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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 F02B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 F02B
管理番号 1369399
審判番号 不服2019-12603  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-09-24 
確定日 2020-12-11 
事件の表示 特願2017-193028「ピストン燃焼室組み合わせVanderblomモーター」拒絶査定不服審判事件〔平成30年5月17日出願公開、特開2018-76864〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
この出願(以下、「本願」という。)は、2012年(平成24年)7月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年7月1日(EP)欧州特許庁、2011年10月5日(EP)欧州特許庁、2011年10月20日(EP)欧州特許庁、2011年11月21日(EP)欧州特許庁、2012年6月25日(EP)欧州特許庁)を国際出願日とする特願2014-517514号の一部を平成29年10月2日に新たな特許出願としたものであって、平成29年11月1日に明細書、特許請求の範囲及び要約書が添付された翻訳文提出書が提出され、同日の手続補正で特許請求の範囲が補正され、平成30年1月15日の手続補正で明細書が補正され、平成30年9月21日付けで拒絶理由(発送日:平成30年9月28日)が通知されたが、その指定期間内に意見書等が提出されることはなく、令和元年5月22日付けで拒絶査定(発送日:令和元年5月24日)がされ、これに対し、令和元年9月24日に拒絶査定不服審判が請求されたが、同時に手続補正書が提出されることはなく、令和元年11月8日の手続補正で審判請求書が補正されたものである。

第2.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年11月1日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、本願発明は、以下のとおりである。
なお「A:」ないし「H:」は、当審にて付与した分説記号である。

「【請求項1】
A:内側チャンバー壁(156、185、238)によって制限され、愛想よく少なくとも第一の縦位置とチャンバーの第二の縦位置の間の前記チャンバー壁に対して可動であるために前記チャンバーの内側のアクチュエータピストンを備えていているチャンバー(162、186、231)を備えているピストン燃焼室組み合わせ;
B:1番目および第二の縦位置に異なる断面積および異なる円周長さの断面を有している前記チャンバー、1番目と第二の縦位置の間の中間縦通材位置での少なくとも、連続的に異なる断面積および円周長さ、断面積よりも小さい前記第二の縦位置での断面積および円周長さ、および前記第一の縦位置での円周長さ実質的に
C:1番目と、チャンバーの前記中間のlongimdinalな位置を介して第二の縦位置の間のピストンの相対動作の間に前記異なる断面積に同じことを適応させるピストンの異なる断面積、円周長さおよびチャンバーの異なる円周長さに備えて、弾力的に、そのために変形可能なコンテナー(208’と208、217、217。」228と228。」258と258。」450と450」)を備えている前記アクチュエータピストン;
D:アクチュエータピストンはピストンの円周長さが前記第二の縦位置の前記チャンバー(162、186、231)の円周長さとほぼ等価なそれの、ストレスフリーおよび不具でない状態でコンテナー(208’と208、217、217。」228と228。」258と258。」450と450」)の生産サイズを有しているために作製される、前記第二の縦位置から前記第一の縦位置へアクチュエータピストンの相対動作の間にそれの生産サイズからのピストンの膨張に備えて、チャンバーの長手方向に関して方向にその生産サイズからtransversallyに、そのために拡張可能なコンテナー;
E:アクチュエータピストンの異なる断面積および円周長さに備えるのに弾力的に変形可能なコンテナー(208’と208、217、217。」228と228。」258と258。」450と450」)、事実によってそれを特徴づける;
F:o 組み合わせは、位置からの流体を導入するための手段を備えている、外部、コンテナーは、前記コンテナーの加圧を可能にし、そのために、拡大して、前記コンテナーの中にそのために言った、コンテナーは言った;
G:o アクチュエータピストンの壁の平滑表面、少なくとも、そして近くであるまでcontineouslyに、チャンバーの壁を備えたそのコンタクト域;
H:第2からの、およびチャンバーの第一の縦位置への前記コンテナーをそのために置き換えること。」

第3.原査定の拒絶理由3及び4について
原査定の拒絶理由である、平成30年9月21日付けで通知された拒絶理由の理由3及び4は以下のとおりである。

理由3.(明確性要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
理由4.(実施可能要件)この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。



