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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 特29条の2 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1365291
審判番号 不服2019-8806  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-07-01 
確定日 2020-08-11 
事件の表示 特願2017-546950「アップリンクSPUCCHにおける短縮PUCCH」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 9月15日国際公開、WO2016/144243、平成30年 6月 7日国内公表、特表2018-514972〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2016年(平成28年)3月9日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2015年3月9日 米国)を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯の概略は以下のとおりである。

平成29年 9月 6日 :手続補正書の提出
平成30年 8月29日付け:拒絶理由通知書
平成31年 3月 1日 :意見書,手続補正書の提出
平成31年 3月26日付け:拒絶査定
令和 1年 7月 1日 :拒絶査定不服審判の請求,手続補正書の提


第2 令和1年7月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
令和1年7月1日にされた手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正の概要
本件補正は,平成31年3月1日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された
「 第1のワイヤレスデバイス(50)における方法(1700)であって,
第1のサブフレームインターバルにおいて,第2のワイヤレスデバイス(30)からの第1のデータ送信信号を受信すること(1710)であって,前記第1のデータ送信信号は,前記第1のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で受信される,ことと,
後続のサブフレームインターバルにおいて,前記後続のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で,前記第2のワイヤレスデバイス(30)へ,ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及び/又はチャネル状態情報(CSI)を送信すること(1720)であって,前記後続のサブフレームインターバルの前記最大データ送信時間長は,1ミリ秒であり,14個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルからなる,ことと,
を含む方法(1700)。」
との発明(以下,「本願発明」という。)を,
「 第1のワイヤレスデバイス(50)における方法(1700)であって,
第1のサブフレームインターバルにおいて,第2のワイヤレスデバイス(30)からの第1のデータ送信信号を受信すること(1710)であって,前記第1のデータ送信信号は,前記第1のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で受信される,ことと,
後続のサブフレームインターバルにおいて,前記後続のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で,前記第2のワイヤレスデバイス(30)へ,ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)を送信すること(1720)であって,前記後続のサブフレームインターバルの前記最大データ送信時間長は,1ミリ秒であり,14個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルからなる,ことと,
を含む方法(1700)。」(下線は補正箇所を示す。)
との発明(以下,「補正後の発明」という。)に補正することを含むものである。

2 補正の適否

(1)新規事項の有無,シフト補正の有無,補正の目的要件
請求項1についての上記補正は,本件補正前の請求項1の「ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及び/又はチャネル状態情報(CSI)」を「ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)」とする補正であって,択一的記載の要素を削除する限定を行い特許請求の範囲を減縮するものである。したがって,上記補正は,特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項を目的とするものであり,同条第3項,同第4項の規定に違反するところはない。

(2)独立特許要件
上記補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから,補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのか否かについて,以下検討する。

ア 補正後の発明
補正後の発明は,「第2」の項中の「1 本件補正の概要」の「補正後の発明」のとおりのものと認める。

イ 先願発明
原査定の拒絶の理由に先願として引用された,PCT/US2015/048895号(国際出願日2015年9月8日,パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年9月8日 米国 2015年8月12日 米国,出願人 インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド,国際公開第2016/040290号)の明細書(以下,「先願明細書」という。)には,以下の事項が図面と共に記載されており,当該事項は本願の優先日以前の2014年9月8日に米国に出願された先願の優先権基礎出願(62/047,610)において開示されている。(下線は当審が付与。また,先願明細書の段落番号の直後に,前記優先基礎出願における段落番号を括弧書きで併記する。)

