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審決分類 |
審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正しない F16H 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない F16H 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない F16H 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正しない F16H 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正しない F16H |
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管理番号 | 1067298 |
審判番号 | 審判1999-39095 |
総通号数 | 36 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1987-12-19 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 1999-11-19 |
確定日 | 2002-10-29 |
事件の表示 | 特許第1928400号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
I.手続の経緯 本件特許第1928400号に係る発明についての出願は、昭和61年6月10日に特許出願され、平成7年5月12日にその発明について特許権の設定の登録がなされ、平成10年1月26日にトヨタ自動車株式会社より該特許を無効にすることを求めて審判請求(平成11年審判第39095号)がなされ、平成11年3月9日に「本件特許を無効とする」旨の審決がなされ、平成11年4月12日に東京高等裁判所に出訴(平成11年行ケ第102号)され、平成11年11月19日に本件の訂正審判が請求され、平成12年4月4日に訂正拒絶理由の通知がなされたものである。 II.審判請求の要旨 本件審判請求の趣旨は、特許第1928400号に係る明細書(以下、「本件特許明細書」という。)を、本件審判請求書に添付された訂正明細書(以下、「本件訂正明細書」という。)のとおりに訂正しようとするものであって、その訂正の内容は、以下のとおりの訂正事項aないしdからなる。 ・訂正の内容 (1) 訂正事項a 本件特許明細書の「特許請求の範囲」の欄に「車両の走行を誘導するための道路情報を予め記憶するナビゲーション装置」とある記載(本件発明に係る出願公告公報(以下、「公告公報」という。)1欄5~6行)を、「車両の目的地への走行を誘導するための道路情報を予め記憶するナビゲーション装置」と訂正する。 (2) 訂正事項b 本件特許明細書の「特許請求の範囲」の欄に「該現在位置検出手段の出力を受け、」とある記載(公告公報1欄7~8行)を、「該現在位置検出手段の出力を受け、車両の目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合において、」と訂正する。 (3) 訂正事項c 本件特許明細書の「特許請求の範囲」の欄に「車両の現在位置の周囲に関する上記ナビゲーション装置の道路情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段」とある記載(公告公報1欄8~10行)を、「車両前方の道路情報を含む車両の現在位置の周囲に関する上記ナビゲーション装置の道路情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段」と訂正する。 (4) 訂正事項d 本件特許明細書の「発明の詳細な説明」の欄に「また、上記実施例では、ナビゲーション装置50により目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合について説明したが、その他、その表示器66への道路情報の表示を停止した状態でも、少なくともCD-ROM57をCDプレーヤ58に装填すれば、同様に変速段を車両走行状態と車両周囲の道路状況とに応じて適切に制御することができる。」とある記載(公告公報8欄22~28行)を、「以上実施例では、ナビゲーション装置50により目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合について説明した。」と訂正する。 II.当審の判断 1.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 (1) 訂正事項aについて 請求人は、「訂正事項aは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである」旨主張しているが、特許法第126条第1項ただし書きの第3号の規定「明りょうでない記載の釈明」は、現に記載が明りょうでないことを要件としていて、訂正前の記載「車両の走行を誘導するための道路情報を予め記憶するナビゲーション装置」自体になんら明りょうでないとしなければならない点がないばかりか、この記載が原因となって明りょうでないとしなければならないような記載も見当たらない。 