1.理由3(明確性要件違反)
(1)請求項1には、「愛想よく少なくとも第一の縦位置とチャンバーの第二の縦位置の間の前記チャンバー壁に対して可動であるために」という記載がある(上記第2に示す分説Aを参照。)が、「愛想よく」とはどういうことなのか、技術的意味が把握できない。
(2)請求項1には、「1番目および第二の縦位置」、「1番目と、チャンバーの」という記載がある(上記第2に示す分説B及びCを参照。)が、「1番目」とは何なのか、把握できない。
(3)請求項1に記載の、「連続的に異なる断面積および円周長さ、断面積よりも小さい前記第二の縦位置での断面積および円周長さ、および前記第一の縦位置での円周長さ実質的に」(上記第2に示す分説Bを参照。)とはどういうことなのか理解できない。
(4)請求項1には、「1番目と、チャンバーの前記中間のlongimdinalな位置を介して第二の縦位置の間のピストンの相対動作の間に前記異なる断面積に同じことを適応させるピストンの異なる断面積、円周長さおよびチャンバーの異なる円周長さに備えて、」という記載がある(上記第2に示す分説Cを参照。)が、「longimdinalな位置」とはどういう位置なのか、把握できないし、当該記載はどういう発明なのかも理解できない。
(5)請求項1には、「ピストンの円周長さが前記第二の縦位置の前記チャンバーの円周長さとほぼ等価なそれの、ストレスフリーおよび不具でない状態でコンテナーの生産サイズを有しているために作製される、前記第二の縦位置から前記第一の縦位置へアクチュエータピストンの相対動作の間にそれの生産サイズからのピストンの膨張に備えて、チャンバーの長手方向に関して方向にその生産サイズからtransversallyに、そのために拡張可能なコンテナー」という記載がある(上記第2に示す分説Dを参照。)が、「transversallyに」とはどういうことなのか、把握できないし、当該記載はどういう発明なのかも理解できない。
(6)請求項1に記載の、「事実によってそれを特徴づける」(上記第2に示す分説Eを参照。)とはどういうことなのか、理解できない。
(7)請求項1には、「o 組み合わせは、位置からの流体を導入するための手段を備えている、外部、コンテナーは、前記コンテナーの加圧を可能にし、そのために、拡大して、前記コンテナーの中にそのために言った、コンテナーは言った;」という記載がある(上記第2に示す分説Fを参照。)が、「o」は何なのか把握できないし、「言った」とはどういうことなのか、発明が理解できない。
(8)請求項1には、「o アクチュエータピストンの壁の平滑表面、少なくとも、そして近くであるまでcontineouslyに、チャンバーの壁を備えたそのコンタクト域;第2からの、およびチャンバーの第一の縦位置への前記コンテナーをそのために置き換えること。」という記載がある(上記第2に示す分説Gを参照。)が、「o」は何か分からないし、「contineouslyに、」、「コンタクト域」、「置き換えること。」とはどういうことなのか発明が理解できない。
(9)さらに、請求項1は「;」が6つ記載されており(上記第2に示す分説A及びCないしGを参照。)、何の発明なのかも把握できない。
よって、本願発明は明確でない。

2.理由4(実施可能要件違反)について
本願には、図面が添付されていないために、発明が把握できない。
よって、本願の発明の詳細な説明は、当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。

