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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1369743
審判番号 不服2019-5156  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-18 
確定日 2021-01-04 
事件の表示 特願2016-567556「医療用の(R)-ピルリンドールおよびその薬学的に許容可能な塩」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月12日国際公開、WO2015/171004、平成29年 6月 8日国内公表、特表2017-514884〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2014年5月9日を国際出願日とする特許出願であって、出願後の主な手続の経緯は以下のとおりである。

平成29年 9月28日付け:拒絶理由の通知
平成29年12月27日 :意見書及び手続補正書の提出
平成30年 5月10日付け:拒絶理由の通知
平成30年 7月20日 :意見書及び手続補正書の提出
平成30年12月13日付け:拒絶査定
平成31年 4月18日 :審判請求書及び手続補正書の提出

第2 平成31年4月18日提出の手続補正書による手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成31年4月18日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正の内容

(1)補正後

本件補正は、特許法第17条の2第1項ただし書第4号に掲げる場合の、拒絶査定不服審判の請求と同時にされた補正であって、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された(なお、下線部は本件補正による変更箇所である。)。

「【請求項1】
(R)-ピルリンドールエナンチオマーまたはその薬学的に許容可能な塩を含む、α2Aアドレナリン作動性レセプターのアンタゴニスト活性に関連する神経因性疼痛の治療処置または予防での使用のための医薬組成物。
【請求項2】
前記(R)-ピルリンドールがエナンチオマー的に純粋であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
少なくとも1種の追加の鎮痛剤との組合せ療法での、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記組合せ療法が、活性剤の逐次投与または同時投与から選択される固定用量組合せ療法または個別組合せ療法を含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
神経因性疼痛の治療で少なくとも1種の追加の鎮痛剤の作用を増強するための、請求項3または4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記(R)-ピルリンドールが(R)-ピルリンドール(S)-マンデル酸塩の形態をとる、請求項1?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記(R)-ピルリンドールが(R)-ピルリンドールメシル酸塩の形態をとる、請求項1?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記(R)-ピルリンドールが(R)-ピルリンドールクエン酸塩の形態をとる、請求項1?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の追加の鎮痛剤が、例えばカルバマゼピン、オクスカルバゼピン、エスリカルバゼピン、フェニトイン、およびバルプロ酸のナトリウムチャネルの阻害剤;例えばプレガバリンのカルシウムチャネルアンタゴニスト;イオンチャネル型および代謝調節型グルタミン酸レセプターのアンタゴニスト;例えばガバペンチンのγ-アミノ酪酸活性のエンハンサー;またはμ、κ、およびδオピオイドレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト/アンタゴニスト、もしくはアンタゴニストからなる群から選択されるニューロン過興奮性を減少させる化合物であることを特徴とする、請求項3?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の追加の鎮痛剤が、パラセタモール、グルコサミン、およびジアセレインからなる群から選択される化合物、または、アセチルサリチル酸、ジクロフェナク、ナブメトン、ニメスリド、エトドラク、ピロキシカム、クロニキシン酸リシン、ジフルニサル、アセメタシン、グルカメタシン、インドメタシン、プログルメタシン、オキサメタシン、スリンダク、アセクロフェナク、フェンチアザク、ケトロラク、ゾメピラク、メロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム(lornoxican)、フェノプロフェン、フェンブフェン(fenbufeno)、フルルビプロフェン、ベノキサプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、デキスケトプロフェン、ピルプロフェン、インドプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、チアプロフェン、デキシブプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ニフルム酸、エトフェナメート、アザプロパゾン、オルゴテイン、フェプラゾン、モルニフルメート、テニダップ、グリコサミノグリカン、ポリスルフェート、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、およびエトリコキシブからなる群から選択される非ステロイド系抗炎症薬剤であることを特徴とする、請求項3?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
薬学的に許容可能な担体、媒体、または賦形剤と共に用いられる請求項1?10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
(R)-ピルリンドールエナンチオマーまたはその薬学的に許容可能な塩を含む、α2Aアドレナリン作動性レセプターのアンタゴニスト剤。」