また、ナビゲーション装置の一般的意味からみても、誘導の態様は別として、「車両の目的地への走行を誘導するための道路情報を予め記憶する」ものであることが明らかであるから、訂正事項aに係る訂正前の記載事項と訂正したいとする事項との間に相違点がないことも明らかである。 この点については、訂正審判請求書の記載『本件明細書において、訂正前の特許請求の範囲における「車両の走行を誘導する」という記載は、当然に、「車両の目的地への走行を誘導する」ことを意味するものである。このことは、「車両の走行を誘導する」という記載の文意から疑問の余地はない』(5頁10~14行)からみて、請求人も認めているものと解することができる。 してみると、この訂正事項aを含む訂正は、明りょうでないとすることができない記載を、文言を一部付加して同じ意味の記載にするものであると認められるから、特許法第126条第1項ただし書きの第3号に規定される「明りょうでない記載の釈明」を目的とした明細書の訂正に該当しないばかりか、同条同項第1及び2号に規定される事項のいずれかを目的とした明細書の訂正にも該当するものではない。 なお、請求人は、平成12年6月19日付けの意見書において、『本発明において、「車両の走行を誘導する」ということは、単に、ナビゲーション装置の表示画面に、「地図とその地図上の自車の現在位置」を表示するだけではなく、目的地に到達するために走行すべき道すじを、自車の現在位置基準に地図上に表示して、運転者がその表示された道すじを通れば目的地に到達するように、運転者を案内することを意味する。本件特許の明細書中、発明の詳細な説明には、「走行すべき道すじ」を「走行軌跡」という用語で表している。・・・「走行軌跡」という用語は、本件特許の明細書においては、この用語を「目的地に到達するために走行すべき道すじ」の意味に使用している。その・・・根拠として、本件特許明細書には、次の記載がある。「CPU51は、現在位置認識装置65で検出した車両の現在位置と、操作スイッチ55で設定された目的地とを含む道路情報をRAM52から読出すと共に、車両の走行軌跡を演算記憶して、これらを上記表示制御回路67に出力して表示器66にこれら道路情報を表示する機能を有している。」(公報第5欄第39ないし44行)』旨主張して(5頁21行~7頁8行)いるが、「走行軌跡」という用語は、通常、「走行すべき道すじ」でなく「すでに走行した道すじ」の意味を有すること、請求人が摘記した「車両の走行軌跡を演算記憶」を車両の「すでに走行した道すじ」を意味する走行軌跡を演算記憶するとして不都合な点がないこと、「走行すべき道すじ」を演算して表示するには「自動経路探索機能」を奏する部材が必要にもかかわらず、この点について願書に添付した明細書又は図面に記載されていないこと、本件特許に係る出願時点において車両の「すでに走行した道すじ」を意味する走行軌跡を表示して視認により走行誘導するナビゲーション装置が周知であること(例えば、特開昭58-10780号公報、特開昭60-224022号公報参照。)を総合して考えれば、上記「走行軌跡」を、通常の「すでに走行した道すじ」でなく特異な「走行すべき道すじ」の意味であると解釈しなければない特段の事情があるとすることができないので、上記請求人の主張は採用できない。 (2) 訂正事項bについて 請求人は、「訂正事項bは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである」旨主張しているが、訂正前の記載「該現在位置検出手段の出力を受け、」自体になんら明りょうでないとしなければならない点がないばかりか、この記載が原因となって明りょうでないとしなければならないような記載も見当たらない。 ただ、この訂正事項bにより、訂正前において何ら特定されていなかった事項であって、かつ自明でもなかった事項を限定することになるので、この訂正事項bは、特許請求の範囲を減縮することを目的にした明細書の訂正に該当するということができる。 また、この訂正事項b自体は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないとも、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであるとも直ちに言えない。 してみると、訂正事項bを含む訂正は、特許法第126条第1項ただし書きの第1ないし3号の規定に該当するものでないと直ちに言えない。 (3) 訂正事項cについて 請求人は、「訂正事項cは、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである」旨主張し、この訂正事項cを含む訂正が、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである旨主張するが、願書に添付した明細書及び図面の記載によれば、この訂正事項cに係る訂正前の記載事項の中の「車両の現在位置の周囲に関する上記ナビゲーション装置の道路情報」には、区分地図、主要な地名、学校、病院、道路舗装の有無、高速道路と普通道路の区別、直線路とカーブ路との区別、平地と高地の区別、整地と悪路ないし低μ路との区別等が含まれると解される。 しかしながら、このような道路情報のうち、その道路情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更することが具体的に記載されているのは、平地と高地の区別、直線路とカーブ路との区別、整地と悪路ないし低μ路との区別のみであり、そして、上記願書に添付した明細書及び図面の記載、例えば、「一方、・・・車両の現在位置が平地か否かを判別し、高地NOの場合には・・・高出力要求モードの変線図を選択する一方、平地YESの場合には・・・経済運転モードの変速線図を選択する。