第4.当審の判断
1.理由3(明確性要件違反)について
特許法第36条第6項第2号は、特許請求の範囲の記載に関し、特許を受けようとする発明が明確でなければならない旨規定するが、その趣旨は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲(同法第70条第1項を参照。)を明確にして、第三者に不測の不利益を及ぼすことを防止することにある。
そして,特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載のみならず、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
以上を踏まえ、拒絶査定の理由3について検討する。
(1)分説Aに関して
上記第3.1(1)で指摘した「愛想よく少なくとも第一の縦位置とチャンバーの第二の縦位置の間の前記チャンバー壁に対して可動であるために」なる語句(以下、「語句a」という。)は、分説A、すなわち、「内側チャンバー壁(156、185、238)によって制限され、愛想よく少なくとも第一の縦位置とチャンバーの第二の縦位置の間の前記チャンバー壁に対して可動であるために前記チャンバーの内側のアクチュエータピストンを備えていているチャンバー(162、186、231)を備えているピストン燃焼室組み合わせ;」に出現する語句である。
上記語句aは、分説Aにおいて、「チャンバー(162、186、231)」が、何のために「前記チャンバーの内側のアクチュエータピストンを備えていている」のかについて説明しようとしているものと解されるが、一般に、「愛想」とは、「人に接するときの態度」、「人に対する好意・信頼感」を意味する(例えば、デジタル大辞泉を参照。)ことを踏まえると、上記語句において、「愛想よく」とは、どういうこと、どういう状態を特定しようとしているかが、日本語として不明である。
また、本願発明において、上記「愛想よく」なる語がどういうこと、どういう状態を特定しようとしているかを理解するために、平成30年1月15日の手続補正で補正された本願明細書(以下、単に「本願明細書」という。)を参照しても、上記「愛想よく」は、段落【0001】の「(実質的に)ピストン燃焼室組み合わせ、チャンバーを備えていること、それは内側チャンバー壁によって制限され、愛想よく少なくとも1位と前記チャンバーの第二の縦位置の間の前記チャンバー壁に対して可動であるために前記チャンバー壁の内側のピストンを備えていている、チャンバーは言った、前記チャンバーおよび少なくとも、連続的に異なる断面積の、1番目および第二の縦位置での異なる断面積および異なるcircerentialな長さの断面を有していること、また1番目の間の中間縦通材位置および第二の縦位置での異なるcircumpherentialな長さ、それの、第2の縦位置での断面積よりも大きい第一の縦位置での断面積、弾力的に変形可能なコンテナ壁を有しているコンテナーを備えているアクチュエータピストンは言った、のための、愛想よく、チャンバー壁との接触、コンテナーは言った、弾力的にある、1番目と、前記ことの前記中間縦通材位置を介して第二の縦位置の間の前記ピストンの相対動作の間に前記異なる断面積への適応のためのピストンの異なる断面積、異なる円周長さおよび前記チャンバーの異なる円周長さに備えるのに変形可能。」(下線は当審にて付与。)という文、段落【0015】の「コンテナーの壁とチャンバーの壁の間の接触は、愛想よくまたはsealinglyにあることがある。」という文の他、段落【0120】、【0121】、【0123】、【0158】、【0215】、【0227】、【0254】、【0255】、【0301】、【0302】、【0306】、【0317】、【0344】、【0419】、【0420】、【0560】、【0561】、【1081】?【1085】、【1104】、【1140】、【1393】、【1394】に出現するものの、いずれの段落の記載も、日本語の文章としての体をなしておらず、意味不明であり、さらに、本願には、図面も添付されていないから、たとえ、本願の優先日時点における技術常識を踏まえたとしても、本願において、技術的にどのようなこと、どのような状態を「愛想よく」と表現しているのかが、理解できない。
したがって、上記語句aを含む分説Aは、「内側チャンバー壁(156、185、238)によって制限され」、「前記チャンバーの内側のアクチュエータピストンを備えていているチャンバー(162、186、231)を備えているピストン燃焼室組み合わせ」に関して、何を特定しようとしているのかが不明であるといわざるを得ない。

