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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B63H
管理番号 1368093
異議申立番号 異議2019-700604  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-07-30 
確定日 2020-09-29 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6461541号発明「船舶」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6461541号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?9〕、10について訂正することを認める。 特許第6461541号の請求項1、3、5、6、8?10に係る特許を維持する。 特許第6461541号の請求項2、4、7に係る特許についての異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6461541号(以下「本件特許」という。)の請求項1?9に係る特許についての出願は、平成31年1月11日に特許権の設定登録がされ、平成31年1月30日に特許掲載公報が発行された。その後、特許異議申立人鶴田春美(以下「特許異議申立人」という。)より請求項1?9に係る特許に対して特許異議の申立てがなされた。当審は、令和1年11月20日付けで取消理由を通知し、特許権者は、その指定期間内である令和2年1月20日に意見書の提出及び訂正の請求を行った。当審からの同年2月26日に発送された訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)に対し、特許異議申立人より同年3月27日に意見書の提出がなされた。当審は、同年6月9日付けで訂正拒絶理由を通知し、特許権者は、その指定期間内である同年7月9日に意見書及び手続補正書を提出した。

第2 訂正の適否
1 訂正請求及びその手続補正について
1-1 手続補正について
令和2年1月20日に提出された訂正請求書(以下「訂正請求書」という。)及びこれに添付した訂正特許請求の範囲は、同年7月9日に提出された手続補正書(以下「補正書」ということがある。)により補正されたので、まずは当該補正の適否について検討する。

(1)補正の内容
訂正請求書の「7 請求の理由」における「(2)訂正事項」について、以下のように補正された。
ア 「キ 訂正事項7」の訂正内容を、「特許請求の範囲の請求項7を削除する。」と補正する。

イ 「ケ 訂正事項9」に「請求項1、3、5?8のいずれか一項」と記載さているのを、「請求項1、3、5、6、8のいずれか一項」と補正する。

なお、上記ア.イ.の補正に合わせて「訂正前後の請求項対応表」も補正されている。

(2)補正の適否
上記ア.の補正は、請求項の削除という訂正事項に補正するものであり、上記イ.の補正は、上記ア.の補正に合わせて請求項9の引用形式が整合するように訂正事項を補正するものでるから、訂正請求書の要旨を変更するものには該当しないので、当該補正は認められる。

1-2 訂正請求について
(1)訂正の内容
上記1-1のとおり、訂正請求書及びこれに添付した訂正特許請求の範囲の補正は認められるので、訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の特許請求の範囲を補正書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?10について訂正することを求めるものである。
そして、補正書により補正された本件訂正における訂正事項は以下のとおりである。なお、下線部は訂正箇所を示す。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管」とあるのを、
「前記貯留器に接続され、前記主ポンプの稼働時で前記予備ポンプの非稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に排出されるように構成された排出配管」に訂正する。

請求項1の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。

イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に、
「前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた第1開閉弁と、前記排出配管に設けられた第2開閉弁とを更に備え、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁は、前記主ポンプの非稼働時に閉じられ、前記主ポンプの稼働時に開かれる、請求項1又は2に記載の船舶。」とあるのを、
「液化ガスを貯留する貯留器と、前記液化ガスを気化させる気化器と、前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた第1開閉弁と、前記排出配管に設けられた第2開閉弁と、を備え、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁は、前記主ポンプの非稼働時に閉じられ、前記主ポンプの稼働時に開かれる、船舶。」

請求項3の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。

エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に、
「前記高圧コンプレッサの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管を更に備える、請求項4に記載の船舶。」とあるのを、
「液化ガスを貯留する貯留器と、前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、前記貯留器に接続され、前記高圧コンプレッサの稼働時で前記予備ポンプの非稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に排出されるように構成された排出配管と、を備える、船舶。」に訂正する。

請求項5の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。

カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に、
「前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置される、請求項2又は5に記載の船舶。」とあるのを、
「液化ガスを貯留する貯留器と、前記液化ガスを気化させる気化器と、前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備え、前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記貯留器に流れるように構成される、船舶。」に訂正する。

請求項6の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。

キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7を削除する。

ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8に、
「前記液化ガスが気化したガスを消費する機器と、前記貯留器と前記機器とを接続する低圧燃料供給配管と、前記低圧燃料供給配管に設けられた、前記気化器とは別の気化器と、を更に備え、前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成される、請求項1に記載の船舶。」とあるのを、
「液化ガスを貯留する貯留器と、前記液化ガスを気化させる気化器と、前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、前記液化ガスが気化したガスを消費する機器と、前記貯留器と前記機器とを接続する低圧燃料供給配管と、前記低圧燃料供給配管に設けられた、前記気化器とは別の気化器と、を備え、前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成される、船舶。」に訂正する。

請求項8の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。

ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9に、
「前記貯留器は、サクションドラムである、請求項1?8のいずれか一項に記載の船舶。」とあるのを、
「前記貯留器は、サクションドラムである、請求項1、3、5、6、8のいずれか一項に記載の船舶。」に訂正する。

コ 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項6に、
「前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置される、請求項2又は5に記載の船舶。」とあるのを、
「液化ガスを貯留する貯留器と、前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、前記高圧コンプレッサの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備え、前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置される、船舶。」に訂正する。

サ 一群の請求項
訂正事項1?10に係る訂正前の請求項1?9は、請求項9が訂正の請求の対象である請求項1?8の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項1?9について請求されている。
なお、特許権者は、訂正後の請求項3、6、8及び10に係る訂正ついては、当該訂正が認められる場合には、他の一群の請求項とは別の訂正単位として扱われることを求めているが、訂正後の請求項9は、依然として、訂正後の請求項3、6、8の記載を引用する関係にあるから、別の訂正単位として扱われる請求項は、請求項10だけである。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「排出配管」に関し、訂正前の請求項2に記載されている事項、願書に添付された明細書(以下「本件特許明細書」という。)の段落【0016】、段落【0035】及び段落【0045】等の記載内容に基づき、「前記予備ポンプの非稼働時」に「自然対流によ」り排出されるように構成されたものであることを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ 訂正事項2、4及び7について
訂正事項2は、請求項2を削除するものであり、訂正事項4は、請求項4を削除するものであり、訂正事項7は請求項7を削除するものであるから、訂正事項2、4及び7は、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前において、請求項3が、請求項1又は2の記載を引用する請求項であったところ、訂正後に、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項3について請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改める訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないことを目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エ 訂正事項5について
訂正事項5は、訂正前において、請求項5が、請求項4の記載を引用する請求項であったところ、訂正後に、訂正前の請求項4の記載を引用する請求項5について請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改める訂正であるとともに、請求項5に記載された発明を特定するために必要な事項である「排出配管」に関し、訂正事項1と同様に、訂正前の請求項2に記載されている事項、本件特許明細書の段落【0016】、段落【0035】及び段落【0045】等の記載内容に基づき、「前記予備ポンプの非稼働時」に「自然対流によ」り排出されるように構成されたものであることを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないことを目的とするとともに、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

オ 訂正事項6について
訂正事項6は、訂正前において、請求項6が、請求項2又は5の記載を引用する請求項であったところ、訂正後に、訂正前の請求項2(請求項1の記載を引用)の記載を引用する請求項6について請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改める訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないことを目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

カ 訂正事項8について
訂正事項8は、訂正前において、請求項8が、請求項1の記載を引用する請求項であったところ、訂正後に、請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改める訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないことを目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

キ 訂正事項9について
訂正事項9は訂正事項2、4及び7による請求項2、4及び7の削除に伴い多数引用形式請求項の引用請求項を減少するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ク 訂正事項10について
訂正事項10は、訂正前において、請求項6が、請求項2又は5の記載を引用する請求項であったところ、訂正後に、訂正前の請求項5(請求項4の記載を引用)の記載を引用する請求項6について請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改める訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないことを目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)小括
以上のとおりであるから、訂正事項1?10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?9]、10について訂正を認める。

第3 本件発明
本件訂正により訂正された請求項1?10に係る発明(以下「本件発明1?10」という。また、「本件発明1?10」を総称して「本件発明」ということがある。)は、補正書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1?10に記載された以下のとおりのものである。
なお、上記「第2.」で述べたとおり、請求項2、4及び7は削除された。
「【請求項1】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記貯留器に接続され、前記主ポンプの稼働時で前記予備ポンプの非稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に排出されるように構成された排出配管と、を備える、船舶。」
「【請求項3】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、
前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた第1開閉弁と、前記排出配管に設けられた第2開閉弁と、を備え、
前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁は、前記主ポンプの非稼働時に閉じられ、前記主ポンプの稼働時に開かれる、船舶。」
「【請求項5】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、
前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、
前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、
前記貯留器に接続され、前記高圧コンプレッサの稼働時で前記予備ポンプの非稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に排出されるように構成された排出配管と、を備える、船舶。」
「【請求項6】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備え、
前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記貯留器に流れるように構成される、船舶。」
「【請求項8】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、
前記液化ガスが気化したガスを消費する機器と、
前記貯留器と前記機器とを接続する低圧燃料供給配管と、
前記低圧燃料供給配管に設けられた、前記気化器とは別の気化器と、を備え、
前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成される、船舶。」
「【請求項9】
前記貯留器は、サクションドラムである、請求項1、3、5、6、8のいずれか一項に記載
の船舶。」
「【請求項10】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、
前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、
前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、
前記高圧コンプレッサの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備え、
前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置される、船舶。」

第4 特許異議の申立てについて
1 取消理由の概要
訂正前の請求項1、2、4、5、7、9に係る特許に対して令和1年11月20日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
なお、上記「第2.」で述べたとおり、本件訂正請求による訂正は認められ、かかる訂正によって訂正前の請求項2、4及び7は削除されるものであるから、対象がなくなり、請求項2、4及び7に係る特許についての特許異議の申立てを却下することになった。

(1)取消理由
本件特許の請求項1、2、4、5、7、9に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。



[引用文献一覧]
引用文献1:韓国登録特許第10-1277844号(特許異議申立人;鶴
田春美が提出した甲第1号証)
引用文献2:特開2002-303274号公報(同甲第2号証)
引用文献3:特開平8-247041号公報(同甲第3号証)
引用文献4:特開昭60-145485号公報(同甲第4号証)
引用文献5:国際公開第2014/65617号(同甲第7号証)
引用文献6:特開2013-209926号公報(同甲第10号証)
引用文献7:特開2013-210044号公報(同甲第11号証)

