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審決分類 |
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C22C 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する C22C 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C22C 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する C22C 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する C22C |
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管理番号 | 1369193 |
審判番号 | 訂正2020-390063 |
総通号数 | 254 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-02-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-07-29 |
確定日 | 2020-11-27 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6542249号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6542249号の特許請求の範囲を審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1?3〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6542249号(請求項の数19。以下,「本件特許」という。)は,2015年(平成27年)10月27日(優先権主張:平成26年10月31日,同年11月21日)を国際出願日とする特許出願(特願2016-556584号)に係るものであって,令和1年6月21日に設定登録されたものである。 その後,令和2年7月29日に,本件特許に対して,特許権者である日鉄ステンレス株式会社により,本件訂正審判の請求がされた。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 1 請求の趣旨 結論と同旨 2 訂正の内容 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「880?9050℃に加熱する最終焼鈍をする」と記載されているのを,「880?950℃に加熱する最終焼鈍をする」に訂正する。 (審決注:下線は,訂正箇所を示す。) (2)一群の請求項について 訂正前の請求項1?3について,請求項2及び3は,請求項1を直接又は間接的に引用するものであり,上記の訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって,訂正前の請求項1?3は,一群の請求項である。そして,本件訂正審判の請求は,その一群の請求項ごとに請求がされたものである。 第3 当審の判断 1 訂正事項1について 訂正事項1に係る訂正は,訂正前の請求項1における最終焼鈍の焼鈍温度の上限について,「9050℃」を「950℃」とするものである。 (1)訂正の目的 請求人は,訂正事項1に係る訂正は,誤記の訂正を目的とするものであると主張するので,以下,検討する。 ア 特許法126条1項ただし書2号は,「誤記の訂正」を目的とする場合には,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面の訂正をすることを認めているが,ここで「誤記」というためには,訂正前の記載が誤りで訂正後の記載が正しいことが,当該明細書,特許請求の範囲若しくは図面の記載又は当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)の技術常識などから明らかで,当業者であればそのことに気付いて訂正後の趣旨に理解するのが当然であるという場合でなければならないものと解される(知的財産高等裁判所,平成18年(行ケ)第10204号,平成18年10月18日2部判決,同裁判所,平成28年(行ケ)第10154号,平成29年5月30日2部判決)。 以下,検討する。 イ(ア)訂正前の請求項1に係る発明は,フェライト系ステンレス鋼板の製造方法に関するものであって,所定の熱間圧延をした後,熱延板焼鈍を省略して,中間冷延,所定の中間焼鈍,最終冷延,「880?9050℃に加熱する最終焼鈍をする」ものであるところ,上記の最終焼鈍の温度の上限である「9050℃」は,フェライト系ステンレス鋼が溶融する温度を明らかに超えるものである(なお,鉄の融点は1536℃程度である。)。 そうすると,フェライト系ステンレス鋼を始めとする各種合金に対する焼鈍が,固体状態で行われることが技術常識であることを踏まえると,上記の最終焼鈍の焼鈍温度の上限である「9050℃」は,それ自体で誤りであることが明らかである。 (イ)a 本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(以下,「本件明細書等」という。)には,以下の記載がある。 「(1)質量%にて,C:0.001?0.03%,Si:0.01?0.9%,Mn:0.01?1.0%,P:0.01?0.05%,S:0.0003?0.01%,Cr:10?20%,N:0.001?0.03%,Ti,Nbの一種または2種を0.05?1.0%含有し,残部がFeおよび不可避的不純物より成る鋼で,板厚中心部の{111}強度が5以上,{411}強度が3未満であり,結晶粒度番号が5.5以上であることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって, 前記成分を有するステンレス鋼スラブを熱間圧延する際,スラブ加熱温度を1100?1200℃とし,粗圧延のパス回数(n回)の中で(n-2)回以上を各々圧下率30%以上で行うとともに粗圧延終了温度を1000℃以上とし,仕上温度を900℃以下とする連続圧延を行い,700℃以下で巻取り,その後,熱延板焼鈍を省略して,引き続き,少なくとも1回は直径が400mm以上のロールを用いて40%以上の圧下率で冷延する中間冷延,820?880℃に加熱する中間焼鈍,最終冷延,880?9050℃に加熱する最終焼鈍をすることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。」