(2)補正前

本件補正前の平成30年7月20日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。

「【請求項1】
(R)-ピルリンドールエナンチオマーまたはその薬学的に許容可能な塩を含む、神経因性疼痛の治療処置または予防での使用のための医薬組成物。
【請求項2】
前記(R)-ピルリンドールがエナンチオマー的に純粋であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
少なくとも1種の追加の鎮痛剤との組合せ療法での、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記組合せ療法が、活性剤の逐次投与または同時投与から選択される固定用量組合せ療法または個別組合せ療法を含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
神経因性疼痛の治療で少なくとも1種の追加の鎮痛剤の作用を増強するための、請求項3または4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記(R)-ピルリンドールが(R)-ピルリンドール(S)-マンデル酸塩の形態をとる、請求項1?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記(R)-ピルリンドールが(R)-ピルリンドールメシル酸塩の形態をとる、請求項1?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記(R)-ピルリンドールが(R)-ピルリンドールクエン酸塩の形態をとる、請求項1?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の追加の鎮痛剤が、例えばカルバマゼピン、オクスカルバゼピン、エスリカルバゼピン、フェニトイン、およびバルプロ酸のナトリウムチャネルの阻害剤;例えばプレガバリンのカルシウムチャネルアンタゴニスト;イオンチャネル型および代謝調節型グルタミン酸レセプターのアンタゴニスト;例えばガバペンチンのγ-アミノ酪酸活性のエンハンサー;またはμ、κ、およびδオピオイドレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト/アンタゴニスト、もしくはアンタゴニストからなる群から選択されるニューロン過興奮性を減少させる化合物であることを特徴とする、請求項3?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の追加の鎮痛剤が、パラセタモール、グルコサミン、およびジアセレインからなる群から選択される化合物、または、アセチルサリチル酸、ジクロフェナク、ナブメトン、ニメスリド、エトドラク、ピロキシカム、クロニキシン酸リシン、ジフルニサル、アセメタシン、グルカメタシン、インドメタシン、プログルメタシン、オキサメタシン、スリンダク、アセクロフェナク、フェンチアザク、ケトロラク、ゾメピラク、メロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム(lornoxican)、フェノプロフェン、フェンブフェン(fenbufeno)、フルルビプロフェン、ベノキサプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、デキスケトプロフェン、ピルプロフェン、インドプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、チアプロフェン、デキシブプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ニフルム酸、エトフェナメート、アザプロパゾン、オルゴテイン、フェプラゾン、モルニフルメート、テニダップ、グリコサミノグリカン、ポリスルフェート、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、およびエトリコキシブからなる群から選択される非ステロイド系抗炎症薬剤であることを特徴とする、請求項3?5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
薬学的に許容可能な担体、媒体、または賦形剤と共に用いられる請求項1?10のいずれか一項に記載の医薬組成物。」

2 本件補正の適否
本件補正は、「医薬組成物」に係る請求項1?11とは別途、「アンタゴニスト剤」に係る請求項12を新たに追加する補正(以下、「本件補正A」という。)を含むものである。
本件補正Aは、「アンタゴニスト剤」に係る請求項12を新たに追加する補正であって、本件補正前の請求項1?11に係る「・・・医薬組成物。」の発明特定事項を限定するものでないことは明らかであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものとはいえない。
また、本件補正前の請求項1?11に係る「・・・医薬組成物。」の記載事項の意味内容は明確であって、拒絶理由通知書及び拒絶査定で指摘されていた拒絶の理由も、特許請求の範囲の記載についての明確性要件違反を指摘するものではないから、本件補正Aは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものともいえない。
さらに、本件補正Aが、請求項の削除又は誤記の訂正のいずれを目的とするものでないことも明らかである。
してみると、他の補正事項について検討するまでもなく、本件補正Aを含む本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

本件補正は上記のとおり却下されたので、本願に係る発明は、上記第2の1(2)に示した平成30年7月20日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるとおりものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものであると認める。

「【請求項1】
(R)-ピルリンドールエナンチオマーまたはその薬学的に許容可能な塩を含む、神経因性疼痛の治療処置または予防での使用のための医薬組成物。」

第4 原査定の拒絶の理由

原査定は、「この出願については、平成30年 5月10日付け拒絶理由通知書に記載した理由1及び2によって、拒絶をすべきものです。」というものであり、当該拒絶理由通知書に記載した理由2は次のとおりである。
「2.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」