ここで,先願に係る発明をした者と本願の発明者とは同一ではなく,また本願の出願時において,本願の出願人と先願の出願人とは同一ではない。

「[0076]([0064]) The TTI duration may be defined in terms of number of OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) symbols. For example, a TTI duration may be defined as an entire subframe or a pair of resource blocks (PRB or Physical Resource Blocks) (e.g., 14 OFDM symbols for normal cyclic prefix and 12 OFDM symbols for extended cyclic prefix). The TTI may be as short as a single OFDM symbol. The TTI duration may be defined as one or more time slots (e.g., 7 OFDM symbols for normal cyclic prefix and 6 OFDM symbols for extended cyclic prefix). A combination of the above TTI durations can be used.
(中略)
[0083]([0065]) The WTRU may determine that it may operate with a specific TTI duration (e.g., subframe TTI duration, time-slot TTI duration). The WTRU may be configured to operate with certain, but different TTI duration, configurations in the downlink and in the uplink. The WTRU may be configured, such that the same TTI duration configuration is used in the downlink and in the uplink for the applicable transmissions.
(中略)
[0088]([0070]) There may be channel/signal - specific TTI duration. Different channels and signals may have different TTI durations, e.g., at the same time. For example, PDSCH may be segregated into one or more, or multiple, types depending on the logical channel it services. For example, a PDSCH used for SI may use subframe TTI duration; a PDSCH used for dedicated traffic may use RB time-slot TTI duration. Channels (e.g., one or more, or all, channels) associated with DL-SCH may use a first TTI duration. Channels (e.g., one or more, or all, channels) associated with UL-SCH may use a second TTI duration.
[0089]([0071]) The (E)PDCCH may be of a different TTI duration than a PDSCH. For example, the EPDCCH may be subframe TTI duration, perhaps while the PDSCH may be time-slot TTI duration. The PDCCH for time-slot duration may be located in the first { 1,2,3,4} OFDM symbols of a time-slot.
(中略)
[0138]([0093]) Scheduling using short TTI EPDCCH may be disclosed. Scheduling of PDSCH assignments or PUSCH grants using EPDCCH may require using the reuse of the same TTI duration for one or more, or each, channel, e.g., described by example with reference to FIG. 5. An EPDCCH located in a subset of symbols may assign (or grant) PDSCH (or PUSCH) resources in the same subset of symbols, e.g., with a fixed time offset. Short TTI duration for EPDCCH may lead to short TTI duration for PDSCH or PUSCH. The size and/or location of a TTI used for EPDCCH may be reused for PDSCH and/or PUSCH. The TTI duration and/or location of the PDSCH or PUSCH might not be tied to the TTI duration and/or location of the EPDCCH. For example, the EPDCCH may be located in a subset of symbols (e.g., a first time- slot); the assigned (and/or granted) PDSCH (and/or PUSCH) resources may be for the entire subframe (e.g., full subframe TTI). The EPDCCH and/or PDSCH and/or PUSCH may use reduced TTI duration. The EPDCCH may be located in (e.g., only in) a first subset of symbols. The EPDCCH in a first subset of symbols may assign (and/or grant) PDSCH (and/or PUSCH) resources in a second subset of symbols. For example, an EPDCCH in a first time slot may assign (and/or grant) PDSCH (and/or PUSCH) resources in a first time-slot and/or a second time- slot, e.g., in a cross-TTI scheduling manner.
(中略)
[0160]([0105]) The PUCCH may be located at the edges of the overall available spectrum. This may maximize frequency diversity. The same SC-FDMA symbols may be reused to transmit PUCCH at both edges of the overall bandwidth. For example, in single time-slot TTI duration, PUCCH format 1 can repeat the same data in two RBs located at one or more, or each, edge of the available bandwidth and in the same time slot, e.g., as shown for example in FIG. 6. Cyclic shift and OCC sequence randomization may be defined per RB of PUCCH, e.g., rather than per time slot. The PUCCH resource may be transmitted at the edges of the bandwidth and may occupy half (e.g., only half) of the reduced TTI subset of symbols in a similar manner as for subframe TTI duration (e.g., as in FIG. 7). Legacy PUCCH format 2 and 3 may not repeat the same transmissions at the edges of the available bandwidth. Nevertheless, similar to single time-slot TTI PUCCH format 1, single time-slot TTI PUCCH format 2 and/or 3 may use two RBs, one or more, or each, located at the edge of the available bandwidth and/or in the same time slot. For PUCCH format 2 and/or 3, the RBs at one or more, or each, edge of the same time slot might not be a repeat of the same data, but may instead include different UCI bits.