(2)分説Bに関して
上記第3.1(2)で指摘した「1番目および第二の縦位置」なる語句(以下、「語句b」という。)、及び上記第3.1(3)で指摘した「連続的に異なる断面積および円周長さ、断面積よりも小さい前記第二の縦位置での断面積および円周長さ、および前記第一の縦位置での円周長さ実質的に」なる語句(以下、「語句c」という。)は、分説B、すなわち、「1番目および第二の縦位置に異なる断面積および異なる円周長さの断面を有している前記チャンバー、1番目と第二の縦位置の間の中間縦通材位置での少なくとも、連続的に異なる断面積および円周長さ、断面積よりも小さい前記第二の縦位置での断面積および円周長さ、および前記第一の縦位置での円周長さ実質的に」に出現する語句である。
上記語句bは、この語句単体では「1番目」とは何の1番目であるのかが不明瞭であるが、分説Bの中では、縦位置の1番目、すなわち、最初の縦位置、または、「第二の縦位置」とは別の縦位置である「第一の縦位置」を意味するものと解することもできる。
しかし、語句cについては、「連続的に異なる断面積および円周長さ、断面積よりも小さい前記第二の縦位置での断面積および円周長さ、および前記第一の縦位置での円周長さ」が「実質的に」にどうであるのかが規定されておらず、日本語として意味不明な語句となっている。
また、本願発明において、上記語句cがどのようなこと、どのような状態を特定しようとしているかを理解するために、本願明細書を参照すると、上記語句cに関連すると思われる記載として、段落【0393】、【0463】、【0528】、【0612】等があるが、例えば、【0393】の「本発明の別の側面はピストンとチャンバーの組み合わせに関して、1である、そこで:チャンバーは細長いチャンバーを定義する、縦の軸を有していること、ピストン、第一の縦位置から第二のlongimdinalな位置へのチャンバーにおいて可動である、チャンバー、少なくとも1番目と第二の縦位置の間の内側チャンバー壁の一部に沿った弾力的に変形可能な内壁を有していること、チャンバー、有していること、第一の縦位置で、それの、ピストンがその位置に位置する場合、第一の断面積、それの、そして、第二の縦位置で、それの、ピストンがその位置に位置する場合、第二の断面積、第一の断面積、第2の断面積よりも大きい、チャンバーの断面の変化、少なくとも実質的にある、ピストンが1番目と2番目縦位置間で移動される場合、1番目と第二の縦位置の間で連続的。したがって、ピストンがチャンバーの横断面の変更に適合させるところで、組み合わせに代替的に、この側面は適合させる能力を有しているチャンバーへ関する。」との記載のように、いずれの段落の記載も、日本語の文章としての体をなしておらず、意味不明であるし、本願には、図面も添付されていないから、たとえ、本願の優先日時点における技術常識を踏まえたとしても、上記語句cは、どのようなこと、どのような状態を特定しようとしているか理解できない。
したがって、上記語句cを含む分説Bは、何を特定しようとしているのかが不明であるといわざるを得ない。

(3)分説Cに関して
上記第3.1(2)で指摘した「1番目と、チャンバーの」なる語句(以下、「語句d」という。)、及び上記第3.1(4)で指摘した「1番目と、チャンバーの前記中間のlongimdinalな位置を介して第二の縦位置の間のピストンの相対動作の間に前記異なる断面積に同じことを適応させるピストンの異なる断面積、円周長さおよびチャンバーの異なる円周長さに備えて」なる語句(以下、「語句e」という。)は、分説C、すなわち、「1番目と、チャンバーの前記中間のlongimdinalな位置を介して第二の縦位置の間のピストンの相対動作の間に前記異なる断面積に同じことを適応させるピストンの異なる断面積、円周長さおよびチャンバーの異なる円周長さに備えて、弾力的に、そのために変形可能なコンテナー(208’と208、217、217。」228と228。」258と258。」450と450」)を備えている前記アクチュエータピストン;」に出現する語句である。
上記語句dは、この語句単体では「1番目」とは何の1番目であるのかが不明瞭であるが、分説Cの中では、縦位置の1番目、すなわち、最初の縦位置、または、「第二の縦位置」とは別の縦位置である「第一の縦位置」を意味するものと解することもできる。
しかし、語句eについては、そもそも、「longimdinal」なる語の意味が不明であるから、「longimdinalな位置」とはどういう位置なのか理解できない。
仮に、上記「longimdinal」なる語が、「longitudinal(経度の、経線の、縦の、長さの)」と記載すべきところを誤記したものであったとしても、上記語句e、すなわち、「1番目(第一の縦位置)と、チャンバーの前記中間のlongimdinalな位置(縦位置)を介して第二の縦位置の間のピストンの相対動作の間に前記異なる断面積に同じことを適応させるピストンの異なる断面積、円周長さおよびチャンバーの異なる円周長さに備えて」なる語句は、日本語の語句としての体をなしておらず、意味不明である。
そして、本願明細書において、「longimdinalな位置」なる語句は、段落【0122】、【0393】、【0409】、【0718】、【1383】に出現するものの、上記語句eに対応する記載を見いだすことはできないし、本願には、図面も添付されていないから、たとえ、本願の優先日時点における技術常識を踏まえたとしても、上記語句eは、どのようなこと、どのような状態を特定しようとしているか理解できない。
したがって、上記語句eを含む分説Cは、何を特定しようとしているのかが不明であるといわざるを得ない。