(【0021】) 「最終冷延後の最終焼鈍については,焼鈍温度を880?950℃として,結晶粒度番号を5.5以上に調整する。結晶粒度番号が5.5未満になるとリジングやオレンジピールと呼ばれる肌荒れが顕著になるため,上限を5.5とした。これを満足する焼鈍温度が950℃以下であるため,焼鈍温度の上限を950℃とした。一方,880℃未満では未再結晶組織が部分的に残る場合があるため,下限を880℃とした。」(【0070】) 「【表2ー1】 」(【0125】) 「【表2ー3】 」(【0127】) b 上記aの記載によれば,本件明細書等の【0021】には,訂正前の請求項1と同様,「880?9050℃に加熱する最終焼鈍をする」との記載があるものの(当該記載は,特許請求の範囲の記載を単に引き写したものと解される。),本件明細書等の【0070】には,最終焼鈍の焼鈍温度を880?950℃としたこと,焼鈍温度の上限を950℃としたことが記載され,また,現に,表2-1(【0125】)には,本発明例1?27として,最終焼鈍の焼鈍温度が890?950℃であるものが記載されている。 一方,表2-3(【0127】)には,比較例65として,最終焼鈍の焼鈍温度が960℃であるものが記載されている。ここで,表2-3における比較例65の「最終焼鈍」の「焼鈍温度」の欄には,「960*」として,「本発明から外れているもの」(表2-3の脚注を参照)を意味する「*」の記号が付されていることから,960℃との焼鈍温度は,訂正前の請求項1に係る発明における最終焼鈍の焼鈍温度から外れたものであり,比較例65は,この点で比較例とされていることが理解できる。 c 以上によれば,訂正前の請求項1における最終焼鈍の焼鈍温度の上限である「9050℃」は,本件明細書等の記載との関係でも誤りであることが明らかである。 (ウ)そして,上記(イ)で本件明細書等の記載について検討したところによれば,訂正前の請求項1における最終焼鈍の焼鈍温度の上限については,本件明細書等の記載全体から,「950℃」との正しい記載が自明な事項として定まるといえる。 ウ 以上のとおりであるから,訂正前の請求項1の「9050℃」との記載が誤りで訂正後の「950℃」との記載が正しいことが,本件明細書等の記載又は当業者の技術常識などから明らかで,当業者であればそのことに気づいて訂正後の趣旨に理解するのが当然であるといえる。 したがって,訂正事項1に係る訂正は,誤記の訂正を目的とするものに該当する。 (2)新規事項の追加,実質上特許請求の範囲の拡張又は変更 本件特許の国際出願日における国際出願の明細書,請求の範囲又は図面(以下,「出願当初明細書等」という。)には,以下に示す[0021]の記載のほか,上記(1)イ(イ)aで示した記載(【0070】,【表2-1】(【0125】),【表2-3】(【0127】))と同じ記載([0070],[表2-1]([0125]),[表2-3]([0127]))がある。 「(6)本発明の成分を有するステンレス鋼スラブを熱間圧延する際,スラブ加熱温度を1100?1200℃とし,粗圧延のパス回数(n回)の中で(n-2)回以上を各々圧下率30%以上で行うとともに粗圧延終了温度を1000℃以上とし,仕上温度を900℃以下とする連続圧延を行い,700℃以下で巻取り,その後,熱延板焼鈍を省略して,引き続き,少なくとも1回は直径が400mm以上のロールを用いて40%以上の圧下率で冷延する中間冷延,820?880℃に加熱する中間焼鈍,最終冷延,880?950℃に加熱する最終焼鈍をすることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。」([0021]) 上記の出願当初明細書等の記載によれば,訂正事項1に係る訂正は,出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (3)独立特許要件 本件訂正審判の請求に係る訂正後の請求項1?3に記載されている事項により特定される発明について,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるとはいえない理由は,見当たらない。 第4 むすび 以上のとおり,本件訂正審判の請求に係る訂正は,特許法126条1項ただし書2号に掲げる事項を目的とするものに該当し,かつ,同条5?7項の規定に適合するものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 質量%にて、C:0.001?0.03%、Si:0.01?0.9%、Mn:0.01?1.0%、P:0.01?0.05%、S:0.0003?0.01%、Cr:10?20%、N:0.001?0.03%、Ti、Nbの一種または2種を0.05?1.0%含有し、残部がFeおよび不可避的不純物より成る鋼で、板厚中心部の{111}強度が5以上、{411}強度が3未満であり、結晶粒度番号が5.5以上であることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、 前記成分を有するステンレス鋼スラブを熱間圧延する際、スラブ加熱温度を1100?1200℃とし、粗圧延のパス回数(n回)の中で(n-2)回以上を各々圧下率30%以上で行うとともに粗圧延終了温度を1000℃以上とし、仕上温度を900℃以下とする連続圧延を行い、700℃以下で巻取り、その後、熱延板焼鈍を省略して、引き続き、少なくとも1回は直径が400mm以上のロールを用いて40%以上の圧下率で冷延する中間冷延、820?880℃に加熱する中間焼鈍、最終冷延、880?950℃に加熱する最終焼鈍をすることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 【請求項2】 鋼成分はさらに質量%にて、B:0.0002?0.0030%、Al:0.005?0.3%、Ni:0.1?1.0%、Mo:2.0%以下、Cu:0.1?3.0%、V:0.05?1.0%、Ca:0.0002?0.0030%、Mg:0.0002?0.0030%、Zr:0.01?0.3%、W:0.01?3.0%、Co:0.01?0.3%、Sn:0.003?0.50%、Sb:0.005?0.50%、REM:0.001?0.20%、Ga:0.0002?0.3%、Ta:0.001?1.0%、Hf:0.001?1.