(当審註:FIG.5について,優先基礎出願のFIG.4に対応する記載がある)

(当審註:FIG.6について,優先基礎出願のFIG.5に対応する記載がある)


(当審仮訳:
[0076]([0064]) TTI持続時間は,OFDM(直交周波数分割多重)シンボルの数によって定義され得る。例えばTTI持続時間は,サブフレーム全体,またはリソースブロック(PRBすなわち物理リソースブロック)のペアとして定義され得る(例えば通常のサイクリックプレフィックスに対して14個のOFDMシンボル,および拡張サイクリックプレフィックスに対して12個のOFDMシンボル)。TTIは,単一のOFDMシンボルまで短くなり得る。TTI持続時間は,1または複数のタイムスロットとして定義され得る(例えば通常のサイクリックプレフィックスに対して7個のOFDMシンボル,および拡張サイクリックプレフィックスに対して6個のOFDMシンボル)。上記のTTI持続時間の組み合わせが用いられ得る。
(中略)
[0083]([0065]) WTRUは,それが特定のTTI持続時間(例えばサブフレームTTI持続時間,タイムスロットTTI持続時間)により動作し得ることを決定することができる。WTRUは,ダウンリンクにおいておよびアップリンクにおいて,一定であるが異なるTTI持続時間,構成により動作するように構成され得る。WTRUは,適用可能な送信に対してダウンリンクにおいておよびアップリンクにおいて同じTTI持続時間構成が用いられるように構成され得る。
(中略)
[0088]([0070]) チャネル/信号固有のTTI持続時間が存在し得る。異なるチャネルおよび信号は,例えば同時に,異なるTTI持続時間を有し得る。例えばPDSCHは,それがサービスする論理チャネルに応じて,1または複数,または複数のタイプに分離され得る。例えばS1のために用いられるPDSCHはサブフレームTTI持続時間を用いることができ,専用のトラフィックのために用いられるPDSCHはRBタイムスロットTTI持続時間を用いることができる。DL-SCHに関連付けられたチャネル(例えば1または複数,または全てのチャネル)は,第1のTTI持続時間を用いることができる。UL-SCHに関連付けられたチャネル(例えば1または複数,または全てのチャネル)は,第2のTTI持続時間を用いることができる。
[0089]([0071]) (E)PDCCHは,PDSCHとは異なるTTI持続時間となり得る。例えばEPDCCHはサブフレームTTI持続時間とすることができ,恐らく一方,PDSCHはタイムスロットTTI持続時間とすることができる。タイムスロット持続時間に対するPDCCHは,タイムスロットの最初の{1,2,3,4}OFDMシンボルに位置し得る。
(中略)
[0138]([0093]) 短縮TTI EPDCCHを用いたスケジューリングが開示され得る。EPDCCHを用いたPDSCH割り当てまたはPUSCH許可のスケジューリングは,1または複数の,または各チャネルに対して同じTTI持続時間の再使用を用いることを必要とし,例えば図5を参照した例によって述べられる。シンボルのサブセット内に位置するEPDCCHは,例えば固定の時間オフセットにより,シンボルの同じサブセットにおいてPDSCH(またはPUSCH)リソースを割り当て(または許可)することができる。EPDCCHに対する短縮TTI持続時間は,PDSCHまたはPUSCHに対する短縮TTI持続時間に繋がり得る。EPDCCHのために用いられるTTIのサイズおよび/または位置は,PDSCHおよび/またはPUSCHのために再使用され得る。PDSCHまたはPUSCHのTTI持続時間および/または位置は,EPDCCHのTTI持続時間および/または位置に結び付けられない場合がある。例えばEPDCCHはシンボルのサブセット(例えば第1のタイムスロット)内に位置することができ,割り当てられた(および/または許可された)PDSCH(および/またはPUSCH)リソースは,サブフレーム全体に対するものとすることができる(例えば全サブフレームTTI)。EPDCCHおよび/またはPDSCHおよび/またはPUSCHは,縮小型TTI持続時間を用いることができる。EPDCCHは,第1のシンボルのサブセット内(例えばのみ)に位置し得る。第1のシンボルのサブセット内のEPDCCHは,第2のシンボルのサブセット内に,PDSCH(および/またはPUSCH)リソースを割り当てる(および/または許可する)ことができる。例えば第1のタイムスロット内のEPDCCHは,例えば交差的なTTIスケジューリングのやり方で,第1のタイムスロットおよび/または第2のタイムスロット内に,PDSCH(および/またはPUSCH)リソースを割り当て(および/または許可)することができる。
(中略)
[0160]([0105]) PUCCHは,使用可能なスペクトル全体の縁部に位置し得る。これは周波数ダイバーシティを最大化し得る。帯域幅全体の両方の縁部においてPUCCHを送信するために,同じSC-FDMAシンボルが再使用され得る。例えば図6に示されるように,例えば単一タイムスロットTTI持続時間において,PUCCHフォーマット1は,使用可能帯域幅の1または複数の,または各縁部に位置する2つのRBにおいて,および同じタイムスロットにおいて,同じデータを繰り返すことができる。循環シフトおよびOCCシーケンスランダム化は,例えばタイムスロットごとではなく,PUCCHのRBごとに定義され得る。PUCCHリソースは帯域幅の縁部において送信されることができ,サブフレームTTI持続時間に対するのと同様なやり方で,シンボルの縮小型TTIサブセットの半分(例えば半分のみ)を占有することができる(例えば図7のように)。レガシーPUCCHフォーマット2および3は,使用可能帯域幅の縁部において同じ送信を繰り返すことはできない。それでも単一タイムスロットTTI PUCCHフォーマット1と同様に,単一タイムスロットTTI PUCCHフォーマット2および/または3は,1または複数,またはそれぞれが使用可能帯域幅の縁部におよび/または同じタイムスロット内に位置する,2つのRBを用いることができる。PUCCHフォーマット2および/または3に対しては,1または複数の,またはそれぞれの,同じタイムスロットの縁部におけるRBは,同じデータの繰り返しではない場合があるが,代わりに異なるUCIビットを含むことができる。