(4)分説Dに関して
上記第3.1(5)で指摘した「ピストンの円周長さが前記第二の縦位置の前記チャンバーの円周長さとほぼ等価なそれの、ストレスフリーおよび不具でない状態でコンテナーの生産サイズを有しているために作製される、前記第二の縦位置から前記第一の縦位置へアクチュエータピストンの相対動作の間にそれの生産サイズからのピストンの膨張に備えて、チャンバーの長手方向に関して方向にその生産サイズからtransversallyに、そのために拡張可能なコンテナー」なる語句(以下、「語句f」という。)は、分説D、すなわち、「アクチュエータピストンはピストンの円周長さが前記第二の縦位置の前記チャンバー(162、186、231)の円周長さとほぼ等価なそれの、ストレスフリーおよび不具でない状態でコンテナー(208’と208、217、217。」228と228。」258と258。」450と450」)の生産サイズを有しているために作製される、前記第二の縦位置から前記第一の縦位置へアクチュエータピストンの相対動作の間にそれの生産サイズからのピストンの膨張に備えて、チャンバーの長手方向に関して方向にその生産サイズからtransversallyに、そのために拡張可能なコンテナー;」に出現する語句である。
「transversally」なる語は、一般に「横向きで」といった意味がある(例えば、Weblio英和辞書を参照。)が、上記語句f、すなわち、「ピストンの円周長さが前記第二の縦位置の前記チャンバーの円周長さとほぼ等価なそれの、ストレスフリーおよび不具でない状態でコンテナーの生産サイズを有しているために作製される、前記第二の縦位置から前記第一の縦位置へアクチュエータピストンの相対動作の間にそれの生産サイズからのピストンの膨張に備えて、チャンバーの長手方向に関して方向にその生産サイズからtransversally(横向きで)に、そのために拡張可能なコンテナー」なる語句は、日本語の語句としての体をなしておらず、意味不明である。
そして、本願明細書において、「transversally」なる語が出現する、段落【0562】の「[653 明確には好ましいEMBODIEMENT。] 本発明の実施形態によれば、内側チャンバー壁によって制限され、sealiに少なくとも第一の縦位置とチャンバーの第二の縦位置の間の前記チャンバー壁に対して可動であるために前記チャンバーのピストンを備えていている、細長いチャンバーを備えているピストン燃焼室組み合わせが提供される、1番目と2番目縦位置で異なる断面積および異なる円周長さの断面を有しているチャンバーは言った、(実質的に)また1番目の間の中間縦通材位置および第二の縦位置での少なくとも、連続的に異なる断面積および円周長さ、前記第二の縦位置での断面積および円周長さ、前記第一の縦位置での断面積および円周長さよりも小さい、ピストンは言った、コンテナーを備えていること、弾力的に、そのために変形可能である、ピストンの異なる断面積および円周長さに備えること、ピストンの相対動作の間のチャンバーの前記異なる断面積および異なる円周長さへの同じを適合させることチャンバーの前記中間縦通材位置を介して1番目と2番目縦位置間で、そこで:ピストンはピストンの円周長さが前記第二の縦位置(前記第二の縦位置からのピストンの相対動作の間にそれの生産サイズからのピストンの膨張に備えて、チャンバーの長手方向に関して方向にその生産サイズからtransversallyに、そのために拡張可能なコンテナー)の前記チャンバー(162、186、231)の円周長さとほぼ等価なそれの、ストレスフリーおよび不具でない状態のコンテナーの生産サイズを有しているために作製される。前記第一の縦位置へ。」、なる記載、及び【0644】の「好ましくは、ピストンである、ストレスフリーおよび不具でない状態のコンテナーの生産サイズを有しているために作製された、それの、の中で、ピストンの円周長さは、ほぼ等価である、前記第二の縦位置の前記チャンバーの円周長さ、コンテナー、チャンバーの長手方向に関して方向のその生産サイズからtransversallyに拡張可能である、そのために、生産サイズからのピストンの膨張に備えること、それの、前記第二の縦位置から前記第一の縦位置へのピストンの相対動作の間中; 好ましくは、それについてそれの第一の縦位置の前記チャンバーの断面積の98%と5%の間の第2の縦位置の前記チャンバーの断面積である。」なる記載も日本語の文章としての体をなしておらず、意味不明であり、これらの段落の記載を参酌しても、上記語句fは意味不明であるし、本願には、図面も添付されていないから、たとえ、本願の優先日時点における技術常識を踏まえたとしても、上記語句fは、どのようなこと、どのような状態を特定しようとしているか理解できない。
したがって、上記語句fを含む分説Dは、何を特定しようとしているのかが不明であるといわざるを得ない。