[請求項と引用文献の対応関係]
請求項1、2:引用文献1?5
請求項4、5:引用文献5、1
請求項7 :引用文献1?5
請求項9 :引用文献1?7

2 当審の判断
2-1 各引用文献の記載事項等
(1)引用文献1の記載事項等
(1-1)引用文献1の記載事項
引用文献1には、以下の事項が記載されている。
なお、日本語訳は、引用文献1のパテントファミリー文献である特開2014-194272号公報(以下「公開公報」という。)を参考にして当審が作成した。(下線は当審が付与。以下同様。)
(1a)2頁2行?3頁27行


「【請求項1】
LNG貯蔵タンクからエンジンまで連結された燃料供給ラインと、
前記燃料供給ライン上に具備され、前記LNG貯蔵タンクから排出されたLNGを加圧し、スタンバイモード時にクールダウンされるブースティングポンプと、
前記ブースティングポンプから排出された前記LNGを高圧で加圧する高圧ポンプと、
前記LNG貯蔵タンクと前記高圧ポンプとの間に連結され、前記LNGを上流で回収する回収ラインと、を含むが、
前記回収ラインは、前記ブースティングポンプがクールダウン動作する場合、前記高圧ポンプから前記LNGを前記LNG貯蔵タンクに回収することを特徴とするLNG燃料供給システム。
【請求項2】
前記高圧ポンプは、
スタンバイモード時にクールダウンされ、前記ブースティングポンプのクールダウン動作が完了した後、クールダウン動作が開始されることを特徴とする請求項1に記載のLNG燃料供給システム。
【請求項3】
前記回収ラインは、
前記高圧ポンプの内部に連結されることを特徴とする 請求項1に記載のLNG燃料供給システム。」

(1b)3頁29行?4頁16行



「【0001】
本発明は、LNG燃料供給システムおよびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶は大量の鉱物や石油、天然ガス、または数千個以上のコンテナを載せて海を航海する輸送手段であり、鋼から成り、浮力によって水線面に浮遊した状態でプロペラの回転により発生する推力によって移動する。
【0003】
これらの船舶は、エンジンを駆動することで推進力を発生させるが、この時、エンジンは、ガソリンやディーゼルを使用してピストンを動かし、ピストンの往復運動によりクランク軸が回転することで、クランク軸に連結されたシャフトが回転してプロペラが駆動されるようにするのが一般的であった。
【0004】
しかし、最近は、液化天然ガスLiquefied Natural GaSを運搬するLNG運搬船からLNGを燃料として使用してエンジンを駆動するLNG燃料供給方式が使用されており、このようにエンジンの燃料としてLNGを使用する方式は、LNG運搬船以外の船舶にも適用されている。
【0005】
一般に、LNGは清浄の燃料であり、埋蔵量も石油より豊富であると知られており、採光と輸送技術が発達するにつれて、その使用量が急激に増加している。これらのLNGは、主成分であるメタンを1気圧下で-162℃℃以下に温度を下げて液体状態で貯蔵するのが一般的であるが、液化されたメタンの体積は、標準状態である気体状態のメタン体積の600分の1程度であり、比重は0.42で原油割合の約2分の1となる。
【0006】
しかし、エンジンを駆動するために必要な温度および圧力などは、タンクに貯蔵されているLNGの状態とは異なる場合がある。したがって、最近は、液体状態で貯蔵されているLNGの温度や圧力などを制御してエンジンに供給するような技術について、継続的な研究開発が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決しようと創出されたものであり、その目的は、スタンバイモードの終了後にLNGを供給してクールダウンが別途に必要がなく、エンジンの安定的な動作を実現するLNG燃料供給システムおよびその駆動方法を提供することである。」

(1c)5頁8?14行


「【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によるLNG燃料供給システムおよびその駆動方法によれば、スタンバイモードでLNGを回収し、スタンバイモードの終了後、LNGをエンジンに供給してスタンバイモード以後別途のポンプをクールダウンする時間を必要としないため、エンジンに燃料供給を迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0020】
また、ブースティングポンプおよび高圧ポンプのクールダウン動作が行われる場合、これらのポンプからのLNGをLNG貯蔵タンクに回収し、ポンプが正常負荷で稼動して状態変化が発生されたLNGを利用してエンジンを安定的に動作することができ、運行の効率を向上させることができるという効果を奏する。」

(1d)5頁34行?6頁1行

「【0026】
図2は、本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムの概念図であり、図3は、本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムにおけるLNG貯蔵タンクの断面図である。
【0027】
図2に示したように、本発明の一実施例によるLNG燃料供給システム100は、LNG貯蔵タンク10、エンジン20、ブースティングポンプ131、高圧ポンプ132と熱交換機50を含む。本発明の一実施例では、LNG貯蔵タンク10、エンジン20、熱交換器50などは、従来のLNG燃料供給システム1での各構成と便宜上同じ符号を使用したが、必ずしも同じ構成を指すものではない。」

(1e)6頁24?28行

「【0035】
エンジン20は、LNG貯蔵タンク10から供給されるLNGによって駆動されて推力を発生させる。この時、エンジン20は、MEGIエンジン20、または二重燃料エンジン20である。
【0036】
エンジン20が二重燃料エンジン20の場合、LNGとオイルが混合されて供給されず、LNGまたはオイルが選択的に供給されることができる。これは、燃焼温度の異なる二つの物質が混合供給されることを遮断し、エンジン20の効率が落ちるのを防止するためである。」

(1f)6頁36行?7頁36行

「【0039】
LNG貯蔵タンク10とエンジン20との間には、LNGを伝送する燃料供給ライン21が具備され、燃料供給ライン21には、ブースティングポンプ131、高圧ポンプ132および熱交換器50などが具備されてLNGがエンジン20に供給されるようにすることができる。この時、燃料供給ライン21には、燃料供給バルブ(符号図示せず)が具備され、燃料供給バルブの開度調節によりLNGの供給量が調節されることができる。
【0040】
ブースティングポンプ131は、LNG貯蔵タンク10と高圧ポンプ132との間の燃料供給ライン21上に具備することができ、高圧ポンプ132に十分な量のLNGが供給されるようにして高圧ポンプ132の空洞現象(Cavitation)を防止する。また、ブースティングポンプ131は、LNG貯蔵タンク10からLNGを取り出してLNGを数ないし数十bar以内に加圧することができ、ブースティングポンプ51を経たLNGは、1barないし25barに加圧されることができる。
【0041】
LNG貯蔵タンク10に貯蔵されたLNGは液体状態である。この時、ブースティングポンプ131は、LNG貯蔵タンク10から排出されるLNGを加圧して圧力および温度を多少上げることができ、ブースティングポンプ131によって加圧されたLNGは、依然として液体状態である。一方、本実施例のLNG燃料供給システム100は、図面には図示されていないがオイル、一例として、ディーゼルを燃料として使用することができ、ディーゼルとLNGに、LNGからディーゼルに燃料転換をして利用することができる。ここで、ディーゼルからLNGに燃料転換したり、停止後再駆動時にはスタンバイモードで動作する必要がある。
【0042】
本実施例のブースティングポンプ131は、前述したようなスタンバイモード時にクールダウンされうる。ブースティングポンプ131のクールダウン動作は、ブースティングポンプ131が正常稼動される負荷(一例として60%以上)以下に動作されて行うことができる。ここで、低温のLNGがブースティングポンプ131を経由すると、LNGの持つ低温の温度がブースティングポンプ131の内部と接触してブースティングポンプ131内部の自体温度を下げることで、クールダウンの動作が行われる。
【0043】
ブースティングポンプ131が、クールダウン動作が行われる過程で、ブースティングポンプ131から排出されるLNGは、エンジン20が要求する温度と圧力条件を持っていないため、エンジン20に流れないようにして、正常稼動するブースティングポンプ131から排出されるLNGを使用するようにし、エンジン20の正常稼動を誘導する必要がある。これは、以下で説明する。
【0044】
高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131から排出されたLNGを高圧で加圧し、エンジン20にLMGが供給されるようにする。LNGはLNG貯蔵タンク10から約10bar程度の圧力で排出された後、ブースティングポンプ131によって一次加圧されるが、高圧ポンプ132はブースティングポンプ131によって加圧された液体状態のLNGを二次に加圧して後述する熱交換器50に供給する。このとき、高圧ポンプ132は、LNGをエンジンが要求する圧力、たとえば200barないし400barまで加圧してエンジンに供給することで、エンジン20がLNGによって推力を生産できるようにする。高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131から排出される液体状態のLNGを高圧で加圧するが、LNGが超臨界点(Critical Point)よりも高い温度および高い圧力を持つ超臨界状態になるように相変化させることができる。このとき、超臨界状態であるLNGの温度は、臨界温度よりも相対的に高い-20℃以下である。
【0045】
高圧ポンプ132は、液体状態のLNGを高圧で加圧して過冷却液体状態に変化させることができる。ここで、過冷却液体状態のLNGとは、LNGの圧力が臨界圧力よりも高く、温度が臨界温度よりも低い状態である。
【0046】
具体的に高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131から排出される液体状態のLNGを200barないし400barまで高圧で加圧するが、LNGの温度が臨界温度よりも低い温度になるようにし、LNGを過冷却液体状態に相変化させることができる。ここで、過冷却液体状態であるLNGの温度は、臨界温度よりも相対的に低い-140℃ないし-60℃になりうる。
【0047】
本実施例の高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131のクールダウンが完了した後、ブースティングポンプ131から排出され、高圧ポンプ132に流入されるLNGによってクールダウンが行われることができる。本実施例の高圧ポンプ132がクールダウンされる場合には、高圧ポンプ132の動作が行われない場合がある。
【0048】
本実施例の回収ライン135は、LNG貯蔵タンク10と高圧ポンプ132との間に連結されてLNGを上流のLNG貯蔵タンク10に回収する。ここで、回収ライン135は、ブースティングポンプ131がクールダウン動作する場合、高圧ポンプ132からLNGをLNG貯蔵タンク10に回収する。
【0049】
また、本実施例の回収ライン135は、高圧ポンプ132の内部に連結されてブースティングポンプ131のクールダウン稼動が動作して通常の負荷以下に稼動される場合と、高圧ポンプ132をクールダウンされて稼動されない場合のLNGが高圧ポンプ132の出口に排出されないように防止してエンジン20に流入されないようにすることができる。
【0050】
バルブ136は、回収ライン135上に設けられる一般的なバルブまたは三方バルブからなることができ、ブースティングポンプ131と高圧ポンプ132がクールダウン動作する場合、回収ライン135を開放させ、高圧ポンプ132内のLNGがLNG貯蔵タンク10に流入されることができる。ここで、図面には図示していないが、ブースティングポンプ131がクールダウンされる場合、高圧ポンプ132の出口は遮断されることができる。
【0051】
熱交換器50は、高圧ポンプ132とエンジン20との間の燃料供給ライン21上に具備され、高圧ポンプ132から排出されたLNGを加熱することができる。熱交換器50に高圧ポンプ132によってLNGが供給されることができ、熱交換器50は、過冷却液体状態または超臨界状態のLNGを高圧ポンプ132から排出される圧力である200barないし400barを維持しながら加熱させて、30℃?60℃の超臨界状態のLNGに変換した後、エンジン20に供給することができる。
【0052】
熱交換器50は、ボイラー(図示せず)によって供給される蒸気やグリコールヒーター(図示せず)から供給されるグリコールウォーターを利用し、LNGを加熱したり、電気エネルギーを利用してLNGを加熱したりすることができ、または船舶に具備されている発電機やその他の設備などから発生する廃熱を利用してLNGを加熱することができる。」
(1g)8頁15行?9頁5行