(図面は省略)
)

上記の記載,並びに当業者の技術常識を考慮すると,

(ア)[0076]の「TTI持続時間は,1または複数のタイムスロットとして定義され得る(例えば通常のサイクリックプレフィックスに対して7個のOFDMシンボル」との記載,及び[0083]の記載によれば,通常のサイクリックプレフィックスを用いる場合,WTRUは,ダウンリンク及びアップリンクにおいて,7個のOFDMシンボルから定義されるタイムスロットTTI持続時間により動作することが記載されているといえる。
また,[0088],[0089]の記載によれば,PDSCHはタイムスロットTTI持続時間を用いることができるといえる。更に,図5によれば,タイムスロットTTI持続時間を用いるPDSCHは,サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられることが見てとれ,これは[0138]の記載とも整合する。
また,[0076]に「例えばTTI持続時間は,サブフレーム全体(中略)として定義され得る(例えば通常のサイクリックプレフィックスに対して14個のOFDMシンボル」と記載されているとおり,通常のサイクリックプレフィックスを用いる場合,サブフレームは,14個のOFDMシンボルから定義されることは技術常識である。
よって,先願明細書には「通常のサイクリックプレフィックスを用いる場合,WTRUは,ダウンリンク及びアップリンクにおいて,7個のOFDMシンボルから定義されるタイムスロットTTI持続時間により動作すること,ここでPDSCHはタイムスロットTTI持続時間を用いることができ,タイムスロットTTI持続時間を用いるPDSCHは,サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられ,サブフレームは,通常のサイクリックプレフィックスを用いる場合,14個のOFDMシンボルから定義され」ることが記載されていると認める。

(イ)[0160]の「単一タイムスロットTTI PUCCHフォーマット2および/または3」との記載は,(ア)で上述した「タイムスロットTTI持続時間」を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3のことを示していることは明らかである。また,[0160]の記載及び図6の記載から,タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3は,サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられることは明らかである。
ここで,単に「PUCCHフォーマット2」と記載されている場合,「PUCCHフォーマット2」との記載は,PUCCHフォーマット2aとPUCCHフォーマット2bを包含するものと解することができる。そして,PUCCHフォーマット2a,PUCCHフォーマット2b又はPUCCHフォーマット3が,いずれもHARQ-ACK及びCSIレポートを送信するために用いられるPUCCHフォーマットであることは技術常識である。してみれば,タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3によってHARQ-ACK及びCSIレポートを送信していることは自明である。

よって,先願明細書には,「タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3によって,HARQ-ACK及びCSIレポートを送信すること,ここで前記タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3は,サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられる」ことが記載されていると認める,