そして、原査定の「備考」欄には、上記理由2について、請求項1ないし11を査定の対象とすることが示されており、上記拒絶理由通知書及び原査定の「備考」欄には、上記理由2について、概略、次のことが指摘されている。

出願時の技術常識を考慮しても、実施例2の記載からは、(R)-ピルリンドールが神経因性疼痛の治療または予防に用いることが示されているとは言えない。
発明の詳細な説明には、単独でまたは他の鎮痛剤との組み合わせ望ましい鎮痛活性を維持しつつ副作用が低減された有効な疼痛治療を提供する疼痛の治療に有効な新しい代替作用剤を提供するという発明の課題が解決できることを当業者が理解できるように記載されているとは言えない。
そして、意見書において追加で提示された薬理試験の結果は、当初明細書等に記載された範囲を超えるものであり、しかも、当業者が出願時の技術常識から推認可能なものでもない。
したがって、本願発明は、本願明細書の発明の詳細な説明に記載されたものではない。

第5 当審の判断
1 判断の前提
特許法第36条第6項第1号は、特許請求の範囲の記載が適合するものでなければならない要件として、「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」(いわゆる「サポート要件」)を規定している。
そして、特許請求の範囲の記載が、同要件に適合するか否かは、特許請求の範囲と明細書の発明の詳細な説明とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、を検討して判断すべきものである。
そこで、上記の観点に立って、以下検討する。

2 本願明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書の発明の詳細な説明には、以下の摘記ア?ケの記載がある(下線は当審合議体が付した。)。

摘記ア
「【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、疼痛の治療処置および予防での使用のための(R)-ピルリンドールエナンチオマーまたはその薬学的に許容可能な塩さらにはそれを含む組成物に関する。」

摘記イ
「【背景技術】
【0002】
先行技術の背景
疼痛病態の治療は、医療において何よりも重要であることから、その治療および予防のためのさらなる療法が世界的に必要とされている。
【0003】
疼痛は、患者が診察を受ける最も一般的な症状である。厳密な定義は存在しないが、それは実際の組織損傷もしくは潜在的な組織損傷に伴うまたはかかる損傷を表す言葉で記述される不快な感覚的および情動的な体験として定義可能である(国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain)、IASP)。
【0004】
疼痛は、複雑な病理発生を呈する非常に重要な症状である。その存在は、医療において多数の症候群および疾患で記載されている。重度の形態では、疼痛は、さまざまな性質の能力欠陥、日常活動遂行の困難、気分、職能、および社会的関係の障害をもたらす。
・・・
【0010】
病態生理学的観点から、疼痛は侵害受容性または神経因性でありうる。
・・・
【0012】
神経因性疼痛は、体性感覚系(すなわち、末梢神経、後根神経節もしくは後根、または中枢神経系)に影響を及ぼす病変または疾患の直接の結果として生じる疼痛として定義可能である。
・・・
【0020】
・・・神経因性疼痛は、管理が最も困難な疼痛症候群の1つであると広く認識されており、多くの場合、アウトカムは不満足である。神経因性疼痛は、欧州の一般集団の7?8%程度が罹患していると推定される(神経因性疼痛の薬理学的治療に関する欧州神経学会(European Federation of Neurological Societies)ガイドライン、2010年)。
【0021】
神経因性疼痛の管理は複雑な努力行為であり、患者も医師も同様に苛立ちを感じることが多い。根底にある生理病理学的プロセスの変化を目的としない作用機序を有するかまたは治療用量以下で投与される薬剤は、疼痛およびより強い理由で神経因性疼痛の治療に使用されることが多い。
【0022】
これは、薬剤の作用機序の理解が比較的不完全であることおよび現在利用可能な鎮痛剤の有効性が限られていることが原因である。治療方法は医師によってかなり異なり、しかも不応性慢性疼痛症候群は学際的方法およびより強力な薬剤療法を必要とする。
【0023】
鎮痛医薬の使用は段階的方法に従う。第1の工程は軽度の疼痛に対応し、非オピオイド鎮痛薬剤(抗炎症薬剤およびパラセタモール)を用いて治療すべきであり、第2のものは弱オピオイドが必要とされる中等度の疼痛であり、第3の工程では重度の疼痛に対して強オピオイドが必要とされる。疼痛の強さに依存して、対応するレベルで適切な用量を用いて療法を開始すべきである。疼痛が持続するかまたは悪化する場合、薬剤用量を最適化すべきである。」