・・・変速制御の可能時か否か、つまり車両前方の道路がカーブ路か否かを・・・読込んだ道路情報に基いて判別し、カーブ路のYESの場合には変速制御を行わずに直ちにリターンする。一方、ほぼ直線状態の道路の場合には、・・・シフトアップ変速制御を行うとともに、・・・シフトダウン変速制御を行う。・・・現在走行中の道路が低μ路か否かを判別し、舗装路等の摩擦係数の高い通常道路のNOの場合には、・・・シフトダウン変速制御を・・・行ったのち・・・、低μ路のYESの場合には、・・・シフトダウン制御を行わずに・・・進む。・・・、リターンする。」(公告公報第3頁第6欄第41行~第4頁第7欄第22行)によると、直線路とカーブ路との区別のみが「その道路情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する」ために利用されている「車両前方の道路情報」と認められる。 そして、この訂正事項cに係る訂正後の記載事項「車両前方の道路情報を含む車両の現在位置の周囲に関する上記ナビゲーション装置の道路情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段」が「車両前方の直線路とカーブ路との区別する道路情報の外に、同じく車両前方の平地と高地の区別及び直線路とカーブ路との区別する道路情報に応じて制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段」を含むことは明らかである。(このことは、請求人の平成12年6月19日付けの意見書の第8頁の「へ.」(4~15行)の主張からみて、請求人も認めていると解することができる。) しかも、「車両前方の直線路とカーブ路との区別する道路情報の外に、同じく車両前方の平地と高地の区別及び直線路とカーブ路との区別する道路情報に応じて制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段」を含む「車両前方の道路情報を含む車両の現在位置の周囲に関する上記ナビゲーション装置の道路情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段」は、訂正前の願書に添付された明細書又は図面に記載された事項から当業者が直接的かつ一義的に導き出せる事項でもない。 してみると、この訂正事項cを含む訂正は、訂正前の願書に添付された明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許法第126条第2項の規定に適合しない。 (4) 訂正事項dについて 請求人は、訂正審判請求書において、『訂正事項dは、訂正前の記載事項「また、上記実施例では、ナビゲーション装置50により目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合について説明したが、その他、その表示器66への道路情報の表示を停止した状態でも、少なくともCD-ROM57をCDプレーヤ58に装填すれば、同様に変速段を車両走行状態と車両周囲の道路状況とに応じて適切に制御することができる。」の限りでは、「ナビゲーション装置50により目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合」以外のことを説明するものとして理解される可能性があるので、分かり難い記載部分を削除するものである。』旨主張している(6頁15行~7頁5行)。 また、請求人は、平成12年6月19日付けの意見書において、同じ記載に関し、『この記載は、表示器に道路情報を表示しなくとも、CDプレーヤにCD-ROMが装填されていれば、本件発明にしたがって走行誘導を行いながら車両を走行させることが可能であるという趣旨の説明となっている。』と主張している(3頁11~21行)。 ところが、訂正前の願書に添付された明細書又は図面の記載、例えば、「車両の目的地を操作スイッチ55で設定した後は、この目的地への走行過程で、車両の現在位置周りの地図や走行軌跡等がナビゲーション装置50の表示器50に表示されて、目的地への車両走行が簡易に誘導される。」(公告公報4頁7欄36~40行)及び「また、上記実施例では、ナビゲーション装置50により目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合について説明したが、その他、その表示器66への道路情報の表示を停止した状態でも、少なくともCD-ROM57をCDプレーヤ58に装填すれば、同様に変速段を車両走行状態と車両周囲の道路状況とに応じて適切に制御することができる。」(公告公報8欄22~28行)からみて、この訂正事項dに係る訂正前の記載事項は、「実施例では、ナビゲーション装置50の表示器50に車両の現在位置周りの地図や走行軌跡等を表示させて、運転者がその表示された情報を視認することにより、運転者が目的とする地に車両を誘導するものであって、その走行過程において変速段を車両走行状態と車両周囲の道路状況とに応じて適切に制御することができるようになっていて、その他、ナビゲーション装置50の表示器50に車両の現在位置周りの地図や走行軌跡等を表示させることなく車両を走行させながら、その走行過程において変速段を車両走行状態と車両周囲の道路状況とに応じて適切に制御することができるようなことも可能であること」を意味していることが明らかである。 