(ウ)(ア),(イ)の検討から,先願明細書には,「WTRUにおいて用いられる方法」が記載されていると認める。

以上を総合すると,先願明細書には以下の発明(以下,「先願発明」という。)が記載されていると認める。

「 WTRUにおいて用いられる方法であって,
通常のサイクリックプレフィックスを用いる場合,WTRUは,ダウンリンク及びアップリンクにおいて,7個のOFDMシンボルから定義されるタイムスロットTTI持続時間により動作すること,ここでPDSCHはタイムスロットTTI持続時間を用いることができ,タイムスロットTTI持続時間を用いるPDSCHは,サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられ,サブフレームは,通常のサイクリックプレフィックスを用いる場合,14個のOFDMシンボルから定義されるものであり,
タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3によって,HARQ-ACK及びCSIレポートを送信すること,ここで前記タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3は,サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられる,
を含む方法。」

ウ 対比・判断
補正後の発明と先願発明とを対比する。

(ア)先願発明の「WTRU」は,補正後の発明の「第1のワイヤレスデバイス」に相当する。
したがって,先願発明の「WTRUにおいて用いられる方法」は,補正後の発明と同様に「第1のワイヤレスデバイスにおける方法」といえる。

(イ)補正後の発明の「前記第1のデータ送信信号は,前記第1のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で受信される」との事項に関連して,本願明細書の【0072】には「…所与のサブフレームでの第1のワイヤレスデバイスから第2のワイヤレスデバイスへのデータの送信はサブフレームの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長を占めることができ,ここで“サブフレーム”との用語は,所与のワイヤレスシステムでの既定の送信時間インターバル(TTI)への言及であると理解されてよい。」,【0073】には,「短縮ダウンリンクサブフレームのコンセプトに関連する3つの問題が存在する。第1の問題はレイテンシの低減に関連し,…」と記載されている。
してみれば,補正後の発明の前記事項は,第1のデータ送信信号は,既存(既定)のサブフレーム(TTI)よりも短縮されたダウンリンクTTIを用いて受信されることを含むといえる。
一方,先願発明の「サブフレーム」は,「14個のOFDMシンボルから定義されるもの」だから,「7個のOFDMシンボルから定義されるタイムスロットTTI持続時間」が「サブフレーム」の時間長より小さい時間長であることは明らかである。
そうすると,先願発明の「PDSCHはタイムスロットTTI持続時間を用いることができ」ることは,補正後の発明の「前記第1のデータ送信信号は,前記第1のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で受信される」ことに含まれる。

また,先願発明の「タイムスロットTTI持続時間を用いるPDSCH」が割り当てられるタイムスロットの「サブフレーム」を「第1のサブフレームインターバル」と称することは任意である。更に,先願発明において,WTRUが,基地局から送信されるPDSCHを受信していることは自明である。そして,基地局のことを「第2のワイヤレスデバイス」と称するのは任意である。

したがって,先願発明の「通常のサイクリックプレフィックスを用いる場合,WTRUは,ダウンリンク及びアップリンクにおいて,7個のOFDMシンボルから定義されるタイムスロットTTI持続時間により動作すること,ここでPDSCHはタイムスロットTTI持続時間を用いることができ,タイムスロットTTI持続時間を用いるPDSCHは,サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられ,サブフレームは,通常のサイクリックプレフィックスを用いる場合,14個のOFDMシンボルから定義されるものであ」ることは,補正後の発明の「第1のサブフレームインターバルにおいて,第2のワイヤレスデバイスからの第1のデータ送信信号を受信することであって,前記第1のデータ送信信号は,前記第1のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で受信される,こと」に含まれる。

