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審決分類 |
審判 一部無効 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) C09K |
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管理番号 | 1349013 |
審判番号 | 無効2018-800022 |
総通号数 | 232 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-04-26 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2018-02-22 |
確定日 | 2019-01-21 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第5525517号発明「ハイドロフルオロオレフィン組成物」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5525517号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?22〕について訂正することを認める。 本件特許無効審判の請求を却下する。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 手続の経緯等 1 本件特許無効審判に係る特許 本件特許無効審判に係る特許第5525517号は、被請求人であるアルケマ フランスが所有するものであって、その出願は、2009年5月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2008年6月11日、フランス(FR))を国際出願日とする出願であって、特願2011-513026号として審査され、平成26年4月18日に、発明の名称を「ハイドロフルオロオレフィン組成物」、請求項の数を「12」として特許権の設定登録を受けたものである。 2 本件特許無効審判における手続の経緯 本件特許無効審判は、請求人であるザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニーより、平成30年2月22日に請求されたものであって、これに対して、被請求人より、同年6月5日に審判事件答弁書及び訂正請求書が提出されたものである。 第2 両当事者の主張の概要 1 請求の趣旨 特許第5525517号発明の特許請求の範囲の請求項1、3、7、8及び9に記載された発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。 2 答弁の趣旨 特許第5525517号に関する訂正請求による訂正を認める、本件請求は成り立たない、審判費用は、審判請求人の負担とする、との審決を求める。 第3 本件訂正の適否について 平成30年6月5日付けの訂正請求は、特許法第134条の2第2項及び第3項の規定に従い、特許請求の範囲について、請求項ごとに、かつ、一群の請求項を構成する請求項1?12を訂正の単位として請求されたものであるところ、当審は、当該訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)は適法になされたものであり認容すべきものである、と判断する。 その理由は、以下のとおりである。 1 訂正事項 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から15重量%と、HFC-134aを40から60重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。」とあるのを、独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から15重量%と、HFC-134aを40から60重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含むことを特徴とする、組成物。」に訂正する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを10重量%と、HFC-134aを50重量%とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。」とあるうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを10重量%と、HFC-134aを50重量%とを含むことを特徴とする、組成物。」に訂正する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを40重量%と、HFC-134aを20重量%とを含むことを特徴とする、請求項1または3のいずれか一項に記載の組成物。」とあるうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを40重量%と、HFC-134aを20重量%とを含むことを特徴とする、組成物。」に訂正する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に「HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。」とあるうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、組成物。」に訂正する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9を削除する。 (10) 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含む発泡剤。」とあるうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含む発泡剤。」に訂正する。 (11) 訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含む溶剤。」とあるうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含む溶剤。」に訂正する。 (12) 訂正事項12 特許請求の範囲の請求項12に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含むエアゾール。」とあるうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含むエアゾール。」に訂正する。 (13) 訂正事項13 特許請求の範囲の請求項4に「HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを10重量%と、HFC-134aを50重量%とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。」とあるうち、請求項2を引用するものについて「HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを10重量%と、HFC-134aを50重量%とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。」と記載し、新たに請求項13とする。 (14) 訂正事項14 特許請求の範囲の請求項5に「HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを40重量%と、HFC-134aを20重量%とを含むことを特徴とする、請求項1または3のいずれか一項に記載の組成物。」とあるうち、請求項3を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含み、HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを40重量%と、HFC-134aを20重量%とを含むことを特徴とする、組成物。」と記載し、新たに請求項14とする。 (15) 訂正事項15 特許請求の範囲の請求項6に「HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。」とあるうち、請求項3を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含み、HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、組成物。」