摘記ウ
「【発明が解決しようとする課題】
【0035】
したがって、当該技術の現状では、疾患の症状としてだけでなく疾患自体としても疼痛を治療するための新しい治療方法を見いだすことが依然として必要である。
【0036】
本発明が解決する課題は、単独でまたは他の鎮痛剤との組合せで望ましい鎮痛活性を維持しつつ副作用が低減された有効な疼痛治療を提供する疼痛の治療に有効な新しい代替作用剤を提供することである。」

摘記エ
「【課題を解決するための手段】
【0037】
発明の簡単な説明
本発明は、光学活性化合物(R)-ピルリンドールエナンチオマーが疼痛の治療処置および予防に役立つ有利な鎮痛活性を示すという知見に基づく。
【0038】
本発明の発明者らは、驚くべきことに、光学活性(R)-ピルリンドールエナンチオマーがα_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対するアンタゴニスト作用を示し、このアンタゴニスト作用がひいては疼痛とくに神経因性疼痛の治療処置および予防で(R)-ピルリンドールエナンチオマーの予想外の活性を説明することを見いだした。
【0039】
(R)-ピルリンドールは、唯一の活性成分として単独でまたは追加の鎮痛剤との組合せ療法で使用した場合に疼痛とくに神経因性疼痛の治療および予防に有効な作用剤であることが示される。その際、(R)-ピルリンドールは、こうした追加の鎮痛剤の作用を増強することも証明された。
【0040】
したがって、本発明の対象は、疼痛を治療するための、鎮痛剤としての(R)-ピルリンドールまたはその薬学的に許容可能な塩の提供である。」

摘記オ
「【発明を実施するための形態】
・・・
【0050】
本発明に係る「神経因性疼痛」は、体性感覚系(すなわち、末梢神経、後根神経節もしくは後根、または中枢神経系)に影響を及ぼす病変または疾患の直接の結果として生じる疼痛として定義可能であり、以下を伴う疼痛を含む。
・神経に影響を及ぼす機能障害または病理学的変化であるニューロパチー、たとえば、単一の神経幹を含む場合は単ニューロパチー、いくつかの神経幹を逐次的に含む場合は多発性単ニューロパチー、いくつかの神経幹を瀰漫的かつ両側に含む場合は多発性ニューロパチー。
・感覚性、運動性、または自律神経性でありうる末梢性ニューロパチー。最も頻度の高い運動性症状は、筋痙攣、クローヌス、線維束性攣縮、筋萎縮、および筋力または器用さの低下を含む。
・陰性感覚性症状、たとえば、痛覚鈍麻および感覚鈍麻。
・陽性感覚性症状、たとえば、チクチク感、ヒリヒリ感、または耳鳴感のほかに、感覚異常、感覚不全、ヒペルパチー、痛覚過敏、およびアロディニア。」

摘記カ
「【0056】
ピルリンドール、すなわち、2,3,3a,4,5,6-ヘキサヒドロ-8-メチル-1H-ピラジノ[3,2,1-j,k]カルバゾールは、次式:
【化1】

の四環式化合物である。
【0057】
ピルリンドールは、モノアミンオキシダーゼA(MAO-A)の可逆阻害剤であり、これまでのところ鬱病の治療の医薬として有用である。
【0058】
ピルリンドールは不斉炭素原子を有するが、医療では現在までエナンチオマー(R)および(S)の両者の等量混合物に対応するラセミ体(rac)-ピルリンドールのみが使用されている。
【0059】
(R)-ピルリンドールエナンチオマーは、次式:
【化2】