「【0059】
まず、図2をともに参照してLNG燃料供給システム100によってLNG燃料供給システムを駆動する方法について説明する。
【0060】
図5は、本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法のフローチャートである。図5に示したように(図2参照)、本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法は、高圧ポンプからLNGが排出されることを遮断するように、高圧ポンプの出口を遮断する段階(S110)、LNG貯蔵タンクからブースティングポンプと高圧ポンプにLNGが移動する段階(S120)、高圧ポンプに流入されたLNGを回収する段階(S130)、ブースティングポンプをクールダウンする段階(S140)、ブースティングポンプを一定の負荷で稼動する段階(S150)、LNGの供給が取り消されると、ブースティングポンプおよび高圧ポンプのクールダウン動作を中止する段階(S160)、高圧ポンプのクールダウン動作を完了する段階(S170)、ブースティングポンプと高圧ポンプを正常稼動する段階(S180)を含む。
【0061】
段階S110では、高圧ポンプ132からのLNGが排出されることを遮断するように、高圧ポンプ132の出口を遮断する。例えば、LNG燃料供給システム100がディーゼルからLNGへの燃料転換シグナルを受けたり、停止後再起動される場合、LNG燃料供給システム100は、スタンバイモードで動作する必要がある。この時、ブースティングポンプ131は、正常負荷以下に稼動され、高圧ポンプ132は動作待機状態となり、LNGは、エンジン20が要求する温度と圧力に達していない状態である。これにより、エンジン20にLNGが流入されないように高圧ポンプ132の出口を遮断する。
【0062】
段階S120では、LNG貯蔵タンク10からブースティングポンプ131と高圧ポンプ132にLNGが移動する。ブースティングポンプ131と高圧ポンプ132のクールダウン動作が開始できるように低温のLNGがLNG貯蔵タンク10から排出されるようにする。この時、図面には図示されていないがLNG貯蔵タンク10の出口にバルブが設置されてバルブの開度によりLNGの流量が調節されることができる。
【0063】
段階S130では、高圧ポンプ132に流入されたLNGを回収する。LNG燃料供給システム100は、停止状態においても燃料供給ライン21の内部がLNGで満たされているので、LNG貯蔵タンク10から排出されたLNGは、排出された量だけスタンバイモードが開始される前のLNGをブースティングポンプ131と高圧ポンプ132から排出するようにし、これをLNG貯蔵タンク10に回収する。
【0064】
段階S140では、ブースティングポンプ131をクールダウンする。段階S130で、LNG貯蔵タンク10から排出されたLNGは、ブースティングポンプ131よりも低温の状態でブースティングポンプ131を経由しながらブースティングポンプ131内部の温度を下げることができる。段階S140では、ブースティングポンプ131が稼動する前にLNG貯蔵タンク10から排出されたLNGと接触して温度が低くなることがありえる。
【0065】
段階S150では、ブースティングポンプ131を一定の負荷で稼動する。段階S150は、段階S140とは違って、ブースティングポンプ131が稼動することで、正常稼動(一例として60%以上)よりも低い負荷で稼動されてLNGの流れを加速することができる。この時、ブースティングポンプ131の稼動によってLNGはブースティングポンプ131の内部を移動しながら排出され、ブースティングポンプ131内部の自体温度が低くなることがありえる。
【0066】
段階S160で、LNGの供給が取り消されると、ブースティングポンプ131および高圧ポンプ132のクールダウン動作を中断する。本実施例のLNG燃料供給システム100は、前述のように、ディーゼルとLNGを使用することができるので、ディーゼルからLNGを燃料転換を取り消したり、LNGからディーゼルに燃料転換をしたり、システムを停止するようにブースティングポンプ131および高圧ポンプ132の動作を取り消すとき、スタンバイ動作を停止することができる。この時、ブースティングポンプ131および高圧ポンプ132のクールダウン動作は中断される。
【0067】
段階S170では、高圧ポンプ132のクールダウン動作を完了する。段階S160が実行されず、LNG燃料供給システム100のスタンバイ動作が連続される場合、ブースティングポンプ131のクールダウン動作が完了した後、高圧ポンプ132のクールダウン動作が発生しえる。本実施例の高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131から排出されたLNGの持つ低温の温度が高圧ポンプ132の内部と接触して相対的に高い温度の高圧ポンプ132自体の温度が低くなることがありえる。
【0068】
段階S180では、ブースティングポンプ131と高圧ポンプ132を正常稼動する。前に実行した段階によってブースティングポンプ131と高圧ポンプ132のクールダウンが完了すると、LNGは外部熱による熱浸透現象が低減されることができる。これにより、ブースティングポンプ131と高圧ポンプ132を正常稼動してエンジン20が要求するLNGの温度および圧力条件に合わせることができるようにブースティングポンプ131と高圧ポンプ132とを正常負荷(一例として60%)以上に駆動する。」

(1h)引用文献1には、以下の図が示されている。
【図2】


(1-2)引用文献1からの認定事項
上記(1-1)から以下の事項が認定できる。
・段落【0001】?段落【0004】の記載内容から、引用文献1は、LNG燃料供給システムを適用したLNG運搬船に関するものであること。

・段落【0035】の「エンジン20は、MEGIエンジン20、または二重燃料エンジン20である。」との記載から、【請求項1】の「エンジン」は「MEGIエンジン20」が候補の一つであること。

・段落【0051】の「熱交換器50は、高圧ポンプ132とエンジン20との間の燃料供給ライン21上に具備され、高圧ポンプ132から排出されたLNGを加熱することができる。」との記載、及び【図2】から、燃料供給ライン21上に具備され、高圧ポンプ132から排出されたLNGを加熱する熱交換器50を具備すること。

・【図2】から、高圧ポンプ132がシリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプであることが看取できること。

(1-3)引用文献1に記載された発明
上記(1-2)及び(1-3)から、引用文献1には以下の発明が記載さていると認められる。
「LNG燃料供給システム100を適用したLNG運搬船であって、
LNG貯蔵タンク10からMEGIエンジン20まで連結された燃料供給ライン21と、
前記燃料供給ライン21上に具備され、前記LNG貯蔵タンク10から排出されたLNGを加圧し、スタンバイモード時にクールダウンされるブースティングポンプ131と、
前記ブースティングポンプ131から排出された前記LNGを高圧で加圧する高圧ポンプ132と、
前記燃料供給ライン21上に具備され、高圧ポンプ132から排出された前記LNGを加熱する熱交換器50と、
前記LNG貯蔵タンク10と前記高圧ポンプ132との間に連結され、前記LNGを上流で回収する回収ライン135と、を含み、
前記回収ライン135は、前記ブースティングポンプ131がクールダウン動作する場合、前記高圧ポンプ132から前記LNGを前記LNG貯蔵タンク10に回収するものであって、
前記高圧ポンプ132は、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプであり、スタンバイモード時にクールダウンされ、前記ブースティングポンプ131のクールダウン動作が完了した後、クールダウン動作が開始され、前記回収ライン135は、前記高圧ポンプ132の内部に連結されるLNG燃料供給システム100を適用したLNG運搬船。」

(2)甲第2号証の記載事項
甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
(2a)
「【請求項1】 ガスを圧縮してガスタービンに供給する常用圧縮機と、該常用圧縮機に対して並列に配置されていて停止状態にある予備用圧縮機とを含んでおり、前記常用圧縮機の停止時に前記予備用圧縮機を起動させる予備用圧縮機起動装置において、
前記常用圧縮機の吐出側配管および前記予備用圧縮機の吐出側配管の間の分岐点と前記予備用圧縮機との間において前記予備用圧縮機の前記吐出側配管上に設けられた吐出側遮断弁と、
前記予備用圧縮機の軸封装置に、前記常用圧縮機の吐出ガスまたは前記予備用圧縮機の吐出ガスの任意の一方をシールガスとして供給するよう切替える切替手段とを具備し、
前記常用圧縮機の動作時に、前記予備用圧縮機の前記吐出側遮断弁を閉鎖すると共に、前記切替手段を前記常用圧縮機の吐出ガスの一部をシールガスとして前記常用圧縮機の軸封装置および前記予備用圧縮機の軸封装置に供給するよう切替え、
前記常用圧縮機の停止時には、前記予備用圧縮機の前記吐出側遮断弁を開放して前記予備用圧縮機を起動させた後に、前記切替手段を前記予備用圧縮機の吐出ガスの一部をシールガスとして前記予備用圧縮機に供給するよう切替える予備用圧縮機起動装置。」

(2b)
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧縮機、特にガスタービンに使用される燃料ガスを圧縮する圧縮機の予備用圧縮機起動装置に関する。」