と記載し、新たに請求項15とする。 (16) 訂正事項16 特許請求の範囲の請求項6に「HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。」とあるうち、請求項2、4、5を引用するものについて「HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、請求項2、4、5、13及び14のいずれか一項に記載の組成物。」と記載し、新たに請求項16とする。 なお、上記訂正事項13、14のとおり、請求項13は、請求項4のうち請求項2を引用するものについて新たな請求項としたものであり、請求項14は、請求項5のうち請求項3を引用するものについて新たな請求項としたものである。 (17) 訂正事項17 特許請求の範囲の請求項10に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含む発泡剤。」とあるうち、請求項3を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含む発泡剤であって、前記組成物が、HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含むことを特徴とする、発泡剤。」と記載し、新たに請求項17とする。 (18) 訂正事項18 特許請求の範囲の請求項10に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含む発泡剤。」とあるうち、請求項2、4?6を引用するものについて「請求項2、4から6及び13から16のいずれか一項に記載の組成物を含む発泡剤。」と記載し、新たに請求項18とする。 なお、上記訂正事項13?16のとおり、請求項13は、請求項4のうち請求項2を引用するものについて新たな請求項としたもの、請求項14は、請求項5のうち請求項3を引用するものについて新たな請求項としたもの、請求項15は、請求項6のうち請求項3を引用するものについて新たな請求項としたもの、そして請求項16は、請求項6のうち請求項2、4、5を引用するものについて新たな請求項としたものである。 (19) 訂正事項19 特許請求の範囲の請求項11に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含む溶剤。」とあるうち、請求項3を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含む溶剤であって、前記組成物が、HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含むことを特徴とする、溶剤。」と記載し、新たに請求項19とする。 (20) 訂正事項20 特許請求の範囲の請求項11に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含む溶剤。」とあるうち、請求項2、4?6を引用するものについて「請求項2、4から6及び13から16のいずれか一項に記載の組成物を含む溶剤。」と記載し、新たに請求項20とする。 なお、上記訂正事項13?16のとおり、請求項13は、請求項4のうち請求項2を引用するものについて新たな請求項としたもの、請求項14は、請求項5のうち請求項3を引用するものについて新たな請求項としたもの、請求項15は、請求項6のうち請求項3を引用するものについて新たな請求項としたもの、そして請求項16は、請求項6のうち請求項2、4、5を引用するものについて新たな請求項としたものである。 (21) 訂正事項21 特許請求の範囲の請求項12に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含むエアゾール。」とあるうち、請求項3を引用するものについて独立形式に改め、「2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含むエアゾールであって、前記組成物が、HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含むことを特徴とする、エアゾール。」と記載し、新たに請求項21とする。 (22) 訂正事項22 特許請求の範囲の請求項12に「請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を含むエアゾール。」とあるうち、請求項2、4?6を引用するものについて「請求項2、4から6及び13から16のいずれか一項に記載の組成物を含むエアゾール。」と記載し、新たに請求項22とする。 なお、上記訂正事項13?16のとおり、請求項13は、請求項4のうち請求項2を引用するものについて新たな請求項としたもの、請求項14は、請求項5のうち請求項3を引用するものについて新たな請求項としたもの、請求項15は、請求項6のうち請求項3を引用するものについて新たな請求項としたもの、そして請求項16は、請求項6のうち請求項2、4、5を引用するものについて新たな請求項としたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否についての検討 (1) 訂正事項1、3、7?9について ア 訂正の目的の適否 訂正事項1、3、7?9は、訂正前の請求項1、3、7?9の記載を削除するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項1、3、7?9は、訂正前の請求項1、3、7?9の記載を削除するものであるから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1、3、7?9は、訂正前の請求1、3、7?9の記載を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (2) 訂正事項2、4?6、10?12について ア 訂正の目的の適否 訂正事項2、4?6、10?12は、それぞれ訂正前の請求項2、4?6、10?12のうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改めるものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項2、4?6、10?12は、それぞれ引用形式請求項として記載された訂正前の請求項2、4?6、10?12の全部又は一部を独立形式請求項に改めるものであるから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2、4?6、10?12は、それぞれ引用形式請求項として記載された訂正前の請求項2、4?6、10?12の全部又は一部を独立形式請求項に改めるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (3) 訂正事項14、15、17、19、21について ア 訂正の目的の適否 訂正事項14、15、17、19、21は、それぞれ訂正前の請求項5、6、10、11、12のうち、請求項3を引用するものについて独立形式に改めるものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項14、15、17、19、21は、それぞれ引用形式請求項として記載された訂正前の請求項5、6、10、11、12の一部を独立形式請求項に改めるものであるから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項14、15、17、19、21は、それぞれ引用形式請求項として記載された訂正前の請求項5、6、10、11、12の一部を独立形式請求項に改めるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (4) 訂正事項13、16、18、20、22について ア 訂正の目的の適否 訂正前の請求項4、6、10?12のうち、請求項1又は請求項3を引用するものについては、上記訂正事項(訂正事項4、6、10?12又は訂正事項15、17、19、21)により独立形式に改められたところ、訂正事項13、16、18、20、22は、それぞれ訂正前の請求項4、6、10?12のうち、上記訂正前の請求項1又は請求項3以外の請求項を引用するものについて記載するように改めるものであり、これは、他の請求項である請求項1又は請求項3の記載を引用する記載を、当該他の請求項を引用しないものとする訂正であるから、特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものといえる。 