この訂正事項dに係る記載事項において、後段の「ナビゲーション装置50の表示器50に車両の現在位置周りの地図や走行軌跡等を表示させることなく車両を走行させるながら」の場合、当然、運転者がその表示された情報を視認することができないのであるから、運転者が目的とする地に車両を誘導する機能を有さないものと解することができる。 してみると、この訂正事項dに係る訂正前の記載事項自体になんら明りょうでないとしなければならない点がないばかりか、この記載が原因となって明りょうでないとしなければならないような記載も見当たらない。 このような点を踏まえて、上記請求人の主張をみると、請求人は、『「ナビゲーション装置50により目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合」以外のことを説明するもの』として明りょうに理解される事項を変えようとするものであるから、結果として、訂正事項bに係る訂正後の記載事項「該現在位置検出手段の出力を受け、車両の目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合において、」の技術的意義を変更することになる。 したがって、この訂正事項dを含む訂正は、特許法第126条第1項ただし書きの第3号に規定される「明りょうでない記載の釈明」を目的とした明細書の訂正に該当しないばかりか、同条同項第1及び2号に規定される事項のいずれかを目的とした訂正にも該当するものではない。同時に、この訂正事項dを含む訂正は、実質上特許請求の範囲を変更するものに該当し、特許法第126条第2項の規定に適合しない。 なお、請求人は、上記意見書において、『訂正事項dにより削除の対象となっている明細書の記載は、車両の現在位置周りの地図や走行軌跡等を表示しないものも、本件発明によって走行誘導できるとしている点で、それ自体の記載内容が、明細書中の他の部分における記載に整合するものでなく、訂正拒絶理由通知における上記認定とも矛盾するものとなっている。』とも主張している(4頁4~8行)。 しかしながら、指摘する明細書の記載事項は、車両の現在位置周りの地図や走行軌跡等を表示しない場合に走行誘導するのでなく、変速段の制御を行うことを述べていることが明らかであり、この記載事項に明りょうでないとする点がないのは前示のとおりである。 2.独立特許要件 (1) 本件訂正明細書に係る発明の要旨 本件訂正明細書に係る発明(以下、「本件発明」という。)の要旨は、その願書に添付された本件訂正明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。 「車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、該走行状態検出手段で検出した車両の走行状態に応じて自動変速機の変速段を制御する制御手段とを備えるとともに、車両の目的地への走行を誘導するための道路情報を予め記憶するナビゲーション装置と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、該現在位置検出手段の出力を受け、車両の目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合において、車両前方の道路情報を含む現在位置の周囲に関する上記ナビゲーション装置の道路情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。」 (2) 本件発明の技術的課題(目的)、構成及び作用効果 本件発明に係る出願公告公報によれば、その明細書には、本件発明の技術的課題(目的)、構成及び作用効果について次のように記載されていると認められる。 a.技術的課題(目的) イ 「自動変速機での変速は、上記車両の走行状態に加えて車両周囲の道路状況に応じても制御するのが好ましく、例えばカーブ走行中は車両の走行状態に拘わらず変速を禁止するのが望ましく、また低摩擦係数路(低μ路)では変速時でのトルクの急変化に伴って車輪の横すべりが生じるのを抑制すべく運転者の意志によっても無理な変速を行わないのが望ましい。」(公告公報2欄13行~3欄4行) ロ 「道路状況に応じた変速制御を行う場合、車両の走行路面の状況を検出して変速制御を行う構成を採用することが考えられるが、この考えでは、路面状況を検出する多くのセンサを必要として、価格性の点で欠点が生じる。」(公告公報3欄8行~11行) ハ 「本願発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、特に車両の走行を誘導するためのナビゲーション装置があることに着目し、その目的は、上記ナビゲーション装置に予め記憶されている道路情報に基いて、自動変速機の車両走行状態に応じた変速制御を補正することにより、多くのセンサを要することなく、自動変速機の変速段を車両走行状態に(「と」の誤字)路面状況の双方でもって良好に変速制御することにある。」(公告公報3欄12行~19行) b.構成 ニ 「上記目的を達成するため、・・・第1図に示すように、・・・走行状態検出手段204と、・・・自動変速機3の変速段を制御する制御手段210とを設ける。さらに・・・ナビゲーション装置50と、・・・現在位置検出手段65と、・・・上記制御手段210による自動変速機3の制御パターンを変更する変更手段211とを設ける構成としたものである。」