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 【請求項3】 前記中間焼鈍工程において、結晶粒度番号を6以上かつ,板厚中心部の{111}方位強度を3以上にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 【請求項4】 質量%にて、C:0.03%以下、N:0.03%以下、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.04%以下、S:0.0003?0.0100%、Cr:10?30%、Al:0.300%以下、およびTi:0.05?0.30%、Nb:0.01?0.50%の1種または2種を含有し、TiとNbの合計が、8(C+N)または0.05の小さい値?0.75%であり残部がFeおよび不可避的不純物からなり、板厚中心部の{111}〈110〉方位強度が4.0以上、{311}〈136〉方位強度が3.0未満であり、結晶粒度番号が6以上であることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、 前記成分組成であるステンレス鋼のスラブを熱延する熱延工程において、スラブ加熱温度を1100?1200℃として粗圧延を行い、仕上げ圧延を開始温度が900℃以上、終了温度が800℃以上、その差が200℃以内となるように行い、600℃以上で巻取りし、 その後、熱延板焼鈍を省略して中間冷延、中間焼鈍、最終冷延、最終焼鈍を行い、冷延工程において、少なくとも一回、直径が400mm以上のロールを用いて40%以上の圧下率で冷延し、 中間焼鈍工程において、800?880℃に加熱し、 最終冷延工程において、60%以上の圧下率で冷延し、 最終焼鈍工程において、850?950℃に加熱することを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 【請求項5】 鋼成分組成はさらに質量%にて、B:0.0002?0.0030%、Ni:0.1?1.0%、Mo:0.1?2.0%、Cu:0.1?3.0%、V:0.05?1.00%、Ca:0.0002?0.0030%、Mg:0.0002?0.0030%、Sn:0.005?0.500%、Zr:0.01?0.30%、W:0.01?3.00%、Co:0.01?0.30%、Sb:0.005?0.500%、REM:0.001?0.200%、Ga:0.0002?0.3%、Ta:0.001?1.0%、Hf:0.001?1.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項4記載の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 【請求項6】 板厚をt(mm)、平均r値をr_(m)とした場合、r_(m)≧-1.0t+3.0であること を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 【請求項7】 前記中間焼鈍工程において、組織を再結晶完了直前、あるいは結晶粒度番号を6以上の微細組織にすることを特徴とする請求項4?請求項6のいずれか1項に記載の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 【請求項8】 質量%にて、C:0.001?0.03%、Si:0.01?0.9%、Mn:0.01?1.0%、P:0.01?0.05%、S:0.0003?0.01%、Cr:10?20%、N:0.001?0.03%、Nb:0.05?1.0%含有し、残部がFeおよび不可避的不純物より成る鋼で、板厚中心部の{111}強度が5以上、{411}強度が3未満であり、結晶粒度番号が5.5以上であることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項9】 さらに質量%にて、B:0.0002?0.0030%、Al:0.005?0.3%、Ni:0.1?1.0%、Mo:2.0%以下、Cu:0.1?3.0%、V:0.05?1.0%、Ca:0.0002?0.0030%、Mg:0.0002?0.0030%、Zr:0.01?0.3%、W:0.01?3.0%、Co:0.01?0.3%、Sn:0.003?0.50%、Sb:0.005?0.50%、REM:0.001?0.20%、Ga:0.0002?0.3%、Ta:0.001?1.0%、Hf:0.001?1.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項8に記載の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載のステンレス鋼板を素材として造管された成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼管。 【請求項11】 請求項8又は請求項9に記載のステンレス鋼板を素材とする自動車排気系部品用フェライト系ステンレス鋼板。 