また、当該訂正事項13、16、18、20、22は、それぞれ訂正前の請求項4、6、10?12のうち、上記請求項1又は請求項3以外の請求項を引用するものについて書き改め、上記訂正事項(請求項1又は請求項3を引用するものを独立形式に改める訂正事項4、6、10?12又は訂正事項15、17、19、21)との整合を図るものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものということもできる。 イ 新規事項の有無 訂正事項13、16、18、20、22は、訂正前の請求項4、6、10?12のうち、訂正前の請求項1又は請求項3以外の請求項を引用するものについて記載するように改めるものであるから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項13、16、18、20、22は、訂正前の請求項4、6、10?12のうち、訂正前の請求項1又は請求項3以外の請求項を引用するものについて記載するように改めるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 3 本件訂正の適否についてのまとめ 以上のとおり、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものであるから、特許第5525517号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?22〕について訂正することを認める。 なお、本件訂正は、引用関係を解消する訂正及び請求項を削除する訂正をするものであるが、引用関係解消の求めはなされていないため、訂正後の請求項1?22を一群の請求項として扱った。 第4 本件特許無効審判の請求について 本件特許無効審判の請求は、請求項1、3、7、8及び9を対象とするところ、上記のとおり、これらの請求項は、適法になされた上記本件訂正により削除されたため、当該請求の対象は存在しないこととなった。 したがって、本件特許無効審判の請求は、不適法な審判の請求であって、その補正をすることができないものというべきであるから、特許法第135条の規定によって却下すべきものである。 そして、審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (削除) 【請求項2】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から15重量%と、HFC-134aを40から60重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含むことを特徴とする、 組成物。 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、 HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを10重量%と、HFC-134aを50重量%とを含むことを特徴とする、 組成物。 【請求項5】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、 HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを40重量%と、HFC-134aを20重量%とを含むことを特徴とする、 組成物。 【請求項6】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、 HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、 組成物。 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 (削除) 【請求項10】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含む発泡剤。 【請求項11】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含む溶剤。 【請求項12】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含むエアゾール。 【請求項13】 HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを10重量%と、HFC-134aを50重量%とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。 【請求項14】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、 HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含み、 HFC-32を40重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを40重量%と、HFC-134aを20重量%とを含むことを特徴とする、 組成物。 【請求項15】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物であって、 HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含み、 HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、 組成物。 【請求項16】 HFC-32、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、およびHFC-134aからなることを特徴とする、請求項2、4、5、13及び14のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項17】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含む発泡剤であって、 前記組成物が、HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含むことを特徴とする、 発泡剤。 【請求項18】 請求項2、4から6及び13から16のいずれか一項に記載の組成物を含む発泡剤。 【請求項19】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含む溶剤であって、 前記組成物が、HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含むことを特徴とする、 溶剤。 【請求項20】 請求項2、4から6及び13から16のいずれか一項に記載の組成物を含む溶剤。 【請求項21】 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを5から65重量%と、HFC-134aを5から70重量%と、HFC-32を25から42重量%とを含む組成物を含むエアゾールであって、 前記組成物が、HFC-32を25から42重量%と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを30から55重量%と、HFC-134aを20から35重量%とを含むことを特徴とする、 エアゾール。 【請求項22】 請求項2、4から6及び13から16のいずれか一項に記載の組成物を含むエアゾール。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2018-08-22 |
結審通知日 | 2018-08-24 |
審決日 | 2018-09-11 |
出願番号 | 特願2011-513026(P2011-513026) |
審決分類 |
P
1
123・
832-
XA
(C09K)
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最終処分 | 審決却下 |
前審関与審査官 | 吉田 邦久 |
特許庁審判長 |
冨士 良宏 |
特許庁審判官 |
日比野 隆治 天野 宏樹 |
登録日 | 2014-04-18 |
登録番号 | 特許第5525517号(P5525517) |
発明の名称 | ハイドロフルオロオレフィン組成物 |
代理人 | 岩崎 利昭 |
代理人 | 特許業務法人川口國際特許事務所 |
代理人 | 内田 淳子 |
代理人 | 伊藤 勝久 |
代理人 | 特許業務法人川口國際特許事務所 |
代理人 | 梅田 幸秀 |