(公告公報3欄21行~32行) ホ 「上記コントローラ49は、第5図に示す如く車両の走行を誘導するナビゲーション装置50の一部として構成されている。・・・また、上記コントローラ49には、CD-ROM57が装填されるCDプレーヤ58が・・・信号の授受可能に接続され、」(公告公報5欄9行~20行) ヘ 「上記CD-ROM57の内部には、予め、車両の整備要領および、道路の制限速度や駐停車禁止等の各付加情報、並びに車両の走行誘導に必要な情報、例えば第6図に示す如き区分地図61や、主要な地名,学校,病院及び道路舗装の有無、高速道路と普通道路との区別、直線路とカーブ路との区別、平地と高地との区別、若しくは整地と悪路ないし低μ路との区別が各々上記区分地図61の座標系において正確に記憶されていて、該CD-ROM57の車両整備要領は・・・放送される一方、道路情報がCPU51に入力されてRAM52に記憶される。」(公告公報5欄22行~33行) ト 「車両の現在位置の周囲に関するナビゲージョン装置50の道路情報に応じて、高地走行時には変速線図を強制的に高出力要求モードにし、カーブ走行中は変速を禁止し、また低μ路走行時には2段のシフトダウン制御を行わないように上記制御手段210の制御パターンを変更する」(公告公報7欄29行~34行) チ-1 「その他、例えば山間地では前進4速(オーバドライブ)の移行を禁止してもよい。この場合には、前進第3速と第4速相互間での頻繁な変速動作に伴なう切換ショックを防止でき、山間地での走行性能の向上を図ることができる。」(公告公報8欄17行~21行) チ-2 「車両の目的地を操作スイッチ55で設定した後は、この目的地への走行過程で、車両の現在位置周りの地図や走行軌跡等が・・・表示器66に表示されて、目的地への車両走行が簡易に誘導される。」(公告公報7欄36~40行) c.作用効果 リ 「車両周囲の道路状況はナビゲーション装置50に予め内蔵した道路情報を利用しているので、道路状況検出用の多くのセンサを別途に設ける必要がなく、その分、低コスト化が可能である。」(公告公報8欄10行~13行) ヌ 「頻繁な変速動作に伴なう切換ショックを防止でき、山間地での走行性能の向上を図ることができる。」(公告公報8欄19行~21行) ル 「道路状況検出用の各種センサを設けることなく、自動変速機の変速段を適切に制御することができ、車両の走行性能および安全性の向上を図ることができる。」(公告公報8欄34行~36行) チ-2 「車両の目的地を操作スイッチ55で設定した後は、この目的地への走行過程で、車両の現在位置周りの地図や走行軌跡等が・・・表示器66に表示されて、目的地への車両走行が簡易に誘導される。」(公告公報7欄36~40行) (3) 訂正拒絶理由に引用された刊行物 a.刊行物1:特開昭60-146948号公報(昭和60年8月2日公開) b.刊行物2:特開昭53-137376号公報(昭和53年11月30日公開) c.刊行物3:特開昭60-169330号公報(昭和60年9月2日公開) d.刊行物4:特開昭61-99748号公報(昭和61年5月17日公開) e.刊行物5:特開昭53-35866号公報(昭和53年4月3日公開) f.刊行物6:特開昭58-89434号公報(昭和58年5月27日公開) (4) 引用された刊行物に記載された事項等 a.刊行物1 自動車の変速装置をスロットル開度と車速の関係から自動的に切換えるものであって、特殊なセンサ類も追加せずにECTマイクロコンピュータのプログラム変更だけで登坂路を検出して、変速パターンを自動的に切換える自動変速制御装置に関する発明について記載されている。 b.刊行物2 エンジンのスロットル開度と車速とを検出して自動変速するものであって、水銀スイッチを坂路検出手段として、自動変速機の変速点を変更するようにした自動変速機用変速制御装置に関する発明について記載されている。 c.刊行物3 車両の走行状態を検出し、それに対応して予め定めた変速パターンにより変速比を制御するものであって、角速度センサより曲路走行の有無を判定する検出手段の曲路検出信号に応じて変速パターンを補正するようにした自動変速制御装置に関する発明について記載されている。 d.刊行物4 ワイパースイッチ、雨滴センサや路面状態判断手段を路面摩擦係数の低下を知得する知得手段として、自動変速機の変速点を低μ路パターンと高μ路パターンに変更させるようにした変速制御装置に関する発明について記載されている。 e.刊行物5 車速、エンジンの負荷の大きさ等の変速条件を検出してエンジンと走行車輪間の回転伝達比を制御するものであって、車両の傾斜度の検出を不要にし、運転者の操作態様によりエンジンブレーキを必要とする状態が検知されたとき自動変速機の減速比が大きくなるように指令を発するようにした自動車の自動変速機用制御装置に関する発明について記載されている。 これらの記載された発明を本件発明と対比してみると、検出又は知得の対象となっている「登坂路」、「坂路」、「曲路」、「路面摩擦係数」及び「エンジンブレーキを必要とする状態」は、少なくとも、本件発明の技術的課題(目的)でいうところの「道路状況」に相当し、また、制御の対象となっている「変速パターンを切換える」、「変速点を変更する」、「変速パターンを補正する」、「変速点を低μ路パターンと高μ路パターンに変更させる」及び「自動変速機の減速比が大きくなる」は、本件発明の「自動変速機の制御パターンを変更する」に相当するものと認められる。 