【請求項12】 質量%にて、C:0.03%以下、N:0.03%以下、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.04%以下、S:0.0003?0.0100%、Cr:10?30%、Al:0.300%以下、およびNb:0.01?0.50%を含有し、Nb含有量が8(C+N)または0.05の小さい値?0.75%であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、板厚中心部の{111}〈110〉方位強度が4.0以上、{311}〈136〉方位強度が3.0未満であり、結晶粒度番号が6以上であり、板厚が0.8mm以上であることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項13】 さらに質量%にて、B:0.0002?0.0030%、Ni:0.1?1.0%、Mo:0.1?2.0%、Cu:0.1?3.0%、V:0.05?1.00%、Ca:0.0002?0.0030%、Mg:0.0002?0.0030%、Sn:0.005?0.500%、Zr:0.01?0.30%、W:0.01?3.00%、Co:0.01?0.30%、Sb:0.005?0.500%、REM:0.001?0.200%、Ga:0.0002?0.3%、Ta:0.001?1.0%、Hf:0.001?1.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項12記載の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項14】 質量%にて、C:0.03%以下、N:0.03%以下、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.04%以下、S:0.0003?0.0100%、Cr:10?30%、Al:0.300%以下、およびTi:0.05?0.30%、Nb:0.01?0.50%の1種または2種を含有し、TiとNbの合計が、8(C+N)または0.05の小さい値?0.75%であり、 さらに質量%にて、B:0.0002?0.0030%、Ni:0.1?1.0%、Mo:0.1%以上0.5%未満、Cu:0.1?3.0%、V:0.05?1.00%、Ca:0.0002?0.0030%、Mg:0.0002?0.0030%、Sn:0.005?0.500%、Zr:0.01?0.30%、W:0.01?3.00%、Co:0.01?0.30%、Sb:0.005?0.500%、REM:0.001?0.200%、Ga:0.0002?0.3%、Ta:0.001?1.0%、Hf:0.001?1.0%の1種または2種以上を含有し、 残部がFeおよび不可避的不純物からなり、板厚中心部の{111}〈110〉方位強度が4.0以上、{311}〈136〉方位強度が3.0未満であり、結晶粒度番号が6以上であり、板厚が0.8mm以上であることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項15】 質量%にて、C:0.03%以下、N:0.03%以下、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.04%以下、S:0.0003?0.0100%、Cr:10?30%、Al:0.300%以下、Mo:0.1?2.0%、およびTi:0.05?0.30%、Nb:0.01?0.50%の1種または2種を含有し、TiとNbの合計が、8(C+N)または0.05の小さい値?0.75%であり、 さらに質量%にて、B:0.0002?0.0030%、Ni:0.1?1.0%、Cu:0.1?3.0%、V:0.05?1.00%、Ca:0.0002?0.0030%、Mg:0.0002?0.0030%、Sn:0.005?0.500%、Zr:0.01?0.30%、W:0.01?3.00%、Co:0.01?0.30%、Sb:0.005?0.500%、REM:0.001?0.200%、Ga:0.0002?0.3%、Ta:0.001?1.0%、Hf:0.001?1.0%の1種または2種以上を含有し、 残部がFeおよび不可避的不純物からなり、板厚中心部の{111}〈110〉方位強度が4.0以上、{311}〈136〉方位強度が3.0未満であり、結晶粒度番号が6以上であり、板厚が0.8mm以上であることを特徴とする成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項16】 板厚をt(mm)、平均r値をr_(m)とした場合、r_(m)≧-1.0t+3.0であること を特徴とする請求項12から請求項15までのいずれか1項に記載の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項17】 請求項12から請求項16までのいずれか1項に記載のステンレス鋼板を素材とする自動車部品用又は二輪用部品用の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項18】 請求項12から請求項16までのいずれか1項に記載のステンレス鋼板を素材とする自動車排気管用、燃料タンク用又は燃料パイプ用の成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 【請求項19】 請求項12から請求項16までのいずれか1項に記載のステンレス鋼板を素材として製造された成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼管。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2020-10-26 |
結審通知日 | 2020-10-30 |
審決日 | 2020-11-16 |
出願番号 | 特願2016-556584(P2016-556584) |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Y
(C22C)
P 1 41・ 856- Y (C22C) P 1 41・ 841- Y (C22C) P 1 41・ 852- Y (C22C) P 1 41・ 854- Y (C22C) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 葉子 |
特許庁審判長 |
亀ヶ谷 明久 |
特許庁審判官 |
増山 慎也 井上 猛 |
登録日 | 2019-06-21 |
登録番号 | 特許第6542249号(P6542249) |
発明の名称 | フェライト系ステンレス鋼板、鋼管およびその製造方法 |
代理人 | 特許業務法人樹之下知的財産事務所 |
代理人 | 特許業務法人樹之下知的財産事務所 |