を有する。」

摘記キ
「【0063】
本発明は、(R)-ピルリンドールエナンチオマーがα2Aアドレナリン作動性レセプターに対するアンタゴニスト作用を示すという知見に基づく。
【0064】
疼痛の症状の根底にある機序の変調では、アドレナリン作動性レセプターの非常に有意な介入が存在する。このレセプターは、カテコールアミンとくにノルアドレナリン(ノルエピネフリン)およびアドレナリン(エピネフリン)の標的である。
【0065】
アドレナリン作動性レセプターにはα-アドレナリン作動性レセプターおよびβ-アドレナリン作動性レセプターの2つの大きなグループが存在する。α-アドレナリン作動性レセプターはサブグループα_(1)およびα_(2)に分けられる。最後に、α_(2)アドレナリン作動性レセプターは、高い遺伝子相同性を有するアドレナリン作動性レセプターα_(2A)、α_(2B)、およびα_(2C)の3つのサブタイプを有する。これらのレセプターは、交感神経系レベルでの神経伝達物質の活性の変調および中枢神経系のアドレナリン作動性ニューロンできわめて重要な役割を果たす。
【0066】
当該技術の現状には、α_(2A)およびα_(2C)レセプターが交感神経終末および中枢神経系に位置するノルアドレナリン作動性ニューロンからのシナプス前神経伝達物質放出の調節に関与するとの断定を可能にする情報が含まれる。
【0067】
α_(2A)アドレナリン作動性レセプターは高頻度の神経刺激後の神経伝達物質放出を阻害し、一方、α_(2C)アドレナリン作動性レセプターはより低頻度の神経刺激の存在下で神経伝達を変調する。
【0068】
しかしながら、中枢神経系では、α_(2A)レセプターのほとんどはノルアドレナリン作動性終末に対するシナプス後ニューロンに位置する。こうしたα_(2A)レセプターは、より高度な認知機能の調節に寄与する中枢神経系の領域たとえば前頭前皮質に位置する。
【0069】
(R)-ピルリンドールさらには(R)-ピルリンドールの薬学的に許容可能な塩を含むすべてのその薬学的に許容可能な形態は、モノアミンオキシダーゼA型酵素を選択的かつ可逆的に阻害する化合物である。
【0070】
そのほかに予想外なことに、(R)-ピルリンドールエナンチオマーはα_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対するアンタゴニスト作用を示す。
【0071】
α_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対する(R)-ピルリンドールエナンチオマーの選択的アンタゴニスト作用は、さまざまな形態の疼痛の治療でのその使用およびそうした作用剤との組合せ療法で使用する場合の追加の鎮痛剤の鎮痛作用の増強でのその使用が正しいことを証明する。
【0072】
したがって、主題の発明は、疼痛、より具体的には神経因性疼痛、たとえば任意のタイプの末梢性ニューロパチーに伴う疼痛の予防および治療処置のための新しい代替作用剤として(R)-ピルリンドールエナンチオマーおよびその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0073】
本出願の発明者らは、(R)-ピルリンドールエナンチオマーまたはその薬学的に許容可能な塩が疼痛の治療処置および予防で唯一の活性成分として単独でまたは追加の鎮痛剤との組合せ療法の一部として使用しうることを見いだした。
【0074】
α_(2A)アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストとしての(R)-ピルリンドールは、これらの薬剤の鎮痛活性の増強によりオピオイド節約効果に関連付けられる。(R)-ピルリンドールのオピオイド節約効果は、悪心・嘔吐、眠気、掻痒・蕁麻疹、便秘、呼吸抑制、ホルモンバランス不良、錯乱、幻覚、譫妄、低体温、徐脈または頻脈、起立性低血圧、眩暈、頭痛、尿閉、尿管痙攣または胆管痙攣、筋硬直、ミオクローヌス、顔面潮紅、耐性のような副作用の発生率の減少に関連付けられる。したがって、(R)-ピルリンドールは、オピオイドの使用に関連する死亡、仕事中断、および事故傾向のリスク減少に寄与するであろう。」

摘記ク
「【0092】
実施例1:
R-ピルリンドール塩酸塩の錠剤
錠剤の製造は、直接圧縮により実施し、すべての成分の混合、シーブ通過、および所要の相対大気湿度での好適な圧縮力によるプレス処理を含んでいた。
【0093】
【表1】

【0094】
R-ピルリンドール塩酸塩の錠剤
錠剤の製造は、好適な溶液を用いた活性成分の顆粒化、乾燥およびシーブ通過、必要な賦形剤の添加、ならびに所要の相対大気湿度での好適な圧縮力によるプレス処理を含む、湿式顆粒化およびそれに続く圧縮により実施した。
【0095】
【表2】

