2-10、12に関し、甲1ないし甲3、甲5、甲6、甲8、甲10ないし甲12、及び、特開2005-114866号公報(甲4)、特開2007-281586号公報(甲7)、特開2003-315931号公報(甲9)を挙げ、当該請求の範囲に係る発明が、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであると主張している。
しかしながら、甲1の画像読取装置においては、透過光が、導光部からの漏れ光であり、原稿の外形形状の検出等に用いられるものである(段落【0063】?【0064】参照)。
一方、甲3の画像読取装置は、透過光が、原稿の両面の画像の取得に用いられるものであり(段落【0023】等参照)、また、甲4の画像形成装置は、透過光により記録材の種類を判別するものであり(段落【0011】等参照)、いずれも、甲1に記載された発明とは、透過光の光源及び用途が異なるものである。
そのため、たとえ甲3及び甲4に、“原稿を透過する分だけ透過光の方が反射光よりも多くの光量が必要となる”ことが示されていたとしても、それらとは透過光の光源及び用途が異なる甲1に記載された発明において、当該事項を採用する理由がないから、かかる主張には理由がない。
また、甲2、甲5ないし12のいずれの文献にも、”透過光の光量が反射光の光量よりも大きい”ことに関する記載はない。
よって、本件発明2、12は、甲1ないし甲12に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

また、上記のように、本件発明2が、甲1ないし甲12に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない以上、当該発明の発明特定事項を全て有しつつ、更に限定したものである、本件発明3ないし10も、甲1ないし甲12に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。


5 小括
本件発明2、9、12は、上記3(2)のとおり、引用出願1発明と同一であるから、本件発明2、9、12に係る特許は、特許法第29条の2の規定に反してされたものである。
また、本件発明3ないし8、10は、訂正により本件発明2を直接又は間接的に引用するものとされているところ、これらの発明は、上記2及び3(1)のとおり、取消理由通知において取消理由1、2、3-1及び3-2の対象とされておらず、上記3(3)のとおり、取消理由4は解消しており、また、上記4のとおり、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことができないものである。