(2c)
「【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら一連の作業にはかなりの時間を要する。ガスタービン500に燃料ガスを供給できない場合にはガスタービン500を停止させる必要があり、結果的にガスタービン500を迅速に再起動するのは困難である。特に圧縮機が発電設備に使用されている場合に、圧縮機停止時間が長くなると電力を安定して供給することができなくなる。また、予備用圧縮機300の内圧がドレンを排出するのに十分に大きくなるまでに要する時間は長い。
【0008】また、常用圧縮機200が動作しているときに予備用圧縮機300の圧力を予め高めておくことによって、常用圧縮機200の停止時に予備用圧縮機300内のドレンを迅速に排出できる。しかしながら、常用圧縮機200の動作時にガスを予備用圧縮機300内に供給する場合には、シールガスが予備用圧縮機300に供給されないので、予備用圧縮機内の圧力が軸封装置の圧力よりも高くなる逆圧現像が発生すると供に、圧縮機からの濾過されていないガスが軸封装置内に流入することになるため、軸封装置が損傷する可能性がある。
【0009】従って、本発明は、圧縮機、特にガスタービンの圧縮機が停止したときに、ガスタービン全体を停止させることなしに予備用圧縮機を迅速に起動させるための予備用圧縮機起動装置を提供することを目的とする。」

(2d)
「【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同一の部材には同一の参照符号が付けられている。図1は本発明におけるガスタービンの燃料ガス用の予備用圧縮機起動装置10の系統図である。前述した実施形態と同様に、常用圧縮機20の燃料ガスの流れに対して上流および下流には吸込弁11および吐出弁13がそれぞれ設けられている。さらに常用圧縮機20にはドレン弁14が設けられている。同様に、予備用圧縮機30の燃料ガスの流れに対して上流および下流には吸込弁15および吐出弁17がそれぞれ設けられると共に、予備用圧縮機30にはドレン弁18が設けられている。これら吸込弁11、15は常用圧縮機20および予備用圧縮機30と吸込側分岐点71との間において各吸込側配管上にそれぞれ位置しており、吐出弁13、17は常用圧縮機20および予備用圧縮機30と吐出側分岐点72との間において各吐出側配管上にそれぞれ配置されている。
【0016】常用圧縮機20と吐出弁13との間には、シールガス供給管路61が設けられていて常用圧縮機20の軸封装置(図示しない)に接続されている。常用圧縮機20は非接触式の軸封装置を有しており、この軸封装置は、例えばガスシールから構成されている。常用圧縮機20により圧縮された燃料ガスの一部はシールガス供給管路61を通って、シールガスとして常用圧縮機20の軸封装置に供給される。予備用圧縮機30と吐出弁17との間にもシールガス供給管路62が設けられていて、予備用圧縮機30により圧縮された燃料ガスの一部をシールガスとして予備用圧縮機30の軸封装置(図示しない)に供給できるようになっている。さらに常用圧縮機20のシールガス供給管路61と分岐点72との間に逆止弁12が設けられている。
【0017】本発明においては、切替手段66、例えば三方弁がシールガス供給管路61とシールガス供給管路62との間に配置されている。この切替手段66によって、シールガス供給管路61とシールガス供給管路62とを流通可能に切替えると共に、シールガス供給管路61とシールガス供給管路62とを流通不能に切替えることができる。この構成は、複数台の常用圧縮機に対して予備用圧縮機が配置されている構成にも適用される。
【0018】常用圧縮機20の動作時に、吸込弁11および吐出弁13が開放しており、燃料ガス供給源40から常用圧縮機20内に供給された燃料ガスは常用圧縮機20内において圧縮されてガスタービン50に供給される。さらに、予備用圧縮機30の吸込弁15も開放状態にあるので、燃料ガス供給源40からの燃料ガスが、停止状態にある予備用圧縮機30内にも供給されている。従って、予備用圧縮機30内の圧力を高めることができる。予備用圧縮機30の吐出弁17が閉鎖状態にあるので、予備用圧縮機30はガスタービン50から隔離されている。しかしながら、予備用圧縮機30の補機類は予備用圧縮機30を自動起動できるように常時運転されている。
【0019】常用圧縮機20の動作時には、切替手段66は、シールガス供給管路61とシールガス供給管路62とが流通するように切替られている。それにより、常用圧縮機20により圧縮された燃料ガスの一部はシールガスとして常用圧縮機20の軸封装置および予備用圧縮機30の軸封装置にそれぞれ供給される。常用圧縮機20により圧縮されてシールガスとして供給される燃料ガスの圧力は予備用圧縮機30内の燃料ガスの圧力よりも大きいので、このシールガスによって予備用圧縮機30内の軸封装置に逆圧がかかるのが妨げられている。
【0020】さらに、濾過手段(図示しない)、例えばフィルタがシールガス供給管路61およびシールガス供給管路62の少なくとも一方に設けられている。シールガスはこの濾過手段を通って、停止状態にある予備用圧縮機30に供給されるので、予備用圧縮機30の軸封装置、例えばガスシールにごみが侵入するのを妨げることができる。
【0021】常用圧縮機20が例えば故障して停止する場合には、常用圧縮機20の停止信号を受けた適切な制御装置によってガスタービン50の負荷を取り除く。負荷が小さくなるので燃料ガス消費量が小さくなり、従って、常用圧縮機20の吐出側における圧力が低下するのが妨げられる。次いで、ドレン弁18を瞬時に開閉して予備用圧縮機30内のドレンを排出した後に吐出弁17を開放する。これとほぼ同時に、切替手段66を切替えて、シールガス供給管路61とシールガス供給管路62とが連通不能になるようにする。次いで予備用圧縮機30を起動させる。これにより、予備用圧縮機30により圧縮された燃料ガスの一部はシールガス供給管路62を通って予備用圧縮機30の軸封装置(図示しない)に供給される。予備用圧縮機30により吐出圧が形成されつつ、ガスタービン50の負荷を高めて最終的にガスタービン50を定常運転状態に戻す。従って、ガスタービン全体を停止させることなしに予備用圧縮機を迅速に起動させることができる。これら一連の動作を自動的に行うことにより、さらに時間を短縮することができる。
【0022】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、予備用圧縮機を迅速に起動させることができるという共通の効果を奏しうる。」

(2e)
引用文献2には、以下の図が示されている。
【図1】

上記各記載事項から、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。

「燃焼ガスを圧縮する常用圧縮機の予備用圧縮機起動装置において、予備用圧縮機30の燃料ガスの流れに対して上流には吸込弁15が設けられるとともに、常用圧縮機20の動作時に、切替手段66を切替えて、シールガス供給管路61とシールガス供給管路62とを流通させることで、常用圧縮機20が故障して停止した場合に、予備用圧縮機30を迅速に起動すること。」

(3)引用文献3の記載事項
引用文献3には次の記載がある。
(3a)
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温液化ガス等の各種移送流体を、一以上の供給源から複数のポンプを用いて移送する際に用いられる、ポンプ吐出流量の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、LNGやLPG等の各種の低温液化ガスは、液化された状態で複数の貯蔵タンクに蓄えられ、需要に応じて各貯蔵タンクに配設された複数の払出ポンプによって上記貯蔵タンクから排出され、気化器において気化された後に、それぞれ都市ガス用、発電設備の燃料用あるいは工業用として供給されている。図3は、この種の低温液化ガスの送出設備の一例であるLNG送出設備の要部を示すもので、通常上記LNG送出設備においては、複数基(図ではそのうちの2基を示す)のLNG1を蓄える貯蔵タンク2a、2bが配置されている。そして、これら貯蔵タンク2a、2bには、それぞれ複数台(図では各3台)のサブマージドモータ形の払出ポンプ3a?fが配設されており、各払出ポンプ3a?fの吐出管4a?fは集合されて移送管5から図示されない気化器へと配管されている。また、各吐出管4a?fには、流量検出器6a?fが介装され、これら流量検出器6a?fの上流側には、戻り管7a?fが枝配管されている。そして、各戻り管7a?fには、開閉弁8a?fが介装されている。
【0003】以上の構成からなる従来のLNG送出設備において、LNGを移送する場合には、必要な需要量に対して、設計吐出流量からこれを移送するに充分な台数の払出ポンプ(例えば、3a、3b、3d)に、さらに一台が停止した場合の予備として一台(例えば、3e)を加えた台数のポンプを運転することにより、LNGを供給先に移送している。また、上記需要量が増加した場合には、さらに追加の払出ポンプ(例えば、3c)を起動してこれに対応している。この際に、通常この種の遠心ポンプにあっては、起動直後の立上がり時は、充分な吐出圧力および吐出流量が得られないため、上記払出ポンプ3cの流量検出器6cによって開閉弁8cを開くことにより、LNGを戻り管7cを通して貯蔵タンク2a内へと循環させ、所定の吐出流量に達した時点で、流量検出器6cを介して開閉弁8cを閉じることにより、上記LNGを吐出管4cから移送管5に供給するようになっている。」

(3b)
引用文献3には、以下の図が示されている。
【図3】

上記記載事項から、引用文献3には、以下の事項(以下「引用文献3に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。

「ポンプ吐出流量の制御方法において、低温液化ガスを移送する払出ポンプ3a、3b、3dのうちの一台が停止した場合に、予備として払出ポンプ3eを運転すること。」

(4)引用文献4の記載事項
甲第4号証には次の記載がある。
(4a)1頁左下欄12行?同右下欄11行
「LNG受入基地のように高い信頼性が要求されるポンプでは、不測の事態にも対処できるよう予備ポンプを常時運転している。
本発明は通常運転時は上記予備ポンプの吐出圧力を低下させ、メインポンプに事故が発生したような異常時には予備ポンプをメインポンプと同じような機能で運転させるように制御する予備ポンプの運転方法に関するものである。
従来の前記の如き信頼性の要求されるポンプでは、予備機として予備ポンプを採用し、該予備ポンプを常時運転して不測の事態に対処させており、予備ポンプは最小流量を流して運転させている。すなわち、第1図及び第2図に示す如く、予備ポンプ1の吐出側の流路2に、タンク(図示せず)に通じるバイパス流路3を設け、メインポンプの運転による通常(正常)運転時には、予備ポンプ1から吐出される液体をバイパス弁4によりバイパス流路3に導きタンクへと循環させるようにし、この液体の流量は最小流量点へで運転していた。」

(4b)
引用文献4には、以下の図が示されている。

上記記載事項から、引用文献4には、以下の事項(以下「引用文献4に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。

「予備ポンプの運転方法において、LNGを吐出するメインポンプに事故が発生したような異常時には予備ポンプをメインポンプと同じような機能で運転させるように制御すること。」

(5)引用文献5の記載事項等
(5-1)引用文献5の記載事項
引用文献5には、以下の事項が記載されている。
なお、日本語訳は、引用文献5のパテントファミリー文献である特表2015-500759号公報(以下「公開公報」という。)を参考にして当審が作成した。
(5a)13頁2?15行