【0096】
【表3】

【0097】
【表4】

【0098】
(R)-ピルリンドール塩酸塩の経口溶液剤および注射用溶液剤は、完全に溶解するまで活性成分を水に溶解させることにより調製した。」

摘記ケ
「【0099】
実施例2:
(R)-ピルリンドールエナンチオマーのα_(2A)アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト活性をテストする。
【0100】
α_(2A)アドレナリン作動性レセプターアンタゴニズム機能アッセイは、α_(2A)レセプターを発現するCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞のモルフォロジー反応を評価するプラットフォームで行った。機能アッセイは、テストアイテムとして(R)-ピルリンドールおよび(rac)-ピルリンドールを使用して行った。
【0101】
ヒト_(α2A)アドレナリン作動性レセプターを発現するCHO細胞を実験の前日に適正培養培地にプレーティングした。化合物をウェルに添加して6分間後に読み値を得た。サンプルからの反応を対照反応と比較してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を評価した。最大活性に対するパーセント(%最大活性)は、Sigma-Aldrich社により商品化されたα_(2A)アゴニストUK-14304(5-ブロモ-N-(2-イミダゾリン-2-イル)-6-キノキサリンアミン、5-ブロモ-N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-6-キノキサリンアミン、ブリモニジン)により誘導されるアゴニスト活性に対するパーセントで表される。
【0102】
(R)-ピルリンドールエナンチオマーおよび(rac)-ピルリンドールは、α_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対するUK-14304のアゴニスト活性を異なって抑制した。予想外なことに、(R)-ピルリンドールはα_(2A)レセプターアンタゴニスト活性を呈した。たとえば、10μMの濃度では、(R)-ピルリンドールの存在下のUK-14304のアゴニスト活性(59.72%)は、(rac)-ピルリンドールの存在下で呈したもの(89.02%)よりも低い。それによれば、(R)-ピルリンドールはアゴニスト活性を40.28%阻害し、一方、(rac)-ピルリンドールはアゴニスト活性をわずか10.98%抑制する。したがって、(rac)-ピルリンドールが呈したα_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対するアンタゴニスト活性は(R)-ピルリンドールの約1/4であった。
【0103】
【表5】

【0104】
これらの予想外の結果は、疼痛とくに神経因性疼痛症候群の治療での(R)-ピルリンドールの効力を裏付ける。」

3 本願発明の課題
本願発明の発明特定事項、及び、本願明細書の発明の詳細な説明における、上記2の摘記ウ(以下、単に「摘記ウ」という。他の摘記についても同様。)の記載からみて、本願発明が解決しようとする課題(以下、「本願発明の課題」という。)は、「単独でまたは他の鎮痛剤との組合せで望ましい鎮痛活性を維持しつつ副作用が低減された、神経因性疼痛の治療に有効な新しい代替作用剤を提供すること」であると認められる。

4 本願発明のサポート要件適合性について
(1)本願明細書の発明の詳細な説明には、光学活性化合物(R)-ピルリンドールエナンチオマーが疼痛の治療処置及び予防に役立つ有利な鎮痛活性を示すという知見を得たことが記載され(摘記ア、エ、キ)、実施例1として、(R)-ピルリンドール塩酸塩を含む錠剤、経口用液剤及び注射用液剤の調製例が記載され(摘記ク)、実施例2として、(R)-ピルリンドールが、α_(2A)レセプターアンタゴニスト活性を呈したこと(摘記ケ)が記載されているものの、(R)-ピルリンドールが、神経因性疼痛を治療処置又は予防させることができたことを裏付ける薬理試験方法及び薬理試験結果については記載されていない。

