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審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 0000 |
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管理番号 | 1052683 |
審判番号 | 不服2000-3591 |
総通号数 | 27 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-12-04 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-02-09 |
確定日 | 2001-12-21 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第160386号「WINDFALL SYSTEM」拒絶査定に対する審判事件[平成10年12月 4日出願公開、特開平10-323100]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成9年5月13日の出願であって、平成10年1月16日付け(1月19日受付)、平成10年1月23付け(1月26日受付)、平成10年5月1日付け(5月6日受付)で手続補正があり、平成11年3月30日付けで拒絶理由が通知され、平成11年4月21日付けで意見書が提出されたが、平成12年12月22日付けで拒絶査定された。 その後、平成12年2月9日付けで拒絶査定に対する審判の請求がなされ、同日付けで手続補正書が提出されたところ、平成12年2月9日付けでした手続補正について、当審で補正却下の決定がなされた。 2.原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶理由の概要は次のとおりである。 『理由 1.平成10年5月6日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した 明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第 17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 記 理由1について 平成10年5月6日付手続補正書の請求項1あるいは段落番号【0006】に 記載された消費税、著作権料については出願当初の明細書又は図面には何ら記載 されていない。 従って、消費税、著作権料を新たに加える補正は、出願当初の明細書又は図面 に記載されていた事項から直接的且つ一義的に導かれるものであるとは認められ ない。』 3.本件補正 平成12年2月9日に提出(2月10日受付)された手続補正は、当審で却下されたので、平成10年5月1日付け(5月6日受付)手続補正(以下、「本件補正」という。)を検討の対象とする。 本件補正は、下記の補正(1)及び補正(2)を含むものである。 記 補正(1) 【特許請求の範囲】の請求項1の次の記載 「ソフト1本のレンタル料を100円とした場合、消費税、著作権料(原作・脚本・監督・音楽)=各3.5%×4=14%、システム使用料2%を差し引いた残りの金額を店とオーナーが分配するというシステムである。」 補正(2) 【発明の詳細な説明】、【0006】欄の【実施例】の次の記載 「(イ)ソフト1本のレンタル料を100円とした場合、消費税5%、著作権料(原作・脚本・監督・音楽)=各3.5%×4=14%,本システム使用料の設定が2%だから、これを差し引いた残りの金額は、79円である。 (ロ)店とオーナーが残りの金額を折半にする形ならば、店とオーナーの取り分は(79円÷2)=39.5円づつとなる。 (ハ)仮に50人のオーナーがそれぞれ50本のソフ1を所有していて、これらのソフトを月に1回転させる事ができると計算すると、オーナー1人分の利益は50本×39.5円=1,975円である。よって店の売上は50人×50本×39.5円=98,750円となる。」 4.当初明細書又は図面 本願の願書に最初に添付された明細書又は図面の記載は下記の通りである。 記 『【発明の名称】SOFT BANK SYSTEM 【特許請求の範囲】 【請許項1】 店がお客様の所有するソフトを預かり、まずソフトのオーナーとして登録してもらい、それを貸し出すというシステム。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する分野】 このシステムはソフトを貸し出す事によって、店とオーナーと私が利益を受けるべく考えられたものである。 【0002】 【従来の技術】 従来のレンタルソフト業においては、お客様はソフトを借りるだけの立場であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 これまでには、次ぎのような欠点があった。 (イ)ソフトのレンタル料が高いという事。 (ロ)お客様は借りる一方だけの立場でしかなかったという事。 (ハ)店がソフトを貸すためにはまず、ソフトを購入しなければならなかった。本システムは、これらの欠点を解決するためになされたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】 ソフト1本のレンタル料を100円とした場合、店とオーナーと私とで利益を配分する考えだから、配分の仕方が、49%:49%:2%だとすると、ソフト一本における貸し出しが月に一回転しかできなかった場合でも1年間ではオーナーの利益は、49円×1回転×12カ月=558円である。もしオーナーが30本のソフトを所有していて、これらを仮りに月に一回転させられるとしたら、588円×30本=17,640円である。このような立場のオーナーを店が30人抱えていれば、一年間での店の利益は17,640円×30人=529,200円となる。 【0005】 【発明の実施の形態】 ソフト1本における貸し出しが月に2回転できた場合なら、オーナーの年間の利益は、49円×2回転×30本×12カ月=35,280円。 よって年間の店の利益は、35,280円×30人×12カ月=1058,400円となる。 【0006】 【実施例】 本システムの実施例について説明すろ。 ソフト1本のレンタル料を100円とした場合、店とオーナーと私とで、利益を配分する考えだから、配分の仕方が、49%:49%:2%だとすると、ソフト1本における貸し出しが月に3回転できた場合なら、オーナーの年間の利益は、 49円×3回転×30本×12カ月=529,200円である。 よって、年間の店の利益は、52,920円×30人=1,587,600円となる。 【0007】 【発明の効果】 このシステムの活用によって、店はソフトの購入に資金を資すことなく、オーナーは現在の銀行の預金金利よりもはるかに高額の利益を受ける事ができ、又お客様は今までよりも、とても安い値段でソフトを借りる事ができる。』 なお、この出願の出願時には願書に図面が添付されていない。 5.当審の判断 上記補正(1)及び補正(2)は、いずれも消費税、著作権料、システム使用料を差し引いた残りの金額を対象とする旨の事項であって、かかる事項は願書に最初に添付された明細書に記載されておらず、願書に最初に添付された明細書の記載から直接的かつ一義的に導き出される事項ではないから、新規事項の追加に相当する。 よって、本件補正は、願書に最初に添付された明細書又は図面の記載事項の範囲内においてなされたものとは認められない。 6.むすび 以上のとおり、本件補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面の記載事項の範囲内においてしたものには該当しないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-01-11 |
結審通知日 | 2001-01-16 |
審決日 | 2001-01-30 |
出願番号 | 特願平9-160386 |
審決分類 |
P
1
8・
561-
Z
(0000)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 江塚 政弘、後藤 時男、飯野 茂 |
特許庁審判長 |
高瀬 浩一 |
特許庁審判官 |
杉野 裕幸 山川 雅也 |
発明の名称 | WINDFALL SYSTEM |