「【請求項1】
船舶用エンジンの燃料供給システムであって、
LNG貯蔵タンクに貯蔵されたLNGから発生するBOGを圧縮する圧縮装置と、
前記LNG貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを供給されて圧縮させる高圧ポンプと、
前記高圧ポンプで圧縮された前記LNGを気化させる気化器と、
前記圧縮装置を経て圧縮された前記BOGを燃料として供給されるDF(Dual Fuel)エンジンとを含み、
前記船舶用エンジンは、150乃至400barに圧縮された高圧ガスを燃料として使用し、前記圧縮装置で圧縮された前記BOG及び前記高圧ポンプで圧縮された前記LNGのうち少なくとも1つが燃料として供給されて駆動されることを特徴とする船舶用エンジンのハイブリッド燃料供給システム。」

(5b)1頁4行?2頁25行





「【0001】
本発明は、船舶用エンジンに対するハイブリッド燃料供給システムに関し、さらに詳しくは、高圧ガス噴射エンジン、すなわち推進手段に対してLNG貯蔵タンク内のBOG又はLNGを燃料として供給できる船舶用エンジンのハイブリッド燃料供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガス(Liquefied Natural Gas、以下「LNG」と称する)はメタン(methane)を主成分とする天然ガスを約-162℃まで冷却して液化させることによって得られる無色透明な液体であって、天然ガスに比べ約1/600程度の体積を有する。したがって、天然ガスを液化してLNGにすると、非常に効率的に移送することができ、一例としてLNGを海上で輸送(運搬)できるLNG運搬船が使用されている。
【0003】
天然ガスの液化温度は、常圧で約-163℃の極低温であるため、LNGはその温度が常圧-163℃より少し高いだけで容易に蒸発する。LNG運搬船のLNG貯蔵タンクの場合は断熱処理が施されてはいるが、外部の熱がLNGに持続的に伝達されるため、LNG運搬船によってLNGを輸送する途中にLNGがLNG貯蔵タンク内で持続的に自然気化して、LNG貯蔵タンク内にボイルオフガス(BOG、Boil-Off Gas)が発生する。
【0004】
BOGは、一種のLNG損失であって、LNGの輸送効率における重要な問題であり、LNG貯蔵タンク内にボイルオフガスが蓄積すると、LNG貯蔵タンク内の圧力が過度に上昇しLNG貯蔵タンクが破損する危険があるため、LNG貯蔵タンク内で発生するBOGを処理するための様々な方法が研究されている。
【0005】
最近では、BOGの処理のために、BOGを再液化して貯蔵タンクに戻す方法、BOGを船舶のエンジンのエネルギー源として使用する方法などが用いられている。そして、残りのBOGに対してはガス燃焼装置(Gas Combustion Unit、GCU)で燃焼させる方法を用いている。
【0006】
ガス燃焼装置は、BOGを他に活用する方法がない場合に貯蔵タンクの圧力を調節するために不可避的に残りのBOGを燃焼するものであって、BOGの持つ化学エネルギーが燃焼によって浪費される結果を招くという問題がある。
【0007】
LNG運搬船の推進システムでメインの推進装置として二元燃料(Dual Fuel、DF)エンジンを適用する場合、LNG貯蔵タンク内で発生するボイルオフガスをDFエンジンの燃料として使用してボイルオフガスを処理できるが、LNG貯蔵タンク内で発生するボイルオフガスの量がDFエンジンで船舶の推進に使用される燃料の量を超える場合、LNG貯蔵タンクを保護するためにボイルオフガスをガス燃焼装置に送って焼却させる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
船舶の推進システムとして、DFエンジンが使用されており、また、高圧ガスを噴射して利用するエンジンなども開発されている。このような船舶の推進システムでは、船級規定上装置の故障による運航中断に対応してエンジンの燃料供給装置の重複化(redundancy)を行わなければならない。
【0009】
図1に示すように、LNGキャリアなどで高圧ガス噴射エンジンを推進システムに構成してLNGの運搬時に発生するBOGを船舶用エンジンの燃料として供給する場合、2セットの圧縮機10,20を具備すべきである。しかし、重複化規定のために使用されない余分な装備を保有することはコスト面で非常に大きな負担になる。特に、BOGを高圧に圧縮する圧縮機は高価な装備であるため、コスト負担が大きい。また、カーゴタンクにLNGが満タンの状態では発生するBOGが多いため圧縮して燃料として供給できるが、LNGを荷役してカーゴタンクに積載されたLNGの量が少ない場合は、発生するBOGが少ないため、強制的にBOGを発生させなければならない。
【0010】
図2に示すように、BOGの代わりにLNGをポンピング及び気化させて燃料として供給される高圧ガス噴射エンジンを構成する場合、2セットのポンプ30,40を具備すべきであるが、ポンプの価格は圧縮機に比べて相対的に低く、装備保有の費用負担を軽減することができ、カーゴタンクに貯蔵されたLNGを消費することになるので、安定した燃料供給は可能である。一方で、LNGのフルロード状態で発生する多量のBOGは活用できない虞があり、BOGを再液化させるための装置が要求される。
【0011】
したがって、コスト面で合理的で、発生するBOGを十分に活用するとともに、BOGの発生量が少ない場合にも安定的に燃料を供給して船舶を推進できる燃料供給システムが必要である。」

(5c)5頁17行?6頁末行

「【0041】
本発明及び本発明の動作上の利点並びに本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の好ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載された内容を参照すべきである。
【0042】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同じ符号は同じ部材を示す。
【0043】
図3は、本発明の第1実施形態による船舶用エンジンのハイブリッド燃料供給システムの構成を概略的に示す図である。
【0044】
図3に示すように、本実施形態の船舶用エンジンのハイブリッド燃料供給システムは、船舶用エンジンの燃料供給システムであって、船舶のLNG貯蔵タンクCTに連結され、LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された液化天然ガスから発生するBOG(Boil Off Gas)を船舶の高圧ガス噴射エンジン100に供給する第1流路L1と、船舶のLNG貯蔵タンクCTに貯蔵された液化天然ガスをポンピング及び気化させて高圧ガス噴射エンジン100に供給する第2流路L2と、第1流路L1に設けられてBOGを圧縮する圧縮機200をと含み、高圧ガス噴射エンジン100は、150乃至400barの高圧に圧縮された高圧ガスを燃料として使用する。
【0045】
本実施形態で、LNG貯蔵タンクCTで発生するBOGが高圧ガス噴射エンジン100の燃料必要量を満たす場合は第1流路L1でBOGが供給され、BOGの発生量が燃料必要量より少ない場合はポンピング及び気化された液化天然ガスのみが供給される、またはBOGが供給されるとともに燃料の不足分だけのポンピング及び気化された液化天然ガスが供給され得る。このように、本実施形態は、第1流路L1と第2流路L2とに重複化された燃料供給流路を構成することによって、普段は使用されないが、単に重複性を満たすために具備される余分な装備、例えば追加圧縮機を構成しない。
【0046】
重複化(Redundancy)とは、余分な装備を構成して要求機能を行うための主構成装備の動作時は待機状態に置き、主構成装備が故障などで作動できない場合に機能を引き継いでその機能を行うことができるように重複設計することをいうが、主にローテートが行われる装備に対してこのような重複性を満たすための余分な装備が重複設計される。本実施形態における燃料供給システムでは圧縮機やポンピングのためのポンプなどがこれに該当する。
【0047】
高圧ガス噴射エンジン100は、例えば、船舶の積載状態では、圧縮機200で圧縮されたBOGを圧縮して供給され、船舶のバラスト状態では、LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された液化天然ガスをポンピング及び気化させて供給されて、駆動され得る。
【0048】
積載状態とは、LNG運搬船舶でLNG貯蔵タンクCTに液化天然ガス(LNG)がフルロードされ、通常、タンクの体積の98%前後にLNGが積載された状態をいい、この状態では、LNG貯蔵タンクCTで発生するBOGの量も多い。バラスト状態とは、LNGをアンロードしてLNG貯蔵タンクCTに貯蔵されたLNGが少ない状態をいい、この状態ではBOGの発生量も少ない。本実施形態は、船舶、特にLNGキャリアのLNG貯蔵タンクCTで発生する多量のBOGを効果的に活用できるように、BOGを船舶の推進用エンジンに供給するとともに、このような点を考慮して積載状態及びバラスト状態に応じて効果的に推進用エンジンに燃料を供給できるようにシステムを構成した。
【0049】
貯蔵タンクの容量及び外部温度などの条件に応じて異なるが、一例として、LNG貯蔵タンクCTでのBOG発生量は150000容量(LNG貯蔵タンクの容量が150000m3)の船舶の場合は、積載状態では3乃至4ton/h、バラスト状態では0.3乃至0.4ton/hである。高圧ガス噴射エンジン100の一種であるME-GIエンジンでは、ロードに応じて1乃至4ton/hの燃料が必要であるとされる。一方、最近では、船舶の断熱性能の向上に伴い、BOR(Boil Off Rate)が低くなる傾向にあるため、BOGの発生量も減少する傾向にある。
【0050】
本実施形態で、圧縮機200は、複数のコンプレッサ201及び複数のインタークーラ202を含み、多段で構成されることができ、圧縮機200は、このように多段で構成された1つのセットのみ設けられ得る。
【0051】
一方、第2流路L2にはLNG貯蔵タンクCTの液化天然ガスを供給されて高圧でポンピングする高圧ポンプ300と、高圧ポンプ300でポンピングされた液化天然ガスを気化させて高圧ガス噴射エンジン100に供給する気化器310とが設けられることができ、LNG貯蔵タンクCTには高圧ポンプ300に液化天然ガスを供給するFG(Fuel Gas)ポンプ320が設けられ得る。
【0052】
高圧ガス噴射エンジン100は、例えば、150乃至400barに圧縮された高圧ガスを燃料として供給されるME-GI(Main Engine Gas Injection)エンジンであり得る。
【0053】
ME-GIエンジンは、船舶に使用可能なエンジンであって、窒素酸化物(NOx)及び硫黄酸化物(SOx)の排出量を低減するために開発された、ガスとオイルを燃料として使用できる2行程の高圧天然ガス噴射エンジンである。ME-GIエンジンは、LNG(Liquefied Natural Gas)を極低温に耐える貯蔵タンクに貯蔵して運搬するようにするLNG運搬船などのような海上構造物に設置されることができ、天然ガス又はオイルを燃料として使用し、その負荷に応じて約150乃至400bara(絶対圧)程度の高圧のガス供給圧力が要求されるが、同級出力のディーゼルエンジンに比べ、汚染物質排出量を二酸化炭素は23%、窒素化合物は80%、硫黄化合物は95%以上低減できる次世代の環境にやさしいエンジンとして脚光を浴びている。」