(ウ)補正後の発明の「前記後続のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で,前記第2のワイヤレスデバイス(30)へ,ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)を送信すること」との事項に関連して,本願明細書の【0072】には「…所与のサブフレームでの第1のワイヤレスデバイスから第2のワイヤレスデバイスへのデータの送信はサブフレームの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長を占めることができ,ここで“サブフレーム”との用語は,所与のワイヤレスシステムでの既定の送信時間インターバル(TTI)への言及であると理解されてよい。」,【0106】には「 [SSF HARQ ACK/NACK,CSI及びSRの同時送信の扱い]
レガシーのLTEシステムでは,ACK/NACKの送信時間がCQI又はSRの送信時間と同時発生する場合,3GPP TS36.213のセクション7.2に様々な破棄ルールがある。短縮サブフレーム(SSF)では,この状況を扱うための数個の代替案が存在する。…」と記載されている。
してみれば,補正後の発明の前記事項は,既存(既定)のサブフレーム(TTI)よりも短縮されたTTIを用いてHARQ及びCSIを送信することを含むといえる。
また,(イ)で上述したとおり,先願発明の「タイムスロットTTI持続時間」が「サブフレーム」の時間長より小さい時間長であることは明らかである。
そうすると,先願発明の「タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3によって,HARQ-ACK及びCSIレポートを送信すること」は,補正後の発明の「前記後続のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で,前記第2のワイヤレスデバイスへ,ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)を送信すること」ことに含まれる。

また,先願発明の「タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3」は,「サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられるもの」であるから,所定のサブフレームにおいて,WTRUが,基地局に対して,HARQ-ACK及びCSIレポートを送信していることは自明である。
してみると,補正後の発明の「ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)」が送信される「後続のサブフレームインターバル」と,先願発明の「HARQ-ACK及びCSIレポート」が割り当てられるタイムスロットの「サブフレーム」とは,「ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)」が送信される「所定のサブフレームインターバル」といえる点で共通する。

また,14個のOFDMシンボルから定義されるサブフレームの時間長が1ミリ秒であることは技術常識であるから,先願発明の「サブフレーム」の時間長が1ミリ秒であることは自明である。

したがって,補正後の発明の「後続のサブフレームインターバルにおいて,前記後続のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で,前記第2のワイヤレスデバイスへ,ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)を送信することであって,前記後続のサブフレームインターバルの前記最大データ送信時間長は,1ミリ秒であり,14個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルからなる,こと」と,先願発明の「タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3によって,HARQ-ACK及びCSIレポートを送信すること,ここで前記タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3は,サブフレーム内のタイムスロットに割り当てられる」こととは,「所定のサブフレームインターバルにおいて,前記所定のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で,前記第2のワイヤレスデバイスへ,ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)を送信することであって,前記所定のサブフレームインターバルの前記最大データ送信時間長は,1ミリ秒であり,14個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルからなる,こと」である点で共通する。

以上を総合すると,補正後の発明と先願発明とは,以下の点で一致し,また相違している。

(一致点)
「 第1のワイヤレスデバイスにおける方法であって,
第1のサブフレームインターバルにおいて,第2のワイヤレスデバイスからの第1のデータ送信信号を受信することであって,前記第1のデータ送信信号は,前記第1のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で受信される,ことと,
所定のサブフレームインターバルにおいて,前記所定のサブフレームインターバルの範囲内で可能な最大データ送信時間長よりも小さい時間長の範囲内で,前記第2のワイヤレスデバイスへ,ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)を送信することであって,前記所定のサブフレームインターバルの前記最大データ送信時間長は,1ミリ秒であり,14個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルからなる,ことと,
を含む方法。」

(相違点)
「所定のサブフレームインターバル」について,補正後の発明は「後続の」サブフレームインターバルであることが特定されているのに対し,先願発明は,そのような特定がされていない点。

以下,上記相違点について検討する。

本願明細書の【0075】,【0107】,【0108】,図13,図16によれば,補正後の発明の「後続のサブフレームインターバル」は,直後のサブフレームインターバルだけではなく,後のサブフレームインターバルを含むことは明らかである。
一方,先願発明の「HARQ-ACK及びCSIレポート」を送信するために用いられた任意のタイムスロットを含むサブフレームが,先願発明の「PDSCH」を送信するために用いられた任意のタイムスロットを含むサブフレームよりも後のサブフレームであることは自明である。
よって,上記相違点は,実質的な相違点ではない。