(5)分説Eに関して
上記第3.1(6)で指摘した「事実によってそれを特徴づける」なる語句(以下、「語句g」という。)は、分説E、すなわち、「アクチュエータピストンの異なる断面積および円周長さに備えるのに弾力的に変形可能なコンテナー(208’と208、217、217。」228と228。」258と258。」450と450」)、事実によってそれを特徴づける;」に出現する語句である。
分説Eにおいて、語句gにおける「それ」が指すものは、「アクチュエータピストンの異なる断面積および円周長さに備えるのに弾力的に変形可能なコンテナー(208’と208、217、217。」228と228。」258と258。」450と450」)」であると解されるものの、分説Eには、語句gにおける「事実」が、どのような事実であるのかが特定されていないし、他の分説AないしD及びFないしHを参照しても、上記「事実」が、どのような事実であるのかが不明である。
そして、本願明細書において、語句gや分説Eに対応する記載を見いだすことができないし、本願には、図面も添付されていない。
したがって、たとえ、本願の優先日時点における技術常識を踏まえたとしても、分説Eは、何を特定しようとしているのかが不明であるといわざるを得ない。

(6)分説Fに関して
上記第3.1(7)は、分説F、すなわち、「o 組み合わせは、位置からの流体を導入するための手段を備えている、外部、コンテナーは、前記コンテナーの加圧を可能にし、そのために、拡大して、前記コンテナーの中にそのために言った、コンテナーは言った;」に関する指摘であるところ、上記「o」は、分説Fの先頭を示す記号であるとも解されるが、上記「o」に続く「組み合わせは、位置からの流体を導入するための手段を備えている、外部、コンテナーは、前記コンテナーの加圧を可能にし、そのために、拡大して、前記コンテナーの中にそのために言った、コンテナーは言った;」なる語句は、日本語の語句としての体をなしておらず、意味不明である。
そして、本願明細書において、分説Fに対応する記載を見いだすことができないし、本願には、図面も添付されていない。
したがって、たとえ、本願の優先日時点における技術常識を踏まえたとしても、分説Fは、何を特定しようとしているのかが不明であるといわざるを得ない。

(7)分説Gに関して
上記第3.1(8)は、分説G、すなわち、「o アクチュエータピストンの壁の平滑表面、少なくとも、そして近くであるまでcontineouslyに、チャンバーの壁を備えたそのコンタクト域;」に関する指摘であるところ、上記「o」は、分説Gの先頭を示す記号であるとも解されるが、上記「o」に続く「アクチュエータピストンの壁の平滑表面、少なくとも、そして近くであるまでcontineouslyに、チャンバーの壁を備えたそのコンタクト域;」なる語句は、日本語の語句としての体をなしておらず、意味不明である。
そして、本願明細書において、分説Gに対応する記載を見いだすことができないし、本願には、図面も添付されていない。
したがって、たとえ、本願の優先日時点における技術常識を踏まえたとしても、分説Gは、何を特定しようとしているのかが不明であるといわざるを得ない。