(5d)
引用文献5には、以下の図が示されている。
[Fig.3]

(5-2)引用文献5からの認定事項
上記(5-1)から以下の事項が認定できる。
・記載事項(5a)の【請求項1】の記載、及び記載事項(5c)の段落【0052】の「 高圧ガス噴射エンジン100は、例えば、150乃至400barに圧縮された高圧ガスを燃料として供給されるME-GI(Main Engine Gas Injection)エンジンであり得る。」との記載から、高圧ガス噴射エンジン100(DF(Dual Fuel)エンジン)としてME-GIエンジンを用いること、また、段落【0050】に記載された圧縮装置200は、150乃至400barに圧縮する圧縮機であること。

・記載事項(5a)の【請求項1】の記載、及び記載事項(5b)の段落【0044】の「船舶のLNG貯蔵タンクCTに連結され、LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された液化天然ガスから発生するBOG(Boil Off Gas)を船舶の高圧ガス噴射エンジン100に供給する第1流路L1と、船舶のLNG貯蔵タンクCTに貯蔵された液化天然ガスをポンピング及び気化させて高圧ガス噴射エンジン100に供給する第2流路L2と、第1流路L1に設けられてBOGを圧縮する圧縮機200をと含み」との記載、及び【Fig.3】から「第2流路L2」が圧縮機200の下流側部分につながることが明らかであることから、船舶のLNG貯蔵タンクCTに連結され、LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGから発生するBOGを前記船舶のME-GIエンジンに供給する第1流路L1と、前記船舶の前記LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGを高圧ポンプ300及び気化器310を介して圧縮機200の下流側部分につながることで前記ME-GIエンジンに供給する第2流路L2と、前記第1流路L1に設けられて前記BOGを圧縮する圧縮機200をと含むこと。

(5-3)引用文献5に記載された発明
上記(5-1)及び(5-2)から、引用文献5には、船舶用エンジンのハイブリッド燃料供給システムを適用した船舶に関し、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載さていると認められる。
「LNG貯蔵タンクCTに貯蔵されたLNGから発生するBOGを圧縮する圧縮機200と、 前記LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGを供給されて圧縮させる高圧ポンプ300と、
前記高圧ポンプ300で圧縮された前記LNGを気化させる気化器310と、
前記圧縮機200を経て圧縮された前記BOGを燃料として供給されるME-GIエンジンとを含み、
前記ME-GIエンジンは、150乃至400barに圧縮された高圧ガスを燃料として使用し、前記圧縮機200で圧縮された前記BOG及び前記高圧ポンプ300で圧縮された前記LNGのうち少なくとも1つが燃料として供給されて駆動される船舶用エンジンのハイブリッド燃料供給システムを適用した船舶において、
前記船舶の前記LNG貯蔵タンクCTに連結され、前記LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGから発生する前記BOGを前記船舶の前記ME-GIエンジンに供給する第1流路L1と、前記船舶の前記LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGを前記高圧ポンプ300及び前記気化器310を介して前記圧縮機200の下流側部分につながることで前記ME-GIエンジンに供給する第2流路L2と、前記第1流路L1に設けられて前記BOGを圧縮する前記圧縮機200とを含む、
ハイブリッド燃料供給システムを適用した船舶。」

(6)引用文献6の記載事項
引用文献6には次の記載がある。
(6a)
「【0001】
本発明は、ガス炊きディーゼル機関を備えた船舶、燃料ガス供給装置および燃料ガス供給方法に関するものである。」

(6b)
「【0022】
LNGタンク1の下方には、LNG取出配管16が接続されており、このLNG取出配管16を介して、LNGタンク1内のLNGがサクションドラム18へと導かれるようになっている。LNG取出配管16には、液面制御弁17が設けられており、この液面制御弁17により、サクションドラム18内のLNGの液面位置が制御されるようになっている。 サクションドラム18の下方には、LNG供給配管20が接続されており、このLNG供給配管20を介して、サクションドラム18内のLNGがLNGポンプ3へ導かれるようになっている。なお、サクションドラム18内で生成したボイルオフガスは、ガス燃焼装置24の燃焼炉25へと導かれるようになっている。この燃焼炉25とサクションドラム18との間には、空気熱交換器31が設けられており、この空気熱交換器31によってボイルオフガスを昇温した後に、燃焼炉25にて焼却処理するようになっている。」

(6c)
引用文献6には、以下の図が示されている。
【図1】

上記記載事項から、引用文献6には、以下の事項(以下「引用文献6に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。

「ガス炊きディーゼル機関を備えた船舶において、LNGタンク1内のLNGがサクションドラム18へと導かれること。」

(7)引用文献7の記載事項
引用文献7には次の記載がある。
(7a)
「【0001】
本発明は、例えばボイルオフガスを液化する液化装置を備えた船舶、液化装置および液化方法に関するものである。」

(7b)
「【0022】
カーゴタンク3のガス相を形成する上部には、BOG取出配管20が接続されている。BOG取出配管20は、合流点20aにてBOG主配管21に接続されている。BOG主配管からはLPG系統A側にBOG分岐配管22が、エチレン系統B側にBOG分岐配管23が、それぞれ分岐されている。 BOG分岐配管22には、開閉弁22aを備えており、下流端がサクションドラム25に接続されている。開閉弁22aは、図2のLPGモードの場合には全開とされ、図3のエチレンモードの場合には全閉とされる。 なお、図2及び図3における開閉弁の表記として、全開の場合は白抜き、全閉の場合は黒塗りつぶしとして表記する。」

(7c)
引用文献7には、以下の図が示されている。
【図2】


上記記載事項から、引用文献7には、以下の事項(以下「引用文献7に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。

「ボイルオフガスを液化する液化装置を備えた船舶において、カーゴタンク3にサクションドラム25を接続すること。」

2-2 対比・判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と引用発明1とを対比する。
後者の「LNG貯蔵タンク10」は、前者の「液化ガスを貯留する貯留器」に相当し、以下同様に、「高圧ポンプ132から排出された前記LNGを加熱する熱交換器50」は「前記液化ガスを気化させる気化器」に、「MEGIエンジン20」は液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用できることは技術常識であるから「前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジン」に、「LNG貯蔵タンク10からMEGIエンジン20まで連結された燃料供給ライン21」の「LNG貯蔵タンク10」から「熱交換器50」までの部分は「前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管」に、「前記燃料供給ライン21上に具備され」た「前記LNGを高圧で加圧する高圧ポンプ132」は、「前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプ」に、「LNG燃料供給システム100を適用したLNG運搬船」は「船舶」に、それぞれ相当する。

したがって、両者の一致点、相違点は次のとおりである。

[一致点]
「液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
を備える、船舶。」

[相違点]
本件発明1は、「前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記貯留器に接続され、前記主ポンプの稼働時で前記予備ポンプの非稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に排出されるように構成された排出配管」を備えるのに対し、
引用発明1は、かかる構成がない点。

イ 判断
上記相違点について検討する。
(ア)上記「2-1(2)?(4)」の引用文献2?4に記載されている各事項から、燃焼ガスの供給装置において、燃焼ガスを送るポンプや圧縮機等の供給手段が停止した場合に、予備の供給手段に切り換えて運転することは周知技術といえる。また、例えば、引用文献5の段落【0008】に「船舶の推進システムにおいては、船級規定上装置の故障による運航中断に対応してエンジンの燃料供給装置の重複化を行わなければならない」と記載されているように、船舶においてエンジンの燃料供給装置の重複化を行うことは技術常識といえるから、引用発明1の「LNG運搬船」において、エンジンの燃料供給装置に対応する「LNG燃料供給システム100」に予備の高圧ポンプを設けて重複化を行うことは当然考慮に入れるべき事項といえる。

(イ)また、予備の高圧ポンプを設ける際には、引用文献1の段落【0007】に記載されている「スタンバイモードの終了後にLNGを供給してクールダウンが別途に必要がなく、エンジンの安定的な動作を実現するLNG燃料供給システムおよびその駆動方法を提供することである。」との課題の解決、及び段落【0020】に記載されている「ブースティングポンプおよび高圧ポンプのクールダウン動作が行われる場合、これらのポンプからのLNGをLNG貯蔵タンクに回収し、ポンプが正常負荷で稼動して状態変化が発生されたLNGを利用してエンジンを安定的に動作することができ、運行の効率を向上させることができるという効果を奏する。」との効果を損なわないように構成するのが自然であるから、引用発明1に設ける予備の高圧ポンプの構成としては、引用発明1と同様に、LNG貯蔵タンク10と予備の高圧ポンプとの間に連結され、LNGを上流で回収する回収ラインと、を含み、前記回収ラインは、ブースティングポンプがクールダウン動作する場合、前記予備の高圧ポンプから前記LNGを前記LNG貯蔵タンク10に回収するものであって、前記予備の高圧ポンプは、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプであり、スタンバイモード時にクールダウンされ、前記ブースティングポンプのクールダウン動作が完了した後、クールダウン動作が開始され、前記回収ラインは、前記予備の高圧ポンプ内部に連結される構成とすることは当業者であれば容易想到であるといえる。また、予備の高圧ポンプを迅速に稼働して運航中断をしないように、常用の「高圧ポンプ132」の稼働時に、該予備の高圧ポンプをクールダウンさせておくことも想定の範囲内ということができる。

(ウ)しかしながら、上記容易想到とした予備の高圧ポンプの前記構成は、「前記回収ラインは、ブースティングポンプがクールダウン動作する場合、前記予備の高圧ポンプから前記LNGを前記LNG貯蔵タンク10に回収するものであって、前記予備の高圧ポンプは、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプであり、スタンバイモード時にクールダウンされ、前記ブースティングポンプのクールダウン動作が完了した後、クールダウン動作が開始され」るものであるから、クールダウン動作は、自然対流によるものではなく、ブースティングポンプの動作によるものである。そして、引用文献2?5には、自然対流により予備のポンプをクールダウン動作することの開示はないし、引用発明1の「高圧ポンプ132」の「クールダウン動作」は、「回収ライン135」に加え、「ブースティングポンプ131」をも用いて構成されるものであって、それら各構成要素が相互に技術的関連性をもった一体不可分な技術として認識されるべきであるから、ブースティングポンプによりクールダウン動作する構成に代えて、自然対流によりクールダウンする構成に変更すべき合理性はなく、むしろ阻害要因があるといえる。