そして,補正後の発明の作用効果も,先願発明に基づいて当業者が予測し得る範囲のものであり,格別なものではない。

したがって,補正後の発明は,先願明細書等に記載された発明であるから,特許法第29条の2の規定により,特許を受けることができない。

ここで,請求人は令和1年7月1日に提出された審判請求書の「(2)本願発明の説明」において,「先願1(PCT/US2015/048895号)には,縮小型TTI持続時間PUCCHに関する発明が記載されています。
しかし,先願1には,本願発明の上述の特徴は記載されていません。具体的に,先願1には,「channel state information (CSI) may be transmitted over PUCCH (or PUSCH) of normal (subframe) TTI duration, while HARQ A/N may be transmitted over PUCCH of shorter (slot) TTI duration, or over resource elements of a single slot in a PUSCH transmission」([0091],下線は審判請求人による)と記載されています。このように,先願1では,HARQ A/Nが短いTTI期間のPUCCHで送信されるものの,チャネル状態情報(CSI)は通常のTTI期間のPUCCH(又はPUSCH)で送信されます。したがって,先願1に係る発明は,本願発明のようにHARQフィードバックとCSIとの両方を小さい時間長の範囲内で送信するものではありません。」と主張している。

ここで,先願明細書の[0091]には以下の事項が記載されている。
「The TTI duration may be based on the type of Uplink Control Information (UCI) to be transmitted. For instance, channel state information (CSI) may be transmitted over PUCCH (or PUSCH) of normal (subframe) TTI duration,…」
(当審仮訳:
TTI持続時間は,送信されることになるアップリンク制御情報(UCI)のタイプに基づくことができる。例えばチャネル状態情報(CSI)は,通常の(サブフレーム)TTI持続時間のPUCCH(またはPUSCH)を通して送信されることができ,…)

してみると,先願明細書の[0091]には,TTI持続時間は,送信されることになるアップリンク制御情報(UCI)のタイプに基づくことができることが例示と共に記載されているのであって,フォーマット2a,2bのようにUCIのタイプが異なるHARQ及びCSIの両方を送信する場合に,通常の(サブフレーム)TTI持続時間のPUCCHを用いて送信することが記載されているわけではない。
そして,「(2)独立特許要件」の項中の「イ 先願発明」の項中の(イ)で検討したとおり,先願明細書の[0160]の記載によれば,タイムスロットTTI持続時間を用いて送信されるPUCCHフォーマット2又はPUCCHフォーマット3によってHARQ-ACK及びCSIレポートを送信していることは自明である。

このため,上記の請求人の主張は採用できない。

3 結語

したがって,平成31年2月28日にされた手続補正(本件補正)は,補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

令和1年7月1日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明は,上記「第2」の項の「1 本件補正の概要」の項の「本願発明」のとおりのものと認める。

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶理由の概要は,
「1.(拡大先願)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願の日前の外国語特許出願(特許法第184条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされたものを除く。)であって,その出願後に国際公開がされた下記の外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書,請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり,しかも,この出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく,またこの出願の時において,その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので,特許法第29条の2の規定により,特許を受けることができない(同法第184条の13参照)。」
というものであり,請求項1に対して先願としてPCT/US2015/048895号(国際公開第2016/040290号)が引用されている。

3 先願発明

先願発明は,上記「第2 令和1年7月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の「イ 先願発明」の項で認定したとおりである。

4 対比・判断
本願発明と先願発明とを対比すると,本願発明は,補正後の発明の「ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及びチャネル状態情報(CSI)」を「ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック及び/又はチャネル状態情報(CSI)」として,択一的記載の要素を付加したものである。
そうすると,本願発明の構成に当該補正に係る限定を行った補正後の発明が,上記「第2」の「2 補正の適否」の「(2)独立特許要件」の項中の「ウ 対比・判断」の項で検討したとおり,先願発明と同一であるから,本願発明も同様の理由により,先願発明と同一である。

5 むすび
以上のとおり,本願発明は先願発明と同一であるから,特許法第29条の2の規定により,特許を受けることができない。
したがって,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶をすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-03-16 
結審通知日 2020-03-19 
審決日 2020-03-31 
出願番号 特願2017-546950(P2017-546950)
審決分類 P 1 8・ 16- Z (H04W)
P 1 8・ 575- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 則之  
特許庁審判長 菅原 道晴
特許庁審判官 脇岡 剛
相澤 祐介
発明の名称 アップリンクSPUCCHにおける短縮PUCCH  
代理人 大塚 康弘  
代理人 大塚 康徳  
代理人 大戸 隆広  
代理人 下山 治  
代理人 高柳 司郎  
代理人 永川 行光  
代理人 木村 秀二  
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