してみると、これら刊行物1ないし刊行物5に記載された発明からみて、本件発明の出願前に次のような発明(以下、「公知発明A」という。)が公知であると認めることができる。 <公知発明A> 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、該走行状態検出手段で検出した車両の走行状態に応じて自動変速機の変速段を制御する制御手段とを備えるとともに、 車両の現在位置の道路状況を検出するセンサ又は他の目的のセンサ等と、該センサ又は他の目的のセンサ等の出力を受け、車両の現在位置の道路状況に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 f.刊行物6に記載された技術的事項及び発明 刊行物6には、車両用制御装置に関する発明について記載され、その特許請求の範囲に、「走行路の走行環境に応じた車両各部の最適制御状態に相当する制御モードを予め記憶する記憶装置と、車両の現在の走行位置を検出する位置検知装置と、該位置検知装置からの検出出力を取り込み、車両の現在の走行位置に対応する制御モードを前記記憶装置より読み出し出力するメモリコントローラと、該メモリコントローラから出力される制御モードに基づいて車両各部を制御するコントローラとから構成されていることを特徴とする車両用制御装置。」と記載され、その技術的課題(目的)、構成及び作用効果について次のように記載されている。 イ 技術的課題(目的) 「本発明は・・・・具体的には走行路の走行環境に応じて車両の各部を最適状態に制御する車両用制御装置に関する。 従来この種の車両用制御装置にあっては現在の車両の走行環境を各種センサの検出出力により判定し、この判定結果に基づいて車両各部の制御を行っていた。 しかしながらセンサ出力は一般に誤差が大きくセンサの検知できない環境要因も多いため走行環境に応じた車両各部の最適制御は困難であるという欠点があった。 本発明の目的は現在の走行環境を検出することなく車両各部を最適状態に制御することが可能な車両用制御装置を提供することにある。」(1頁左下欄16行~右下欄9行) ロ 構成 ・ 「また10は車両の走行地域の地図等の表示情報及び走行環境、即ち走行路の各区間における制限速度、道路状態(舗装状態)、あるいは工場地帯、見通しが悪い山岳部等の外部環境に応じて車両各部を最適制御するための制御モードが走行路の各位置に対応して記憶されている外部メモリであり、」(2頁左上欄18行~右上欄3行) ・ 「メモリコントローラ30はメモリコントロールパネル40のキー操作により外部メモリ10に格納されている地図等の表示データ及び走行路の走行環境に応じた車両各部制御状態を指示するための制御モードデータをRAM20に転送し且つ表示部7に走行地域の地図を描出させると共に、車両走行中にあっては前記加算器8からの加算信号を取り込み車両の現在地に応じた各種の制御モードをRAM20より読み出し、各コントローラ50-1、50-2、50-3に出力する。」(2頁右上欄13行~左下欄3行) ・ 「またコントローラ50‐1は車速を制御する車速コントローラ、50-2はヘッドライトのビームの切換制御を行うヘッドライトコントローラ、50-3はエアコンディショナの冷暖房、内外気の切換等を制御するエアコントローラである。尚、コントローラは説明の便宜上、3つしか挙げていないが実際には上記以外の各種のコントローラが設けられている。」(2頁左下欄8~15行) ・ 「車両の現在位置P1、P2、・・・・を示す現在位置信号をメモリコントローラ30及び表示部7に出力する。・・・・これらのコントローラ50-1、50‐2、50-3は指定された制御モードに基づいて車両各部を走行路の走行環境に応じて最適状態に制御する。」(3頁左上欄2~11行) ハ 作用効果 ・ 「本発明では走行路の走行環境に応じた各部の最適制御状態を予め記憶しておき、一方現在の走行位置を検出することによって記憶された車両各部の制御状態を再現して車両を制御するように構成したので本発明によれば走行路の走行環境に応じて車両を最適状態に制御し得る。」(3頁左上欄20行~右上欄6行) これらの記載された技術的事項と本件発明を対比してみると、該甲第6号証に記載の「車両の現在の走行位置を検出する位置検知装置の検出出力を取り込み」、「車両の現在の走行位置に対応する」及び「車両の走行地域の地図等の表示情報を予め格納している外部メモリ」は、それぞれ、本件発明の「車両の現在位置を検出する現在位置検出手段の出力を受け」、「車両の現在位置の周囲に関する」及び「車両の走行を誘導するための道路情報を予め記憶するナビゲーション装置」に相当する。 なお、請求人は、上記意見書において、『一般に、ナビゲーション装置における車両の走行の誘導とは、使用者が目的地を入力したとき、ナビゲーション装置がその目的地までの走行すべき道すじを検索し、その経路を表示画面の地図上に表示して運転者にその経路に沿った走行をうながすものである。』(14頁13~16行)と主張しているが、このようなことが願書に添付した明細書又は図面に記載されていないこと、特開昭60-221900号公報、特開昭60-224022号公報、特開昭58-10780号公報の記載からみて、「ナビゲーション装置における車両の走行の誘導」には、車両の現在位置や現在位置区域の地図を表示することにより、運転者が視認しながら目的地まで車両を走行させることが含まれることを勘案すると、本件発明の「車両の走行を誘導するための道路情報を予め記憶するナビゲーション装置」は、車両の現在位置や現在位置区域の地図を表示することにより、運転者が視認しながら目的地まで車両を走行させるようなナビゲーション装置を排除するものであるとすることができないので、上記請求人の主張は採用することができない。 