(エ)ところで特許異議申立人は、令和2年3月27日付けの意見書において、「本件発明1における上記構成である『前記高圧ポンプ132の内部とLNG貯蔵タンク10とが前記回収ライン135により連結された構成』においては、クールダウンのために前記高圧ポンプ132の内部に導入されたLNGが昇温されると、このLNGの密度が低下し、密度が低下したLNGと低温で高密度の前記LNG貯蔵タンク10中のLNGとの間で、自然対流が発生する。つまり、前記高圧ポンプ132及び前記LNG貯蔵タンク10のように、2つの空間が配管(回収ライン135)により連結されたものにおいて、2つの空間内に密度の異なる液体(温度の異なる同一の液体)が満たされていれば、自然現象として自然対流が生じることは技術常識である。(甲第13号証参照。)」(2頁下から2行?3頁9行)と主張する。
しかし、上記(ウ)で述べたように、引用発明1は、ブースティングポンプ131によりクールダウン動作するものであるところ、引用文献1の【図2】に示されるように、回収ライン135につながるLNG貯蔵タンク10と高圧ポンプ132の間の燃料供給ライン21にはブースティングポンプが存在しているから、該ブースティングポンプの構成部品(羽根車、ピストン、ロータ、歯車等)が自然対流を阻害するものであり、このことからみても、引用発明1には、自然対流により高圧ポンプ132をクールダウン動作するという技術思想は存在しない。
したがって、特許異議申立人の上記主張は採用できない。

よって、上記相違点に係る本件発明1の構成が当業者にとって容易想到であるということはできない。
なお、引用文献6及び7は、訂正前の本件発明9に関する周知技術(サクションドラム)を例示するものであり、上記相違点に係る本件発明1の構成に関する技術を開示するものではない。

ウ 小括
以上のとおりであるから、本件発明1は、引用発明1、周知技術(引用文献2?4)、及び技術常識(引用文献5)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

(2)本件発明5について
ア 対比
本件発明5と引用発明2を対比する。
後者の「LNG貯蔵タンクCT」は、前者の「液化ガスを貯留する貯留器」に相当し、後者の「ME-GIエンジン」は、ガス及び油を燃料とすることは技術常識であるから、前者の「前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジン」に相当し、後者の「前記船舶の前記LNG貯蔵タンクCTに連結され、前記LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGから発生する前記BOGを前記船舶の前記ME-GIエンジンに供給する第1流路L1」は、前者の「前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管」に相当する。
後者の「前記第1流路L1に設けられて前記BOGを圧縮する前記圧縮機200」は、「前記ME-GIエンジンは、150乃至400barに圧縮された高圧ガスを燃料として使用し、前記圧縮機200で圧縮された前記BOG」「が燃料として供給され」るものであるから、前者の「前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサ」に相当する。
後者の「前記船舶の前記LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGを前記高圧ポンプ300及び前記気化器310を介して前記圧縮機200の下流側部分につながることで前記ME-GIエンジンに供給する第2流路L2」は、前者の「前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管」に相当する。
後者の「前記LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGを供給されて圧縮させる高圧ポンプ300」は、「前記船舶の前記LNG貯蔵タンクCTに貯蔵された前記LNGを前記高圧ポンプ300及び前記気化器310を介して前記圧縮機200の下流側部分につながることで前記ME-GIエンジンに供給する第2流路L2」との構成から、「第2流路L2」に設けられることは明らかであり、かつ引用文献5の段落【0045】の「本実施形態で、LNG貯蔵タンクCTで発生するBOGが高圧ガス噴射エンジン100の燃料必要量を満たす場合は第1流路L1でBOGが供給され、BOGの発生量が燃料必要量より少ない場合はポンピング及び気化された液化天然ガスのみが供給される、またはBOGが供給されるとともに燃料の不足分だけのポンピング及び気化された液化天然ガスが供給され得る。」との記載から、予備ポンプとして使われることも明らかであるから、後者のかかる「高圧ポンプ300」と、前者の「前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプ」とは、「前記第2配管に設けられた、予備ポンプ」である点で共通する。
後者の「前記高圧ポンプ300で圧縮された前記LNGを気化させる気化器310」は、「第2流路L2」における「高圧ポンプ300」の下流側部分に設けられることは明らかであるから、前者の「前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器」に相当する。
後者の「船舶用エンジンのハイブリッド燃料供給システムを適用した船舶」は前者の「船舶」に相当する。
したがって、両者の一致点、相違点は次のとおりである。

[一致点]
「液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、
前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、
前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、予備ポンプと、
前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、を備える、船舶。」

[相違点A]
「予備ポンプ」に関し、
本件発明5は、「シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプ」であるのに対し、
引用発明2は、かかる構成が特定されていない点。

[相違点B]
本件発明5は、「前記貯留器に接続され、前記高圧コンプレッサの稼働時で前記予備ポンプの非稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に排出されるように構成された排出配管」を備えるのに対し、
引用発明2は、かかる排出配管が設けられていない点。

(2)判断
ア 上記相違点Aについて検討する。
船舶のLNG貯蔵タンクに貯蔵された液化天然ガスをポンピング及び気化させてME-GIエンジンに供給する際の高圧ポンプとして、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプを使用することは、例えば引用文献1の【図1】に示された「高圧ポンプ32」及び【図3】に示された「高圧ポンプ132」のように、従来周知の技術であるから、引用発明2の「高圧ポンプ300」において、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプを採用することは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 上記相違点Bについて検討する。
引用発明5には、上記「(1)イ(イ)」でも述べたように引用文献5の段落【0008】の「船舶の推進システムにおいては、船級規定上装置の故障による運航中断に対応してエンジンの燃料供給装置の重複化を行わなければならない」と記載、そして、運航中断を避けるためには、「高圧ポンプ300」を迅速に正常負荷で稼動してエンジンを安定的に動作させる必要性があることから、引用発明5の「高圧ポンプ300」の構成において、引用発明1の「前記LNG貯蔵タンク10と前記高圧ポンプ132との間に連結され、前記LNGを上流で回収する回収ライン135と、を含み、前記回収ライン135は、前記ブースティングポンプ131がクールダウン動作する場合、前記高圧ポンプ132から前記LNGを前記LNG貯蔵タンク10に回収するものであって、前記高圧ポンプ132は、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプであり、スタンバイモード時にクールダウンされ、前記ブースティングポンプ131のクールダウン動作が完了した後、クールダウン動作が開始され、前記回収ライン135は、前記高圧ポンプ132の内部に連結される」との構成を参考にして、LNG貯蔵タンクCTと高圧ポンプ300との間に連結され、LNGを上流で回収する回収ラインと、を含み、前記回収ラインは、ブースティングポンプがクールダウン動作する場合、前記高圧ポンプ300から前記LNGを前記LNG貯蔵タンクCTに回収するものであって、前記高圧ポンプ300は、スタンバイモード時にクールダウンされ、前記ブースティングポンプのクールダウン動作が完了した後、クールダウン動作が開始され、前記回収ラインは、前記高圧ポンプ300の内部に連結される構成とすることは当業者であれば容易想到であるといえる。また、高圧ポンプ300を迅速に稼働して運航中断をしないように、常用としての「圧縮機200」の稼働時に、予備ポンプとしての「高圧ポンプ300」をクールダウンさせておくことも想定の範囲内ということができる。
しかしながら、上記「(1)イ(ウ)」でも述べたように、上記容易想到とした高圧ポンプ300の構成は、ブースティングポンプがクールダウン動作する場合、回収ラインは、高圧ポンプ300からLNGをLNG貯蔵タンクCTに回収するものであるから、クールダウン動作は、自然対流ではなく、ブースティングポンプの動作によるものである。そして、引用発明1の「高圧ポンプ132」の「クールダウン動作」は、「回収ライン135」に加え、「ブースティングポンプ131」をも用いて構成されるものであって、それら各構成要素が相互に技術的関連性をもった一体不可分な技術として認識されるべきであるから、ブースティングポンプによりクールダウン動作する構成に代えて、自然対流によりクールダウンする構成にさらに変更すべき合理性はなく、むしろ阻害要因があるといえる。
よって、上記相違点Bに係る本件発明1の構成が当業者にとって容易想到であるということはできない。
なお、引用文献2?4には、上記引用文献2?4に記載された事項(2-1の(2)?(4)を参照。)が開示されているが、自然対流によりクールダウンする構成は記載さていない。また、引用文献6及び7は、訂正前の本件発明9に関する周知技術(サクションドラム)を例示するものであり、上記相違点B係る本件発明1の構成に関する技術を開示するものではない。

ウ 小括
以上のとおりであるから、本件発明5は、引用発明2、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

(3)本件発明9について
訂正後の請求項1、5のいずれか一項の記載を引用する訂正後の請求項9に係る発明は、本件発明1、本件発明5のいずれかの発明特定事項を全て含み、さらに限定して発明を特定したものであるから、引用発明1、引用文献2?7の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
訂正後の請求項3、6、8のいずれか一項の記載を引用する請求項9に係る発明は、取消理由の対象となっていない訂正前の請求項3、6、8に係る発明のいずれかの発明特定事項を全て含むものでるから、引用発明1、引用文献2?7の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(4)本件発明10について
本件発明10は、訂正前の請求項5に係る発明に取消理由の対象となっていない訂正前の請求項6に係る発明の発明特定事項を全て含むものであるから、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 本件取消理由において採用しなかった特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。
(1)申立理由(特許法第29条第2項)
本件訂正前の請求項3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?5号証に記載された事項に基いて、本件訂正前の請求項6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?4、7、8号証に記載された事項に基いて、本件訂正前の請求項8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?4、7、9号証に記載された事項に基いて、本件訂正前の請求項9に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?5、7?12号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
なお、特許異議申立人は、訂正前の請求項4を引用する請求項9について、甲第6号証を用いて特許法第29条の2の理由を申し立てていたが、本件訂正により請求項4が削除されたので、その対象がなくなった。