(2)本願明細書の発明の詳細な説明には、「光学活性(R)-ピルリンドールエナンチオマーがα_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対するアンタゴニスト作用を示し、このアンタゴニスト作用がひいては疼痛とくに神経因性疼痛の治療処置および予防で(R)-ピルリンドールエナンチオマーの予想外の活性を説明する」(摘記エの【0038】)、「疼痛の症状の根底にある機序の変調では、アドレナリン作動性レセプターの非常に有意な介入が存在する。」(摘記キの【0064】)、「α_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対する(R)-ピルリンドールエナンチオマーの選択的アンタゴニスト作用は、さまざまな形態の疼痛の治療でのその使用およびそうした作用剤との組合せ療法で使用する場合の追加の鎮痛剤の鎮痛作用の増強でのその使用が正しいことを証明する。」(摘記キの【0071】)、「実施例2・・・予想外なことに、(R)-ピルリンドールはα2Aレセプターアンタゴニスト活性を呈した。・・・これらの予想外の結果は、疼痛とくに神経因性疼痛症候群の治療での(R)-ピルリンドールの効力を裏付ける。」(摘記ケ)と記載されているものの、これらの記載が、具体的な根拠に基づくものであることは何ら示されておらず、(R)-ピルリンドールが、神経因性疼痛を治療処置または予防させる作用を示すに至る機序について、当業者が理解できるように記載されているとはいえない。そのため、実施例2における、(R)-ピルリンドールが、α_(2A)レセプターアンタゴニスト活性を呈したという結果(摘記ケ)から、神経因性疼痛を治療処置又は予防させる作用を有することを当業者が推認できるとはいえない。

(3)加えて、本願出願時に、α_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対するアンタゴニスト作用を有する薬剤が、神経因性疼痛の治療処置及び予防に使用できるとの技術常識があったことを認めるに足りる根拠があるともいえない。例えば、神経因性疼痛の治療、特に薬物療法に関する以下の文献の記載事項を参照しても、α_(2A)アドレナリン作動性レセプターに対するアンタゴニスト作用を有する薬剤が、神経因性疼痛の治療処置及び予防に有用であるという本願出願時の技術常識があったとはいえない。

・西川典子、「13.神経障害性疼痛と治療」、日本内科学会雑誌、平成25年8月10日、102巻、8号、2001?2008頁

「4.薬物療法(表)
1)三環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬(tricyclic antidepressant:TCA)は,ノルアドレナリンやセロトニンの再取り込み阻害作用により抗うつ効果を示すとされる.・・・amitriptylineやnortriptylineで帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)や有痛性糖尿病性ニューロパチー(diabetic polyneuropathy:DPN)をはじめとした神経障害性疼痛に対して無作為化プラセボ対照試験で数多くのエビデンスが示されている^(8)).・・・
2)カルシウムチャネルα2δリガンド
ガバペンチンやプレガバリンはγ?アミノ酪酸(GABA)の誘導体の一つで,構造上GABAに類似するがGABA受容体に結合せず,電位依存性カルシウムチャネルの補助サブユニットであるα2δ蛋白と高い親和性で結合する.・・・
3)セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(serotonin noradrenalin reuptake inhibitor:SNRI)
デュロキセチンは抗うつ薬であるが,DPNに対して鎮痛効果を有する^(11)).セロトニンとノルアドレナリンが下行性疼痛抑制系を賦活し痛みを抑制すると考えられている.・・・
4)トラマドール・アセトアミノフェン配合
弱オピオイド製剤など麻薬性鎮痛薬はがん性疼痛や術後痛などの適応があり,主に侵害受容性疼痛の治療薬として用いられている.オピオイド製剤は神経障害性疼痛にも非常に有効である^(12))が,本邦では副作用の発現頻度が高いことや一般臨床医の使用経験が十分ではないこと,長期安全性が不明瞭であることから第三選択薬の扱いとなっている.・・・
5)その他
(1)抗てんかん薬
・・・
(2)ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤
・・・
(3)カプサイシン塗布薬
・・・」(2004頁右欄3行?2007頁左欄最終行)



」(2006頁表)

(4)したがって、本願出願時の技術常識に照らし、本願明細書の発明の詳細な説明の記載から、当業者は、本願発明に係る「(R)-ピルリンドール」を含む医薬組成物が、神経因性疼痛を治療処置または予防させることができ、本願発明の課題を解決できると認識することはできない。