(8)分説AないしH全体に関して
上記第3.1(9)は、分説AないしHからなる本願発明についての指摘であるところ、「;」は、分説A及び分説CないしGの末尾(各分説の区切り)を示す記号であるとも解されるものの、上記(1)ないし(8)で示したように、各分説は、何を特定しようとしているのかが不明であるし、分説AないしH全体をみても、本願発明は、どのようなものであるのかが不明である。
本願発明は、「ピストン燃焼室組み合わせ」という物の発明であるようにも解されるが、分説Cの「前記第二の縦位置から前記第一の縦位置へアクチュエータピストンの相対動作の間にそれの生産サイズからのピストンの膨張に備えて」との記載、分説Fの「外部、コンテナーは、前記コンテナーの加圧を可能にし、そのために、拡大して」との記載及び分説Hの「第2からの、およびチャンバーの第一の縦位置への前記コンテナーをそのために置き換えること」との記載は、経時的な状態の変化、すなわち、段階を踏んだ手法を意図しているようにも解されるものであり、「物」の発明であるのか、「方法」の発明であるのかの区別をつけがたいものである。

(9)まとめ
以上のとおり、本願発明は、本願明細書の記載を考慮し、また、本願の優先日時点における技術常識を踏まえたとしても、どのようなものであるのかが不明であり、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるというべきものである。
したがって、原査定の理由3は、妥当な理由である。

2.理由4(実施可能要件違反)について
特許法第36条第4項第1号は、願書に添付した明細書における発明の詳細な説明の記載に関し、経済産業省令で定めるところにより、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである旨規定するが、その趣旨は、新しい技術を公開した者に対し、その代償として一定の期間、一定の条件の下に特許権という独占的な権利を付与し、他方、第三者に対してはこの公開された発明を利用する機会を与えるものである特許制度において、発明の詳細な説明を明確かつ十分に記載したものとすることにより、第三者に公開された発明の技術上の意義が理解され、その利用を促すことにある。
そして、同法第36条第2項は、特許出願に関して、願書には、明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書を添付しなければならない旨を規定するところ、図面は、発明の内容を理解しやすくするために明細書の補助として使用されるものであることが、上記規定からも明らかであり、特に機械的構造物の各部分の位置関係の説明等においては、文書によるよりも図示した方がより明確に理解を得ることができるものであることは顕著な事実である。
しかしながら、本願明細書の発明の詳細な説明の記載には、上記1.でも示したように、日本語の文章としての体をなしていない意味不明な文章が散見されるという不備があるところ、本願には、前記不備を補うことが期待される、図面が添付されていない。
ゆえに、本願明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が、本願発明の技術上の意義を理解し、本願発明を利用すべく、その実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとは到底いえないものである。
したがって、原査定の理由4は、妥当な理由である。

3.請求人の主張について
上記第1.で示したように、請求人は、平成30年9月21日付けで通知された拒絶理由に対し、意見書を提出しておらず、特許請求の範囲や明細書の補正もしていない。
さらに、本件拒絶査定不服審判の請求時にも、特許請求の範囲や明細書の補正をする機会があったにもかかわらず、補正をしなかった。
請求人は、令和元年11月8日に補正された審判請求書の「請求の理由」の欄において、上記理由3.及び4.について、「翻訳文を斟酌すれば、本発明は明確であり、また実施可能であることは明らかである。」と主張するが、上記翻訳文とは、平成29年11月1日に提出された翻訳文提出書に添付された明細書及び特許請求の範囲を指すものと解したとしても、同審判請求書には、翻訳文や本願明細書のどこをどのように読めば、本願発明は明確であり、また実施可能であることが明らかであるのかについての具体的な説明が全くなされていない。
したがって、請求人の主張は当を得たものではなく、採用できない。

第5.むすび
以上のとおり、本願は、明細書及び特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第4項1号及び同条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶すべきものであり、原査定は妥当である。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-06-30 
結審通知日 2020-07-01 
審決日 2020-07-28 
出願番号 特願2017-193028(P2017-193028)
審決分類 P 1 8・ 536- Z (F02B)
P 1 8・ 537- Z (F02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 杉山 悟史  
特許庁審判長 北村 英隆
特許庁審判官 金澤 俊郎
渡邊 豊英
発明の名称 ピストン燃焼室組み合わせVanderblomモーター  
代理人 宮前 徹  
代理人 山本 修  
代理人 小野 新次郎  
代理人 中西 基晴  

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