[各甲号証一覧]
甲第1号証:韓国登録特許第10-1277844号(取消理由の引用文献
1)
甲第2号証:特開2002-303274号公報(同引用文献2)
甲第3号証:特開平8-247041号公報(同引用文献3)
甲第4号証:特開昭60-145485号公報(同引用文献4)
甲第5号証:ガス燃料船ガイドライン(2012年1月)一般財団法人日本
海事協会
甲第7号証:国際公開第2014/65617号(同引用文献5)
甲第8号証:RECIPROCATING CRYOGENIC PUMPS AMD PUMP INSTALLATIONS、IG
C Document 159/10/E、(2010年)EUROPEAN INDUSTRIAL G
ASES ASSOCIATION AISBL
甲第9号証:特開2014-173724号公報
甲第10号証:特開2013-209926号公報(同引用文献6)
甲第11号証:特開2013-210044号公報(同引用文献7)
甲第12号証:特開2014-104847号公報

2 検討
(1)申立理由1(特許法第29条第2項)について
(1-1)各甲号証の記載事項等
ア 甲第1号証
甲第1号証は取消理由の引用文献1であるから、甲第1号証には、上記「第4 2 2-1(1)(1-3)」で引用発明1として認定したとおりの発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

イ 甲第2?4号証
甲第2?4号証は取消理由の引用文献2?4であるから、甲第2?4号証には、上記「第4 2 2-1(2)?(4)」で引用文献2?4に記載された事項として認定したとおりの事項(以下それぞれ「甲2?4事項」という。)が記載されていると認められる。

ウ 甲第5号証
甲第5号証の37頁に示された図15.2及びその説明から、
「ガス燃料タンクから圧縮機室により圧縮されたガス燃料が2個の自動遮断弁を介してエンジンに供給すること。」(以下「甲第5号証に記載された事項」という。)が記載さている。

エ 甲第7号証
甲第7号証は取消理由の引用文献5であるから、甲第7号証には、上記「第4 2 2-1(5)(5-3)」で引用発明2として認定したとおりの発明ないし事項(以下「甲7発明」ないし「甲7事項」という。)が記載されていると認められる。

オ 甲第8号証
甲第8号証の3頁に示された図15.2及びその説明から、
「貯留器内の液体を圧縮ガスボンベ等へ充填を行う往復動極低温ポンプにおいて、吸入された暖かい戻り液を戻すための戻り管を貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するよう配置すること。」(以下「甲第8号証に記載された事項」という。)が記載さている。

カ 甲第9号証
甲第9号証の【請求項1】及び段落【0041】等の記載から、
「LNG燃料供給システムにおいて、高圧エンジンとポンプとの間の燃料供給ライン上に具備され、前記ポンプから供給されるLNGを加熱する第1熱交換器と、
低圧エンジンとLNG貯蔵タンクとの間の前記燃料供給ライン上に具備され、前記LNG貯蔵タンクから供給される液体状態の前記LNGを気化させる第2熱交換器とを含むこと。」(以下「甲第9号証に記載された事項」という。)が記載さている。

キ 甲第10、11号証
甲第10、11号証は取消理由の引用文献6、7であるから、甲第10、11号証には、上記「第4 2 2-1(6)、(7)」で引用文献6、7に記載された事項として認定したとおりの事項(以下それぞれ「甲10、11事項」という。)が記載されていると認められる。

ク 甲第12号証
甲第12号証の段落【0031】等の記載及び【図1】から、
「LNG燃料供給システムにおいて、LNGタンクに貯留されたLNGを供給路16を介してサクションドラム18に貯留すること。」(以下「甲第12号証に記載された事項」という。)が記載さている。

(2-2)対比・判断
ア 本件発明3について
(ア)対比
本件発明3と甲1発明とを対比すると、上記「第4 2 2-2(1)ア」で述べた相当関係を有するから、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
を備える、船舶。」

[相違点a]
本件発明3は、「前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが、前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた第1開閉弁と、前記排出配管に設けられた第2開閉弁と、を備え、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁は、前記主ポンプの非稼働時に閉じられ、前記主ポンプの稼働時に開かれる」との構成であるのに対し、
甲1発明は、かかる構成がない点。

(イ)判断
上記相違点aに係る本件発明3の「前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが、前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と」を備える構成は、「第4 2 2-2(1)イ(ア)(イ)」で述べたように容易想到といえるものである。
しかしながら、その余の相違点に関し、甲第2号証に記載された事項の「切替手段」は「シールガス供給管路61」と「シールガス供給管路62」の流通のための弁であり、甲第5号証に記載された事項の「2個の自動遮断弁」は、「圧縮機室」と「エンジン」との流通を自動的に遮断する弁であり、本件発明3の「排出配管に設けられた第2開閉弁」とは、配置位置も機能も異なる弁であるから、上記容易想到とした構成の「排出配管」に、さらに甲第2号証に記載された事項の「切替手段」又は甲第5号証に記載された事項の「2個の自動遮断弁」を配置する動機付けは存在しない。
また、甲第3、4号証にも、本件発明3の「第2開閉弁」に相当する構成は記載さていないから、上記相違点aに係る本件発明3の「前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた第1開閉弁と、前記排出配管に設けられた第2開閉弁と、を備え、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁は、前記主ポンプの非稼働時に閉じられ、前記主ポンプの稼働時に開かれる」との構成を当業者といえどの容易想到とすることはできない。
したがって、本件発明3は、甲1発明及び甲第2?5号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものということはできない。

イ 本件発明6について
(ア)対比
本件発明6と甲1発明とを対比すると、上記「第4 2 2-2(1)ア」で述べた相当関係を有するから、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
を備える、船舶。」

[相違点b]
本件発明6は、「前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備え、前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記貯留器に流れるように構成され」るのに対し、
甲1発明は、かかる構成がない点。

(イ)判断
上記相違点bに係る本件発明6の「前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備え、前記排出配管は、前記貯留器に接続され」るとの構成は、「第4 2 2-2(1)イ(ア)(イ)」で述べたように容易想到といえるものである。
しかしながら、その余の相違点bに関し、甲第8号証に記載された事項は、「貯留器内の液体を圧縮ガスボンベ等へ充填を行う往復動極低温ポンプ」であって、船舶のエンジンへ気化した液化ガスを供給するためのポンプへの適用が言及されていないし、甲第8号証に記載された事項の「戻り管」は、吸入された暖かい戻り液を戻すためのものであって、上記容易想到とした構成の「排出配管」とは機能が異なるものであるから、上記容易想到とした構成の「排出配管」の構成として、甲第8号証に記載された事項の「戻り管」の構成を適用する動機付けは存在しない。
また、甲第2?4、7号証にも、本件発明6の「前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置され」との構成は開示さていないから、上記相違点bに係る本件発明6の「前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記貯留器に流れるように構成され」との構成を当業者といえども容易想到とすることはできない。
したがって、本件発明6は、甲1発明及び甲第2?4、7、8号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものということはできない。

ウ 本件発明8について
(ア)対比
本件発明8と甲1発明とを対比すると、上記「第4 2 2-2(1)ア」で述べた相当関係を有するから、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
を備える、船舶。」

[相違点c]
本件発明8は、「前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、前記液化ガスが気化したガスを消費する機器と、前記貯留器と前記機器とを接続する低圧燃料供給配管と、
前記低圧燃料供給配管に設けられた、前記気化器とは別の気化器と、を備え、前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成される」のに対し、
甲1発明は、かかる構成がない点。

(イ)判断
上記相違点cに係る本件発明8の「前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管」を備えるとの構成は、「第4 2 2-2(1)イ(ア)(イ)」で述べたように容易想到といえるものである。
しかしながら、その余の相違点cに関し、甲第9号証に記載された事項の「低圧エンジン」、「低圧エンジンとLNG貯蔵タンクとの間の前記燃料供給ライン」、及び「第2熱交換器」は、本件発明8の「前記液化ガスが気化したガスを消費する機器」、「低圧燃料供給配管」、及び「前記気化器とは別の気化器」に単体では相当するものの、本件発明8の「前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され」との構成が甲第9号証には開示されていないから、甲1発明に甲第9号証に記載された事項を参考にしても、上記相違点cに係る本件発明8の「前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成」することを当業者といえどの容易想到とすることはできない。
また、甲第2?4、7号証にも、本件発明8の「前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成」することは記載さていない。
したがって、本件発明6は、甲1発明及び甲第2?4、7、9号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものということはできない。

エ 本件発明9について
本件発明9については、上記「第4 2 2-2(3)」で述べたとおりであるところ、さらに甲第5、7?9、12号証に記載された事項を参考にしても、甲1発明及び甲第2?5、7?12号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものということはできない。

オ 小括
以上のとおり、本件発明3、6、8、9は、特許法第29条第2項に違反してなされたものとはいえない。
したがって、申立理由によっては、本件請求項3、6、8、9に係る特許を取り消すことはできない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した申立理由によっては、本件請求項1、3、5、6、8?10に係る特許を取り消すことはできないし、他に上記本件請求項に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項2、4、7に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項2、4、7に対して、異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記貯留器に接続され、前記主ポンプの稼働時で前記予備ポンプの非稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に排出されるように構成された排出配管と、を備える、船舶。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、
前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた第1開閉弁と、前記排出配管に設けられた第2開閉弁と、を備え、
前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁は、前記主ポンプの非稼働時に閉じられ、前記主ポンプの稼働時に開かれる、船舶。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、
前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、
前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、
前記貯留器に接続され、前記高圧コンプレッサの稼働時で前記予備ポンプの非稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に排出されるように構成された排出配管と、を備える、船舶。
【請求項6】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備え、
前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記貯留器に流れるように構成される、船舶。
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスを気化させる気化器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、
前記液化ガスが気化したガスを消費する機器と、
前記貯留器と前記機器とを接続する低圧燃料供給配管と、
前記低圧燃料供給配管に設けられた、前記気化器とは別の気化器と、を備え、
前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成される、船舶。
【請求項9】
前記貯留器は、サクションドラムである、請求項1、3、5、6、8のいずれか一項に記載の船舶。
【請求項10】
液化ガスを貯留する貯留器と、
前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、
前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、
前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、
前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、
前記高圧コンプレッサの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備え、
前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置される、船舶。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-09-15 
出願番号 特願2014-201615(P2014-201615)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (B63H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山尾 宗弘結城 健太郎杉田 隼一  
特許庁審判長 佐々木 一浩
特許庁審判官 須賀 仁美
島田 信一
登録日 2019-01-11 
登録番号 特許第6461541号(P6461541)
権利者 川崎重工業株式会社
発明の名称 船舶  
代理人 特許業務法人有古特許事務所  
代理人 特許業務法人 有古特許事務所  
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