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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 E05F |
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管理番号 | 1099754 |
異議申立番号 | 異議2002-73040 |
総通号数 | 56 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-10-08 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-12-17 |
確定日 | 2004-06-26 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 特許第3300195号「ウィンドレギュレータのウィンドガラス支持部構造」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3300195号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
【1】手続の経緯 平成 7年 3月23日:出願(特願平7-91632号) 平成14年 4月19日:設定登録 12月17日:異議申立(申立人 岩田 壮史) 平成15年 1月 7日:異議申立(申立人 仲井 隆史) 11月10日:異議決定(特許を取消) 12月25日:特許権者が出訴 (東京高裁平成15年(行ケ)578号) 平成16年 1月19日:特許権者が訂正審判請求 (訂正2004-39015) 2月27日:上記訂正審判事件で訂正を容認する旨の審決 3月31日:判決(異議決定を取消) 4月19日:各申立人に対して審尋 5月25日:回答書(仲井 隆史) 5月26日:回答書(岩田 壮史) 【2】本件発明 本件特許の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、上記のとおり平成16年2月27日に訂正が認められたので、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものである。 「車体側に支持される昇降駆動機構と、縦向きのウィンドガラスの下部を支持して上記昇降駆動機構により昇降可能とされる樹脂製の昇降台とを設け、この昇降台が、上記ウィンドガラスの下部の厚さ方向における一側面を当接させて同上ウィンドガラスの下部を固着具により固着させる固着板と、上記ウィンドガラスの下部の下方近傍に位置するように、上記固着板の一側面からその外側方に向って突設される仮置台とを備えたウィンドレギュレータのウィンドガラス支持部構造において、上記ウィンドガラスの厚さ方向で、このウィンドガラスの下部の他側面に対向するように上記仮置台の突出端部側から上方に向けてストッパ部を突設し、同上ウィンドガラスの厚さ方向で、上記ストッパ部に対向する上記固着板の部分に貫通孔を形成し、上記ストッパ部から貫通孔に至る上記仮置台の上面と、上記貫通孔の内周面のうちの下面とに、上記ウィンドガラスの厚さ方向に延びる溝を形成したウィンドレギュレータのウィンドガラス支持部構造。」 【3】各申立人の主張の概要 (1)申立人 岩田 壮史は、証拠として甲第1~4号証を提出し、上記訂正前の請求項1に係る発明の特許は、甲第1~4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1に係る発明の特許を取り消すべき旨、主張する。 (2)申立人 仲井 隆史は、証拠として甲第1~5号証を提出し、上記訂正前の請求項1に係る発明の特許は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~5号証に記載された周知の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1に係る発明の特許を取り消すべき旨、主張する。 【4】当審の判断 (1)本件発明と上記甲号各証記載の発明とを対比すると、甲号各証には、少なくとも本件発明の「ウィンドガラスの厚さ方向で、このウィンドガラスの下部の他側面に対向するように仮置台の突出端部側から上方に向けてストッパ部を突設し、同上ウィンドガラスの厚さ方向で、上記ストッパ部に対向する固着板の部分に貫通孔を形成し、上記ストッパ部から貫通孔に至る上記仮置台の上面と、上記貫通孔の内周面のうちの下面とに、上記ウィンドガラスの厚さ方向に延びる溝を形成した」点について何等記載されておらず、示唆もない。 そして、本件発明は該構成を備えることにより、上記甲号各証記載のものにはない次の作用効果を奏するものである。 「【0076】このため、上記溝を設けた分、上記した軸形状型の断面形状を大きくできて、型の強度と剛性を向上させることができる。 【0077】よって、昇降台の成形が精度よくできると共に、型の強度と剛性の確保のために、貫通孔をあまり大きくしないで済む分、この貫通孔の断面積を小さくできると共に、これと対応する形状のストッパ部の前後、および上方への突出寸法も小さくすることができて、このストッパ部の大きさの選択の自由度が向上する。」 (2)申立人 岩田 壮史は、上記回答書において、「ストッパ部から貫通孔に至る仮置台の上面と、上記貫通孔の内周面のうちの下面とに、ウィンドガラスの厚さ方向に延びる溝を形成した」点は、単なる設計的事項にすぎず、(訂正後の)本件発明は依然として当業者が容易になし得たものにすぎない旨、主張する。 しかし、本件発明は、上記「溝」を形成したことに伴い、「貫通孔の断面積を小さくできると共に、これと対応する形状のストッパ部の前後、および上方への突出寸法も小さくすることができて、このストッパ部の大きさの選択の自由度が向上する。」という効果を奏するものである以上、単なる設計的事項であるとすることはできない。 (3)申立人 仲井 隆史は、上記回答書において新たに特開平3-269979号公報を提示し、上記構成が当該公報に記載されている旨、主張する。 しかし、当該公報を精査しても、本件発明の上記「溝」等に相当するものが明確に記載されているとは認められない。 (4)以上のとおりであるから、本件発明は、上記甲号各証に記載された発明等に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 【5】むすび したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許を取消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2003-11-10 |
出願番号 | 特願平7-91632 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(E05F)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 住田 秀弘 |
特許庁審判長 |
山 田 忠 夫 |
特許庁審判官 |
伊 波 猛 新 井 夕起子 |
登録日 | 2002-04-19 |
登録番号 | 特許第3300195号(P3300195) |
権利者 | ダイハツ工業株式会社 日本ケーブル・システム株式会社 |
発明の名称 | ウィンドレギュレータのウィンドガラス支持部構造 |
代理人 | 澤田 忠雄 |
代理人 | 澤田 忠雄 |