(補足)
申立人は、平成30年4月20日に上申書を提出したところ、新たに主張された理由は、訂正の請求の内容に付随して生じた理由ではなく、実質的に新たな理由を提示するものであり、特許異議の申立ての期間が特許掲載公報の発行の日から6月以内に制限されている趣旨を踏まえ、これを新たな取消理由としては採用しない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件発明2、9、12は、引用出願1発明と同一であるから、本件発明2、9、12に係る特許は、特許法第29条の2の規定に反してされたものである。したがって、本件発明2、9、12に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
また、本件発明3ないし8、10に係る特許については、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。さらに、他に本件発明3ないし8、10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項1及び11に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項1及び11に対して申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
搬送路を搬送される紙葉類の画像データを取得するために、
前記搬送路を搬送される紙葉類の一方の面の側に設けられた第1光源と、
前記第1光源から照射され、前記搬送される紙葉類によって反射された光を受光する第1受光センサと、
前記搬送路を前記搬送される紙葉類の他方の面の側に設けられ、前記搬送される紙葉類を透過した光を受光する第2受光センサとを有する画像取得装置において、
前記第1光源が前記第1受光センサに前記搬送される紙葉類からの反射光を供給するための第1の方向及び前記第2受光センサに透過光を供給するための第2の方向の両方の指向性を持った光を発し、
前記第2の方向に照射する光量は、前記第1の方向に照射する光量よりも大きい
ことを特徴とする画像取得装置。
【請求項3】
前記第2受光センサと同一の面の側に設けられた第2光源をさらに備え、
前記第1受光センサは、前記第1光源から照射された光が前記紙葉類の一方の面により反射した第1反射光を受光し、
前記第2受光センサは、前記第2光源から照射された光が前記紙葉類の他方の面により反射した第2反射光を受光するとともに、前記第1光源から照射された光が前記紙葉類を透過した透過光を受光する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像取得装置。
【請求項4】
前記第1受光センサと同一の面側で、前記第1光源と前記第1受光センサの前後を反対にした位置に第3光源を設けるとともに、前記第2受光センサと同一面側の前記第2受光センサの前後の双方に前記第2及び第4光源を更に設けることを特徴とする請求項3に記載の画像取得装置。
【請求項5】
前記第2受光センサが前記透過光を受光する場合の光電荷の蓄積時間は、前記第1受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合の光電荷の蓄積時間並びに/若しくは前記第2受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合の光電荷の蓄積時間よりも長いことを特徴とする請求項2?4のいずれか一つに記載の画像取得装置。
【請求項6】
前記第2受光センサが前記透過光を受光する場合の前記第1光源による照射時間は、前記第1受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合の前記第1光源による照射時間並びに/若しくは前記第2受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合の前記第2光源による照射時間よりも長いことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像取得装置。
【請求項7】
前記第2受光センサが前記透過光を受光する場合に前記第1光源に供給される発光電流は、前記第1受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合に前記第1光源に供給される発光電流並びに/若しくは前記第2受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光する場合に前記第2光源に供給される発光電流よりも大きいことを特徴とする請求項3、4又は6に記載の画像取得装置。
【請求項8】
前記第2受光センサが前記透過光を受光した場合の前記第2受光センサの出力に対する増幅率は、前記第1受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光した場合の前記第1受光センサの出力に対する増幅率並びに/若しくは前記第2受光センサが前記搬送される紙葉類からの反射光を受光した場合の前記第2受光センサの出力に対する増幅率よりも大きいことを特徴とする請求項2?7のいずれか一つに記載の画像取得装置。
【請求項9】
前記第1受光センサによる前記搬送される紙葉類からの反射光の受光と、前記第2受光センサによる前記透過光の受光とを同時に行うことを特徴とする請求項2?8のいずれか一つに記載の画像取得装置。
【請求項10】
前記第1光源及び/又は前記第2光源は、波長の異なる光を時分割で照射し、少なくとも前記第1光源及び/又は前記第2光源による照射時間、前記第1光源及び/又は前記第2光源に対して供給される発光電流、前記第1受光センサ及び前記第2受光センサによる光電荷の蓄積時間並びに/若しくは前記第1受光センサ及び前記第2受光センサの出力に対する増幅率のいずれか1つが、前記波長に応じて異なることを特徴とする請求項3、4、6又は7に記載の画像取得装置。
【請求項11】
(削除)
【請求項12】
搬送路を搬送される紙葉類の画像データを取得する画像取得方法であって、
前記搬送路を搬送される紙葉類の一方の面の側に設けられた第1光源が、前記紙葉類の一方の面により反射した光が第1受光センサにより受光される第1の方向に所定の光量の光を照射するとともに、前記紙葉類を透過した光が前記搬送路の他方に設けられた第2受光センサにより受光される第2の方向に前記第1の方向に照射する光量よりも大きい光量の光を照射して、2方向に対して指向性を有した光を同時に照射する第1照射ステップと、
前記第1光源から照射された光が前記紙葉類の一方の面により反射した第1反射光を前記第1受光センサが受光する第1反射光受光ステップと、
前記第1光源から照射された光が前記紙葉類を透過した透過光を前記第2受光センサが受光する透過光受光ステップと
を含んだことを特徴とする画像取得方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-05-29 
出願番号 特願2015-514723(P2015-514723)
審決分類 P 1 651・ 16- ZDA (G07D)
P 1 651・ 113- ZDA (G07D)
P 1 651・ 121- ZDA (G07D)
P 1 651・ 572- ZDA (G07D)
P 1 651・ 537- ZDA (G07D)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 永安 真  
特許庁審判長 内藤 真徳
特許庁審判官 関谷 一夫
船越 亮
登録日 2016-12-16 
登録番号 特許第6058792号(P6058792)
権利者 グローリー株式会社
発明の名称 画像取得装置及び画像取得方法  
代理人 中辻 史郎  
代理人 諏訪 淳一  
代理人 中辻 史郎  
代理人 諏訪 淳一  

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