そして、同刊行物6に記載の「車両の現在の走行位置に対応する走行路の各区間における制限速度、道路状態(舗装状態)、あるいは工場地帯、見通しが悪い山岳部等の外部環境」は、その通常の意味及び本件発明に係る明細書の記載に照らしてみて、本件発明に係る明細書に記載された「車両の現在位置の周囲に関する道路情報」の対象を意味することが明らかであり、さらに、同甲第6号証に記載の「外部環境に応じた車両各部制御状態を指示するための制御モードデータに基づいて車両各部を制御すること」は、結局、「道路情報」に応じて「車両の制御したい各部を予め決められた態様で制御すること」と解することができる。 してみれば、刊行物6には、「現在の車両の走行環境をその検出出力により判定し、この判定結果に基づいて車両各部を制御することに用いられていた各種センサを使用することなく、走行路の走行環境に応じて車両の各部を最適状態に制御する車両用制御装置を提供すること」を目的とした、次のような発明(以下、「刊行物6発明」という。)が記載されていると認められる。 <刊行物6発明> 車両の走行を誘導するための道路情報を予め記憶するナビゲーション装置と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、該現在位置検出手段の出力を受け、車両の現在位置の周囲に関する上記ナビゲーション装置の道路情報に応じて車両の制御したい各部を予め決められた態様で制御することを特徴とする車両用制御装置。 (5) 本件発明と公知発明Aとの対比・判断 イ 本件発明と公知発明Aとの対比 本件発明と公知発明Aとを対比すると、上記II.2.(2) で説示した「本件発明のa.技術的課題(目的)、b.構成、c.作用効果」からみて、公知発明Aの「道路状況に応じて」は、本件発明の「道路情報に応じて」に相当し、また、両者とも「車両の現在走行する道路に関する道路状況」を得るために「車両の現在走行する道路に関する情報」を得ていると解することができるので、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。 <一致点> 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、該走行状態検出手段で検出した車両の走行状態に応じて自動変速機の変速段を制御する制御手段とを備えるとともに、車両の現在走行する道路に関する情報を得て、該情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段と、を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 <相違点> 本件発明は、車両の目的地への走行を誘導するための道路情報を予め記憶するナビゲーション装置と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、該現在位置検出手段の出力を受け、車両の目的地への走行誘導を行いながら車両走行する場合において、車両の現在位置の周囲に関する上記ナビゲーション装置の道路情報に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段とを備えているのに対し、公知発明Aは、車両の現在位置の道路状況を検出するセンサ又は他の目的のセンサ等と、該センサ又は他の目的のセンサ等の出力を受け、車両の現在位置の道路状況に応じて上記制御手段による自動変速機の制御パターンを変更する変更手段とを備えている点。 ロ 相違点についての検討 以下、本件発明と公知発明Aとの相違点について検討する。 上記II.2.(2) a.の本件発明の技術的課題(目的)における「イ 自動変速機での変速は、車両の走行状態に加えて車両周囲の道路状況に応じても制御するのが好ましく、例えばカーブ走行中は車両の走行状態に拘わらず変速を禁止するのが望ましく、また低摩擦係数路(低μ路)では変速時でのトルクの急変化に伴って車輪の横すべりが生じるのを抑制すべく運転者の意志によっても無理な変速を行わないのが望ましい。」ということは、自動変速機の変速制御の技術的課題(目的)として、従来周知のものである。 そして、公知発明Aは、このような従来周知の技術的課題(目的)を前提として、「車両周囲の道路状況」を、運転者の五感を介して知得するものでなく、直接的又は間接的に検出又は知得すべく「センサ等の手段」を設け、該「センサ等の手段」の出力を受け、自動的に自動変速機の制御パターンを変更するようにしたものであって、上記II.2.a.本件発明の技術的課題(目的)のロにおいて指摘されているものと同様のものと認められる。 また、本件発明は、公知発明Aと同じように上記従来周知の技術的課題(目的)を前提として、「車両周囲の道路状況」を、公知発明Aのような「センサ等の手段」を介して知得するものでなく(「多くのセンサを要することなく」と記載されている。)、直接的又は間接的に検出又は知得することをその技術的課題(目的)として、「ナビゲーション装置」を用いたものと認められる。 