5 審判請求人の主張について
(1)審判請求人は、審判請求書の「(C)理由1(特許法第29条第2項)について」の「主張2」において、「第二意見書における参考文献A及びBに基づいた主張によれば、α2Aアドレナリン作動性レセプターのアンタゴニスト活性を示すことによって、α2Aアドレナリン作動性レセプターのアンタゴニスト活性に関連する神経因性疼痛に適用できることも明らかです。さらに、本願出願人は、参考文献Bと同様の文献として参考文献Bよりも先に公開されている、参考文献E(Neuroscience Letters 557(2013)118-122)を提出します。」と主張している。
しかし、たとえ、上記参考文献の記載を参照しても、α_(2A)アドレナリン作動性レセプターのアンタゴニスト活性を示すことによって、神経因性疼痛を治療処置または予防させる作用を有することが、本願出願時の技術常識であったとはいえない。
すなわち、参考文献A(Psychopharmacology, 1997, Vol.134, pp.107-114, 特にAbstract)は、α2アドレナリン作動性レセプターのアンタゴニストの作用効果として、2つの主要効果(シナプス前効果とシナプス後効果)があることを示すのみであり、該アンタゴニストと神経因性疼痛との関連について記載したものではない。
参考文献B(European J Pain, 2016, Vol.20, pp.790-799)は、本願出願後に公開された文献であり、本願出願時の技術常識を示す根拠とはならない。
参考文献E(NeuroscienceLetters, 2013, Vol.557, pp.118-122, 特にABSTRACT)は、α_(2)アドレナリン受容体アゴニストであるデクスメデトミジンの神経障害性疼痛の緩和の作用機序を解析する際に、選択的アンタゴニストを用いたに過ぎず、α_(2A)アドレナリン作動性レセプターのアンタゴニストが、神経因性疼痛の治療処置または予防させる作用を有することを記載したものではない。

(2)また、審判請求人は、平成30年7月20日提出の意見書の「(4)理由1(進歩性)」において、「実験的ニューロパシーに関連する痛みの慢性制御における(R)-ピルリンドールの効果の薬理学的評価の結果」を示し、「上記の試験結果は、(R)-ピルリンドールエナンチオマーが神経因性疼痛の治療に有効であることを明確に示しています。
また、α_(2A)アドレナリン作動性レセプターのアンタゴニストとしての(R)-ピルリンドールは、神経因性疼痛の治療的処置または予防における使用のための鎮痛活性の増強を介してオピオイド節約効果とも関連します(明細書の段落0070?0074参照)。」と主張している。
しかし、当該試験結果は、α_(2A)アドレナリン作動性レセプターのアンタゴニスト活性と、神経因性疼痛を治療処置または予防させる作用とに関する本願出願時の技術常識を示すものではない。そして、本願出願後に、本願明細書の発明の詳細な説明の記載不足を補うべく、(R)-ピルリンドールの神経因性疼痛に対する鎮痛活性を確認しようとする試験結果については採用できない。

(3)さらに、審判請求人は、平成30年7月20日提出の意見書「(5)理由2(サポート要件)」において、理由2(サポート要件)について、「理由1に関して先に説明したように、特に以下の記載は、α_(2A)アドレナリン作動性レセプターの阻害が神経因性疼痛の治療処置および予防に有益であることの説明をするものであり、このような内容は、当業者に周知ではありません。
[段落0072]
・・・
[段落0074]
・・・」と主張している。
しかし、上記4(2)、(3)で述べたように、本願明細書の発明の詳細な説明に、α2Aアドレナリン作動性レセプターの阻害が神経因性疼痛の治療処置および予防に有益であるとの事項が単に記載されていたとしても、その具体的な根拠は示されておらず、上記事項が本願出願時の技術常識であったともいえない。

したがって、審判請求人の上記主張は、上記4に示した判断を左右するものではない。

6 まとめ
したがって、本願発明は、本願明細書の発明の詳細な説明に記載したものでないから、本願発明に係る請求項1の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

第6 むすび

以上のとおり、本願については、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
別掲
 
審理終結日 2020-08-06 
結審通知日 2020-08-07 
審決日 2020-08-18 
出願番号 特願2016-567556(P2016-567556)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (A61K)
P 1 8・ 537- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 深谷 良範新留 豊中村 浩  
特許庁審判長 滝口 尚良
特許庁審判官 石井 裕美子
松本 直子
発明の名称 医療用の(R)-ピルリンドールおよびその薬学的に許容可能な塩  
代理人 江口 昭彦  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大貫 敏史  
代理人 内藤 和彦  

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