一方、刊行物6発明は、「現在の車両の走行環境をその検出出力により判定し、この判定結果に基づいて車両各部の制御することに用いられていた各種センサを使用することなく、走行路の走行環境に応じて車両の各部を最適状態に制御する車両用制御装置を提供すること」をその技術的課題(目的)として「ナビゲーション装置」を用いていることは、上記II.2.(4) f.で説示したとおりである。 換言すれば、刊行物6発明は、該発明の前段階において、「車両周囲の道路状況」を運転者がその五感を介して知得し、運転者の意志によって車両の各部に対して必要な制御を行っていたものに対して、該「車両周囲の道路状況」を運転者の五感を介して知得することなく、機器によって直接的又は間接的に検出又は知得し、運転者の意志によることなく、自動的に車両の各部に対して必要な制御を行ったものということができる。 そして、刊行物6においては、直接的又は間接的に検出又は知得する手段として、センサについて開示すると共に、該センサに比較して有利な効果を奏するものとして、「ナビゲーション装置」を開示し、該「ナビゲーション装置」を発明の構成要素として記載されている。 しかも、刊行物6発明においては、「ナビゲーション装置」を介して知得する対象が「道路情報」であることが明らかであり、また、車両の走行を誘導するといった通常の「ナビゲーション装置」の機能からみても、自動変速機の制御パターンを変更するのに必要な道路情報である、「坂路」、「曲路」又は「路面摩擦係数(「舗装状態」から推測可能)」の有無や状態等を該「ナビゲーション装置」から得ることは、当業者にとって格別困難なことではない。 さらに、車両運転にとって、前方の道路情報を知得できることは円滑な運転上も望ましいことであって、従来より、例えば、道路標識において「前方に急カーブあり」等が表示されているところであり、この思想がナビゲーション装置の運転支援機能の一つとして採用されているものと解される。 そして、刊行物6には、刊行物6発明の車速コントローラが自動変速機を含むと明確に記載されていないものの、刊行物6発明の「ナビゲーション装置」を公知発明Aに適用することを阻害する特段の事情があるとする根拠も見当たらなく、通常の「ナビゲーション装置」の機能に照らしてみれば、刊行物6に記載された道路情報が「制限速度、道路状態(舗装状態)、あるいは工場地帯、見通しが悪い山岳部」に限定されなければならないとか、該道路情報を検知又は知得するセンサがダストセンサ、臭気センサ、騒音センサ等に限定されなければならないといった特段の事情もない。また、道路情報にナビゲーション装置によって検出することはできないものがあっても、自動変速機の制御パターンを変更するのに必要な道路情報である「坂路」、「曲路」又は「路面摩擦係数(「舗装状態」から推測可能)」の有無や状態等を「ナビゲーション装置」から得ることが可能であることは当業者であれば容易に予測できる範囲のことであると認められる。 してみると、自動的に自動変速機の制御パターンを変更するに必要な道路情報を直接的又は間接的に検出又は知得する手段として「センサ」を含めて多様なものがあることを示す公知発明Aと、車両の各部を最適に制御するために「センサ」を用いることなく「ナビゲーション装置」を用いた刊行物6発明とを示す公知文献に接した当業者であれば、公知発明Aへ刊行物6発明の技術思想を適用して上記相違点に係る本件発明の構成とすることは、容易に想到できるものと認められる。 (6) 独立特許要件のむすび したがって、本件発明は、刊行物1ないし5に記載された発明及び刊行物6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであると認められるので、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明である。 III.全体のむすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判請求は、特許法第126条第1ないし4項の規定に適合しないので、当該訂正を認めることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-10-17 |
結審通知日 | 2000-10-27 |
審決日 | 2000-11-09 |
出願番号 | 特願昭61-134269 |
審決分類 |
P
1
41・
121-
Z
(F16H)
P 1 41・ 841- Z (F16H) P 1 41・ 856- Z (F16H) P 1 41・ 832- Z (F16H) P 1 41・ 855- Z (F16H) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 川上 益喜 |
特許庁審判長 |
舟木 進 |
特許庁審判官 |
佐藤 洋 和田 雄二 |
登録日 | 1995-05-12 |
登録番号 | 特許第1928400号(P1928400) |
発明の名称 | 自動変速機の制御装置 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 竹内 英人 |
代理人 | 今城 俊夫 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 小川 信夫 |
代理人 | 箱田 篤 |
代理人 | 村社 厚夫 |
代理人 | 宍戸 嘉一 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 中村 稔 |